JP2018030386A - オットマン用フットレスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートに着座している着座乗員の着座姿勢を保ったままフットレストを展開させることができるオットマン用フットレスト装置を得る。
【解決手段】フットレスト21は、リンク機構30によって、シート前後方向に沿って回動可能に支持されており、当該フットレスト21をオットマン14の下方側から上方側かつ前方側へ向かって回動させ、当該フットレスト21がオットマン14の前方側へ配置されるようになっている。つまり、フットレスト21は、着座乗員15の下腿部を下側から支持するオットマン14の下方側から上方側かつ前方側へ向かって回動するため、フットレスト21の移動軌跡は、オットマン14の下方側となる。したがって、フットレスト21を展開するにあたって、オットマン14によって支持された着座乗員15の下腿部が邪魔になることはなく、着座乗員15の着座姿勢を保ったままフットレスト21を展開させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オットマン用フットレスト装置に関する。
下記特許文献1には、足載装置に関する技術が開示されている。この足載装置は、シートに着座した着座乗員が脚を前に出した際、着座乗員の下腿部を載せることができるオットマンと、着座乗員の足部を載せることができるフットレストと、を備えている。
そして、この足載装置は、シートの下に配置されており、足載装置を使用する際には、着座乗員がシートの下からこの足載装置をシートの前方側へ引き出すようになっている。さらに、この足載装置では、フットレストがオットマンに対してシート前後方向に沿って回動可能に軸支されており、フットレストの格納時にはフットレストがオットマンの上に重ねられるようになっている。一方、フットレストの使用時には、フットレストをオットマンの上方側から前方側へ向かって回動させることによって、フットレストに足部を載せることができるようになっている。
特開2001−169856号公報
しかしながら、上記先行技術では、着座乗員が足載装置をシートの下からシートの前方側へ引き出すためには、この着座乗員は前傾姿勢を取らなければならない。一般に、着座乗員の大腿部、臀部を支持するシートクッションは、着座乗員の快適性を考慮して、車両後方側へ向かうにつれて下方側へ向かって傾斜している。つまり、シートクッションは、後部よりも前部の方が高くなっており、着座乗員が前傾姿勢を取る場合、この姿勢は、シートクッションが水平に配置された場合よりもさらに辛いものとなる。
また、上記先行技術では、フットレストの使用時(展開時)に、フットレストをオットマンの上方側から前方側へ向かって回動(展開)させることによって、フットレストに足部を載せることができるようになっている。このため、フットレストをオットマンの前方側へ展開させる際に、フットレストの移動軌跡上から下腿部を退避させる必要がある。
本発明は、上記事実を考慮し、シートに着座している着座乗員の着座姿勢を保ったままフットレストを展開させることができるオットマン用フットレスト装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のオットマン用フットレスト装置は、乗員が着座するシートクッションに設けられ、使用状態において、前記シートクッションの前方側へ配置され当該シートクッションに着座した着座乗員の下腿部を下側から支持するオットマンと、前記オットマンに設けられ、使用状態において、当該オットマンの前方側へ配置され前記着座乗員の足部を支持するフットレストと、前記フットレストを使用する際、前記フットレストを前記オットマンにおけるシート上下方向の下方側からシート上下方向の上方側かつシート前後方向の前方側へ向かって迫出させて当該フットレストを前記オットマンの前方側へ配置させる移動機構と、を有している。
請求項1に記載のオットマン用フットレスト装置では、乗員が着座するシートクッションに設けられたオットマンにフットレストが設けられている。当該オットマンは、使用状態において、シートクッションの前方側へ配置され、シートクッションに着座した着座乗員の下腿部を下側から支持するようになっており、フットレストは、使用状態において、当該オットマンの前方側へ配置され、着座乗員の足部を支持するようになっている。
ここで、フットレストは、当該フットレストを使用する際(展開させる際)、移動機構により、当該フットレストをオットマンの下方側から上方側かつ前方側へ向かって迫出させて、当該フットレストがオットマンの前方側へ配置されるようになっている。つまり、フットレストは、着座乗員の下腿部を下側から支持するオットマンの下方側から上方側かつ前方側へ向かって移動する(迫出す)ようになっている。このため、フットレストの移動軌跡は、オットマンの下方側となる。したがって、フットレストを展開させるにあたって、着座乗員の下腿部が邪魔になることはなく、着座乗員の着座姿勢を保ったままフットレストを展開させることができる。
