以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る身体支持装置について説明する。本実施形態では、身体支持装置の一例として、寝台装置の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向とする。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって図1に示す寝台11の短手方向とする。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向と直交する方向であって寝台11の長手方向とする。
また、Y軸方向(寝台11の長手方向)における正の側(+Y側)を人(利用者)が寝る際に頭が位置する側とし、負の側(−Y側)を足が位置する側とする。以下の説明においては、Y軸方向の正の側(+Y側)を「頭側H」と呼ぶ場合があり、Y軸方向の負の側(−Y側)を「足側F」と呼ぶ場合がある。また、寝台11の長手方向を「前後方向」と呼ぶ場合があり、寝台11の短手方向を「左右方向」と呼ぶ場合がある。
また、以下の説明においては、左右方向において、寝台11に仰向けに寝た利用者の右手が位置する側(−X側)を「右側」と呼ぶ場合があり、寝台11に仰向けに寝た利用者の左手が位置する側(+X側)を「左側」と呼ぶ場合がある。
図1に示す寝台装置(身体支持装置)10は、例えば、医療環境下(介護環境下を含む)において利用することができる。寝台装置10は、いわゆるギャッチベッドである。なお、寝台装置10は、電力を動力源とするいわゆる電動ベッドであってもよいし、手動式のギャッチベッドであってもよい。
図1に示すように、寝台装置10は、寝台(身体支持部)11と、ボード13と、支持架台12と、を備えている。寝台11は、利用者の身体全体を支持する。寝台11は、長尺でかつ複数並設されることで寝台面15を形成するパネル部材16を有している。各パネル部材16は、互いに同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。各パネル部材16は、左右方向(X軸方向)に延びる長尺な板状に形成され、各パネル部材16の表裏面は、鉛直方向を向いている。パネル部材16は、前後方向(Y軸方向)に複数並設されている。複数のパネル部材16によって形成される寝台面15上には、例えば、マットレスが配置される。
寝台11は、背ボトム18と、脚ボトム19と、を頭側Hから足側Fに向かってこの順に有している。背ボトム18と脚ボトム19とは、それぞれ複数のパネル部材16によって構成されている。背ボトム18は、寝台面15上に横たわる利用者の背を支える部分である。脚ボトム19は、寝台面15上に横たわる利用者の脚を支える部分である。
ボード13は、支持架台12に固定され、寝台面15よりも上方に立ち上がっている。ボード13は、寝台11の前後方向両側に一対設けられている。ボード13は、後述するメインフレーム27の前後方向両側の端部から上方に立ち上がっている。ボード13の内部には、後述する昇降機構14の上部が配置されている。
支持架台12は、寝台11を支持する。支持架台12は、メインフレーム27と、昇降機構(移動機構)14と、を有している。メインフレーム27は、寝台11、および寝台11上の利用者それぞれの荷重を受け止める。図示は省略するが、メインフレーム27は、平面視において矩形状である。
昇降機構14は、メインフレーム27を鉛直方向に沿って昇降させる。メインフレーム27は、寝台11を下方から支持しているため、メインフレーム27が昇降することによって、寝台11も昇降する。すなわち、昇降機構14は、寝台11を鉛直方向に沿って昇降させる。本実施形態において昇降機構14は、下降状態(第1状態)P1と、上昇状態P2と、の間で、寝台11を鉛直方向に沿って移動させる。
下降状態P1は、寝台11が最も下方に位置する状態であり、上昇状態P2は、寝台11が最も上方に位置する状態である。下降状態P1において、昇降機構14の鉛直方向の寸法は最も小さく、上昇状態P2において、昇降機構14の鉛直方向の寸法は最も大きい。図2、図4、図5および図9においては、下降状態P1を示している。図1、図3、および図6から図8においては、上昇状態P2を示している。
図1に示すように、昇降機構14は、寝台11の頭側Hと足側Fとにそれぞれ設けられている。図2および図3に示すように、昇降機構14は、ベース部材28と、キャスター29と、リニアアクチュエータ30と、連結部材26と、を有している。ベース部材28は、左右方向(X軸方向)に延びた角筒状の部材である。ベース部材28の下面側には、2つのキャスター29が左右方向に間隔を空けて取り付けられている。2つのキャスター29は、後述する被駆動ユニット40よりも、左右方向における寝台11の中心に近い側に位置している。
リニアアクチュエータ30は、被駆動ユニット40と、駆動装置50と、を有している。本実施形態において被駆動ユニット40は、リニアアクチュエータ30ごとに2つずつ設けられている。リニアアクチュエータ30において、2つの被駆動ユニット40は、ベース部材28の左右方向(X軸方向)両側の端部にそれぞれ設けられている。図1に示すように、本実施形態においては昇降機構14が2つ設けられているため、被駆動ユニット40は、合計で4つ設けられている。4つの被駆動ユニット40は、寝台装置10の平面視における四隅にそれぞれ配置されている。
図4から図7に示すように、被駆動ユニット40は、ロッド44と、ロッド側傘歯車45と、内側駆動筒部材41と、中間筒部材42と、外側駆動筒部材43と、第1スペーサ部71と、第2スペーサ部72と、を有している。
ロッド44は、鉛直方向(所定方向)に延びている。本実施形態においてロッド44は、鉛直方向に延びる中心軸Jを中心とする円柱状である。なお、以下の説明においては、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ場合があり、中心軸Jを中心とする周方向(θ方向)を単に「周方向」と呼ぶ場合がある。
図4および図5に示すように、ロッド44は、ロッド本体44aと、筒固定部44bと、を有している。ロッド本体44aは、鉛直方向に延びた円柱状である。ロッド本体44aの外周面には、雄ネジ部44cが設けられている。雄ネジ部44cは、鉛直方向に沿って、ロッド本体44aの外周面のほぼ全体に亘って設けられている。
