以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、作用又は機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
色の表示に関しては、黄色を“Y”、マゼンタ色を“M”、シアン色を“C”、黒色を“K”、金属顔料を含む白色を“W”、金属顔料を含み金属光沢感を示す色(例えば金色及び銀色等のメタリック色)を“Si”、及び上記の色とは異なる予め定めた色、一例として特定のRGB値で表される赤色(カスタムレッド)を“CR”で表す。なお、CR色の用途については後ほど説明する。また、“R”は赤色、“G”は緑色、“B”は青色を表す記号である。
各部材又は画像を色毎に区別して説明する必要がある場合には、名称又は符号の末尾に各色に対応する色符号(Y、M、C、K、W、Si、CR)を付して区別する。一方、各部材又は画像を色毎に区別せずにまとめて説明する場合には、名称又は符号の末尾に付加する色符号を省略する。
<第1実施形態>
図1に、開示の技術に係る電子写真方式を用いた画像形成装置200の要部構成を表す概略側面図の一例を示す。画像形成装置200には、例えば図示しない通信回線を介して画像データを受信し、受信した画像データに基づいた画像(ユーザ画像)を用紙等の記録媒体に形成する画像形成機能が搭載されている。
画像形成装置200は、Y、M、C、K、Si、及びCRの色毎に、図中矢印Aの方向に回転する6つの感光体1Y、1M、1C、1K、1Si、及び1CRと、帯電バイアスを供給することにより各感光体1の表面を帯電する帯電器2Y、2M、2C、2K、2Si、及び2CRを備える。
また、画像形成装置200は、帯電された感光体1表面を各色の画像情報に基づいて変調された光で露光し、感光体1上に静電潜像を形成するレーザ出力部3Y、3M、3C、3K、3Si、及び3CRと、各色の現像剤(トナー)を保持する現像ロール34Y、34M、34C、34K、34Si、及び34CRを各々備える。
また、画像形成装置200は、図示しない現像バイアス用電源によって各色の現像ロール34に現像バイアスを供給することにより、感光体1上の静電潜像を各色トナーで現像して感光体1上にトナー画像を形成する現像器4Y、4M、4C、4K、4Si、及び4CRと、感光体1上の各色トナー画像を転写体の一例で中間転写ベルト6に転写する一次転写器5Y、5M、5C、5K、5Si、及び5CRを備える。
更に、画像形成装置200は、記録媒体の一例である用紙を収納する用紙収容部Tと、中間転写ベルト6上のトナー画像を用紙Pに転写する二次転写器7と、用紙Pに転写されたトナー画像を用紙Pに定着させる定着器9と、二次転写器7でトナー画像を用紙Pに転写した後、中間転写ベルト6表面に残留するトナーを除去するベルトクリーナー8を備える。
また、画像形成装置200は、各感光体1の表面をクリーニングする図示しないクリーナーと、各感光体1表面の残留電荷を除去する図示しない除電器を備える。
なお、Y、M、C、K、Si、及びCR毎の感光体1、帯電器2、レーザ出力部3、及び現像ロール34を含む現像器4は、互いに連携して中間転写ベルト6にトナー画像を形成する画像形成部15の一例であると共に、画像形成部15は画像形成手段の一例である。また、一次転写器5は転写手段の一例である。
なお、以降では、Y、M、C、Kの各色をまとめて「プロセスカラー」という場合があり、プロセスカラーに対応した各々のトナー(プロセスカラートナー)は第1現像剤の一例である。Si色に対応したトナーは特色トナーの一例であると共に、第2現像剤の一例でもある。CR色に対応したトナーは、金属顔料を含まない特色トナーの一例であると共に、第3現像剤の一例である。
Si色に対応したトナーの代わりW色に対応したトナーを用いてもよいが、ここでは金属顔料を含むトナーの代表例として、Si色に対応したトナーを用いて説明を行う。すなわち、W色に対応したトナーも特色トナーの一例であると共に、第2現像剤の一例である。
ここで、CR色とは、プロセスカラートナー及び特色トナーのうち、少なくとも2色のトナーを重ね合わせて表現した色ではなく、予め定めた色に調合された専用のトナーによって表現される色をいう。例えば会社のロゴマークに用いられている色等、比較的多くの場面で使用されることが考えられる色の場合、プロセスカラートナー及び特色トナーを重ね合わせて毎回作成するより、予めロゴマーク等の色に調合した専用のトナーを用いた方が画像形成に係る時間が短縮される。したがって、画像形成装置200は、CR色に対応したトナー画像を中間転写ベルト6に形成する専用の画像形成部15CRを備える。
次に、図1に示した画像形成装置200における画像形成動作について説明する。
まず、例えば、図示しない通信回線を介して図示しないパーソナルコンピュータ等の端末装置から画像形成対象であるユーザ画像に対応した画像データが画像形成装置200へ出力される。
画像形成装置200にユーザ画像が入力されると、画像形成装置200は帯電器2に帯電バイアスを供給し、感光体1の表面を負極に帯電する。
一方、ユーザ画像は、画像形成装置200の制御部60に入力される。制御部60は、ユーザ画像をそれぞれプロセスカラー、Si、及びCR各色の画像データに分解した後、各色の画像データに基づいた変調信号を、対応する色のレーザ出力部3に出力する。レーザ出力部3は、入力された変調信号に従って変調されたレーザ光線11を出力する。
この変調されたレーザ光線11は、それぞれ感光体1の表面に照射される。感光体1表面は帯電器2により負極に帯電した状態にあるが、感光体1表面にそれぞれレーザ光線11が照射されると、レーザ光線11が照射された部分の電荷が消滅して、感光体1上には各色の画像データに対応した静電潜像が各々形成される。
更に、各色現像器4には、それぞれY、M、C、K、Si、及びCRに着色され、負極に帯電したトナー、及び各トナーを感光体1表面に付着する現像ロール34が入っている。
感光体1上に形成された静電潜像が現像器4に到達すると、図示しない現像バイアス用電源によって現像器4内の現像ロール34に現像バイアスが供給される。すると、現像ロール34の各々の周面に保持された各色のトナーが、それぞれ対応する色の感光体1の静電潜像に付着し、感光体1の各々に画像データで表される色に対応したトナー画像が各々形成される。
更に、図示しないモータによりローラ12A、12D、12E、及び二次転写器7のバックアップロール7Aが回転することによって、中間転写ベルト6が矢印14の方向に搬送され、一次転写器5と感光体1により形成されるニップ部の各々で中間転写ベルト6が感光体1に押し当てられる。この際、図示しない一次転写バイアス電源から一次転写器5に一次転写バイアスが供給され、感光体1に形成された各色のトナー画像が中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。
中間転写ベルト6にトナー画像を転写した感光体1は、図示しないクリーナーにより表面に付着した残留トナー等の付着物が除去され、図示しない除電器により残留電荷が除去される。
一方、二次転写器7は中間転写ベルト6を張架するバックアップロール7Aと二次転写ロール7Bを含んで構成され、二次転写ロール7Bは中間転写ベルト6に接触して、中間転写ベルト6の搬送に追従して回転する。
また、図示しないモータにより用紙搬送ローラ13が回転することで、用紙収容部T内の用紙Pが二次転写器7のバックアップロール7Aと二次転写ロール7Bとの組み合わせによる二次転写ロール対によって形成される二次転写ニップ部に搬送される。
