JP2018031551A - バーナケースの製造方法およびバーナケース - Google Patents

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Abstract

【課題】生産効率がよく、製造コストの低減化を適切に図ることが可能なバーナケースを提供する。【解決手段】被カシメ部11aを有する第1の部材Cmと、被カシメ部11aに対向する対向部41、およびこの対向部41に延設され、かつ曲げ加工が施されることにより対向部41との相互間に被カシメ部11aを挟み込むためのカシメ用の延設部44を有する第2の部材4と、を備えており、延設部44の長さ方向の一部は、爪部44aとして構成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、たとえば瞬間式給湯装置用などの燃焼装置の構成要素として用いられるバーナケースに関連する技術に関する。
本出願人は、瞬間式給湯装置用の燃焼装置の一例として、特許文献1に記載のものを先に提案している。
同文献に記載の燃焼装置は、バーナケース内にバーナが収容されている。ここで、バーナケースは、同文献の図3および図4に示されているように、上面開口部に加えて後面開口部が形成されたケース本体部と、前記後面開口部を塞ぐための蓋部とを組み合わせた構成とされている。後面開口部は、ケース本体部内にバーナを組み込むための開口部として利用される。
前記したようなバーナケースを製造する場合、従来においては、ケース本体部と蓋部とを固定させるための手段として、蓋部の複数箇所をケース本体部にビス止めする手段が採用されているのが実情であった。
ところが、このような手段によれば、蓋部の複数箇所のビス止め作業が煩雑であり、生産性がよいとは必ずしも言えない。また、バーナケース内の気体が外部に漏出しないように配慮する必要があるため、ビス止め手段を採用する場合には、蓋部とケース本体部との間にシール用パッキンを介装させる必要も生じる。したがって、製造コストが高価となる。
そこで、本件発明者らは、蓋部をケース本体部に固定させるための手段として、ビス止め手段に代えて、カシメ手段を用いることを着想した。ただし、バーナケースの製造作業は、ケース本体部内にバーナを組み込んだ後に、蓋部をケース本体部に組み付け固定させる必要がある。このため、ケース本体部へのバーナの組み込み作業時と、カシメ装置を用いたカシメ作業時とでは、カシメ装置の仕様などに対応させて、バーナケースの姿勢(向き)を変えなければならない場合がある。たとえば、ケース本体部へのバーナの組み込み作業時には、ケース本体部を起立させ、蓋部をケース本体部の後方から組み付ける姿勢とするが、カシメ装置を用いたカシメ作業を行なうには、蓋部がケース本体部の下に位置する姿勢に設定しなければならないといった場合が生じ得る。このようにバーナケースの姿勢を変化させる場合に、なんらかの手当てをしていなければ、ケース本体部と蓋部とが不当に位置ずれする。これを防止することを目的として、ケース本体部と蓋部との少数箇所をビス止めし、それらを仮固定させることが考えられるが、このような手段を採用したのでは、ビス止め作業がやはり煩雑であり、製造コストの十分な削減を図ることは難しい。
特開2013−242080号公報(図1〜図4)
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、生産効率がよく、製造コストの低減化を適切に図ることが可能なバーナケースの製造方法、およびバーナケースを提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供されるバーナケースの製造方法は、バーナケースの構成部材である第1および第2の部材どうしを組み合わせてからこれらの仮固定を図る仮固定工程と、この仮固定工程の後に、前記第1および第2の部材どうしの本固定を図るための本固定工程と、を有する、バーナケースの製造方法であって、前記第2の部材として、前記第1の部材の被カシメ部に対向する対向部、およびこの対向部に延設された延設部を有し、かつこの延設部の長さ方向の一部が爪部として構成されており、前記仮固定工程においては、前記爪部に曲げ加工を施すことにより、前記爪部と前記対向部との相互間に前記被カシメ部を挟み込む仮カシメ作業を行ない、前記本固定工程においては、前記延設部の前記爪部以外の部分にも曲げ加工を施すことにより、前記延設部と前記対向部との相互間に前記被カシメ部を挟み込む本カシメ作業を行なうことを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、バーナケースの構成部材である第1および第2の部材どうしを、カシメ連結するために、第1および第2の部材どうしを連結固定するための手段として、これらの部材をビス止めする必要をなくし、または少なくすることができる。