JP6778515B2 - インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法 - Google Patents

インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、インピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法に関する。
電気回路を構成する素子がもつ内部インピーダンスを測定する方法として、測定対象である試料に交流信号を与えてその電気応答を測定する交流インピーダンス測定法がある。この方法では、試料がもつ抵抗成分、キャパシタンス成分、インダクタンス成分の大きさを調べることができる。
このようなインピーダンス測定法として、定電流源から試料に正弦波の測定交流電流を供給し、試料に現れる電圧信号を、供給する測定交流電流に同期する同一周波数の基準信号(または参照信号ともいう)で同期検波することで、試料に現れるノイズ成分の影響を小さくする同期検波を用いたインピーダンス測定方法がある。
同期検波によるインピーダンス測定装置については、以下の先行技術文献がある。
以下図面を参照して同期検波によるインピーダンス測定を説明する。
図5は、従来の同期検波によるインピーダンス測定装置を説明する図である。
測定交流電流iは、定電流源10から、試料11(DUT:device under testの略)に供給される。なお、ここでは、試料11は、内部抵抗Rxをもつ電池である。抵抗(Rs)12は、測定交流電流iの電流値を検出するための電流検出用抵抗であり、定電流源10、試料11に直列に挿入されている。符号15は、測定交流電流iに応じて試料11に現れた検出信号(電圧信号)を増幅する増幅器である。同様に、符号16は、電流検出用抵抗(Rs)12で検出された電圧信号を増幅する増幅器である。増幅器15で増幅された電圧検出信号vは、測定周波数を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)17を通して同期検波器20に入力される。また、測定交流電流iに同期する基準信号vは増幅器16で増幅され同期検波器20に入力される。同期検波器20は、電圧検出信号vを基準信号vで同期検波し、その検波出力は、交流成分を除去するためのローパスフィルタ(LPF)22に入力され交流成分が除去されて、アナログデジタルコンバータ(ADC)23に入力される。アナログデジタルコンバータ23は、同期検波出力をデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は、図示されない演算装置に入力され、試料11の交流インピーダンス値が演算され、これらの値は、図示しない表示装置等に表示され、あるいはプリントされて出力される。
次に図6の波形図を参照して、図5のインピーダンス測定装置でのインピーダンス測定動作を説明する。
定電流源10からは、測定交流電流として、i=Isin(ωt)の正弦波が試料11に印加される。試料11の両端には、電池の内部抵抗Rに対応した電圧が発生し、その電圧は増幅器15で増幅されてv=iRとして出力される。また、増幅器16からは、電流検出抵抗Rに対応したv=iRsが出力され、同期検波器20で同期検波される。ここで、v、vは、
=Vsin(ωt)=IRsin(ωt)
=iRs=IRsin(ωt)=ksin(ωt)
である。なお、kは定数とする(IとRsは一定であるとする)
同期検波出力は、
×v=kIRsin(ωt)sin(ωt)
=1/2・kIR[cos(0)−cos(2ωt)]
交流成分をローパスフィルタで遮断すると、アナログデジタルコンバータ23の入力は、
AD=1/2・kIRcos(0)=1/2・kIR
となり、これにより、試料の抵抗値Rxは、
=2/k・(VAD/I)
により求めることができる。
図6のv、v、v×v、vADの波形がそれぞれ、図5の信号v、v、v×v、vADの信号波形になる。
このように、試料の両端の電圧検出信号を測定交流電流と同位相の基準信号で同期検波し、ローパスフィルタにより交流成分(cos(2ωt))を除去することにより、直流成分のみが抽出されるので、電池など純抵抗以外の成分を含む測定対象の試料の実効インピーダンスを求めることができる。また、同期検波で現れた交流成分はローパスフィルタで除去されるため、交流であるノイズの影響を除去でき、ノイズに埋もれた微小信号を取り出すことが可能である。
特開2007−132806号公報
測定対象となる試料は、電気回路を構成する要素であるため、ノイズが重畳されるものがあり、そのノイズがインピーダンス測定に影響を与える。例えば、UPS(無停電電源装置)に装備されているバッテリを測定試料とする場合である。UPSは、常時稼働している必要があるため、インバータやコンバータが稼働して充電あるいは放電を行っている。このため、インバータやコンバータから生ずるノイズがバッテリに印加されていることが多い。また、負荷が接続されているため、負荷側からもノイズが入り込むことが多い。このように、UPSのバッテリを試料としてインピーダンス測定しようとすると、測定交流電流が印加された試料からノイズ成分を検出することになる。
