JP2018034612A - 作業車両 - Google Patents

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学 高橋
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Abstract

【課題】自動操舵中であっても、作業者によるステアリングホイルの緊急的な操作を円滑に行うことのできる作業車両を提供することを目的とする。【解決手段】後部に対地作業部が連結される走行車体と、ステアリングホイルを介して走行車輪を操舵するステアリング装置と、走行車体の位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも作業領域を含む地図情報と、この地図情報上に、走行車体の位置情報を表示可能な表示部と、地図情報と位置情報とに基づいて、走行車体の直進をサポートする制御部と、制御部によって駆動制御されるモータと、モータに取付けられた第1のプーリと、走行車輪とステアリングホイルとを連結するステアリングシャフトの中途に取付けられた第2のプーリと、第1のプーリおよび第2のプーリとを連結する伝動ベルトとを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、作業車両に関する。
従来、圃場等を走行しながら所定の作業を行う作業車両がある。かかる作業車両として、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してステアリングホイルを自動操舵することにより走行車体の直進精度を向上させ、それによって作業精度についても向上させるようにしたものがあった(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016−042857号公報
しかしながら、従来は、GPSを利用したステアリングホイルを自動操舵に重点が置かれていた。そのため、自動操舵中にステアリングホイルをマニュアル操作しようとすると、ステアリングホイルの操作負荷が極めて大きくなって、例えば緊急時の作業者によるマニュアル操舵が難しくなるおそれがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動操舵中であっても、作業者によるステアリングホイルの緊急的な操作を円滑に行うことのできる作業車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の作業車両(1)は、複数の走行車輪(4)を備え、後部に対地作業部(50)が連結される走行車体(2)と、前記走行車体(2)に設けられたステアリングホイル(32)を介して前記走行車輪(4)を操舵するステアリング装置(300)と、前記走行車体(2)の位置情報を取得する位置情報取得装置(120)と、少なくとも作業領域を含む地図情報と、当該地図情報上に、前記位置情報取得装置(120)が取得した前記走行車体(2)の位置情報を表示可能な表示部(142)と、前記地図情報と、前記位置情報取得装置(120)が取得した位置情報とに基づいて、前記走行車体(2)の直進をサポートする制御部(150)と、前記制御部(150)によって駆動制御されるモータ(111)と、前記モータ(111)の回転軸(111a)に取付けられた第1のプーリ(311)と、前記走行車輪(4)と前記ステアリングホイル(32)とを連結するステアリングシャフト(321)の中途に取付けられた第2のプーリ(312)と、前記第1のプーリ(311)および前記第2のプーリ(312)とを連結する伝動ベルト(313)とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の作業車両(1)は、請求項1において、前記走行車輪(4)の操舵力を検出するセンサ(160)を備え、前記制御部(150)は、前記センサ(160)が検出した値に基づいて前記モータ(111)の出力を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の作業車両(1)は、請求項1または2において、前記第1のプーリ(311)は、前記第2のプーリ(312)よりも小径で、かつ当該第2のプーリ(312)よりも機体後方に配置され、前記モータ(111)は、前記第1のプーリ(311)よりも下方に配置されることを特徴とする。
請求項4に記載の作業車両(1)は、請求項1から3のいずれかにおいて、前記第1のプーリ(311)と前記第2のプーリ(312)との間に、弾性部材(331)を介して互いに引き合う一対のテンショナー(330)を備え、前記テンショナー(330)は、前記第1のプーリ(311)の下方位置に設けられた軸(333)を中心に揺動自在に取付けられるとともに、先端が前記第2のプーリ(312)の方向へ延在する一対の揺動体(334)と、当該揺動体(334)の先端に取付けられ、前記伝動ベルト(313)の外側に当接するローラ(335)とを有することを特徴とする。
請求項5に記載の作業車両(1)は、請求項1から4のいずれかにおいて、前記ステアリングシャフト(321)には、前記第2のプーリ(312)を取付けるためのプーリ取付孔(325)が設けられることを特徴とする。
請求項6に記載の作業車両(1)は、請求項1から5のいずれかにおいて、左右の前記走行車輪(4)の回転を連動させるデフロック機能を有するデフ装置(400)を備えるとともに、前記制御部(150)は、前記デフ装置(400)の動作制御機能および前記走行車体(2)の車速制御機能を有し、前記制御部(150)は、前記走行車体(2)の位置情報に基づき、原動機(10)の出力がなされているにも拘わらず、前記走行車体(2)の進行が停止していると判断した場合、前記デフロック機能を作動させるとともに、前記原動機(10)の出力を低減することを特徴とする。
請求項7に記載の作業車両(1)は、請求項6において、前記走行車体(2)の前部に圃場深さを検出する深度センサ(170)をさらに備え、前記制御部(150)は、前記走行車体(2)の直進をサポート中に、前記深度センサ(170)が規定値以上の深度差を検出した場合、前記デフ装置(400)のデフロック機能を作動させるとともに、前記走行車体(2)の車速を減速または停止することを特徴とする。
請求項8に記載の作業車両(1)は、請求項7において、前記走行車体(2)に警報装置(180)を備え、前記制御部(150)は、前記深度センサ(170)が規定値以上の深度差を検出した場合、前記警報装置(180)を作動させることを特徴とする。
請求項1に記載の作業車両によれば、走行車体の直進をサポートするためのモータと、ステアリングホイルに連結されるステアリングシャフトとの動力伝達を、ベルトとプーリとを介して行うようにしている。ベルトとプーリとの間には滑りが伴うため、例えば、モータ駆動時においても、緊急時などには作業者によるマニュアル操舵が円滑に行え、安全性が向上する。
請求項2に記載の作業車両によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、適切なスピードで操舵することが可能となる。すなわち、圃場の状況により、操舵する際の作業者にかかる負荷が異なるが、センサが検出する値に応じてモータ出力を制御してステアリングホイルの回転をアシストすることにより、作業者は適切な操作力と操作速度で操舵することが可能となる。
請求項3に記載の作業車両によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、より細かいステアリング操作が可能となるとともに、モータの後付けが容易に行えることとなり、既存の走行車体の構成要素のレイアウトを大きく変更する必要もない。
請求項4に記載の作業車両によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、ステアリングシャフトとモータとの軸間精度が低い場合でも一対のテンショナーによってモータによるステアリング操作を確実に行うことができる。また、構成が簡単でコンパクトであるため、既存の走行車体構成要素のレイアウトを大きく変更することなくテンショナーを付設することができる。さらに、一対のテンショナーによりベルトを左右側から均等に押すことができるため、ステアリングホイルの左右の回転によって生じる負荷が均等となる。