したがって、第1および第2の部材の連結固定作業の簡素化を図り、バーナケースの生産性の向上、ならびに製造コストの低減を図ることが可能である。
第2に、第1および第2の部材をカシメ連結(本カシメ)する前に、第1および第2の部材を仮固定させるために、第1および第2の部材を位置ずれさせるようなことなく、本カシメ作業を適切に行なうことが可能である。
第3に、第1および第2の仮固定は、仮カシメにより行なうため、仮固定時においても、ビス止めの必要をなくし、または少なくすることができ、生産性をより高めることが可能である。
第4に、第1および第2の部材の仮固定は、本カシメに利用される延設部の一部である爪部を利用して行なうため、仮カシメ専用の部分を延設部とは別個に設けておくような必要はない。したがって、第1および第2の部材の構成の煩雑化を抑制することが可能である。
第5に、仮カシメ作業によって曲げ加工が施される爪部は、曲げ加工が容易なものとすることができる。その結果、簡易かつ小型の装置または機器を用いて、仮カシメ作業を容易かつ適切に行なうことが可能である。
第6に、仮カシメに利用された爪部の曲げ形状は、本カシメ作業時に矯正し、被カシメ部に密接するように設定することが可能である。したがって、爪部の箇所が、カシメ不良になるといった不具合も生じないようにすることが可能である。
本発明において、好ましくは、前記バーナケースは、開口部が形成され、かつ内部にバーナが収容されるケース本体部と、前記開口部を塞ぐように前記ケース本体部に取付けられる蓋部と、を備えており、前記ケース本体部および前記蓋部のうち、一方が前記第1の部材であり、他方が前記第2の部材である。
このような構成によれば、バーナケースの主要構成部材どうしを、本発明の製造方法によって、効率よくカシメ連結することができる。したがって、バーナケースの生産性を高め、製造コストの低減化を図る上で、一層好ましいものとなる。
本発明において、好ましくは、前記ケース本体部の前記開口部が略水平方向を向くように設定された状態において、前記開口部の左右両側には、上下高さ方向に延びる一対のフランジ部が設けられ、かつ前記蓋部の横幅方向の両側縁部は、前記一対のフランジ部に対向する領域とされており、前記一対のフランジ部および前記両側縁部のうち、一方が前記被カシメ部であり、かつ他方が前記対向部である。
このような構成によれば、ケース本体部への蓋部のカシメ連結を、簡易な構成によって適切に図ることができる。
本発明において、好ましくは、前記仮固定工程の後に、前記ケース本体部の前記開口部の下縁部と、前記蓋部の下縁部とを互いにカシメ連結する工程を、さらに有している。
このような構成によれば、ケース本体部の開口部を塞ぐように蓋部をケース本体部に連結固定することが、より合理的かつ適切に行なわれる。前記構成によれば、ケース本体部と蓋部とのビス止め箇所をなくし、または少なくする上で、一層好ましいものとなる。
本発明の第2の側面により提供されるバーナケースは、被カシメ部を有する第1の部材と、前記被カシメ部に対向する対向部、およびこの対向部に延設され、かつ曲げ加工が施されることにより前記対向部との相互間に前記被カシメ部を挟み込むためのカシメ用の延設部を有する第2の部材と、を備えており、前記延設部の長さ方向の一部は、爪部として構成されていることを特徴としている。
このような構成のバーナケースは、本発明の第1の側面により提供されるバーナケースの製造方法の実施に好適に用いることができ、前記バーナケースの製造方法について述べたのと同様な効果が得られる。
本発明において、好ましくは、前記爪部は、前記延設部の幅方向の外側縁からその内方に延びるように設けられた切欠凹部を介して他の部分とは区分されて構成され、または部分的な幅広状とされて構成されている。
