JP2018034809A - 集合包装容器 - Google Patents
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Abstract
Description
このイチゴ等をパック詰めしたトレーは、その取扱性や輸送コストなどを考慮した場合、1個ずつよりも複数単位でまとめて、一度に出荷することが望ましい。
特に、近年では、イチゴ等の果実を見栄えよく収納するために、浅型のトレー(以下、平トレーということがある)が使用されるようになってきている。このような浅型の平トレーは、トレーの高さに対して長さ及び幅が広いものとなるため、トレーが撓みやすくなり、上記の問題がより顕著なものとなる虞があった。
〔1〕上面が開口し、果実をパック詰めしたトレーを複数個収納する略直方体形状の箱体からなる集合包装容器であって、前記箱体は発泡粒子成形体で形成され、前記箱体の内部が、前記箱体の周壁内面側に設けられた段部と、箱体の内部に底部から立ち上げて設けられた突出部とによって、複数個のトレー収納室に区画されており、前記トレー収納室の四隅角部を形成する、前記段部と突出部の側壁には、収納するトレーの四隅角部の側壁部に接するように傾斜部が形成されており、前記段部の側壁と突出部の側壁に形成された傾斜部によって、収納したトレーの四隅角部の側壁部を支持することを特徴とする、集合包装容器。
〔2〕上記段部と突出部とによって区画されたトレー収納室において、その全周囲長さ(X)に対する、上記傾斜部の周囲長さ(Z)の割合が、5〜70%であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の集合包装容器。
〔3〕上記段部と突出部とによって区画されたトレー収納室の底部には、それぞれ貫通穴が形成されており、前記区画されたトレー収納室の底部の面積(A)に対する、前記貫通穴の開口の面積(B)の割合が、50〜80%であることを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の集合包装容器。
〔4〕上記傾斜部によって支持されたトレーが、上記トレー収納室の底部に前記トレーの底面が接触しない状態で保持されることを特徴とする、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の集合包装容器。
〔5〕上記発泡粒子成形体を構成する樹脂がスチレン系樹脂であり、上記発泡粒子成形体の発泡倍率が30〜80倍であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の集合包装容器。
〔6〕上記傾斜部の角度(α)と、上記収納するトレーの四隅角部の側壁部の傾斜角度(β)との比(α/β)が、0.9〜1.2であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の集合包装容器。
なお、上記箱体の高さ(H)は、図5(a)に示したように、集合包装容器の底部下面から側壁上面までの高さを測定する。また、上記箱体の長手方向の長さ(L)、短手方向の長さ(W)は、図2に示したように、集合包装容器の外形寸法を測定する。
特に、本発明に係る集合包装容器1は、平トレーを収納するのに好適である。近年、イチゴ等を1段積みとして見栄えよくトレーに収納するために、図11(a)に示したような平トレーが使用されるようになってきている。この平トレーは、図11(b)に示した通常のトレーに比して、高さが低いうえに長さ及び幅が広く、しかもフランジ部が短いという特徴を有するものである。このような平トレーとしては、例えば、サイズが長さ140〜180mm、幅80〜120mm、高さ20〜40mmのものが挙げられ、具体的には、イチゴをパック詰めした平トレー〔フランジ部の端部間の長さ(トレーの長辺方向長さ)が196mm程度、幅(トレーの短辺方向長さ)が128mm程度、フランジ部の下端から底の下端までの高さが23mm程度〕が挙げられる。