請求項5に記載の作業車両によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、既存のステアリングシャフトを利用して簡単かつ確実にプーリを設けることができる。
請求項6に記載の作業車両によれば、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、圃場が荒れていてスタック状態になったとしても、早期に抜け出すことが可能となる。また、デフロック機能を作動させて減速するために、走行車体の直進サポートが不安定になることを可及的に防止できる。
請求項7に記載の作業車両によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、圃場が荒れていてもスタック状態になることを未然に防止することが可能となる。例えば、機体前方に大きな段差などがあっても機体の落ち込みを未然に防止できる。
請求項8に記載の作業車両によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、例えば、他の作業のために前方を視認できない状態の作業者に対しても注意を喚起することができる。
図1は、実施形態に係る苗移植機の側面図である。 図2は、前輪用デフ装置の模式的説明図である。 図3は、アンテナフレームの正面視による説明図である。 図4は、ステアリング装置の説明図である。 図5は、ステアリング装置に設けられた直進サポート機構の平面視による説明図である。 図6は、同上の直進サポート機構における第2のプーリの取付構造を示す説明図である。 図7はコントローラを中心とした機能ブロック図である。 図8は、直進サポート処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、直進サポート処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、直進サポート処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、直進サポート機構の変形例を示す説明図である。 図12は、直進サポート機構の変形例を示す説明図である。 図13は、直進サポート機構の変形例を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係る作業車両を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、作業車両を施肥装置を搭載した乗用型の苗移植機としている。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
図1は、実施形態に係る作業車両としての苗移植機1の側面図である。なお、以下の説明においては、苗移植機1における前後、左右の方向基準は、作業者が着座可能な操縦座席28からみて、走行車体2の走行方向を基準とする。また、以下では、苗移植機1を指して機体と記す場合がある。
走行車体2は、圃場で作業を行う対地作業部を後部に連結可能であり、ここでは、対地作業部としての苗植付部50が苗植付部昇降機構40によって昇降可能に取付けられている。また、走行車体2は、操縦席28を備えるとともに、走行輪として、左右一対の前輪4と、左右一対の後輪5とを有する。本実施形態に係る苗移植機1は、走行時には前・後輪4,5が共に駆動する四輪駆動車としており、圃場や道路を走行することが可能になっている。
さらに、走行車体2は、車体の略中央に配置されたメインフレーム7と、このメインフレーム7の上に搭載された原動機であるエンジン10と、エンジン10の動力を駆動輪と苗植付部50とに伝える動力伝達装置15とを備える。また、この苗移植機1では、動力源であるエンジン10には、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関が用いられ、発生した動力は、走行車体2を前進や後進させるために用いるのみでなく、苗植付部50を駆動させるためにも使用される。
また、エンジン10は、走行車体2の左右方向における略中央で、且つ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ26よりも上方に突出させた状態で配置される。フロアステップ26は、走行車体2の前部とエンジン10の後部との間に亘って設けられてメインフレーム7上に取り付けられており、その一部が格子状になることにより、靴に付いた泥を圃場に落とすことができる。また、フロアステップ26の後方には、後輪5のフェンダを兼ねたリアステップ27が設けられる。リアステップ27は、後方に向うに従って上方に向う方向に傾斜した傾斜面を有し、エンジン10の左右それぞれの側方に配置される。
エンジン10は、これらのフロアステップ26とリアステップ27とから上方に突出しており、これらのステップから突出している部分には、エンジン10を覆うエンジンカバー11が配設される。すなわち、エンジンカバー11は、フロアステップ26とリアステップ27とから上方に突出した状態で、エンジン10を覆っている。
また、走行車体2には、エンジンカバー11の上部に、作業者が着席する操縦座席28が設置され、かかる操縦座席28の前方で、且つ走行車体2の前側中央部には、操縦部30が配設される。操縦部30は、フロアステップ26の床面から上方に突出した状態で配置されており、フロアステップ26の前部側を左右に分断している。また、操縦部30の所定位置には、警報装置としてブザー180(図7参照)が設けられており、異常や危険な状態にはブザー180が鳴動するようにしている。
操縦部30の前部には、開閉可能なフロントカバー31が設けられる。そして、このフロントカバー31の前端中央位置には、走行の指標となるセンターマスコット350が取り付けられている。
また、操縦部30の上部には、操作装置を作動させる操作レバー等(不図示)が設けられるとともに、ステアリングポスト315(図4参照)が設けられる。そして、このステアリングポスト315に計器パネル33が配設されるとともに、ステアリングポスト315を貫通するステアリングシャフト321(図4参照)の上端に、作業者が操作可能なハンドル32が設けられる。なお、操作レバーとしては、走行車体2の前後進と走行出力を切替操作する変速操作部材である変速レバーや、走行車体2の走行速度を、走行する場所に応じた速度に切り替える副走行操作部材である副変速レバーがある。
詳しくは後述するが、上述したハンドル32と、ハンドル32を連結するステアリングシャフト321と、図示しないステアリングアームなどの操舵部材とにより、本実施形態に係る苗移植機1のステアリング装置300が構成される。
エンジン10の動力を、走行輪4,5を含む走行装置と苗植付部50とに伝える動力伝達装置15は、エンジン10から伝達される駆動力を変速する変速装置としての油圧式無段変速機16と、この油圧式無段変速機16にエンジン10からの動力を伝えるベルト式動力伝達機構17とを有する。油圧式無段変速機16は、いわゆるHST(Hydro Static Transmission)と云われる静油圧式の無段変速装置であり、エンジン10からの動力で駆動する油圧ポンプによって油圧を発生させ、この油圧を油圧モータで機械的な力(回転力)に変換して出力する。こうして、油圧式無段変速機16は、エンジン10で発生する動力を、走行車体2を走行させる力に変換することができる。
また、油圧式無段変速機16は、回転力の方向や回転速度を変更することにより、走行車体2の前後進及び走行速度を変更することが可能である。したがって、前述の変速レバーを操作して油圧式無段変速機16の出力及び出力方向を変更することにより、走行車体2の前後進及び走行速度を操作することができる。
かかる油圧式無段変速機16は、エンジン10よりも前方で、且つ、フロアステップ26の床面よりも下方に配置されており、本実施形態に係る苗移植機1では、走行車体2の上面から見て、エンジン10の前方に配置されている。
また、ベルト式動力伝達機構17は、エンジン10の出力軸に取り付けたプーリと、油圧式無段変速機16の入力軸に取り付けたプーリと、双方のプーリに巻き掛けたベルトと、さらには、このベルトの張力を調整するテンションプーリとを備える。これにより、ベルト式動力伝達機構17は、エンジン10で発生した動力を、ベルトを介して油圧式無段変速機16に伝達することができる。
