JP2018029710A - 昇降装置及び医療用診療台 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、前記患者支持部を安定して昇降させることができる昇降装置及び医療用診療台を提供することを目的とする。【解決手段】昇降装置1は、基台11に対して固定された固定軸12と、上端部分に患者を支持する座席支持部14が連結され、固定軸12と並行に配置された移動軸13と、固定軸12と移動軸13とを連結するとともに、固定軸12に沿って昇降自在な昇降部材40と、昇降部材40を固定軸12に対して昇降する油圧シリンダ30Aと、移動軸13を昇降部材40に対して昇降する油圧シリンダ30Bとが設けられ、昇降部材40は、固定軸12の外周面に嵌合して、固定軸12に沿って上下方向に案内される固定軸被案内部411と、移動軸13の外周面に嵌合して、移動軸13の昇降方向を案内する移動軸案内部461とが設けられている。【選択図】図2

Description

この発明は、患者が着座する座席などを昇降させる昇降装置及び当該昇降装置を備えた医療用診療台に関する。
歯科や耳鼻科などで用いられる医療用診療台は、患者の身体を支持する患者支持部を上下方向に昇降させる昇降装置を備えることで、施術者の施術や患者の乗降が容易となる高さに前記患者支持部を適宜調整することができる。
例えば、前記患者支持部を所望の高さに調整できる医療用診療台が特許文献1に開示されている。
詳述すると、前記医療用診療台は、基台に固定された第一駆動部で昇降される第一昇降部材に、第二昇降部材を昇降させる第二駆動部が組付けられており、また前記第二昇降部材には前記患者支持部を昇降させる第三駆動部が組付けられているため、これらの駆動部を昇降させることにより、前記患者支持部を最低位置から最高位置の間で適宜変更することができる。この際、基台に固定された固定軸に対して第一筒体が摺動するとともに、前記第一筒体の内部に収容された第二筒体が前記第一筒体に摺動し、前記第二筒体の内部に収容されるとともに、前記患者支持部が上端に固定された第三筒体は前記第二筒体に対して摺動する構成とすることで、前記患者支持部を滑らか昇降させることができるとされている。
しかしながら、前記患者支持部を固定する前記第三筒体は、前記第一筒体及び前記第二筒体比べて縮径で外力の作用を受けやすく、また前記第三筒体は前記固定軸に固定された第一筒体に対して摺動する第二筒体に対して摺動可能な構成であることから、前記患者支持部が高位置になるにつれて前記第三筒体の基台に対する固定が弱くなり、前記患者支持部の昇降が高位置になるほど不安定となるおそれがあった。
特開2010−240337号公報
この発明は、上記問題点に鑑み、患者支持部を安定して昇降させることができる昇降装置及び医療用診療台を提供することを目的とする。
この発明は、上下方向に延びるとともに、基台に対して固定された固定軸と、上端部分に患者を支持する患者支持部が連結され、前記固定軸と並行に配置された移動軸と、前記固定軸と前記移動軸とを連結するとともに、前記固定軸に沿って昇降自在な連結昇降部材と、該連結昇降部材を前記固定軸に対して昇降する第一駆動部と、前記移動軸を前記連結昇降部材に対して昇降する第二駆動部とが設けられ、前記連結昇降部材は、前記固定軸の外周面に嵌合して、前記固定軸に沿って上下方向に案内される被案内部と、前記移動軸の外周面に嵌合して、前記移動軸の昇降方向を案内する案内部とで構成された昇降装置であることを特徴とする。
またこの発明は、上述の昇降装置が備えられ、前記患者支持部は、前記患者が着座する座席シートが固定される座席支持部で構成された医療用診療台であることを特徴とする。
前記患者支持部は、前記昇降装置の昇降時に前記患者を支持する部材であり、例えば、一端に背板シートを傾動自在に接続する座席シートを固定する座席支持部の他、傾動する背板シートを持たずに背板と座席が連なって平坦な座席シートを形成する座席支持部などであってもよい。
前記駆動部は、ロッドの押し出しにより前記連結昇降部材を上下方向に昇降させる動力シリンダや、ギアを回転させることで前記連結昇降部材を上下方向に昇降させるギア構造などを含む。具体的には、動力シリンダは、油圧を利用して昇降駆動させる油圧シリンダや、水圧や空気圧を利用して昇降駆動させるシリンダ、モータなどの電動により昇降させる電動シリンダなどを含み、ギア構造は、前記面取り部に設けた歯車と前記転動体をギアとし、前記転動体の回転により前記固定軸の昇降させる構成や、前記固定軸に沿ってラックを設け前記ラックと噛み合ったギア(ピニオン)をモータなどで回転させるギア構造などを含む。
なお、前記第一駆動部と前記第二駆動部とは同一又は異なる構成であってもよい。
上述の前記固定軸又は前記移動軸の外周面に嵌合してとは、前記固定軸又は前記移動軸に沿って前記連結昇降部材が上下方向に相対移動できる程度に嵌まり合った状態をさす。すなわち、前記被案内部を備えた前記連結昇降部材と前記固定軸とは上下方向に対して相互に相対移動できるとともに、前記案内部を備えた前記連結昇降部材と前記移動軸とは上下方向に対して相互に相対移動できる構成である。
前記被案内部及び前記案内部は、前記連結昇降部材を前記固定軸又は前記移動軸に沿って上下方向に案内できる程度に嵌合された形状であればよく、例えば前記被案内部及び前記案内部の断面が、前記固定軸及び前記移動軸の外周面の断面形状と相似である形状や、前記固定軸の外周面と部分的に相似で嵌合可能な形状を含む。具体的には、柱状体の固定軸の底面と略同形の貫通孔や、前記固定軸の外周面の一部と嵌合する貫通孔などを含む。
この発明により、前記患者支持部を安定して昇降させることができる。
詳述すると、前記基台に固定された前記固定軸の外周面に前記被案内部が嵌合することで、前記連結昇降部材は前記固定軸に対して昇降可能に固定されることとなるため、前記昇降部材は前記固定軸に対して安定して昇降できる。また前記連結昇降部材に設けられた前記案内部には、前記移動軸が昇降自在に嵌合しているため、仮に前記移動軸に外力が作用した場合であっても前記連結昇降部材を固定する前記固定軸で前記外力を受けることができるため、前記移動軸の上端に連結された前記患者支持部は前記第二駆動部の昇降に合わせて安定して昇降できる。
また、例えば、前記第一駆動部と前記第二駆動部とを同一の駆動部とした場合、一つ当たりの駆動部のストロークは、駆動部が一個の場合と比べて半分とすることができる。すなわち、前記第一駆動部及び前記第二駆動部を収縮させた状態での前記昇降装置の高さを、前記駆動部が一個の場合と比べて半分にでき、前記駆動部が一個の場合と比べて前記第一駆動部及び前記第二駆動部の大きさを上下方向縮小できる。
また、上述のように、前記駆動部が一個の場合と比べて前記第一駆動部及び前記第二駆動部のストロークを半分にできることから、前記固定軸を交差する方向に力が作用した場合であっても、前記第一駆動部及び前記第二駆動部に作用するトルクを減少させることができる。したがって、個々の駆動部の部材強度を小さくすることができる。このことから、第一駆動部及び前記第二駆動部に用いる部材の選択肢を増やすことができ、軽量化やコスト削減を図ることができる。
この発明の態様として、第一駆動部及び第二駆動部がそれぞれ油圧シリンダで構成され、該油圧シリンダに油圧を作用させて駆動させる油圧式ポンプを設けてもよい。
前記油圧式ポンプは、前記第一駆動部及び前記第二駆動部に対して同一又は別個の油圧式ポンプとしてもよい。
この発明により、前記第一駆動部及び前記第二駆動部を空気圧などで昇降させる場合に比べ、高出力で応答性を高くすることができ、前記第一駆動部及び前記第二駆動部を小型化することができる。また、油圧シリンダとすることで振動が少なく円滑に駆動できるため、前記連結昇降部材を滑らかに昇降させることができる。
またこの発明の態様として、前記第一駆動部及び前記第二駆動部は、同一の圧力に対して同一の推力を発揮する同一推力の油圧シリンダで構成されるとともに、前記第一駆動部及び前記第二駆動部に対してひとつの油圧式ポンプが備えられ、前記油圧シリンダで構成された前記第一駆動部及び前記第二駆動部の両方に油圧を作用させてもよい。
上述の同一の圧力に対して同一の推力を発揮する同一推力の油圧シリンダとは、
例えば、前記油圧ポンプを操作することで前記油圧ポンプから前記油圧シリンダの内部に流入するオイルの流体容積に対して、前記油圧シリンダにおけるシリンダロッドの移動距離が等しくなる構成の油圧シリンダをさす。
この発明により、前記第一駆動部及び前記第二駆動部を容易に制御でき、また、前記第一駆動部及び前記第二駆動部の両方を同時に駆動させることができるため、負荷が一方に著しく偏ることを防止できる。
