JP2013153686A - 苗移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】滑らかに苗を植え付けることが可能な苗移植機を提供すること。
【解決手段】走行車体2と、走行車体2を操舵する操舵部材34と、走行車体2の後側に連結して設けられ、苗を圃場に植え付ける植え付け装置4と、水平な方向に前記植え付け装置を回動する水平方向回動機構70と、操舵部材の操舵方向を検知する操舵検知部102と、操舵検知部102からの操舵方向に基づいて、水平方向回動機構70を動作させ、植え付け装置4を水平な方向に回動する制御部73を備えた、苗移植機である。
【選択図】図9
【解決手段】走行車体2と、走行車体2を操舵する操舵部材34と、走行車体2の後側に連結して設けられ、苗を圃場に植え付ける植え付け装置4と、水平な方向に前記植え付け装置を回動する水平方向回動機構70と、操舵部材の操舵方向を検知する操舵検知部102と、操舵検知部102からの操舵方向に基づいて、水平方向回動機構70を動作させ、植え付け装置4を水平な方向に回動する制御部73を備えた、苗移植機である。
【選択図】図9
Description
本発明は、苗移植機に関するものである。
苗移植機において、走行車体の後側に苗植え付け装置がローリング自在に装着されており、苗植え付け装置の電動ケースに配置された水平センサが水平方向の傾きを検知すると、ローリングモータが作動して苗植え付け装置を水平になるように回動させる構成が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
このような構成を用いることにより、圃場の起伏により機体が水平方向に傾斜しても、苗植え付け装置が圃場面に対して略水平姿勢を保つことができるため、苗の植え付け深さが変化することを防止することが可能となる。
しかしながら、苗移植機を直進させながら苗の移植を行う際に、圃場の状態や作業者の操舵により、斜めに進んでいる場合がある。このような場合にハンドルを左右方向に操舵して直進方向に調整すると、苗植え付け装置1001が走行車体1000の後側に連結されているため、苗植え付け装置1001が走行車体1000よりも外側にはみだし、走行車体1000の進行方向に沿って滑らかに苗を植え付けることが出来なかった。
例えば、図18(a)に示すように、矢印Tの方向に直進する予定が、斜めに直進している場合、作業者は右方向にハンドルを操舵した後、直進状態に戻し、矢印T1の方向に直進するように苗移植機の向きを調整する。
ところが、ハンドルを右方向に操舵後、苗植え付け装置1001の左端は、走行車体1000の左側面側の移動方向T2から左側にはみだすことになる。図18(b)は、走行車体1000の左側面側の移動方向T2(点線)、及び右側面側の移動方向T3(点線)と、苗植え付け装置1001の左端の移動方向T4(実線)、及び右側の移動方向T5(実線)を示す図である。図18(b)に示すように、走行車体1000の移動方向に対して、植え付けられた苗が突出している箇所が生じることになる(位置P参照)。
本発明は、上記従来の苗移植機の課題を考慮し、滑らかに苗を植え付けることが可能な苗移植機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、走行車体(2)と、 前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)と、 前記走行車体(2)の後側に連結して設けられ、苗を圃場に植え付ける植え付け装置(4)と、 水平な方向に前記植え付け装置を回動する水平方向回動機構(70)と、 前記操舵部材の操舵方向を検知する操舵検知部(102)と、 前記操舵検知部(102)からの操舵方向に基づいて、前記水平方向回動機構(70)を動作させ、前記植え付け装置(4)を水平な方向に回動させる制御部(73)を備えたことを特徴とする苗移植機。
である。
である。
請求項2記載の本発明は、前記制御部(73)は、前記操舵方向が左方向の場合、前記植え付け装置(4)を右回転方向に回動し、前記操舵方向が右方向の場合、前記植え付け装置(4)を左回転方向に回動することを特徴とする請求項1記載の苗移植機である。
請求項3記載の本発明は、前記水平方向回動機構を動作させる操作スイッチ(107)を更に備え、前記操作スイッチ(107)の操作により、前記操舵部材(34)の操作に関わらず、前記水平方向回動機構(70)が動作し、前記植え付け装置(4)が回動することを特徴とする請求項1記載の苗移植機である。
請求項4記載の本発明は、前記操舵検知部(102)は、操舵角度を検知し、前記制御部(73)は、前記操舵角度が所定角度以上の場合に、前記水平方向回動機構(70)を動作させ、前記操作スイッチ(107)の操作による前記水平方向回動機構(70)の最大動作量は、前記操作角度が所定角度以上であるときの前記水平方向回動機構(70)の最小動作量よりも小さくしたことを特徴とする請求項3記載の苗移植機である。
請求項5記載の本発明は、前記圃場の表面に対して垂直な方向に前記植え付け装置(4)を回動する垂直方向回動機構(71)を更に備え、前記垂直方向回動機構(71)は、前記植え付け装置(4)を回動する回動支点である垂直方向回動軸(71a)を有し、前記水平方向回動機構(70)は、前記植え付け装置(4)を回動する回動支点である水平方向回動軸(70a)を有し、前記水平方向回動軸(70a)は、前記垂直方向回動軸(71a)の前側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の苗移植機である。
請求項6記載の本発明は、前記水平方向回動軸(70a)は、その上部側が下部側よりも前方に位置する傾斜姿勢で配置されていることを特徴とする請求項5記載の苗移植機である。
請求項7記載の本発明は、前記植え付け装置(4)は、苗を圃場に植え付ける条単位毎の植え付け部(52)と、前記中央側の植え付け部の前方に配置された、圃場に溝を作成して施肥を行うための中央側作溝施肥部(630)と、前記中央側作溝施肥部の前側に配置されたフロート(55)と、前記植え付け部(52)のうち、前記中央側の植え付け部以外の複数の前記植え付け部のそれぞれの前方に配置された端側作溝施肥部(631、632)と、前記フロート(55)、前記中央側作溝施肥部(630)、及び複数の前記端側作溝施肥部(631、632)を支持する、左右方向に延びた支持部材(81)を有し、前記端側作溝施肥部(631、632)の前側にはフロートが配置されていないことを特徴とする請求項1記載の苗移植機である。
請求項8記載の本発明は、それぞれの前記端側作溝施肥部(631、632)は、左右一対の作溝施肥器(63)と、前記左右一対の作溝施肥器(63)を連結する連結部材(601)と、前記連結部材(601)の後部の左右両側に上下方向に設けられたリンク受け板(602)と、前記左右一対の作溝施肥器(63)の中央部であって、前記支持部材の下側に回動可能に設けられた下リンクフレーム(603)と、前記左右一対の作溝施肥器(63)の内側又は外側であって、前記支持部材から上方に向かって設けられたリンク支持部(605)と、前記リンク支持部(605)の上端から後方に向かって回動可能に設けられた上リンクフレームと、前記リンク受け板(602)及び前記下リンクフレーム(603)を連結する下リンクシャフト(604)と、前記リンク受け板(602)及び前記上リンクフレーム(606)を連結する上リンクシャフト(607)を有することを特徴とする請求項7記載の苗移植機である。
