JP2018033383A - マルチ田植機 - Google Patents

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Abstract

【課題】枕地での走行機体の旋回後において適切なシートによる被覆再開位置をオペレータに知らせことができるマルチ田植機を提供すること。【解決手段】マルチ田植機(Q)が枕地に至って、作業機操作具の上昇操作後にステアリングハンドルを所定角度以上操舵すると、車輪の回転量に基づき走行距離測定手段による走行距離の測定が開始される。枕地でマルチ田植機(Q)は、旋回しながら走行し、上記走行距離が予め設定された所定距離(L5、L6)に達すると報知手段が作動する。【選択図】図16

Description

本発明は、圃場の走行に伴いロール状のシートが繰出されて圃場面を被覆し、該シートの上から圃場へ苗を移植可能なマルチ田植機に関する。
一般に、田植機による圃場への植付作業は、矩形の圃場の植付作業を行う際、往復走行しながら畦際から所定の幅に設定される枕地を除いた範囲の植付作業を行い、最後に枕地を周回して圃場の植付作業を終える。シートの上から圃場へ苗を移植するマルチ田植機においては、圃場の未被覆部や重複被覆部が発生しないように、シートによる圃場の被覆開始位置を管理する必要がある。従来、機体走行に伴って圃場面を覆うように繰り出されるロール状のシートを圃場面に押接する複数の押えローラを備えたマルチ移植機が知られている(特許文献1参照)。このものは、条間押えローラを、シートを押接する作用姿勢と押接しない非作用姿勢とに切換え自在に支持している。
特許第3822124号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは、植付作業中に枕地で旋回を行った後、シートによる圃場の被覆再開位置は目視や経験等により判断しなければならず、シートによる圃場の未被覆部や重複被覆部を簡便に防ぐことができる構造とはなっていなかった。
そこで、本発明は、枕地での走行機体の旋回後において、適切なシートによる被覆再開位置をオペレータに知らせ、もって上述した課題を解決したマルチ田植機を提供することを目的とするものである。
本発明は、車輪(2)に支持される走行機体(3)と、該走行機体(3)に昇降自在に支持される植付作業機(6)と、該植付作業機(6)に設けられ、圃場面を被覆するロール状のシートを収納し得るシート収納部(10)と、ステアリングハンドル(20)と、制御手段(40、140)と、を備え、前記植付作業機(6)は、作業機クラッチを介して動力伝達され、連続的に繰出された前記シートの上から圃場へ苗を移植するマルチ田植機(Q)において、
前記車輪(2)の回転量に基づき走行距離(L)を測定する走行距離測定手段(39)と、
前記植付作業機を上昇又は下降操作する作業機操作具(21)と、
前記制御手段(40、140)からの信号に基づき報知する報知手段(70、73)と、を備え、
前記制御手段(40、140)は、前記作業機操作具(21)の上昇操作が行われた状態で前記ステアリングハンドル(20)が所定切れ角以上操舵されると、前記走行距離測定手段(39)による走行距離(L)の測定を開始し、該測定された走行距離(L)が予め設定された所定距離(L5、L6)に達すると前記報知手段(70、73)を作動してなる、
ことを特徴とする。
また、本発明は、車輪(2)に支持される走行機体(3)と、該走行機体(3)に昇降自在に支持される植付作業機(6)と、該植付作業機(6)に設けられ、圃場面を被覆するロール状のシートを収納し得るシート収納部(10)と、ステアリングハンドル(20)と、制御手段(40、140)と、を備え、前記植付作業機(6)は、作業機クラッチを介して動力伝達され、連続的に繰出された前記シートの上から圃場へ苗を移植するマルチ田植機(Q)において、
前記車輪(2)の回転量に基づき走行距離(L)を測定する走行距離測定手段(39)と、
前記植付作業機(6)を上昇又は下降操作する作業機操作具(21)と、
前記制御手段(40、140)からの信号に基づき報知する報知手段(70、73)と、を備え、
前記制御手段(40、140)は、前記植付作業機(6)による少なくとも所定距離(L0)での植付作業が行われた後、前記作業機操作具(21)の上昇操作が行われた状態で、前記ステアリングハンドル(20)が所定切れ角以上操舵されると、前記走行距離測定手段(39)による走行距離(L)の測定を開始し、該測定された走行距離(L)が予め設定された所定距離(L5、L6)に達すると前記報知手段(70、73)を作動してなる、
ことを特徴とする。
例えば図15を参照して、前記制御手段は、前記報知手段(70、73)の作動中に前記走行機体(3)の走行が停止すると、前記植付作業機(6)を下降させると共に前記作業機クラッチを接続してなる。
請求項1に係る本発明によると、作業機操作具による植付作業機の上昇操作後にステアリングハンドルが所定切れ角以上操舵されてからの走行距離が所定距離に達すると報知手段を作動する。これにより、所定距離として予め制御手段に、走行距離の測定が開始されてから走行機体の旋回完了までに要する長さを記憶させておくことで、オペレータは、枕地での走行機体の旋回後、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を再開する適切な位置を知ることができる。また、当該作業において、無駄にシートや苗を消費する虞を減らすことができる。
請求項2に係る本発明によると、植付作業機による所定距離の植付作業が行われた後でかつ作業機操作具による植付作業機の上昇操作後にステアリングハンドルが所定切れ角以上操舵されてからの走行距離が所定距離に達すると報知手段を作動する。これにより、所定距離として予め制御手段に、走行距離の測定が開始されてから走行機体の旋回完了までに要する長さを記憶させておくことで、オペレータは、枕地での走行機体の旋回後、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を再開する適切な位置を知ることができる。また、当該作業において、無駄にシートや苗を消費する虞を減らすことができる。
請求項3に係る本発明によると、報知手段の作動中に走行機体を停止すると、制御手段が植付作業機を下降させると共に作業機クラッチを接続するので、オペレータの手間を省くことができる。
第1の実施の形態に係るマルチ田植機を示す側面図。 植付作業機を昇降させる油圧コントロール機構を示す側面図。 走行距離測定機構を示す断面図。 シート収納部を示す動作図で、(a)は紙ホルダの開放状態の側面図、(b)は紙ホルダの閉鎖状態の側面図。 マルチ田植機の斜視図。 シート切断機構を示す動作図。 運転部に設けられた操作部分を示す図で、(a)は運転部の前方をオペレータから見た状態の斜視図、(b)は入力パネルの拡大図、(c)は表示パネルの拡大図。 制御部のブロック図。 作業機制御のフロー図。 作業機操作制御のフロー図。 作業開始位置報知制御のフロー図。 旋回時報知制御のフロー図。 マルチ田植機の植付経路を示す平面図。 第2の実施の形態に係る制御部のブロック図。 旋回時報知制御のフロー図。 マルチ田植機の植付経路を示す平面図。
以下、図面に沿って、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る乗用型のマルチ田植機Pは、前輪1と後輪2(車輪)とによって支持される走行機体3を有し、走行機体3の後部には、昇降リンク機構5を介して植付作業機6が昇降自在に支持されている。昇降リンク機構5は、走行機体3と植付作業機6との間に介設されたリフトシリンダ7を有し、後述する油圧コントロール機構25(図2参照)によるリフトシリンダ7の伸縮動作に応じて植付作業機6が昇降される。
植付作業機6は、昇降リンク機構5によって支持される作業機フレーム8、マット苗が載置される苗載台9、芯に巻きつけられるロール状のシートを横架収納するシート収納部10、苗を圃場に移植する植付機構11、圃場面を滑走する円筒状のローラフロート12並びに紙押さえロール13及びシート切断機構15の切断部47(図6参照)等を備えている。植付機構11は、走行機体3の走行に伴い連続的に繰出されて圃場面を被覆するために繰出されたシートS(図4参照)の上からマット苗より掻取った苗を圃場に移植する。繰出されたシートSはシート切断機構15によりシート収納部10に収納されたロール状のシートと適宜分断される。ローラフロート12は、左右に延びる円筒状に形成されて前後に並列して設けられ、紙押さえロール13は、左右に延びる円筒状に形成されてローラフロート12より後方に配置される。ローラフロート12及び紙押さえロール13は、繰出されたシートSを圃場面に押圧しながら圃場面を滑走し、紙押さえロール13は、ローラフロート12より小さな接地面積となるように構成されている。