収納されるトレーの側壁部は、図8に示したように上面側から下面側に向けて傾斜がついており、例えば、トレーの開口部の水平面とトレーの側壁部とがなす角度(β)は、概ね60〜89°であり、好ましくは70〜85°であり、更に好ましくは75〜82°である。一方、上記段部6や突出部7の側壁には、収納するトレーの四隅角部の側壁部に接するように傾斜部10が形成されているので、該段部の側壁と突出部の側壁に形成された傾斜部によって、収納したトレーの四隅角部の側壁部を当接させて支持することができる。上記観点から、該段部や突出部の側壁に形成された傾斜部10の角度(前記箱体底部と前記傾斜部とがなす角度)(α)は、60〜89°であることが好ましく、70〜85°であることがより好ましく、75〜82°であることが更に好ましい。
さらに、前記角度αと角度βとの関係は、その比(α/β)が0.9〜1.2であることがより好ましく、1.0〜1.1であることが更に好ましい。前記角度αと角度βが近い値となりα/βが1に近いほど、収納したトレーの四隅角部の側壁部と、該段部や突出部の側壁に形成された傾斜部との接する面積が広くなり、両者が点接触ではなく線や面で接することができるので、よりトレーを安定して支持することができる。なお、上記の角度、比等の値は、少なくとも1箇所の当接部分において、上記関係を満足するように形成されていればよい。
前記段部や突出部の側壁に形成される傾斜部10は、収納するトレーの四隅角部の側壁部と接する部分に少なくとも形成されており、前記段部や突出部の側壁の高さ方向において上部から1〜40%の高さの部分まで底部から形成されていることが好ましい。前記傾斜部10が、前記段部や突出部の側壁の高さ方向に幅広く形成されていると、トレーの側壁部と前記傾斜部との当接する部分が広範囲に確保されるので、収納するトレーのサイズや側壁部の傾斜角度が変わったとしても、トレーを安定的に支持することができる。
なお、トレーを安定的に支持する観点からは、トレーの四隅角部全てが、前記傾斜部と当接することが好ましい。
また、箱体の内部には、2個の突出部7a,7bが底部から立ち上げた状態で形成されている。そして、これらの突出部7a,7bは、箱体の外方に向けて、前記段部に向けて突出する凸部をそれぞれ有している。
なお、突出部7a,7bの中央部は、肉盗みのために貫通穴9a,9bが形成されている。また、箱体の内部に形成された突出部7a,7bの間には、底部が形成されているので、箱体が撓み難くなる構造となっている。
トレー収納室8の周囲長さ(図1,図3において二点鎖線示した長さ:X)に対する、段部6と突出部7部分の周囲長さ(図1,図3において点線で示した長さの合計:Y)の割合は、20〜70%であることが好ましく、30〜65%であることが更に好ましい。上記範囲内であれば、収納したトレーを安定した状態で当接支持でき、輸送中の振動などに耐え得る保持が可能となるとともに、冷気の通りも良いものとなる。なお、上記周囲長さの測定は、上記段部と突出部の上端部分における周囲部分の長さを測定する。
また、上記傾斜部10は、上記段部と突出部の側壁全体にわたって形成されていてもよいが、好ましくは、上記トレー収納室8の周囲長さ(X)に対する上記傾斜部10の部分の周囲長さ(図1,図3において太い実腺で示した長さ:Z)の割合は、5〜70%であり、更に好ましくは10〜50%である。なお、上記傾斜部10の周囲長さ(Z)は、その高さ方向の中央部分の周囲長さを測定する。
例えば、一方の長手方向周壁に形成された段部6bは、他方の周壁に形成された段部6bと、それぞれ長手方向にずれた位置に形成されている。このような位置に段部が形成されていると、段部の形成位置を片寄りのないものとすることができ、箱体がねじれるような力がかかった際に、このような力に抵抗する補強リブとして機能し易くなる。また、突出部7a,7bにおいても、長手方向にずれた位置に形成されており、同様の補強リブとしての効果が得られる。
また、上記の観点から、それぞれのトレー収納室8は、箱体の底部の中心点に対して点対称となるように配列されていることが好ましい。このようにトレー収納室8が配置されていると、トレー収納室を区画する段部6や突出部7も、箱体の中心に対して点対称に形成されるので、より補強リブとしての効果が発揮され易くなる。
なお、周壁厚み(T)は、段部6が存在していない部分の厚みを測定するものとする。具体的には、図5(b)に示したように、周壁において段部が設けられていない部分における、該部分の下端から1/2高さとなる部分の厚みを測定する。