請求項1記載の本発明によって、滑らかに苗を植え付けることが可能な苗移植機を提供することが出来る。
操舵部材(34)が操作されると水平方向回動機構(70)が作動し、植え付け装置(4)が操舵方向に対応する側に前後方向に回動することによって、変形圃場の円弧状の圃場端で植え付け作業を行う時や、直進方向に走行方向を修正する際に操舵部材(34)を僅かに操舵しても植え付け軌跡を滑らかに保つことが出来るので、圃場にあった数の苗が植え付け可能となるため苗の植え付け精度が向上する。
操舵部材(34)を操舵しないときには水平方向回動機構(70)が植え付け装置(4)の水平方向への回動を規制するため直進走行中に機体の振動等によって植え付け装置(4)が前後回動して植え付け軌跡が乱れることを防止できるため、直進時の苗の植え付け精度がいっそう向上する。
請求項2記載の本発明によって、請求項1記載の発明の効果に加えて、滑らかに苗を植え付けることが可能な苗移植機を提供することが出来る。
請求項3記載の本発明によって、請求項1記載の発明の効果に加えて、操舵部材(34)によって水平方向回動機構(70)を作動させることにより、苗植え付け装置4を走行車体(2)の直進姿勢に合わせることが出来るので、操舵部材(34)を何度も操舵して苗植え付け装置4を直進姿勢にする作業が不要となり、作業能率が向上する。
苗植え付け装置(4)の調整作業の際に圃場面を荒らすことが防止出来るので、苗の植え付け深さが安定し、苗の植え付け精度が向上する。
請求項4記載の本発明によって、請求項3記載の発明の効果に加えて、操作スイッチ(107)を操作したときの水平方向回動機構(70)の最大作動量を操舵部材(34)を所定角度以上操作したときの最低作動量と同じ乃至それよりも小さくしたことにより、走行前の苗植え付け装置(4)の水平方向の回動調整を細かく行うことが出来るので、苗植え付け装置(4)の調整が容易になり、作業能率が向上することともに苗の植え付け精度が向上する。
請求項5記載の本発明によって、請求項1記載の発明の効果に加えて、水平方向回動軸(70a)を垂直方向回動軸(71a)の前側に配置したことにより、苗植え付け装置4のローリング装置を簡潔に構成することが出来るので、ローリング装置は苗植え付け装置(4)の大型化が不要となる。
請求項6記載の本発明によって、請求項5記載の発明の効果に加えて、水平方向回動軸(70a)を前方傾斜姿勢で垂直方向回動軸(71a)の前部に配置したことにより、水平方向回動機構(70)が作動して苗植え付け装置4が水平方向に回動する際に圃場面や植え付け苗に接触することを防止出来るので苗植え付け装置(4)や苗植え付け装置(4)に押された泥が苗を押し倒すことが防止され、苗の生育が安定するとともに、潰された苗を植え直す作業が不要となる。
請求項7記載の本発明によって、請求項1記載の発明の効果に加えて、左右のサイドフロートを省略することが出来るので、部品点数が削減される。
左右のサイドフロートがないことにより、苗植え付け作業によって発生した水流が機体後方に流れやすくなるので、既に植え付けられた苗が押し流されることが防止され、苗を植え直す作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
センターフロート(55)と、その左右に一対の作溝施肥器(63)とを支持部材(81)に設けたことにより、作溝施肥器(63)の上下位置を同時に調整することが出来るので、作業前の準備作業に要する時間を削減される。
請求項8記載の本発明によって、請求項7記載の発明の効果に加えて、一対の作溝施肥器をリンク支持することにより、作溝施肥器の上下位置を調整しても作溝施肥器の姿勢が変わることを防止出来るため、姿勢の調整が不要となり、作業時間を削減することが出来る。
本発明の苗移植機の一例としての田植機について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態1の乗用型の田植機1の左側面構成図である。図2は、本実施の形態1の田植機1の平面構成図である。
図1は、本発明にかかる実施の形態1の乗用型の田植機1の左側面構成図である。図2は、本実施の形態1の田植機1の平面構成図である。
図1及び図2に示すとおり、この田植機1は、施肥装置付き乗用型であり、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して植え付け装置4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10、10及び左右一対の後輪11、11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13、13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13、13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右の前輪10、10が各々取り付けられている。
又、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18、18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18、18から外向きに突出する後輪車軸11aに後輪11、11が取り付けられている。この後輪ローリング軸に隣接して後輪11の回転数を検出する回転センサ104が設けられている。このような構造によって、後輪11が回転しても検出された回転数が安定する。
エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21及びHST23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、ミッションケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。
そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13、13に伝達されて前輪10、10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18、18に伝達されて後輪11、11を駆動する。また、ミッションケース12の右側面側より取り出された外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植え付けクラッチケースに伝達され、それから植え付け伝動軸26によって植え付け装置4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構28によって施肥装置5へ伝動される。尚、エンジン20近くのマフラー46はエンジン20の左側でリンクベースフレーム42の近くの外側に配置されており、エンジン20を冷却する冷却ファンはエンジン20の右側面にあって冷却風は機体右側から左側に排風される構成となっている。