上記走行機体3の中央部には、オペレータが搭乗して走行機体3や植付作業機6を操作する運転部17が配置されている。該運転部17には運転座席19、ステアリングハンドル20、作業機操作レバー21(作業機操作具、図7参照)、表示パネル22(図7参照)、入力パネル23(図7参照)、シート切断機構15の切断操作部46(図6参照)等が配置されている。なお、本実施の形態では、運転座席19に着座したオペレータが向いている正面方向を前方とし、これを基準に前後左右方向を定義する。
走行機体3の前部にはエンジン(図示せず)やトランスミッション(図示せず)が搭載されている。エンジンが出力する動力は、トランスミッションで変速され、前輪1及び後輪2に伝達されると共に、油圧コントロール機構25(図2参照)を介して植付作業機6に伝達される。トランスミッションの内部には、植付クラッチ(作業機クラッチ、図示せず)が設けられており、該植付クラッチの断接に伴い植付作業機6への動力伝達が断接される。
ついで、油圧コントロール機構25について、図2に沿って説明する。油圧コントロール機構25は、作業機操作レバー21(図7参照)の操作により駆動する作業機操作カムモータ30と、作業機操作カムモータ30の駆動に基づいて回動する作業機操作カム31と、回動ピン33を中心に揺動し、作業機操作カム31の回動に伴って揺動し植付クラッチを断接するクラッチアーム35と、作業機操作カム31の回動に伴い開閉する油圧コントロールバルブ29と、作業機操作カム31の回転軸と同軸上に固定されて作業機操作カム31の回動位置を検出する作業機操作カムポテンショ32と、を備える。
作業機操作カム31は、上昇位置、固定位置、下降位置及び植付位置の各回動位置を有して左右に延びる軸を中心に回動可能に軸支されており、それぞれの回動位置は作業機操作カムポテンショ32により検出される。作業機操作カム31の各回動位置に従い油圧コントロールバルブ29が開閉されると、トランスミッションに設けられた油圧ポンプ(図示せず)の油圧を開放又は遮断することによりリフトシリンダ7が伸縮して、植付作業機6が昇降する。また、植付作業機6の昇降高さは、昇降リンク機構5の角度に基づいてリフト角ポテンショ27(図8参照)により検出される。作業機操作カム31が上昇位置に位置している間は、植付作業機6が上昇し、固定位置に位置している間は、植付作業機6の昇降動作が停止して任意の高さで植付作業機6の高さが維持され、下降位置に位置している間は、ローラフロート12が接地するまで植付作業機6が下降する。
クラッチアーム35は左右に延びる軸を中心に揺動可能に軸支されており、クラッチアーム35の上端は作業機操作カム31の外周に追従し、作業機操作カム31の回動に伴ってクラッチアーム35が前後方向に揺動する。クラッチアーム35の揺動に伴って、作業機操作カム31が植付位置以外に位置している間は植付クラッチは切断されて植付機構11は作動せず、植付位置に位置している間は植付クラッチが接続されて植付機構11が作動する。
図3に示すように、エンジンで発生した動力は、前後に延びる入力軸36を介して、後輪2を支持するリヤアクスルケース37に伝達される。リヤアクスルケース37の内部には、入力軸36と一体的に回転する検出ギヤ41と、入力軸36の回転を制動する走行ブレーキ43と、が設けられている。入力軸36には、検出ギヤ41が固定されており、検出ギヤ41の回転量は、回転センサ42によって検出される。すなわち、検出ギヤ41と同量だけ回転する入力軸36の回転量は、検出ギヤ41及び回転センサ42によって構成される走行距離測定機構39(走行距離測定手段)によって検出され、この検出結果は制御部40(制御手段、図8参照)へ出力される。
図4に示すように、シート収納部10は、紙ロールケース45の近傍に設けられた基端部から延設されて揺動可能に支持される紙ホルダ57と、揺動可能に支持されて紙ホルダ57を開閉操作する紙ホルダ操作レバー59と、シート収納部の左右両端に回転可能に支持される紙繰出ノブ61と、を備える。紙ホルダ57は、植付作業機6が上昇しているときには紙ロールケース45から繰出されたシートSを下方から受け止めて保持する。紙繰出ノブ61は、オペレータに手動で回転させられることにより紙ロールケース45に収納されているシートを回転して、シートをシート収納部10の外部へ繰出す。
紙ホルダ57は、基端部から略後方へ延出して植付作業を行うための閉鎖状態(図5(b))と、基端部から下後方へ延出して紙ロールケース45に収納されているシートを手動で繰出し易い開放状態(図5(a))と、を有する。閉鎖状態において、紙ホルダ操作レバー59の先端を左側面視で時計回りに操作すると、紙ホルダ57の後端が下降して開放状態(図5(a))となる。紙ホルダ操作レバー59の先端を左側面視で反時計回りに操作すると、紙ホルダ57の後端が上昇して植付作業を行うための閉鎖状態(図5(b))となる。
図5に示すように、走行機体3の左右両側には、紙ロールケース45に収納されているシートを使い切った際に使用するためのロール状の予備のシートTを支持可能な補助ロール台62が配置されている。補助ロール台62は予備のシートTの中心軸が略前後方向となるように予備のシートTを支持し、補助ロール台62に支持された予備のシートTの後端付近に設けられた上下方向の軸を中心に回動可能に構成されている。植付作業機6が上端位置にある場合において、補助ロール台62を回動すると、補助ロール台62に支持された予備のシートTの回動軸側の端部と紙ロールケース45の端部とが近接するように設けられている。
図6は、シート切断機構15を示す左側面図である。シート切断機構15は、走行機体3に設けられてオペレータが切断操作を行う切断操作部46と、植付作業機6に設けられてオペレータによる切断操作部46の操作によりシートを切断する切断部47と、切断操作部46と切断部47とを接続する操作ワイヤ49と、を有する。切断操作部46は運転座席19の後方に設けられており、先端にオペレータが把持するグリップ46bを有して、オペレータの操作により左右に伸びるレバー軸46cを中心として揺動可能に支持されるカッタレバー46aと、レバー軸46cと平行な軸を中心としてカッタレバー46aに回動可能に支持されるレバー固定フック46dと、レバー固定フック46dが係合してカッタレバー46aの揺動を規制するフック受け46eと、カッタレバー46aの揺動を検知する切断操作検出センサ46fと、グリップ46bとレバー軸46cとの間に設けられて、レバー軸46cと平行な軸を中心として操作ワイヤ49の始端を回動可能に支持する始端支持部46gと、を有する。切断部47は、後端にシートカッタ47cを有し、左右に延びるカッタ軸47dを中心として上下に揺動するカッタアーム47bと、カッタ軸47dよりカッタアーム47bの前方に設けられて、カッタ軸47dと平行な軸を中心として操作ワイヤ49の終端を回動可能に支持する終端支持部47aと、弾性力によりシートカッタ47cを上方に付勢するカッタばね47eと、を有する。
カッタレバー46aは略垂直に起立する非作動位置と、非作動位置から前方へ向けて略水平になるまで傾倒した作動位置と、の間で揺動可能に支持されており、非作動位置においては、レバー固定フック46dがフック受け46eに係合することでカッタレバー46aの前方への傾動が規制される。オペレータが、レバー固定フック46dとフック受け46eとの係合を解除してカッタレバー46aを作動位置へ傾動させると、操作ワイヤ49がカッタレバー46aにより牽引され、操作ワイヤ49がカッタアーム47bを牽引して、カッタアーム47bの後端が下方へ傾動し、シートカッタ47cが圃場面下まで降下することで、シート収納部10に収納されているロール状のシートと繰出されたシートSが分断される。該シートが分断される位置までカッタレバー46aが傾動すると、接点スイッチ(図示せず)を有する切断操作検出センサ46fが制御部40へ信号を送る。オペレータがカッタレバー46aの操作をやめると、カッタばね47eがシートカッタ47cを上方へ持ち上げる方向へカッタアーム47bを傾動させ、操作ワイヤ49がカッタアーム47bの傾動により牽引され、操作ワイヤ49がカッタレバー46aを牽引して、カッタレバー46aが作動位置から非作動位置へ復帰する。