請求項2に記載のオットマン用フットレスト装置は、請求項1に記載のオットマン用フットレスト装置において、前記移動機構は、シート上下方向のストロークよりもシート前後方向のストロークの方が長くなるように設定されたリンク機構によって構成されている。
請求項2に記載のオットマン用フットレスト装置では、リンク機構によって、シート上下方向のストロークよりもシート前後方向のストロークの方を長くなるようにしている。
一般に、オットマンの前方側に設けられる空間と比較して、オットマンの下方側に設けられる空間は狭くなるが、当該リンク機構によって、シート上下方向のストロークよりもシート前後方向のストロークの方を長くすることにより、オットマンの下方側から上方側かつ前方側へ向かって迫出すフットレストの移動軌跡を確保することができる。
また、フットレストに当該リンク機構を備えることによって、当該フットレストの移動において、単にオットマンを支軸としてフットレストを回転させる場合と比較して自由度が広がる。
請求項3に記載のオットマン用フットレスト装置は、請求項2に記載のオットマン用フットレスト装置において、前記リンク機構は、前記オットマンに設けられたブラケットのシート幅方向に沿った第1軸線を中心に回動可能とされる第1リンク部材と、シート前後方向に沿って配置され、シート前後方向の後端部が前記第1リンク部材の自由端部に回動可能に連結された第2リンク部材と、前記第2リンク部材と平行にシート前後方向に沿って配置され、シート前後方向の前端部と前記第2リンク部材のシート前後方向の前端部との間に着座乗員の足部を載せる足載せ部が設けられた第3リンク部材と、前記ブラケットのシート幅方向に沿った第2軸線を中心に回動可能とされ、自由端部が前記第3リンク部材のシート前後方向の後端部に回動可能に連結された第4リンク部材と、を含んで構成されている。
なお、ここでの「平行」は、互いの面が完全に平行になっている場合に限らず、完全に平行である場合と実質的に同様の作用及び効果が得られる場合も含まれる。いわゆる「略平行」の意味で用いている。
請求項3に記載のオットマン用フットレスト装置では、リンク機構は複数のリンク部材を含んで構成されている。具体的に説明すると、オットマンにはブラケットが設けられており、当該ブラケットには、シート幅方向に沿った第1軸線を中心に第1リンク部材が回動可能とされている。この第1リンク部材の自由端部には、シート前後方向に沿って配置された第2リンク部材のシート前後方向の後端部が回動可能に連結されている。
また、第2リンク部材と略平行に第3リンク部材がシート前後方向に沿って配置されており、第2リンク部材のシート前後方向の前端部と第3リンク部材のシート前後方向の前端部との間には、着座乗員の足部を載せる足載せ部が設けられている。そして、ブラケットのシート幅方向に沿った第2軸線を中心に第4リンク部材が回動可能とされる。この第4リンク部材の自由端部に第3リンクの後端部が回動可能に連結されている。
すなわち、当該リンク機構では、ブラケットに対して、第1リンク部材、第4リンク部材が第1軸線、第2軸線を中心に、それぞれシート前後方向に沿って回動可能とされている。このため、第1リンク部材の回動により、シート前後方向に沿って配置された第2リンク部材が第1軸線を中心に回動する。このとき、足載せ部を介して、第2リンク部材と略平行に配置された第3リンク部材が第2リンク部材と共に回動する。そして、この第3リンク部材を介して第4リンク部材が第2軸線を中心に回動することとなる。
ここで、第2リンク部材は第1リンク部材に対して回動可能に連結され、第3リンク部材は第4リンク部材に対して回動可能に連結されている。このため、第1リンク部材及び第4リンク部材がシート前後方向に沿って回動すると、第2リンク部材、第3リンク部材は、それぞれ第1リンク部材、第4リンク部材に対して回動しながら、当該第2リンク部材、第3リンク部材との間で成す角をそれぞれ調整し、足載せ部を略水平に保持した状態でそれぞれシート前後方向に沿って移動する。
これにより、フットレストを、オットマンの下方側において、第1リンク部材、第4リンク部材によって回動させ、第1リンク部材及び第2リンク部材、第3リンク部材及び第4リンク部材によって、足載せ部をオットマンの前方側へ迫出させることができる。つまり、オットマンの下方側において、フットレストを短いストローク(L1)で移動(回動)させ、オットマンの前方側において、フットレストを長いストローク(L2>L1)で移動させる(迫出させる)ことができる。
請求項4に記載のオットマン用フットレスト装置は、請求項3に記載のオットマン用フットレスト装置において、前記足載せ部は、前記着座乗員の足部の土踏まずに対応する位置に配置される。
請求項4に記載のオットマン用フットレスト装置では、足載せ部は、着座乗員の足部の土踏まずに対応する位置に配置されるため、着座乗員は、足載せ部に足部を載せた状態で足首が安定し、フットレストが設けられていないオットマンと比較して座り心地の良さがさらに向上する。
請求項5に記載のオットマン用フットレスト装置は、請求項4に記載のオットマン用フットレスト装置において、前記足載せ部がパイプで形成されている。
