JP2018034329A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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松永 克彦
Katsuhiko Matsunaga
克彦 松永
正 高草
Tadashi Takakusa
正 高草
睦 久保田
Mutsu Kubota
睦 久保田
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Riso Kagaku Corp
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Abstract

【課題】インクジェットヘッドの周囲に設けられるヘッドガード等の部材を洗浄して、印刷媒体が汚損されるのを防止する。【解決手段】インクジェット印刷装置1は、印刷媒体15に対して相対移動され、インクをノズルから吐出して画像を形成するインクジェットヘッド31を有する印刷装置であって、インクジェットヘッド31の移動に伴って且つインクジェットヘッド31に先行して印刷媒体15に対して相対移動される部材であって、インクジェットヘッド31近傍から印刷媒体15に向けて突出されるヘッドガード28,28と、ヘッドガード28,28に対して相対的に接離され、ヘッドガード28,28を洗浄又は払拭する洗浄機構6と、洗浄機構6をヘッドガード28,28に対して相対移動させるヘッド昇降モータ25と、ヘッド昇降モータ25の動作を制御する制御部5とを備える。【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェットヘッドから印刷媒体へインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置に関する。
従来、インクジェットヘッドから印刷媒体へインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置としてフラットベッドタイプと総称される方式がある。このフラットベッドタイプでは、キャリッジと呼ばれるユニットが搭載されており、キャリッジユニットにはインクを吐出するインクジェットヘッドが搭載され、キャリッジを印刷媒体に対して相対的に移動させつつ、インクを吐出させることで印刷媒体に印刷を行う。
このようなインクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドによるインク吐出を安定させたり、インクジェットヘッドを保護したりするためにインクジェットヘッドの周囲に別の部材を設ける場合がある(例えば、特許文献1)。この特許文献1に開示されたインクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドの周りに空気の流れを均一にする整流板を設けることで、安定した吐出を可能としている。
また、インクジェットヘッドの周囲に設けられる部材としては、インクジェットヘッドと異物の接触を防ぐために、キャリッジユニットの両サイドに設けられるヘッドガードと呼ばれるものがある。キャリッジユニットと印刷媒体とは、所定の間隔を保ちながらインクの吐出を行うことから、印刷媒体の表面に異物が付着していたり、誤って印刷媒体上に異物が置かれていると、これらの異物がインクジェットヘッドに衝突して、インクジェットヘッドを損傷させてしまい、正常な吐出ができなくなる可能性がある。そのため、従前より、インクジェットヘッドと異物の接触を防ぐために、キャリッジユニットの両サイドにヘッドガードと呼ばれる板部材を取付けている。このヘッドガードは、インクジェットヘッドに先行させて移動させることにより、異物が付着していてもヘッドガードで弾くことで除去することが可能である。
特開2000−108330号公報
しかしながら、上述した整流板やヘッドガードがミストなどで汚れることにより、固着したインクがボタ落ちする可能性や、接触した際にインクが転写してしまう惧れがある。特に、ヘッドガードには、印刷媒体上の異物を除去するために、その先端がインクジェットヘッドよりも印刷媒体に向けて先端が突出していることから、印刷媒体に反りが発生しているようなときには、印刷媒体の反り部分にヘッドガードが接触することがあり、ヘッドガードに乾燥していないインクが付着し汚れてしまう場合もある。これらの場合には、ヘッドガードに付着したインクが蓄積してしまうこともあり、この蓄積したインクが再び別の印刷媒体に接触すると、インクを転写してしまい印刷媒体を汚してしまうおそれがある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドの周囲に設けられるヘッドガード等の部材を洗浄して、印刷媒体が汚損されるのを防止できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、印刷媒体に対して相対移動され、インクをノズルから吐出して画像を形成するインクジェットヘッドを有する印刷装置であって、前記インクジェットヘッドの移動に伴って、且つ前記インクジェットヘッドに先行して、前記印刷媒体に対して相対移動される部材であって、前記インクジェットヘッド近傍から前記印刷媒体に向けて突出されるヘッドガードと、前記ヘッドガードに対して相対的に接離され、前記ヘッドガードを洗浄又は払拭する洗浄機構部と、前記洗浄機構部を前記ヘッドガードに対して相対移動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、前記ヘッドガードが板状の部材であり、前記洗浄機構部が、前記ヘッドガードに対して接触された際に前記ヘッドガードを挟持するニップ機構を有することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴は、前記洗浄機構部が、洗浄液を貯留する洗浄液貯留部と、前記洗浄液が含浸可能な多孔質部材で形成され、少なくとも一部が前記ヘッドガードに接触される洗浄部材と、前記洗浄部材が前記ヘッドガードに接触することにより、前記ヘッドガードに付着した前記洗浄液を除去する洗浄液除去部とを有することにある。