しかしながら、測定交流電流と同位相の基準信号を用いて同期検波を行い、ローパスフィルタで交流成分を除去してもノイズを取りきることができない場合がある。
ノイズとして測定周波数と同一周波数のノイズが検出信号に入ると、同期検波出力の直流成分に重畳されているため、ローパスフィルタでは除去することはできない。また、測定周波数に近い周波数のノイズであると、ローパスフィルタの特性から、すべてを除去することは難しい。
例えば、測定周波数が1kHzであり、ノイズの周波数が1.01kHzであった場合、直流ではない低い交流成分は、除去できても少しであって、すべてを除くことはできない。また、バンドパスフィルタも測定周波数である中心周波数の近傍の周波数のノイズを除くことはできないから、測定周波数近傍のノイズを除去することは難しい。
例えば、ローパスフィルタは、図7に示すような周波数特性を有しており、高い周波数については十分取り除くことができるが、低い周波数は除去できない部分が残る。
このため、ノイズが検出信号に入り込むと、測定誤差が生じ、また、測定したインピーダンス値もばらつきが生ずるので、測定値が安定しない問題が生ずる。
本発明は、このような、測定交流電流と同一あるいは近い周波数のノイズ成分から生ずる影響を小さくして、測定誤差を少なくし、安定した測定が可能なインピーダンス測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の側面は、インピーダンス測定装置であって、測定対象の試料に所定周波数の測定交流信号を供給する交流源と、測定交流信号に同期する基準信号を生成する基準信号生成部と、試料に現れる検出信号を基準信号で同期検波する同期検波部と、同期検波部で同期検波された信号の直流成分を抽出して試料のノイズレベルを測定するとともに試料のインピーダンスを測定する演算手段とを備えたインピーダンス測定装置であって、基準信号生成部は、試料に測定交流信号を供給しない状態で、所定周波数であって、位相が異なる二つの基準信号を生成する手段を備え、同期検波部は、通過周波数が異なる複数のバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタの一つを選択する選択手段と、測定交流信号を供給しない状態の試料に現れる検出信号を二つの基準信号でそれぞれ同期検波する手段と、を備え、演算手段は、選択手段で、通過周波数が第一の周波数のバンドパスフィルタを選択し、交流源の測定交流信号を第一の周波数の測定交流信号に設定して、第一の周波数の測定交流信号を試料に供給しない状態の同期検波結果からノイズレベルを測定し、ノイズレベルが所定の許容範囲である場合には、当該第一の周波数の測定交流信号を試料に供給して試料のインピーダンスを測定し、ノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、選択手段で、通過周波数が第二の周波数のバンドパスフィルタを選択し、交流源の測定交流信号の周波数を第二の周波数に設定して、第二の周波数の測定交流信号を試料に供給しない状態の同期検波結果からノイズレベルを測定することを特徴とする。
なお、演算手段は、第一の周波数のノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、所定周波数であって、ノイズレベルが最も低い周波数の測定交流信号を前記試料に供給して、試料のインピーダンス測定を行うことができる。
また、試料は、電池であって、前記交流源は、定電流源であることができる。
本発明の他の側面は、交流源から測定対象の試料に所定周波数の測定交流信号を供給し、試料に現れる検出信号を測定交流信号と同期する位相が異なる二つの基準信号でそれぞれ同期検波し、同期検波された信号の直流成分を抽出して試料の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、通過周波数が異なる複数のバンドパスフィルタと複数のバンドパスフィルタの一つを選択する選択手段を備え、選択手段で通過周波数が第一の周波数の前記バンドパスフィルタを選択し、交流源の測定交流信号の周波数を第一の周波数に設定し、試料に測定交流信号を供給しない状態で同期検波を行って、測定交流信号が給されない状態で試料に現れるノイズレベルを測定し、測定したノイズレベルが所定の許容範囲である場合には、当該第一の周波数の測定交流信号を試料に供給して試料のインピーダンスを測定し、第一の周波数のノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、選択手段で通過周波数が第二の周波数のバンドパスフィルタを選択し、交流源の測定交流信号の周波数を第二の周波数に設定し、試料に測定交流信号を供給しない状態で同期検波を行って、試料に現れるノイズレベルを測定することを特徴とする。
