JP2018034626A - 導風枠 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の衝突時における熱交換器や衝突対象への衝撃を緩和でき、かつ組付け作業性に優れる導風枠を提供する。【解決手段】車両前部に配置される熱交換器に走行風を導く導風枠1であって、第一軸受部30を有する第一枠片3と、第二軸受部40を有し、第一枠片3に対向する位置に配置される第二枠片4と、第一軸受部30に係合する第一回動軸21、および第二軸受部40に係合する第二回動軸22を有し、枠外方向に回動可能に構成される回動枠片2と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、車両前部に配置される熱交換器に走行風を導く導風枠に関する。
ラジエターや空調装置のコンデンサなどの熱交換器は、車両の前方に配置され、フロントグリルから取り込まれた走行風によって冷却される。通常、熱交換器を効果的に冷却するために、熱交換器の車両前方側には導風枠が設けられている。
例えば、特許文献1には、車両前方側の部位が車両後方側の部位よりも低剛性に形成された車両用導風ガイド構造(導風枠)が開示されている。このような構成によれば、車両の前方への衝突の際に、低剛性の部位が変形することで、導風枠によって熱交換器が損傷することを抑制できる。また、衝突時に導風枠が変形することで、衝突の衝撃を緩和することができ、衝突対象の傷害値を低減できると考えられる。
特開2012−144125号公報
特許文献1の構成では、一つの部材に低剛性の部位と高剛性の部位が混在しているため、車両への組付け時に低剛性の部分が変形する恐れがある。そのため、特許文献1の導風枠は、その組付けに相当程度の配慮をする必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、車両の衝突時における熱交換器や衝突対象への衝撃を緩和でき、かつ組付け作業性に優れる導風枠を提供することにある。
本発明の一態様に係る導風枠は、
車両前部に配置される熱交換器に走行風を導く導風枠であって、
第一軸受部を有する第一枠片と、
第二軸受部を有し、前記第一枠片に対向する位置に配置される第二枠片と、
前記第一軸受部に係合する第一回動軸、および前記第二軸受部に係合する第二回動軸を有し、枠外方向に回動可能に構成される回動枠片と、を備える。
上記導風枠の一形態として、
前記第一軸受部よりも車両前方側で前記第一枠片と前記回動枠片とを係合させる第一係合機構、および前記第二軸受部よりも前記車両前方側で前記第二枠片と前記回動枠片とを係合させる第二係合機構の少なくとも一方を備え、
前記第一係合機構および前記第二係合機構は共に、係合爪と係合孔との係合を用いた構造である形態を挙げることができる。
上記導風枠によれば、車両の前方への衝突時、車両前方からの衝撃に対して回動枠片が枠外方向に回動することで、熱交換器や衝突対象への衝撃を緩和できる。特に、係合機構を採用した構成では、車両前方からの衝撃によって係合機構が破壊されることで衝撃のエネルギーを減少させることができる。
また、上記導風枠は、組付け作業性に優れるという効果を有する。後述する実施形態で詳しく説明するように、第一枠片の第一軸受部と、第二枠片の第二軸受部とに、回動枠片の第一回動軸と第二回動軸を係合させるだけで導風枠を完成させることできる。
車両の前方の一部を示す斜視図である。 実施形態に係る導風枠の概略斜視図である。 実施形態に係る導風枠の分解斜視図である。 実施形態に係る導風枠の上面図であって、第一枠片と第二枠片の上端面に回動枠片を乗せた状態を示す図である。 実施形態に係る導風枠の上面図であって、第一枠片と第二枠片に回動枠片を組付けた状態を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る導風枠を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