さらに、動力伝達装置15は、ミッションケース18を有する。ミッションケース18は、ベルト式動力伝達機構17を介して油圧式無段変速機16に伝達され、油圧式無段変速機16で変速したエンジン10からの駆動力を、各部に伝達する伝動装置である。かかるミッションケース18は、路上走行時や植付時等における走行車体2の作業速度を切り替える副変速機構(不図示)を内設しており、メインフレーム7の前部に取り付けられる。前述の副変速レバーは、ミッションケース18内の副変速機構を操作することにより、走行車体2の走行速度を切り替えることが可能である。なお、ミッションケース18は、伝達されてきたエンジン10からの出力を変速して、前輪4と後輪5への走行用動力と、苗植付部50への駆動用動力とに分けて出力することができる。
このうち、走行用動力は、一部が、図2に示す前輪用デフ装置400(作動装置)に伝達された後、左右の前輪ファイナルケース13を介して前輪4に伝達可能であり、残りが左右の後輪ギヤケース22を介して後輪5に伝達可能である。左右それぞれの前輪ファイナルケース13は、ミッションケース18の左右それぞれの側方に配設される。左右の前輪4は、車軸131を介して左右の前輪ファイナルケース13に連結されており、かかる前輪ファイナルケース13は、ステアリング装置300のハンドル32の操舵操作に応じて駆動し、前輪4を転舵させることが可能である。
同様に、左右それぞれの後輪ギヤケース22には、車軸220を介して後輪5が連結されている。一方、駆動用動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチ(不図示)に伝達され、かかる植付クラッチの係合時に植付伝動軸(不図示)によって苗植付部50へ伝達される。
ここで、前輪用デフ装置400について説明する。図2は、前輪用デフ装置400の模式的説明図である。
前輪用デフ装置400は、例えば、走行車体2が旋回する場合、左右の前輪4,4の間で回転差を生じさせ、走行車体2の旋回動作を滑らかに行わせることが可能となる。
すなわち、前輪用デフ装置400は、図2に示すように、左右一対の車軸131,131に回転自在に設けられたデフケース410と、デフケース410の外側に一体的に設けられ、走行用動力が入力されるリングギア420と、デフケース410の内部に設けられた左右一対のサイドギア430,430と、左右一対のサイドギア430,430に噛合するピニオンギア440とを備える。
こうして、走行用動力がリングギア420に伝達されると、リングギア420およびデフケース410は一体となって回転する。デフケース410が回転すると、一体となって回転するピニオンギア440を介して、左右一対のサイドギア430,430に走行用動力が分配され、分配された走行用動力は、サイドギア430,430を介して左右の前輪4,4にそれぞれ分配される。
また、前輪用デフ装置400は、左右一対の車軸131,131に設けられた左右一対のクラッチギア450,450と、左右一対のクラッチギア450,450を連結可能なデフロッククラッチ460とを備える。
デフロッククラッチ460は、対向する左右一対のクラッチギア450,450を連結することで、左右一対の車軸131,131を連結し、作動固定装置(デフロック)を作動させることができる。かかるデフロッククラッチ460は、苗移植機1が備えるコントローラ150に接続されている(図7参照)。
詳しくは後述するが、コントローラ150は、走行車体2の直進をサポートする直進サポート制御を実行する際に、所定の条件を満たすと、デフロッククラッチ460により前輪用デフ装置400をデフロックさせる。かかる制御を実行することにより、本実施例に係る前輪用デフ装置400は、直進アシスト装置の一例として機能することになる。
すなわち、コントローラ150により前輪用デフ装置400によりデフロックされた状態で、走行用動力がリングギア420に伝達されると、リングギア420およびデフケース410は、一体となって回転する。デフケース410が回転すると、一体となって回転するピニオンギア440を介して、左右一対のサイドギア430,430に走行用動力が伝達される。このとき、左右一対の車軸131,131は連結されているため、左右一対のサイドギア430,430に伝達された走行用動力は、左右の前輪4,4に均等に分配される。
このため、例えば、前輪4が空転するような圃場を走行する場合、前輪用デフ装置400は、左右一対の前輪4,4を連結(デフロック)させ、左右の前輪4,4の間で回転差が生じないように動力を均等に分配することができ、走行車体2が悪路を走行する場合であっても、左右の前輪4,4を確実に回転させることができる。
次に、走行車体2の後部に設けた苗植付部50について説明する。苗植付部50は、昇降リンク装置41を有する苗植付部昇降機構40によって昇降可能に走行車体2に連結されている。
苗植付部昇降機構40の昇降リンク装置41は、走行車体2の後部と苗植付部50とを連結させる平行リンク機構を備える。かかる平行リンク機構は、上リンク41aと下リンク41bとを有し、これらのリンク41a,41bが、メインフレーム7の後部端に立設した背面視門型のリンクベースフレーム43に回動自在に連結される。そして、リンク41a,41bの他端側が苗植付部50に回転自在に連結されることによって、苗植付部50は走行車体2に昇降可能に連結される。
また、苗植付部昇降機構40は、油圧によって伸縮する油圧昇降シリンダ44を有し、油圧昇降シリンダ44の伸縮動作によって、苗植付部50を昇降させることができる。苗植付部昇降機構40は、その昇降動作によって、苗植付部50を非作業位置まで上昇させたり、対地作業位置(対地植付位置)まで下降させたりすることができる。
また、苗植付部50は、苗を植え付ける範囲を複数の区画、あるいは複数の列で植え付けることができる。すなわち、本実施形態に係る苗移植機1は、苗を6つの区画で植え付ける、いわゆる6条植の苗植付部50である。苗植付部50は、苗植付装置60と、苗載置台51及びフロート47(48,49)を備える。このうち、苗載置台51は、走行車体2の後部に複数条の苗を積載する苗載置部材として設けられており、走行車体2の左右方向において仕切られた植付条数分の苗載せ面52を有し、それぞれの苗載せ面52に土付きのマット状苗を載置することが可能である。これにより、苗載置台51に載置した苗が植え付けられて無くなるたびに、圃場外に用意している苗を取りに戻る必要が無く、連続した作業を行えるので、作業能率が向上する。
また、苗植付装置60は、苗載置台51の下部に配設されており、当該苗載置台51の前面側に配設される植付支持フレーム55によって支持される。苗植付装置60は、苗載置台51に載置された苗を苗載置台51から取って圃場に植え付ける装置になっており、植付伝動ケース64と植付体61とを有する。植付体61は、苗載置台51から苗を取って圃場に植え付けることができるように構成されており、植付伝動ケース64は、植付体61に駆動力を供給することが可能である。
また、植付伝動ケース64は、エンジン10から苗植付部50に伝達された動力を、植付体61に供給可能に構成されており、植付体61は、植付伝動ケース64に対して回転可能に連結される。また、植付体61は、苗載置台51から苗を取って圃場に植え付ける植込杆62と、植込杆62を回転可能に支持すると共に植付伝動ケース64に対して回転可能に連結されるロータリケース63とを有する。ロータリケース63は、植付伝動ケース64から伝達された駆動力によって植込杆62を回転させる際に、回転速度を変化させながら回転させることのできる不等速伝動機構(不図示)を内装している。これにより、植付体61の回転時には、植込杆62は、ロータリケース63に対する回転角度によって回転速度が変化しながら回転をすることができる。
このように構成される苗植付装置60は、2条毎に1つずつ配設されている。すなわち、複数の苗植付装置60は、それぞれ植付条が割り当てられている。また、各植付伝動ケース64は、2条分の植付体61を回転可能に備えている。つまり、1つの植付伝動ケース64には、2つのロータリケース63が、機体左右方向の両側に連結される。本実施形態に係る苗移植機1が有する苗植付装置60は、この植付伝動ケース64を3つ備えており、6条分の植付体61を備えている。