請求項5に記載のオットマン用フットレスト装置では、足載せ部がパイプで形成されているため、着座乗員は、靴を脱いだ状態で当該着座乗員の足部の土踏まずの位置に合わせて当該足載せ部に足部を載せることができる。このため、足載せ部に対して足部の位置決めができ、また、足部の疲れを抑制することができる。
請求項6に記載のオットマン用フットレスト装置は、請求項2〜請求項5の何れか1項に記載のオットマン用フットレスト装置において、前記オットマンには、前記フットレストが格納された格納状態における前記リンク機構をシート幅方向の外側から覆うカバー部材が設けられている。
請求項6に記載のオットマン用フットレスト装置では、オットマンにカバー部材が設けられ、フットレストの格納状態におけるリンク機構をシート幅方向の外側から覆うようにしている。したがって、フットレストを使用しない状態では、当該リンク機構はシート幅方向の外側から見えないようになっている。これにより、フットレストのリンク機構が車室内側に露出することによる美観の低下を抑制することができる。また、リンク機構内へ異物などが入り込まないように抑制することができる。
請求項7に記載のオットマン用フットレスト装置は、請求項3に記載のオットマン用フットレスト装置において、前記オットマンの使用状態において、当該オットマンの上面に対して平行な面を基準面として、前記第2リンク部材のシート前後方向の前端部及び前記第3リンク部材のシート前後方向の前端部は、それぞれ当該第2リンク部材のシート前後方向の後端部及び当該第3リンク部材のシート前後方向の後端部よりもシート上下方向の上方側に配置されるように形成されている。
請求項7に記載のオットマン用フットレスト装置では、使用状態におけるオットマンの上面に対して平行な面を基準面として、第2リンク部材の前端部及び第3リンク部材の前端部は、それぞれ当該第2リンク部材の後端部及び当該第3リンク部材の後端部よりもシート上下方向の上方側に配置されるように形成されている。つまり、第2リンク部材の前端部及び第3リンク部材の前端部は、当該第2リンク部材の後端部及び当該第3リンク部材の後端部に対して立ち上がった状態となっている。
一方、第2リンク部材の前端部と第3リンク部材の前端部の間に足載せ部が設けられている。このため、第2リンク部材及び第3リンク部材に対して足載せ部は上方側に配置されることになる。オットマンに対して足載せ部の高さ方向(シート上下方向)の位置は予め設定されるが、第2リンク部材及び第3リンク部材に対して、足載せ部が上方側に配置されるようにすることで、本構成を有していない場合と比較して、オットマンの下方側から上方側かつ前方側へ向かって迫出す際の第2リンク部材及び第3リンク部材のストロークを短くすることができる。
請求項8に記載のオットマン用フットレスト装置は、請求項7に記載のオットマン用フットレスト装置において、前記オットマンのシート前後方向の前端部には、前記第2リンク部材のシート前後方向の前端部及び前記第3リンク部材のシート前後方向の前端部の少なくとも一部を収容可能とする収容部が設けられている。
請求項8に記載のオットマン用フットレスト装置では、オットマンの前端部に収容部が設けられており、当該収容部には、第2リンク部材の前端部及び第3リンク部材の前端部の少なくとも一部を収容可能としている。
第2リンク部材及び第3リンク部材において、後端部に対して前端部が立ち上がった状態となるように形成されることによって、当該第2リンク部材及び第3リンク部材のシート上下方向の厚みは厚くなる。フットレストの格納状態では、第2リンク部材及び第3リンク部材はオットマンの下側に配置されるため、第2リンク部材及び第3リンク部材の厚みが厚くなった分、フットレストを含むオットマンの厚みが厚くなることになる。
しかし、前述のように、オットマンの前端部に第2リンク部材の前端部及び第3リンク部材の前端部の少なくとも一部を収容する収容部を設けることによって、当該収容部が設けられていない場合と比較して、フットレストを含むオットマンの厚みを薄くすることができる。
請求項1に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、シートに着座している着座乗員の着座姿勢を保ったままフットレストを展開させることができる。
請求項2に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、フットレストの移動において、単にオットマンを支軸としてフットレストを回転させる場合と比較して自由度が広がる。
請求項3に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、シート上下方向のストロークよりもシート前後方向のストロークの方が長くすることができる。
請求項4に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、着座乗員の足首が安定し、フットレストが設けられていないオットマンと比較して座り心地の良さがさらに向上する。
請求項5に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、足部の疲れを抑制することができる。