そして、二次転写ニップ部において、トナー画像が形成されている中間転写ベルト6の面と対向した状態で、用紙Pが中間転写ベルト6に押し当てられる際に、二次転写バイアス電源から二次転写ロール対に二次転写バイアスが供給され、中間転写ベルト6に形成されたトナー画像が用紙Pに転写される(二次転写)。用紙P上に転写されたトナー画像は、定着器9により加熱及び加圧され、用紙Pに定着する。
用紙Pにトナー画像を転写した中間転写ベルト6は、ベルトクリーナー8により表面に付着した残留トナー等の付着物が除去される。
以上により、ユーザ画像が用紙Pに形成されて、画像形成動作が終了する。なお、図1に示した画像形成装置200の構成は一例であり、上記に示した画像形成動作が実行されるのであれば、例えば用紙Pの搬送経路等をどのように配置してもよい。
なお、用紙Pの表面を眺めた際、Siトナーによって形成されるSiトナー層21が、プロセスカラートナーによって形成されるプロセスカラートナー層22より上層に形成されると、Siトナーには金属顔料が含まれるため、プロセスカラートナーに比べて光23を反射させやすいことから、図2に示すように、Siトナー層21の表面で光23が反射してしまい、プロセスカラートナー層22によって表される色が視認され難くなる。
一方、用紙Pの表面を眺めた際、Siトナーによって形成されるSiトナー層21が、プロセスカラートナーによって形成されるプロセスカラートナー層22より下層に形成されると、図3に示すように、光23がプロセスカラートナー層22を透過しながら下層にあるSiトナー層21で反射するため、図2の状況に比べて、プロセスカラーとSi色によって表されるユーザ画像の本来の色を視認しやすくなる。
したがって、図1に示したように、画像形成装置200では、中間転写ベルト6の搬送方向上流側から下流側に向かって画像形成部15Y、画像形成部15M、画像形成部15C、画像形成部15K、画像形成部15Si、及び画像形成部15CRを配置することで、用紙Pにユーザ画像を形成した際に、Siトナー層21がプロセスカラートナー層22より下層に形成されることになる。なお、以降では、中間転写ベルト6の搬送方向上流側を単に「搬送方向上流側」といい、中間転写ベルト6の搬送方向下流側を単に「搬送方向下流側」ということにする。
上述したように、CR色のトナーは会社等のロゴマークに対応した画像を形成する用途に用いられる。こうしたロゴマークはスタンプとして、例えば用紙Pのヘッダ又はフッタ等、プロセスカラー及びSi色に対応した画像形成部15で形成されるトナー画像と重ならないか、又は、部分的に重なるような場所に形成される。なお、CR色のトナー画像が、プロセスカラー及びSi色に対応した画像形成部15で形成されるトナー画像と部分的に重なるとは、CR色のトナー画像の少なくとも一部分は、CR色のトナー画像全体がプロセスカラー及びSi色に対応した画像形成部15で形成されるトナー画像と重ならず、異なる場所に形成される状態をいう。すなわち、CR色のトナー画像全体がプロセスカラー及びSi色に対応した画像形成部15で形成されるトナー画像と重なって形成されていない状態をいう。
したがって、画像形成部15Siの搬送方向下流側に画像形成部15CRが配置されていても、図2に示したように、用紙P上においてSiトナー層21がCRトナー層全体を覆うことがないため、CRトナーによって形成されるトナー画像の視認性は確保される。
次に、図4を参照して、開示の技術に係る画像形成装置200の電気系統の要部構成について説明する。
開示の技術に係る画像形成装置200は、画像形成装置200の動作を制御する制御部60にCPU(Central Processing Unit)30を備える。また、画像形成装置200は、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)31、及びCPU30による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)32を備える。
CPU30、ROM31、及びRAM32は、画像形成装置200のバス37で互いに接続される。バス37には、各色に対応したレーザ出力部3、各色に対応した一次転写器5の各々に一次転写バイアスを供給する一次転写バイアス電源33、二次転写器7に二次転写バイアスを供給する二次転写バイアス電源38が接続される。更に、バス37には、感光体1等の画像形成部15に含まれる回転体、中間転写ベルト6を搬送する各種ローラ、定着器9、及び用紙Pを搬送する用紙搬送ローラ13等をそれぞれ駆動するモータ群35、並びに、定着器9を加熱する定着用電源36が接続される。
なお、バス37に接続される部材等はこれらの部材に限られず、例えば図示しない通信回線と接続する通信デバイス、ユーザの指示を受け付ける入力デバイス、及び画像形成装置200の動作状態等を通知する出力デバイスを接続してもよい。また、制御部60は開示の技術に係る制御手段の一例であり、コンピュータを用いることができる。
次に、図5を参照して、画像形成装置200の作用について説明する。図5は、CPU30が画像形成の対象となるユーザ画像を受け付けた場合に、CPU30によって実行される画像形成プログラムによる画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
画像形成プログラムはROM31に予め記憶されており、画像形成部15の動作によって、既に各々の感光体1には各色に対応したトナー画像が形成されているものとして説明を行う。
まず、ステップS10において、CPU30は、一次転写器5Yを制御して中間転写ベルト6にY色のトナー画像を転写する。
具体的には、CPU30は、感光体1Y上に形成されたトナー画像が一次転写器5Yと感光体1Yにより形成されるニップ部を通過する際に、一次転写バイアス電源33から予め定めた電流I0を供給するよう一次転写バイアス電源33を制御することで、ニップ部に放電を発生させる。この場合、一次転写器5Yには正の電圧が印加される。
上述したように各色のトナーは予め負極に帯電しているため、トナーの帯電極性とは逆極性である正極の電圧を一次転写器5Yに印加することで、感光体1Yに形成されたY色のトナー画像が一次転写器5Y側に引き寄せられる。したがって、感光体1Yに形成されたY色のトナー画像が感光体1Yから剥離しやすくなるため、転写の際に一次転写バイアス電源33から電流I0を供給しない場合と比較して、Y色のトナー画像が中間転写ベルト6に転写されやすくなる。
以下、ステップS20〜S60において、CPU30は、M、C、K、Si、及びCRの各々の色に対応した一次転写器5に対してステップS10と同じ処理をそれぞれ行い、M、C、K、Si、及びCRの各々の色に対応したトナー画像を中間転写ベルト6に順次転写する。
そして、ステップS70において、CPU30は二次転写器7を制御して、用紙Pに中間転写ベルト6上のトナー画像を転写する。
具体的には、CPU30は、中間転写ベルト6上に形成されたトナー画像及び用紙Pがバックアップロール7Aと二次転写ロール7Bにより形成される二次転写ニップ部を通過する際、二次転写バイアス電源38から予め定めた電流Iaを供給するよう二次転写バイアス電源38を制御することで、二次転写ニップ部に放電を発生させる。この場合、二次転写ロール7Bに正極の電圧が印加されるため、負極に帯電する中間転写ベルト6上のトナー画像が二次転写ロール7B側に引き寄せられ、中間転写ベルト6上のトナー画像が用紙Pに転写される。