図5に示すように、下降状態P1において、ロッド本体44aの下側(所定方向の一方側)の端部は、内側駆動筒部材41の内部における下側の端部近傍に位置している。下降状態P1において、ロッド本体44aの下側の端部は、ベース部材28よりも下方に位置している。図4および図5に示すように、ロッド本体44aの全体は、内側駆動筒部材41の内部に収容されている。
図4に示すように、筒固定部44bは、ロッド本体44aの上端から上方に延びた円柱状である。筒固定部44bの外径は、ロッド本体44aの外径よりも小さい。筒固定部44bの上端には、ロッド側傘歯車45が固定されている。筒固定部44bには、後述するように外側駆動筒部材43が固定されている。
内側駆動筒部材41は、ロッド44の径方向外側を囲んで鉛直方向に延びている。内側駆動筒部材41は、内側駆動筒部材本体41aと、接続部材47と、ナット部材46と、を有している。内側駆動筒部材本体41aは、鉛直方向に延びている。より詳細には、内側駆動筒部材本体41aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。図4および図5に示すように、内側駆動筒部材本体41aは、鉛直方向両端に開口している。
図5に示すように、内側駆動筒部材本体41aの下部は、ベース部材28を鉛直方向に貫通しており、ベース部材28に固定されている。内側駆動筒部材本体41aの下端は、ベース部材28よりも下方に突出している。
図4に示すように、接続部材47は、内側駆動筒部材本体41aの上端に固定されている。接続部材47は、鉛直方向に延び、鉛直方向両端に開口した筒状である。より詳細には、接続部材47は、中心軸Jを中心とした円筒状である。接続部材47の下部の外径は、接続部材47の上部の外径よりも小さい。
接続部材47の下部は、内側駆動筒部材本体41aの上側の開口に上方から挿入されている。接続部材47の下部の外周面は、内側駆動筒部材本体41aの内周面と固定されている。接続部材47の下部の外周面と内側駆動筒部材本体41aの内周面との固定方法は、特に限定されない。接続部材47の下部の外周面と内側駆動筒部材本体41aの内周面とは、例えば、各面に形成されたネジ同士が互いに螺合されて固定されている。この場合、後述する雌ネジ部46cとは逆ねじの関係であることが好ましい。
ナット部材46は、接続部材47の上端に固定されている。ナット部材46は、ナット本体部46aと、フランジ部(突出部)46bと、を有している。ナット本体部46aは、鉛直方向に延び、鉛直方向両端に開口した筒状である。より詳細には、ナット本体部46aは、中心軸Jを中心とした円筒状である。
ナット本体部46aの下部は、接続部材47の上側の開口に上方から挿入されている。ナット本体部46aの下部の外周面は、接続部材47の上部の内周面と固定されている。これにより、ナット部材46は、接続部材47を介して、内側駆動筒部材本体41aと固定されている。ナット本体部46aの下部の外周面と接続部材47の上部の内周面との固定方法は、特に限定されない。ナット本体部46aの下部の外周面と接続部材47の上部の内周面とは、例えば、各面に形成されたネジ同士が螺合されて固定されている。この場合、後述する雌ネジ部46cとは逆ねじの関係であることが好ましい。
ナット本体部46aの内周面、すなわち内側駆動筒部材41の内周面には、雌ネジ部46cが設けられている。雌ネジ部46cは、鉛直方向に沿って、ナット本体部46aの内周面の全体に亘って設けられている。雌ネジ部46cは、ロッド本体44aの雄ネジ部44cと螺合されている。そのため、ロッド44が周方向(θ方向)に回転することによって、ロッド44とナット部材46との鉛直方向の相対位置が変化する。これにより、内側駆動筒部材41は、ロッド44に対して、鉛直方向に沿って相対移動可能に接続されている。
下降状態P1においてナット部材46は、ロッド本体44aの上端に位置している。図7に示すように、上昇状態P2においてナット部材46は、ロッド本体44aの下端近傍に位置している。
図4に示すように、フランジ部46bは、ナット本体部46aの外周面の上端部から径方向外側に突出している。本実施形態においてフランジ部46bは、内側駆動筒部材41の上側(所定方向の他方側)の端部である。フランジ部46bは、中心軸Jを中心とする円環状である。フランジ部46bの径方向外側の端部は、内側駆動筒部材本体41aよりも径方向外側に位置している。
フランジ部46bは、下降状態P1において、中間筒部材42よりも上方に位置し、後述する外側駆動筒部材本体43aの内周面と隙間を介して径方向に対向している。図7に示すように、フランジ部46bは、上昇状態P2において、後述する中間筒部材本体42aの内周面と隙間を介して径方向に対向している。
図4および図5に示すように、中間筒部材42は、内側駆動筒部材41の径方向外側を囲んで鉛直方向に延びている。中間筒部材42は、内側駆動筒部材41に対して、鉛直方向に沿って相対移動自在である。中間筒部材42は、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との間に配置されている。
なお、本明細書において、「中間筒部材が内側駆動筒部材と外側駆動筒部材との間に配置されている」とは、径方向において中間筒部材が内側駆動筒部材と外側駆動筒部材との間に配置されていることと、鉛直方向において中間筒部材が内側駆動筒部材と外側駆動筒部材との間に配置されていることと、を含む。「鉛直方向において中間筒部材が内側駆動筒部材と外側駆動筒部材との間に配置されている」とは、鉛直方向において、中間筒部材の鉛直方向の一端が、内側駆動筒部材の鉛直方向の一端と外側駆動筒部材の鉛直方向の一端との間に配置されていることを含む。
図8に示すように、中間筒部材42は、中間筒部材本体42aと、第1下側ブッシュ(第1摺動部)61と、上側ブッシュ(第3摺動部)62と、を有している。なお、図8において、第1スペーサ部71および第2スペーサ部72は、上昇状態P2における中間筒部材42との相対位置を示している。
中間筒部材本体42aは、鉛直方向に延びている。より詳細には、中間筒部材本体42aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。図4および図5に示すように、中間筒部材本体42aは、鉛直方向両端に開口している。
図5に示すように、中間筒部材本体42aの下端部には、中間筒部材本体42aの壁部を径方向に貫通する下側貫通孔42bが形成されている。本実施形態において下側貫通孔42bは、中心軸Jを挟んで一対形成されている。下側貫通孔42bの形状は、例えば、矩形状である。