請求項6に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、フットレストのリンク機構が車室内側に露出することによる美観の低下を抑制することができ、また、リンク機構内へ異物などが入り込まないように抑制することができる。
請求項7に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、本構成を有していない場合と比較して、第2リンク部材及び第3リンク部材が、オットマンの下方側から上方側かつ前方側へ向かって迫出す際のストロークを短くすることができる。
請求項8に記載のオットマン用フットレスト装置によれば、本構成を有していない場合と比較して、フットレストを含むオットマンの厚みを薄くすることができる。
本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置を構成するフットレストが展開された状態を示す車両用シートをシート左斜め前方から見た斜視図である。 本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置を構成するフットレストの移動軌跡を示すシート左側から見た側面図である。 本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置の構成を示すオットマン及びフットレストを下面側から見た分解図である。 本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置を構成するリンク部材の一部を示す分解斜視図である。 本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置を構成するフットレストが格納された状態を示す図3のA−A線に沿って切断したときの側断面図である。 本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置を構成するフットレストが展開している状態を示す図3のA−A線に沿って切断したときの側断面図である。 本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置を構成するフットレストが展開された状態を示す図3のA−A線に沿って切断したときの側断面図である。 本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置を構成するフットレストが格納された状態を示すシート左側から見た側面図である。
以下、図面を用いて、本実施の形態に係るオットマン用フットレスト装置(以下、単に「フットレスト装置」という)11が適用された車両用シート10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRは、車両用シート10のシート前側を示し、矢印UPはシート上側を示し、矢印Wはシート幅方向を示す。
図1に示されるように、車両用シート10は、シート本体12と、オットマン14と、フットレスト21と、を含んで構成されている。シート本体12は、乗員が着座するシートクッション16と、シートクッション16の後端部に連結され当該シートクッション16に着座している乗員(以下、「着座乗員」という)15の背部を支持するシートバック18と、シートバック18の上端部に設けられ着座乗員15の頭部を支持するヘッドレスト20と、を含んで構成されている。
一方、オットマン14は、図2に示されるように、シートクッション16の前端部16Aに配置された格納位置P(2点鎖線で示す)とシートクッション16の前方側へ迫出した展開位置Q(実線で示す)との間を移動可能とされている。
当該オットマン14について簡単に説明すると、オットマン14は、格納位置Pでは、シートクッション16の前端部16Aの下方側においてシート上下方向かつシート幅方向に沿って配置されており、展開位置Qでは、シートクッション16の前方側へ迫出した状態で、シート前後方向かつシート幅方向に沿って配置されて着座乗員15の下腿部を支持可能とされる。そして、当該オットマン14にフットレスト21が設けられている。
図3には、オットマン14を備えたフットレスト装置11を下面側から見た分解図が示されており、図5には、フットレスト21が格納された状態(格納位置R)を示す図3のA−A線に沿って切断したときの側断面図が示されている。
図3及び図5に示されるように、オットマン14の裏面側には、金属の板材等によって形成されたブラケット24が設けられている。ブラケット24の上にはウレタン等の発泡材によって製作された脚載せパッド26が設けられており、当該脚載せパッド26上に着座乗員15の下腿部が支持される。なお、脚載せパッド26の表面はトリム27によって覆われている。
また、オットマン14のシート幅方向の両端部には、図1に示されるように、板状のカバー部材28がそれぞれ設けられている。このカバー部材28は、車両用シート10の側方から見た側面視では、下方側へ膨らむ半円状を成している。また、カバー部材28の直径は、オットマン14のシート前後方向の長さよりも短く形成されており、カバー部材28の周方向の端部28Aがオットマン14の前端部14Aに位置合わせされた状態で、当該カバー部材28はオットマン14に固定されている。
