JP2018036205A - インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置のコストを抑え、かつ素早く測定をホールドできるインピーダンス測定装置および測定方法を提供する。【解決手段】 測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給し、測定信号に同期する基準信号を生成して試料に現れる検出信号を基準信号で同期検波する。ローパスフィルタの出力が安定したことを判定してからインピーダンスの演算を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法に関する。
電気回路を構成する素子がもつ内部インピーダンスを測定する方法として、測定対象である試料に交流信号を与えてその電気応答を測定する交流インピーダンス測定法がある。この方法では、試料がもつ抵抗成分、キャパシタンス成分、インダクタンス成分の大きさを調べることができる。また、それらの成分が試料内でどのような等価回路を構成しているか、あるいは、その等価回路のパラメータを求めることができる。
このようなインピーダンス測定法として、定電流源から試料に正弦波の測定交流電流を供給し、試料に現れる電圧信号を、供給する測定交流電流に同期する同一周波数の基準信号(または参照信号ともいう)で同期検波することで、試料に現れるノイズ成分の影響を小さくする同期検波を用いたインピーダンス測定方法がある。
同期検波によるインピーダンス測定装置については、以下の先行技術文献がある。
以下同期検波によるインピーダンス測定を説明する。
測定交流電流は、定電流源から、試料(例えば、内部抵抗をもつ電池)に供給される。測定交流電流の電流値を検出するための検出用の抵抗(電流検出用抵抗)は、定電流源、試料に直列に挿入されている。測定交流電流に応じて試料に現れた検出信号(電圧信号)を増幅する第1増幅器と、電流検出用抵抗で検出された電圧信号を増幅する第2増幅器を備え、第1増幅器で増幅された電圧検出信号は、測定周波数を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)を通して同期検波器に入力される。また、測定交流電流に同期する基準信号は第2増幅器で増幅され同期検波器に入力される。同期検波器は、電圧検出信号を基準信号で同期検波し、その検波出力は、交流成分を除去するためのローパスフィルタ(LPF)に入力され交流成分が除去されて、アナログデジタルコンバータ(ADC)に入力される。アナログデジタルコンバータは、同期検波出力をデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は、演算装置に入力され、試料の交流インピーダンス値、等価回路のパラメータ等が演算され、これらの値は表示装置等に表示され、あるいはプリントされて出力される。
このように、試料の両端の電圧検出信号を測定交流電流と同位相の基準信号で同期検波し、ローパスフィルタにより交流成分を除去することにより、直流成分のみが抽出されるので、電池など純抵抗以外の成分を含む測定対象の試料の実効インピーダンスを求めることができる。また、同期検波で現れた交流成分はローパスフィルタで除去されるため、交流であるノイズの影響を除去でき、ノイズに埋もれた微小信号を取り出すことが可能である。
特開2007−132806号公報
測定対象となる試料は、電気回路を構成する要素であるため、ノイズが重畳されるものがあり、そのノイズがインピーダンス測定に影響を与える。例えば、UPS(無停電電源装置)に装備されているバッテリを測定試料とする場合である。UPSは、常時稼働している必要があるため、インバータやコンバータが稼働して充電あるいは放電を行っている。このため、インバータやコンバータから生ずるノイズがバッテリに印加されていることが多い。また、負荷が接続されているため、負荷側からもノイズが入り込むことが多い。このように、UPSのバッテリを試料としてインピーダンス測定しようとすると、測定交流電流が印加された試料からノイズ成分を検出することになる。
しかしながら、測定交流電流と同位相の基準信号を用いて同期検波を行い、ローパスフィルタで交流成分を除去してもノイズを取りきることができない場合がある。
このため、ノイズの影響により、ローパスフィルタの出力が安定せず収束まで時間がかかる。また、測定対象の試料に現れる電圧信号は小さいので、ローパスフィルタの出力である直流電圧値が安定するまで時間がかかる。
インピーダンス測定装置では、測定を開始して測定値が安定したら、測定値をホールド(保持)して、測定を停止する機能がある。これをホールド機能と称している。このホールド機能は、測定したインピーダンス値、例えば測定した電池の内部抵抗値を表示して、そこで、表示を止める。