このような構成によれば、簡易な構成により、延設部の一部を爪部とすることが可能である。また、前記したような構成の爪部は、曲げ変形を生じ易く、仮カシメ工程の容易化を図る上で、より好ましい。
本発明において、好ましくは、前記切欠凹部として、前記延設部の長さ方向の端部近傍に位置する切欠凹部が設けられており、この切欠凹部よりも前記端部側の領域が、前記爪部である。
このような構成によれば、前記爪部を曲げ易く、仮カシメ作業を容易に行なう上で、一層好ましい。前記爪部の一部を被カシメ部の端部に強く圧接させて係止させるといったことも可能となる。
本発明において、好ましくは、前記切欠凹部の前記幅方向の寸法は、前記延設部と前記被カシメ部との重なり幅以下とされている。
このような構成によれば、延設部に切欠凹部が形成されていることに起因して、第1および第2のカシメ連結箇所の気密性が損なわれる不具合を生じないようにすることが可能である。延設部と対向部との境界部分には、曲げ加工が施されているため、この曲げ加工部分においては、延設部と被カシメ部との密着性が悪くなる。したがって、切欠凹部が長い寸法に形成され、その一部が、延設部の曲げ加工部分に位置していたのでは、この部分は被カシメ部によって適切に塞がれず、気密性が損なわれる虞がある。これに対し、前記構成によれば、そのような虞をなくすことが可能である。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
(a)は、本発明に係るバーナケースの一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)のIb−Ib断面図であり、(c)は、(a)のIc−Ic断面図であり、(d)は、(a)の矢視Idの一部破断要部斜視図である。 (a)は、図1(a)に示すバーナケースの組み付け前におけるケース本体部と蓋部とのを構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb断面図であり、(c)は、(a)のIIc−IIc断面図である。 (a)は、図2(a)に示すケース本体部に蓋部を組み合わせた状態(非固定状態)を示す斜視図であり、(b)は、(a)のIIIb−IIIb断面図であり、(c)は、(a)の矢視IIIcの一部破断要部斜視図である。 (a)は、図3(a)に示すケース本体部に蓋部を仮固定させた状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)のIVb−IVb断面図であり、(c)は、(a)のIVc−IVc断面図であり、(d)は、(a)の矢視IVdの一部破断要部斜視図である。 図2(a)に示すケース本体部の分解斜視図である。 本発明の他の例を示す斜視図である。 本発明の他の例を示す斜視図である。 本発明の他の例を示す斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示すバーナケースBCは、上面が開口した略直方体状であり、その内部に収容される複数のバーナ5と組み合わされて、燃焼装置Bを構成している。この燃焼装置Bは、たとえば給湯装置の構成要素として用いられ、バーナ5により発生させた燃焼ガスを、湯水加熱用の熱交換器に供給するためのものである。複数のバーナ5は、たとえば特許文献1などに記載されたものと同様な構成である。バーナケースBC内には、バーナケースBCの側壁が高温に加熱されることを防止するための一対の遮熱板82(図2を参照)や、バーナケースBC内を2つの燃焼室に仕切る仕切板83なども組み付けられている。
バーナケースBCは、ケース本体部Cmと蓋部4とを組み合わせて構成されている。図2に示すように、ケース本体部Cmは、開口部として、上面開口部60に加え、略水平方向を向く後面開口部61も有している。上面開口部60は、バーナ5により発生させた燃焼ガスを上方に送り出すための部位であるのに対し、後面開口部61は、ケース本体部Cm内へのバーナ5の組み付け作業などに利用される部位である。この後面開口部61は、蓋部4によって塞がれる開口部であり、本発明でいうケース本体部の開口部の一例に相当する。