さらに、カバー部材28のシート幅方向の内側には、図5に示すフットレスト21の格納位置Rにおけるリンク機構(移動機構)30が配置されており、フットレスト21が格納された状態で、当該カバー部材28によってリンク機構30は幅方向の外側から覆われるようになっている。
ここで、フットレスト装置11について以下に説明する。
(フットレスト装置の構成)
まず、本実施の形態に係るフットレスト装置11の構成について説明する。
図3に示されるように、オットマン14の裏面側に設けられたブラケット24には、当該ブラケット24のシート幅方向の略中央部におけるシート前後方向の略中央部に駆動モータ32が配設されている。
この駆動モータ32は、例えば、図示はしないが、シートクッション16のシート幅方向の外側に設けられ、着座乗員15の前腕部を支持するアームレストに設けられたスイッチによって操作可能とされる。当該駆動モータ32にはギア列34が連結されており、ギア列34の最終ギア36には、シャフト38の一端部が固定されている。また、シャフト38の他端部は、ブラケット24に設けられた軸板40によって回転可能に支持されている。
このため、駆動モータ32が駆動すると、当該駆動モータ32の駆動力は、ギア列34を介してシャフト38に伝達され、当該シャフト38は回転する。なお、ここでは、シャフト38は、シート幅方向に沿って配置されており、シャフト38の軸線38Aが、第1軸線となる。
当該シャフト38には、金属で形成された長板状のリンク部材(第1リンク部材)42の長手方向の一端部42Aが固定されており、当該リンク部材42は、シャフト38と一体に軸線38Aを中心に回動可能とされている。つまり、リンク部材42は、シート前後方向に沿って回動する。
一方、ブラケット24の先端部24Aには、リンク部材42の移動軌跡上にシート幅方向に沿って当接リブ44が設けられている。この当接リブ44には、図7に示されるように、フットレスト21が展開された状態(展開位置S)で、リンク部材42の上端部42Cが当接可能となっている。
このため、フットレスト21の展開時に、リンク部材42の上端部42Cが当接リブ44に当接すると、当該フットレスト21は矢印A方向への回動移動が規制され、死点越えが防止される。なお、フットレスト21が展開された状態で、フットレスト21はいわゆる使用状態となる。
図3に示されるように、リンク部材42の長手方向の他端部(自由端部)42Bには、シート前後方向に沿って配置され側面視で略V字状(図5参照)に形成された金属製のリンク部材(第2リンク部材)46の後端部46Aが、かしめピン48を介して、当該リンク部材42に対して回動可能に連結されている。
なお、ここでは、リンク部材42は側面視で略V字状に形成されているが、これは、図5に示されるように、軸板40との干渉を回避するためのものである。このため、当該リンク部材42の形状については、特にこの形状に限定されるものではない。
当該リンク部材46の前端部46Bには、上方側に回転中心が設けられた円弧部52が設けられており、この円弧部52には、パイプ状の足載せ部54の長手方向の略中央部が固定されている。このため、円弧部52の曲率半径は、足載せ部54の曲率半径と略同じとなるように設定されている。
一方、ブラケット24のシート前後方向の略中央部には、リンク部材46の移動軌跡上に直方体状の当接部50が設けられている。この当接部50には、図5に示されるように、フットレスト21の格納位置Rで、リンク部材46の上端部46Cが当接可能となっている。このため、フットレスト21の格納時に、リンク部材46の上端部46Cが当接部50に当接すると、当該フットレスト21は矢印B方向への回動移動が規制され、死点越えが防止される。
また、図3に示されるように、ブラケット24のシート幅方向の両端部には、軸板56がそれぞれ設けられており、軸板56に形成された軸穴57には、金属で形成された長板状のリンク部材(第4リンク部材)58の長手方向の一端部58Aが回動可能に支持されている。つまり、リンク部材58は、シート前後方向に沿って回動する。なお、ここでは、軸穴57の軸線57Aが第2軸線となるが、図面の見やすさを考慮して、軸穴57は図3の右側のみ符号を入れ、軸線57Aは図3の左側のみ符号を入れている。
そして、リンク部材58の長手方向の他端部(自由端部)58Bには、シート前後方向に沿って配置され金属で形成された長板状のリンク部材(第3リンク部材)60の後端部60Aが、ボルト61(図1参照)を介して、当該リンク部材58に対して回動可能に連結されている。
具体的に説明すると、図4には、リンク部材58とリンク部材60を示す分解斜視図が示されているが、この図に示されるように、リンク部材60の後端部60Aには、当該ボルト61が収容可能な凹部63が形成されている。この凹部63内には、ブッシュ65を介して、ボルト61が収容されるようになっている。一方、リンク部材58の自由端部58Bには、ナット67が設けられており、このナット67にボルト61が締結されるようになっている。なお、ナット67とリンク部材60の間には、ワッシャー69が配置されており、また、ナット67を含めリンク部材58の自由端部58B側は、カバー部材71によって覆われるようになっている。