また、フロート47は、走行車体2の移動と共に、圃場面上を滑走して整地するものであり、走行車体2の左右方向における苗植付部50の中央に位置するセンターフロート48と、左右方向における苗植付部50の両側に位置するサイドフロート49とを有する。
また、苗植付部50の下方側の位置における前側には、圃場の整地を行う整地用ロータ67,67が設けられる。この整地用ロータ67は、後輪ギヤケース22を介して伝達されるエンジン10からの出力によって回転可能に構成される。
また、苗植付部50の左右両側には、次の植付条に進行方向の目安になる線を形成する線引きマーカ68が備えられる。線引きマーカ68は、苗移植機1が圃場内における直進前進時に、圃場の畦際で転回した後に直進前進する際の目印を圃場上に線引きする。しかしながら、本実施形態に係る苗移植機1は、後述するように、GPS(Global Positioning System)を利用して直進サポートを実行することができるため、線引きマーカ68を廃止して、コストダウンを図ることもできる。
また、走行車体2における操縦座席28の後方には、施肥装置70が搭載される。施肥装置70は、肥料を貯留する貯留ホッパ71と、貯留ホッパ71から供給される肥料を設定量ずつ繰り出す繰出し装置72と、繰出し装置72により繰り出される肥料を圃場に供給する施肥通路である施肥ホース74と、施肥ホース74に搬送風を供給するブロア73とを備える。かかるブロア73により、施肥ホース74内の肥料を苗植付部50側に移送される。さらに、施肥装置70は、苗植付部50の下方に配設されると共に、施肥ホース74によって肥料が移送される施肥ガイド75と、施肥ガイド75の前側に設けられると共に、施肥ホース74によって移送された肥料を苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込む作溝器76とを有する。
ところで、本実施形態に係る苗移植機1は、GPSによって苗移植機1の位置情報を取得するGPS制御装置120(図7参照)を備える。走行車体2には、GPS制御装置120を構成する受信アンテナ121が配設される。この受信アンテナ121は、時間的に所定の間隔でGPS座標を取得することにより、地球上での位置情報を所定間隔で取得することができる。受信アンテナ121を有するGPS制御装置120は位置情報取得装置として設けられる。受信アンテナ121は、ハンドル32の直上方であって、走行車体2の前端側に設けられた車体前側フレーム700に基端が連結されたアンテナフレーム124の頂部に取り付けられる。
図3は、アンテナフレーム124の正面視による説明図である。図1および図3に示すように、アンテナフレーム124は、左右の前側縦フレーム124a,124aと、前側上部フレーム124bと、後側縦フレーム124cと、上部L形フレーム124dとから構成される。
左右の前側縦フレーム124a,124aは、操縦部30のフロントカバー31の左右側に立設されており、これら前側縦フレーム124a,124aに門型の前側上部フレーム124bが前側取付部125を介して上下位置変更自在に連結されている。
また、図1に示すように、後側縦フレーム124cは、操縦座席28の後方に立設され、この後側縦フレーム124cに、先端が前側上部フレーム124bの中央に連結された上部L形フレーム124dの基端が後側取付部126を介して上下位置変更自在に連結されている。そして、かかる上部L形フレーム124dの先端側位置に、受信アンテナ121が取付けられる。
左右の前側縦フレーム124a,124aには一対のブラケット127,127が設けられており、ブラケット127,127に掛け渡された取付杆145を介して、後に詳述する情報処理端末装置であるタブレット端末装置140が設けられている。なお、図1および図3において、符号124eは、前側縦フレーム124a,124a間および各前側縦フレーム124aとフロントカバー31との間に設けられる補強フレームを示す。
また、図1に示すように、車体前側フレーム700には、機体前方に突出するように深度センサ170が設けられており、圃場の深度を検出可能としている。なお、深度センサ170については後に詳述する。
ここで、本実施形態に係る苗移植機1のステアリング装置300について、図4〜図6を参照しながら、より具体的に説明する。図4は、ステアリング装置300の説明図、図5は、ステアリング装置300に設けられた直進サポート機構310の平面視による説明図、図6は、直進サポート機構310の第2のプーリ312の取付構造を示す説明図である。
本実施形態に係るステアリング装置300は、図4に示すように、ハンドル(ステアリングホイル)32と、ハンドル32に連結されるステアリングシャフト321と、このステアリングシャフト321に取付けられた直進サポート機構310とを備える。
ステアリングシャフト321は、上端がハンドル32に連結された上部シャフト321aと、この上部シャフト321aとユニバーサルジョイント322を介して連結され、下端が図示しないステアリングアームに連結された下部シャフト321bとから構成されている。そしてステアリングアームの先端に車軸131を介して左右の前輪4,4が連結されている。こうして、作業者がハンドル32を操作することにより、ステアリングシャフト321を介して前輪4が操舵され、走行車体2の進行方向を変更することができる。
直進サポート機構310は、ステアリングポスト315の下方位置において、フロントカバー31内に収納可能に設けられている。かかる直進サポート機構310は、後述するコントローラ150によって駆動制御されるステアリングモータ111と、このステアリングモータ111の回転軸111aに取付けられた第1のプーリ311と、ステアリングシャフト321中途に取付けられた第2のプーリ312と、第1のプーリ311および第2のプーリ312とを連結する伝動ベルト313とを備える。なお、伝動ベルト313は、一般的なVベルトを好適に用いることができる。
また、第1のプーリ311は、第2のプーリ312よりも小径であって、かつ、この第2のプーリ312よりも機体後方に配置されている。そして、ステアリングモータ111は、第1のプーリ311よりも下方に配置されている。
このようなレイアウトとしたことにより、ステアリングモータ111を駆動させた際にきめ細やかなステアリング操作が可能となる。また、ステアリングモータ111の後付けが容易に行えることとなり、既存の走行車体2の構成要素のレイアウトを大きく変更する必要がなく、直進サポート機構310のコスト低減を図ることができる。
また、直進サポート機構310は、図5に示すように、第1のプーリ311と第2のプーリ312との間に、弾性部材であるコイルバネ331を介して互いに引き合う一対のテンショナー330を備える。
そして、テンショナー330は、一対の揺動体334と、かかる一対の揺動体334の先端にそれぞれ回転自在に設けられたローラ335とを有する。
揺動体334は、第1のプーリ311の下方位置に設けられた軸333を中心に揺動自在に取付けられており、ローラ335が設けられる先端が第2のプーリ312の方向へ延在する、また、ローラ335は、揺動体334の先端に、回転自在、かつ伝動ベルト313の外側に当接可能に取付けられている。
かかる構成により、ステアリングシャフト321とステアリングモータ111との間における軸間精度が低い場合でも、一対のテンショナー330,330によって、ステアリングモータ111によるステアリング操作を確実に行うことができる。また、テンショナー330の構成は、簡単でコンパクトであるため、既存の走行車体2を構成する要素のレイアウトを大きく変更することなく付設することができる。さらに、一対のテンショナー330により、伝動ベルト313を左右側から均等に押すことができ、ハンドル32の左右の回転によって生じる負荷も均等となる。
ところで、第2のプーリ312は、以下のようにしてステアリングシャフト321に取付けられる。すなわち、図6に示すように、ステアリングシャフト321を構成する上部シャフト321aの下端近傍に、第2のプーリ312を取付けるためのプーリ取付孔325が設けられている。他方、第2のプーリ312の上下面には、プーリ取付孔325に対応する取付孔312bが形成されたボス部312aがそれぞれ形成されている。こうして、プーリ取付孔325と取付孔312bとの間に、例えばボルト・ナットなどの締結具326を用いて螺着することにより、第2のプーリ312をステアリングシャフト321に強固に連結することができる。しかも、既存のステアリングシャフトを利用して、簡単かつ確実に第2のプーリ312を取付けることができる。なお、ここでは、プーリ取付孔325と取付孔312bとを、それぞれ所定の間隔をあけて2つずつ形成している。