なお、電流I0及び電流Iaの大きさは、トナー画像の転写率が最も高くなる大きさに予め設定される。ここで、トナー画像の転写率とは、例えば転写前の転写元におけるトナー画像を形成するトナーの量に対する、転写先に転写されたトナー画像を形成するトナーの量の割合を示す。トナー画像の転写率が高い程、転写されずに残留する転写元のトナーの量が少なくなるため、画像の品質の劣化が抑制される。
図6は、仮に画像形成装置200において、画像形成部15CRを画像形成部15Siの搬送方向下流側に設置せずに、例えば画像形成部15Yの搬送方向上流側に設置した場合の、二次転写バイアスに対する二次転写器7での転写率、すなわち二次転写率を各々の色毎に示した図である。図6において、“PK”はY、M、及びC色のトナーの重ね合わせによって形成した黒色を表す。また、“B+Si”とは、メタリック色を重ね合わせて金属光沢感を出した青色を表す。
この場合、例えば二次転写バイアス電源38によって約3kvの二次転写バイアスを二次転写器7に印加した場合、Si色以外の各色のトナー画像における各々の二次転写率は、ユーザによってトナー画像の品質の劣化が確認され始める基準値である90%以上となっている。しかし、Si色のトナー画像の二次転写率は約75%程度であるため、トナー画像における金属光沢感を表す官能指標が低下し、画像の品質の劣化が認められる場合がある。
これは、Si色のトナーは金属顔料を含むため、金属顔料が入っていないプロセスカラーのトナーに比べて抵抗値が低い。したがって、Si色のトナーはプロセスカラーのトナーに比べて、一次転写器5のニップ部で正の電荷が注入されやすくなることから、中間転写ベルト6上におけるSi色のトナー画像の帯電極性が正極になるような逆極化が発生したり、中間転写ベルト6上におけるSi色のトナー画像の負極の帯電量が、現像器4Si内のSi色のトナーにおける負極の帯電量より低下する低帯電化が発生したりすることがある。
図7は、感光体1Siに形成されたSi色のトナー画像の帯電分布24、感光体1Cに形成されたC色のトナー画像の帯電分布25、中間転写ベルト6に転写されたSi色のトナー画像の帯電分布26、及び中間転写ベルト6に転写されたC色のトナー画像の帯電分布27の一例を示した図である。なお、図7の横軸はトナー1μmあたりの帯電量を示し、縦軸は、各々の色のトナー画像において各帯電量を有するトナーの存在割合を示している。
図7に示すように、感光体1に形成されたSi色のトナー画像の帯電分布24、及びC色のトナー画像の帯電分布25に注目した場合、例えば、存在割合が最も大きい帯電量は共に約−0.5[fC/μm]付近の値を示している。
一方、中間転写ベルト6に転写されたSi色のトナー画像の帯電分布26、及びC色のトナー画像の帯電分布27に注目した場合、上述したように、C色のトナー画像よりSi色のトナー画像の方が逆極化又は低帯電化が生じやすいことから、帯電分布26の方が帯電分布27より正の帯電量を多く含む帯電分布となる。すなわち、図7において帯電分布26が帯電分布27より右側に分布し、帯電分布26において存在割合が最も大きい帯電量は約−0.25[fC/μm]であるのに対して、帯電分布27において存在割合が最も大きい帯電量は約−0.7[fC/μm]となっている。このように、帯電分布26、27は、帯電分布24、25に比べて存在割合が最も多い帯電量の差が大きくなっており、中間転写ベルト6のSi色のトナー画像に対して、逆極化又は低帯電化が生じていることがわかる。
中間転写ベルト6上におけるSi色のトナー画像が逆極化又は低帯電化した場合、二次転写器7の二次転写ロール7Bに正極の二次転写バイアスが印加されても、Si色以外の他の色のトナー画像に比べて、二次転写ロール75B側に引き寄せられるSi色のトナー量の割合が少なくなり、結果としてSi色のトナー画像の二次転写率が低下するという状況が発生する。
なお、一次転写器5による転写の際の放電は、感光体1と一次転写器5によって形成されるニップ部だけでなく、当該ニップ部の搬送方向下流側に位置し、中間転写ベルト6が感光体1に接触しなくなった範囲(ポストニップ部)においても発生する。すなわち、ポストニップ部とは、ニップ部の搬送方向下流側に位置し、中間転写ベルト6が感光体1に接触しなくなった範囲で、且つ、感光体1と中間転写ベルト6との間で放電が発生する範囲である。
一次転写バイアスによって、感光体1は中間転写ベルト6に対して負極に帯電しているため、ニップ部と異なり、ポストニップ部では放電によって負極の電荷が中間転写ベルト6上のトナー画像に取り込まれるようになる。しかしながら、ニップ部の電荷注入によってSi色のトナー画像に取り込まれる正極の電荷量が多い分、ポストニップ部の放電によって負極電荷を付与しても、中間転写ベルト6におけるSi色のトナー画像の逆極化又は低帯電化は解消されにくい状況にある。
しかしながら、開示の技術に係る画像形成装置200では、一次転写器5Siで中間転写ベルト6にSi色のトナー画像を転写した後、更に一次転写器5CRで中間転写ベルト6にCR色のトナー画像を転写する。
したがって、Si色のトナー画像は、感光体1CRと一次転写器5CRによって形成されるニップ部の搬送方向下流側に位置するポストニップ部において発生する感光体1CRと中間転写ベルト6による放電により、更に、負極の電荷を取り込むことになる。
図8は、図1に示した画像形成装置200のように、Si色のトナー画像を形成する画像形成部15Siの搬送方向下流側に、CR色のトナー画像を形成する画像形成部15CRを配置した場合の帯電分布の一例と、画像形成部15CRを配置しなかった場合の帯電分布の一例を示す図である。
帯電分布41は、画像形成部15Siの搬送方向下流側に画像形成部15CRがなく、画像形成部15Siが搬送方向の最下流に位置している場合(ケース1)において、感光体1Siに形成されたSi色のトナー画像の帯電分布の一例を表す。また、帯電分布42は、上述したケース1において、中間転写ベルト6に転写されたSi色のトナー画像の帯電分布の一例を表す。
一方、帯電分布43は、画像形成部15Siの搬送方向下流側に画像形成部15CRが配置されている場合(ケース2)において、感光体1Siに形成されたSi色のトナー画像の帯電分布の一例を表す。また、帯電分布44は、上述したケース2において、中間転写ベルト6に転写されたSi色のトナー画像が画像形成部15CRのポストニップ部を通過した後の帯電分布の一例を表す。
図8に示すように、帯電分布44は帯電分布42と比較して、負極の帯電量を多く含む傾向が認められる。すなわち、画像形成部15CRのポストニップ部で発生する放電により、中間転写ベルト6に転写されたSi色のトナー画像に負極の電荷が付与され、中間転写ベルト6におけるSi色のトナー画像の帯電分布44が、例えば図7に示した中間転写ベルト6におけるC色のトナー画像の帯電分布27に近づくようになる。
したがって、図1に示したように、画像形成部15Siの搬送方向下流側に画像形成部15CRを配置し、Si色のトナー画像を中間転写ベルト6に転写した後、CR色のトナー画像を転写することにより、Si色のトナー画像の二次転写率が上昇することになる。
図9は、画像形成部15Siの搬送方向下流側に画像形成部15CRを配置し、Si色のトナー画像を中間転写ベルト6に転写した後、CR色のトナー画像を転写した場合における、各色のトナー画像の二次転写率の一例を示した図である。
図9に示すように、例えば二次転写バイアス電源38によって約3kvの二次転写バイアスを二次転写器7に印加した場合、何れの色のトナー画像も、ユーザによってトナー画像の品質の劣化が確認され始める基準値である90%以上となっていることがわかる。
<画質評価結果1>