なお、上記多孔質部材としては、スポンジや不織布などが挙げられる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第4の特徴は、前記駆動部が、前記洗浄機構部を、前記ヘッドガードに対して相対的に昇降させる昇降機能を有することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第5の特徴は、前記駆動部が、画像形成時において、前記インクジェットヘッドを前記印刷媒体上で往復させる機構を備え、前記制御部は、前記インクジェットヘッドの往復移動に伴って、前記洗浄機構部を、前記ヘッドガードに接触させることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第6の特徴は、前記インクジェットヘッドに対して相対的に接離され、前記ノズルが開口するノズル面を洗浄又は払拭するメンテナンス機構をさらに備え、前記駆動部は、前記メンテナンス機構の動作位置であるメンテナンスポジションにおいて、前記メンテナンス機構とともに前記洗浄機構部を前記ヘッドガードに対して相対移動させることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第7の特徴は、前記制御部が、前記インクジェットヘッドの待機時において、前記洗浄機構部を前記ヘッドガードに接触させた状態を維持させることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、ヘッドガードに対して相対的に接離される洗浄機構部を設け、洗浄機構部をヘッドガードに対して相対移動させることで、自動的にヘッドガードを洗浄又は払拭して除去することができ、ヘッドガードに付着したインクが再び別の印刷媒体に接触して、インクが転写してしまい印刷媒体を汚してしまうのを回避できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、ニップ機構により、洗浄機構部がヘッドガードに対して接触された際にヘッドガードを挟持して、ヘッドガードの洗浄又は払拭をより確実なものとすることができる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴によれば、洗浄液が含浸された洗浄部材をヘッドガードに接触させることで、ヘッドガードに付着したインクが固着するのを回避でき、さらにヘッドガードに付着した洗浄液を洗浄液除去部で除去することにより、除去されたインクが混合された洗浄液がヘッドガードを介して印刷媒体を汚してしまうのを防止できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第4の特徴によれば、洗浄機構部をヘッドガードに対して相対的に昇降させることで、洗浄機構部にヘッドガードを挿入するようにして接触させる構成とすることができ、この場合には、ヘッドガードを洗浄機構部でキャッピングする効果を得ることができる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第5の特徴によれば、画像形成時におけるインクジェットヘッドを往復移動させるいわゆる走査動作を利用して洗浄機構部をヘッドガードに接触させるため、ワイピングのためにヘッドユニットを昇降させる必要がなく、ヘッドユニットを昇降させる頻度を低減させることができ、適正な印字ギャップを確保できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第6の特徴によれば、ノズル面を洗浄又は払拭するメンテナンス機構の駆動を利用して、洗浄機構部をヘッドガードに接触させることができ、洗浄機構部を駆動するための手段を別途設ける必要がないことから、機構の小型化、省スペース化を図りつつ本発明を実施できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第7の特徴によれば、インクジェットヘッドの待機時において、洗浄機構部をヘッドガードに接触させた状態を維持させることで、ヘッドガードを洗浄機構部でキャッピングでき、インクジェットヘッドが待機している間に、ヘッドガードに付着したインクが固着するのを回避できる。
第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の全体斜視図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の概略構成を模式的に示す正面図である。 第1実施形態に係る洗浄機構の概略構成を模式的に示す説明図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。 第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の全体的な動作を示すシーケンス図である。 第1実施形態に係る洗浄機構の動作を示す説明図である。 第1実施形態の変更例に係る洗浄機構の概略構成を模式的に示す説明図である。 第2実施形態に係る洗浄機構の概略構成及び動作を模式的に示す説明図である。 第2実施形態の変更例に係る洗浄機構の概略構成及び動作を模式的に示す説明図である。 第2実施形態に係る洗浄機構の駆動部の構成及び動作を模式的に示す斜視図である。 第3実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を模式的に示す正面図である。 第3実施形態に係るインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。 第3実施形態に係る洗浄機構を含むメンテナンス部を示す斜視図である。 第3実施形態に係るインクジェット印刷装置のメンテナンス時の動作を示すシーケンス図である。 第3実施形態に係るヘッド用ブレードの動作を模式的に示す説明図である。 第3実施形態に係るヘッドガード用ブレードの動作を模式的に示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。なお、以下に示す実施形態では、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(インクジェット印刷装置の全体構成)
はじめに本実施形態に係るインクジェット印刷装置1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置の全体斜視図であり、図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の概略構成を模式的に示す正面図である。図3は、実施形態に係る洗浄機構の概略構成を模式的に示す説明図であり、図4は、図1に示すインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、シャトルベースユニット2と、フラットベッドユニット3と、シャトルユニット4と、制御部5とを備える。
シャトルベースユニット2は、シャトルユニット4を支持するとともに、前後方向(副走査方向)にシャトルユニット4を移動させる。シャトルベースユニット2は、架台部11と、副走査駆動モータ12とを備える。架台部11は、シャトルユニット4を支持する基台であり、この架台部11は、矩形枠状に形成されている。架台部11の左右の枠上には、前後方向に延びる副走査駆動ガイド13A,13Bがそれぞれ形成されている。副走査駆動ガイド13A,13Bは、シャトルユニット4を前後方向に移動するようガイドする。副走査駆動モータ12は、シャトルユニット4を前後方向に移動させる駆動手段である。