また、リンク部材60の後端部60Aからは、シート幅方向の内側へ向かって当接片73が設けられている。この当接片73には、リンク部材58が当接可能とされており、図7に示されるように、フットレスト21を展開させた状態で、図4に示すリンク部材58が当該当接片73に当接するようになっている。このように、リンク部材58が、リンク部材60の当接片73に当接することにより、図7に示すフットレスト21は矢印A方向への回動移動が規制され、死点越えが防止されるようになっている。
図3及び図5に示されるように、当該リンク部材60の前端部60Bには、嵌合穴62が形成されており、当該嵌合穴62には、足載せ部54が嵌合している。つまり、足載せ部54はリンク部材60の前端部60B及びリンク部材46の前端部46Bに固定されており、足載せ部54、リンク部材60及びリンク部材46は一体に移動することとなる。
そして、図7に示されるように、フットレスト21の展開位置Sでは、足載せ部54は、オットマン14の上面14Bと略同じ平面Hよりも上方側に配置されており、図2に示されるように、足載せ部54は、オットマン14に下腿部が支持された着座乗員15の足部の土踏まずに対応する位置に配置されるように設定されている。
また、図1及び図8に示されるように、リンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bは、それぞれ上方へ向かって湾曲している。そして、オットマン14の使用状態において、当該オットマン14の上面14B(平面H)に対して平行な面H1を基準面として、当該リンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bは、リンク部材46の後端部46A及びリンク部材60の後端部60Aよりも上方側に配置されるように形成されている。これに対して、オットマン14の前端部14Aには、切欠き部(収容部)64が形成されており、切欠き部64内にリンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bの一部が収容されるように設定されている。
(フットレスト装置の作用及び効果)
次に、本実施の形態に係るフットレスト装置11の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、図3に示すリンク機構30において、フットレスト21を使用する際、駆動モータ32が駆動させると、図5〜図7に示されるように、リンク部材42が矢印A方向へ回動し、当該リンク部材42を介して、シート前後方向に沿って配置されたリンク部材46がシャフト38を中心に矢印A方向へ回動する。このとき、リンク部材46に設けられた足載せ部54を介して、リンク部材46と共にリンク部材60が回動し、当該リンク部材60を介してリンク部材58が軸線57A(図3参照)を中心に回動する。
ここで、リンク部材46はリンク部材42に対して回動可能に連結されており、リンク部材60はリンク部材58に対して回動可能に連結されている。このため、リンク部材42、58が軸線38A、57Aを中心にそれぞれ回動すると、リンク部材46、60は、それぞれリンク部材42、58に対して回動しながら、当該リンク部材42、58との間で成す角をそれぞれ調整して、足載せ部54を略水平に保持した状態でそれぞれシート前後方向の前方側へ向かって迫出される。
すなわち、本実施形態によれば、図2及び図3に示されるように、フットレスト21を、オットマン14の下方側において、リンク部材42、58によって回動させ、オットマン14の前方側において、リンク部材42及びリンク部材46、リンク部材58及びリンク部材60によって足載せ部54を迫出させることができる。
したがって、オットマン14の下方側において、フットレスト21を短いストローク(L1)で移動(回動)させ、オットマン14の前方側において、フットレスト21を長いストローク(L2>L1)で移動させる(迫出させる)ことができる。なお、寸法Lは、フットレスト21の格納位置Rにおけるリンク部材46の頂部46Dからフロア位置(FL)までの長さである。
以上のように、本実施形態では、図2に示されるように、フットレスト21は、リンク機構30によって、シート前後方向に沿って回動可能に支持されており、当該フットレスト21をオットマン14の下方側から上方側かつ前方側へ向かって回動させ、当該フットレスト21がオットマン14の前方側へ配置されるようになっている。
つまり、フットレスト21は、着座乗員15の下腿部を下側から支持するオットマン14の下方側から上方側かつ前方側へ向かって回動する。このため、フットレスト21の移動軌跡は、オットマン14の下方側となる。したがって、フットレスト21を展開するにあたって、オットマン14によって支持された着座乗員15の下腿部が邪魔になることはなく、着座乗員15の着座姿勢を保ったままフットレスト21を展開させることができる。