図7は、苗移植機1のコントローラ150を中心とした機能ブロック図である。本実施形態に係る苗移植機1は、電子制御によって各部を制御することが可能になっており、苗移植機1は、各部を制御する制御部としてのコントローラ150を備える。このコントローラ150は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部、さらには入出力部が設けられ、これらは互いに接続されて互いに信号の受け渡しが可能である。記憶部には、苗移植機1を制御するコンピュータプログラムが格納される。
図示するように、コントローラ150には、情報処理端末装置であるタブレット端末装置140をはじめ、各種アクチュエータ類や、各部の情報を取得するセンサ類等が接続される。なお、本実施形態においては、コントローラ150とタブレット端末装置140とは、所定の無線通信規格による無線接続としている。
コントローラ150には、アクチュエータ類として、例えば、エンジン10の吸気量を調節するスロットルモータ100や、前輪用デフ装置400のデフロック機能を入り切りするデフロッククラッチ460が接続されている。このように、コントローラ150は、前輪用デフ装置400の動作制御機能および走行車体2の車速制御機能を有する。
また、図示するように、コントローラ150には、警報などを発する警報装置としてのブザー180が接続されるとともに、ステアリングセンサ160や深度センサ170、さらにはその他各種センサ190が接続されている。
ステアリングセンサ160は、例えば歪みセンサなどで構成され、ハンドル32を連結するステアリングシャフト321に取付けられる。ステアリングセンサ160により、ハンドル32を回動した際の前輪4からの反力がステアリングシャフト321を介して検出されることになり、走行車輪である前輪4に対する操舵力を検出することができる。
深度センサ170は、超音波やレーザー光の反射により水面、または土壌表面までの深さを測定するものであり、測定されたその場の深さが後述するコントローラ150に送信される。
なお、深度センサ170は、圃場水面からの反射波を検出しているため、水面が高いほど反射時間は短くなり、コントローラ150は深度が「深い」と判定する。しかし、水面と深度センサ170との距離は、波などの影響を受けて変動するため、その影響を可及的に排除するために、例えば、0.01秒ごとに20個の検出値を取得し、その中で最大値とその次に大きな値、および最小値とその次に小さな値の4つを捨て、残りの16の検出値の平均を用いて深度を検出することができる。
また、苗移植機1は、自動操舵装置110と、GPS制御装置120と、情報処理端末装置であるタブレット端末装置140とを備えており、これらがコントローラ150に接続される。
コントローラ150は、例えば、図示しないスイッチなどを操作することにより直進サポートモードが選択されると、GPS制御装置120が取得した位置情報に基づき、自動操舵装置110が備える直進サポート機構310を介してハンドル32を自動操縦することにより、走行車体2を直進方向に維持することが可能となっている。なお、直進サポートモードは、スイッチなどで選択するのではなく、GPS制御装置120を利用して、圃場の端部近傍、すなわち旋回する必要のある位置を除いて自動的に実行されるようにしてもよい。
GPS制御装置120は、GPSで使用される人工衛星からの信号を受信する受信アンテナ121(図1および図3を参照)を有し、地球上における苗移植機1の位置情報(座標情報)を取得し、取得した位置情報をコントローラ150に伝達する。
また、自動操舵装置110は直進サポート機構310を備えており、直進サポート機構310は、任意の回転力を伝動ベルト313を介してハンドル32に付与することにより、ハンドル32を回転させる前述のステアリングモータ111を備える他、ハンドル32の操作量を示す回転角度を検出するハンドルポテンショメータ112を備える。このように、ステアリングモータ111は、ハンドル32と連結されたステアリングシャフト321に対して回転力を付与してハンドル32を操作することができる。
また、ハンドルポテンショメータ112は、ステアリングシャフト321の回転角度を検知して、ハンドル32の回転角度を検知することができる。すなわち、本実施形態では、コントローラ150は、ハンドル32の回転角度に基づいて、ハンドル32のニュートラル位置に対する前輪4,4の切れ角を導出することが可能となっている。
このように、本実施形態に係るコントローラ150は、後述するタブレット端末装置140の記憶部143に記憶された地図情報と、GPS制御装置120が取得した位置情報とに基づいて、走行車体2の直進をサポートする制御部として機能する。
タブレット端末装置140は、内蔵される端末通信部144とコントローラ150に接続される車体通信部151との間で無線接続可能に構成されるとともに、制御部141と、情報を表示する表示部および各種の入力操作を行う入力操作部とを兼用するタッチパネル142と、情報を記憶する記憶部143とを備える。この記憶部143に、一または複数の圃場の地図情報や、その他、苗移植機1の制御に必要な各種プログラムや各種データが記憶されている。
このように、本実施形態に係るタブレット端末装置140は、表示部と入力操作部とをタッチパネル142として一体構成としているため、タッチパネル142上に、GPS制御装置120が取得した走行車体2の位置情報を、圃場の地図情報上に重畳表示することができる。したがって、走行車体2側に、ディスプレイ装置や操作スイッチなどを設ける必要がなく、既存の苗移植機1と、既存のタブレット端末装置140とを利用することで、GPS機能を有効利用することができる。
このように、本実施形態に係る苗移植機1は、GPS制御装置120により取得した走行車体2の位置情報に基づき、タッチパネル142上において、機体位置を、作業領域を含む圃場の地図情報上に重畳表示することができる。すなわち、本実施形態に係る苗移植機1は、タブレット端末装置140を備えることによって、少なくとも作業領域を含む地図情報と、この地図情報上に、GPS制御装置120が取得した走行車体2の位置情報を表示可能な表示部を備えることになる。
本実施形態に係る苗移植機1は、上述してきた構成を有し、以下、その作用について説明する。
苗移植機1の運転時は、エンジン10で発生する動力によって、走行車体2の走行と、苗載置台51に載せた苗の植付作業を行う。この植付作業は、回転軸が左右方向になる向きで、苗植付装置60の植付体61全体が回転しながら、植込杆62も回転することにより、苗載置台51に載せられた苗を順次植込杆62で取り、取った苗を徐々に圃場に植え付ける。その際に、苗載置台51を、苗載置台51に載置する1条分の機体左右方向の幅の範囲内で機体左右方向に往復移動させることにより、各苗植付装置60は、苗載置台51においてそれぞれの苗植付装置60に対応する部分から苗を取り出し、圃場に植え付ける。すなわち、各苗植付装置60は、苗載置台51の所定の条に対応する部分から苗を取り出して、所定の条に苗を植え付ける。植付作業時は、このように苗植付装置60を作動させながら圃場内を走行車体2で走行することにより、複数の列状に苗を植え付ける。
走行車体2の走行時には、エンジン10で発生した動力はベルト式動力伝達機構17に伝達され、ベルト式動力伝達機構17から油圧式無段変速機16に伝達されて、油圧式無段変速機16で所望の回転速度や回転方向、トルクに変換されて出力される。油圧式無段変速機16から出力された動力は、ミッションケース18に伝達され、適宜の走行速度となる回転速度にミッションケース18内で変速されて、前輪4や後輪5に出力される。また、ミッションケース18から出力される動力の一部は、苗植付部50側にも伝達され、苗植付部50での植え付け作業にも用いられる。