本開示の技術に係る画像形成装置200で用紙Pに形成したユーザ画像の画質を評価するため、画像形成装置200を含む複数の評価用画像形成装置で用紙Pに形成したユーザ画像の画質を評価した結果を図10に示す。
図10において、“〇”はユーザ画像の画質の劣化が認められず、画質が良好であることを示し、“×”は画質の劣化が認められることを示す。また、“−”は対応する色のユーザ画像を形成することができないため、画質の評価が行えないことを示す。
図10の構成1の画質評価結果は、中間転写ベルト6の搬送方向上流側から下流側に向かって、画像形成部15CR、画像形成部15Y、画像形成部15M、画像形成部15C、画像形成部15K、及び画像形成部15Siの順に画像形成部15を配置した場合の画質評価結果を示す。
構成2の画質評価結果は、中間転写ベルト6の搬送方向上流側から下流側に向かって、画像形成部15Y、画像形成部15M、画像形成部15C、画像形成部15K、画像形成部15Si、及び画像形成部15CRの順に画像形成部15を配置した場合の画質評価結果を示す。構成2を有する評価用画像形成装置は画像形成装置200の一例である。
構成3の画質評価結果は、中間転写ベルト6の搬送方向上流側から下流側に向かって、画像形成部15CR、画像形成部15Y、画像形成部15M、画像形成部15C、画像形成部15K、及び画像形成部15Wの順に画像形成部15を配置した場合の画質評価結果を示す。なお、画像形成部15Wとは、W色のトナー画像を形成する画像形成部であり、図10の構成1に対して、画像形成部15Siを画像形成部15Wに置き換えたものに相当する。
構成4の画質評価結果は、中間転写ベルト6の搬送方向上流側から下流側に向かって、画像形成部15Y、画像形成部15M、画像形成部15C、画像形成部15K、画像形成部15W、及び画像形成部15CRの順に画像形成部15を配置した場合の画質評価結果を示す。構成4は図10の構成2に対して、画像形成部15Siを画像形成部15Wに置き換えたものに相当し、構成4を有する評価用画像形成装置は画像形成装置200の一例である。
画質評価結果は、約50×50mmの大きさの非コート紙に形成された、Y、M、C、K、CR、Si、W、B、B+W、及びB+Siの各色のカラーチャートを目視評価する方法で行った。
ここで、“B+W”とは、W色の下地の上にC色とM色の重ね合わせによって表現されるB色の画像を配置した多次色画像を表し、“B+Si”とは、B色の画像に更にSi色のトナー画像を重ねて金属光沢感を付加した多次色画像をいう。多次色画像としてB色の画像を用いた理由は、B色とC色との明度差が、例えばG色とC色といった他の色の明度差に比べて大きいため、用紙PにM色の一部のトナーが付着せずB色に色抜け等が発生した場合、色ムラとして認識しやすいためである。したがって、R色やG色を多次色画像として用いる場合と比較して、精度よく画質評価が行われることになる。
ユーザ画像の評価を行った際の温度は約28℃で湿度は約85%であり、各々の評価用画像形成装置のプロセス速度を約524mm/sとした。また、評価用画像形成装置に含まれる各部材の特性は以下の通りである。
一次転写器5は、例えばシリコーンゴム等で形成された弾性層を有する直径約28mmの弾性ロールであり、抵抗値が約7.7logΩ、アスカC硬度が約30°のものを用いた。
中間転写ベルト6は、例えばポリイミド等の樹脂素材にカーボンを添加した無端ベルトであり、体積抵抗率が12.5logΩcmのものを用いた。
二次転写ロール7Bは、例えばシリコーンゴム等で形成された弾性層を有する直径約28mmの弾性ロールであり、バックアップロール7Aには、表面抵抗が約7.3logΩ/□でアスカC硬度が約53°の直径約28mmの弾性ロールを用いた。
YMCKの各プロセスカラーのトナーには有機顔料を含む平均粒径が約4.7μmのものを用い、CR色のトナーには、同じく有機顔料を含む平均粒径が約5.8μmのものを用いた。また、Si色のトナーにはアルミニウム等の金属顔料を含む平均粒径が約10μmのものを用い、W色のトナーには酸化チタン等の金属顔料を含む平均粒径が約5.8μmのものを用いた。
そして、一次転写器5に供給される電流が定電流(約54μA)となるように、一次転写バイアス電源33を制御すると共に、二次転写バイアス電源38の二次転写バイアスを、二次転写器7での二次転写率が90%以上となる電圧値、具体的には、二次転写器7に供給される電流が約120μAとなるような電圧値に設定した。
図10に示すように、Si色のトナー画像を形成する画像形成部15Siを中間転写ベルト6の搬送方向の最下流に配置して、中間転写ベルト6にトナー画像を転写する構成1と、W色のトナー画像を形成する画像形成部15Wを中間転写ベルト6の搬送方向の最下流に配置して、中間転写ベルト6にトナー画像を転写する構成3では、Si色又はW色のユーザ画像の金属光沢感にムラが発生し、画質の劣化が認められた。
一方、Si色のトナー画像を形成する画像形成部15Siを画像形成部15CRの搬送方向上流に配置して、中間転写ベルト6にトナー画像を転写する構成2と、W色のトナー画像を形成する画像形成部15Wを画像形成部15CRの搬送方向上流に配置して、中間転写ベルト6にトナー画像を転写する構成4では、Si色又はW色を含む各々の色のユーザ画像に、色ムラ又は金属光沢ムラが認められず、画質が良好であるとの結果を得た。
このように第1実施形態に係る画像形成装置200では、金属顔料を含むトナー画像を中間転写ベルト6に転写した後に、プロセスカラー以外の予め定めた色に調合された専用の色の一例であり、且つ、金属顔料を含まないCR色のトナー画像を中間転写ベルト6に転写することで、金属顔料を含むトナー画像の逆極化及び低帯電化を抑制し、二次転写器7での二次転写率が基準値未満とならないようにして、用紙Pに形成される画像の品質の劣化を抑制する。
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態に係る画像形成装置200と異なり、金属顔料を含むトナー画像を最後に中間転写ベルト6に転写する場合であっても、画像の品質の劣化を抑制する画像形成装置201について説明する。
図11は、第2実施形態に係る画像形成装置201の要部構成を表す概略側面図の一例を示す。画像形成装置201は、第1実施形態に係る画像形成装置200から、CR色のトナー画像を形成する画像形成部15CRと、画像形成部15CRで形成されたCR色のトナー画像を中間転写ベルト6に転写する一次転写器5CRと取り除いた構成を有する。
また、画像形成装置201は、図4に示した第1実施形態に係る画像形成装置200の電気系統の要部構成と同じ構成を有する。
画像形成部15と一次転写器5によって形成されるポストニップ部で発生する放電で中間転写ベルト6のSi色のトナー画像に付与される負極の電荷量を検証したところ、一次転写器5に供給する電流の大きさが大きくなるにつれて、当該Si色のトナー画像に付与される負極の電荷量が増加する傾向があることがわかった。これは、一次転写器5に供給される電流の大きさが大きくなるにつれて、一次転写器5及び中間転写ベルト6の電位に対する感光体1の電位が相対的に負極側に大きくなるため、ポストニップ部で発生する放電によって、より多くの負極の電荷が感光体1側からトナー画像に付与されるようになるためと考えられる。
したがって、第2実施形態に係る画像形成装置201では、一次転写バイアス電源33から一次転写器5に供給する電流の大きさを制御して、画像の品質の劣化を抑制する。