なお前記油圧シリンダは、推力を同一としたコンパクトな油圧シリンダを採用してもよい。
また、仮に前記油圧式ポンプに接続された油圧配管を分岐して前記第一駆動部及び前記第二駆動部に接続した場合、前記連結昇降部材の位置に関わらず、前記患者支持部の高さを一定に保つことができ、前記患者位置の安定性を確保することができる。
詳述すると、例えば前記第一駆動部及び前記第二駆動部をそれぞれ別の油圧式ポンプに接続している場合において、意図せずに前記連結昇降部材が下降、すなわち前記第一駆動部の圧力が減少すると、前記患者支持部は前記連結昇降部材の下降した距離分だけ下がることとなる。
これに対して、一の油圧式ポンプの油圧配管を分岐して前記第一駆動部及び前記第二駆動部に接続した場合、前記油圧式ポンプの圧力を前記第一駆動部と前記第二駆動部とで分配しているため、前記第一駆動部の圧力が減少すると、前記第二駆動部の圧力が減圧した分だけ増加することとなる。したがって、前記第一駆動部の減圧により前記連結昇降部材が下降分だけ前記第二駆動部と連結されている前記患者支持部が上昇し、前記患者支持部の高さを維持することができる。
このように、意図せずに前記連結昇降部材の高さが変わった場合であっても、前記患者支持部の高さが変わらないため、前記患者が意図せずに昇降することがなく、施術位置の高さを確実に確保することができる。
またこの発明の態様として、前記固定軸に対する前記連結昇降部材の昇降と、前記連結昇降部材に対する前記移動軸の昇降とを同期させる同期機構を設けてもよい。
前記同期機構とは、前記固定軸に対する前記連結昇降部材の昇降距離に合わせて、前記連結昇降部材に対する前記移動軸の昇降距離を調整する調整機構である。換言すると、前記第一駆動部のストロークと前記第二駆動部のストロークとを同一にする機構をさす。
この発明により、前記第一駆動部と前記第二駆動部に作用する外力が異なる場合であっても、前記第一駆動部と前記第二駆動部とを略同一のストロークで同時に駆動させることができる。
詳述すると、例えば同一の駆動部で構成された前記第一駆動部と前記第二駆動部とを油圧式ポンプで制御する場合において、前記第一駆動部に作用する圧力と前記第二駆動部に作用する圧力が異なる場合、前記第一駆動部と前記第二駆動部とのストロークが異なることとなるが、前記同期機構を備えることで、前記第一駆動部と前記第二駆動部とのストローク量が同一となるように、一方の駆動部を引き上げることができる。これにより、前記第一駆動部又は前記第二駆動部が同等に駆動させることができるため、前記第一駆動部又は前記第二駆動部の一方のみの耐久性が劣化することを防止できる。
また、前記連結昇降部材のストローク量が前記移動軸側のストロークに対して半分で制御されるため、昇降位置検出対象部材を前記移動軸側の代わりに前記連結昇降部材とすることで位置検出機構ストロークも半分となり、構成を小型化、簡略化することができる。
またこの発明の態様として、前記同期機構が、前記連結昇降部材に設けられた歯車と、一端側が前記固定軸側に固定されるとともに他端側が前記移動軸側に固定され、前記歯車と噛合する索条体とで構成されてもよい。
前記索条体とは、所定の硬度を有するとともに、曲げ折り自在な柔軟な部材であり、例えば、チェーンやワイヤー、樹脂ワイヤー、ラックピニオン、ボールねじ、すべりねじ又はレール機構などを含む。
この発明により、前記固定軸に対する前記連結昇降部材の昇降と、前記連結昇降部材に対する前記移動軸の昇降とを簡易な構成で確実に同期させることができる。また、例えば電子的な機構などの複雑な構成を用いて、前記固定軸に対する前記連結昇降部材の昇降と、前記連結昇降部材に対する前記移動軸の昇降とを同期させる場合に比べて、シンプルで安定した昇降を実現できる。
また、前記連結昇降部材の自重負荷に相当する推力を前記第一駆動部と第二駆動部の推力差と同一に構成することにより、前記同期機構の同期負荷を最小にできるため、構成部品の耐久性向上や部品を簡略にすることができる。
またこの発明の態様として、前記固定軸及び前記移動軸は、円柱体の外周面において軸方向に延びる平面状に面取りされた面取り部を有する柱状体で構成され、前記被案内部及び前記案内部に、前記面取り部に対して転動する転動体を設けてもよい。
前記面取りは、曲面を取って平面部を作り出すことをさし、例えば円柱体の外周面を面取りした場合の他、外周面を切削、研磨、鍛造、研削、圧造した場合を含む。なお、円柱体の外周面において構成される柱状体は、面取り部が一面のみ形成された柱状体でもよく、また略三角柱状体以上の多面柱状体であってもよい。
この発明により、基台に対する患者を支持する患者支持部の相対回転を防止できる。
詳述すると、前記連結昇降部材は、前記面取り部を有する前記固定軸の外周面に対して嵌合する前記被案内部を備えるとともに、前記被案内部の内周面における周方向に、前記面取り部に対して転動する転動体が設けられているため、前記連結昇降部材に外力が作用して、前記固定軸を回転軸として前記連結昇降部材が回転しようとした場合であっても、上下方向に沿って平面状に形成された前記面取り部に前記転動体が干渉して、前記連結昇降部材の相対回転を防止できる。
また、前記連結昇降部材は、前記被案内部が前記基台に固定された前記固定軸の外周面に嵌合して上下方向に昇降することができるため、例えば、前記駆動部が伸長した状態であっても、前記患者支持部に作用する外力によって前記固定軸が傾いたりすることがなく、前記連結昇降部材をより安定して昇降させることができる。
さらに、また、前記面取り部に対して前記転動体が干渉することで前記連結昇降部材の相対回転を阻止することとなるが、前記転動体が前記固定軸に干渉した状態であっても前記転動体は前記面取り部に対して転動し、スムーズに前記連結昇降部材を昇降させることができる。
このように前記基台に固定された前記固定軸に対して前記連結昇降部材を昇降自在に嵌合することで、前記連結昇降部材の相対回転を阻止しつつ、スムーズに昇降させることができ、前記患者支持部をより安定して昇降させることができる。
またこの発明の態様として、前記固定軸及び前記移動軸は、円柱体の外周面における四方向に前記面取り部を有する略四角柱状体で構成されてもよい。
この発明により、前記連結昇降部材に外力が作用して、前記固定軸を回転軸として前記連結昇降部材が回転しようとした場合であっても、前記面取り部が四面に形成されていることから、前記転動体が複数の前記面取り部と当接することとなり、前記連結昇降部材の相対回転を確実に防止できるとともに、所定の面と対向する前記転動体のみに負荷が集中することを防止できる。
さらにまた、前記略四角柱状体である前記固定軸及び前記移動軸は、前記基台に対して任意の円周方向に対して偏心がないため、作用する負荷を均等とすることができる。このため、例えば前記固定軸が90度回転した場合であっても、前記固定軸に対して前記連結昇降部材を回転させて配置させることなく、前記固定軸に前記被案内部を嵌合できる。すなわち、前記固定軸等の配置方向に対する前記連結昇降部材の配置方向の制約を排除できる。
この発明の態様として、前記固定軸に対する前記移動軸の配置方向に対して、前記転動体及び面取り部が45度交差する方向に向けて配置されるとともに、前記上下方向において異なる位置に配置してもよい。
この発明により、前記固定軸側面取り部に当接する固定軸側転動体と、前記移動軸側面取り部に当接する移動軸側転動体とが互いに干渉しないように近接させることができ、前記昇降装置の設置面積をより縮小化して、前記昇降装置の周辺に空間を確保することができる。
この発明により、前記患者支持部を安定して昇降させることができる昇降装置及び医療用診療台を提供することができる。
医療用診療台の概略側面図。 昇降装置の概略斜視図。 軸部の説明図。 油圧駆動部の概略斜視図。 昇降部材の概形についての説明図。 昇降部材の側面図及び平面図 ベアリング及び支持部材の説明図。 同期機構及び位置検出機構の説明図。 昇降装置の組付けについての説明図。 面取り部とベアリングとの接触に関する説明図。 同期機構及び位置検出機構の取付けについての説明図。 昇降装置の昇降動作についての説明図。 昇降装置の昇降動作に対する同期機構の説明図。 医療用診療台における昇降装置の配置位置の説明図。
以下、昇降装置1及び昇降装置1を備えた医療用診療装置900について図1乃至図14に基づいて説明する。
図1は医療用診療装置900の概略側面図を示し、図2は医療用診療装置900に備えられた昇降装置1を右手前上方から視た概略斜視図を示す。ここで、図1において、上下方向を高さ方向Hとし、左右方向を長手方向Lとする。なお、長手方向Lとは、医療用診療装置900のヘッドレスト913から、バックレスト912及びレッグレスト914に続く医療用診療装置900に載った患者の体軸方向をさす。