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10、10を操向操作するハンドル34が設けられている。
ハンドル34の下側のフロントカバー32上には、後述するシリンダ202を動作させる操作スイッチ107が配置されている。この操作スイッチ107は、植え付け動作を開始する時に、走行車体2に対して植え付け装置4の位置を調整するために用いられる。又、フロントカバー32には、走行車体2の加減速を行うためのHSTレバー74が設けられている。
エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35の左右側には貫通孔が多数設けられた格子状部(図2参照)が形成されており、座席31に着座して機体を操縦する操縦者が左右前輪10,10を見通せることができて操縦が容易な構成となっていると共に、フロアステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。フロアステップ35の後部は、リヤステップを兼ねる後輪フェンダ36となっている。
また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38、38
が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。
が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。
次に、走行車体2の後側に設けられている植え付け装置4の構成について説明する。
本実施の形態における植え付け装置4は、6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50と、マット苗を載せて左右往復運動し苗を一株分ずつ各条の苗取り出し口51aに供給するとともに横一列分の苗を全て下方に移動させる苗送りベルト51bを有する苗載置台51と、苗載置台51の苗を圃場に植え付ける植え付け部52と、次工程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ184が設けられている。
植え付け部52は、条毎に設けられており、図2に示すように左側面側から第1植え付け部52a、第2植え付け部52b、第3植え付け部52c、第4植え付け部52d、第5植え付け部52e、第6植え付け部52fと符号を付す。尚、区別する必要のない場合には、植え付け部52と記載する。それぞれの植え付け部52では、回転プレート521に2つの植え付け爪522が配置され、回転プレート521が回転することにより、2つの植え付け爪522が交互に一株分の苗を植え付けていく。
また、本実施の形態では、2つの植え付け部52の回転プレート521は、1つの回転軸101によって回転する。すなわち、右側面側の2つの第1植え付け部52a及び第2植え付け部52bは、第1回転軸101gによって回転し、中央側の2つの第3植え付け部52c及び第4植え付け部52dは、第2回転軸101hによって回転し、左側面側の2つの第5植え付け部52e及び第6植え付け部52fは、同じ第3回転軸101iによって回転する。
尚、上記第1植え付け部52a、第2植え付け部52b及び第1回転軸101gを含む部分を第1植え付け部組108gとし、第3植え付け部52c、第4植え付け部52d、及び第2回転軸101hを含む部分を第2植え付け部組108hとし、第5植え付け部52e、第6植え付け部52f、及び第3回転軸101iを含む部分を第3植え付け部組108iとする。
本実施の形態では、サイドフロートレスの構成が採用されている。図3(a)は本実施の形態のフロート部分の構成を示す斜視図である。又、図3(b)は本実施の形態のフロート部分の構成を示す平面図である。
図2及び図3に示すとおり、植え付け装置4の下部には、左右方向に配置されたフロート支持軸81の中央にセンターフロート55が設けられているが、その左右にサイドフロートが設けられていない。このセンターフロート55を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、センターフロート55が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植え付け部52、…により苗が植付けられる。詳しくは後述するが、センターフロート55は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植え付け作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が迎い角センサ(図示せず)により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ25を制御する油圧バルブを切り替えて植え付け装置4を昇降させることにより、苗の植え付け深さを常に一定に維持する。
図1に示すとおり、施肥装置5は肥料ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61、…によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62、…で左右方向に6つ配置されている施肥ガイド63a…まで導き、施肥ガイド63a…の前側に設けた作溝体63b、…によって苗植え付け条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。これら施肥ガイド63a及び作溝体63b等によって、作溝施肥器63が構成されている。ブロア用電動モータ53で駆動するブロア58で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ59を経由して施肥ホース62、…に吹き込まれ、施肥ホース62、…内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
尚、本実施の形態では、中央側の2つの作溝施肥器63は、センターフロート55に取り付けられている。また、サイドフロートが設けられていないが、作溝施肥器63は、センターフロート55の左右両側に2つずつ配置されており、第1植え付け部組108gと第3植え付け部組108iに対応している。すなわち、本実施の形態の田植機では、中央側に設けられた2つの作溝施肥器63を有し、センターフロート55が取り付けられた中央側作溝施肥部630と、左側に設けられた2つの作溝施肥器63を有する左側作溝施肥部631と、右側に設けられた2つの作溝施肥器63を有する右側作溝施肥部632が備えられている。
次に、センターフロート55の構成について説明する。