ケース本体部Cmは、図5に示すように、金属板にプレス加工を施して構成されたベース部材1およびバーナセット用部材2を組み合わせて構成されている(ただし、本発明におけるケース本体部は、単一部材で構成することもできる)。ベース部材1は、底壁部12、およびこの底壁部12の横幅方向両端部から上向きに起立した一対の側壁部11を備えている。底壁部12には、不図示のファンから吐出される燃焼用空気通過用の孔部10が設けられている。バーナセット用部材2は、複数の小サイズの通気孔24が設けられた整流板部20、この整流板部20の前側縁部から上向きに起立した前壁部21、およびバーナ5に燃料用ガスを供給するための複数の開口部22などを備えている。ケース本体部Cmの組み立ては、底壁部12の上側に整流板部20を重ね、かつ一対の側壁部11の相互間に前壁部21を介装させるように行なわれる。ベース部材1およびバーナセット用部材2どうしの組み付けは、たとえばそれらに設けられたフランジ部13,25を利用して、位置決めを図り、かつそれらをトックスかしめ、あるいは溶接するなどして行なわれる
図1に示すように、ケース本体部Cmに対する蓋部4の組み付け固定手段として、蓋部4の左右両側縁部をケース本体部Cmにカシメ連結させた一対の第1のカシメ部7Aと、蓋部4の下縁部をケース本体部Cmの下縁部にカシメ連結させた第2のカシメ部7Bとが設けられている。
第1のカシメ部7Aを説明すると、図2によく表われているように、ケース本体部Cmの一対の側壁部11の後端縁には、上下高さ方向に延びる一対のフランジ部11aが設けられている。このフランジ部11aは、本発明でいう被カシメ部の一例に相当する。一方、蓋部4は、起立状の板状であり、この蓋部4の左右両側縁部は、フランジ部11aに対向する一対の対向部41(図2の上下方向に延びる仮想線Lbよりも横幅方向外端側部分)を含んでいる。また、これら一対の対向部41の外側縁には、この外側縁から前方に突出するように屈曲したカシメ用の一対の延設部44が一体的に繋がった状態で延設されている。
図1(b)に示すように、第1のカシメ部7Aにおいては、フランジ部11aと対向部41とが対向接触し、かつ延設部44がフランジ部11aの背面側に廻り込むように曲げられている。このことにより、延設部44と対向部41との相互間にフランジ部11aが強く挟み込まれて固定されている。
なお、図2に示すように、延設部44には、複数の切欠凹部45が設けられ、仮カシメ用の爪部44aが形成されているが、この点については、後述する。
第2のカシメ部7Bを説明すると、図2(a)に示すように、蓋部4には、この蓋部4の下縁部から後方に向けて突出するように屈曲したフランジ部42、およびこのフランジ部42の先端から下向きに屈曲したカシメ用の延設部42aが設けられている。一方、ケース本体部Cmの底壁部12は、一対の側壁部11よりも後方側に突出した後端縁部12a(図5の横幅方向に延びる仮想線Laよりも底壁部12の先端側部分)を含んでおり、かつこの後端縁部12a上には、整流板部20の後端縁部23が重ねられている。
図1(c)に示すように、第2のカシメ部7Bにおいては、後端縁部12a,23、およびフランジ部42が、上下高さ方向に重なり、かつ延設部42aが後端縁部12aの下面側に廻り込むように曲げられている。このことにより、延設部42aとフランジ部42との間に、後端縁部12a,23が強く挟み込まれて固定されている。
次に、前記したバーナケースBCの製造方法の一例について説明する。
まず、蓋部4をケース本体部Cmに組み付ける前の段階においては、蓋部4を、図2に示すような構成としておく。
具体的には、各延設部44には、その上下両端部の近傍に位置する上下一対の切欠凹部45を設け、仮カシメ用の爪部44aを予め形成しておく(延設部44の上下方向は、本発明でいう延設部の長さ方向の一例に相当する)。切欠凹部45は、延設部44の幅方向の外側縁44cからその内方に延びるように設けられている。このことにより、上側の切欠凹部45よりも上側領域である延設部44の上端部、および下側の切欠凹部45よりも下側領域である延設部44の下端部は、上下長さが短めの仮カシメ用の爪部44aとなっている。
各切欠凹部45は、図示されているように、ある程度の上下幅をもつ凹部として形成できる他、これに代えて、細幅なスリット状、上下幅が殆どゼロに近い切り目状、あるいは延設部44の外側縁44c寄りほど開口幅が広がる略V字状などとすることも可能である
。各切欠凹部45を長い寸法に形成するほど、後述する仮カシメ作業において、爪部44aを大きく曲げ易くなる。ただし、好ましくは、各切欠凹部45の長さL1は、後述する本カシメ作業を終了した状態において、延設部44と被カシメ部11aとの重なり幅L2以下とされている(図1(d)を参照)。