また、図2において、上下方向を図1と合わせて高さ方向Hとし、左手前から右奥への方向を図1における長手方向Lとする。そして、右手前から左奥への方向、すなわち医療用診療装置900の長手方向L及び高さ方向Hと直交する方向を医療用診療装置900の幅方向Wとする。
さらに図2において、高さ方向Hの上方を+H側、下方高さ方向−H側とし、長手方向Lの左手前を+L側、右奥側を−L側とし、幅方向Wの右手前を+W側、左奥側を−W側とする。
図3は昇降装置1を構成し、回転阻止部材として機能する軸部10の説明図を示す。詳しくは、図3(a)は軸部10を左奥上方から視た概略斜視図を示し、図3(b)は軸部10の平面図を示し、図3(c)は固定軸12及び移動軸13の製造方法を示すための平面図である。なお、図3(b)において座席支持部14は点線で示すことで透過した状態とし、移動軸13の平面形状を明確に示す。
図4は、油圧式駆動部20の説明図を示し、詳述すると、図4(a)は左奥上方から視た油圧式駆動部20の概略斜視図を示し、図4(b)は油圧シリンダ30のシリンダ31からピストンロッド32が押し出された状態の概略斜視図を示す。
図5は、図2に示す昇降装置1において固定軸12に沿って昇降する昇降部材40の概略斜視図を示し、図6は昇降部材40の構成を示す説明図を示す。詳しくは、図5(a)は右手前上方から視た昇降部材40の概略斜視図を示し、図5(b)は左奥上方から昇降部材40を見た場合の概略斜視図を示し、図6(a)は昇降部材40を+L側から視た側面図を示し、図6(b)は昇降部材40の平面図を示す。
図7は、ベアリング50及び支持軸60の説明図を示しており、詳しくは、図7(a)及び図7(b)は支持軸60を取り出した状態での図6(a)における昇降部材40のA−A断面図及びB−B断面図をそれぞれ示し、図7(c)は移動機構付支持軸62の側面図を示し、図7(d)及び図7(e)は図7(c)におけるC−C断面図及びD−D断面図を示す。図8は同期装置70及び位置検出器80の構成の説明図を示す。詳しくは、図8(a)は同期装置70及び位置検出器80の概略斜視図を示し、図8(b)は+L側から視た同期装置70の側面図を示す。
図9は昇降装置1の各構成の組付けを説明するための昇降装置1の分解概略斜視図を示し、図10は固定軸側面取り部121に対してベアリング50を確実に当接させるための説明図を示す。詳しくは、図10(a)は固定軸12にベアリング50が当接した状態での昇降装置1の平面図を示し、図10(b)は図10(a)におけるE−E断面図を示し、図10(c)は固定軸12に当接していない状態でのベアリング50の拡大断面図を示し、図10(d)は固定軸12に当接した状態でのベアリング50の拡大断面図を示す。なお、図10において、ベアリング50と固定軸12との位置関係を明確にするため、基台11及び固定軸12、ベアリング50、支持軸60以外の構成の図示を省略している。
図11は昇降装置1に対する同期装置70及び位置検出器80の組付けを説明するための昇降装置1の概略斜視図を示し、図12は昇降装置1の昇降動作の説明するための+L側及び−L側から視た昇降装置1の側面図を模式的に示している。詳しくは、図12(a1)及び図12(a2)は油圧式駆動部20が収縮した状態での昇降装置1を+L側及び−L側から視た側面図を示し、図12(b1)及び図12(b2)は昇降状態での昇降装置1を+L側及び−L側から視た側面図を示し、図12(c1)及び図12(c2)は油圧式駆動部20が伸びきった状態での昇降装置1を+L側及び−L側から視た側面図を示す。
図13は昇降装置1の昇降動作における同期装置70の動作を表す説明図を示し、詳しくは図13(a)は油圧式駆動部20が収縮した状態における昇降装置1及び同期装置70の側面図を示し、図13(b)は昇降途中における昇降装置1及び同期装置70の側面図を示し、図13(c)は昇降状態における昇降装置1及び同期装置70の側面図を示す。図14は、診療台910における昇降装置1の配置関係を表す平面図を示す。
まず、医療用診療装置900の全体像について説明する。
医療用診療装置900は、図1に示すように、患者を支持する診療台910と、診療台910の下部に設けられた昇降基部920と、診療台910の昇降などを操作するフットコントローラ930と、ベースン940と、無影灯や口腔内を診察するための顕微鏡を備えた照明支持部950とで構成されている。
診療台910は、患者が着座する座席シート911と、座席シート911に対して傾動可能なバックレスト912と、バックレスト912の+L側先端に設けられたヘッドレスト913と、ヘッドレスト913の反対側(−L側)に設けられた座席シート911に対して傾動するレッグレスト914とで構成されている。
昇降基部920は、施術者がフットコントローラ930を踏込操作することで診療台910を昇降させることができる昇降機構であり、内部に昇降装置1が内装されている。なお、昇降基部920の内部には昇降装置1以外にも様々な機器が内装されているが、ここではその説明を省略する。
この昇降装置1は、図2に示すように、全体として高さ方向Hに長い略直方体状に形成され、基台となる軸部10と、幅方向Wに沿って配置される油圧式駆動部20と、軸部10に沿って昇降する昇降部材40と、同期装置70と、位置検出器80とで構成されている。
昇降装置1を構成する軸部10は、図3に示すように、昇降装置1を配置する際に基台となる平板状の基台11と、基台に対して固定された固定軸12と、固定軸に対して幅方向Wに並行して立設された移動軸13と、移動軸13の上端に固定された座席支持部14とで構成されている。
基台11は、図3(a)及び図3(b)に示すように、幅方向Wに比べて長手方向Lの方向に長い長方形状の平板であり、略中央部分に固定軸12を固定するための固定軸用固定部を有する(図示省略)。また、固定軸用固定部の+W側の端部はわずかに円弧状に窪んだ移動軸配置部111が設けられ、基台11の−L側中央部分には、後述する油圧式駆動部20Aを配置する第一シリンダ配置部112が設けられている。
この第一シリンダ配置部112は、基台11の板厚方向に貫通した貫通孔であり、平面視斜下方が開口した円弧状の開口部を有する。
固定軸12は、基台11に設けられた固定軸用固定部に固定された高さlの略四角柱状体であり、図3(a)及び図3(b)に示すように、固定軸12の外周面は、周方向において高さ方向Hに沿って面取りされた固定軸側面取り部121が等間隔となるように4箇所に配置された構成である。
このような固定軸12は、図3(c)に示すように、高さlの中実の円柱体12xの外周面を、一辺が円柱体12xの底面の径よりも短く、対角線が円柱体12xの底面の径よりも長い正方形12sの各辺の位置で、高さ方向Hに沿って円弧部12kを面取りすることで平面部を呈する固定軸側面取り部121を形成している。なお、上記固定軸側面取り部121を形成する加工法としては、切削、研磨、鍛造、研削、圧造等が使用できる。また、固定軸側面取り部121は焼入れをすることで、硬度を向上させて耐摩耗性や引張強度、疲労強度などを向上させている。
なお、本実施形態において固定軸側面取り部121は上述の方法で形成しているが、必ずしもこの方法である必要はなく、例えば四角柱の角部を円弧状に角取りして形成してもよい。また、固定軸側面取り部121の焼入れも行わなくてもよい。
移動軸13は、幅方向Wに沿って固定軸12と並列した柱状体であり、固定軸12と全く同じ形状をしている。すなわち、移動軸13には移動軸側面取り部131が形成されている。
ここで、移動軸側面取り部131と固定軸側面取り部121とは、互いに45度交差する方向に向けて配置されている。すなわち、固定軸側面取り部121と移動軸側面取り部131とは互いに対面していない(図3(b)参照)。
患者支持部に対応する座席支持部14は、座席シート911を連結固定するものであって、移動軸13の上端面に連結された平板状の支持板である。
この座席支持部14は、平面視において−L側に凸状のホームベース型平板141と、ホームベース型平板141の+L側部分における−W側端部分から−W方向に沿って延出した略正方形状の正方形板142とで構成された一枚板である。
なお、正方形板142の一辺は、ホームベース型平板141の一辺の長さの約半分である。また、ホームベース型平板141と正方形板142との−L側接合部分は、固定軸12と略同径の円弧状に形成された固定軸回避部143で構成され、ホームベース型平板141の−L側の先端側中央部分には、後述するピストンロッド32の上端に設けたピストン側接続部321Bとボルト固定するためのピストン固定孔144が設けられている。