従来は、ローパスフィルタのアナログ出力をデジタル変換された出力をサンプリングするごとに、インピーダンス値の演算を行い、演算されたインピーダンス値を表示部に表示する。例えば、100msecごとにサンプリングして、ローパスフィルタの出力が安定するまで、演算されたインピーダンス値を表示し、インピーダンス値が安定したところで、インピーダンス値をホールドして測定を止めている。
サンプリングごとに、試料のインピーダンス値として、例えば、電池の内部抵抗Rxを演算するには、サイン(sin)、コサイン(cos)の演算が必要である。これらの演算は、演算装置のCPU(Central Processing Unit)で行われる。このため、ローパスフィルタの出力が安定するまで、サンプリングの都度、CPUでインピーダンス演算を行っていることになる。
サンプリングの都度、ローパスフィルタの出力が安定するまで、インピーダンス演算を行うとすると、その都度CPUの資源をインピーダンス演算に用いなければならない。また、出力が安定するまでに行った演算結果は廃棄されるので、その分演算能力を無駄にしたことになる。仮に、演算能力の大きいCPUを用いるのであれば、サンプリングごとの演算でも演算能力的には問題はなくても、インピーダンス測定装置のコストを上げる一因となる。また、CPUにおいて演算に配分される割合が大きくなるので、ローパスフィルタの出力の安定を判定して、ホールドするまでの時間がかかる問題がある。
また、サイン、コサインを事前に計算しておいて、ROMなどのメモリに複数保存することなどで演算効率をあげてもよいが、大きな記憶容量のメモリが必要となる。
本発明は、インピーダンス測定装置のコストを低減でき、しかもホールドまでの時間が早くすることができるインピーダンス測定装置および方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の側面は、測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給する交流供給部と、測定信号に同期する基準信号を生成する基準信号生成部と、試料に現れる検出信号を基準信号で同期検波する同期検波部と、同期検波された信号が入力されるローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力が安定したかを判定する判定手段と、ローパスフィルタの出力に基づいてインピーダンス演算を行う演算手段とを備え、演算手段は、判定手段がローパスフィルタの出力が安定したと判定したことにより測定対象試料のインピーダンス演算を実行することを特徴とする。
なお、判定手段は、ローパスフィルタの出力の移動平均が所定の許容範囲となったことで、出力が安定したと判定することができる。また、基準信号生成部は、位相の異なる二つの基準信号を生成する手段を備えることが好ましい。
試料は、電池であって、交流供給部は、定電流源であり、演算手段は、電池の内部インピーダンスを演算することが好ましい。
本発明の他の側面は、測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給し、試料に現れる検出信号を測定信号に同期する基準信号で同期検波し、同期検波された信号の直流成分を抽出して試料の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給するステップと、測定信号に同期する基準信号を生成するステップと、試料に現れる検出信号を基準信号で同期検波するステップと、同期検波された信号をローパスフィルタに入力して通過させるステップと、ローパスフィルタの出力が安定したかを判定するステップと、ローパスフィルタの出力が安定したと判定した場合に試料のインピーダンスを演算するステップとを有することを特徴とする。
なお、ローパスフィルタの出力が安定したとの判定は、ローパスフィルタの出力の移動平均をとってその移動平均が許容範囲となったと判定することができる。
ローパスフィルタの出力のサンプリングごとにインピーダンス演算を行うことがなく、ローパスフィルタの出力が安定してからインピーダンス演算を行うため、演算量が少なくなるので、非力なCPUを用いることができ、インピーダンス測定装置のコストを下げることができる。また、インピーダンス演算が少なくなるため、素早くホールド状態に至ることができる。