フラットベッドユニット3は、建材や化粧パネル等の基材からなる印刷媒体15を保持する。フラットベッドユニット3は、シャトルベースユニット2の架台部11の内側に配置されている。フラットベッドユニット3は、印刷媒体15が載置される水平面である媒体載置面3aを有する。フラットベッドユニット3は、油圧駆動機構等からなる昇降機構により、媒体載置面3aの高さを調整できるようになっている。
シャトルユニット4は、印刷媒体15に画像を印刷する。図1、図2及び図4に示すように、シャトルユニット4は、筐体21と、主走査駆動ガイド22と、主走査駆動モータ23と、ヘッド昇降ガイド24と、ヘッド昇降モータ25と、ヘッドユニット26とを備える。
筐体21は、ヘッドユニット26等の各部を収納する。筐体21は、フラットベッドユニット3を左右方向に跨ぐ門型に形成されている。筐体21は、シャトルベースユニット2の架台部11に支持され、副走査駆動ガイド13A,13Bに沿って移動可能になっている。
主走査駆動ガイド22は、ヘッドユニット26を左右方向(主走査方向)に移動するようガイドする。主走査駆動ガイド22は、左右方向に延びる長尺状に形成されている。主走査駆動モータ23は、ヘッドユニット26を左右方向に移動させる駆動手段である。ヘッド昇降ガイド24は、ヘッドユニット26を上下方向に移動するようガイドする。ヘッド昇降ガイド24は、上下方向に細長い形状に形成されている。ヘッド昇降ガイド24は、ヘッドユニット26とともに主走査駆動ガイド22に沿って左右方向に移動可能に構成されている。
ヘッド昇降モータ25は、ヘッドユニット26を昇降させる駆動手段である。本実施形態では、このヘッド昇降モータ25が、洗浄機構6をヘッドガード28に対して相対移動させる駆動部としての役割を果たし、制御部5は、このヘッド昇降モータ25の動作を制御することで、洗浄機構6をヘッドガード28に対して相対的に移動させる。
ヘッドユニット26は、主走査駆動ガイド22に沿って左右方向に移動しつつ、印刷媒体15へインクを吐出して画像を印刷する。ヘッドユニット26は、4つのインクジェットヘッド31を備える。インクジェットヘッド31は、印刷媒体15へ水性インクを吐出する。4つのインクジェットヘッド31は、左右方向に並列して配置されている。4つのインクジェットヘッド31は、それぞれ異なる色(例えば、シアン、ブラック、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。
さらに本実施形態におけるヘッドユニット26は、左右の両側部、すなわち主走査方向におけるインクジェットヘッド31の前後にヘッドガード28,28を備えている。この,ヘッドガード28は、インクジェットヘッド31の移動に伴って主走査方向に移動され、インクジェットヘッド31が移動する際、その進行方向においてインクジェットヘッド31に先行して、印刷媒体15に対して相対移動される板状の部材である。このヘッドガード28,28は、インクジェットヘッド31近傍であるヘッドユニット26の両側部から印刷媒体15に向けて突出され、印刷媒体15に対して1.5mm程の間隔を保ちながらインクジェットヘッド31に先行して印刷媒体15に対して相対移動され、ヘッドユニット26の両側部においてインクジェットヘッド31と異物の接触を防ぐために、印刷媒体15上の異物を弾くことで除去する。なお、本実施形態において、ヘッドガード28,28は厚み0.3mm程の板部材となっている。
そして、ヘッドユニット26の待機位置において、ヘッドガード28,28の下方に洗浄機構6がそれぞれ配置されている。インクジェット印刷装置1において、印刷動作の開始前或いは終了後の待機状態では、シャトルユニット4が待機位置に移動されている。このシャトルユニット4の待機位置は、図1において実線で示すシャトルユニット4の位置であり、シャトルベースユニット2の架台部11の後端部となる。このシャトルユニット4の待機状態においてヘッドユニット26は、主走査方向の始端位置(図2中右端)、すなわち副走査駆動ガイド13Bよりも外方の待機位置に移動されている。洗浄機構6は、このヘッドユニット26の待機位置の下方に配置され、ヘッドユニット26が下降された際に、ヘッドガード28,28のそれぞれに嵌合され、ヘッドガード28,28の下端をキャッピングするように配置されている。
制御部5は、上記各部の動作を制御するモジュールであり、インクジェット印刷装置1全体の動作を統括的に制御する。具体的にこの制御部5は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成され、図示しない各種センサーからの検出信号を受信しつつ、各種制御信号を各部に送出することにより動作を制御する。特に、本実施形態に係る制御部5は、ヘッド昇降モータ25を制御することによって、洗浄機構をヘッドガード28に対して相対移動させるモジュールとしても機能する。本実施形態において制御部5は、ヘッドユニット26のホームポジションの待機時では、ヘッドユニット26を下降させたいわゆるキャッピングポジションにおいて、洗浄部材63をヘッドガード28に接触させた状態を維持させるキャッピング動作を実行させる。
(洗浄機構の構成)
ここで、上記洗浄機構6の構成について説明する。図3は、実施形態に係る洗浄機構6の概略構成を模式的に示す説明図である。
本実施形態において洗浄機構6は、ヘッドガードに対して相対的に接離されることによって、ヘッドガード28,28に付着したインクを洗浄し払拭する機構である。具体的に洗浄機構6は、洗浄液が貯留される洗浄液貯留部62と、洗浄液貯留部62の上方に配置された一対の絞りローラー61,61と、多孔質部材で構成された洗浄部材63とを備えている。
洗浄液貯留部62は、ヘッドガード28の長さ方向(紙面奥行き方向)に長い矩形状の容器であり、ヘッドガード28,28の下端全体が入る程度の容積を有している。この洗浄液貯留部62の上部には、一対の絞りローラー61,61を回転可能に軸支する一対の,回転軸61a61aが配置され、洗浄液貯留部62の内部には、洗浄部材63が収納される。
一対の絞りローラー61,61は、洗浄部材63がヘッドガード28,28に接触することにより、ヘッドガード28,28に付着した洗浄液を除去する洗浄液除去部であり、本実施形態では、ヘッドガード28,28の長さ方向(紙面奥行き方向)に沿って配置され、ヘッドガード28と平行になるように回転自在に支持されている。この絞りローラー61,61は、ゴムやスポンジ、不織布、フェルト等で形成することができる。一対の絞りローラー61,61は、平行となるように回転軸61a,61aで軸支されるとともに、相互に接触するように隣接され、これら一対の絞りローラー61,61間にヘッドガード28,28が挿入されることによりヘッドガード28,28の表裏に付着したインクを払拭できるようになっている。