このような構成を有する軸部10は、図3(a)に示すように、基台11に固定された固定軸12と、上端に座席支持部14を固定する移動軸13とが幅方向Wに沿って並行に配置されている。また固定軸12の上端部分は、固定軸回避部143に沿って配置されており、移動軸13の下端部分は移動軸配置部111に沿って配置されている。
軸部10に対して幅方向Wに沿って配置される油圧式駆動部20は、図4に示すように、幅方向Wに沿って並列された2つの油圧シリンダ30(−W側に配置した油圧シリンダ30Aと+W側に配置した油圧シリンダ30B)と、油圧シリンダ30A,30B同士を接続する可撓性を有する連結管21と、連結管21と接続するポンプ用チューブ22と、ポンプ用チューブ22と接続された油圧式ポンプ23とで構成されている。
油圧シリンダ30は、円筒形状のシリンダ31と、シリンダ31の内部に収納されるピストンロッド32と、シリンダ31の下端側においてシリンダ31の内部に昇降用オイルを供給する供給口33とで構成されている。
シリンダ31はピストンロッド32を収納可能な、高さlよりもわずかに長い円柱体のシリンダケースであり、内部には供給口33を介して内部に給油・排油される昇降用オイル用のタンク(図示省略)が設けられている。
ピストンロッド32は、シリンダ31よりも縮径で、高さlの円柱体であり、ピストンロッド32の上端部分には、他部材と接続するためのピストン側接続部321が設けられている。
供給口33は、シリンダ31の内部に設けられたタンクに油圧式ポンプから昇降用オイルを給油又は排油するための給油口である。
このように2つ並列に配置した油圧シリンダ30A、30Bは、供給口33に接続した連結管21を介して連結されるとともに、油圧シリンダ30Aに設けた供給口33Aと接続したポンプ用チューブ22を介して一つの油圧式ポンプ23と連結している。なお、油圧式ポンプ23はフットコントローラ930と連結されている。すなわち、油圧式ポンプ23はフットコントローラ930の踏込操作で制御することができる。
上記のように油圧式駆動部20は、フットコントローラ930の踏込操作により油圧式ポンプ23と連結された供給口33を介して昇降用オイルが給油又は排油され、昇降用オイルの油圧によってシリンダ31に収納されたピストンロッド32を昇降させることができる。
なお、油圧シリンダ30A、30Bは一つの油圧式ポンプ23に連結されているため、一つの油圧式ポンプ23の制御により、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bの双方を同時に制御することができる。
連結昇降部材に対応する昇降部材40は、図5乃至図7に示すように、平面視で略八角形状に形成された八角柱状の固定軸側昇降部41と移動軸側昇降部46とが一体に連結されて構成されている。この固定軸側昇降部41と移動軸側昇降部46とは、幅方向Wに沿って並列されるとともに、高さ方向Hにずれた位置、すなわち昇降部材40の上部に移動軸側昇降部46が、下部には固定軸側昇降部41が連結して配置されており、固定軸側昇降部41及び移動軸側昇降部46にはそれぞれ8個ずつのベアリング50が支持軸60を介して組み付けられている。
以下、図5乃至図7に基づいて、昇降部材40及びベアリング50、支持軸60について詳述する。
移動軸側昇降部46よりも下方に配置されている固定軸側昇降部41は、底面が略正八角形で、高さが固定軸12の約半分(高さl/2)の略正八角柱体であり、中央部分には、円柱体12xと略同径の円柱状の貫通孔で構成された固定軸被案内部411が高さ方向Hに沿って設けられている。
また、固定軸側昇降部41を形成する外周面のうち長手方向Lに対して45度傾斜した面(以下、「第一奇数外周面412」とする。)には、それぞれ固定軸被案内部411に向けて貫通したベアリング組付部42が、高さ方向Hに沿って2個並んで設けられている(図5参照)。換言すると、固定軸側昇降部41には、固定軸被案内部411に向けて貫通するとともに、高さ方向Hに2個ずつ並列したベアリング組付部42が、固定軸側昇降部41の外周方向に等間隔に4つ設けられている。
なお、ベアリング組付部42は、第一奇数外周面412の一部分を固定軸被案内部411に向けて貫通させた貫通孔であり、後述するベアリング50を組付けるための空間部分である。
一方で、ベアリング組付部42が設けられていない第一偶数外周面413(長手方向L又は幅方向Wに対して直交する面)には、隣接する第一奇数外周面412に沿って貫通する支持軸固定用孔43の貫通口がベアリング組付部42に対応する数だけ設けられている。すなわち、第一奇数外周面412には、長手方向Lに対して45度傾いた方向に貫通した支持軸固定用孔43が、高さ方向に沿って2つ並んで形成されている(図5及び図7(b)参照)。
また、固定軸側昇降部41を形成する第一偶数外周面413のうち−L側に形成された第一偶数外周面413aには、第一シリンダ固定補助部44が、+W側に形成された第一偶数外周面413bには、固定軸案内補助部45がそれぞれ設けられている(図5(a)及び図5(b)参照)。
第一シリンダ固定補助部44は、図5(b)に示すように、第一偶数外周面413aを固定軸被案内部411側に窪ませて形成されている。
固定軸案内補助部45は、図5(a)に示すように、円柱体12xと同径の円弧状に窪ませた補助円弧面451と、第一偶数外周面413bの−L側端部から+W方向に突出する第一突出壁452とで構成されている。
固定軸側昇降部41よりも上方に配置された移動軸側昇降部46は、固定軸側昇降部41と同様に、底面が略正八角形で、高さが移動軸13の約半分(高さl/2)の略正八角柱体であり、中央部分には、円柱体12xと略同径の貫通孔である移動軸案内部461が高さ方向Hに沿って設けられている。
また、移動軸側昇降部46を形成する外周面のうち長手方向Lに対して45度傾斜した面(以下、「第二奇数外周面462」とする。)には、それぞれ移動軸案内部461に向けて貫通したベアリング組付部42が、高さ方向Hに2個並んで設けられている(図5及び図6参照)。換言すると、移動軸側昇降部46には、移動軸案内部461に向けて貫通する4つのベアリング組付部42が外周方向に等間隔に4つ設けられるとともに、高さ方向Hに2セット並列して設けられている。
一方で、ベアリング組付部42が設けられていない第二偶数外周面463(長手方向L又は幅方向Wに対して直交する面)には、隣接する第二奇数外周面462に沿って貫通する支持軸固定用孔43の貫通口がベアリング組付部42に対応する数だけ設けられている。すなわち、第二奇数外周面462には、長手方向Lに対して45度傾いた方向に貫通している支持軸固定用孔43が、高さ方向Hに沿って2つ形成されている(図5及び図6(a)、図7(a)参照)。
また、第二偶数外周面463のうち、−L側に形成された第二偶数外周面463aには、油圧シリンダ30Bを固定する第二シリンダ固定部47が設けられている。
詳述すると、図5(b)及び図6(b)に示すように、第二シリンダ固定部47は、−L側に形成された第二偶数外周面463aを内側に窪ませた第二シリンダ用凹部471と、第二偶数外周面463aの幅方向W側端部から−L方向に突出する1対の第二突出壁472とで構成された凹状の窪みであり、第二突出壁472の壁面には油圧シリンダ30Bをボルト固定するためシリンダ用固定孔473が設けられている。
さらに、第二偶数外周面463のうち−L側に設けられた第二偶数外周面463aの上部には、−W側に突出する第一シリンダ連結部48が形成されている。
第一シリンダ連結部48は、移動軸側昇降部46の上端面と面一に形成された板状体の第一シリンダ固定板481と、第一シリンダ固定板481の+L側端部から下方に下した第一シリンダ補助面482とで構成されており(図5(b)及び図6(b)参照)、第一シリンダ固定板481の下端面には油圧シリンダ30Aのピストン側接続部321Aを固定する第一ロッド固定部が設けられている(図示省略)。なお、第一シリンダ補助面482の下端部分は、第一偶数外周面413aと連結され、面一となっている。
また、第二偶数外周面463のうち−W側に形成された第二偶数外周面463bには、固定軸移動補助部49が形成されている。
詳述すると、固定軸移動補助部49は、第二奇数外周面462bを円柱体12xと略同径の円弧状に窪ませた円弧型凹部491と、円弧型凹部491の−L側端部から−W方向に突出した被案内第一補助壁492と、円弧型凹部491の+L側端部から−W方向に突出する被案内第二補助壁493とで構成されている。
なお、被案内第一補助壁492は第一シリンダ補助面482と同一であり、また被案内第二補助壁493の下端部は第一シリンダ補助面482と同様に、第一偶数外周面413aの上端と一体に構成されている(図5(b)参照)。