本発明の一実施の形態に係る同期検波によるインピーダンス測定装置の構成を示す図である。 測定値が安定したかを判定する判定手段を含むインピーダンス測定装置の構成を示す図である。 アナログデジタルコンバータの出力の移動平均を説明する図である。 サンプリングされたアナログ値の移動平均によりローパスフィルタの出力が安定したかを判定して抵抗値を演算する動作を説明するフローチャートである。 従来のサンプリングの都度抵抗値を演算する動作を説明するフローチャートである。 一つの基準信号による同期検波を用いるインピーダンス測定装置の構成を示す図である。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る同期検波によるインピーダンス測定装置の構成を示す図である。インピーダンス測定装置1は、定電流源10、増幅器15,16、バンドパスフィルタ(BPF)17、同期検波器20−1、20−2、ローパスフィルタ(LPF)22−1,22−2、アナログデジタルコンバータ(ADC)23−1、23−2を備えて構成されている。なお、定電流源10は請求項1の交流供給部に相当し、同期検波器20−1、20−2は請求項1の同期検波部に相当する。
定電流源10は一対の出力端子(図示せず)を介して測定対象の試料(DUT)11に接続されている。本実施の形態では、試料11は、電池であり、内部抵抗としてRxをもつ。定電流源10と試料11の間には電流検出用抵抗Rsが挿入(接続)され、試料11の検出信号は、増幅器15を介して測定周波数を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)17に入力される。なお、電流検出用抵抗Rsは請求項1の基準信号生成部に相当する。
増幅器15は定電流源10から供給される測定交流電流iに応じて試料11に現れた検出信号(電圧信号)を増幅し、増幅器16は電流検出用抵抗Rsで検出された電圧信号を増幅する。増幅器15で増幅された電圧検出信号vは、測定周波数を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)17を介して同期検波器20−1、20−2に入力される。
バンドパスフィルタ(BPF)17の出力部は、同期検波器20−1、20−2の入力部に接続され、バンドパスフィルタ(BPF)17の出力は同期検波器20−1、20−2にそれぞれ入力される。電流検出用抵抗Rsは、増幅器16に接続され、増幅器16の出力部は、同期検波器20−1の入力部に接続され、増幅器16の出力は、測定交流電流iに同期する第一の基準信号vとして同期検波器20−1に入力される。また、増幅器16の出力は、位相調整器19にも入力され、ここで、同期検波器20−1に入力される基準信号vに対して45°位相が異なる第二の基準信号vとして同期検波器20−2に入力される。
同期検波器20−1の出力部はローパスフィルタ(LPF)22−1の入力部に接続される。同期検波器20−1は、電圧検出信号vを第一の基準信号vで同期検波し、その検波出力は、交流成分を除去するためのローパスフィルタ(LPF)22−1に入力される。また、同期検波器20−2の出力部は、ローパスフィルタ22−2の入力部に接続される。同期検波器20−2は、電圧検出信号vを第二の基準信号vで同期検波し、その検波出力は、交流成分を除去するためのローパスフィルタ22−2に出力される。
ローパスフィルタ22−1の出力部は、アナログデジタルコンバータ(ADC)23−1に接続され、ローパスフィルタ22−1の出力VAD1は、アナログデジタルコンバータ(ADC)23−1に入力される。また、ローパスフィルタ22−2の出力部は、アナログデジタルコンバータ(ADC)23−2に接続され、ローパスフィルタ22−2の出力VAD2は、アナログデジタルコンバータ23−2に入力される。
ローパスフィルタ(LPF)22−1,22−2において、交流成分除去処理が行われ、その出力は、アナログデジタルコンバータ(ADC)23−1、23−2でアナログデジタル変換される。変換されたデジタル信号は、図示されない演算装置に入力され、試料11の交流インピーダンス値、等価回路のパラメータ等が演算され、これらの演算された値は、図示されない表示装置等に表示され、あるいはプリントされて出力される。
次に図1のインピーダンス測定装置におけるインピーダンス測定動作を説明する。定電流源10からは、測定交流電流として、i=Isin(ωt)の正弦波が試料11に印加される。試料11の両端には、電池の内部抵抗Rに対応した電圧が発生し、その電圧は増幅器15で増幅されてv=iRとして出力される。また、増幅器16からは、電流検出用抵抗Rに対応した第一の基準信号v(v=iRs)が出力され、同期検波器20−1で電圧検出信号vを同期検波する。また、位相調整器19でvと45°位相が異なる第二の基準信号vが出力され、同期検波器20−2でvを同期検波する。ここで、第一の基準信号vの位相をθ1、第二の基準信号vの位相をθ2とすると、v、v、vは、
=Vsin(ωt)=IRsin(ωt) (1)
=iRs=IRsin(ωt+θ1) (2)
=iRs=IRsin(ωt+θ2) (3)
で表される。なお、kは定数とする(IとRsは一定であるとする)。