蓋部4をケース本体部Cmに組み付ける際には、図3に示すように、蓋部4の対向部41を、ケース本体部Cmのフランジ部11aに対向接触させる。また、その際には、蓋部4のフランジ部42が、ケース本体部Cmの後端縁部12a,23上に重なるように、蓋部4の位置合わせを行なう。
次いで、前記した状態において、ケース本体部Cmと蓋部4との仮固定を図る。この仮固定は、図4に示すように、蓋部4の延設部44のうち、各爪部44aのみに曲げ加工を施し、各爪部44aと対向部41との相互間にフランジ部11aを挟み込む仮カシメ作業を行なうことにより図る。各爪部44aは、上下方向の長さが短くされているため、比較的容易に曲げることが可能である。したがって、ケース本体部Cmの姿勢を、図4に示した姿勢のまま、構成が簡易かつ小型のカシメ装置・機器を用いて、前記した仮カシメ作業を適切に行なうことが可能である。図4に示したケース本体部Cmの姿勢は、ケース本体部Cm内に複数のバーナ5を組み込む作業を行なう際の姿勢である。
各爪部44aは、延設部44の上下両端部に位置しているため、たとえば図4(d)に示すように、延設部44の下端部に位置する爪部44aについては、その一部をフランジ部11aの下端部に係合させるように圧接させることも可能となる。図示説明は省略するが、延設部44の上端部に位置する爪部44aについては、前記と同様な原理により、この爪部44aの一部をフランジ部11aの上端部に係合させるように圧接させることも可能である。したがって、仮カシメによるケース本体部Cmと蓋部4との仮固定を確実かつ強固に図ることが可能となる。
前記した仮固定を終えた後には、ケース本体部Cmと蓋部4との本固定を図るべく、図1および図2を参照して説明した第1のカシメ部7Aを形成するための本カシメ作業を行なう。併せて、第2のカシメ部7Bを形成するためのカシメ作業も行なう。このようなカシメ作業は、仮カシメ作業時とは別の比較的大型のカシメ装置を用いて行なうが、このカシメ装置は、たとえば蓋部4がケース本体部Cmの下側となるようにこれらを所定箇所にセッティングしなければならない仕様となっている。これに対応すべくケース本体部Cmおよび蓋部4の姿勢を変化させるような場合であっても、それらは前記した爪部44aを利用した仮固定が図られているため、ケース本体部Cmと蓋部4との間で不当な位置ずれなどを生じないようにすることが可能である。
第1のカシメ部7Aを形成するための本カシメ作業においては、図1に示すように、蓋部4の延設部44の上下方向の全長域に曲げ加工施し、この延設部44および対向部41のそれぞれの全長域の間に、フランジ部11aを強く挟み込ませる。その際、爪部44aについても曲げ加工を施すことにより、図1(d)に示すように、爪部44aの略全域をフランジ部11aに圧接させた状態とすることが可能である。同図に示すように、好ましくは、切欠凹部45の長さL1は、延設部44と被カシメ部11aとの重なり幅L2以下であるため、切欠凹部45がバーナケースBCの気密性を阻害することもない。延設部44の曲げ加工部44dにおいては、延設部44とフランジ部11aとの密着性が低くなりがちであるため、この部分に切欠凹部45が位置していると、バーナケースBC内の気体が切欠凹部45を通過して外部に流出する虞がある。これに対し、前記構成によれば、切欠凹部45の全体は、フランジ部11aによって適切に塞がれ、前記した虞は適切に解消される。
第2のカシメ部7Bについては、図1(c)に示すように、延設部42aに曲げ加工を施し、ケース本体部Cmの後端縁部12a,23の下面側に廻り込ませることにより、形成することが可能である。この第2のカシメ部7Bにおいては、ケース本体部Cmと蓋部4との固定が図られることに加え、ケース本体部Cmのベース部材1とバーナセット用部材2との固定連結も併せて図られる。
前記したカシメ作業により、図1に示したバーナケースBCを適切に製造することが可能である。バーナケースBCと蓋部4との組み付けに際し、ビス止め手段を用いておらず、カシメ作業のみによってそれらの組み付け固定を図っているために、生産性がよく、製造コストを廉価にすることが可能である。また、第1および第2のカシメ部7A,7Bは、気密性を高くすることができ、バーナケースBCと蓋部4との間にシール用パッキンを介装させる必要もないため、製造コストをより廉価にすることが可能である。