図4は、施肥ガイド62aを除いたセンターフロート近傍の左側面図である。図5は、センターフロートの平面図である。又、図6は、センターフロート55近傍の左側面模式図である。
図4、図5及び図6に示すとおり、センターフロート55は、昇降リンク装置3の縦リンク43(後述する)から後方に延びている第1フロート支持フレーム82が設けられおり、第1フロート支持フレーム82は、上記第1フロート支持軸81と、図6に示す第2フロート支持フレーム83に繋がっている。フロート支持軸81の下側には、後側支持杆84が回動軸84aを中心に上下方向に回動可能に配置されている。
一方、センターフロート55の後部には、その平面に立設している後側支持部85が形成されており、後側支持部85には、前後方向に長孔85aが形成されている。この長孔85aに後側支持杆84の下端84eがピン86によって支持されており、後側支持杆84の下端84eが前後方向の長孔85aに沿って移動可能に構成されている。また、後側支持杆84に沿ってバネ部材87が配置されており、バネ部材87の一端は、後側支持杆84に形成された突起部84bに固定されており、他端は、後側支持部85の前部に固定されている。このバネ部材87によって、後側支持杆84の下端84eは、前方(矢印E方向)に付勢されている。又、後側支持杆84の上側には後側ポテンショメータ88が配置されており、後側支持杆84の回動角度が検出される。
一方、センターフロート55の後部には、その平面に立設している後側支持部85が形成されており、後側支持部85には、前後方向に長孔85aが形成されている。この長孔85aに後側支持杆84の下端84eがピン86によって支持されており、後側支持杆84の下端84eが前後方向の長孔85aに沿って移動可能に構成されている。また、後側支持杆84に沿ってバネ部材87が配置されており、バネ部材87の一端は、後側支持杆84に形成された突起部84bに固定されており、他端は、後側支持部85の前部に固定されている。このバネ部材87によって、後側支持杆84の下端84eは、前方(矢印E方向)に付勢されている。又、後側支持杆84の上側には後側ポテンショメータ88が配置されており、後側支持杆84の回動角度が検出される。
第2フロート支持フレーム83の前端部には、前側支持杆89が上下方向に回動可能に設けられており、前側支持杆89の回動角度を検出するための前側ポテンショメータ90が設けられている。一方、センターフロート55の前部には、その平面に立設している前側支持部91が形成されており、前側支持部91に前側支持杆89の下端89aが回動可能に固定されている。更に、図4に示すとおり、センターフロート55の上下位置を手動で微調整するための調整レバー92が設けられている。
上記のとおり、センターフロート55は第1フロート支持フレーム82、第2フロート支持フレーム83及びフロート支持軸81等によって支持されており、センターフロート55には、中央側に配置されている中央側作溝施肥部630の2つの作溝施肥器63が支持されている。
次に、サイドフロートレスにおける左側作溝施肥部631と右側作溝施肥部632のそれぞれの作溝施肥器63を支持する構成について説明する。
図7は、左側作溝施肥部631を示す平面図である。又、図8は、左側面側の作溝施肥器63を示す左側面図である。
図3、図7及び図8に示すとおり、左側作溝施肥部631は、左右一対の作溝施肥器63を有しており、一対の作溝施肥器63は連結部材601によって連結されている。この連結部材601は、平面視I形状の部材であり、作溝施肥器63の前端部分63cで一対の作溝施肥器63を連結している。
また、図3に示すとおり、連結部材601の後部の左右両側には、上下方向に設けられたリンク受け板602が設けられている。一対の作溝施肥器63の中央部分のフロート支持軸81の下側に、第1回動軸603aを中心として回動可能に下リンクフレーム603が設けられている。この下リンクフレーム603を貫通して左右のリンク受け板602を連結する下リンクシャフト604が設けられている。一対の作溝施肥器63のうち中央側の作溝施肥器63よりも内側に、フロート支持軸81の上側に上方に向かってリンク支持部605が形成されており、リンク支持部605の上端には、第2回動軸606aを中心にして上下方向に回動可能に上リンクフレーム606が設けられている。
そして、上リンクフレーム606及び左右のリンク受け板602を連結する上リンクシャフト607が設けられている。尚、右側作溝施肥部632も左側作溝施肥部631と同様の構成である。
また、図1に示すとおり、植え付け装置4には整地を行うための第1ロータ27a及び第2ロータ27bが取り付けられている。また、苗載置台51は植え付け装置4の全体を支持する左右方向と上下方向に幅一杯の矩形の支持枠体65に支持されている。この支持枠体65は、支持ローラ65aと、両側辺部材65bとを有しており、苗載置台51が、支持ローラ65aをレールとして左右方向にスライドする。
次に、植え付け装置4を昇降する昇降リンク装置3について説明する。
図1に示すとおり、昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。これら上リンク40、及び下リンク41、41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に植え付け装置4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として植え付け装置4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム(図示せず)の先端部との間に昇降油圧シリンダ25が設けられており、昇降油圧シリンダ25を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、植え付け装置4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
図9は、本実施の形態の田植機1の昇降リンク機構3近傍の平面模式図である。但し、説明のため、主要部分のみが示されている。
図9に示すとおり、走行車体2のフレーム200のうち後部フレーム201にシリンダ202が設けられている。このシリンダ202の伸縮する先端202aは、支持枠体65の両側辺部材65bを繋ぐように左右方向に配置された第1左右支持部材65cに連結されている。すなわち、シリンダ202を縮めることによって、植え付け装置4を図中右回転方向に水平に回動することが出来、シリンダ202を延ばすことによって、植え付け装置4を図中左回転方向に水平に回動することが出来る。図9では、シリンダ202を縮めて(矢印A)、植え付け装置4が右回転方向(矢印B)に回動した状態が一点鎖線で示されている。
図10は、昇降リンク装置3の後端部分周辺の側面図である。