図7に示すように、運転部17の前方には、表示パネル22が配置されており、その左後側に入力パネル23が配置され、入力パネル23の左側には、主変速操作レバー26が配置されている。オペレータが、該主変速操作レバー26を中立位置からの前方向に操作すると前進段が変速され、主変速操作レバー26を中立位置から後方向に操作すると後進段が変速されると共にその状態がバックスイッチ(図示せず)で検出される。表示パネル22の右後側には、植付作業機6を昇降するための作業機操作スイッチ上66(図8参照)及び作業機操作スイッチ下67(図8参照)を操作する作業機操作レバー21が配置されている。作業機操作レバー21は、上昇位置と下降位置との間で上下方向に揺動可能に設けられると共に、作業機操作レバー21に設けられたレバーばね(図示せず)により上昇位置と下降位置の中間に設けられた中立位置に付勢されている。オペレータが作業機操作レバー21を上方に操作(上昇操作)すると作業機操作レバー21が上昇位置へ切り替えられ、オペレータが作業機操作レバー21を下方に操作(下降操作)すると作業機操作レバー21が下降位置に切り替えられて、オペレータが作業機操作レバー21の操作をやめると、作業機操作レバー21はレバーばねにより中立位置へ復帰する。
表示パネル22は、燃料の残量を表示する燃料表示ランプ69等と共に、点灯または点滅し得る報知ランプ70(報知手段)を有する。報知ランプ70は、走行機体3に設けられた報知ブザー73(報知手段、図8参照)と共に、制御部40から出力される信号を受けて作動する。入力パネル23は、後述する枕地距離L2(図13参照)を調節可能な報知距離調節ダイヤル75と、報知制御スイッチ77と、植付作業機6の駆動を規制し得る作業準備スイッチ80と、を有する。オペレータが報知制御スイッチ77を操作することにより、報知ランプ70並びに報知ブザー73が作動する報知制御モードのオン状態と、作動しない報知制御モードのオフ状態と、が切り替わる。
図8は、本実施の形態における制御ブロック図を示しており、走行機体3は、各入出力に基づいて作業機制御S1(図9参照)を含むシートで圃場を被覆しながら行う植付作業に使用する各装置の制御を行う制御部40を備えている。該制御部40は、CPU40a、ROM40b、RAM40c、インターフェース(I/F)40d等を含むマイクロコンピュータを備えている。制御部40の入力側には、作業準備スイッチ80、報知制御スイッチ77、作業機操作スイッチ上66並びに作業機操作スイッチ下67、作業機操作カムポテンショ32、リフト角ポテンショ27、回転センサ42、報知距離調節ダイヤル75、切断操作検出センサ46f等が接続されている。制御部40の出力側には、作業機操作カムモータ30、報知ブザー73、報知ランプ70等が接続されている。作業機操作スイッチ上66及び作業機操作スイッチ下67は、オペレータが作業機操作レバー21を操作することにより作動し、作業機操作レバー21が上昇位置にある間は、作業機操作スイッチ上66が制御部40へ信号を送り続け、作業機操作レバー21が下降位置にある間は、作業機操作スイッチ下67が制御部40へ信号を送り続ける。
図9は、制御部40のメインルーチンである作業機制御S1を示し、各サブルーチンが作業機操作制御S2、作業開始位置報知制御S3、旋回時報知制御S4の順番で順次繰返される。作業機操作制御S2は、作業機操作レバー21の操作に基づいて植付作業機6の昇降を制御し、作業開始位置報知制御S3は、走行機体3の走行距離Lに基づいて植付作業を開始する適切な位置をオペレータに報知し、旋回時報知制御S4は、走行機体3の走行距離Lに基づいて枕地で旋回後にシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を再開する適切な位置をオペレータに報知する。
ついで、作業機操作制御S2について、図10に沿って説明する。まず、制御部40は、作業機操作スイッチ下67から送られる0を超えt2未満の短時間信号があるか否か、即ち、オペレータにより作業機操作レバー21を下降位置へ短時間だけ保持する短時間操作があるか否かを判断し(ステップS11)、該操作がある場合、作業準備スイッチ80がオンであるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、t2は、作業機操作スイッチ上66または作業機操作スイッチ下67が制御部40へ信号を送った際に、オペレータが、意識的に長い時間作業機操作レバー21を上昇位置または下降位置に保持したとみなされる最小の信号送信時間であり、通常は1(秒)程度とすることが望ましい。
制御部40は、該作業準備スイッチ80がオンである場合、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が上昇位置に位置しているか否かを判断する(ステップS13)。制御部40は、作業機操作カム31が上昇位置以外に位置している場合、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が下降位置に位置しているか否かを判断し(ステップS14)、作業機操作カム31が下降位置以外に位置している場合、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が固定位置に位置しているか否かを判断する(ステップS15)。制御部40は、作業機操作カム31が固定位置以外、即ち植付位置に位置している場合、処理を作業機制御S1に戻し、固定位置に位置している場合、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を下降位置に回動する(ステップS16)。作業機操作カム31が下降位置に保持された場合、植付作業機6は、ローラフロート12が接地するまで下降する。
制御部40は、ステップS12にて、作業準備スイッチ80がオフである場合、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が上昇位置に位置しているか否かを判断し(ステップS17)、上昇位置以外に位置している場合、作業機操作カム31が固定位置に位置しているか否かを判断する(ステップS18)。制御部40は、ステップS18にて、作業機操作カム31が固定位置に位置している場合、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を下降位置に回動する(ステップS19)。制御部40は、ステップS17及びステップS13にて、作業機操作カム31が上昇位置に位置して植付作業機6が上昇中の場合、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を固定位置に回動して植付作業機6の上昇動作を停止し(ステップS23)、処理を作業機制御S1に戻す。
制御部40は、ステップS18にて、作業機操作カム31が固定位置以外に位置している場合、処理を作業機制御S1に戻す。制御部40は、ステップS14にて、作業機操作カム31が下降位置に位置している場合、ローラフロート12が接地しているか否かを判断する(ステップS20)。制御部40は、ローラフロート12が接地しておらず、植付作業機6が下降中である場合(ステップS20のNO)、植付クラッチ入待ち状態となる(ステップS22)。制御部40は、ステップS20にて、ローラフロート12が接地している場合(ステップ20のYES)、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を植付位置へ回動して植付クラッチを接続し(ステップS21)、植付クラッチ入待ち状態を解除するとともに処理を作業機制御S1に戻す。ローラフロート12が接地している状態においては、植付作業機6は、圃場面への追従に伴うローラフロート12の姿勢及び高さの変化に基づいて油圧コントロールバルブ29が開閉されて自動的に昇降され、植付深さが一定に保たれる自動昇降状態となる。