図4に示すように、中間筒部材本体42aの上端部には、中間筒部材本体42aの壁部を径方向に貫通する上側貫通孔42cが形成されている。本実施形態において上側貫通孔42cは、中心軸Jを挟んで一対形成されている。上側貫通孔42cの形状は、例えば、矩形状である。
第1下側ブッシュ61は、中間筒部材本体42aの下側の開口に下方から挿入されて嵌め合わされている。第1下側ブッシュ61は、中間筒部材42の下側(所定方向の一方側)の端部である。第1下側ブッシュ61は、鉛直方向に延び、鉛直方向両端に開口した筒状である。より詳細には、第1下側ブッシュ61は、中心軸Jを中心とした円筒状である。図5に示すように、第1下側ブッシュ61は、中間筒部材本体42aよりも径方向内側に位置している。第1下側ブッシュ61は、内側駆動筒部材41におけるナット部材46のフランジ部46bよりも下方に位置している。第1下側ブッシュ61は、例えば、一体成型された樹脂製の部材である。
第1下側ブッシュ61は、第1下側筒部61aと、第1下側縁部61eと、第1下側延出部61bと、第1下側係合部61cと、を有している。図8に示すように、第1下側筒部61aは、鉛直方向に延びた円筒状である。第1下側筒部61aには、第1下側筒部61aの壁部を径方向に貫通し、下方に開口する孔部61dが形成されている。孔部61dは、鉛直方向に延びている。図示は省略するが、孔部61dは、中心軸Jを挟んで一対形成されている。
第1下側縁部61eは、第1下側筒部61aの下端から径方向外側に突出している。第1下側縁部61eは、周方向に沿って延びている。第1下側縁部61eは、第1下側筒部61aの下端における孔部61dが形成されている部分を除いた部分全体に設けられている。第1下側縁部61eは、中間筒部材本体42aの下端に下方から接触している。これにより、第1下側ブッシュ61が、中間筒部材本体42aに対して上方に移動することが規制されている。
第1下側延出部61bは、孔部61dの上端縁から下方に延びている。第1下側延出部61bの下端は、第1下側筒部61aの下端よりも上方に位置している。図5に示すように、第1下側係合部61cは、第1下側延出部61bの下端から径方向外側に突出している。第1下側係合部61cは、下側貫通孔42bに径方向内側から挿入されている。第1下側係合部61cは、下側貫通孔42bの内縁の下端に、上方から係合している。これにより、第1下側ブッシュ61が中間筒部材本体42aに対して下方に移動して、中間筒部材本体42aから抜けることが抑制されている。第1下側係合部61cの径方向外端は、中間筒部材本体42aの外周面と径方向において、ほぼ同じ位置に配置されている。
図5および図7に示すように、第1下側ブッシュ61は、昇降機構14の状態が下降状態P1と上昇状態P2との間で変化する際、内側駆動筒部材本体41aの外周面に対して、鉛直方向に沿って摺動する。これにより、内側駆動筒部材41と中間筒部材42とが、鉛直方向に沿って互いに摺動する。第1下側筒部61aの内周面(第1下側ブッシュ61の径方向内側面)は、昇降機構14が下降状態P1と上昇状態P2との間のいずれの状態であっても、内側駆動筒部材本体41aの外周面と摺接している。
図5および図9に示すように、下降状態P1において、中間筒部材42の下端は、ベース部材28の上面に接触している。より詳細には、下降状態P1において、第1下側ブッシュ61の第1下側縁部61eが、ベース部材28の上面に接触している。これにより、下降状態P1においては、中間筒部材42の下方への移動が規制されている。
図8に示すように、上側ブッシュ62は、中間筒部材本体42aの上側の開口に上方から挿入されて嵌め合わされている。上側ブッシュ62は、中間筒部材42の上側(所定方向の他方側)の端部である。上側ブッシュ62は、鉛直方向に延び、鉛直方向両端に開口した筒状である。より詳細には、上側ブッシュ62は、中心軸Jを中心とした円筒状である。図4に示すように、上側ブッシュ62は、中間筒部材本体42aよりも径方向外側に位置している。上側ブッシュ62は、例えば、一体成型された樹脂製の部材である。
上側ブッシュ62は、上側筒部62aと、上側縁部62eと、上側延出部62bと、上側係合部62cと、を有している。図8に示すように、上側筒部62aは、鉛直方向に延びた円筒状である。上側筒部62aには、上側筒部62aの壁部を径方向に貫通し、上方に開口する孔部62dが形成されている。孔部62dは、鉛直方向に延びている。孔部62dは、中心軸Jを挟んで一対形成されている。
上側縁部62eは、上側筒部62aの上端から径方向内側に突出している。上側縁部62eは、周方向に沿って延びている。上側縁部62eは、上側筒部62aの上端における孔部62dが形成されている部分を除いた部分全体に設けられている。上側縁部62eは、中間筒部材本体42aの上端に上方から接触している。これにより、上側ブッシュ62が、中間筒部材本体42aに対して下方に移動することが規制されている。
上側延出部62bは、孔部62dの下端縁から上方に延びている。上側延出部62bの上端は、上側筒部62aの上端よりも下方に位置している。図4に示すように、上側係合部62cは、上側延出部62bの上端から径方向内側に突出している。上側係合部62cは、上側貫通孔42cに径方向外側から挿入されている。上側係合部62cは、上側貫通孔42cの内縁の上端に、下方から係合している。これにより、上側ブッシュ62が中間筒部材本体42aに対して上方に移動して、中間筒部材本体42aから抜けることが抑制されている。上側係合部62cの径方向内端は、中間筒部材本体42aの内周面と径方向において、ほぼ同じ位置に配置されている。
図4および図6に示すように、上側ブッシュ62は、昇降機構14の状態が下降状態P1と上昇状態P2との間で変化する際、後述する外側駆動筒部材本体43aの内周面に対して、鉛直方向に沿って摺動する。上側筒部62aの外周面(上側ブッシュ62の径方向外側面)は、昇降機構14が下降状態P1と上昇状態P2との間のいずれの状態であっても、外側駆動筒部材本体43aの内周面と摺接している。
図4に示すように、外側駆動筒部材43は、内側駆動筒部材41および中間筒部材42の径方向外側を囲んで鉛直方向に延びている。中間筒部材42は、外側駆動筒部材43に対して、鉛直方向に沿って相対移動自在である。図4および図5に示すように、外側駆動筒部材43は、外側駆動筒部材本体43aと、固定部材48と、第2下側ブッシュ(第2摺動部)63と、を有している。