そして、本実施形態に係る苗移植機1は、圃場を直進しながら植え付け作業を行う際に、GPS制御装置120で苗移植機1の位置情報を取得しつつ、自動操舵装置110で操舵を行う直進サポート処理を実行することができる。
すなわち、苗移植機1は、GPSで使用される人工衛星からの信号をGPS制御装置120の受信アンテナ121で受信することにより、地球上における苗移植機1の位置情報を、所定の時間間隔ごとに取得する。一方、タブレット端末装置140の記憶部143には、圃場内で効率良く植え付け作業を行うための走路である直進走路の情報などが記憶されており、コントローラ150は、記憶部143に記憶されている直進走路を示す地図情報と、受信アンテナ121で取得した走行車体2の位置情報とを比較しながら、走行車体2が直進走路からずれないように自動操舵装置110を制御する。
このように、本実施形態に係る苗移植機1では、コントローラ150によって走行車体2の直進サポートがなされるため、走行車体2の直進精度が向上し、植付作業の精度についても向上させることが可能となっている。
しかも、直進サポート機能を実現するための直進サポート機構310における動力伝達手段を、Vベルトからなる伝動ベルト313と、第1、第2のプーリ311,312とから構成している。そのため、例えば、ステアリングモータ111による操舵がなされているときでも、緊急時などには作業者によるハンドル32を用いたマニュアル操舵を行うときは、伝動ベルト313はスリップすることになる。そのため、マニュアル操舵の際に、ステアリングモータ111による大きな負荷が作業者に加わることがなく、ハンドル32の操作が円滑に行えるため、安全性が向上する。
ここで、図8を参照しながら、苗移植機1における直進サポート処理について説明する。図8は、直進サポート処理の一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、直進サポートモードが実行されている間は繰り返し行われる。
図示するように、コントローラ150は、先ず、直進サポートモードが実行されているか否かを判定し(ステップS100)、直進サポートモードではないと判断すると(ステップS100:No)、本処理を終える一方、直進サポートモードであると判断すると(ステップS100:Yes)処理をステップS110に移す。
ステップS110において、コントローラ150は、走行車体2の位置情報と、直進走路を示す圃場の地図情報とから、走行車体2の直進走路に対するずれが規定値以下かどうかを判定する。
そして、走行車体2の直進走路に対するずれが規定値以下ではないと判定した場合(ステップS110:No)、本処理を終える一方、規定値以下であると判断した場合(ステップS110:Yes)、処理をステップS120に移す。
ステップS120において、コントローラ150は、ステアリングモータ111を駆動するとともに、走行車体2の位置情報と、直進走路を示す圃場の地図情報とに基づき、ステアリングモータ111の出力を調整する。
また、コントローラ150は、直進サポートを実効中に、ステアリングホイル操作(作業者によるハンドル32のマニュアル操作)がなされたか否かを判定する(ステップS130)。そして、ステアリングホイル操作はないと判定した場合(ステップS130:No)、本処理を終える一方、ステアリングホイル操作がなされたと判断した場合(ステップS130:Yes)、コントローラ150は、処理をステップS140に移す。
ステップS140において、コントローラ150は、ステアリングセンサ160が検出したステアリングシャフト321の負荷Lが規定値αより大きいか否かを判定する。そして、大きくないと判定した場合(ステップS140:No)、本処理を終える一方、大きいと判定した場合(ステップS140:Yes)、ステアリングモータ111の出力を低減し(ステップS150)、本直進サポート処理を終了する。
上述したように、作業者によるハンドル32のマニュアル操作がなされた場合、コントローラ150は、ステアリングセンサ160が検出した値に基づいてステアリングモータ111の出力を制御するため、作業者は適切なスピードで操舵することが可能となる。
すなわち、圃場の状況によって、作業者に対する操舵の際の負荷は異なるものであるが、ステアリングセンサ160が検出する値に応じてステアリングモータ111の出力を制御することによってハンドル32の回転操作をアシストするため、作業者は、適切な操作力、適切な操作速度で操舵することができる。
ここで、図9を参照しながら、苗移植機1における直進サポート処理の他の制御について説明する。図9は、直進サポート処理の一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、直進サポートモードの間は繰り返し行われる。
図9に示すように、コントローラ150は、直進サポートモードが停止されたか否かを判定する(ステップS210)。コントローラ150が、直進サポートモードが停止されていると判定する条件には、例えば、スイッチ操作により停止された場合、あるいは、GPS制御装置120による位置情報に基づき、走行車体2が圃場の畔際まで接近して旋回する必要があると判定して自動的に直進サポートを停止している場合がある。
ステップS210において、直進サポートモードが停止されていると判定した場合(ステップS210:Yes)、コントローラ150は、本処理を終える。一方、直進サポートが継続中であると判定した場合(ステップS210:No)、コントローラ150は、エンジン10が停止中であるか否かを判定する(ステップS220)。
そして、ステップS220において、エンジン10が停止中であると判定した場合(ステップS220:Yes)、本処理を終える一方、エンジン10が駆動中で出力有りと判定した場合(ステップS220:No)、コントローラ150は、処理をステップS230に移す。
次いで、コントローラ150は、GPS制御装置120による位置情報に基づき、走行車体2が移動中であるか否かを判定する(ステップS230)。そして、走行車体2が移動中であると判定した場合(ステップS230:Yes)、コントローラ150は、本処理を終える一方、走行車体2が移動中ではないと判定した場合(ステップS230:No)、すなわち、エンジン10の出力がなされているにも拘わらず、走行車体2が停止していると判定した場合、スタック状況あるいは走行車輪4,5がスリップ状態にあると判断し、処理をステップS240に移す。
ステップS240において、コントローラ150は、前輪用デフ装置400のデフロッククラッチ460を動作させてデフロック機能を作動する。続いて、コントローラ150は、スロットルモータ100を制御して、エンジン10の出力を低下させて走行車体2を減速し(ステップS250)、本直進サポート処理を終了する。
このように、本実施形態に係る苗移植機1は、走行車体2の位置情報に基づき、エンジン10の出力がなされているにも拘わらず、走行車体2の進行が停止しているとコントローラ150が判断した場合、コントローラ150は、デフロック機能を作動させるとともに、エンジン10の出力を低減するようにしている。そのため、例えば、圃場が荒れていてスタック状態になったとしても、早期に抜け出すことが可能となる。また、デフロック機能を作動させて減速するために、走行車体2の直進サポートが不安定になることを可及的に防止できる。
次に、図10を参照しながら、苗移植機1の直進サポート処理における深度センサ170を用いた制御について説明する。図10は、直進サポート処理の一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、直進サポートモードの間は繰り返し行われる。
図10に示すように、コントローラ150は、先ず、直進サポートモードが実行されて直進サポート中であるか否かを判定し(ステップS310)、直進サポート中ではないと判断すると(ステップS310:No)、本処理を終える一方、直進サポート中であると判断すると(ステップS310:Yes)処理をステップS320に移す。
ステップS320において、コントローラ150は、走行車体2の前方の圃場深さを示す深度センサ170の検出値が第1の規定値β1より大きいか否かを判定する。
そして、深度センサ170の検出値が第1の規定値β1より大きいと判定した場合(ステップS320:Yes)、コントローラ150は、処理をステップS330に移す一方、深度センサ170の検出値が第1の規定値β1より大きくないと判定した場合(ステップS320:No)、処理をステップS350に移す。