図1に示す様に、車両100の前方側には、走行風を取り入れるフロントグリル101が設けられている。フロントグリル101の内部には、走行風で冷却されるラジエターや空調のコンデンサなどの熱交換器が配置されており、その熱交換器の車両前方側には熱交換器に走行風を導く導風枠が設けられている。エンジンルーム内の搭載スペースに制約のあるコンパクトカーなどでは、導風枠の車両後方側にラジエターとコンデンサを前後方向に並べることがあるが、搭載スペースに余裕があれば、ラジエターとコンデンサを車幅方向に離隔した位置に配置し、ラジエターとコンデンサにそれぞれ導風枠を設けても良い。
≪全体構成≫
図2は、熱交換器9の車両前方側に設けられる導風枠1の概略斜視図である。導風枠1は、車両上方側に配置される上側枠片2と、車両右方側に配置される右側枠片3と、車両左方側に配置される左側枠片4と、を組み合わせて構成されている。本例では、上側枠片2が、枠外方向(図中の白抜き矢印を参照)に回動する回動枠片として右側枠片3(第一枠片)と左側枠片4(第二枠片)とに支持されている。回動枠片2が支持される第一枠片3と第二枠片4とは、エンジンルーム内のオフセットダメージメンバーなどの剛性体に固定される。図示する例では導風枠1の枠内に熱交換器9が納まるように各枠片2,3,4が構成されているが、導風枠1は、熱交換器9よりも小さくても構わない。
各枠片2,3,4の全体形状は、特に限定されない。図示される各枠片2,3,4は複雑な形状をしているが、これはエンジンルーム内の搭載スペースの形状に対応するためである。各枠片2,3,4は、難燃性の樹脂で構成することが好ましい。また、各枠片2,3,4の車両前方側には、ウレタンなどの衝撃吸収材を配置することもできる。
≪回動機構≫
回動枠片2を枠外方向に回動可能に構成する回動機構6を主に図3〜5に基づいて説明する。回動機構6は、第一枠片3に対して回動枠片2を回動可能に支持する第一の回動機構と、第二枠片4に対して回動枠片2を回動可能に支持する第二の回動機構とを備える。第一の回動機構は、第一枠片3の上端面に形成される第一軸受部30と、回動枠片2の右側(紙面上は左側)の側面に設けられ、第一軸受部30に係合する第一回動軸21(図4,5を参照)とを備える。また、第二の回動機構は、第二枠片4の上端面に形成される第二軸受部40と、回動枠片2の左側(紙面上は右側)の側面に設けられ、第二軸受部40に係合する第二回動軸22とを備える。
図4,5に示すように、第一回動軸21と第二回動軸22は共に、軸部と、軸部の先端側で軸部よりも大径の先端部とを備える。一方、図3に示すように、第一軸受部30と第二軸受部40は共に、車両上方側に伸びる突片で構成されている。各突片の車両前方側の部分には円弧状の凹部が形成されており、この円弧状の凹部に第一回動軸21の軸部と第二回動軸22の軸部が嵌まり込むことで、回動枠片2が回動可能に構成される。
ここで、上記回動機構6によって第一枠片3と第二枠片4に係合された回動枠片2の下端面は、図2に示すように第一枠片3の上端面と第二枠片4の上端面に当接している。そのため、回動枠片2は、両枠片3,4に当て止めされて、枠内方向には回動できなくなっている。
≪係合機構≫
本例の導風枠1には、回動枠片2のガタつきを抑制する第一係合機構7と第二係合機構8とが設けられている(図3〜5)。第一係合機構7は、第一枠片3に設けられる係合爪70(図3)と、回動枠片2に設けられる係合孔71(図4,5)とを備える。一方、第二係合機構8は、第二枠片4に設けられる係合爪80(図3)と、回動枠片2に設けられる係合孔81(図4,5)とを備える。
図3に示すように、係合爪70(80)は、根元部70A(80A)と、根元部70A(80A)よりも大きな爪部70B(80B)とを備える。一方、図4,5に示すように、係合孔71(81)は、回動枠片2の上面に設けられるすり鉢状の凹部の底に設けられている。係合孔71(81)は、車両後方側(紙面上側)に配置されるホームベース状の広幅部71W(81W)と、広幅部71W(81W)の車両前方側(紙面下側)に繋がる細幅部71N(81N)とを備える。広幅部71W(81W)の幅(紙面左右方向の長さ)は、図4に示すように、爪部70B(80B)よりも広くなっている。細幅部71N(81N)の幅は、図3の根元部70A(80A)の厚みとほぼ同じとなっている。