このような構成を有する昇降部材40(固定軸側昇降部41及び移動軸側昇降部46)に形成されたベアリング組付部42には、回転面が固定軸被案内部411の内側にわずかに突出したベアリング50が配置されており、ベアリング50の内周面を貫通させる支持軸60を支持軸固定用孔43に嵌め込むことで、ベアリング50を昇降部材40に組み付けている(図7参照)。
支持軸固定用孔43は、図7に示すように、−L側に形成された第一奇数外周面412a及び第二奇数外周面462aを水平方向に貫通した円柱状の第一貫通孔431と、+L側に形成された第一奇数外周面412b及び第二奇数外周面462bを水平方向に貫通した略円柱状の第二貫通孔432とで構成されている。なお、第一貫通孔431は後述する簡易支持軸61が挿通され、第二貫通孔432は後述する移動機構付支持軸62が挿通される。
ベアリング50は、回転面を構成する環状の外輪と、外輪と同一回転中心を有する環状に形成された内輪と、外輪と内輪との間に設けた球状の回転体とで構成された(図示省略)、いわゆる回転玉軸受である。
なお、ベアリング50の内周面は、支持軸固定用孔43と略同径に形成されている。
支持軸60は、ベアリング50の内周面を貫通させる支持棒であり、−L側に形成される第一奇数外周面412a及び第二奇数外周面462aを貫通する第一貫通孔431を貫通させてベアリング50を支持する円柱体状の簡易支持軸61と、+L側に形成される第一偶数外周面413b及び第二偶数外周面463bに設けられた第二貫通孔432を貫通させてベアリング50を支持する略円柱状の移動機構付支持軸62とで構成される。
簡易支持軸61は、ベアリング50と同径の円柱体である簡易支持軸本体611と、簡易支持軸本体611の一端側端面に設けられた簡易支持軸本体611よりもわずかに拡径の抜け止め部612とで構成されている。
一方、移動機構付支持軸62は、図7(c)に示すように、一端側に形成された略円柱状の支持軸差込部621と、中央部分に配置された円柱状のベアリング嵌合部622と、他端側に形成された略円柱状の支持軸用固定部623とで一体に構成されている。
支持軸差込部621は、ベアリング50よりも若干小径な円柱体であり、一端側が先細りするとともに、一端側端部には固定ボルト625が組付けられている。なお、固定ボルト625は支持軸差込部621の一端側端部に設けられたボルト孔にボルト固定されており、取り外しすることができる(図示省略)。
ベアリング嵌合部622は、ベアリング50の内周面と同径の円柱体であり、他端側が支持軸用固定部623と一体に連結している。
支持軸用固定部623は、ベアリング嵌合部622よりも拡径で、中央部分に内径方向への窪みを有する円柱体であり、他端側の端面にはドライバーを使用して回転調整するための十字溝624が設けられており、ドライバーで移動機構付支持軸62を支持軸固定用孔43の中心軸mの周りに回すことで、ベアリング嵌合部622と嵌合するベアリング50を回転させることができる。
なお、十字溝624は、ドライバーを使用するためのものである必要はなく、六角レンチを嵌める為の六角穴であってもよい。
図7(d)は、移動機構付支持軸62の支持軸用固定部623のC−C線での断面図であり、図7(e)は、移動機構付支持軸62のベアリング嵌合部622のD−D線での断面図を示す。
このように構成された移動機構付支持軸62は、図7(c)及び図7(d)、図7(e)に示すように、ベアリング嵌合部622の断面円形の回転軸c1と、支持軸差込部621及び支持軸用固定部623の中心軸m(軸心)とは同一線上に配置されておらず、僅かに上方に偏芯している。すなわち、ベアリング50の回転軸は支持軸差込部621及び支持軸用固定部623の軸心方向とわずかに異なる。
したがって、移動機構付支持軸62を支持軸固定用孔43の中心軸mの周りに回すことで、ベアリング50を固定軸12に対して接近したり、離反したりする方向に調整することができる。なお、ベアリングの移動調整機構の詳細については、後述する。
昇降装置1の−W側に端部に設けられている同期装置70は、図8に示すように、昇降部材40に固定されている板状の同期基部71と、基台11に固定されている基準部72と、座席支持部14に固定されている昇降部73と、同期基部71の上部に回転自在に固定された第一歯車74と、同期基部71の下部に回転自在に固定された第二歯車75と、基準部72に一端が固定されているとともに第一歯車74と噛合している第一チェーン76と、昇降部73に一端が固定されているとともに第二歯車75と噛合している第二チェーン77とで構成されている。
同期基部71は、図8(a)に示すように、高さ方向H及び幅方向Wに沿って設けられた板状体であり、−W側上部に設けられた同期基部固定部71aを介して昇降部材40と固定されている。
基台11に固定されている基準部72は、図8(a)及び図8(b)に示すようにL字を上下反転させた形状の板状体であり、上述のように上部に第一チェーン76の一端側が固定されている。なお、基準部72は基台11に固定されているため、間接的に固定軸12に固定されている。
昇降部73はL字を左右に反転させた形状の板状体であり、昇降部73の下部に第二チェーン77の一端側が固定されている。なお、昇降部73を座席支持部14に固定する固定部位については図示を省略している。
第一歯車74及び第二歯車75は、長手方向Lに沿った方向を回転軸として回転自在であるとともに、同期基部71に固定された歯車であり、それぞれ第一チェーン76及び第二チェーン77が噛合している。なお、第一歯車74と第二歯車75とは高さ方向Hに沿って所定の間隔を隔てて配置されている。
この第一チェーン76は、第一歯車74と第二歯車75の間隔よりも一回り長いチェーンであり、第一歯車74の上部と噛合するとともに、一端側が基準部72に他端側が昇降部73に固定されている。
一方、第二チェーン77は、第一チェーン76と略同じ長さのチェーンであり、第二歯車75の下部と噛合するとともに、一端側が昇降部73に他端側が基準部72に固定されている。すなわち、第一チェーン76と第二チェーン77は基準部72及び昇降部73と固定されるとともに、リング状を形成されてる。
昇降部材40の位置を検出する位置検出器80は、図8(a)に示すように、昇降部材40に固定された同期基部71の−L側端面から+W側に突出した板状の位置検出基部81と、位置検出基部81の中央部分に設けられたラック82と、ラック82と噛合するとともに基台11に回転自在に固定されたピニオン83と、ピニオン83に軸結合されてピニオン83の回転数を検出する基台11に固定されたポテンショメータ84とで構成されている。
上述のような構成を組み合わせて構成される昇降装置1の組み付けについて、図9乃至図11に基づいて、簡単に説明する。
まず、図9に示すように、基台11に高さ方向Hに沿って立設された固定軸12に沿うように油圧シリンダ30Aを第一シリンダ配置部112に配置するとともに、油圧シリンダ30Aに対して幅方向Wに沿うように油圧シリンダ30Bを配置する。このとき、油圧シリンダ30Aを構成する供給口33Aは、第一シリンダ配置部112の開口部分より+W側に向かうように配置されている。
次に、軸部10に昇降部材40を装着させる。
詳しくは、高さ方向Hにおいて、固定軸12に対して固定軸被案内部411が挿通可能に対向するとともに、移動軸側昇降部46が固定軸側昇降部41に対して幅方向Wに沿うように昇降部材40を配置し、固定軸被案内部411が固定軸12を貫通するように昇降部材40を上方から下す。なお、固定軸側昇降部41に組み付けられたベアリング50は、固定軸側面取り部121に対して対向することとなる。
同様に、移動軸側昇降部46に組み付けられたベアリング50が移動軸側面取り部131と対向するように移動軸13を配置して、移動軸案内部461に沿って移動軸13を上方から挿通する。
このとき、油圧シリンダ30Aは、支持軸固定用孔43に沿って配置されるとともに、油圧シリンダ30Aを構成するピストン側接続部321Aが第一シリンダ固定板481の下面に設けた第一ロッド固定部(図示省略)と対向する。また、油圧シリンダ30Bは第二シリンダ固定部47に沿って配置されるとともに、シリンダ31Bの上部は第二シリンダ固定部47に囲まれることとなる。
この状態において、油圧シリンダ30Bを第二シリンダ固定部47にボルト固定するとともに、上方に配置された座席支持部14のピストン固定孔144とピストン側接続部321Bとを固定する。また、油圧シリンダ30Aの上端面に設けたピストン側接続部321Aを、第一シリンダ固定板481の下面に設けた第一ロッド固定部(図示省略)に固定することで油圧式駆動部20と昇降部材40とを固定する。