図6〜図8は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、その重複説明は省略する。
図6に示す実施形態においては、蓋部4の一対の延設部44のうち、一方の上端部に爪部44aを設け、かつ他方の下端部に爪部44aを設けている。このような構成によれば、爪部44aの総数を少なくしつつ、蓋部4をケース本体部Cmに安定的に仮固定させることが可能である。なお、前記実施形態においては、図2に示されているように、蓋部4に計4つの爪部44aを設けているが、仮カシメ作業を行なう場合に、これら4つの爪部44aの全てを利用して仮カシメを行なう必要はなく、図6に示した爪部44aの配置と同様に、4つの爪部44aのうち、たとえば2つの爪部44aのみを利用して仮カシメを行なうようにしてもよい。
本実施形態および前記実施形態から理解されるように、本発明においては、延設部44に設けられる爪部44aの具体的な数や、仮カシメに実際に利用される爪部44aの数は限定されない。
図7に示す実施形態においては、蓋部4の延設部44の上下方向(長さ方向)の中間領域に、2つの切欠凹部45を設け、かつこれらの相互間領域を爪部44aとしている。
このような構成においても、爪部44aは、その上下方向の長さが短くされているため、曲げ加工が容易であり、仮カシメに利用することが可能である。ただし、延設部44の長さ方向の端部に爪部44aを設ける場合には、切欠凹部45を1つだけ設ければよく、中間部に爪部44aを設ける場合には、切欠凹部45の数が増えること、および爪部44aは、延設部44の端部に位置する方が曲げ加工を行ない易いなどの理由から、爪部44aは、延設部44の長さ方向端部に設けることが好ましい。
図8に示す実施形態においては、延設部44の上下両端部を部分的な幅広部、すなわち延設部44の他の一般部分よりも幅広な部分とし、この部分を爪部44bとしている。
このような構成によれば、爪部44bの幅が広くされているため、この爪部44bを大きく曲げ易く、この爪部44bを利用して仮カシメを行なうことが可能である。本発明でいう爪部には、このような形態の爪部も含まれる。なお、図示説明は省略するが、前記したような幅広状の爪部44bを、延設部44の長さ方向の中間部に設けた構成とすることも可能である。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るバーナケースの製造方法の各工程の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に変更自在である。同様に、本発明に係るバーナケースの具体的な構成も、種々に設計変更自在である。
上述の実施形態では、バーナケースBCのフランジ部11aを被カシメ部とし、かつ蓋部4の両側縁部を対向部41としているが、これとは反対に、蓋部4の両側縁部を被カシメ部とし、かつフランジ部11aをそれに対向する対向部として、このフランジ部11aにカシメ用の延設部を延設した構成とすることも可能である。
上述の実施形態においては、バーナケースBCに蓋部4を組み付け固定させるための手段として、第1のカシメ部7Aに加え、第2のカシメ部7Bをも形成しているが、たとえば第2のカシメ部7Bを形成しない構成とすることもできる。この場合、蓋部4およびバーナケースBCのそれぞれの下縁部どうしを、たとえばビス止めしてもよい。この場合であっても、第1のカシメ部7Aを形成することにより、ビス止め箇所の総数を減らすなどの利点が得られる。
本発明でいう爪部は、延設部の一部を部分的に曲げて仮カシメを行なうことを可能とする爪状の部分であり、この爪部の具体的な形態は、上述した実施形態の爪部に限定されない。
本発明でいう第1および第2の部材は、バーナケースBCや蓋部4に限定されない。本発明は、バーナケースを構成する2つの部材を連結固定する場合に広く適用することが可能であり、たとえば図5に示したベース部材1とバーナセット用部材2との一方を第1の部材とし、かつ他方を第2の部材とし、それらの連結固定を図る場合に、本発明を適用することもできる。
バーナケースは、給湯装置用に限定されない。バーナケース内に収容されるバーナの具体的な種類や構成も限定されない。
B 燃焼装置
BC バーナケース
Cm ケース本体部(第1の部材)
11a フランジ部(被カシメ部)
12 底壁部