ここで、バンドパスフィルタ17でのゲインや位相回りを考慮し、また、試料11の両端電圧と測定交流電流iとの位相差を考慮した式で表す。バンドパスフィルタ17の出力をv1′とし、試料11の両端電圧vと測定交流電流iの位相差をθI−V、バンドパスフィルタ(BPF)17のゲインをGBPF、バンドパスフィルタ17の位相回りをθBPFとし、第一の基準信号vと第二の基準信号vとの位相差をθ1−2とする。
バンドパスフィルタの出力v1′を第一の基準信号v2で同期検波したときのアナログデジタルコンバータ(ADC)23−1の入力電圧VADC1_v1′×v2は、次の数式(4)を用いて求められる。
Figure 2018036205
また、出力v1′を第二の基準信号v3で同期検波したときのアナログデジタルコンバータ(ADC)23−2の入力電圧VADC1_v′×v2は、次の数式(5)を用いて求められる。
Figure 2018036205
試料11の両端に発生する電圧の振幅(v=IRx)は、式4を変形して得られる以下の数式(6)を用いて得ることができる。
Figure 2018036205
そして、上記数(6)に基づいて得られる数(7)により実効抵抗Rxを求めることができる。
Figure 2018036205
ここで、基準信号として位相が異なる第一の基準信号と第二の基準信号を用いて同期検波を行うことにより、ノイズの位相が不明であって、ノイズの位相によりノイズレベルが小さくなってしまう現象によって測定誤差が大きくなることを抑止できる効果がある。異なる位相の基準信号により同期検波を行うことで、検出信号に現れるノイズの影響を小さくできる。また、上述のように、バンドパスフィルタや周辺デバイスによるゲインの変動や位相回転による位相変動を検出してインピーダンス測定を行うことで測定誤差を少なくすることもができる。
次に、図2に、測定値が安定したかを判定する判定手段を含んだインピーダンス測定装置の構成を示して説明する。図2の構成は、図1のアナログデジタルコンバータ(ADC)23−1、23−2以降での構成をさらに示している。図1に示されたインピーダンス測定装置の定電流源10の測定交流電流は試料11に与えられる。試料11に現れた検出出力は、電圧検出部30に入力される。電圧検出部30は、図1の電流検出抵抗Rs、増幅器15、16、バンドパスフィルタ(BPF)17、位相調整器19、同期検波器20−1、20−2、ローパスフィルタ(LPF)22−1、22−2、アナログデジタルコンバータ(ADC)23−1、23−2を含むものであり、その電圧検出出力は、CPUを含んだ演算部32に入力される。また、電流検出部31は、電流検出抵抗Rsを含むものであり、インピーダンス演算のための電流iを検出し、演算部32に入力される。演算部32は、CPUを具備したものであり、電圧検出部30、電流検出部31の出力が入力され、また、表示部33、操作部34、記憶部35と接続されている。演算部32は、電圧検出部30の測定値が安定したか否かの判定、試料のインピーダンスの演算、測定したインピーダンス値のホールド制御等の測定制御を行う。表示部33は、測定値や操作画面が表示され、操作部34は、インピーダンス測定装置の操作が行われる。記憶部35には、アナログデジタルコンバータ(ADC)23の出力データや演算された抵抗値やパラメータ等が記憶される。
次に、ホールド機能について説明する。ホールド機能は、インピーダンス測定を行って、その測定値が安定したときに、測定を止める機能である。測定中は、測定交流電流を供給された試料に現れた検出信号(ここでは電圧検出信号)のサンプリングを行う。このサンプリングは、所定周期、例えば100msecごとに行われる。このサンプリングごとに試料の内部抵抗Rxを求めると、所定時間間隔ごとに試料の抵抗値を得ることができる。
このサンプリングごとの測定値には、ばらつきがあり、また、上述のように、ノイズの影響があるとアナログデジタルコンバータ(ADC)23−1、23−2の出力が安定するまで時間がかかる。このため、演算された抵抗値や電圧の検出信号が安定したと判定して、測定を止めるホールド機能がインピーダンス測定装置には備わっている。
演算部32は、演算した試料の抵抗値あるいは検出信号が安定したかを判定して、ホールドを行う。この抵抗値や検出信号が安定したかの判定は、抵抗値や検出信号(電圧)の移動平均をとることによって判定することができる。
ここで、本実施の形態では、アナログ値であるローパスフィルタ22−1、22−2の出力が安定したかをアナログデジタルコンバータ23−1、23−2の出力のデジタル出力をサンプリングした移動平均が安定したと判定されるまで、試料の内部抵抗Rxの演算を行わず、出力の移動平均が安定したと判定されたことにより、抵抗値の演算を行って、演算された抵抗値をホールドし、表示部33に表示する動作で説明する。
図3に、アナログデジタルコンバータ23−1、23−2の出力であるAD1、AD2の変化のグラフを示して、移動平均による判定を説明する。