洗浄部材63は、洗浄液が含浸可能な多孔質部材で形成された部材であり、少なくとも一部がヘッドガード28,28に接触されるように、洗浄液貯留部62内に収納されている。具体的に洗浄部材63は、直方体形状をなし、洗浄液貯留部62に収納される体積を有しているとともに、ヘッドガード28,28の下端が挿入されるスリット69aが形成されている。このスリット63aは、一対の絞りローラー61,61の接点に対応した位置に形成され、洗浄部材63の上面から断面中央にかけて形成され、ヘッドガード28,28の厚みよりも狭い幅を有し、ヘッドガード28,28の長さ方向(紙面奥行き方向)に沿って形成されている。この洗浄部材63は、洗浄液が含浸できるようにスポンジ、不織布等の多孔質部材で構成され、洗浄液貯留部62内に貯留された洗浄液に浸沈されるように配置されている。この洗浄部材63が洗浄液内に浸沈された状態において、スリット63aはその下部が洗浄液内に浸沈されるように形成されている。
なお、上記洗浄液貯留部62に貯留される洗浄液は、インクを溶解させる機能を有する液体であり、例えば、水及び界面活性剤を含む水性溶媒を用いることができる。この界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、α−スルホ脂肪酸エステルナトリウム、アルキル燐酸エステルナトリウム等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、等のカチオン性界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、等の両性界面活性剤を用いることができる。また、高分子系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びアセチレングリコール系界面活性剤等も用いることができる。これらのなかでもポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが好ましく、そのHLB値は11〜17、アルキル基の炭素数は8〜15、エチレンオキサイドの付加モル数は6〜25であることがより好ましい。
また、洗浄液には、さらに増粘剤を含むことが好ましい。この増粘剤としては、水溶性高分子系増粘剤、粘土鉱物系増粘剤を用いることができる。水溶性高分子系増粘剤としては、天然高分子、半合成高分子、合成高分子を用いることができる。天然高分子としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、グアガム、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガントガム、コーンスターチ、コンニャクマンナン、寒天等の植物系天然高分子;プルラン、キサンタンガム、デキストリン等の微生物系天然高分子;ゼラチン、カゼイン、にかわ等の動物系天然高分子、を用いることができる。半合成高分子としては、例えば、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系半合成高分子;ヒドロキシエチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、シクロデキストリン等のデンプン系半合成高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール等のアルギン酸系半合成高分子;ヒアルロン酸ナトリウム、を用いることができる。合成高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリN− ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド等のビニル系合成高分子;ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリウレタンを用いることができる。粘土鉱物系の増粘剤としては、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト系粘土鉱物を用いることができる。これらのなかでも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることが好ましい。
さらに、洗浄液には、上記の成分に加え、任意に、水溶性有機溶剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含むことができる。洗浄液の粘度は、23℃において5〜200mPa・sであることが好ましく、10〜100mPa・sであることがより好ましい。
(印刷時における洗浄機構の動作)
次に上記構成の洗浄機構の印刷時における動作について説明する。図5は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置の印刷時における全体的な動作を示す説明図であり、図6は、本実施形態に係る洗浄機構の動作を示す説明図である。なお、図6では、説明上の便宜から洗浄液貯留部62の前面を透過させて内部の様子が分かるように描いている。
先ず、印刷が開始されるまでの待機状態では、シャトルユニット4が待機位置に移動され、このシャトルユニット4の待機状態においてヘッドユニット26は、図5(a)に示すように、主走査方向の始端位置(図中右端)、すなわち副走査駆動ガイド13Bよりも外方の待機位置であるホームポジションに移動されている。このホームポジションにおいて、ヘッドユニット26が下降されキャッピングポジションに位置される。このキャッピングポジションにおいて、洗浄機構6はこのヘッドユニット26の下方から、ヘッドガード28,28のそれぞれに嵌合され、ヘッドガード28,28の下端をキャッピングしている。
次いで、印刷が開始されると、制御部5によりヘッドユニット26が上昇されて印刷ポジションに移動され(図5(b))、主走査駆動ガイド22上を走査方向に沿って往復し、インクを吐出して印刷を行う(図5(c)及び(d))。そして、印刷が終了すると、図5(e)に示すように、ヘッドユニット26は、待機位置において下降され、キャッピングポジションに移動される。