従って、オペレータが、作業機操作レバー21を下降位置へ短時間操作を行うと、作業機操作カム31は、上昇位置から固定位置に、固定位置から下降位置に、回動する。作業機操作カム31が下降位置に位置している場合でかつローラフロート12が接地している場合は作業機操作カム31が植付位置に回動し、作業機操作カム31が下降位置に位置している場合でかつ植付作業機6が下降中の場合は植付クラッチ入り待ち状態となり、ローラフロート12が接地すると作業機操作カム31が植付位置に回動して、植付クラッチが接続される。作業機操作カム31が植付位置に位置している場合は作業機操作カム31の位置は維持される。作業機操作カム31が下降位置で植付作業機6が下降し、ローラフロート12が接地すると作業機操作カム31は植付位置に回動して植付クラッチが接続される。
制御部40は、オペレータによる作業機操作レバー21の下降位置への短時間操作が無い場合は、作業機操作スイッチ上66から送られる0を超えてt2未満の短時間信号があるか否か、即ち、オペレータにより作業機操作レバー21を上昇位置へ短時間だけ保持する短時間操作があるか否かを判断する(ステップS24)。制御部40は、オペレータによる作業機操作レバー21の上昇位置への短時間操作がある場合、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が上昇位置に位置しているか否かを判断する(ステップS25)。制御部40は、作業機操作カム31が上昇位置に位置している場合は処理を作業機制御S1に戻し、作業機操作カム31が上昇位置以外に位置している場合は、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が固定位置に位置しているか否かを判断する(ステップS26)。
制御部40は、ステップS26にて、作業機操作カム31が固定位置以外に位置している場合、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が下降位置に位置しているか否かを判断する(ステップS27)。制御部40は、作業機操作カム31が下降位置以外、即ち植付位置に位置している場合、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を下降位置に回動することにより植付クラッチを切断し(ステップS28)、処理を作業機制御S1に戻し、下降位置に位置している場合は、ローラフロート12が接地しているか否かを判断する(ステップS29)。制御部40は、ステップS29にて、ローラフロート12が接地しておらず、植付作業機6が下降中である場合(ステップS29のNO)、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を固定位置に回動して植付作業機6の下降動作を停止し(ステップS30)、処理を作業機制御S1に戻す。
制御部40は、ステップS26にて作業機操作カム31が固定位置に位置している場合及びステップS29にてローラフロート12が設置している場合(ステップS29のYES)、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を上昇位置に回動し(ステップS31)、処理を作業機制御S1に戻す。制御部40は、ステップS24にて、オペレータによる作業機操作レバーの上昇位置への短時間操作が無い場合は、植付クラッチ入待ち状態であるか否かを判断する(ステップS32)。
制御部40は、ステップS32にて、植付クラッチ入待ち状態でない場合、処理を作業機制御S1に戻し、植付クラッチ入り待ち状態である場合、ローラフロート12が接地しているか否かを判断する(ステップS33)。制御部40は、ローラフロート12が接地しておらず、植付作業機6が下降中である場合(ステップS33のNO)、処理を作業機制御S1に戻し、ローラフロート12が接地している場合(ステップS33のYES)、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を植付位置に回動して植付クラッチを接続し(ステップS34)、植付クラッチ入り待ち状態を解除するとともに処理を作業機制御S1に戻す。
従って、オペレータが、作業機操作レバー21を上昇位置へ短時間操作を行うと、作業機操作カム31が植付位置に位置している場合は、作業機操作カムモータ30が作業機操作カム31を下降位置に回動する。作業機操作カム31が下降位置に位置している場合でかつ植付作業機6が下降中の場合は、作業機操作カムモータ30が作業機操作カム31を固定位置に回動する。作業機操作カム31が下降位置に位置している場合でかつローラフロート12が接地している場合は、作業機操作カムモータ30が作業機操作カム31を上昇位置に回動する。作業機操作カム31が上昇位置に位置している場合は作業機操作カム31の位置は保持される。
ついで、作業開始位置報知制御S3について、図11及び図13に沿って説明する。該作業開始位置報知制御S3は、マルチ田植機が植付作業機6を上昇させて植付作業機6の後端が畦際R(図13参照)に近接した状態から前進し、走行距離Lが所定の長さとなったときに制御部40が報知ランプ及び報知ブザーを作動して、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な開始位置をオペレータに知らせる制御である。
まず、オペレータは、畦際Rに植付作業機6の後端が近接した状態で走行機体3の走行を停止する。制御部40は、報知制御モードがオンであるか否かを判断し(ステップS41)、報知制御モードがオフである場合(ステップS41のNO)は処理を作業機制御S1に戻し、報知制御モードがオンである場合(ステップS41のYES)は、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が上昇位置に位置しているか否かを判断する(ステップS42)。制御部40は、ステップS42にて、作業機操作カム31が上昇位置である場合は処理を作業機制御S1に戻し、作業機操作カム31が上昇位置以外である場合は、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31が固定位置に位置しているか否かを判断する(ステップS43)。
制御部40は、ステップS43にて、作業機操作カム31が固定位置に位置している場合、作業機操作スイッチ下67から送られるt2以上の長時間信号があるか否か、即ち、オペレータにより作業機操作レバー21を下降位置へ長時間保持する長時間操作があるか否かが判断される(ステップS44)。制御部40は、ステップS44にて、オペレータによる作業機操作レバー21の下降位置への長時間操作がある場合(ステップS44のYES)、回転センサ42により走行距離Lの測定を開始し(ステップS45)、処理を作業機制御S1に戻す。
ここで、オペレータは、主変速操作レバー26を中立位置からの前方向に操作して、報知ブザー73及び報知ランプが作動するまで走行機体3を前進させる。制御部40は、ステップS44にて、オペレータによる作業機操作レバー21の下降位置への長時間操作が無い場合(ステップS44のNO)、走行距離Lが枕地距離L2以上であるか否かを判断し(ステップS46)、走行距離Lが枕地距離L2より短い場合、走行距離Lが枕地距離L2より所定長さ短い報知距離L1以上であるか否かを判断する(ステップS47)。ここで、枕地距離L2は、例えば、当該田植機(P)が直線的に前進走行する際に一度に植付を行うことができる左右方向の長さが予め制御部(40)に記憶されている場合において、オペレータが、上記左右方向の長さを報知距離調節ダイヤル75により微調整した長さである。制御部40は、ステップS47にて、走行距離Lが、報知距離L1以上である場合、報知ブザーを作動して短音を発する(ステップS48)と共に報知ランプを点滅させ、処理を作業機制御S1に戻す。
オペレータは、報知ブザー73の短音及び報知ランプ70の点滅により、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始する適切な位置が近いことを知り、さらに走行機体3が前進させる。制御部40は、ステップS46において、走行距離Lが枕地距離L2以上である場合、報知ブザー73を作動して長音を発すると共に報知ランプ70を点灯させて走行距離Lを0に変更し(ステップS49)、回転センサ42により走行機体3が走行中であるか否かを判断する(ステップS52)。制御部40は、ステップS52にて、走行機体3が走行中である場合は処理を作業機制御S1に戻し、走行機体3の走行が停止している場合は、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を下降位置へ回動させて植付クラッチ入待ち状態として処理を作業機制御S1に戻す(ステップS53)。これにより、ローラフロート12が接地して植付作業機6の下降動作が停止すると(作業機操作制御S2のステップS32)、自動的に作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31が植付位置に回動されて植付クラッチが接続され(作業機操作制御S2のステップS34)、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始可能な状態となる。