次に、図12を参照して、画像形成装置201の作用について詳細に説明する。図12は、CPU30が画像形成の対象となるユーザ画像を受け付けた場合に、CPU30によって実行される画像形成プログラムによる画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以降では、各色の画像形成部15の動作によって、各々の感光体1には既に各色に対応したトナー画像が形成されているものとして説明を行う。
図12に示した画像形成処理が、図5に示した第1実施形態に係る画像形成処理と異なる点は、ステップS5、S15、S25、S35、及びS45の処理が追加され、ステップS60が削除された点である。
ステップS5において、CPU30は、一次転写バイアス電源33を制御して、一次転写バイアス電源33から一次転写器5Yに供給する電流の大きさを予め定めた電流I0に設定する。そして、ステップS10において、CPU30は、一次転写バイアス電源33から一次転写器5Yに電流I0を供給して、中間転写ベルト6にY色のトナー画像を転写させる。
ステップS15、S25、及びS35では、CPU30は、一次転写バイアス電源33を制御して、一次転写バイアス電源33からそれぞれ一次転写器5M、5C、及び5Kに供給する電流の大きさを電流I0に設定する。そして、ステップS20、S30、及びS40では、CPU30は、一次転写バイアス電源33からそれぞれ一次転写器5M、5C、5Kに電流I0を供給して、中間転写ベルト6に各々の色に対応したトナー画像を転写させる。
ステップS45において、CPU30は、一次転写バイアス電源33を制御して、一次転写バイアス電源33から一次転写器5Siに供給する電流の大きさを、ステップS5、S15、S25、及びS35で設定した電流I0より大きな電流I1に設定する。これによって、ステップS50で中間転写ベルト6にSi色のトナー画像が転写された場合に、画像形成部15Siと一次転写器5Siによって形成されるポストニップ部において、一次転写器5Siに電流I0を供給した場合より多くの負極の電荷がSi色のトナー画像に注入されることになる。したがって、中間転写ベルト6上におけるSi色のトナー画像の逆極化及び低帯電化が補正される。
<画質評価結果2>
本開示の技術に係る画像形成装置201で用紙Pに形成したユーザ画像の画質を評価するため、画像形成装置201を含む複数の評価用画像形成装置で用紙Pに形成したユーザ画像の画質を評価した結果を図13に示す。図13に示す画質評価では、金属顔料を含むトナーとしてSi色とW色のトナーを用いた。
図13における“〇”、“×”、及び“−”の各記号の意味は、図10に示した各記号の意味と同じである。
図13のNo.1〜No.4は、それぞれ中間転写ベルト6の搬送方向上流側から下流側に向かって、画像形成部15Y、画像形成部15M、画像形成部15C、画像形成部15K、及び画像形成部15Siの順に画像形成部15を配置した場合(構成5)の画質評価結果を示す。
このうち、No.1は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Siに供給する電流の大きさを約54μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.2は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Siに供給する電流の大きさを約56.7μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.3は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Siに供給する電流の大きさを約59.4μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.4は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Siに供給する電流の大きさを約64.8μAに設定した場合の画質評価結果を示す。
また、図13のNo.5〜No.8は、それぞれ中間転写ベルト6の搬送方向上流側から下流側に向かって、画像形成部15Y、画像形成部15M、画像形成部15C、画像形成部15K、及び画像形成部15Wの順に画像形成部15を配置した場合(構成6)の画質評価結果を示す。
このうち、No.5は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Wに供給する電流の大きさを約54μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.6は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Wに供給する電流の大きさを約56.7μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.7は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Wに供給する電流の大きさを約59.4μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.8は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5Wに供給する電流の大きさを約64.8μAに設定した場合の画質評価結果を示す。構成6は構成5に対して、画像形成部15Siを画像形成部15Wに置き換えたものであり、構成6を有する評価用画像形成装置は画像形成装置201の一例である。
なお、図13に示すNo.1〜No.8の各構成では、プロセスカラーのトナー画像を一次転写する際に、プロセスカラーに対応する一次転写器5に供給する電流の大きさを約54μAに設定している。
画質評価結果は、図10と同じく、約50×50mmの大きさの非コート紙に形成された、Y、M、C、K、CR、Si、W、B、B+W、及びB+Siの各色のカラーチャートを目視評価する方法で行った。図13に示した画質評価を行った際の環境条件、プロセス速度、及び評価用画像形成装置に含まれる各部材の特性は、図10に示した画質評価を行った際の各条件と同じに設定されている。
図13に示すように、金属顔料を含む特色トナーとしてSi色のトナーを用いる構成5では、No.1及びNo.2の場合にSi色のユーザ画像の金属光沢感にムラが発生し、画質の劣化が認められた。一方、一次転写器5Siに供給する電流の大きさを、プロセスカラーに対応した一次転写器5の各々に供給する電流の大きさより約10%以上大きくしたNo.3及びNo.4の場合には、Si色を含む各々の色のユーザ画像に色ムラ又は金属光沢ムラが認められず、画質が良好であるとの結果を得た。
また、金属顔料を含む特色トナーとしてW色のトナーを用いる構成6では、No.5の場合にW色のユーザ画像の金属光沢感にムラが発生し、画質の劣化が認められた。一方、一次転写器5Wに供給する電流の大きさを、プロセスカラーに対応した一次転写器5の各々に供給する電流の大きさより約5%以上大きくしたNo.6、No.7、及びNo.8の場合には、W色を含む各々の色のユーザ画像に色ムラ又は金属光沢ムラが認められず、画質が良好であるとの結果を得た。