外側駆動筒部材本体43aは、鉛直方向に延びている。より詳細には、外側駆動筒部材本体43aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。外側駆動筒部材本体43aは、鉛直方向両端に開口している。図4に示すように、外側駆動筒部材本体43aの上端は、内側駆動筒部材41および中間筒部材42よりも上方に位置している。
図5および図9に示すように、外側駆動筒部材本体43aの下端部には、外側駆動筒部材本体43aの壁部を径方向に貫通する第2下側貫通孔43bが形成されている。図9に示すように、第2下側貫通孔43bの形状は、例えば、矩形状である。第2下側貫通孔43bは、中心軸Jを挟んで一対形成されている。
図2および図3に示すように、外側駆動筒部材本体43aには、寝台11側(図2および図3では−Y側)からメインフレーム27が固定されている。頭側Hに配置された2つの被駆動ユニット40の外側駆動筒部材本体43aには、メインフレーム27の頭側Hの端部におる左右方向両端部が固定されている。足側Fに配置された2つの被駆動ユニット40の外側駆動筒部材本体43aには、メインフレーム27の足側Fの端部における左右方向両端部が固定されている。これにより、メインフレーム27は、外側駆動筒部材43の鉛直方向の移動に伴って、鉛直方向に移動する。
図4に示すように、固定部材48は、外側駆動筒部材本体43aをロッド44に固定する部材である。固定部材48は、ロッド固定部48aと、ボルト48bと、を有している。ロッド固定部48aは、例えば、環状の部材である。ロッド固定部48aは、ロッド44の筒固定部44bに、例えば、圧入される等によって固定されている。図2から図4に示すように、ボルト48bは、外側駆動筒部材本体43aの上端部を鉛直方向と直交する方向(図では、X軸方向)に貫通している。図4に示すように、ボルト48bは、外側駆動筒部材本体43aの内部においてロッド固定部48aを貫通している。これにより、固定部材48を介して外側駆動筒部材本体43aがロッド44に固定され、外側駆動筒部材43がロッド44に固定される。固定部材48は、内側駆動筒部材41よりも上方に位置している。すなわち、外側駆動筒部材43は、内側駆動筒部材41よりも上方において、ロッド44と固定されている。
外側駆動筒部材43がロッド44に固定されているため、ロッド44と内側駆動筒部材41との鉛直方向の相対位置が変化することで、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との鉛直方向の相対位置が変化する。内側駆動筒部材41の鉛直方向の位置と外側駆動筒部材43の鉛直方向の位置とは、下降状態P1において最も近く、上昇状態P2において最も離れている。
なお、本明細書において、内側駆動筒部材41の鉛直方向の位置および外側駆動筒部材43の鉛直方向の位置とは、例えば、内側駆動筒部材41の上端の鉛直方向の位置および外側駆動筒部材43の上端の鉛直方向の位置を含む。すなわち、内側駆動筒部材41の鉛直方向の位置と外側駆動筒部材43の鉛直方向の位置とが最も近い、とは、内側駆動筒部材41の上端と外側駆動筒部材43の上端との鉛直方向の距離が最も小さいことを含む。内側駆動筒部材41の鉛直方向の位置と外側駆動筒部材43の鉛直方向の位置とが最も離れている、とは、内側駆動筒部材41の上端と外側駆動筒部材43の上端との鉛直方向の距離が最も大きいことを含む。
図5に示すように、第2下側ブッシュ63は、外側駆動筒部材本体43aの下側の開口に下方から挿入されて嵌め合わされている。第2下側ブッシュ63は、外側駆動筒部材43の下側(所定方向の一方側)の端部である。第2下側ブッシュ63は、鉛直方向に延び、鉛直方向両端に開口した筒状である。より詳細には、第2下側ブッシュ63は、中心軸Jを中心とした円筒状である。第2下側ブッシュ63は、外側駆動筒部材本体43aよりも径方向内側に位置している。第2下側ブッシュ63は、中間筒部材42の上側ブッシュ62よりも下方に位置している。第2下側ブッシュ63は、例えば、一体成型された樹脂製の部材である。
図5および図9に示すように、第2下側ブッシュ63は、第2下側筒部63aと、第2下側縁部63eと、第2下側延出部63bと、第2下側係合部63cと、を有している。第2下側筒部63a、第2下側縁部63eと、第2下側延出部63b、および第2下側係合部63cの形状は、第1下側ブッシュ61の第1下側筒部61a、第1下側縁部61e、第1下側延出部61b、および第1下側係合部61cの形状と同様である。
第2下側係合部63cは、第2下側貫通孔43bに径方向内側から挿入されている。第2下側係合部63cは、第2下側貫通孔43bの内縁の下端に、上方から係合している。これにより、第2下側ブッシュ63が外側駆動筒部材本体43aに対して下方に移動して、外側駆動筒部材本体43aから抜けることが抑制されている。第2下側係合部63cの径方向外端は、外側駆動筒部材本体43aの外周面よりも径方向外側に突出している。
図5および図6に示すように、第2下側ブッシュ63は、昇降機構14の状態が下降状態P1と上昇状態P2との間で変化する際、中間筒部材本体42aの外周面に対して、鉛直方向に沿って摺動する。第2下側筒部63aの内周面(第2下側ブッシュ63の径方向内側面)は、昇降機構14が下降状態P1と上昇状態P2との間のいずれの状態であっても、中間筒部材本体42aの外周面と摺接している。
上側ブッシュ62と外側駆動筒部材本体43aの内周面とが互いに摺動し、第2下側ブッシュ63と中間筒部材本体42aの外周面とが互いに摺動することで、中間筒部材42と外側駆動筒部材43とは、互いに摺動する。
図8に示すように、第1スペーサ部71は、鉛直方向に延び、鉛直方向の両端に開口する筒状である。より詳細には、第1スペーサ部71は、中心軸Jを中心とする円筒状である。本実施形態において第1スペーサ部71は、単一の部材である。第1スペーサ部71は、例えば、樹脂製である。
第1スペーサ部71は、中間筒部材本体42aの内部に収容されている。図7に示すように、第1スペーサ部71は、内側駆動筒部材本体41aと中間筒部材本体42aとの径方向の間で、かつフランジ部46bと第1下側ブッシュ61との鉛直方向の間に位置している。本実施形態において第1スペーサ部71は、フランジ部46bと第1下側ブッシュ61との間で、中間筒部材42に対して鉛直方向に沿って相対移動自在である。
上昇状態P2において第1スペーサ部71の下端は、第1下側ブッシュ61の上端と接触している。上昇状態P2において第1スペーサ部71の上端は、フランジ部46bから下方に離れた位置に配置されている。
図8に示すように、第2スペーサ部72は、鉛直方向に延び、鉛直方向の両端に開口する筒状である。より詳細には、第2スペーサ部72は、中心軸Jを中心とする円筒状である。本実施形態において第2スペーサ部72は、単一の部材である。第2スペーサ部72は、例えば、樹脂製である。