報知ブザー73の長音報知及び報知ランプ70の点灯報知後、オペレータが主変速操作レバー26を中立位置に戻して走行機体3の走行を停止し、植付作業機6を下降させて植付作業機6を駆動することで、適切な位置からシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始することができる。なお、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の終了位置については、作業開始位置報知制御S3を使用した該被覆作業の開始側の圃場端に対向する圃場端側から枕地距離L2を計測により1列のみ植付作業を行い、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の終了位置の目印を予め付けておく。
制御部40は、ステップS43にて、作業機操作カム31が固定位置に位置していない場合(ステップS43のNO)、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作の有無を判断する(ステップS50)。オペレータが、報知ブザー73の長音報知及び報知ランプ70の点灯報知後に、作業機操作レバー21を上昇位置へ1回短時間操作を行うと、作業機操作カム31は作業機操作カムモータ30により下降位置へ回動することにより植付作業機6が下降し、報知ブザー73や報知ランプ70の作動を停止して処理を作業機制御S1に戻す(ステップS51)。制御部40は、ステップS50にて、作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作が無い場合は処理を作業機制御S1に戻す。
ついで、旋回時報知制御S4について、図12及び図13に沿って説明する。オペレータは、作業開始位置報知制御S3のステップS51にて、植付作業機6をローラフロート12が接地するまで下降させた後、作業機操作レバー21を下降位置へ1回の短時間操作を行って植付作業機6を作動させ(作業機操作制御S2のステップS21)、主変速操作レバー26を中立位置からの前方向に操作して走行機体3を走行させ、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始する。
制御部40は、報知制御モードがオンであるか否かを判断し(ステップS61)、報知制御モードがオフである場合(ステップS61のNO)は処理を作業機制御S1に戻し、報知制御モードがオンである場合(ステップS61のYES)は、報知準備フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS62)。なお、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業が一度も行われていない状態においては、報知準備フラグはオフとなっている。
制御部40は、ステップS62にて、報知準備フラグがオフである場合(ステップS62のNO)、切断操作検出センサ46fからの信号の有無を判断し(ステップS63)、該信号が無い場合(ステップS63のNO)、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31を下降位置から植付位置に回動する切り替え操作の有無を判断する(ステップS64)。制御部40は、ステップS64にて、作業機操作カム31を下降位置から植付位置に回動する切り替え操作があった場合(ステップS64のYES)、回転センサ42により走行距離Lの測定を開始し(ステップS65)、処理を作業機制御S1に戻す。
制御部40は、ステップS64にて、作業機操作カム31を下降位置から植付位置に回動する切り替え操作が無かった場合(ステップS64のNO)、走行距離Lが、所定の植付確認距離L0(所定距離)以上であるか否かを判断する(ステップS66)。植付確認距離L0は、作業開始位置報知制御S3における報知ブザー73による長音報知及び報知ランプ70による点灯報知後にシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を行ったことを確認するための距離である。稲の植付間隔より十分に長いことが求められるが、不要に長いと走行距離Lが植付確認距離L0に到達する前にマルチ田植機Pが枕地へ到達することも考えられるため、1(m)程度とすることが望ましい。制御部40は、ステップS66にて、走行距離Lが植付確認距離L0より短い場合は処理を作業機制御S1に戻し、走行距離Lが植付確認距離L0以上である場合は植付走行フラグをオンに設定すると共に走行距離Lを0に変更して(ステップS67)、処理を作業機制御S1に戻す。
オペレータは、走行機体3を前進させてシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を行い、上記終了位置の目印またはシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を行った範囲の直前の片道工程の終端まで到達した際に、主変速操作レバー26を中立位置に戻して走行機体3の走行を停止し、作業機操作レバー21を上昇位置へ1回の短時間操作を行って、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を下降位置へ回動させて植付クラッチを切断する(作業機操作制御S2のステップS28)。その後、オペレータは、カッタレバー46aを操作してシート収納部10に収納されたシートと圃場に繰出されたシートを分断し、作業機操作レバー21を上昇位置へ1回の短時間操作を行うことで植付作業機6を上昇させて、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の片道行程を終える。制御部40は、ステップS63にて、オペレータがカッタレバー46aを操作することによる切断操作検出センサ46fからの信号がある場合(ステップS63のYES)、植付走行フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS68)、植付走行フラグがオフの場合は処理を作業機制御S1に戻し、植付走行フラグがオンの場合は報知準備フラグをオンに設定するとともに植付走行フラグをオフに設定して(ステップS69)、処理を作業機制御S1に戻す。
制御部40は、ステップS62にて、報知準備フラグがオンの場合、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31を下降位置から上昇位置へ回動する切り替え操作の有無を判断し(ステップS70)、切り替え操作があった場合、回転センサ42により走行距離Lの測定を開始し(ステップS71)、処理を作業機制御S1に戻す。オペレータは、走行距離Lを測定している状態で、主変速操作レバー26を中立位置からの前方向に操作して走行機体3を前進させて畦際Rに近づけ、ステアリングハンドル20を回動させて走行機体3を操舵し畦際Rに近接するように走行機体3の向きを180°旋回させる。オペレータは、その後、走行機体3を、直前の片道行程の終端に隣接する、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の再開位置へ向けて走行させる。