これについて詳述すると、図6(a)に示すように、印刷を終えたヘッドユニット26がホームポジションに移動すると、洗浄機構6は各ヘッドガード28,28の下方に位置される。この状態においてヘッドユニット26が下降されると(図6(b))、ヘッドガード28,28が洗浄機構6に向けて接近されていく。さらに、ヘッドユニット26が下降されると図6(c)に示すように、ヘッドガード28,28が絞りローラー61,61間に挿入され、下方に向けて絞りローラー61,61間を通過することで、洗浄液で満たされた洗浄液貯留部62内に進入され、洗浄液を吸収した洗浄部材63のスリット63a内に差し込まれる。このヘッドガード28,28が洗浄部材63のスリット63aに差し込まれた状態がキャッピングポジションとなり、このキャッピング状態を維持して、次の印刷まで待機し、この間にヘッドガード28,28に固着したインクが溶融される。
その後、次の印刷動作が開始されると、図5(f)及び図6(d)〜(f)に示すように、ヘッドユニット26が上昇され印刷ポジションに移動し、洗浄部材63のスリット63aからヘッドガード28が引き抜かれる際に、ヘッドガード28,28の汚れが掻き取られて除去される。さらに、ヘッドユニット26が上昇され、ヘッドガード28が上方に向けて絞りローラー61,61間を通過することで、絞りローラー61,61でヘッドガード28に残った洗浄液が搾り取られる。
(変更例)
上述した実施形態では、絞りローラー61,61の回転軸61a,61aを固定した構成としたが、本発明はこれに限定されず種々の変更を加えることができる。図7は、本実施形態の変更例に係る洗浄機構の概略構成を模式的に示す説明図である。
例えば、回転軸61a,61aを左右に移動させて、絞りローラー61,61の間隔を変化させる回転軸駆動部65を設け、絞りローラー61,61の間隔をヘッドガード28,28の上下動に応じて変化させて前記ヘッドガードを挟持するニップ機構を設けてもよい。
このニップ機構は、ヘッドガード28が下降されて絞りローラー61,61間を下方に向けて通過する際には、同図(a)に示すように、絞りローラー61,61の間隔を広げて、ヘッドガード28が絞りローラー61,61に接触しないようにし、ヘッドガード28に付着した汚れが絞りローラー61,61に付着するのを回避し、ヘッドガード28が洗浄部材63のスリット63aに差し込まれたときに、同図(b)に示すように、回転軸駆動部65により絞りローラー61,61の間隔を狭めて、ヘッドガード28を挟持する。そして、ヘッドガード28が上昇されて絞りローラー61,61間を上方に向けて通過する際には、同図(c)に示すように、ヘッドガード28を挟持したままとし、絞りローラー61,61のニップ力によりヘッドガード28に付着した洗浄液を払拭する。
これについてさらに、回転軸駆動部65に絞りローラー61,61を積極的に回転させる回転機構を設けてもよく、例えば、ヘッドガード28が上昇されて絞りローラー61,61間を上方に向けて通過する際には、ヘッドガード28を挟持したままで、同図(c)中に示す方向に絞りローラー61,61を回転させる。このときの絞りローラー61,61の回転は、絞りローラー61,61の周面の移動方向が、ヘッドガード28の上昇に逆らう方向となっている。これにより、絞りローラー61,61のニップ力と回転力によりヘッドガード28に付着した洗浄液をさらに強力に払拭できる。
(作用・効果)
このような本実施形態に係るインクジェット印刷装置1によれば、ヘッドガード28に対して相対的に接離される洗浄部材63を設け、洗浄部材63をヘッドガード28,28に対して相対移動させることで、自動的にヘッドガード28を洗浄又は払拭して除去することができ、ヘッドガード28に付着したインクが再び別の印刷媒体に接触して、インクが転写してしまい印刷媒体を汚してしまうのを回避できる。
特に、本実施形態では、洗浄液が含浸された洗浄部材63で、ヘッドガード28を洗浄し、絞りローラー61,61で払拭するため、ヘッドガード28に付着したインクが固着するのを回避できるとともに、ヘッドガード28に付着した洗浄液を除去することができ、除去されたインクが混合された洗浄液がヘッドガード28を介して印刷媒体を汚してしまうのを防止できる。
ヘッドユニット26を昇降させることで、洗浄機構6をヘッドガード28に対して相対的に昇降させ、洗浄部材63にヘッドガード28を挿入した状態を維持することによって、ヘッドガード28をキャッピングすることができ、ヘッドガード28の汚れが乾燥して、固着するのを防止できる。
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、ヘッドユニット26を昇降させ、洗浄機構によるヘッドガード28の洗浄をキャッピングポジションで行うようにしたが、ヘッドガードの高さ位置は、適正な印字ギャップを確保するためにノズル面と印刷媒体との間隔が厳密に規定されているため、ヘッドユニットを昇降させる頻度をなるべく低減させる必要があることから、本実施形態では、ヘッドユニット26を昇降させず、洗浄機構側を昇降させることを要旨とする。
(洗浄機構の構成)
図8は、第2実施形態に係る洗浄機構の概略構成及び動作を模式的に示す説明図であり、図10は、本実施形態に係る洗浄機構の駆動部の構成及び動作を示す斜視図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
本実施形態において洗浄機構は、ヘッドユニット26が印刷時に主走査方向に往復する経路上に対して進退可能に設けられている。具体的に洗浄機構は、フラットベッドユニット3の媒体載置面3aと印刷ポジションとの間において、昇降可能に設けられ、上昇位置において、多孔質ブレード66が、水平移動しているヘッドガード28の下端に対して接触され、ヘッドガード28に付着したインクを払拭する。
多孔質ブレード66は、上方に向けて突出され、上昇位置において水平移動中のヘッドガード28に摺動接触されるワイプ部材であり、ゴムやスポンジ、不織布などで形成されている。この多孔質ブレード66は、昇降駆動部67により、ヘッドユニット26の水平移動に応じて、昇降される。
昇降駆動部67は、図10に示すように、垂直に立設された板状の基台部材671と、この基台部材671に対して上下にスライド移動可能に設けられ多孔質ブレード66を上下動可能に支持する昇降部材66aと、この昇降部材66aに対して駆動力を伝達する伝達部材673とを備えている。
基台部材671は、昇降部材66aを垂直方向に移動可能に規制するために、水平断面がL字形状をなす一対のガイド部材672,672が所定間隔をあけて対向配置されており、これら一対のガイド部材672,672,672によって昇降部材66aが上下にスライド移動される。また、基台部材671には、昇降部材66aがスライド移動する範囲に、表裏に貫通された開口66dが形成されており、開口66dに開口範囲に含まれるような可動範囲に対応させて、昇降部材66aにも表裏に貫通する開口66cが形成されている。