上述したとおり、上リンク40及び左右一対の下リンク41が縦リンク43に回動自在に連結され、縦リンク43の下部分に連結軸44が挿入連結されている。そして、連結軸44は、植え付け装置4の植え付けフレーム4aに回転自在に支承されている。縦リンク43は、上端が下端よりも前方に配置されるように前方に傾斜して配置されている。この縦リンク43の下部には、水平方向(矢印BB´参照)に回動可能な水平方向回動部70が配置されており、連結軸44には、鉛直方向(矢印CC´参照)に回動可能な垂直方向回動部71が配置されており、垂直方向回動部71は、水平方向回動部70に連結している。図中、水平方向回動部70の回転軸である水平方向回転軸70aと、垂直方向回動部71の回転軸である垂直方向回転軸71aが示されており、水平方向回転軸70aは、上側が下側よりも前方に配置されるように前方に傾斜している。
このような構成により、図9に示したシリンダ202を縮めると、図4に示す水平方向回動部70が矢印B方向に回動し、植え付け装置4も矢印B方向に回動する。一方、シリンダ202を延ばすと、水平方向回動部70が矢印B´方向に回動し、植え付け装置4も矢印B´方向に回動する。又、垂直方向回動部71の鉛直方向(CC´方向)への回動により、圃場面に対して植え付け装置4の水平が保たれる。
又、図1に示すとおり、ハンドル34の回転軸であるハンドル軸103には、ハンドル34による操舵を検知するための操舵検知装置102が設けられている。この操舵検知装置102は、ポテンショメータなどから構成されており、操舵検知装置102からの検知情報によってシリンダ202を動作する制御部73が設けられている。
本発明の操舵部材の一例は、本実施の形態のハンドル34に対応し、本発明の水平回動機構の一例は、本実施の形態の水平方向回動部70に対応する。又、本発明の垂直方向回動機構の一例は、本実施の形態の垂直方向回動部71に対応する。本発明の端側作溝施肥部の一例は、本実施の形態の左側作溝施肥部631及び右側作溝施肥部632に対応する。又、本発明のフロートの一例は、本実施の形態のセンターフロート55に対応する。又、本発明の支持部材の一例は、本実施の形態のフロート支持軸81に対応する。又、本発明の操舵検知部の一例は、本実施の形態の操舵検知装置102に対応する。
次に、本実施の形態の田植機の動作について説明する。
作業者がハンドル34を操舵すると、ハンドル34の操舵が操舵検知装置102によって検知され、操舵方向及び操舵角度が検出される。
次に、制御部73は、操舵角度が、予め設定した所定角度以上か否かを判断する。操舵角度が所定角度以上の場合、操舵方向及び操舵角度に基づいて、植え付け装置4の水平方向の回動を行うようにシリンダ202を動作させる。
ここで、背景技術の図18(a)、(b)で説明したとおり、矢印Tの方向に直進する予定が、斜めに直進している際に、ハンドルを操舵して矢印Tの方向に調整する動作を行う場合について説明する。
図11(a)に示すとおり、直進中に作業者が右方向にハンドル34を動かした場合、その操舵角度が所定角度以上の場合、制御部73は、シリンダ202を延ばすように制御を行う。このシリンダ202を延ばす動作により、植え付け装置4は平面視において左回転方向に回動する。そして、ハンドル34を元の直進状態に戻すと、制御部73は、シリンダ202を元の状態に戻し、植え付け装置4は、走行車体2と平行な状態となる。尚、この時の回動量は、ハンドル34の操舵角度が大きい程、大きくなるように制御が行われる。尚、図11(a)では、走行車体2の移動方向がT1として示され、走行車体2の左側面側の移動方向がT2(点線)として示され、走行車体2の右側面側の移動方向がT3(点線)として示されている。
図11(b)は、走行車体2の左側面側の移動方向T2(点線)、及び右側面側の移動方向T3(点線)と、植え付け装置4の左端の移動方向T4(実線)、及び右側の移動方向T5(実線)を示す図である。図11(b)に示すように、上記のように操舵の際に、旋回方向と反対方向に植え付け装置4を回動させることにより、図18(b)で示す、突出箇所Pが生じず、走行車体2の移動方向に沿って滑らかに苗を植え付けることが可能となる。
尚、本実施の形態では、ハンドル34を右方向に操舵する操作例について説明したが、左方向に操舵する操作例においても同様である。すなわち、ハンドル34の左方向への操舵角度が所定角度以上であるときに、制御部73は、その操舵角度に基づいてシリンダ202を縮める。この縮める動作により、植え付け装置4は平面視において右回転方向に回動する。そして、ハンドル34を元の直進状態に戻すことによって、植え付け装置4は、走行車体2に対して直線上に配置された直進状態に戻る。
尚、本実施の形態の田植機には、操作スイッチ107が設けられており、この操作スイッチ107は、シリンダ202を延ばす又は縮める方向に動作させる2方向のスイッチを有している。例えば、枕地での植え付け作業中、畦際で90度旋回した後に機体の進行方向を直進方向に調節するとき、植え付け装置4が走行車体2に対して直線上に配置されるように調整する必要があった。
この調整は、従来はハンドル34を操舵することにより行われていたが、操作スイッチ107を操作し、シリンダ202を延ばす又は縮めることによって、植え付け装置4を左回転方向又は右回転方向に回動させることにより、走行車体2に対して直線上に植え付け装置4を配置することが出来、ハンドル34の操舵回数が減り、操作性を向上させることができ、走行車体2の進行に沿って苗の植え付けを行うことが可能となる。
尚、操作スイッチ107による植え付け装置4の最大回動量は、ハンドル34を所定角度以上回動した際における植え付け装置4の最小回動量よりも小さく設定されている方がより好ましい。このように、植え付け装置4の回動量が小さい場合に、ハンドル34の操舵角度ではなく、操作スイッチ107を用いて回動させることによって、微調整を精度良く行うことが可能となる。
又、本実施の形態では、水平方向回動部70及び縦リンク43が、その上端が下端に比べて前方に配置されるように傾斜して配置されていることにより、植え付け装置4を回動する際に泥押しがないため、植え付け跡を乱さず、植え付け性能を向上させることが出来る。
又、本実施の形態では、水平方向回動部70が、垂直方向回動部71の近傍に設けられていることにより、構成を簡易にすることが出来る。
次に、センターフロート55の動作について説明する。
図12は、センターフロート55が上昇した状態を示す左側面図である。
図4及び図12に示すとおり、植え付けの最中等に、センターフロート55が上昇すると前側支持杆89が上方(図6中矢印F)に回動することになり、前側ポテンショメータ90によって、その回動量が検出される。この検出された回動量が所定量以上の場合には、昇降リンク機構3が駆動され、上リンク40及び下リンク41、41が上方へと移動し、植え付け装置4が上方へと移動される。一方、前側ポテンショメータ90の下方(図6中矢印G方向)への回動量が所定量以上の場合には、昇降リンク機構3の駆動によって、植え付け装置4が下方へと移動される。
又、本実施の形態では、後側ポテンショメータ88も設けられており、センターフロート55が上昇すると、後側支持杆84の下端84eが、長孔85a内を後方へと移動し、後側支持杆84が上方(図6中矢印H方向)に回動することになり、後側ポテンショメータ88によって、その回動量が検出される。ここで、この検出された回動量が所定量以上のときには、前側ポテンショメータ90の上方への回動量が所定量以上でないときであっても、昇降リンク機構3が駆動され、植え付け装置4が上方へと移動する。