なお、箱体を積み重ねた際のズレをさらに防止する観点から、箱体の周壁凸部の上面に係合突起を設けると共に、箱体の周壁の下面部には前記周壁凸部の上面の係合突起に係合する係合凹部を形成することもできる。
なお、上記嵌合溝5は、周壁の嵌め込み容易性を考慮し、上方ほど幅の広い嵌合溝としてもよい。また、上記四隅角部の頂点から離す距離(δ)、嵌合溝5の幅(u)は、図5(b)また図6(a)に示したものをいう。
この実施例にかかる集合包装容器1は、発泡倍率60倍のスチレン系樹脂発泡粒子成形体からなり、外形寸法が、高さ(H)が70mm、長手方向の長さ(L)が600mm、短手方向の長さ(W)が380mmである。また、長手方向の周壁厚み(T)が20mmであり、短手方向の周壁厚み(T)が16mmであり、底部の厚みは15mmである。箱体の長手方向の周壁2aにはそれぞれ3個、短手方向の周壁2bにはそれぞれ1個の通気部3が形成されており、これらの全通気部3の全周壁2に対する開口率は15%である。
2 周壁
2a 長手方向の周壁
2b 短手方向の周壁
3 通気部
4 取っ手となる切欠き凹部
5 嵌合溝
6 段部
6a 箱体四隅角部に形成された上面視L字状の段部
6b 箱体長手方向周壁に形成された上面視T字状の段部
6c 箱体短手方向周壁に形成された上面視T字状の段部
7,7a,7b 突出部
8 トレー収納室
8a 長辺方向が箱体の短手方向に向けられたトレー収納室
8b 長辺方向が箱体の長手方向に向けられたトレー収納室
9a,9b 肉盗み用の貫通穴
10 傾斜部
11 底部
12 貫通穴
13 係合凹部
14 係合突起
15 係合凹部
T イチゴのパック詰め平トレー
F トレーのフランジ部
P バンド
X トレー収納室の周囲長さ
Y 段部と突出部の周囲長さ
Z 傾斜部の周囲長さ
α 段部と突出部に形成された傾斜部の角度
β トレーの四隅角部の側壁部の傾斜角度
Claims (6)
- 上面が開口し、果実をパック詰めしたトレーを複数個収納する略直方体形状の箱体からなる集合包装容器であって、前記箱体は発泡粒子成形体で形成され、前記箱体の内部が、前記箱体の周壁内面側に設けられた段部と、箱体の内部に底部から立ち上げて設けられた突出部とによって、複数個のトレー収納室に区画されており、前記トレー収納室の四隅角部を形成する、前記段部と突出部の側壁には、収納するトレーの四隅角部の側壁部に接するように傾斜部が形成されており、前記段部の側壁と突出部の側壁に形成された傾斜部によって、収納したトレーの四隅角部の側壁部を支持することを特徴とする、集合包装容器。
- 上記段部と突出部とによって区画されたトレー収納室において、その全周囲長さ(X)に対する、上記傾斜部の周囲長さ(Z)の割合が、5〜70%であることを特徴とする、請求項1に記載の集合包装容器。
- 上記段部と突出部とによって区画されたトレー収納室の底部には、それぞれ貫通穴が形成されており、前記区画されたトレー収納室の底部の面積(A)に対する、前記貫通穴の開口の面積(B)の割合が、50〜80%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の集合包装容器。
- 上記傾斜部によって支持されたトレーが、上記トレー収納室の底部に前記トレーの底面が接触しない状態で保持されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の集合包装容器。
- 上記発泡粒子成形体を構成する樹脂がスチレン系樹脂であり、上記発泡粒子成形体の発泡倍率が30〜80倍であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の集合包装容器。
- 上記傾斜部の角度(α)と、上記収納するトレーの四隅角部の側壁部の傾斜角度(β)との比(α/β)が、0.9〜1.2であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の集合包装容器。
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