なお、第一の周波数のノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、所定周波数であって、ノイズレベルが最も低い周波数の測定交流信号を試料に供給して、試料のインピーダンス測定を行うことができる。
測定交流信号と同一周波数あるいは近い周波数のノイズが混入しても、ノイズ成分を除去することが可能であるため、インピーダンス測定誤差を少なくできる。また、安定した測定をすることができる。
本発明の実施形態で測定周波数ごとにノイズレベルを測定しているときのインピーダンス測定装置の構成を示す図である。 図1の各点に現れる波形を示す図である。 本発明の実施形態で、測定用周波数f1,f2,f3でノイズレベルを測定し、試料のインピーダンス測定を行う場合の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態で、測定周波数f1のノイズレベルが規定値外であった場合に試料のインピーダンス測定を行っているときのインピーダンス測定装置の構成を示す図である。 従来の同期検波を用いたインピーダンス測定装置の構成を示す図である。 図5における信号波形を示す図である。 ローパスフィルタの周波数特性例を示す図である。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態のインピーダンス測定装置の構成を示す図であり、測定用周波数ごとにノイズ成分を測定しているときで、測定周波数としてf1でのノイズ成分を測定しているときの接続構成を示している。
定電流源10はスイッチSW1を介して測定対象の試料(DUT)11に接続される。本実施の形態では、試料11は、電池であり、内部抵抗としてRをもつ。電流検出用抵抗(R)12は、定電流源10、スイッチSW1、試料11の直列回路に挿入されている。スイッチSW2は、定電流源10とスイッチSW1、試料11と電流検出用抵抗12との間に挿入されている。試料11の検出信号は、増幅器15を介して複数のバンドパスフィルタ(BPF)17、17、・・17に入力される。スイッチSW3は、バンドパスフィルタ17〜17のいずれかを選択し、その出力は、同期検波器20、21の双方に入力される。電流検出用抵抗12は、増幅器16に接続され、増幅器16の出力は、同期検波器20に入力されると共に、位相調整器19を介して同期検波器21に入力される。位相調整器19は増幅器16の出力信号の位相が他方の基準信号に対して90°の位相となるように位相調整する。同期検波器20、21の検波出力は、スイッチSW4に入力され、スイッチSW4の出力は、ローパスフィルタ(LPF)22に入力され、ローパスフィルタ22の出力は、アナログデジタルコンバータ(ADC)23に入力される。
次に、本実施の形態によるインピーダンス測定動作を説明する。
本実施の形態では、まず、測定周波数としてf1を選択して、試料11に生ずるノイズレベルを測定し、ノイズレベルが規定値内(許容範囲内)であるときは、f1で試料11のインピーダンスを測定し、測定周波数f1で、ノイズレベルが規定値内でない場合は、異なる測定周波数のf2、f3・・のノイズレベルを測定し、f1,f2,f3・・のうち、ノイズレベルの影響が少ない、すなわち、ノイズレベルがもっとも小さい測定周波数で試料11のインピーダンスを測定する。
まず、測定周波数f1でのノイズレベルの測定動作を説明する。
スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンとする。そして、定電流源10から、測定しようとする周波数f(sin(ωt))としてf1を指定して測定交流電流を電流検出用抵抗12に印加し、試料11には、測定交流電流を印加しない。電流検出用抵抗12に現れた電圧信号は、増幅器16によって増幅され、その出力信号は、分岐されて一方は、そのまま基準信号として同期検波器20に入力される。分岐された出力の他方の基準信号は、位相調整器19で、一方の基準信号に比べて位相が90°異なる基準信号とされて、もうひとつの同期検波器21に入力される。
測定交流電流が印加されていない状態の試料に現れる検出信号は、増幅器15で増幅され、通過周波数が異なる複数のバンドパスフィルタ17〜17に入力され、スイッチSW3で定電流源10が入力している測定周波数f1を通過させるバンドパスフィルタ171の出力が選択されその出力が同期検波器20と21の双方に入力される。同期検波器20、21の出力は、スイッチSW4で順次選択されて、ローパスフィルタ22に入力される。ローパスフィルタ22は、スイッチSW4で順次選択された同期検波器20と21の出力の交流成分を除去してアナログデジタルコンバータ23に出力する。