グラフの横軸は、サンプリング回数を示しており、100msecごとにサンプリングしている。縦軸は、アナログデジタルコンバータの出力である電圧検出値を24ビットで表したカウント値である。
図3は、移動平均として、AD1については、前々回と今回のサンプリング値の偏差がカウント値で200以内、前回と現在の偏差が100以内であれば、安定、AD2については、前々回と今回とのサンプリング値の偏差がカウント値で100以内、前回と今回との偏差が50以内であれば、安定と判定するものとする例を示したものである。
次に、図4に、試料である電池の内部抵抗Rxを測定する場合の本実施の形態での動作のフローチャードを示して説明する。
測定を開始し、ローパスフィルタのアナログ出力電圧がデジタル出力に変換されたアナログデジタルコンバータの出力をサンプリングし(ステップS11)、所定回数サンプリングしたかを判断する(ステップS12)。出力が安定したかの移動平均をとるためには、所定回数サンプリングする必要があるためである。所定回数サンプリングして移動平均を算出し(ステップS13)、出力が安定したかを判定する(ステップS14)。出力が安定しない場合は、さらにサンプリングを実行して、移動平均が安定するまでサンプリングを実行し、移動平均を算出する(ステップS11〜S14)。出力の移動平均が所定の範囲になり、出力が安定したと判定されると、内部抵抗Rxを演算する(ステップS15)。そして、演算した内部抵抗Rxを表示部33に表示するとともに、記憶部35に記憶して、ホールド状態に移行する。
ここで、図5に従来例のフローチャートを示して、対比して説明する。従来の動作では、アナログデジタルコンバータの出力(ローパスフィルタの出力アナログ電圧)をサンプリングすると、内部抵抗Rxの演算を行う(ステップS21、S22)。そして、移動平均をとるに必要な所定回数サンプリングすると、内部抵抗Rxの移動平均を算出して、算出した移動平均が安定したかを判定する。安定しない場合は、再度のサンプリングを行い、内部抵抗Rxの算出、移動平均の算出、安定したかの判定を繰り返す(ステップS21〜S25)。ここでは、算出した内部抵抗Rxの値が安定したと判定した場合には、ホールドを行って、測定した抵抗値Rxを表示する(ステップS26)。なお、従来の動作で、算出した内部抵抗Rxは、その都度表示してもよく、また、内部抵抗Rxが安定したら表示してもよく、どちらの動作も可能である。
本実施の形態では、内部抵抗Rxの算出は、デジタル変換されたローパスフィルタの出力が安定するまで、内部抵抗Rxの演算を行わないので、従来に比べて演算部32での内部抵抗Rxの演算回数を少なくできる。これは、演算部32に演算余力の小さいCPUを用いることができることを意味するので、演算部のコストを小さくできる。また、無駄な内部抵抗Rxを算出する演算処理をしないため、ホールドに至るまでの時間を短縮できる。
なお、測定値が安定したか否かの判定は、上述の例では、移動平均による例で説明したが、他にも例えば測定値の分散等により測定値が安定したか否かを統計的に判断する、あるいは、測定値の傾き等で安定したか否かを判断することができる。
図1は、同期検波器20として測定交流電流に同期する位相の異なる二つの基準信号で同期検波する二つの同期検波器20−1、20−2を用いる例で説明したが、基準信号として、一つの位相の基準信号を生成して試料11に現れる検出信号を同期検波することも可能である。
図6は、一つの基準信号により、試料11に現れる検出信号を同期検波し、それぞれの検波信号を特性の異なる複数のローパスフィルタに入力して、アナログデジタルコンバータ(ADC)に入力するインピーダンス測定装置の構成を示すものである。
また、ローパスフィルタ22として、同期検波器20−1、20−2にそれぞれ一つのローパスフィルタ22−1、22−2を設けて、交流信号を除去する例を示したが、特性の異なる複数のローパスフィルタを用いることも可能である。複数の特性の異なるローパスフィルタに同期検波器の出力を入力して、複数のローパスフィルタの出力のうち、いずれかの出力を選択してアナログデジタルコンバータに入力してデジタル信号に変換することで、ノイズによる影響を少なくできる。ノイズの影響が大きい場合には、応答速度が遅いが減衰量の大きいローパスフィルタを、ノイズの影響が小さい場合には、応答速度が速いが減衰量の少ないローパスフィルタを選択することができる。このため、検出信号にノイズが重畳しているような試料における測定であっても、最も早い応答速度で、かつ減衰量の最も少ないローパスフィルタを選択して測定ができ、ノイズの影響の少ない安定的なインピーダンスの測定が可能となる。
(本発明による効果)