また、ベアリング組付部42に組み付けられたベアリング50は、固定軸被案内部411側又は移動軸案内部461側にわずかに突出しているため、固定軸被案内部411及び移動軸案内部461に挿通した固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131と当接することとなる(図10(a)及び図10(b)参照)。
しかしながら、例えば昇降部材40が高さ方向Hに対してわずかに傾いた状態で固定軸被案内部411に固定軸12を挿通した場合には、固定軸被案内部411及び移動軸案内部461の周方向に配置されたベアリング50の一部が固定軸側面取り部121と当接しないことがある(図10(c)参照)。
このような場合において、第一奇数外周面412b及び第二奇数外周面462bに組み付けたベアリング50を支持する移動機構付支持軸62を回転させることで、図10(d)に示すように、ベアリング嵌合部622の回転軸c1を固定軸側面取り部121側に移動させることができる。
これにより、ベアリング50を固定軸側面取り部121と当接させることができ、ベアリング50の回転軸を固定軸被案内部411側に移動させることができる。これにより、固定軸側面取り部121とベアリング50とを当接させることができる。
また、仮にベアリング50が固定軸側面取り部121を押圧している場合には、ドライバーによって、移動機構付支持軸62を回転させて、ベアリング嵌合部622の回転軸c1を固定軸側面取り部121側と反対方向となるように移動させることで、ベアリング50と固定軸側面取り部121との当接を緩めることができる。
このように昇降部材40に対して固定された軸部10及び油圧式駆動部20に対して、図11に示すように、同期装置70及び位置検出器80を+L側から組み付け、同期基部71と昇降部材40とを固定する。また同時に、基準部72を基台11に固定するとともに、昇降部73を座席支持部14に固定することで、軸部10及び油圧式駆動部20が固定された昇降部材40に対して同期装置70及び位置検出器80を組付けることができる。
このように構成された昇降装置1は、施術者がフットコントローラ930を踏み込むことで、患者を支持する座席支持部14を高さ方向Hに沿って昇降させることができる。以下、昇降装置1の昇降動作について図12に基づいて簡単に説明する。
座席支持部14が最も下方に配置されている場合(図12(a1)参照)、すなわち油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bが収縮した状態である(図12(a2)参照)場合において、施術者がフットコントローラ930を踏み込むと、ポンプ用チューブ22を介して油圧シリンダ30A、30Bに昇降用オイルが供給され、タンク内の油圧が上昇してピストンロッド32A及びピストンロッド32Bが高さ方向Hに沿って昇降することとなる(図12(b2))。なお、同一形状をしている油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとは連結管21を介して一個の油圧式ポンプ23と連結されているため、内部に同一圧力が作用することとなり、同一推力を発揮する。したがって、ピストンロッド32A及びピストンロッド32Bはともに同じストロークだけ上方に延びることとなる。
これにより、ピストンロッド32Aの上端に固定された第一シリンダ連結部48が上方に持ち上げられて昇降部材40が固定軸12に沿って上昇することとなる。また、昇降部材40に固定された油圧シリンダ30Bを構成するピストンロッド32Bに固定された座席支持部14も上方に持ち上げられるため、移動軸13が移動軸案内部461に沿って上昇することとなる(図12(b1)、図12(b2)参照)。
そして、施術者がさらにフットコントローラ930を踏み込むことで、ピストンロッド32A及びピストンロッド32Bは最大ストロークだけ伸びることとなる(図12(c2)参照)。これにより、固定軸側昇降部41の上端面が固定軸12の上端部と略面一となる位置まで上昇することとなり、また移動軸13の下端面と移動軸側昇降部46の下端面とが略面一となる位置まで移動軸13が移動軸案内部461に沿って上昇することとなる。すなわち、座席支持部14が最高位置に配置されることとなる。
このように構成された昇降装置1は、基台11に対して固定された固定軸12と、上端部分に患者を支持する座席支持部14が連結され、固定軸12と並行に配置された移動軸13と、固定軸12と移動軸13とを連結するとともに、固定軸12に沿って昇降自在な昇降部材40と、昇降部材40を固定軸12に対して昇降する油圧シリンダ30Aと、移動軸13を昇降部材40に対して昇降する油圧シリンダ30Bとが設けられ、昇降部材40は、固定軸12の外周面に嵌合して、固定軸12に沿って上下方向に案内される固定軸被案内部411と、移動軸13の外周面に嵌合して、移動軸13の昇降方向を案内する移動軸案内部461とが設けられていることにより、座席支持部14を安定して昇降させることができる。
詳述すると、基台11に固定された固定軸12の外周面に固定軸被案内部411が嵌合することで、昇降部材40は固定軸12に対して昇降可能に固定されることとなるため、昇降部材40は固定軸12に対して安定して昇降できる。一方で、昇降部材40に設けられた移動軸側昇降部46は、移動軸13が昇降自在に嵌合しているため、仮に移動軸13に外力が作用した場合であっても、上述のように安定して昇降できる昇降部材40に設けられた移動軸案内部461に嵌合しているため、移動軸13に外力が作用した場合であっても昇降部材40を固定する固定軸12が当該外力を受けることとなるため、移動軸13の上端に連結された座席支持部14は油圧シリンダ30Bの昇降に合わせて安定して昇降できる。
また、油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとを同一の油圧シリンダ30とすることで、一つ当たりの油圧シリンダ30のストロークを油圧シリンダ30が一個の場合と比べて半分とすることができる。すなわち、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bを収縮させた状態での昇降装置1の高さを、油圧シリンダ30が一個の場合と比べて半分にでき、油圧シリンダ30が一個の場合と比べて油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bの大きさを上下方向縮小できる。
さらにまた、上述のように、油圧シリンダ30が一個の場合と比べて油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bのストロークを半分にできることから、固定軸12を交差する方向に力が作用した場合であっても、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bに作用するトルクを減少させることができる。したがって、個々の油圧シリンダ30の部材強度を小さくすることができる。このことから、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bに用いる部材の選択肢を増やすことができ、軽量化やコスト削減を図ることができる。
また、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bに油圧を作用させて駆動させる油圧式ポンプ23を設けることにより、空気圧などを作用させる場合に比べ、高出力で応答性を高くすることができる。すなわち油圧シリンダとすることで全体を小型化することができる。また、振動が少なく円滑に駆動させることができるため、昇降部材40を滑らかに昇降させることができる。
また、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bは、同一の圧力に対して同一の推力を発揮する同一推力の油圧シリンダで構成されるとともに、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bに対してひとつの油圧式ポンプ23が備えられ、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bの両方に油圧を作用させることにより、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bを容易に制御できるとともに、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bの両方を同時に駆動させることができ、負荷が一方に著しく偏ることを防止できる。