ステップS330において、コントローラ150は、前輪用デフ装置400のデフロッククラッチ460を動作させてデフロック機能を作動する。続いて、コントローラ150は、スロットルモータ100を制御して、エンジン10の出力を停止して走行車体2を停止し(ステップS340)、本直進サポート処理を終了する。
他方、ステップS350では、コントローラ150は、走行車体2の前方の圃場深さを示す深度センサ170の検出値が第2の規定値β2よりも大きく、かつ第1の規定値β1以下であるか否かを判定する。なお、第1の規定値β1は、走行車体2が走行するには支障があると判断される圃場深さに対応する値である。一方、第2の規定値β2は、第1の規定値β1よりも小さい値であり、これ以上の深さであれば走行車体2の走行に支障が生じるおそれがあるが、これ以下では走行に全く支障のないとされる圃場深さに対応する値である。
そして、ステップS350において、深度センサ170の検出値が第2の規定値β2よりも大きく、かつ第1の規定値β1以下ではないと判定した場合(ステップS350:No)、コントローラ150は、処理を終了する。一方、深度センサ170の検出値が第2の規定値β2よりも大きく、かつ第1の規定値β1以下であると判定した場合(ステップS350:Yes)、コントローラ150は、処理をステップS360に移す。
ステップS360において、コントローラ150は、前輪用デフ装置400のデフロッククラッチ460を動作させてデフロック機能を作動する。続いて、コントローラ150は、スロットルモータ100を制御して、エンジン10の出力を低下させて走行車体2を減速し(ステップS370)、本直進サポート処理を終了する。
このように、本実施形態に係る苗移植機1は、走行車体2の直進をサポート中に、深度センサ170が規定値以上の深度差を検出した場合、コントローラ150は、デフ装置400のデデフロック機能を作動させるとともに、走行車体2の車速を減速または停止するようにしている。
したがって、例えば、圃場が荒れていても走行車体2がスタック状態になることを未然に防止することができる。また、機体前方に大きな段差などがあっても、走行車体2を停止するため、機体の落ち込みを未然に防止できる。
また、例えば作業者が操縦座席28から離れて苗補充などの他の作用を行っていて、前方の状況に疎い状況であっても、危険な状況に至ることを未然に回避することができる。
なお、深度センサ170を利用して、あるいは他のセンサなどを利用して、直進中に機体が規定値を超えて大きく前上がり状態になった場合も、前輪用デフ装置400のデフロッククラッチ460を動作させてデフロック機能を作動させ、走行車体2を減速するような制御をすることもできる。このとき、コントローラ150に、苗植付部50を所定量だけ降下させて機体全体のバランスをとるような制御を行わせることもできる。なお、図7では省略したが、コントローラ150には、苗植付部50を昇降させる油圧昇降シリンダ44が接続されている。
また、本実施形態に係る苗移植機1は、警報装置としてブザー180を備えている(図7参照)。この深度センサ170を利用しながら直進サポートを実行している際に、車速を減速したり、走行を停止したりする制御を行う場合、コントローラ150は、減速処理や走行停止処理を行う前に、あるいは同時にブザー180を作動させ、作業者に報知することができる。すなわち、コントローラ150は、深度センサ170が規定値(例えば、第2の規定値β2)以上の深度差を検出した場合、ブザー180を作動させるのである。なお、警報装置としては、必ずしもブザー180に限られるものではないことは言うまでもない。
ところで、上述してきた直進サポート機構310の構成は、以下のように適宜変形することもできる。図11〜図13は、直進サポート機構310の変形例を示す説明図である。
直進サポート機構310は、図11に示すように、第1のプーリ311を第2のプーリ312よりも大径とすることもできる。すなわち、図4および図5に示すように、第1のプーリ311を、第2のプーリ312よりも小径とするのではなく、ステアリングモータ111に連動連結した第1のプーリ311を、ステアリングシャフト321に連結した第2のプーリ312よりも大径として、ステアリングモータ111の駆動による前輪4,4に対する操舵性を含めたステアリング装置300の応答性を向上させることができる。
また、互いに連動連結するステアリングモータ111と第1のプーリ311とを、第2のプーリ312よりも機体後方に配置しているため、図11に示すように、ステアリングポスト315の下部を形成するパーツであって、操縦部30のフロントカバー31との接合部を含むパーツを、膨張仕切壁316とすることができる。
既存の操縦部30の操縦座席側面Sよりも操縦座席28側へ膨出した膨張仕切壁316を用いることで、操縦部30の見栄えを損なうことなく、直進サポート機構310を操縦部30内に余裕をもって収容することができるとともに、直進サポート機能の有無に拘わらず、操縦部30のパーツ共用化が図れ、コストダウンに寄与することができる。
なお、膨張仕切壁316については、例えば、直進サポート機構310を備える機種のみ設けるようにしてもよい。その場合、膨張仕切壁316の有無で型式対応もできるため、操縦部30の内部に関する組間違いなどを可及的に防止することができる。
また、図4および図11に示すように、上述した実施形態では、ステアリングモータ111は、第1のプーリ311の下方に配置している。そのため、例えば、ベルト交換作業などを行う際に、作業者は操縦部30の上方から手を差し入れて円滑に作業を行うことができる。しかし、ステアリングモータ111の取付位置は、図12に示すように、第1のプーリ311の上方に位置させることもできる。この場合は、例えば、配線などを含む電気部品であるステアリングモータ111の修理や交換作業などを行いやすくなる。
また、上述してきた例では、直進サポート機構310のベルト駆動手段を構成する伝動ベルト313にVベルトを採用したが、平ベルトを用いることもできる。その場合、図13に示すように、平ベルトからなる伝動ベルト313は、所謂8の字掛けとして十分な張力を得られるようにするとよい。かかる構成とすることにより、テンショナー330を省くことができ、部品点数の削除によるコストダウンを図ることができる。なお、この場合、伝動ベルト313としては、平ベルトに代えて丸ベルトを採用しても構わない。
上述した実施形態から以下の苗移植機1が実現する。
(1)複数の走行車輪を構成する左右一対の前輪4,4を備え、後部に苗植付部50が連結される走行車体2と、走行車体2に設けられたハンドル32を介して前輪4,4を操舵するステアリング装置300と、走行車体2の位置情報を取得するGPS制御装置120と、少なくとも作業領域を含む地図情報と、当該地図情報上に、GPS制御装置120が取得した走行車体2の位置情報を表示可能なタッチパネル142と、地図情報と、GPS制御装置120が取得した位置情報とに基づいて、走行車体2の直進をサポートするコントローラ150と、コントローラ150によって駆動制御されるステアリングモータ111と、ステアリングモータ111の回転軸111aに取付けられた第1のプーリ311と、前輪4,4とハンドル32とを連結するステアリングシャフト321の中途に取付けられた第2のプーリ312と、第1のプーリ311および第2のプーリ312とを連結する伝動ベルト313とを備える苗移植機1。
(2)上記(1)において、前輪4,4の操舵力を検出するステアリングセンサ160を備え、コントローラ150は、ステアリングセンサ160が検出した値に基づいてステアリングモータ111の出力を制御する苗移植機1。