一方、後側ポテンショメータ88の下方(図6中矢印I方向)への回動量が所定量以上のときには、前側ポテンショメータ90によって検出される下方への回動量が所定量以上でないときであっても昇降リンク機構3の駆動によって植え付け装置4が下方へ移動される。
一方、後側ポテンショメータ88の下方(図6中矢印I方向)への回動量が所定量以上のときには、前側ポテンショメータ90によって検出される下方への回動量が所定量以上でないときであっても昇降リンク機構3の駆動によって植え付け装置4が下方へ移動される。
すなわち、本実施の形態では、前側ポテンショメータ90によってセンターフロート55の上下方向への所定量以上の移動が検出されたときには、その検出に従って、植え付け装置4の上下方向への駆動が行われる。また、前側ポテンショメータ90によって植え付け装置4を上下動させるほどの、センターフロート55の上下移動が検出されないときであっても、後側ポテンショメータ88によってセンターフロート55の上下方向の所定量以上の移動が検出された場合には、その検出に従って、植え付け装置4の上下方向への駆動が行われる。
例えば、センターフロート55の前側に泥や土が乗ると(図4中二点鎖線Sで示す)、センターフロート55の前側が上方に移動しにくくなるため、前側のポテンショメータの感度が低くなり、圃場に凹凸があっても植え付け装置4が上下動せず、苗の植え付け深さが浅くなり過ぎる、または深くなり過ぎる問題が生じる。しかしながら、本実施の形態のとおり、センターフロートの前側と後側にポテンショメータを設けたことにより、前側のポテンショメータの感度が下がったとしても後側のポテンショメータによってセンターフロート55の上下移動を感知出来るため、感知性能が向上する。
又、水が少ない圃場においても、センターフロート55が抵抗で後側に押されて、後側のポテンショメータで感知することが出来る。
又、水が少ない圃場においても、センターフロート55が抵抗で後側に押されて、後側のポテンショメータで感知することが出来る。
上述のとおり、植え付け装置4が上下動しても、センターフロート55に配置されている中央作溝施肥部630の作溝施肥器63は、センターフロート55が圃場面に対して水平に保たれるため、作溝施肥器63の姿勢も一定となる。一方、左側作溝施肥部631及び右側作溝施肥部632においても、作溝施肥器63の姿勢は一定に保たれる。この動作について、図8及び図13を用いて以下に説明する。
図13は、図8の状態から植え付け装置4が上方に移動した状態を示す左側面図である。図8及び図13に示すとおり、昇降リンク機構3の駆動により、上リンク40及び下リンク41、41が上方に移動すると、フロート支持軸81も上方に移動する。フロート支持軸81の上方への移動により、上リンクフレーム606が第2回動軸606aを中心にして下方(図8矢印k参照)に回動し、下リンクフレーム603が第1回動軸603aを中心にして下方(図8矢印j参照)に回動する。このため、図13に示すように上リンクフレーム606及び下リンクフレーム603と、それぞれ上リンクシャフト607及び下リンクシャフト604を介して連結しているリンク受け板602は、その姿勢が保持されたまま、下方に移動することになり、連結部材601、及び左右の作溝施肥器63も、その姿勢を保ったまま、下方に移動する。
このためフロート支持軸81が上下動した場合であっても作溝施肥器63の姿勢が保たれることになる。尚、田植え前に調整レバー92を用いてセンターフロート55の位置を上下動させた場合も、同様に左側作溝施肥部631及び右側作溝施肥部632の作溝施肥器63の姿勢が保たれる。
ここで、本実施の形態の構成についての効果を述べるために、従来のセンターフロートの取り付け構成について説明する。図14は、従来のセンターフロート55の取り付け構成を示す模式側面図である。図6に示す本実施の形態の構成では、第2フロート支持フレーム83と前側支持杆89によって形成される角度θは鋭角であるのに対して、図14の従来の構成では、第2フロート支持フレーム83と前側支持杆89によって形成される角θが鈍角となる。又、図14の従来の構成では、図6に示す長孔85a及びバネ部材87が設けられておらず、後側支持杆84の下端は上下方向に移動可能に構成されていない。
このような従来の構成では、前方に障害物等があってセンターフロート55が乗り越える場合、第2フロート支持フレーム83と前側支持杆89によって形成される角度が鈍角となっているため、衝突の負荷が、前側支持杆89及び第2フロート支持フレーム83等にかかり安く、破損する場合があった。
それに対して、図6に示す本実施の形態のセンターフロート55の取り付け構成によれば、図14に示すような従来の構成と比較して、障害物等が存在した場合であっても前側支持杆89が上方に回動するだけであるため、前側支持杆89及び第2フロート支持フレーム83等に負荷がかかりにくいため、破損し難い。又、本実施の形態では、後側支持杆84の下端84eが後方に移動可能に構成されているため、障害物に接触した場合であっても接触による負荷を和らげることが可能となる。
又、本実施の形態では、サイドフロートレスの構成において、左側作溝施肥部631及び右側作溝施肥部632の作溝施肥器63をリンクフレームなどによって支持し、下リンクフレーム603の回動支点をセンターフロート55の調整するフロート支持軸81の下側に配置したことにより、構成が簡単ですべての作溝施肥器63の上下位置の調整を同時に行うことが出来る。
又、図8及び図13において説明したように、作溝施肥器63を調整しても、作溝施肥器63の角度が変化しないため、肥料の搬送性能が安定する。
又、左側作溝施肥部631及び右側作溝施肥部632の作溝施肥器63がリンク機構によって圃場面に合わせて上下移動するため、植え付け装置4が傾いた場合であっても、肥料の土中への搬送を左右で同一にすることが出来、性能が安定する。
図15は、本実施の形態の第1植え付け部組108gの構成を示す図である。尚、他の第2植え付け部組108h、第3植え付け部組108iも同様の構成である。図15に示すとおり、第1植え付け部組108gの第1回転軸101gには、安全クラッチ75が設けられている。この安全クラッチ75は、第1回転軸101gに固定されている第1クラッチ部76、第1回転軸101gに回転自在に配置されている第2クラッチ部77、及び第2クラッチ部77を第1クラッチ部76に押圧しているバネ部材78を有している。第2クラッチ部77は、第1クラッチ部76に嵌合した状態で、バネ部材78によって第1クラッチ部76に押し付けられている。
そして、第2クラッチ部77には、スプロケット部77aが形成されており、植え付け伝動軸26からの動力がチェーン80を介して伝達される。このチェーン80の回転が第2クラッチ部77を介して、第1クラッチ部76に伝達され、第1クラッチ部76から第1回転軸101gに伝達される。尚、図示していないが、第1回転軸101gの両端には、第1植え付け部52a及び第2植え付け部52bが配置されている。