図6に示すように、第2スペーサ部72は、外側駆動筒部材本体43aの内部に収容されている。第2スペーサ部72は、中間筒部材本体42aと外側駆動筒部材本体43aとの径方向の間で、上側ブッシュ62と第2下側ブッシュ63との鉛直方向の間に位置している。本実施形態において第2スペーサ部72は、上側ブッシュ62と第2下側ブッシュ63との間で、外側駆動筒部材43に対して鉛直方向に沿って相対移動自在である。
上昇状態P2において第2スペーサ部72の上端は、上側ブッシュ62の下端と接触している。上昇状態P2において第2スペーサ部72の下端は、第2下側ブッシュ63の上端と接触している。これにより、上昇状態P2においては、第2スペーサ部72の外側駆動筒部材43に対する鉛直方向への相対移動は、規制されている。本実施形態において第2スペーサ部72の外側駆動筒部材43に対する鉛直方向への相対移動は、昇降機構14の状態が下降状態P1から上昇状態P2へと変化する途中から規制される。
図2および図3に示すように、駆動装置50は、モータ51と、ギアボックス52と、伝達シャフト53と、を有している。モータ51の出力軸は、ギアボックス52に接続されている。図2および図3の例では、モータ51の出力軸は、例えば、鉛直方向に延びており、中心軸Jと平行な軸周りに回転する。ギアボックス52は、モータ51の出力軸の回転を伝達シャフト53の回転に変換する。また、ギアボックス52は、例えば、モータ51の回転を減速して、伝達シャフト53に伝える。
伝達シャフト53は、ギアボックス52に接続されており、ギアボックス52から左右方向(X軸方向)両側に延びている。伝達シャフト53には、ギアボックス52を介してモータ51の出力軸の回転が伝えられる。伝達シャフト53は、モータ51の出力軸が回転することで、左右方向に沿った軸周りに回転する。伝達シャフト53の左右方向両端には、それぞれシャフト側傘歯車54が設けられている。シャフト側傘歯車54は、左右の被駆動ユニット40のロッド側傘歯車45とそれぞれ噛み合わされている。これにより、伝達シャフト53の回転が、シャフト側傘歯車54およびロッド側傘歯車45を介して、左右の被駆動ユニット40のロッド44に伝達される。
連結部材26は、左右方向に延びた角柱状の部材である。連結部材26は、2つの被駆動ユニット40同士を連結している。連結部材26は、各被駆動ユニット40の外側駆動筒部材本体43aに固定されている。連結部材26の上面には、モータ51が固定されている。
次に、昇降機構14の動作について説明する。まず、昇降機構14が下降状態P1から上昇状態P2へと変化する場合について説明する。駆動装置50のモータ51の出力軸が回転すると、伝達シャフト53が回転して、左右の被駆動ユニット40のロッド44が周方向(θ方向)に回転する。ロッド44が回転すると、ロッド44とナット部材46とが鉛直方向に沿って互いに相対移動する。
これにより、ナット部材46は、図4に示す下降状態P1から、ロッド44に対して下方に相対移動する。本実施形態においては、ナット部材46が固定された内側駆動筒部材本体41aが、ベース部材28に固定されているため、ナット部材46に対して、ロッド44が上方へと移動する。
ロッド44が上方へと移動するのに伴って、ロッド44に固定された外側駆動筒部材43も上方へと移動する。すなわち、駆動装置50は、ロッド44を介して内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43とを鉛直方向に沿って互いに相対移動させる。ここで、図5に示すように、下降状態P1において第2スペーサ部72の下端は、外側駆動筒部材43の第2下側ブッシュ63の上端に接触している。そのため、外側駆動筒部材43が上方へと移動するのに伴って、第2スペーサ部72も上方へと移動する。なお、外側駆動筒部材43が上方へと移動するのに伴って、連結部材26および駆動装置50も上方へと移動する。
ロッド44、外側駆動筒部材43および第2スペーサ部72が、ある程度、上方へと移動すると、図6に示すように、第2スペーサ部72の上端が中間筒部材42の上側ブッシュ62の下端と接触する。これにより、外側駆動筒部材43が、第2スペーサ部72を介して、中間筒部材42を上方へと押し上げる。したがって、外側駆動筒部材43の上方への移動と共に、中間筒部材42が上方へと移動し始める。ここで、中間筒部材42と外側駆動筒部材43との鉛直方向の相対位置は、第2スペーサ部72によって維持される。すなわち、中間筒部材42と外側駆動筒部材43とは、少なくとも第2スペーサ部72の鉛直方向の寸法の分だけ、互いに径方向に重なり合った状態を維持しつつ、上方へと移動する。
図5に示すように、下降状態P1において第1スペーサ部71の下端は、中間筒部材42の第1下側ブッシュ61の上端に接触している。そのため、中間筒部材42が上方へと移動するのに伴って、第1スペーサ部71も上方へと移動する。
ロッド44、中間筒部材42、外側駆動筒部材43、第1スペーサ部71および第2スペーサ部72の上方への移動は、昇降機構14が上昇状態P2となった時点で停止される。図7に示すように、上昇状態P2において外側駆動筒部材43は、内側駆動筒部材41よりも上方に位置する。
本実施形態においては、上昇状態P2において第1スペーサ部71の上端は、フランジ部46bよりも下方に離れて位置しているが、何らかの理由によって中間筒部材42が図7に示す上昇状態P2における位置よりもさらに上方へと移動することも考えられる。すなわち、中間筒部材42の状態は、本実施形態の上昇状態P2において、図10の左図に示す状態P2aと図10の右図に示す状態P2bとの間で変化可能となっている。
図10は、上昇状態P2における各部を模式的に示している。図10の左図は、図6から図8に示す状態と同じ状態P2aを示している。
図10の左図に示す状態P2aから中間筒部材42がさらに上方へ移動すると、中間筒部材42の状態は、図10の右図に示す状態P2bとなる。状態P2bにおいて第1スペーサ部71の上端は、フランジ部46bの下端に接触し、中間筒部材42がそれ以上、上方へと移動することが規制される。このように、中間筒部材42と内側駆動筒部材41との鉛直方向の相対位置は、第1スペーサ部71によって一定範囲内に維持される。すなわち、内側駆動筒部材41と中間筒部材42とは、少なくとも第1スペーサ部71の鉛直方向の寸法の分だけ、互いに径方向に重なり合った状態に維持される。