ところで、一般に、オットマンの前方側に設けられる空間と比較して、オットマンの下方側に設けられる空間は狭くなる。このため、図2に示されるように、リンク機構30によってシート上下方向のストロークL1よりもシート前後方向のストロークL2の方を長くすることにより、オットマン14の下方側から前方側へ向かって移動するフットレスト21の移動軌跡を確保することができる。また、フットレスト21の移動において、図示はしないが、単にオットマンを支軸としてフットレストを回転させる場合と比較して自由度が広がる。また、当該リンク機構30では、シンプルな部品構成とすることができるため、コストを抑えることができる。
また、本実施形態では、図2に示されるように、フットレスト21の展開位置Sにおいて、足載せ部54は、オットマン14に下腿部が支持された着座乗員15の足部の土踏まずに対応する位置に配置されるように設定されている。これにより、着座乗員15は、足載せ部54に足部を載せた状態で足首が安定し、図示はしないが、フットレストが設けられていないオットマンと比較して座り心地の良さがさらに向上する。
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、足載せ部54がパイプで形成されている。このため、着座乗員15は、靴を脱いだ状態で当該着座乗員15の足部の土踏まずの位置に合わせて当該足載せ部54に足部を載せることができる。
つまり、足載せ部54に対して足部の位置決めができ、また、足部の疲れを抑制することができる。また、足載せ部54を介して土踏まずを押圧することで、マッサージ効果を得ることができる。なお、当該足載せ部54の形状はこれに限るものではなく、例えば、板材によって板状に形成されてもよい。
また、本実施形態では、足載せ部54は、リンク部材60の前端部60B及びリンク部材46の前端部46Bに固定されているが、必ずしも固定する必要はない。例えば、図示はしないが、足載せ部において、周方向の半分につぼ押し用の突起部を設け、当該足載せ部が周方向に沿って回転可能となるようにしてもよい。これにより、足載せ部54に足部を載せた状態で、つぼ押しするか否かの選択が可能となる。さらに、足載せ部の内部に当該足載せ部に特定の振動を与える振動部を設け、当該足載せ部がマッサージ器として適用されてもよい。
さらにまた、本実施形態では、図1に示されるように、オットマン14には、カバー部材28が設けられ、フットレスト21が格納された状態(格納位置R)におけるリンク機構30をシート幅方向の外側から覆うようにしている。これにより、フットレスト21を使用しない状態、つまりフットレスト21の格納状態では、当該リンク機構30はシート幅方向の外側から見えないようになっている。
したがって、本実施形態によれば、フットレスト21のリンク機構30が車室内側に露出することによる美観の低下を抑制することができる。また、リンク機構30内へ異物などが入り込まないように抑制することができる。
また、図1及び図8に示されるように、リンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bは、それぞれ上方へ向かって湾曲している。そして、オットマン14の使用状態において、当該オットマン14の上面14B(平面H)に対して平行な面H1を基準面として、当該リンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bは、リンク部材46の後端部46A及びリンク部材60の後端部60Aよりも上方側に配置されるように形成されている。
つまり、リンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bは、当該リンク部材46の後端部46A及びリンク部材60の後端部60Aに対して立ち上がった状態となっている。一方、リンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bの間に足載せ部54が設けられているため、リンク部材46及びリンク部材60に対して足載せ部54は上方側に配置されることになる。
ここで、オットマン14に対して足載せ部54の高さ方向の位置は予め設定される。このため、リンク部材46及びリンク部材60に対して、足載せ部54が上方側に配置されるようにすることで、この構成を有していない場合と比較して、オットマン14の下方側から上方側かつ前方側へ向かって迫出す際のリンク部材46及びリンク部材60のストロークを短くすることができる。
さらに、本実施形態では、オットマン14の前端部14Aには、切欠き部64が形成されており、当該切欠き部64内にリンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bの一部が収容されるように設定されている。
前述のように、リンク部材46及びリンク部材60において、後端部46A、後端部60Aに対して前端部46B、前端部60Bが立ち上がった状態となるように形成されることによって、当該リンク部材46及びリンク部材60のシート上下方向の厚み(t1)は厚くなる。フットレスト21の格納状態(格納位置R)では、リンク部材46及びリンク部材60はオットマン14の下側に配置されるため、リンク部材46及びリンク部材60の厚みが厚くなった分、フットレスト21を含むオットマン14の厚み(t)が厚くなることになる。