ここで、試料11に測定交流電流が印加されていない状態では、試料11に現れる検出信号は、ノイズ成分であり、この検出信号を測定周波数f1に対応するバンドパスフィルタ17を通して同期検波することにより、測定周波数ノイズレベルを測定することができる。同様に、測定周波数をf2、f3に対応するバンドパスフィルタ172、173を選択して、測定周波数f2、f3のノイズレベルを測定することができる。
以下、式を用いて試料11の両端に生じているノイズレベルの測定を説明する。
定電流源10で測定周波数を設定して同期検波で参照する基準信号v、vが生成される。vは、位相調整器19によって、vとは位相差として90°(π/2)が与えられている。
=IRsin(ωt)・・・・・(測定交流電流iと同位相 Nは1〜n)
=IRsin(ωt+90°)・(測定交流電流iとの位相差90°)
試料11の両端から検出したvをバンドパスフィルタ17のうち測定周波数sin(ωt)を中心周波数とするバンドパスフィルタ171を通した後の信号をv1’とする。バンドパスフィルタ17〜17では、スイッチSW3で測定周波数に適したバンドパスフィルタを選択して、vを通過させる。
ここで、v’は、
’=GBPFcos(ωt+θ+θBPF
BPFは、バンドパスフィルタのゲイン、Vxは、試料(Rx)によって生ずるノイズの電圧、θは、ノイズの位相角、θBPFは、バンドパスフィルタによって生ずる位相角とする。
同期検波器20、21で、v’をv、vで同期検波することにより、
同期検波器20の検波出力v’×v、同期検波器21の検波出力v’×vは、以下のように表される。
’×v=1/2・GBPFIR{cos(ωt+θ+θBPF−ω
)}−cos(ωt+θ+θBPF+ωt)
’×v=1/2・GBPFIR{cos(ωt+θ+θBPF−ω
−90°)}−cos(ωt+θ+θBPF+ωt+90°)
この同期検波されたv’×v、v’×vをローパスフィルタ22に通すことにより、測定周波数成分が除去され、ノイズ成分が残る。アナログデジタル変換された結果は、すべてノイズであり、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタで除去できない成分となる。
同期検波されたv’×v、v’×vの二乗和の平方根がノイズレベルとなる。
なお、基準信号を直交する位相として同期検波を行うのは、ノイズの位相は不明であって、ひとつの位相のみで検波を行うと、ノイズの位相によりそのレベルが小さくなるからである。同一の検出信号を直交する位相の基準信号により同期検波を行うことにより、正確なノイズレベルを測定することが可能である。なお、基準信号は、位相が直交する場合に限られず、例えば45°(π/4)で交差した基準信号を用いてもよい。
測定周波数を変えてノイズレベルを測定した例を図2に示す。図2の(a)は、測定周波数をf1とした場合であり、ローパスフィルタの出力のうち基準信号vで同期検波した出力をVAD_v1’×v2、基準信号vで同期検波した出力を VAD_v1’×v2とする。
図2(a)は、ノイズの周波数が測定周波数fと等しい場合であり、ローパスフィルタの出力には、直流成分のノイズが出力されている例である。図2(b)は、ノイズの周波数が測定周波数fに近い場合で、ローパスフィルタの出力には、交流成分も現れている。図2(c)は、ノイズの周波数が測定周波数fと相当に離れている場合であり、ローパスフィルタの出力は、ほぼゼロレベルである。
このように、定電流源10からの測定周波数を変え、対応するバンドパスフィルタ17〜17を切り替えれば、それぞれの測定周波数でのノイズレベルが測定できる。
ここで、バンドパスフィルタの切替については、定電流源10の測定周波数の切替に対応するバンドパスフィルタを切り替えるときに、設定された複数の周波数に対応して順次手動で切り替えることも、順次自動で切り替えることも可能である。
また、図1では図示されていないが、インピーダンス測定装置として、アナログデジタルコンバータ23の出力が入力される演算部、記憶部、操作部、表示部を備えており、演算部は、CPUを具備して、ノイズレベルの演算、判定、インピーダンスの演算、測定、表示の制御を行っている。
次に、本発明実施の形態として、最初に測定周波数f1のノイズ成分を測定し、そのときのノイズレベルが許容範囲として設定した規定値以下の場合には、測定周波数f1の測定交流電流を与えて、試料11のインピーダンスを測定し、測定周波数f1のノイズレベルが設定した規定値を超えている場合には、他の測定周波数f2、f3のノイズ成分を測定して、測定周波数f1、f2、f3のうち、ノイズレベルの最も小さい測定周波数を選択して、測定交流電流を与えて試料11のインピーダンスを測定する例を説明する。