具体的に、図10の例では、内側駆動筒部材41と中間筒部材42とが径方向に重なる部分の鉛直方向の寸法L1は、状態P2aにおける寸法値L1maxと、状態P2bにおける寸法値L1minとの間で変化する。寸法値L1maxは、寸法値L1minよりも大きい。すなわち、寸法L1は、寸法値L1min以上、寸法値L1max以下である。寸法L1は、内側駆動筒部材41の上端から中間筒部材42の下端までの鉛直方向の寸法である。図10の例では、ナット部材46等の分だけ、寸法値L1minは、第1スペーサ部71の鉛直方向の寸法よりも大きい。
外側駆動筒部材43と中間筒部材42とが径方向に重なる部分の鉛直方向の寸法L2は、状態P2aにおける寸法値L2minと、状態P2bにおける寸法値L2maxとの間で変化する。寸法値L2maxは、寸法値L2minよりも大きい。すなわち、寸法L2は、寸法値L2min以上、寸法値L2max以下である。寸法L2は、外側駆動筒部材43の下端から中間筒部材42の上端までの鉛直方向の寸法である。図10の例では、各ブッシュ等の分だけ、寸法値L2minは、第2スペーサ部72の鉛直方向の寸法よりも大きい。
次に、昇降機構14が上昇状態P2から下降状態P1へと変化する場合について説明する。駆動装置50のモータ51が、昇降機構14が下降状態P1から上昇状態P2へと変化する場合と逆向きに回転すると、ロッド44は下方へと移動する。これにより、外側駆動筒部材43が下方へと移動する。
外側駆動筒部材43が下方へと移動することで、第2下側ブッシュ63を介して上方へと押し上げられていた第2スペーサ部72および中間筒部材42が自重によって下方へと移動する。このとき、中間筒部材42が下方へと移動することに伴って、第1下側ブッシュ61によって上方へと押し上げられていた第1スペーサ部71も自重によって下方へと移動する。
ロッド44、中間筒部材42、外側駆動筒部材43、第1スペーサ部71および第2スペーサ部72が、ある程度、下方へと移動すると、中間筒部材42の下端がベース部材28の上端に接触する。これにより、中間筒部材42の下方への移動および第1スペーサ部71の下方への移動が停止される。ロッド44、外側駆動筒部材43および第2スペーサ部72の下方への移動は、昇降機構14が下降状態P1となった時点で停止される。
なお、外側駆動筒部材43が下方に移動し始めた際に、何らかの理由で中間筒部材42が下方に移動しなかった場合であっても、ある程度、外側駆動筒部材43が下方へと移動すると、中間筒部材42の上端に外側駆動筒部材43の固定部材48が接触する。そのため、固定部材48を介して、中間筒部材42は下方へと押し下げられる。また、外側駆動筒部材43が下方に移動し始めた際に、何らかの理由で第2スペーサ部72が下方に移動しなかった場合であっても、上述したように中間筒部材42が下方へと押し下げられることで、第2スペーサ部72は、中間筒部材42の上側ブッシュ62によって押し下げられる。
以上のようにして、昇降機構14は、下降状態P1と上昇状態P2との間で、昇降動作を行うことができる。頭側Hの昇降機構14と足側Fの昇降機構14とが連動して上述の昇降動作を行うことで、寝台11が鉛直方向に沿って平行移動する。すなわち、外側駆動筒部材43が上方に移動することで、外側駆動筒部材本体43aに固定されたメインフレーム27が上方へと移動する。これにより、メインフレーム27に支持された寝台11が上方へと移動し、寝台11の鉛直方向位置が高くなる。また、外側駆動筒部材43が下方に移動することで、メインフレーム27が下方へと移動する。これにより、寝台11が下方へと移動し、寝台11の鉛直方向位置が低くなる。
本実施形態によれば、ロッド44に対して鉛直方向に相対移動する内側駆動筒部材41とロッド44に固定された外側駆動筒部材43との間に、両方の駆動筒部材に対して相対移動自在に配置された中間筒部材42が設けられている。そのため、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43とを鉛直方向に離れる向きに相対移動させる際に、中間筒部材42を内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との両方と径方向に重なり合わせることで、隣り合う筒部材同士の径方向の重なり合いをそれぞれ十分に確保しやすい。すなわち、中間筒部材42を内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との鉛直方向の間に位置させることで、内側駆動筒部材41と中間筒部材42との径方向の重なり、および外側駆動筒部材43と中間筒部材42との径方向の重なり、をそれぞれ十分に確保しやすい。したがって、外側駆動筒部材43を内側駆動筒部材41と径方向に重なる部分の鉛直方向の寸法が比較的小さくなるまで移動させてストロークを大きくした場合であっても、各筒部材同士の連結部分において、ガタつきを抑制でき、リニアアクチュエータ30の曲げ強度を確保できる。
また、本実施形態のように、外側駆動筒部材43を内側駆動筒部材41よりも上方まで移動させた場合であっても、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43とのそれぞれが中間筒部材42と径方向に重なり合うことが可能である。そのため、中間筒部材42が設けられない場合に比べて、よりストロークを大きく確保できる。
また、中間筒部材42は、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との径方向の間に位置する。そのため、下降状態P1において、中間筒部材42は、外側駆動筒部材43内に収容される。これにより、中間筒部材42を設けてもリニアアクチュエータ30の鉛直方向の寸法が大型化することがない。
また、駆動装置50によって互いに駆動される2つの駆動筒部材(内側駆動筒部材41および外側駆動筒部材43)同士の間に、鉛直方向に沿って移動自在な中間筒部材42が配置されている。このように、3つの筒部材のうち駆動される駆動筒部材は2つであるため、例えば、3つの筒部材がすべて駆動筒部材である場合に比べて、リニアアクチュエータ30の構成を簡単にできる。
また、上昇状態P2において、ロッド44を介して駆動される2つの駆動筒部材が、中間筒部材42を挟んで鉛直方向両側に配置される。そのため、リニアアクチュエータ30を伸ばして上昇状態P2とした場合であっても、ロッド44を介して強固に連結された2つの駆動筒部材によってリニアアクチュエータ30全体が支持され、リニアアクチュエータ30の曲げ強度が低下することが抑制される。