なお、画質が良好と評価されるための、プロセスカラーに対応した一次転写器5の各々に供給する電流の大きさに対する、金属顔料を含むトナーに対応した一次転写器5に供給する電流の大きさの増加率は、W色が約5%以上であるのに対して、Si色は約10%以上となる。これは、Si色のトナー画像の方が、W色のトナー画像より逆極化又は低帯電化しやすいため、一次転写の際に一次転写器5Siに供給する電流の大きさを一次転写器5Wに供給する電流の大きさより大きくして、感光体1と一次転写器5のポストニップ部でSi色のトナー画像に付与される負極の電荷を、W色のトナー画像に付与される負極の電荷より多くする必要があるためである。
このように第2実施形態に係る画像形成装置201では、金属顔料を含むトナー画像を中間転写ベルト6に転写する一次転写の際に一次転写器5に供給する電流の大きさを、金属顔料を含まないトナー画像を一次転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさより大きくすることで、金属顔料を含むトナー画像の逆極化及び低帯電化を抑制し、二次転写器7での二次転写率が基準値未満とならないようにして、用紙Pに形成される画像の品質の劣化を抑制する。
<第3実施形態>
第3実施形態では、金属顔料を含むトナー画像を中間転写ベルト6に転写する一次転写器5の位置を調整することで、画像の品質の劣化を抑制する画像形成装置202について説明する。
図14は、第3実施形態に係る画像形成装置201Aの要部構成を表す概略側面図の一例を示す。画像形成装置201Aの一次転写器5Siは、第2実施形態に係る画像形成装置201の一次転写器5Siより搬送方向上流側に配置される。以下に、図15を参照して、画像形成装置201Aの一次転写器5Siの配置について詳細に説明する。
各々の色に対応する一次転写器5は、感光体1に対して搬送方向下流側にずらして配置される。例えば図15に示すように、一次転写器5の一例である一次転写器5Yは、一次転写器5Yの回転中心と感光体1Yの回転中心とを結ぶ線分45と、感光体1Yの回転中心を鉛直方向に通過する垂線46との成す角度(オフセット角)がθ1となる位置に配置される。
これは、例えば一次転写器5Yの回転中心を垂線46上に配置する場合、すなわち、オフセット角を0度にする場合と比較して、ポストニップ部で発生する放電が抑制され、放電によって中間転写ベルト6上のトナー画像に色抜け等が生じる現象が抑制されるためである。したがって、画像形成装置201Aでは、一次転写器5M、一次転写器5C、及び一次転写器5Kについても、それぞれオフセット角がθ1となる位置に配置される。
既に説明したように、中間転写ベルト6上のSi色のトナー画像に生じる逆極化又は低帯電化を補正するためには、一次転写器5Siのポストニップ部で発生する放電の放電量を多くすればよい。
したがって、画像形成装置201Aでは、一次転写器5Siのオフセット角がθ1より小さいθ2となる位置に一次転写器5Siを配置する。具体的には、オフセット角θ2は、プロセスカラーに対応した各々の感光体1と中間転写ベルト6とでそれぞれ発生する放電の放電量(基準放電量)より、放電量が大きくなるような予め定められた角度の範囲に設定される。当該予め定められた角度は、例えば画像形成装置201Aの実機による実験や画像形成装置201Aの設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により予め求められる。
なお、図15において、一次転写器5Siの回転中心が垂線46より右側になるように一次転写器5Siが配置されると、逆に一次転写器5Siのポストニップ部で発生する放電量が減少することがある(この場合のオフセット角はマイナス値で表される)。したがって、一次転写器5Siの回転中心が垂線46より右側にならないように一次転写器5Siを配置する(オフセット角θ2≧0とする)ことが好ましい。
また、上述した画像形成装置201Aに対して、第1実施形態に係る画像形成装置200のように、画像形成部15Siの下流側に、例えばCR色のトナー画像を形成する画像形成部15CRを配置して、中間転写ベルト6にSi色のトナー画像を形成した後にCR色のトナー画像を形成するようにしてもよい。
また、上述した画像形成装置201Aに対して、第2実施形態に係る画像形成装置201のように、一次転写器5Siに供給する電流の大きさを、一次転写器5Y、5M、5C、及び5Kの各々に供給する電流の大きさより大きくするようにしてもよい。
このように第3実施形態に係る画像形成装置201Aでは、金属顔料を含むトナーを中間転写ベルト6に転写する一次転写器5のオフセット角を、金属顔料を含まないトナーを中間転写ベルト6に転写する一次転写器5のオフセット角より小さくすることで、金属顔料を含むトナー画像の逆極化及び低帯電化を抑制し、二次転写器7での二次転写率が基準値未満とならないようにして、用紙Pに形成される画像の品質の劣化を抑制する。
<第4実施形態>
第1実施形態〜第3実施形態では、金属顔料を含むトナーを用いた画像の品質の劣化を抑制するタンデム方式の画像形成装置200、201、201Aについて説明した。第4実施形態では、金属顔料を含むトナーを用いた画像の品質の劣化を抑制するロータリー現像方式の画像形成装置202について説明する。
図16は、第4実施形態に係る画像形成装置202の要部構成を表す概略側面図の一例を示す。画像形成装置202は、例えば画像形成装置200、201、201Aでトナー色毎に配置される複数の画像形成部15と複数の一次転写器5を、一つの画像形成部15と一次転写器5に置き換え、画像形成部15と一次転写器5を各々の色のトナーで共通して使用する。
そのため、画像形成装置202は各々の色、例えばY、M、C、K、Si、及びCRの各色にそれぞれ対応した現像ロール34Y、34M、34C、34K、34Si、及び34CRを含む現像器4を備える。その他の構成については、画像形成装置200、201、201Aと同じである。
画像形成部15は、まず指定した色に対応する静電潜像を感光体1に形成し、指定した色に対応する現像ロール34が感光体1に接触するように現像器4を回転することで静電潜像に指定した色のトナーを付着させ、感光体1に指定した色のトナー画像を形成する。
感光体1に形成されたトナー画像は、一次転写器5で中間転写ベルト6に転写される。
画像形成装置202は、上述した画像形成動作を指定されたトナー色毎に繰り返し行うことで、中間転写ベルト6に各々の色のトナー画像を重ね合わせてユーザ画像に対応したトナー画像を形成する。そして、画像形成装置202は、二次転写器7で中間転写ベルト6上のトナー画像を用紙Pに転写し、用紙Pにユーザ画像に対応した画像を形成する。
なお、画像形成装置202は、図4に示した第1実施形態に係る画像形成装置200の電気系統の要部構成と同じ構成を有する。
次に、図17を参照して、画像形成装置202の作用について詳細に説明する。図17は、CPU30が画像形成の対象となるユーザ画像を受け付けた場合に、CPU30によって実行される画像形成プログラムによる画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS100において、CPU30は、受け付けたユーザ画像をトナーの色毎の成分に分解し、レーザ出力部3を制御して、何れかのプロセスカラーに対応した静電潜像を感光体1に形成する。なお、ユーザ画像を分解して得られた色成分には、例えば少なくとも1つのプロセスカラーと、Si色と、CR色とが含まれるものとするが、Si色の代わりに金属顔料を含むトナーによって表現される他の色、例えばW色が含まれるものであってもよい。
ステップS110において、CPU30は、ステップS100で形成した静電潜像に対応する色の現像ロール34が感光体1と接触する位置まで現像器4を回転させ、指定されたプロセスカラーで静電潜像を現像し、感光体1にトナー画像を形成する。