この安全クラッチ75は、植え付け動作中に、高負荷がかかった時に動力の伝達を切断するために設けられている。
すなわち、第1植え付け部52a及び第2植え付け部52bに高負荷がかかった時、第1クラッチ部76と第2クラッチ部77は滑り、チェーン80の回転が第1回転軸101gに伝達されなくなる。
又、図15に示すとおり、第1植え付け部52a及び第2植え付け部52bを等速回転から不等速回転に切り替える切り替え部材79が設けられている。この切り替え部材79は、軸79aを中心にして回動可能であり、且つその先端が第1クラッチ部76に当接可能に構成されている。
ここで、不等速回転とは、第1植え付け部52a及び第2植え付け部52bが、苗取り出し口51a付近では遅く、それ以外の部位では速く動くようにすることである。
この図15に示す状態は、第1植え付け部52a及び第2植え付け部52bを等速回転させる時の状態であり、不等速回転させる際には、図15の状態から図16に示すように軸79aを中心にして切り替え部材79を矢印D方向に回動することによって、第1クラッチ部76及び第2クラッチ部77が、バネ部材78の側(矢印E参照)に移動される。このように第1クラッチ部76及び第2クラッチ部77をバネ部材78に押し付けることにより、等速回転時よりも高い負荷がかからないと、第1クラッチ部76と第2クラッチ部77の間が滑らなくなる。
このように、等速回転時よりも不等速回転時の方が、安全クラッチ75が働く負荷が大きくなるように構成されている。これは以下の理由によるものである。
不等速回転時には、回転トルクが変動するので安全クラッチの荷重を高くする必要があるためである。等速回転時には回転トルクは一定であるため、安全クラッチの加重は不等速回転時よりも低くてもよい。しかしながら、等速回転時の安全クラッチの荷重を不等速回転時の安全クラッチの荷重と同じにすると、安全クラッチが切れない場合が生じる。
一方、逆に不等速回転時の安全クラッチの荷重を、等速回転時の安全クラッチの荷重と同じにすると、不等速回転時に自動抜け(安全クラッチを切る必要がないにもかかわらず切れてしまうこと)が生じる場合がある。
一方、逆に不等速回転時の安全クラッチの荷重を、等速回転時の安全クラッチの荷重と同じにすると、不等速回転時に自動抜け(安全クラッチを切る必要がないにもかかわらず切れてしまうこと)が生じる場合がある。
上記のように等速回転時と不等速回転時で、安全クラッチの荷重を切り替える切り替え式とすることで、これらの欠点を解決することが出来る。
本実施の形態の田植機では、苗植え付け作業を行いながら畦際まで到達し、旋回を行う時に、ハンドル34を操舵すると自動で植え付け装置4が上昇し、内側後輪11への伝動が解除され、旋回の終了後、自動で植え付け装置4が下降するとともに植え付けが開始されるような制御を行うことが行われる。この制御の際、旋回の終了は、回転センサ104によって検出される内側後輪11の回転パルスが所定パルスに達したことによって判断される。
しかしながら、旋回中に田植機を停止し、苗を新たに積み込む等の作業を行うと、田植機に振動が加わり、この振動が回転センサ104によって内側後輪11の回転パルスとして加算され、旋回が終了していないにもかかわらず、終了したと判断され植え付け装置4が下降する場合があった。
そこで、本実施の形態では、田植機が停止している場合に回転センサ104によって検出されるパルスは加算しないように制御が行われる。
図17は、HSTレバー74近傍の平面図である。図17に示すとおり、本実施の形態では、HSTレバー74を前側(矢印F)に移動させることにより走行車体2を前進させ、中立位置Qに移動させることにより走行車体2を停止させ、右移動した後に後側(矢印G)に移動させることにより走行車体2を後進させることが出来る。図1に示すように、HSTレバー74が中立位置に存在していることを検知する中立位置検知部74aが設けられている。本実施の形態では、中立位置検知部74aによってHSTレバー74が中立位置に配置されている場合には、回転センサ104からの後輪パルス入力があっても、入力を加算しないように制御が行われる。
上記の制御を行うことによって、旋回途中にもかかわらず旋回が終了したと判断され、植え付け装置4が下降するという現象を防止することが出来る。
尚、上記のようにHSTレバー74が中立位置Qに位置していることによる田植機の停止を検知せず、HSTのトラニオン角度を検知し、機体の旋回が停止していること判断し、回転センサ104からの後輪パルス入力があっても、入力が加算しないように制御が行われてもよい。また、エンジン20の回転数を検知するエンジン回転センサを設け、この回転数が所定値以下の場合に、機体の旋回が停止していると判断してもよい。
さらに、旋回途中で停止し、苗の補充作業等で機体が振動した際に生じた後輪パルス入力を除外するだけでなく、エンジン回転数を上げて泥土による抵抗を乗り越える際や、圃場の凹凸により機体が揺れた際に生じる著しく高い後輪パルス入力を除外すると、植え付け装置4が早過ぎるタイミングで下降することが、より確実に防止される。
前記後輪回転センサ104は、後輪11の径を900ミリメートルとすると、1回転で360パルスを検出する。そして、外周径900πミリメートルの後輪11が1メートル進むと、1メートル当たり127.4パルスが検出される。
一般的に、田植機が圃場端で180度旋回走行を行うときは、速くても秒速3メートル(時速10.8km)ほどの速度であり、植え付け装置4の下降タイミング及び植え付け再開のタイミングは、秒速3メートル以内であれば適切に行える設定としている。
上記より、1メートル当たりの検出パルスは127.4パルスであるので、3メートルでは382.2パルスが検出される。即ち、1秒間に約382パルスが検出されると、走行速度が秒速3メートルであることになる。このとき、パルスの検出タイミングを500ミリ秒(≒0.5秒)ごとに行う設定とすると、約191パルス以上の数値が検出されると、秒速3メートル以上で走行していると判断することが可能になる。
従って、旋回時にパルスの検出タイミングを500ミリ秒ごとに行う設定で191パルス以上の数値が検出されると、そのときに取得されたデータはエラーとして、HSTレバー74が中立位置Q、または後進側に位置しているときは消去され、HSTレバー74が前進側に操作されているときは、191パルス未満の数値(秒速3メートル以内になる数値)に変換される構成とする。尚、後進時のデータが累積されると、植え付け装置4が早すぎるタイミングで降りてくるため、HSTレバー74が後進側に位置しているときは、データが消去される。
このように旋回時に生じ得ない後輪パルス入力を除外することにより、走行停止時の機体の振動等により後輪回転センサ104が回転を検知しても旋回走行時の移動距離として認識しないので、植え付け装置4の下降するタイミングが早くなり過ぎることが防止され、苗の植え付け精度が向上する。