以上により、本実施形態によれば、簡単な構成で、大型化を抑制しつつ、曲げ強度およびストロークを確保できる構造を有するリニアアクチュエータ30が得られる。また、簡単な構成とできるため、リニアアクチュエータ30を組み立てる手間および製造コストを低減できる。
本実施形態の寝台装置10のような身体支持部(寝台11)が移動可能な身体支持装置においては、利用者の身体を安定して支持できることが特に望まれている。加えて、利用者の利便性および設置スペースの制限等の理由から、身体支持部の移動するストロークを大きくすること、および装置全体の小型化も特に望まれている。したがって、上述した本実施形態の効果は、本実施形態のリニアアクチュエータ30を身体支持装置に用いた場合に、特に大きく得られる。
また、例えば、寝台装置においては、寝台の鉛直方向位置を低くできることが望まれている。寝台の鉛直方向位置を低くできることで、利用者が安定した端座位を取りやすく、利用者がリハビリテーションを行う患者である場合に、リハビリテーションの促進が望まれる等のためである。一方で、患者(利用者)を介護する介護者にとっては、寝台の鉛直方向位置がある程度高い方が、患者の介護をする際の身体的な負担が小さく、望ましい。このような理由から、寝台装置においては、寝台の昇降のストロークがある程度大きいことが特に好ましい。
また、病院等の設置スペースの問題、および介護者による利用者の介護時に邪魔となりやすい等の問題から、寝台装置は小型であることが望ましい。また、下降状態P1におけるリニアアクチュエータ30の鉛直方向の寸法が大きいと、内部に昇降機構14の上部が配置されるボード13の鉛直方向の寸法も大きくなる。ボード13の鉛直方向の寸法が大きいと寝台装置の利用者に過大な視覚的圧迫感を与える場合がある。そのため、下降状態P1におけるリニアアクチュエータ30の鉛直方向の寸法は小さいことが好ましい。
このように、寝台装置においては、リニアアクチュエータ30を小型化しつつ、リニアアクチュエータ30のストロークを大きくするという要求が特に大きい。したがって、上述した本実施形態の効果は、本実施形態のリニアアクチュエータ30を寝台装置に用いた場合に、さらに大きく得られる。
また、本実施形態の寝台装置10は、鉛直方向に駆動するリニアアクチュエータ30によって昇降される。そのため、本実施形態のように、寝台11の頭側Hと足側Fとにそれぞれリニアアクチュエータ30を有する昇降機構14を配置することで、寝台装置10を昇降できる。これにより、メインフレーム27の内側にスペースを確保することができ、背ボトム18および脚ボトム19を駆動するためのリンクおよび駆動装置を配置しやすい。また、支持架台12における昇降機構14以外の部分全体を昇降できるため、図1および図3に示すように、上昇状態P2において寝台11およびメインフレーム27の下側にスペースを空けることができる。これにより、寝台11の下側の床面の清掃を行いやすい。
また、本実施形態によれば、中間筒部材42には第1下側ブッシュ61が設けられている。そのため、内側駆動筒部材本体41aと中間筒部材本体42aとの径方向の間のクリアランスを好適に小さくしやすく、内側駆動筒部材本体41aと中間筒部材本体42aとのガタつきをより抑制できる。
また、例えば、中間筒部材42が内側駆動筒部材41に対して上方に移動する場合、中間筒部材42が上方に移動すると、中間筒部材42の下端部である第1下側ブッシュ61が内側駆動筒部材41の上端部であるフランジ部46bに近づき、内側駆動筒部材41と中間筒部材42との径方向の重なりは小さくなる。
これに対して、本実施形態によれば、フランジ部46bと第1下側ブッシュ61との鉛直方向の間に第1スペーサ部71が設けられている。そのため、フランジ部46bと第1下側ブッシュ61との鉛直方向の距離が、第1スペーサ部71の鉛直方向の寸法よりも小さくなることがない。これにより、内側駆動筒部材41と中間筒部材42とが互いに摺動する際に、内側駆動筒部材41と中間筒部材42との径方向の重なりを、少なくとも第1スペーサ部71の分だけ確保することができる。したがって、内側駆動筒部材41と中間筒部材42とが径方向に重なる部分の長さを一定以上に確保した状態で、リニアアクチュエータ30を駆動することができ、リニアアクチュエータ30の曲げ強度が小さくなることをより抑制できる。
また、フランジ部46bは内側駆動筒部材41の上側の端部であり、第1下側ブッシュ61は中間筒部材42の下側の端部である。そのため、フランジ部46bと第1下側ブッシュ61との鉛直方向の距離を大きくできる。これにより、第1スペーサ部71の鉛直方向の寸法を大きくすることができ、内側駆動筒部材41と中間筒部材42との径方向の重なりを大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、中間筒部材42には上側ブッシュ62が設けられ、外側駆動筒部材43には第2下側ブッシュ63が設けられている。そのため、中間筒部材本体42aと外側駆動筒部材本体43aとの径方向の間のクリアランスを好適に小さくしやすく、中間筒部材本体42aと外側駆動筒部材本体43aとのガタつきをより抑制できる。また、上側ブッシュ62は中間筒部材42の上側の端部であり、第2下側ブッシュ63は外側駆動筒部材43の下側の端部であるため、上側ブッシュ62と第2下側ブッシュ63との鉛直方向の距離を大きくできる。これにより、中間筒部材42が外側駆動筒部材43と接触する箇所と、外側駆動筒部材43が中間筒部材42と接触する箇所と、の間の鉛直方向の距離を大きくでき、中間筒部材42と外側駆動筒部材43とを安定して互いに摺動させることができる。
また、例えば、外側駆動筒部材43が中間筒部材42に対して上方に移動する場合、外側駆動筒部材43が上方に移動すると、外側駆動筒部材43の下端部である第2下側ブッシュ63が中間筒部材42の上端部である上側ブッシュ62に近づき、中間筒部材42と外側駆動筒部材43との径方向の重なりは小さくなる。
これに対して、本実施形態によれば、上側ブッシュ62と第2下側ブッシュ63との鉛直方向の間に第2スペーサ部72が設けられている。そのため、上側ブッシュ62と第2下側ブッシュ63との鉛直方向の距離が、第2スペーサ部72の鉛直方向の寸法よりも小さくなることがない。これにより、中間筒部材42と外側駆動筒部材43とが互いに摺動する際に、中間筒部材42と外側駆動筒部材43との径方向の重なりを、少なくとも第2スペーサ部72の分だけ確保することができる。したがって、中間筒部材42と外側駆動筒部材43とが径方向に重なる部分の長さを一定以上に確保した状態で、リニアアクチュエータ30を駆動することができ、リニアアクチュエータ30の曲げ強度が小さくなることをより抑制できる。