ステップS120において、CPU30は、一次転写バイアス電源33を制御して、一次転写器5に供給する電流の大きさをI0に設定する。
ステップS130において、CPU30は、感光体1上のトナー画像が感光体1と一次転写器5とによって形成されるニップ部を通過する際に、一次転写バイアス電源33から電流I0を出力させ、中間転写ベルト6に指定されたプロセスカラーのトナー画像を転写する。
ステップS140において、CPU30は、ステップS100でユーザ画像を分解して得られた色成分の中に、まだ静電潜像を形成していないプロセスカラーが含まれるか否かを判定する。
肯定判定の場合にはステップS100に移行する。そして、ステップS100で未選択のプロセスカラーを選択し、ステップS100〜S140の各処理を繰り返し実行することで、ユーザ画像に含まれる色成分のうち、各々のプロセスカラーに対応したトナー画像を中間転写ベルト6に転写する。
一方、各々のプロセスカラーに対応したトナー画像を中間転写ベルト6に転写して、ステップS140の判定処理が否定判定となった場合には、ステップS150に移行する。
ステップS150において、CPU30は、ステップS100でユーザ画像を分解して得られたSi色の成分を取得し、レーザ出力部3を制御してSi色に対応した静電潜像を感光体1に形成する。
ステップS160において、CPU30は、現像ロール34Siが感光体1と接触する位置まで現像器4を回転させ、Si色のトナーで静電潜像を現像し、感光体1にSi色のトナー画像を形成する。
ステップS170において、CPU30は、一次転写バイアス電源33を制御して、一次転写器5に供給する電流の大きさをI0に設定する。
ステップS180において、CPU30は、感光体1上のSi色のトナー画像が感光体1と一次転写器5とによって形成されるニップ部を通過する際に、一次転写バイアス電源33から電流I0を出力させ、中間転写ベルト6にSi色のトナー画像を転写する。
ステップS190において、CPU30は、ステップS100でユーザ画像を分解して得られたCR色の成分を取得し、レーザ出力部3を制御してCR色に対応した静電潜像を感光体1に形成する。
ステップS200において、CPU30は、現像ロール34CRが感光体1と接触する位置まで現像器4を回転させ、CR色のトナーで静電潜像を現像し、感光体1にCR色のトナー画像を形成する。
ステップS210において、CPU30は、一次転写バイアス電源33を制御して、一次転写器5に供給する電流の大きさをI0に設定する。
ステップS220において、CPU30は、感光体1上のCR色のトナー画像が感光体1と一次転写器5とによって形成されるニップ部を通過する際に、一次転写バイアス電源33から電流I0を出力させ、中間転写ベルト6にCR色のトナー画像を転写する。
この際、感光体1と一次転写器5とによって形成されるポストニップ部で発生する放電によって、ステップS180で中間転写ベルト6に形成されたSi色のトナー画像に負極の電荷が付与される。したがって、中間転写ベルト6上におけるSi色のトナー画像の逆極化及び低帯電化が補正される。
このようにロータリー現像方式を用いた画像形成装置202であっても、中間転写ベルト6に金属顔料を含むトナー画像を転写した後に、金属顔料を含まず、且つ、プロセスカラーのトナー画像及び金属顔料を含むトナー画像と少なくとも一部は異なる場所に形成されるトナー画像を転写することによって、金属顔料を含むトナー画像の逆極化及び低帯電化が抑制される。その結果、二次転写器7での二次転写率が基準値以上となり、用紙Pに形成されるユーザ画像に対応した画像の品質の劣化が抑制される。
<第5実施形態>
第5実施形態では、金属顔料を含むトナー画像を最後に中間転写ベルト6に転写する場合であっても、画像の品質の劣化を抑制するロータリー現像方式の画像形成装置203について説明する。
図18は、第5実施形態に係る画像形成装置203の要部構成を表す概略側面図の一例を示す。画像形成装置203が図16に示した第4実施形態に係る画像形成装置202と異なる点は、CR色の現像ロール34CRが取り除かれた現像器4Aを備えた点であり、その他は画像形成装置202と同じ構成を有する。また、画像形成装置203は、図4に示した第1実施形態に係る画像形成装置200の電気系統の要部構成と同じ構成を有する。
次に、図19を参照して、画像形成装置203の作用について詳細に説明する。図19は、CPU30が画像形成の対象となるユーザ画像を受け付けた場合に、CPU30によって実行される画像形成プログラムによる画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図19に示す画像形成処理が図17に示した第4実施形態に係る画像形成処理と異なる点は、ステップS170がステップS170Aに置き換えられ、CR色のトナー画像を中間転写ベルト6に転写するステップS190〜S220の処理が削除された点である。
感光体1にSi色のトナー画像が形成された状況で、ステップS170Aにおいて、CPU30は、一次転写バイアス電源33を制御して、一次転写器5に供給する電流の大きさをI1に設定する。ここで電流I1は、プロセスカラーのトナー画像を中間転写ベルト6に転写する際にステップS120で設定した電流I0より大きい電流である。
これによって、ステップS180で中間転写ベルト6にSi色のトナー画像が転写された場合に、画像形成部15と一次転写器5によって形成されるポストニップ部において、中間転写ベルト6上のSi色のトナー画像に、一次転写器5に供給する電流をI0に設定した場合より多くの負極の電荷が付与されることになる。したがって、中間転写ベルト6上におけるSi色のトナー画像の逆極化及び低帯電化が補正される。
<画質評価結果3>
本開示の技術に係る画像形成装置203で用紙Pに形成したユーザ画像の画質を評価した結果を図20に示す。図20に示す画質評価では、金属顔料を含むトナーとしてSi色とW色のトナーを用いた。
図20における“〇”、“×”、及び“−”の各記号の意味は、図10に示した各記号の意味と同じである。
図20のNo.1〜No.4は、画像形成装置203の現像器4Aに現像ロール34Y、34M、34C、34K、及び34Siを備えた場合(構成7)の画質評価結果を示す。
このうち、No.1は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約23μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.2は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約24.2μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.3は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約25.3μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.4は、Si色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約27.6μAに設定した場合の画質評価結果を示す。
また、図20のNo.5〜No.8は、画像形成装置203の現像器4Aに現像ロール34Y、34M、34C、34K、及び34Wを備えた場合(構成8)の画質評価結果を示す。ここで、現像ロール34Wは、静電潜像にW色のトナーを付着させ、感光体1にW色のトナー画像を形成する現像ロールである。すなわち、構成8は構成7の現像ロール34Siを現像ロール34Wに置き換えたものであり、構成8を有する画像形成装置も画像形成装置203の一例である。