また、油圧式ポンプ23に接続された油圧配管を分岐して油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bに接続した場合、昇降部材40の位置に関わらず、座席支持部14の高さを一定に保つことができ、患者位置の安定性を確保することができる。
詳述すると、例えば油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bをそれぞれ別の油圧式ポンプ23に接続している場合において、意図せずに昇降部材40が下降、すなわち油圧シリンダ30Aの圧力が減少すると、座席支持部14は昇降部材40の下降した距離分だけ下がることとなる。
これに対して、一の油圧式ポンプ23の油圧配管を分岐して油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bに接続した場合、油圧式ポンプ23の圧力を油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとで分配しているため、油圧シリンダ30Aの圧力が減少すると、油圧シリンダ30Bの圧力が減圧した分だけ増加することとなる。したがって、油圧シリンダ30Aの減圧により昇降部材40が下降分だけ油圧シリンダ30Bと連結されている座席支持部14が上昇し、座席支持部14の高さを維持することができる。
このように、意図せずに昇降部材40の高さが変わった場合であっても、座席支持部14の高さが変わらないため、患者が意図せずに昇降することがなく、施術位置の高さを確実に確保することができる。
また、固定軸12に対する昇降部材40の昇降と、昇降部材40に対する移動軸13の昇降とを同期させる同期装置70を設けることにより、油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bに作用する外力が異なる場合であっても、油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとを略同一のストロークで同時に駆動させることができる。
以下、同期装置70について、図13に基づいて説明する。
例えば同一の油圧シリンダ30で構成された油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとを油圧式ポンプ23で制御する場合において、油圧シリンダ30Aに作用する圧力と油圧シリンダ30Bに作用する圧力が異なる場合、油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとのストロークが異なることとなる。
具体的には、座席支持部14が最も低い位置にある状態において(図13(a)参照)、意図せずに油圧シリンダ30Aのみに圧力がかかり、昇降部材40のみが固定軸12に沿って上昇した場合、基準部72は固定軸12に固定されているとともに、同期基部71が昇降部材40に固定されているため、基準部72が基台11に固定されたまま、同期基部71が昇降部材40とともに上昇することとなる(図13(b)参照)。
すなわち、昇降部材40に固定されている第一歯車74及び第二歯車75が上昇することとなり、基準部72に一端が固定されている第一チェーン76が−H方向に引っ張られ、第一歯車74が反時計回りに回転する。これにより、第一チェーン76の他端側と固定されている昇降部73が+H方向に引っ張られて上昇することとなる(図13(b)参照)。なお、昇降部73の上昇に基づいて、第二チェーン77が上方に引っ張られるため、第二歯車75も反時計回りに回転することとなる。
ここで、昇降部73は座席支持部14(移動軸13)に固定されているため、昇降部73の上昇に伴って座席支持部14が上昇し、移動軸13と連結しているピストンロッド32Bが上方に引っ張られて駆動する(図13(c)参照)。
この場合において、第一チェーン76及び第二チェーン77の長さは一定であるため、第一歯車74及び第二歯車75の上昇距離(昇降部材40の上昇距離)と昇降部73の上昇距離(移動軸13の上昇距離)は等しくなる。したがって、油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとのストローク量が同一となる。
なお、上述の構成にすることにより、昇降部材40を基台11と座席支持部14との間の略中央部分に位置させることができる。
このように、同期装置70を備えることで、油圧シリンダ30Aと油圧シリンダ30Bとのストローク量が同一となるように、一方の油圧シリンダ30を引き上げることができる。これにより、油圧シリンダ30A又は油圧シリンダ30Bが同等に駆動させることができ、油圧シリンダ30A又は油圧シリンダ30Bの一方のみの耐久性が劣化することを防止できる。
さらにまた、同期装置70が、昇降部材40に連結された第一歯車74及び第二歯車75と、一端側が固定軸12側に固定されるとともに他端側が移動軸13側に固定され、第一歯車74及び第二歯車75と噛合する第一チェーン76及び第二チェーン77とで構成することにより、固定軸12に対する昇降部材40の昇降と、昇降部材40に対する移動軸13の昇降とを簡易な構成で確実に同期させることができる。また、例えば電子的な機構などの複雑な構成を用いて、固定軸12に対する昇降部材40の昇降と、昇降部材40に対する移動軸13の昇降とを同期させる場合に比べて、シンプルで安定した昇降を実現できる。
また、固定軸12及び移動軸13は、円柱体の外周面における四方向に、軸方向に延びる平面状に面取りされた固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131を有する略四角柱状体で構成され、固定軸被案内部411及び移動軸案内部461に、固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131に対して転動するベアリング50を設けることにより、基台11に対する患者を支持する座席支持部14の相対回転を防止できる。
詳述すると、昇降部材40は、固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131を有する固定軸12の外周面に対して嵌合する固定軸被案内部411を備えるとともに、固定軸被案内部411の内周面における周方向に、固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131に対して転動するベアリング50が設けられているため、昇降部材40に外力が作用して、固定軸12を回転軸として昇降部材40が回転しようとした場合であっても、上下方向に沿って平面状に形成された固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131にベアリング50が干渉して、昇降部材40の相対回転を防止できる。
また、昇降部材40は、固定軸被案内部411が基台11に固定された固定軸12の外周面に嵌合して上下方向に昇降することができるため、例えば、油圧シリンダ30が伸長した状態であっても、座席支持部14に作用する外力によって固定軸12が傾いたりすることがなく、昇降部材40をより安定して昇降させることができる。
さらに、また、固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131に対してベアリング50が干渉することで昇降部材40の相対回転を阻止することとなるが、ベアリング50が固定軸12に干渉した状態であってもベアリング50は固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131に対して転動し、スムーズに昇降部材40を昇降させることができる。
このように基台11に固定された固定軸12に対して昇降部材40を昇降自在に嵌合することで、昇降部材40の相対回転を阻止しつつ、スムーズに昇降させることができ、座席支持部14を安定して昇降させることができる。
また、固定軸12に対する移動軸13の配置方向に対して、ベアリング50同士、或いは固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131が、45度交差する方向に向けて配置されるとともに、上下方向において異なる位置に配置することにより、固定軸12側の固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131に当接する固定軸12側のベアリング50と、移動軸13側の固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131に当接する移動軸13側のベアリング50とが互いに干渉しないように近接させることができ、昇降装置1の設置面積をより縮小化し、昇降装置1の周辺に空間を確保することができる。