制御部40は、ステップS70にて、作業機操作カム31を下降位置から上昇位置へ回動する切り替え操作が無かった場合(ステップS70のNO)、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作の有無を判断する(ステップS72)。制御部40は、ステップS72にて、作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作が無かった場合(ステップS72のNO)、走行距離Lが旋回距離L4以上か否かを判断する(ステップS73)。ここで、旋回距離L4は、例えば、走行機体3を旋回させる際に、枕地で直線的に走行する長さの2倍の長さと、走行機体3の向きが180°変わるまでに要する走行長さと、を加えた長さであり、枕地距離L2と予め制御部40に記憶された走行機体3の最小旋回半径等とから算出される長さである。
制御部40は、ステップS73にて、走行距離Lが旋回距離L4より短い場合、走行距離Lが旋回距離L4より所定長さ短い旋回報知距離L3以上か否かを判断し(ステップS74)、走行距離Lが旋回報知距離L3より短い場合は処理を作業機制御S1に戻し、走行距離Lが旋回報知距離L3以上である場合は報知ブザーを作動して短音を発する(ステップS75)と共に報知ランプを点滅させ、処理を作業機制御S1に戻す。オペレータは、報知ブザー73の短音及び報知ランプ70の点滅により、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始する適切な位置が近いことを知り、さらに走行機体3を前進させる。制御部40は、ステップS73にて、走行距離Lが旋回距離L4以上である場合、報知ブザーを作動して長音を発する(ステップS76)と共に報知ランプを点滅させ、処理を作業機制御S1に戻す。
オペレータは、報知ブザー73の長音報知及び報知ランプの点灯報知により、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な再開位置に到達したことを知ると、主変速操作レバー26を中立位置に戻して走行機体3の走行を停止し、植付作業機6を下降させて植付作業機6を駆動することで、マルチ田植機Pの旋回が完了し、適切な位置からシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を再開することができる。制御部40は、ステップS72にて、作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作があった場合、報知準備フラグをオフに設定し、報知ブザー73や報知ランプ70の作動を停止すると共に走行距離Lを0に変更して処理を作業機制御S1に戻す(ステップS77)。
以上より、オペレータは、作業機操作レバー21を下降位置に長時間操作を行ってからの走行距離Lが枕地距離L2と等しくなると報知ブザーから長音を発すると共に報知ランプが点灯するので、オペレータは、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な開始位置を知ることができ、シートによる圃場の未被覆部並びに重複被覆部及び未植付部並びに重複植付部の発生を防ぐことができる。
また、オペレータは、上記走行距離Lが枕地距離L2より所定距離短い報知距離L1と等しくなると報知ブザーから短音を発すると共に報知ランプが点滅するので、オペレータは、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な開始位置が近いことを走行距離Lが枕地距離L2に到達する前に知ることができ、報知ブザー73の長音報知及び報知ランプ70の点灯報知後すぐにシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を停止することができる。また、これにより、オペレータは、シートによる圃場の未被覆部や苗の未植付部を減らして収穫量を増やすことができかつシートによる圃場の重複被覆や苗の重複植付を減らして無駄なコストを減らすことができる。
また、作業開始位置報知制御S3により、予めシートで圃場を被覆しながら行う植付作業の終了位置に目印を付けておくことで、オペレータは、シートによる圃場の未被覆部や苗の未植付部を減らして収穫量を増やすことができかつシートによる圃場の重複被覆や苗の重複植付を減らして無駄なコストを減らすことができる。
報知ブザー73が作動中に走行機体3の走行を停止した際に、植付作業機6を下降させると共に植付クラッチを接続するので、植付クラッチの未接続状態でシートが繰出されてシートが無駄になることを防ぐことができる。
また、オペレータは、シート収納部10に収納されたシートと圃場に繰出されたシートSとをシートカッタ47cにより分断した後、植付作業機6を上昇したときに新たな走行距離Lの測定を開始し、測定した走行距離Lが旋回距離L4の長さと等しくなると報知ブザーから長音を発すると共に報知ランプを点灯するので、オペレータは、圃場を旋回後に植付作業の適切な再開位置を知ることができ、シートによる圃場の未被覆部並びに重複被覆部及び未植付部並びに重複植付部の発生を防ぐことができる。
また、オペレータが作業機操作レバー21を下降位置に長時間操作を行ってからの走行距離Lが旋回報知距離L3と等しくなると報知ブザー73から短音を発すると共に報知ランプ70が点滅するので、オペレータは、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な再開位置が近いことを走行距離Lが旋回距離L4に到達する前に知ることができ、報知ブザーの長音報知及び報知ランプの点灯報知後すぐにシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を停止することができる。
また、作業開始位置報知制御S3または旋回時報知制御S4の何れにおいても、報知ブザー73の長音報知後には自動的に走行距離Lを0に変更するので、作業者の手間を省き、また走行距離Lを0に変更し忘れることに伴う走行距離Lの誤測定を防ぐことができる。
また、枕地距離L2を調節可能な報知距離調節ダイヤル75を備えていることにより、オペレータが好みにより枕地距離を調節可能となるので、利便性を向上できる。
次に、図1、図7、図13乃至図16に沿って、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る乗用型のマルチ田植機Qは、第1の実施の形態に対して入力パネル、制御部140、植付自動スイッチ177、操舵角ポテンショ176及び旋回時報知制御S104が異なるのみで、その他は同一であるため、第1の実施の形態と同様な構成及び制御については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明を省略する。
図1に示すように、本実施の形態に係る乗用型のマルチ田植機Qは、前輪1と後輪2とによって支持される走行機体3を有し、走行機体3には、ステアリングハンドル20と、ステアリングハンドル20の回転角度を検出する操舵角ポテンショ176(図14参照)と、を備えている。該操舵角ポテンショ176による検出結果及び走行距離測定機構39による検出結果は、制御部140(制御手段、図14参照)へ出力される。
図7に示すように、運転部17の前方には、表示パネル22が配置されており、その左後側に入力パネル23が配置され、表示パネル22の右後側には、植付作業機6を昇降するための作業機操作スイッチ上66(図8参照)及び作業機操作スイッチ下67(図8参照)を操作する作業機操作レバー21が配置されている。入力パネル23は、枕地距離L2を調節可能な報知距離調節ダイヤル75と、植付自動スイッチ177と、植付作業機6の駆動を規制し得る作業準備スイッチ80と、を有する。オペレータが植付自動スイッチ177を操作することにより、報知ランプ70並びに報知ブザー73が作動する報知制御モードのオン状態と、作動しない報知制御モードのオフ状態と、が切り替わる。
図14は、本実施の形態における制御ブロック図を示しており、走行機体3は、各入出力に基づいて作業機制御S1(図9参照)を含むシートで圃場を被覆しながら行う植付作業に使用する各装置の制御を行う制御部140を備えている。該制御部140は、CPU140a、ROM140b、RAM140c、インターフェース(I/F)140d等を含むマイクロコンピュータを備えている。制御部140の入力側には、作業準備スイッチ80、植付自動スイッチ177、作業機操作スイッチ上66並びに作業機操作スイッチ下67、作業機操作カムポテンショ32、リフト角ポテンショ27、回転センサ42、報知距離調節ダイヤル75、操舵角ポテンショ176等が接続されている。制御部140の出力側には、作業機操作カムモータ30、報知ブザー73、報知ランプ70等が接続されている。制御部140は、作業開始位置報知制御S3及び後述する旋回時報知制御S104の結果に基づいて、報知ランプ70及び報知ブザー73を作動させることにより、オペレータにシートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な開始位置を報知する。