また、上側ブッシュ62と第2下側ブッシュ63との鉛直方向の距離を大きくできるため、第2スペーサ部72の鉛直方向の寸法を大きくすることができ、中間筒部材42と外側駆動筒部材43との径方向の重なりを大きくすることができる。
また、例えば、中間筒部材42が設けられていない場合、内側駆動筒部材と外側駆動筒部材との径方向の重なりをある程度確保できる範囲内で、内側駆動筒部材と外側駆動筒部材とを相対移動させる必要がある。そのため、下降状態P1において内側駆動筒部材の内部における下側の端部近傍までロッドの下端を延ばしても、上昇状態P2においてナット部材がロッドの下端まで相対移動せず、ロッドの下部を利用することができない。したがって、中間筒部材42が設けられていない場合には、ロッドの鉛直方向の寸法を、下降状態P1から上昇状態P2に変化するまでにおいて必要となる程度の大きさとしていた。そのため、内側駆動筒部材の内部における下部には、ロッドが設けられず、無駄なスペースが生じていた。
これに対して、本実施形態によれば、中間筒部材42が設けられることで、上述したように外側駆動筒部材43を内側駆動筒部材41よりも上方まで移動させることができる。すなわち、内側駆動筒部材41の鉛直方向の寸法以上に、外側駆動筒部材43を移動させることができる。そのため、ロッド44の下端を、内側駆動筒部材41の内部における下端近傍まで延ばして、内側駆動筒部材41の内部の全体に亘ってロッド本体44aを設けた場合であっても、ロッド本体44aに対して、ナット部材46を上端から下端まで相対移動させることができる。すなわち、ロッド本体44aの全体を利用することができる。このように、本実施形態によれば、内側駆動筒部材41の内部のスペースを、ロッド本体44aの収容スペースとして有用に活用することができる。
また、本実施形態によれば、ロッド44の外周面に雄ネジ部44cが設けられ、内側駆動筒部材41の内周面に雄ネジ部44cと螺合された雌ネジ部46cが設けられている。そのため、ロッド44を回転させることで内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との鉛直方向の相対位置を変化させることができる。これにより、例えば、ロッド44の回転をモータ51によって制御することで、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との鉛直方向の相対位置を精度よく制御することができる。また、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43(ロッド44)とが、螺合によって接続されているため、モータ51の駆動を停止した場合であっても、別途ストッパー等を設けることなく、内側駆動筒部材41と外側駆動筒部材43との相対位置を維持できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。
中間筒部材42は、複数の筒部材によって構成されていてもよい。この場合、複数の筒部材は、それぞれ直径が異なり、大きい直径の筒部材の内部に小さい直径の筒部材が収容可能である。そして、複数の筒部材のうち隣り合う筒部材は、鉛直方向に沿って互いに相対移動自在であり、かつ、互いに径方向に重なり合う。この構成によれば、リニアアクチュエータ30のストロークをより大きくすることが可能である。
また、上記説明においては、内側駆動筒部材41を固定して、ナット部材46に対して、ロッド44(外側駆動筒部材43)が移動する構成としたが、これに限られない。例えば、ロッド44(外側駆動筒部材43)を固定して、ロッド44に対して、ナット部材46(内側駆動筒部材41)が移動する構成としてもよい。
また、内側駆動筒部材41と中間筒部材42との相対移動、および中間筒部材42と外側駆動筒部材43との相対移動は、摺動に限られず、いかなる移動態様であってもよい。
また、第1スペーサ部71は、例えば、第1下側ブッシュ61と一体に形成されていてもよいし、フランジ部46bと一体に形成されていてもよい。また、第1スペーサ部71の形状は、第1下側ブッシュ61とフランジ部46bとの間の距離を一定に維持できるならば、特に限定されない。第1スペーサ部71は、例えば、鉛直方向に延びた棒状であってもよい。この場合、第1スペーサ部71は、周方向に沿って複数設けられていてもよい。
また、第2スペーサ部72は、第2下側ブッシュ63と一体に形成されていてもよいし、上側ブッシュ62と一体に形成されていてもよい。また、第2スペーサ部72の形状は、第2下側ブッシュ63と上側ブッシュ62との間の距離を一定に維持できるならば、特に限定されない。第2スペーサ部72は、例えば、鉛直方向に延びた棒状であってもよい。この場合、第2スペーサ部72は、周方向に沿って複数設けられていてもよい。
なお、本発明のリニアアクチュエータが適用される寝台装置は、上記説明した寝台装置に限られず、いかなる寝台装置に適用されてもよい。また、本発明のリニアアクチュエータが適用される身体支持装置としては、寝台装置に限られず、利用者の身体の少なくとも一部を支持する身体支持部と、身体支持部を移動させる移動機構と、を備える身体支持装置であれば、特に限定されない。身体支持装置は、例えば、椅子であってもよい。また、本発明のリニアアクチュエータが適用される機器は、特に限定されず、身体支持装置でなくてもよい。
また、本発明に係るリニアアクチュエータの駆動方向は、鉛直方向に限られない。本発明に係るリニアアクチュエータは、適用される機器に応じて、いかなる方向に駆動されてもよい。例えば、上述した実施形態におけるリニアアクチュエータ30の駆動方向は、厳密に鉛直方向でなくてもよく、寝台11を昇降できるならば、鉛直方向に対して傾いていてもよい。
また、本発明は、駆動筒部材が3つ以上のリニアアクチュエータに対しても適用することができる。この場合、隣り合う駆動筒部材同士の間にそれぞれ中間筒部材を配置する。例えば、駆動筒部材が3つのリニアアクチュエータの場合には、中間筒部材は2つ設けられ、リニアアクチュエータは、計5つの筒部材が設けられる構成となる。これにより、3つ以上の駆動筒部材を有するリニアアクチュエータにおいても、簡単な構成で、大型化を抑制しつつ、曲げ強度およびストロークを確保することができる。
また、上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。