また、上述の昇降装置1が備えられ、座席支持部14を患者が着座する座席シートを固定する構成とし、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bが、座席支持部14の幅方向Wに沿って配置することにより、上述の昇降装置1を座席支持部14の長手方向Lに対して縮小化することができ、座席支持部14の下方における奥行方向の空間を確保できる。これにより、例えば施術者が空間に足を配置させることができ、施術の対象である患者の近くに無理な体勢を取ることなく接近することができる。したがって、患者に近い位置で施術を行いやすい体勢をとることができ、確実かつスムーズに施術を行うことができる。
図14に基づいて、より詳しく医療用診療装置900における昇降装置1の配置を説明する。
診療台910の昇降基部920の下方に昇降装置1が設けられている。昇降装置1を形成する油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30B並びに固定軸12及び移動軸13は、幅方向Wに沿って配置されており、油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bと、固定軸12及び移動軸13とは、長手方向Lに沿って配置されている。なお、固定軸12及び移動軸13は、油圧シリンダ30よりも+L側に配置されている。
また、油圧式ポンプ23を油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bに対して長手方向Lに沿って足元寄りに配置する。このように油圧シリンダ30A及び油圧シリンダ30Bを配置することで、昇降装置をコンパクトにすることができるので、術者の足回りを動きやすくする。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
患者支持部は、座席支持部14に対応し、
連結昇降部材は、昇降部材40に対応し、
第一駆動部は、油圧シリンダ30Aに対応し、
第二駆動部は、油圧シリンダ30Bに対応し、
被案内部は、固定軸被案内部411に対応し、
案内部は、移動軸案内部461に対応し、
同期機構は、同期装置70に対応し、
歯車は、第一歯車74及び第二歯車75に対応し、
索条体は、第一チェーン76及び第二チェーン77に対応し、
面取り部は、固定軸側面取り部121及び移動軸側面取り部131に対応し、
転動体は、ベアリング50に対応し、
座席支持部は、座席シート911に対応し、
医療用診療台は、診療台910に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本実施形態において、ベアリング組付部42を8個設けているが、必ずしもこの個数である必要はなく、所定の箇所に1個設けてもよいし、周方向に均等に4個で設けてもよい。
また、本実施形態において、昇降部材40を上下方向に昇降させるのに、油圧シリンダ30A、30Bを用いているが、例えば、水圧や空気圧を利用して昇降駆動させるシリンダやモータとねじ軸との組合せによる昇降機構などの電動により昇降させてもよい。
さらには、油圧シリンダ30の代わりに、電動モータとネジ軸を用いた昇降機構に置き換えても良い。また、固定軸側面取り部121に歯車を設け、ベアリングの代わりとしたギアの回転により昇降部材40を昇降させる構成や、固定軸12に沿ってラックを設けラックと噛み合ったギア(ピニオン)をモータなどで回転させるギア構造などとしてもよい。
また、本実施形態において、医療用診療装置900は歯科用の診療台としているが、歯科医療に限定されるわけでなく、例えば、耳鼻科用診療台や眼科用診療台や産婦人科用検診台等の医療用診療台に用いてもよい。
さらに、座席支持部14は、バックレスト912が座席シート911に対して傾動する座席シート911に連結される構成に限定される必要はなく、医療用診療台に応じて適宜変更してもよい。具体的には、バックレスト912が座席シート911に対し傾動せずに単に平坦で広い座席シートの座席支持部14に連結して昇降させてもよい。
なお、本実施形態において移動ユニットは、座席支持部14を上端面に連結する移動軸13と昇降部材40とで構成された構成部品に対応しているが、必ずしもこの構成である必要はなく、例えば移動軸13を構成として有さず、座席支持部14が昇降部材40に固定されていてもよい。つまり、本発明の別の実施形態としては、移動軸13や移動軸13を昇降させる油圧シリンダ30Bを構成として含まない1段昇降の昇降装置であってもよい。
さらにまた、本実施形態において固定軸12及び移動軸13は、断面略正方形状に構成されているが、必ずしも略正方形状である必要はなく、例えば断面正三角形や断面正五角形などの正多角形状であってもよく、さらには三角形状以上の多角形柱であってもよい。
しかしながら、固定軸12及び移動軸13を正多角形状とすることにより、確実に昇降部材40の相対回転を防止できるとともに、正多角形柱の配置方向に対する昇降部材40の配置方向の制約を解除することができる。
1 昇降装置
11 基台
12 固定軸
12x 円柱体
121 固定軸側面取り部
13 移動軸
131 移動軸側面取り部
14 患者支持部
23 油圧式ポンプ
30 油圧シリンダ
40 昇降部材
411 固定軸被案内部
461 移動軸案内部
50 ベアリング
70 同期装置
74 第一歯車
75 第二歯車
76 第一チェーン
77 第二チェーン
900 医療用診療台
911 座席シート

Claims (9)

  1. 上下方向に延びるとともに、基台に対して固定された固定軸と、
    上端部分に患者を支持する患者支持部が連結され、前記固定軸と並行に配置された移動軸と、
    前記固定軸と前記移動軸とを連結するとともに、前記固定軸に沿って昇降自在な連結昇降部材と
    該連結昇降部材を前記固定軸に対して昇降する第一駆動部と、
    前記移動軸を前記連結昇降部材に対して昇降する第二駆動部とが設けられ、
    前記連結昇降部材は、
    前記固定軸の外周面に嵌合して、前記固定軸に沿って上下方向に案内される被案内部と、
    前記移動軸の外周面に嵌合して、前記移動軸の昇降方向を案内する案内部とで構成された
    昇降装置。
  2. 前記第一駆動部及び前記第二駆動部がそれぞれ油圧シリンダで構成され、
    該油圧シリンダに油圧を作用させて駆動させる油圧式ポンプが設けられた
    請求項1に記載の昇降装置。
  3. 前記第一駆動部及び前記第二駆動部は、同一の圧力に対して同一の推力を発揮する同一推力の油圧シリンダで構成されるとともに、前記第一駆動部及び前記第二駆動部に対してひとつの油圧式ポンプが備えられ、
    前記油圧シリンダで構成された前記第一駆動部及び前記第二駆動部の両方に油圧を作用させる
    請求項1に記載の昇降装置。
  4. 前記固定軸に対する前記連結昇降部材の昇降と、
    前記連結昇降部材に対する前記移動軸の昇降とを同期させる同期機構が設けられた
    請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の昇降装置。
  5. 前記同期機構が、
    前記連結昇降部材に設けられた歯車と、
    一端側が前記固定軸側に固定されるとともに他端側が前記移動軸側に固定され、前記歯車と噛合する索条体とで構成された
    請求項4に記載の昇降装置。
  6. 前記固定軸及び前記移動軸は、
    円柱体の外周面に、軸方向に延びる平面状に面取りされた面取り部を有する柱状体で構成され、
    前記被案内部及び前記案内部に、前記面取り部に対して転動する転動体が設けられた
    請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載の昇降装置。
  7. 前記固定軸及び前記移動軸は、円柱体の外周面における四方向に前記面取り部を有する略四角柱状体で構成された
    請求項6に記載の昇降装置。
  8. 前記固定軸に対する前記移動軸の配置方向に対して、前記転動体及び面取り部が45度交差する方向に向けて配置されるとともに、前記上下方向において異なる位置に配置された
    請求項7に記載の昇降装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のうちのいずれかに記載の昇降装置が備えられ、
    前記患者支持部は、
    前記患者が着座する座席シートが固定される座席支持部で構成された
    医療用診療台。
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