このうち、No.5は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約23μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.6は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約24.2μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.7は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約25.3μAに設定した場合の画質評価結果を示す。No.8は、W色のトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約27.6μAに設定した場合の画質評価結果を示す。
画質評価結果は、<画質評価結果1>及び<画質評価結果2>と同じく、約50×50mmの大きさの非コート紙に形成された、Y、M、C、K、Si、W、B、B+W、及びB+Siの各色のカラーチャートを目視評価する方法で行った。
ユーザ画像の評価を行った際の温度は約28℃で湿度は約85%であり、画像形成装置203のプロセス速度を約220mm/sとした。また、画像形成装置203に含まれる各部材の特性は以下の通りである。
一次転写器5は、例えばシリコーンゴム等で形成された弾性層を有する直径約20mmの弾性ロールであり、抵抗値が約7.7logΩ、アスカC硬度が約30°のものを用いた。
中間転写ベルト6は、例えばポリイミド等の樹脂素材にカーボンを添加した無端ベルトであり、体積抵抗率が12.5logΩcmのものを用いた。
二次転写ロール7Bは、例えば抵抗が約6.3logΩで直径約28mmの弾性ロール上に、厚さ約450μmで、且つ、体積抵抗が約8.7logΩのゴム層を形成したロール部材であり、バックアップロール7Aには、表面抵抗が約7.3logΩ/□でアスカC硬度が約53°の直径約20mmの弾性ロールを用いた。
YMCKの各プロセスカラーのトナーには有機顔料を含む平均粒径が約4.7μmのものを用いた。また、Si色のトナーにはアルミニウム等の金属顔料を含む平均粒径が約10μmのものを用い、W色のトナーには酸化チタン等の金属顔料を含む平均粒径が約5.8μmのものを用いた。
なお、図20に示すNo.1〜No.8の各構成では、プロセスカラーのトナー画像を一次転写する際に、一次転写器5に供給する電流の大きさを約23μAに設定した。また、二次転写器7に供給する電流の大きさは、プロセスカラー単色及びプロセスカラーを重ね合わせて形成される多次色のトナー画像の転写効率が90%以上となるような値(一例として、約50μA)に設定した。
図20に示すように、金属顔料を含む特色トナーとしてSi色のトナーを用いる構成7では、No.1及びNo.2の場合にSi色のユーザ画像の金属光沢感にムラが発生し、画質の劣化が認められた。一方、Si色のトナー画像を転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさを、プロセスカラーのトナー画像を転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさより約10%以上大きくしたNo.3及びNo.4の場合には、Si色を含む各々の色のユーザ画像に色ムラ又は金属光沢ムラが認められず、画質が良好であるとの結果を得た。
また、金属顔料を含む特色トナーとしてW色のトナーを用いる構成8では、No.5の場合にW色のユーザ画像の金属光沢感にムラが発生し、画質の劣化が認められた。一方、W色のトナー画像を転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさを、プロセスカラーのトナー画像を転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさより約5%以上大きくしたNo.6、No.7、及びNo.8の場合には、W色を含む各々の色のユーザ画像に色ムラ又は金属光沢ムラが認められず、画質が良好であるとの結果を得た。
なお、画像形成装置203を用いた画質評価結果においても、画質が良好と評価されるための、プロセスカラーのトナー画像を転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさに対する、金属顔料を含むトナー画像を転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさの上昇率は、W色が約5%以上であるのに対して、Si色は約10%以上となった。
このように第5実施形態に係る画像形成装置201では、金属顔料を含むトナー画像を中間転写ベルト6に転写する一次転写の際に一次転写器5に供給する電流の大きさを、金属顔料を含まないトナー画像を一次転写する際に一次転写器5に供給する電流の大きさより大きくすることで、金属顔料を含むトナー画像の逆極化及び低帯電化を抑制し、二次転写器7での二次転写率が基準値未満とならないようにして、用紙Pに形成される画像の品質の劣化を抑制する。
なお、第4実施形態及び第5実施形態に示したロータリー現像方式の画像形成装置202、203に対して、予めオフセット角をθ2に設定した一次転写器5を適用してもよい。また、プロセスカラーのトナー画像を一次転写する場合には、一次転写器5のオフセット角をθ1とし、金属顔料を含むトナー画像を一次転写する場合には、一次転写器5のオフセット角をθ2にするように、一次転写器5の位置を制御するようにしてもよい。
以上、実施の形態を用いて開示の技術について説明したが、開示の技術は各実施の形態に記載の範囲には限定されない。開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で各実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。例えば、開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
また、各実施の形態では、一例として制御部60における画像形成処理をソフトウエアで実現する形態について説明したが、例えば図5、図12、図17、及び図19に示したフローチャートと同等の処理をハードウエアで処理させるようにしてもよい。この場合、制御部60における処理をソフトウエアで実現する場合に比べて、処理の高速化が図られる。
また、実施の形態では、画像形成プログラムがROM31にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。開示の技術に係る画像形成プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば、開示の技術に係る画像形成プログラムは、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile)−ROMまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体に記録された形態で提供することも可能である。また、開示の技術に係る画像形成プログラムは、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等に記録された形態で提供することも可能である。