昇降部材66aは、その上部において多孔質ブレード66を支持する板状の部材であり、この昇降部材66aの一方の面に板部材66bが平行に固定されており、これら二枚の部材66aと66bとによって、多孔質ブレード66の下部が挟持されて固定されている。この昇降部材66aの両側部は、一対のガイド部材672,672の凹部に挿通されており、上下のスライド移動のみができるように保持されている。
伝達部材673は、細長の矩形をなす板部材であり、矩形の重心付近の位置に設けられたピン部材674によって、基台部材671の背面において軸支されており、ピン部材674を中心とする回転ができるようになっている。この伝達部材673の一端には、開口66dを通じて、基台部材671の反対側の面に突出されるピン部材675が設けられており、このピン部材675が基台部材671の反対側で昇降部材66aの開口66cに挿通されることにより、伝達部材673と昇降部材66aが係合されている。
このような構成の昇降駆動部67によれば、伝達部材673の自由端673aを上下させる駆動力を加えることにより、その駆動力が伝達部材673がピン部材674を中心とする回転運動に変換される。この伝達部材673の回転により、反対側のピン部材675が駆動力と反対側に上下し、このピン部材675が上下されることにより、ピン部材675を介して係合された昇降部材66aが上下にスライド移動される。
(洗浄機構の動作)
このような構成の洗浄機構6は、以下のように動作される。図8に示すように、印刷実行時にヘッドユニット26が走査方向に水平移動する際には、先行する側のヘッドユニット26に対して接触するタイミングで、多孔質ブレード66を上昇させる(図8(a))。これにより、ヘッドユニット26の主走査時の往路において、先行する側となるヘッドガード28,28のワイピングを行う。
次いで、先行する側のヘッドユニット26が通過した後、ヘッドに接触しないタイミングで、多孔質ブレード66を下降させる(図8(b))。これにより、多孔質ブレード66を退避させてヘッドガード28,28から払拭された汚れが、インクジェットヘッド31に付着するのを防止する。そして、ヘッドユニット26が往路の印刷から反転し、主走査時の復路に移行し、印刷ポジションに戻ってくる際、先行する反対側のヘッドユニット26に対して接触するタイミングで、多孔質ブレード66を上昇させる(図8(c))。これにより、ヘッドユニット26の主走査時の復路において先行する側となるヘッドガード28,28のワイピングを行う。
(変更例)
上述した実施形態では、多孔質ブレード66をワイピング形式のものとしたが、本発明はこれに限定されず他の構成を採用することができる。図9は、本実施形態の変更例に係る洗浄機構の概略構成を模式的に示す説明図である。
本変更例に係る洗浄機構では、払拭部をスポンジローラー68とし、スポンジローラー68の一部を下方の洗浄液貯留部64内の洗浄液に含浸させ、スポンジローラー68に洗浄液を補充しながら、ヘッドガード28,28の洗浄及び払拭を行うようにしてもよい。
このような構成の洗浄機構6も、上記同様に、印刷実行時にヘッドユニット26が走査方向に水平移動する際には、先行する側のヘッドユニット26に対して接触するタイミングで、スポンジローラー68を上昇させる(図9(a))。これにより、ヘッドユニット26の主走査時の往路において、先行する側となるヘッドガード28の洗浄及びワイピングを行う。このとき、ヘッドガード28に接触することにより、スポンジローラー68が回転され、ヘッドガード28に接触して汚れが付着した部分が回転移動され、スポンジローラー68に洗浄液が含浸した部分が新たに、ヘッドガード28との接触可能位置に移動される。スポンジローラー68のヘッドガード28に接触して汚れが付着した部分は、洗浄液貯留部64内に浸沈され、汚れが溶解される。
次いで、先行する側のヘッドユニット26が通過した後、ヘッドに接触しないタイミングで、スポンジローラー68を下降させる(図9(b))。これにより、スポンジローラー68を退避させてヘッドガード28から払拭された汚れが、インクジェットヘッド31に付着するのを防止する。そして、ヘッドユニット26が往路の印刷から反転し、主走査時の復路に移行し、印刷ポジションに戻ってくる際、先行する反対側のヘッドユニット26に対して接触するタイミングで、スポンジローラー68を上昇させる(図9(c))。これにより、ヘッドユニット26の主走査時の復路において先行する側となるヘッドガード28の洗浄及びワイピングを行う。
(作用・効果)
このような本実施形態に係るインクジェット印刷装置1によれば、ヘッドガード28に対して相対的に接離される多孔質ブレード66,スポンジローラー68を設け、洗浄部材63をヘッドガード28,28に対して相対移動させることで、自動的にヘッドガード28,28を洗浄又は払拭して除去することができ、ヘッドガード28,28に付着したインクが再び別の印刷媒体に接触して、インクが転写してしまい印刷媒体を汚してしまうのを回避できる。
特に、本実施形態では、画像形成時にヘッドユニット26を往復移動させるいわゆる走査動作を利用して多孔質ブレード66,スポンジローラー68をヘッドガード28,28に接触させるため、多孔質ブレード66,スポンジローラー68を接触させるために、ヘッドユニット26を昇降させる必要がなく、ヘッドユニット26を昇降させる頻度を低減させることができ、適正な印字ギャップを確保できる。
[第3実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、インクジェットヘッドのノズル面を洗浄するメンテナンス機構に本発明の洗浄機構を追加し、ノズル面のメンテナンスと同時にヘッドガード28,28の洗浄又は払拭を行うことを要旨とする。
図11は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を模式的に示す正面図である。図12は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置の制御ブロック図であり、図13は、本実施形態に係る洗浄機構を含むメンテナンス部の概略構成を模式的に示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
(メンテナンス部の構成)
図11に示すように、本実施形態に係るシャトルユニット4には、メンテナンス部27が設けられている。このメンテナンス部27は、インクジェットヘッド31のノズル面をクリーニングする機構にヘッドガード28,28の洗浄機構が追加された構成となっており、図13に示すように、ノズル面のクリーニング機構として、4つの多孔質ワイパ51と、4つの多孔質ワイパ固定部52と、4つの洗浄液貯留部56とを備え、さらに、ヘッドガード28,28の洗浄機構として2つの多孔質ブレード69を備えている。これらノズル面のクリーニング機構及びヘッドガードの洗浄機構は、メンテナンス駆動部55により一括して駆動される。