なお、回動枠片2に係合爪70,80を、第一枠片3(第二枠片4)に係合孔71(81)を設けても構わない。また、第一係合機構7または第二係合機構8のみであっても構わない。
≪組付け手順≫
以上説明した導風枠1の組付け手順を図4,5に基づいて説明する。まず、エンジンルームの剛性体に第一枠片3と第二枠片4とを固定する。次いで、図4に示すように、第一枠片3と第二枠片4の上方に回動枠片2を乗せる。このとき、係合爪70(80)の爪部70B(80B)が、係合孔71(81)の広幅部71W(81W)に挿入されるようにする。
図4の状態から回動枠片2を車両後方側(紙面上側)に押し込むと、図5に示すように、第一軸受部30(第二軸受部40)に第一回動軸21(第二回動軸22)が嵌まり込むと共に、図3に示す係合爪70(80)の根元部70A(80A)が細幅部71N(81N)に嵌まり込む。係合爪70(80)の爪部70B(80B)は、細幅部71N(81N)よりも大きく、すり鉢状の凹部の底に引っ掛かるため、回動枠片2の回動が抑制され、通常時の回動枠片2のガタつきが抑制される。前方から回動枠片2に衝撃が加わると係合爪70(80)が折れて、回動枠片2は枠外方向に回動可能になる。
≪効果≫
実施形態1に係る導風枠1は、組付け作業性に優れる。特許文献1の導風枠のように、局所的に低剛性となっている部位がないため、組付けに過度の慎重さを要求されないからである。また、エンジンルームの剛性体に第一枠片3と第二枠片4とを固定した後、図4,5を用いて説明したように、回動枠片2を第一枠片3と第二枠片4の上に乗せて、車両後方側に押し込むだけで、回動枠片2の組付けが完了するからである。
また、上述したように、前方から導風枠1の回動枠片2に衝撃が加わると、係合爪70(80)が折れて回動枠片2が枠外方向に回転する。係合爪70(80)の折損と回動枠片2の回動によって衝撃のエネルギーが減じられ、図2の熱交換器9の損傷を低減できる。また、回動枠片2が枠外方向に逃げることで、衝突対象への傷害値を低減することができる。
<実施形態2>
実施形態1では、三つの枠片により構成される導風枠を説明した。これに対して、四つの枠片によって導風枠を構成しても良い。その説明には、実施形態1の図面を利用する。
実施形態2の導風枠1(図2参照)は、上側枠片2、右側枠片3、および左側枠片4に加えて、下側枠片(図示略)を備える。この構成では、対向して配置される二つの枠片を回動枠片として設定できる。例えば、実施形態1と同様に、上側枠片2を紙面上方側に回動可能に構成すると共に、下側枠片を紙面下方側に回動可能に構成する。この場合、右側枠片3の下端面と左側枠片4の下端面とに、実施形態1と同様の第一軸受部30(図3)と第二軸受部40(図3)を設け、下側枠片に実施形態と同様の第一回動軸21(図4,5)と第二回動軸22(図3,4,5)を設ける。そして、下側枠片と右側枠片3と左側枠片4とを、実施形態1と同様の第一係合機構7(図4,5)および第二係合機構8(図4,5)で係合させると良い。
その他、右側枠片3と左側枠片4を回動枠片とし、上側枠片2と下側枠片のいずれか一方を第一枠片、他方を第二枠片と設定することもできる。
本発明の導風枠は、あらゆる種類の車両の導風枠に好適に利用できる。
100 車両 101 フロントグリル
1 導風枠
2 上側枠片(回動枠片) 21 第一回動軸 22 第二回動軸
3 右側枠片(第一枠片) 30 第一軸受部
4 左側枠片(第二枠片) 40 第二軸受部
6 回動機構
7 第一係合機構
70 係合孔 70A 根元部 70B 爪部
71 係合孔 71N 細幅部 71W 広幅部
8 第二係合機構
80 係合孔 80A 根元部 80B 爪部
81 係合孔 81N 細幅部 81W 広幅部
9 熱交換器

Claims (1)

  1. 車両前部に配置される熱交換器に走行風を導く導風枠であって、
    第一軸受部を有する第一枠片と、
    第二軸受部を有し、前記第一枠片に対向する位置に配置される第二枠片と、
    前記第一軸受部に係合する第一回動軸、および前記第二軸受部に係合する第二回動軸を有し、枠外方向に回動可能に構成される回動枠片と、を備える導風枠。
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