ついで、旋回時報知制御S104について、図15及び図16に沿って説明する。オペレータは、作業開始位置報知制御S3のステップS51にて、植付作業機6をローラフロート12が接地するまで下降させた後、作業機操作レバー21を下降位置へ1回の短時間操作を行って植付作業機6を作動させ(作業機操作制御S2のステップS21)、主変速操作レバー26を中立位置からの前方向に操作して走行機体3を走行させ、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始する。
制御部140は、植付自動モードがオンであるか否かを判断する(ステップS161)。なお、植付自動モードのオン状態とオフ状態は、植付自動スイッチ177により切り替わり、報知制御モードがオン状態である場合には植付自動モードもオン状態であり、報知制御モードがオフ状態である場合には植付自動モードもオフ状態である。
ステップS161にて、報知制御モードがオフである場合(ステップS161のNO)は処理を作業機制御S1に戻し、報知制御モードがオンである場合(ステップS161のYES)は、報知準備フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS162)。なお、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業が一度も行われていない状態においては、報知準備フラグはオフとなっている。
制御部140は、ステップS162にて、報知準備フラグがオフである場合(ステップS162のNO)、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31を下降位置から上昇位置に回動する切り替え操作の有無を判断し(ステップS163)、該切り替え操作が無い場合(ステップS163のNO)、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31を下降位置から植付位置に回動する切り替え操作の有無を判断する(ステップS164)。制御部140は、ステップS164にて、作業機操作カム31を下降位置から植付位置に回動する切り替え操作があった場合(ステップS164のYES)、回転センサ42により走行距離Lの測定を開始し(ステップS165)、処理を作業機制御S1に戻す。
制御部140は、ステップS164にて、作業機操作カム31を下降位置から植付位置に回動する切り替え操作が無かった場合(ステップS164のNO)、走行距離Lが、所定の植付確認距離L0以上であるか否かを判断する(ステップS166)。制御部140は、ステップS166にて、走行距離Lが植付確認距離L0より短い場合は処理を作業機制御S1に戻し、走行距離Lが植付確認距離L0以上である場合は植付走行フラグをオンに設定すると共に走行距離Lを0に変更して(ステップS167)、処理を作業機制御S1に戻す。
オペレータは、走行機体3を前進させてシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を行い、終了位置の目印またはシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を行った範囲の直前の片道工程の終端まで到達した際に、主変速操作レバー26を中立位置に戻して走行機体3の走行を停止し、作業機操作レバー21を上昇位置へ1回の短時間操作を行って、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を下降位置へ回動させて植付クラッチを切断する(作業機操作制御S2のステップS28)。その後、オペレータは、カッタレバー46aを操作してシート収納部10に収納されたシートと圃場に繰出されたシートを分断し、作業機操作レバー21を上昇位置へ1回の短時間操作を行うことで植付作業機6を上昇させて、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の片道行程を終える。
制御部140は、ステップS163にて、作業機操作カム31を下降位置から上昇位置に回動する切り替え操作がある場合(ステップS163のYES)、回転センサ42により走行機体3の走行が停止しているか否かを判断する(ステップS168)。制御部140は、ステップS168にて、走行が停止していない場合は処理を作業機制御S1に戻し、走行が停止している場合は植え付け走行フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS169)。制御部140は、ステップS169にて、植付走行フラグがオフの場合は処理を作業機制御S1に戻し、植付走行フラグがオンの場合は報知準備フラグをオンに設定するとともに植付走行フラグをオフに設定して(ステップS170)、処理を作業機制御S1に戻す。
オペレータは、走行機体3を走行させて畦際Rに近づき、ステアリングハンドル20を回動させて走行機体3を操舵し畦際Rに近接するように走行機体3の向きを180°旋回させる。制御部140は、ステップS162にて、報知準備フラグがオンの場合、操舵角ポテンショ176によりステアリングハンドル20の所定角度以上である操舵の有無を判断し(ステップS171)、所定角度以上の操舵が有った場合、回転センサ42により走行距離Lの測定を開始し(ステップS172)、処理を作業機制御S1に戻す。
オペレータは、走行距離Lを測定している状態で、走行機体3を、直前の片道行程の終端に隣接する、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の再開位置へ向けて走行させる。制御部140は、ステップS171にて、ステアリングハンドル20の所定角度以上の操舵が無かった場合(ステップS171のNO)、作業機操作カムポテンショ32により作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作の有無を判断する(ステップS173)。制御部140は、ステップS173にて、作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作が無かった場合(ステップS173のNO)、走行距離Lが旋回距離L6(所定距離)以上か否かを判断する(ステップS174)。ここで、旋回距離L6は、例えば、走行機体3を旋回させる際に、枕地で直線的に走行する距離と、走行距離Lの測定が開始されてから走行機体3の向きが180°変わるまでに要する走行長さであり、枕地距離L2と予め制御部140に記憶された走行機体3の最小旋回半径等とから算出される長さである。
制御部140は、ステップS174にて、走行距離Lが旋回距離L6より短い場合、走行距離Lが旋回距離L6より所定長さ短い旋回報知距離L5(所定距離)以上か否かを判断し(ステップS175)、走行距離Lが旋回報知距離L5より短い場合は処理を作業機制御S1に戻し、走行距離Lが旋回報知距離L5以上である場合は報知ブザー73を作動して短音を発する(ステップS176)と共に報知ランプ70を点滅させ、処理を作業機制御S1に戻す。オペレータは、報知ブザー73の短音報知及び報知ランプ70の点滅報知により、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始する適切な位置が近いことを知り、さらに走行機体3を前進させる。制御部140は、ステップS174にて、走行距離Lが旋回距離L6以上である場合、報知ブザー73を作動して長音を発する(ステップS177)と共に報知ランプ70を点滅させ、回転センサ42により走行機体3が走行中であるか否かを判断する(ステップS179)。制御部40は、ステップS179にて、走行機体3が走行中である場合は処理を作業機制御S1に戻し、走行機体3の走行が停止している場合は、作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31を下降位置へ回動させて植付クラッチ入待ち状態として処理を作業機制御S1に戻す(ステップS180)。これにより、ローラフロート12が接地して植付作業機6の下降動作が停止すると(作業機操作制御S2のステップS32)、自動的に作業機操作カムモータ30により作業機操作カム31が植付位置に回動されて植付クラッチが接続され(作業機操作制御S2のステップS34)、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業を開始可能な状態となる。