本発明では、ローパスフィルタの出力するアナログ信号が安定したかを判定して、安定したと判定してからインピーダンス演算を行う。従来のように、ローパスフィルタの出力をサンプリングする都度、インピーダンス演算を行う必要がないため、インピーダンス演算を行う演算部、すなわちCPUの負荷を減らすことできるため、演算能力が非力なCPUを演算装置に用いることができ、インピーダンス測定装置のコストを低減できる。また、サンプリングの都度、インピーダンス演算を行わないので、サンプリングした信号の安定判定に演算資源を用いればよく、ホールド判断も素早くできる。
上記した実施の形態は、定電流源10から試料11に交流定電流を供給して電池の内部抵抗を測定する例で説明したが、キャパシタンス成分、インダクタンス成分など他のインピーダンス測定も可能である。また、電流源からの測定だけでなく、電圧源から試料に交流定電圧を供給して同期検波によりインピーダンスを測定するものでもよい。測定対象が電池の場合には、定電流によりインピーダンス測定を行うことが好ましいが、例えば、電気回路に組み込まれてノイズが現れる可能性のあるコンデンサの場合には、交流定電圧によるインピーダンス測定でもよい。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることはなく、これ以外にも種々変形可能である。
10 定電流源
11 試料(DUT)
15、16 増幅器
17 バンドパスフィルタ(BPF)
20−1、20−2 同期検波器
22-1、22−2 ローパスフィルタ(LPF)
23−1、23−2 アナログデジタルコンバータ(ADC)
30 電圧検出部
31 電流検出部
32 演算部
33 表示部
34 操作部
35 記憶部
Rs 電流検出用抵抗

Claims (6)

  1. 測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給する交流供給部と、
    前記測定信号に同期する基準信号を生成する基準信号生成部と、
    前記試料に現れる検出信号を前記基準信号で同期検波する同期検波部と、
    同期検波された信号が入力されるローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力が安定したかを判定する判定手段と、
    前記ローパスフィルタの出力に基づいてインピーダンス演算を行う演算手段と
    を備え、
    前記演算手段は、前記判定手段が前記ローパスフィルタの出力が安定したと判定したことにより測定対象試料のインピーダンス演算を実行する
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  2. 請求項1に記載のインピーダンス測定装置において、
    前記判定手段は、前記ローパスフィルタの出力の移動平均が所定の許容範囲となったことで、出力が安定したと判定する
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  3. 請求項1または2に記載のインピーダンス測定装置であって、
    前記基準信号生成部は、位相の異なる二つの基準信号を生成する手段を備える
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のインピーダンス測定装置であって、
    前記試料は、電池であって、前記交流供給部は、定電流源であり、
    前記演算手段は、前記電池の内部インピーダンスを演算する
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  5. 測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給し、前記試料に現れる検出信号を前記測定信号に同期する基準信号で同期検波し、同期検波された信号の直流成分を抽出して前記試料の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、
    測定対象の試料に所定周波数の測定信号を供給するステップと、
    前記測定信号に同期する基準信号を生成するステップと、
    前記試料に現れる検出信号を前記基準信号で同期検波するステップと、
    同期検波された信号をローパスフィルタに入力して通過させるステップと、
    前記ローパスフィルタの出力が安定したかを判定するステップと、
    前記ローパスフィルタの出力が安定したと判定した場合に前記試料のインピーダンスを演算するステップと
    を有することを特徴とするインピーダンス測定方法。
  6. 請求項5記載のインピーダンス測定方法であって、
    ローパスフィルタの出力が安定したとの判定は、ローパスフィルタの出力の移動平均をとってその移動平均が許容範囲となったと判定する
    ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
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