(3)上記(1)または(2)において、第1のプーリ311は、第2のプーリ312よりも小径で、かつ当該第2のプーリ312よりも機体後方に配置され、ステアリングモータ111は、第1のプーリ311よりも下方に配置される苗移植機1。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、第1のプーリ311と第2のプーリ312との間に、弾性部材331を介して互いに引き合う一対のテンショナー330を備え、テンショナー330は、第1のプーリ311の下方位置に設けられた軸333を中心に揺動自在に取付けられるとともに、先端が第2のプーリ312の方向へ延在する一対の揺動体334と、当該揺動体334の先端に取付けられ、伝動ベルト313の外側に当接するローラ335とを有する苗移植機1。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、ステアリングシャフト321には、第2のプーリ312を取付けるためのプーリ取付孔325が設けられる苗移植機1。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、左右の前輪4,4の回転を連動させるデフロック機能を有する前輪用デフ装置400を備えるとともに、コントローラ150は、前輪用デフ装置400の動作制御機能および走行車体2の車速制御機能を有し、コントローラ150は、走行車体2の位置情報に基づき、エンジン10の出力がなされているにも拘わらず、走行車体2の進行が停止していると判断した場合、デフロック機能を作動させるとともに、エンジン10の出力を低減する苗移植機1。
(7)上記(6)において、走行車体2の前部に圃場深さを検出する深度センサ170をさらに備え、コントローラ150は、走行車体2の直進をサポート中に、深度センサ170が規定値以上の深度差を検出した場合、前輪用デフ装置400のデフロック機能を作動させるとともに、走行車体2の車速を減速または停止する苗移植機1。
(8)上記(7)において、走行車体2にブザー180を備え、コントローラ150は、深度センサ170が規定値以上の深度差を検出した場合、ブザー180を作動させる苗移植機1。
なお、上述してきた実施形態に係る苗移植機1の直進サポートは、例えば、圃場の畔際を除く直進走行エリアにおいて実行するものとしている。かかる直進サポートを実行している際に、直進エリアの終端近傍、すなわち、圃場端部まで数メートルなどの畦際に走行車体2が位置したことをGPS制御装置120が検出し、なおかつ主変速レバーがニュートラル位置に戻ったことを検出すると、苗移植部50を自動的に所定量だけ上昇させるように制御することができる。
また、圃場端部まで数メートルなどの畦際に走行車体2が位置したことをGPS制御装置120が検出した際には、旋回操作に備えて、コントローラ150により旋回サポートを行うようにすることもできる。
例えば、旋回時において、後輪5,5のうち、内輪となる後輪5へのクラッチ接続を断続して行うポンピングを自動的に行い、小回りを可能にしたり、機体前方が前上がりであれば、旋回速度を低下させたり、デフロック機能を作動させたり、あるいは、苗移植部50を少し降下させて機体バランスをとるなどの自動制御を行うことができる。また、旋回が過度に大回りの状態であると判断すると、内輪となる後輪5に自動でブレーキをかけるなどの制御を行うこともできる。
また、旋回後、実際の植付ラインよりもずれていることをGPS制御装置120が検出した場合、ずれ量を計器パネル33や、タブレット端末装置140のタッチパネル142に表示したり、その際のハンドル32の操作量をタッチパネル142上で、あるいは別途スピーカなどから音声でガイドしたりすることができる。さらに、旋回前と旋回後において、結果的に植付ラインがずれていると判断した場合、やり直し指令を出力するようにしてもよい。
上述した実施形態では、作業車両の一例として苗移植機1を用いて説明したが、作業車両は、苗移植機1以外のものでもよく、圃場での作業を行う播種装置やロータリ等の作業装置を、走行車体の後部に配設するものであれば、その種類は問わない。
すなわち、上述してきた実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、表示要素などのスペック(構造、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質など)は、適宜に変更して実施することができる。
1 苗移植機
2 走行車体
4 前輪(走行車輪)
5 後輪(走行車輪)
32 ハンドル(ステアリングホイル)
111 ステアリングモータ
111a 回転軸
120 GPS制御装置(位置情報取得装置)
142 タッチパネル(表示部)
150 コントローラ(制御部)
160 ステアリングセンサ
170 深度センサ
180 ブザー(警報装置)
300 ステアリング装置
311 第1のプーリ
312 第2のプーリ
313 伝動ベルト
330 テンショナー
333 軸
334 揺動体
335 ローラ
400 前輪用デフ装置

Claims (8)

  1. 複数の走行車輪を備え、後部に対地作業部が連結される走行車体と、
    前記走行車体に設けられたステアリングホイルを介して前記走行車輪を操舵するステアリング装置と、
    前記走行車体の位置情報を取得する位置情報取得装置と、
    少なくとも作業領域を含む地図情報と、当該地図情報上に、前記位置情報取得装置が取得した前記走行車体の位置情報を表示可能な表示部と、
    前記地図情報と、前記位置情報取得装置が取得した位置情報とに基づいて、前記走行車体の直進をサポートする制御部と、
    前記制御部によって駆動制御されるモータと、
    前記モータの回転軸に取付けられた第1のプーリと、
    前記走行車輪と前記ステアリングホイルとを連結するステアリングシャフトの中途に取付けられた第2のプーリと、
    前記第1のプーリおよび前記第2のプーリとを連結する伝動ベルトと
    を備えることを特徴とする作業車両。
  2. 前記走行車輪の操舵力を検出するセンサを備え、
    前記制御部は、
    前記センサが検出した値に基づいて前記モータの出力を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記第1のプーリは、前記第2のプーリよりも小径で、かつ当該第2のプーリよりも機体後方に配置され、
    前記モータは、前記第1のプーリよりも下方に配置される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
  4. 前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間に、弾性部材を介して互いに引き合う一対のテンショナーを備え、
    前記テンショナーは、
    前記第1のプーリの下方位置に設けられた軸を中心に揺動自在に取付けられるとともに、先端が前記第2のプーリの方向へ延在する一対の揺動体と、
    当該揺動体の先端に取付けられ、前記伝動ベルトの外側に当接するローラとを有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両。
  5. 前記ステアリングシャフトには、前記第2のプーリを取付けるためのプーリ取付孔が設けられる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車両。
  6. 左右の前記走行車輪の回転を連動させるデフロック機能を有するデフ装置を備えるとともに、前記制御部は、前記デフ装置の動作制御機能および前記走行車体の車速制御機能を有し、
    前記制御部は、
    前記走行車体の位置情報に基づき、原動機の出力がなされているにも拘わらず、前記走行車体の進行が停止していると判断した場合、前記デフロック機能を作動させるとともに、前記原動機の出力を低減する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車両。
  7. 前記走行車体の前部に圃場深さを検出する深度センサをさらに備え、
    前記制御部は、
    前記走行車体の直進をサポート中に、前記深度センサが規定値以上の深度差を検出した場合、前記デフ装置のデデフロック機能を作動させるとともに、前記走行車体の車速を減速または停止する
    ことを特徴とする請求項6に記載の作業車両。
  8. 前記走行車体に警報装置を備え、
    前記制御部は、
    前記深度センサが規定値以上の深度差を検出した場合、前記警報装置を作動させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の作業車両。
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