オペレータは、報知ブザー73の長音報知及び報知ランプの点灯報知により、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な再開位置に到達したことを知ると、主変速操作レバー26を中立位置に戻して走行機体3の走行を停止し、植付作業機6を下降させて植付作業機6を駆動することで、マルチ田植機Pの旋回が完了し、適切な位置からシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を再開することができる。制御部140は、ステップS173にて、作業機操作カム31を固定位置から下降位置へ回動する切り替え操作があった場合、報知準備フラグをオフに設定し、報知ブザー73や報知ランプ70の作動を停止すると共に走行距離Lを0に変更して処理を作業機制御S1に戻す(ステップS178)。
以上より、オペレータは、植付作業機6を上昇した後、ステアリングハンドル20を所定切れ角以上操舵したときに走行距離Lの測定を開始し、測定した走行距離Lが旋回距離L6の長さと等しくなると報知ブザー73から長音を発すると共に報知ランプ70を点灯するので、オペレータは、圃場を旋回後にシートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な再開位置を知ることができ、シートによる圃場の未被覆部並びに重複被覆部及び未植付部並びに重複植付部の発生を防ぐことができる。
また、オペレータは、走行距離Lが旋回距離L6より所定距離短い報知距離L5と等しくなると報知ブザー73から短音を発すると共に報知ランプ70が点滅するので、オペレータは、シートで圃場を被覆しながら行う植付作業の適切な再開位置が近いことを走行距離Lが旋回距離L6に到達する前に知ることができ、報知ブザー73の長音報知及び報知ランプ70の点灯報知後すぐにシートで圃場を被覆しながら行う植付作業を停止することができる。また、これにより、オペレータは、シートによる圃場の未被覆部や苗の未植付部を減らして収穫量を増やすことができかつシートによる圃場の重複被覆や苗の重複植付を減らして無駄なコストを減らすことができる。
なお、何れの実施の形態においても、作業開始位置報知制御S3、旋回時報知制御S4または旋回時報知制御S104における植付作業機6の昇降は、作業機操作カムポテンショ32により検出されるよう構成されているが、例えば昇降リンク機構5の作動をリフト角ポテンショ27や、別途備える赤外線センサや接点スイッチ等により検出されるように構成してもよいし、作業機操作スイッチ上66または作業機操作スイッチ下67の操作時間により間接的に検出されるように構成してもよい。
また、一つの作業機操作レバー21で作業機操作スイッチ上66及び作業機操作スイッチ下67を間接的に操作する構成としたが、作業機操作スイッチ上66及び作業機操作スイッチ下67を入力パネル23の表面に配置して、それぞれをオペレータが直接操作できる構成としてもよい。
また、報知ブザー73による長音報知は、時間の経過によって自動的には鳴り止まない連続音としてもよいし、短音報知は、長音報知または連続音報知まで繰り返される断続音としてもよい。また、走行距離Lの測定が開始されてから、走行距離Lの長さが作業開始位置報知制御S3における報知距離L1若しくは枕地距離L2、旋回時報知制御S4における旋回報知距離L3若しくは旋回距離L4または旋回時報知制御S104における旋回報知距離L5若しくは旋回距離L6に達するまで、報知ブザー73により繰り返される断続音を発し続けることとしてもよい。
また、走行距離Lの長さが作業開始位置報知制御S3における報知距離L1に達してから枕地距離L2に達するまで報知ブザー73により繰り返される断続音を発し続けることとして、走行距離Lの長さが報知距離L1以上で枕地距離L2以下の場合に、走行距離Lの長さが枕地距離L2に近づくにつれて徐々に上記断続音の間隔が短くなるように報知してもよい。また、走行距離Lの長さが旋回時報知制御S4における旋回報知距離L3に達してから旋回距離L4に達するまで報知ブザー73により繰り返される断続音を発し続けることとして、走行距離Lの長さが旋回報知距離L3以上で旋回距離L4以下の場合に、走行距離Lの長さが旋回距離L4に近づくにつれて徐々に上記断続音の間隔が短くなるように報知してもよい。また、走行距離Lの長さが旋回時報知制御S104における旋回報知距離L5に達してから旋回距離L6に達するまで報知ブザー73により繰り返される断続音を発し続けることとして、走行距離Lの長さが旋回報知距離L5以上で旋回距離L6以下の場合に、走行距離Lの長さが旋回距離L4に近づくにつれて徐々に上記断続音の間隔が短くなるように報知してもよい。また、報知ランプ70により報知を行う代わりに、運転部の周辺に設けた液晶パネルへ報知のための表示を行うことにより報知を行ってもよい。また、制御部40及び制御部140はディスクリート回路により形成されていてもよいし、半導体集積回路素子として一体に形成されていてもよい。
2 車輪(後輪)
3 走行機体
6 植付作業機
10 シート収納部
20 ステアリングハンドル
21 作業機操作具(作業機操作レバー)
39 走行距離測定手段(走行距離測定機構)
40、140 制御手段(制御部)
70 報知手段(報知ランプ)
73 報知手段(報知ブザー)
Q マルチ田植機
L 走行距離
L0 所定距離(植付確認距離)
L5 所定距離(旋回報知距離)
L6 所定距離(旋回距離)

Claims (3)

  1. 車輪に支持される走行機体と、該走行機体に昇降自在に支持される植付作業機と、該植付作業機に設けられ、圃場面を被覆するロール状のシートを収納し得るシート収納部と、ステアリングハンドルと、制御手段と、を備え、前記植付作業機は、作業機クラッチを介して動力伝達され、連続的に繰出された前記シートの上から圃場へ苗を移植するマルチ田植機において、
    前記車輪の回転量に基づき走行距離を測定する走行距離測定手段と、
    前記植付作業機を上昇又は下降操作する作業機操作具と、
    前記制御手段からの信号に基づき報知する報知手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記作業機操作具の上昇操作が行われた状態で前記ステアリングハンドルが所定切れ角以上操舵されると、前記走行距離測定手段による走行距離の測定を開始し、該測定された走行距離が予め設定された所定距離に達すると前記報知手段を作動してなる、
    ことを特徴とするマルチ田植機。
  2. 車輪に支持される走行機体と、該走行機体に昇降自在に支持される植付作業機と、該植付作業機に設けられ、圃場面を被覆するロール状のシートを収納し得るシート収納部と、ステアリングハンドルと、制御手段と、を備え、前記植付作業機は、作業機クラッチを介して動力伝達され、連続的に繰出された前記シートの上から圃場へ苗を移植するマルチ田植機において、
    前記車輪の回転量に基づき走行距離を測定する走行距離測定手段と、
    前記植付作業機を上昇又は下降操作する作業機操作具と、
    前記制御手段からの信号に基づき報知する報知手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記植付作業機による少なくとも所定距離での植付作業が行われた後、前記作業機操作具の上昇操作が行われた状態で、前記ステアリングハンドルが所定切れ角以上操舵されると、前記走行距離測定手段による走行距離の測定を開始し、該測定された走行距離が予め設定された所定距離に達すると前記報知手段を作動してなる、
    ことを特徴とするマルチ田植機。
  3. 前記制御手段は、前記報知手段の作動中に前記走行機体の走行が停止すると、前記植付作業機を下降させると共に前記作業機クラッチを接続してなる、
    請求項1又は2に記載のマルチ田植機。
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