多孔質ワイパ51は、インクジェットヘッド31のノズル面をワイプしつつ洗浄液を塗布する。また、多孔質ワイパ51は、洗浄液が除去された状態でインクジェットヘッド31のノズル面の下面をワイプすることで、インク及び洗浄液を吸着除去する。多孔質ワイパ51は、洗浄液が含浸可能な、スポンジ、不織布等の多孔質部材で形成されている。
多孔質ワイパ51は、先端側が中央部分、左側部分、及び右側部分の3つの部分に分かれている。この先端の中央部分は、インクジェットヘッド31のノズル面をワイプする部分であり、左側部分及び右側部分の先端から突出している。先端の左側部分及び右側部分は、ノズル面の両側に形成されたノズルガードの下面をワイプする部分である。多孔質ワイパ固定部52は、多孔質ワイパ51を駆動ベルト71に固定する。
多孔質ブレード69は、インクジェットヘッド31の両側方に配置されたヘッドガード28,28をワイプしつつ洗浄液を塗布する部材であり、洗浄液が含浸可能な、スポンジ、不織布等の多孔質部材で形成されている。この多孔質ブレード69は、その上部にヘッドガード28が挿通されるスリット69aが形成され、下部に多孔質ブレード69を駆動ベルト71に固定する固定部69bが固着されている。スリット69aは、駆動ベルト71の周回方向に沿って形成され、周回方向前方となる前面部分が拡開されて、上面視において略Y字形をなしている。
メンテナンス駆動部55は、多孔質ワイパ51及び多孔質ブレード69を駆動させる駆動機構である。メンテナンス駆動部55は、6本の駆動ベルト71と、駆動ローラー72と、従動ローラー73,74とを備える。
駆動ベルト71は、駆動ローラー72、従動ローラー73,74に掛け渡された環状のベルトである。6つの駆動ベルト71のうち、内側に配置される4つは、4つのインクジェットヘッド31のそれぞれに対応して設けられ、6つの駆動ベルト71のうち、外側に配置される2つは、2つのヘッドガード28,28のそれぞれに対応して設けられている。
内側の4つの駆動ベルト71には、多孔質ワイパ固定部52を介して多孔質ワイパ51がそれぞれ取り付けられる。また、外側の2つの駆動ベルト71には、固定部69bを介して多孔質ブレード69がそれぞれ取り付けられる。
駆動ベルト71は、図13において矢印で示す方向(左側から見て反時計回り方向)に回転し、多孔質ワイパ51及び多孔質ブレード69を移動させる。これにより、多孔質ワイパ51及び多孔質ブレード69は、駆動ローラー72と従動ローラー73との間で張られた駆動ベルト71の水平区間において、前側から後側へ向かって移動しつつ、ノズル面、ノズルガード、及びヘッドガード28,28を洗浄又はワイプする。駆動ローラー72は、図示しないモータにより回転駆動され、各駆動ベルト71を周回させる。
従動ローラー73は、駆動ローラー72とともに6本の駆動ベルト71を支持し、駆動ベルト71を介して駆動ローラー72に従動回転する。従動ローラー73は、駆動ローラー72と同じ高さで、駆動ローラー72の後方に配置されている。従動ローラー74は、前後方向における駆動ローラー72と従動ローラー73との中間位置の下方に配置されている。
洗浄液貯留部56は、ノズル面、ノズルガード及びヘッドガード28,28をクリーニングするための洗浄液を貯留する容器である。6つの洗浄液貯留部56は、4つのインクジェットヘッド31及びヘッドガード28,28のそれぞれに対応して設けられている。洗浄液貯留部56は、各駆動ベルト71の下方に配置され、駆動ベルト71の回転により多孔質ワイパ51及び多孔質ブレード69が従動ローラー74付近を通過する際に、多孔質ワイパ51及び多孔質ブレード69が洗浄液貯留部56内の洗浄液に浸かるようになっている。洗浄液は、インクを溶解させる機能を有するものである。この洗浄液としては、上述した実施形態と同様に、例えば、水及び界面活性剤を含む水性溶媒を用いることができる。
本実施形態に係る制御部5は、インクジェットヘッド31のメンテナンス時において、洗浄液が含浸した多孔質ワイパ51によりノズル面及びノズルガードをワイプするよう制御する。多孔質ブレード69は、この多孔質ワイパ51の動作と連動して、ヘッドガード28を洗浄及びワイプするとともに、洗浄液貯留部56を通過する度に、洗浄液内に浸沈され、インク等の汚れを融解させる。
(メンテナンス時の動作)
次に、本実施形態に係るインクジェットヘッド31のメンテナンス動作について説明する。本実施形態においてメンテナンス動作は、例えば、予め設定された印刷枚数ごとのタイミングや、ユーザの指示に応じたタイミングで行われる。図14は、本実施形態に係るインクジェット印刷装置のメンテナンス時の動作を模式的に示すシーケンス図であり、図15はヘッド用ブレードの動作を模式的に示す説明図であり、図16はヘッドガード用ブレードの動作を模式的に示す説明図である。
図14(a)に示すように、待機状態では、ヘッドユニット26が、主走査方向の始端位置(図中右端)であるフラットベッドユニット3の側方のホームポジションに移動されている。このホームポジションにおいて、ヘッドユニット26は、下降されてキャッピングポジションに位置される。このキャッピングポジションには、第1実施形態で説明した洗浄機構6を含むキャッピングユニット60が設けられており、キャッピングユニット60の洗浄機構6はヘッドユニット26の下方から、ヘッドガード28,28のそれぞれに嵌合され、ヘッドガード28,28の下端をキャッピングしている。このキャッピングユニット60では、ヘッドユニット26が下降され、ヘッドガード28,28が絞りローラー61,61間に挿入され、さらにその下方の洗浄液を吸収した多孔質ブレード69のスリット69a内に差し込まれた状態となっている。このヘッドガード28が多孔質ブレード69のスリット69aに差し込まれ、待機状態の間、ヘッドガード28に固着したインクが溶融されている。
図14(b)に示すように、次いで、メンテナンスを開始するにあたり、ヘッドユニット26は、フラットベッドユニット3の反対側に設けられたメンテナンスポジションに移動される。このとき、ホームポジションにあったヘッドユニット26が上昇され、多孔質ブレード69のスリット69aからヘッドガード28が引き抜かれる際に、ヘッドガード28,28の汚れが掻き取られて除去される。さらに、ヘッドユニット26が上昇されることにより、ヘッドガード28が上方に向けて絞りローラー61,61間を通過することで、絞りローラー61,61でヘッドガード28に残った洗浄液が搾り取られる。