しかし、前述のように、オットマン14の前端部14Aにリンク部材46の前端部46B及びリンク部材60の前端部60Bの一部が収容される切欠き部64を設けることによって、当該切欠き部64が設けられていない場合と比較して、フットレスト21を含むオットマン14の厚みを薄くすることができる。
なお、本実施形態では、フットレスト21を移動させる移動機構として、リンク機構30を例に挙げて説明したが、当該フットレスト21をオットマン14の下方側から上方側かつ前方側へ向かって迫出させることができればよいため、これに限るものではない。つまり、当該リンク機構30に限るものではなく、他の構成によるリンク機構を用いてもよい。また、リンク機構に限るものではなく、シート前後方向に沿って回動させる回動機構やシート前後方向に沿ってスライドさせるスライド機構等を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 車両用シート
11 オットマン用フットレスト装置
12 シート本体
14 オットマン
14A 前端部(オットマンのシート前後方向の前端部)
14B 上面(オットマンの上面)
15 着座乗員
16 シートクッション
21 フットレスト
24 ブラケット
28 カバー部材
30 リンク機構(移動機構、フットレスト)
38A 軸線(第1軸線)
42 リンク部材(第1リンク部材、リンク機構、移動機構)
46 リンク部材(第2リンク部材、リンク機構、移動機構)
46A 後端部(第2リンク部材のシート前後方向の後端部)
46B 前端部(第2リンク部材のシート前後方向の前端部)
54 足載せ部(フットレスト)
57A 軸線(第2軸線)
58 リンク部材(第4リンク部材、リンク機構、移動機構)
60 リンク部材(第3リンク部材、リンク機構、移動機構)
60A 後端部(第3リンク部材のシート前後方向の後端部)
60B 前端部(第3リンク部材のシート前後方向の前端部)
64 切欠き部(収容部)
H1 基準面(オットマンの上面に対して平行な面)
L1 ストローク(シート上下方向のストローク)
L2 ストローク(シート前後方向のストローク)
R 格納位置(格納状態)

Claims (8)

  1. 乗員が着座するシートクッションに設けられ、使用状態において、前記シートクッションの前方側へ配置され当該シートクッションに着座した着座乗員の下腿部を下側から支持するオットマンと、
    前記オットマンに設けられ、使用状態において、当該オットマンの前方側へ配置され前記着座乗員の足部を支持するフットレストと、
    前記フットレストを使用する際、前記フットレストを前記オットマンにおけるシート上下方向の下方側からシート上下方向の上方側かつシート前後方向の前方側へ向かって迫出させて当該フットレストを前記オットマンの前方側へ配置させる移動機構と、
    を有するオットマン用フットレスト装置。
  2. 前記移動機構は、シート上下方向のストロークよりもシート前後方向のストロークの方が長くなるように設定されたリンク機構によって構成されている請求項1に記載のオットマン用フットレスト装置。
  3. 前記リンク機構は、
    前記オットマンに設けられたブラケットのシート幅方向に沿った第1軸線を中心に回動可能とされる第1リンク部材と、
    シート前後方向に沿って配置され、シート前後方向の後端部が前記第1リンク部材の自由端部に回動可能に連結された第2リンク部材と、
    前記第2リンク部材と平行にシート前後方向に沿って配置され、シート前後方向の前端部と前記第2リンク部材のシート前後方向の前端部との間に着座乗員の足部を載せる足載せ部が設けられた第3リンク部材と、
    前記ブラケットのシート幅方向に沿った第2軸線を中心に回動可能とされ、自由端部が前記第3リンク部材のシート前後方向の後端部に回動可能に連結された第4リンク部材と、
    を含んで構成された請求項2に記載のオットマン用フットレスト装置。
  4. 前記足載せ部は、前記着座乗員の足部の土踏まずに対応する位置に配置される請求項3に記載のオットマン用フットレスト装置。
  5. 前記足載せ部がパイプで形成されている請求項4に記載のオットマン用フットレスト装置。
  6. 前記オットマンには、前記フットレストが格納された格納状態における前記リンク機構をシート幅方向の外側から覆うカバー部材が設けられている請求項2〜請求項5の何れか1項に記載のオットマン用フットレスト装置。
  7. 前記オットマンの使用状態において、当該オットマンの上面に対して平行な面を基準面として、前記第2リンク部材のシート前後方向の前端部及び前記第3リンク部材のシート前後方向の前端部は、それぞれ当該第2リンク部材のシート前後方向の後端部及び当該第3リンク部材のシート前後方向の後端部よりもシート上下方向の上方側に配置されるように形成されている請求項3に記載のオットマン用フットレスト装置。
  8. 前記オットマンのシート前後方向の前端部には、前記第2リンク部材のシート前後方向の前端部及び前記第3リンク部材のシート前後方向の前端部の少なくとも一部を収容可能とする収容部が設けられている請求項7に記載のオットマン用フットレスト装置。
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