また、旋回走行中に一時的に高速で走行することがあっても、その際の後輪回転センサ104の検出値を一般的な旋回走行時に検出される検出値に自動変換することができるので、植え付け装置4の下降するタイミングが早くなり過ぎることが防止され、苗の植え付け精度が向上する。
本発明の苗移植機によれば、滑らかに苗を植え付けることが可能な効果を有し、田植機などとして有用である。
1 田植機
2 走行車体
3 昇降リンク装置
4 植え付け装置
5 施肥装置
10 前輪
11 後輪
12 ミッションケース
13 前輪ファイナルケース
15 メインフレーム
18 後輪ギアケース
20 エンジン
21 ベルト伝動装置
26 植え付け伝動軸
28 施肥伝動機構
30 エンジンカバー
2 走行車体
3 昇降リンク装置
4 植え付け装置
5 施肥装置
10 前輪
11 後輪
12 ミッションケース
13 前輪ファイナルケース
15 メインフレーム
18 後輪ギアケース
20 エンジン
21 ベルト伝動装置
26 植え付け伝動軸
28 施肥伝動機構
30 エンジンカバー
Claims (8)
- 走行車体(2)と、
前記走行車体(2)を操舵する操舵部材(34)と、
前記走行車体(2)の後側に連結して設けられ、苗を圃場に植え付ける植え付け装置(4)と、
水平な方向に前記植え付け装置を回動する水平方向回動機構(70)と、
前記操舵部材の操舵方向を検知する操舵検知部(102)と、
前記操舵検知部(102)からの操舵方向に基づいて、前記水平方向回動機構(70)を動作させ、前記植え付け装置(4)を水平な方向に回動させる制御部(73)を備えたことを特徴とする苗移植機。 - 前記制御部(73)は、
前記操舵方向が左方向の場合、前記植え付け装置(4)を右回転方向に回動し、
前記操舵方向が右方向の場合、前記植え付け装置(4)を左回転方向に回動することを特徴とする請求項1記載の苗移植機。 - 前記水平方向回動機構を動作させる操作スイッチ(107)を更に備え、
前記操作スイッチ(107)の操作により、前記操舵部材(34)の操作に関わらず、前記水平方向回動機構(70)が動作し、前記植え付け装置(4)が回動することを特徴とする請求項1記載の苗移植機。 - 前記操舵検知部(102)は、操舵角度を検知し、
前記制御部(73)は、前記操舵角度が所定角度以上の場合に、前記水平方向回動機構(70)を動作させ、
前記操作スイッチ(107)の操作による前記水平方向回動機構(70)の最大動作量は、前記操作角度が所定角度以上であるときの前記水平方向回動機構(70)の最小動作量よりも小さくしたことを特徴とする請求項3記載の苗移植機。 - 前記圃場の表面に対して垂直な方向に前記植え付け装置(4)を回動する垂直方向回動機構(71)を更に備え、
前記垂直方向回動機構(71)は、前記植え付け装置(4)を回動する回動支点である垂直方向回動軸(71a)を有し、
前記水平方向回動機構(70)は、前記植え付け装置(4)を回動する回動支点である水平方向回動軸(70a)を有し、
前記水平方向回動軸(70a)は、前記垂直方向回動軸(71a)の前側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の苗移植機。 - 前記水平方向回動軸(70a)は、その上部側が下部側よりも前方に位置する傾斜姿勢で配置されていることを特徴とする請求項5記載の苗移植機。
- 前記植え付け装置(4)は、
苗を圃場に植え付ける条単位毎の植え付け部(52)と、
前記中央側の植え付け部の前方に配置された、圃場に溝を作成して施肥を行うための中央側作溝施肥部(630)と、
前記中央側作溝施肥部の前側に配置されたフロート(55)と、
前記植え付け部(52)のうち、前記中央側の植え付け部以外の複数の前記植え付け部のそれぞれの前方に配置された端側作溝施肥部(631、632)と、
前記フロート(55)、前記中央側作溝施肥部(630)、及び複数の前記端側作溝施肥部(631、632)を支持する、左右方向に延びた支持部材(81)を有し、
前記端側作溝施肥部(631、632)の前側にはフロートが配置されていないことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。 - それぞれの前記端側作溝施肥部(631、632)は、
左右一対の作溝施肥器(63)と、
前記左右一対の作溝施肥器(63)を連結する連結部材(601)と、
前記連結部材(601)の後部の左右両側に上下方向に設けられたリンク受け板(602)と、
前記左右一対の作溝施肥器(63)の中央部であって、前記支持部材の下側に回動可能に設けられた下リンクフレーム(603)と、
前記左右一対の作溝施肥器(63)の内側又は外側であって、前記支持部材から上方に向かって設けられたリンク支持部(605)と、
前記リンク支持部(605)の上端から後方に向かって回動可能に設けられた上リンクフレームと、
前記リンク受け板(602)及び前記下リンクフレーム(603)を連結する下リンクシャフト(604)と、
前記リンク受け板(602)及び前記上リンクフレーム(606)を連結する上リンクシャフト(607)を有することを特徴とする請求項7記載の苗移植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012016952A JP2013153686A (ja) | 2012-01-30 | 2012-01-30 | 苗移植機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012016952A JP2013153686A (ja) | 2012-01-30 | 2012-01-30 | 苗移植機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106416541A (zh) * | 2016-09-20 | 2017-02-22 | 杭州职业技术学院 | 二自由度轮系水稻钵苗宽窄行移栽机构 |
CN109220109A (zh) * | 2018-09-05 | 2019-01-18 | 山东省农业机械科学研究院 | 双变速曲柄五杆式膜上倾斜移栽机构、农业机械及方法 |
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2012
- 2012-01-30 JP JP2012016952A patent/JP2013153686A/ja active Pending
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CN106416541A (zh) * | 2016-09-20 | 2017-02-22 | 杭州职业技术学院 | 二自由度轮系水稻钵苗宽窄行移栽机构 |
CN109220109A (zh) * | 2018-09-05 | 2019-01-18 | 山东省农业机械科学研究院 | 双变速曲柄五杆式膜上倾斜移栽机构、农业机械及方法 |
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