そして、図14(c)に示すように、メンテナンスポジションにヘッドユニット26が到着すると、その時点でヘッドユニット26は、メンテナンス部27の上方に位置され、図15(a)にも示すように、メンテナンス部27からインクジェットヘッド31が、所定距離だけ離間された状態となっており、多孔質ワイパ51がインクジェットヘッド31に接触しないようになっている。一方、このヘッドユニット26が上昇された位置では、図16(a)に示すように、多孔質ブレード69のみがヘッドガード28に接触可能な状態で、ヘッドガード28の洗浄及び払拭が可能となっている。また、このヘッドユニット26が上昇された位置では、多孔質ブレード69が一対の絞りローラー57,57に挟み込まれるようになっており、この絞りローラー57,57に挟まれることにより、多孔質ブレード69が絞られて、多孔質ブレード69に含浸された洗浄液が除去される。また、このヘッドユニット26が上昇された位置では、駆動ベルト71の周回により多孔質ブレード69が下方に移動されたときには、洗浄液貯留部64には届かない位置関係となっており、絞りローラー57で洗浄液を除去するとともに、多孔質ブレード69に洗浄液を含浸させない状態で、ヘッドガード28の洗浄又は払拭を行うことができる。
その後、図14(d)に示すように、ヘッドユニット26を下降させて、メンテナンス部27に接近させる。これにより、図15(b)に示すように、多孔質ワイパ51がインクジェットヘッド31に接触可能となり、駆動ベルト71を周回させることにより、多孔質ワイパ51をノズル面に摺動させて、ワイプする。一方、このヘッドユニット26が下降される位置では、図16(b)に示すように、ヘッドユニット26の下降に合わせて駆動ベルト71と多孔質ブレード69も下降させる。これにより、多孔質ブレード69がヘッドガード28に接触可能な状態を保ちつつ、絞りローラー57から多孔質ブレード69を退避させることができる。また、このヘッドユニット26及び駆動ベルト71が下降された位置では、駆動ベルト71の周回により多孔質ブレード69が下方に移動されたときに、洗浄液貯留部64には届く位置関係となっており、絞りローラー57による洗浄液の除去を行わないとともに、多孔質ブレード69に洗浄液を含浸させた状態で、ヘッドガード28の洗浄又は払拭を行うことができる。
なお、このヘッドユニット26を上昇させた状態でのメンテナンスと、下降させた状態でのメンテナンスの回数や頻度は、ノズル面や、ヘッドガード28、多孔質ワイパ51又は多孔質ブレード69の汚染状況によって適宜調節することができる。
(作用・効果)
このような本実施形態に係るインクジェット印刷装置1によれば、ヘッドガード28,28に対して相対的に接離される多孔質ブレード69を設け、多孔質ブレード69をヘッドガード28,28に対して相対移動させることで、自動的にヘッドガード28を洗浄又は払拭して除去することができ、ヘッドガード28に付着したインクが再び別の印刷媒体に接触して、インクが転写してしまい印刷媒体を汚してしまうのを回避できる。
特に、本実施形態では、ノズル面を洗浄又は払拭するメンテナンス部27の機構及び駆動を利用して、多孔質ブレード69でヘッドガード28を洗浄又は払拭することができ、多孔質ブレード69を駆動するための手段を別途設ける必要がないことから、機構の小型化、省スペース化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1…インクジェット印刷装置
2…シャトルベースユニット
3…フラットベッドユニット
4…シャトルユニット
5…制御部
6…洗浄機構
11…架台部
12…副走査駆動モータ
15…印刷媒体
21…筐体
26…ヘッドユニット
27…メンテナンス部
28,28…ヘッドガード
31…インクジェットヘッド
55…メンテナンス駆動部
56,64…洗浄液貯留部
57…絞りローラー
60…キャッピングユニット
61,61…絞りローラー
62…洗浄液貯留部
63…洗浄部材
65…回転軸駆動部
66…多孔質ブレード
67…昇降駆動部
68…スポンジローラー
69…多孔質ブレード

Claims (7)

  1. 印刷媒体に対して相対移動され、インクをノズルから吐出して画像を形成するインクジェットヘッドを有する印刷装置であって、
    前記インクジェットヘッドの移動に伴って、且つ前記インクジェットヘッドに先行して、前記印刷媒体に対して相対移動される部材であって、前記インクジェットヘッド近傍から前記印刷媒体に向けて突出されるヘッドガードと、
    前記ヘッドガードに対して相対的に接離され、前記ヘッドガードを洗浄又は払拭する洗浄機構部と、
    前記洗浄機構部を前記ヘッドガードに対して相対移動させる駆動部と、
    前記駆動部の動作を制御する制御部と
    を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 前記ヘッドガードは板状の部材であり、
    前記洗浄機構部は、前記ヘッドガードに対して接触された際に前記ヘッドガードを挟持するニップ機構を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記洗浄機構部は、
    洗浄液を貯留する洗浄液貯留部と、
    前記洗浄液が含浸可能な多孔質部材で形成され、少なくとも一部が前記ヘッドガードに接触される洗浄部材と、
    前記洗浄部材が前記ヘッドガードに接触することにより、前記ヘッドガードに付着した前記洗浄液を除去する洗浄液除去部と
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記駆動部は、前記洗浄機構部を、前記ヘッドガードに対して相対的に昇降させる昇降機能を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記駆動部は、画像形成時において、前記インクジェットヘッドを前記印刷媒体上で往復させる機構を備え、
    前記制御部は、前記インクジェットヘッドの往復移動に伴って、前記洗浄機構部を、前記ヘッドガードに接触させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  6. 前記インクジェットヘッドに対して相対的に接離され、前記ノズルが開口するノズル面を洗浄又は払拭するメンテナンス機構をさらに備え、
    前記駆動部は、前記メンテナンス機構の動作位置であるメンテナンスポジションにおいて、前記メンテナンス機構とともに前記洗浄機構部を前記ヘッドガードに対して相対移動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  7. 前記制御部は、前記インクジェットヘッドの待機時において、前記洗浄機構部を前記ヘッドガードに接触させた状態を維持させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
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