4 蓋部(第2の部材)
41 対向部
44 延設部
44a,44b 爪部
44c 外側縁(延設部の)
45 切欠凹部
5 バーナ
61 後面開口部(開口部)
7A 第1のカシメ部
7B 第2のカシメ部

Claims (10)

  1. バーナケースの構成部材である第1および第2の部材どうしを組み合わせてからこれらの仮固定を図る仮固定工程と、
    この仮固定工程の後に、前記第1および第2の部材どうしの本固定を図るための本固定工程と、
    を有する、バーナケースの製造方法であって、
    前記第2の部材として、前記第1の部材の被カシメ部に対向する対向部、およびこの対向部に延設された延設部を有し、かつこの延設部の長さ方向の一部が爪部として構成されており、
    前記仮固定工程においては、前記爪部に曲げ加工を施すことにより、前記爪部と前記対向部との相互間に前記被カシメ部を挟み込む仮カシメ作業を行ない、
    前記本固定工程においては、前記延設部の前記爪部以外の部分にも曲げ加工を施すことにより、前記延設部と前記対向部との相互間に前記被カシメ部を挟み込む本カシメ作業を行なうことを特徴とする、バーナケースの製造方法。
  2. 請求項1に記載のバーナケースの製造方法であって、
    前記爪部は、前記延設部の幅方向の外側縁からその内方に延びるように設けられた切欠凹部を介して他の部分とは区分されて構成され、または部分的な幅広状とされて構成されている、バーナケースの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のバーナケースの製造方法であって、
    前記バーナケースは、開口部が形成され、かつ内部にバーナが収容されるケース本体部と、前記開口部を塞ぐように前記ケース本体部に取付けられる蓋部と、を備えており、
    前記ケース本体部および前記蓋部のうち、一方が前記第1の部材であり、他方が前記第2の部材である、バーナケースの製造方法。
  4. 請求項3に記載のバーナケースの製造方法であって、
    前記ケース本体部の前記開口部が略水平方向を向くように設定された状態において、前記開口部の左右両側には、上下高さ方向に延びる一対のフランジ部が設けられ、かつ前記蓋部の横幅方向の両側縁部は、前記一対のフランジ部に対向する領域とされており、
    前記一対のフランジ部および前記両側縁部のうち、一方が前記被カシメ部であり、かつ他方が前記対向部である、バーナケースの製造方法。
  5. 請求項4に記載のバーナケースの製造方法であって、
    前記仮固定工程の後に、前記ケース本体部の前記開口部の下縁部と、前記蓋部の下縁部とを互いにカシメ連結する工程を、さらに有している、バーナケースの製造方法。
  6. 被カシメ部を有する第1の部材と、
    前記被カシメ部に対向する対向部、およびこの対向部に延設され、かつ曲げ加工が施されることにより前記対向部との相互間に前記被カシメ部を挟み込むためのカシメ用の延設部を有する第2の部材と、
    を備えており、
    前記延設部の長さ方向の一部は、爪部として構成されていることを特徴とする、バーナケース。
  7. 請求項6に記載のバーナケースであって、
    前記爪部は、前記延設部の幅方向の外側縁からその内方に延びるように設けられた切欠凹部を介して他の部分とは区分されて構成され、または部分的な幅広状とされて構成されている、バーナケース。
  8. 請求項7に記載のバーナケースであって、
    前記切欠凹部として、前記延設部の長さ方向の端部近傍に位置する切欠凹部が設けられており、この切欠凹部よりも前記端部側の領域が、前記爪部である、バーナケース。
  9. 請求項7または8に記載のバーナケースであって、
    前記切欠凹部の前記幅方向の寸法は、前記延設部と前記被カシメ部との重なり幅以下とされている、バーナケース。
  10. 請求項6ないし9のいずれかに記載のバーナケースであって、
    開口部が形成され、かつ内部にバーナが収容されるケース本体部と、前記開口部を塞ぐように前記ケース本体部に取付けられる蓋部と、を備えており、
    前記ケース本体部および前記蓋部のうち、一方が前記第1の部材であり、他方が前記第2の部材である、バーナケース。
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