一般的に電池の内部抵抗Rxは、測定周波数が1kHz付近で測定されている場合が多い、このとき、1kHz付近で、測定周波数として1000Hz、950Hz、1050Hzのうち、ノイズレベルの小さい測定周波数を選択する場合であって、測定周波数1000Hzのノイズレベルが小さくて、それが許容範囲である場合には、他の測定周波数のノイズレベルを測定することなく、インピーダンス測定すれば他の測定周波数のノイズレベルを測定する必要はなくなる。仮に、他の測定周波数のノイズレベルを測定して、ノイズレベルの小さい測定周波数を選択した場合、1000Hz以外の周波数のノイズレベルが小さければ、測定したい1000Hz以外の周波数で測定してしまうことになる。また、測定環境によってL成分やC成分も変化するので、できるだけ基準となっている目標の測定周波数で測定することが好ましい。
図3のフローチャートを参照して、測定周波数f1,f2,f3でノイズレベルを測定し、試料のインピーダンス測定を行う場合の動作を説明する。このインピーダンス測定では、f1が1000Hz、f2が950Hz、f3が1050Hzの測定周波数であってノイズレベルを測定するものとする。
まず、ノイズレベルを判定(測定)したい周波数を設定する(ステップS1)。設定する周波数として、インピーダンス測定をしたい周波数f1を選択し、図1に示したように、SW1をオフ、SW2をオン、SW3でバンドパスフィルタ17−1を選択して、測定周波数f1を設定する。この測定周波数f1を試料11に与えない状況の出力を同期検波器20、21で同期検波する(ステップS2)。この同期検波出力をSW4で選択して、ローパスフィルタ22を通してアナログデジタルコンバータ23でアナログデジタル変換する。この出力であるv’×v、v’×vの二乗和の平方根をとってノイズレベルを算出する(ステップS3)。ノイズレベルとして、位相が90°異なる基準信号で同期検波した値の2乗の和の平方根を演算する。
ここで、最初の目標測定周波数の測定周波数f1か否かを判断し(ステップS4)、測定周波数f1の場合には、ノイズレベルが規定値以内か否かを判定する(ステップS5)。規定値以内である場合には、測定周波数f1の測定交流電流を与えてインピーダンス測定を行う動作になり、SW1をオン、SW2をオフにして、測定交流電流として測定周波数f1の測定交流電流を定電流源10から試料11に与えて、試料11のインピーダンスを測定する(ステップS6)。ノイズレベルが規定値以内でない場合には、他の測定周波数f2、f3でのノイズレベルの測定を行う(ステップS1からステップS4)。この場合には、f2、f3のすべてについて、ノイズレベルを測定する。そして、f1、f2、f3のノイズレベルを比較して、ノイズレベルの最小の測定周波数で試料11のインピーダンスを測定する。(S7)。
このように、測定したい(目標)測定周波数f1でのノイズレベルが、許容される規定値内である場合には、測定周波数f1でインピーダンスを測定し、規定値を超えている場合には、他の測定周波数f2、f3でのノイズレベルの影響の小さい方の周波数で、試料11に測定交流電流を与えて、試料11のインピーダンスを測定する。このときは、ノイズ成分測定で求めたノイズの影響の最も小さい測定周波数を選び、図4に示されるように、スイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフ、スイッチSW3は、バンドパスフィルタ17〜17のうち、測定周波数を通過させるバンドパスフィルタを選択し、定電流源10から試料11に測定交流電流を供給して、従来方法と同一に試料のインピーダンスを測定する。
以上のように、まず、試料11に現れるノイズレベルを目標測定周波数で測定し、ノイズレベルが規定値の範囲内である場合には、インピーダンス測定を行い、ノイズレベルが規定値の範囲内でない場合には、周辺の他の測定周波数でのノイズレベルを測定して、ノイズレベルの小さい、すなわち、ノイズの影響の小さい測定周波数により試料のインピーダンスを測定することが可能となる。
(本発明による効果)
ノイズレベルが許容範囲である場合、複数の周波数からどれがノイズの影響を受けにくいか選択しないことで、インピーダンス測定を目標周波数で行うことができる。これにより周波数変更に伴うL成分やC成分による影響を受けることなくインピーダンス測定を行うことができる。目標周波数で許容できないノイズが存在していた場合は最も影響が小さい測定周波数を選択することで安定した測定値を得ることができる。また、測定周波数が目標周波数と異なる時のみノイズが存在することを表示するため測定環境が悪いかどうかを判断することもできる。
上記の実施の形態は、定電流源11から試料に交流定電流を供給してインピーダンスを測定する例で説明したが、電圧によるインピーダンス測定も可能である。たとえば、電圧源から試料に交流定電圧を供給して同期検波によりインピーダンスを測定するものでもよい。測定対象が電池の場合には、定電流によりインピーダンス測定を行うことが好ましいが、例えば、電気回路に組み込まれてノイズが現れる可能性のあるコンデンサの場合には、定電圧交流によるインピーダンス測定でもよい。
10 定電流源
11 試料(DUT)
12 電流検出用抵抗(Rs)
15、16 増幅器
17、17〜17 バンドパスフィルタ(BPF)
19 位相調整器
20、21 同期検波器
22 ローパスフィルタ(LPF)
23 アナログデジタルコンバータ
SW1〜SW4 スイッチ

Claims (5)

  1. 測定対象の試料に所定周波数の測定交流信号を供給する交流源と、
    前記測定交流信号に同期する基準信号を生成する基準信号生成部と、
    前記試料に現れる検出信号を前記基準信号で同期検波する同期検波部と、
    前記同期検波部で同期検波された信号の直流成分を抽出して前記試料のノイズレベルを測定するとともに前記試料のインピーダンスを測定する演算手段と
    を備えたインピーダンス測定装置であって、
    前記基準信号生成部は、
    前記試料に測定交流信号を供給しない状態で、前記定周波数であって、位相が異なる二つの基準信号を生成する手段を備え、
    前記同期検波部は、
    通過周波数が異なる複数のバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタの一つを選択する選択手段と、
    測定交流信号を供給しない状態の試料に現れる検出信号を前記二つの基準信号でそれぞれ同期検波する手段と、
    を備え、
    前記演算手段は、
    前記選択手段で、通過周波数が第一の周波数の前記バンドパスフィルタを選択し、前記交流源の測定交流信号を第一の周波数の測定交流信号に設定して、前記第一の周波数の測定交流信号を前記試料に供給しない状態の同期検波結果からノイズレベルを測定し、ノイズレベルが所定の許容範囲である場合には、当該第一の周波数の測定交流信号を前記試料に供給して前記試料のインピーダンスを測定し、
    前記ノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、前記選択手段で、通過周波数が第二の周波数の前記バンドパスフィルタを選択し、前記交流源の前記測定交流信号の周波数を第二の周波数に設定して、前記第二の周波数の測定交流信号を前記試料に供給しない状態の同期検波結果からノイズレベルを測定する
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  2. 請求項1記載のインピーダンス測定装置であって、
    前記演算手段は、前記第一の周波数のノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、前記所定周波数であって、ノイズレベルが最も低い周波数の測定交流信号を前記試料に供給して、前記試料のインピーダンス測定を行う
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  3. 請求項1または2に記載のインピーダンス測定装置であって、
    前記試料は、電池であって、前記交流源は、定電流源である
    ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
  4. 測定対象の試料に交流源から所定周波数の測定交流信号を供給し、前記試料に現れる検出信号を前記測定交流信号と同期する位相が異なる二つの基準信号でそれぞれ同期検波し、同期検波された信号の直流成分を抽出して前記試料の交流インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、
    通過周波数が異なる複数のバンドパスフィルタと前記複数のバンドパスフィルタの一つを選択する選択手段を備え、
    前記選択手段で通過周波数が第一の周波数の前記バンドパスフィルタを選択し、前記交流源の測定交流信号の周波数を前記第一の周波数に設定し、前記試料に前記測定交流信号を供給しない状態で同期検波を行って、測定交流信号が給されない状態で前記試料に現れるノイズレベルを測定し、測定したノイズレベルが所定の許容範囲である場合には、当該第一の周波数の測定交流信号を前記試料に供給して前記試料のインピーダンスを測定し、
    前記第一の周波数のノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、前記選択手段で通過周波数が第二の周波数の前記バンドパスフィルタを選択し、前記交流源の測定交流信号の周波数を第二の周波数に設定し、前記試料に測定交流信号を供給しない状態で同期検波を行って、前記試料に現れるノイズレベルを測定する
    ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
  5. 請求項4に記載のインピーダンス測定方法であって、
    前記第一の周波数のノイズレベルが所定の許容範囲でない場合には、前記所定周波数であって、ノイズレベルが最も低い周波数の測定交流信号を前記試料に供給して、前記試料のインピーダンス測定を行う
    ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
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