JP2018028913A - タッチパネル - Google Patents
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Abstract
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また、本発明は、静電容量方式のタッチパネルにおいて、2つの透明導電膜の間、または透明導電膜とカバー材との間に使用される粘着剤であって、屈折率が1.45〜1.54であり、80℃における貯蔵弾性率が0.02〜0.10MPaであり、カルボキシル基を有する成分を含有しないことを特徴とする粘着剤を提供する。
上記発明(発明3)において、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、水酸基を有するモノマー5〜30質量%と、ホモポリマーとしてのガラス転移温度が70℃以上の芳香族環を有しないハードモノマー5〜40質量%とを含有することが好ましい(発明4)。
〔粘着剤〕
本実施形態に係る粘着剤は、屈折率が1.45〜1.54であり、80℃における貯蔵弾性率が0.02〜0.10MPaであり、カルボキシル基を有する成分を含有しないものである。この粘着剤は、静電容量方式のタッチパネルにおいて、2つの透明導電膜の間、または透明導電膜とカバー材との間に使用される。
粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を粘着主剤として含有することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)において、水酸基含有モノマーおよび上記ハードモノマーの含有量が前述した範囲にあることで、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を含有する粘着性組成物Pから得られる粘着剤が前述した屈折率および貯蔵弾性率を満たし易くなる。
粘着性組成物Pを架橋すると、架橋剤(B)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を構成する水酸基含有モノマー由来の水酸基と反応する。これにより、架橋剤(B)によって(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が架橋された構造が形成される。
粘着性組成物Pは、得られる粘着剤の粘着力を改善する観点から、シランカップリング剤(C)を含有することが好ましい。シランカップリング剤(C)としては、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物であって、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)との相溶性がよく、光透過性を有するものが好ましい。
粘着性組成物Pには、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば屈折率調整剤、帯電防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤などを添加することができる。
粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を製造し、得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に、架橋剤(B)、および所望により、シランカップリング剤(C)、添加剤を加えることで製造することができる。
本実施形態に係る粘着剤は、粘着性組成物Pを架橋してなるものであることが好ましい。粘着性組成物Pの架橋は、通常は加熱処理により行うことができる。なお、この加熱処理は、粘着性組成物Pの希釈溶剤等を揮発させる際の乾燥処理で兼ねることもできる。
図1に示すように、本実施形態に係る粘着シート1は、2枚の剥離シート12a,12bと、それら2枚の剥離シート12a,12bの剥離面と接するように当該2枚の剥離シート12a,12bに挟持された粘着剤層11とから構成される。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
粘着剤層11は、前述した粘着剤から構成され、好ましくは粘着性組成物Pを架橋してなる粘着剤から構成される。
剥離シート12a,12bとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
粘着シート1の一製造例としては、一方の剥離シート12a(または12b)の剥離面に、上記粘着性組成物Pの塗布液を塗布し、加熱処理を行って粘着性組成物Pを架橋し、塗布層を形成した後、その塗布層に他方の剥離シート12b(または12a)の剥離面を重ね合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1が得られる。加熱処理および養生の条件については、前述した通りである。
粘着剤層11を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材上に積層した積層体の粘着剤層11側の面を、スズドープ酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜が設けられた透明導電性フィルムの当該透明導電膜に貼付した場合における、当該積層体の透明導電性フィルムに対する粘着力は、5〜80N/25mmであることが好ましく、特に10〜70N/25mmであることが好ましく、さらには15〜50N/25mmであることが好ましい。粘着力が上記範囲にあることにより、タッチパネルの構成部材が確実に接着される。
上記粘着シート1を使用することにより、例えば、図2に示す静電容量方式のタッチパネル2を製造することができる。タッチパネル2は、表示体モジュール3と、その上に粘着剤層4を介して積層された第1のフィルムセンサー5aと、その上に粘着剤層11を介して積層された第2のフィルムセンサー5bと、その上に粘着剤層11を介して積層されたカバー材6とを備えて構成される。
粘着シート1から一方の剥離シート12a(又は12b)を剥離し、露出した粘着剤層11を、フィルムセンサー5aのパターニングされた透明導電膜52と接するように、当該フィルムセンサー5aと貼合する。次いで、上記粘着シート1から他方の剥離シート12b(又は12a)を剥離し、露出した粘着剤層11を、フィルムセンサー5bのパターニングされた透明導電膜52と接するように、当該フィルムセンサー5bと貼合する。これにより、フィルムセンサー5a、粘着剤層11およびフィルムセンサー5bが順次積層されてなる積層体が得られる。
1.(メタ)アクリル酸エステル共重合体の調製
アクリル酸ブチル30質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル30質量部、メタクリル酸メチル20質量部およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル20質量部を共重合させて、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を調製した。この(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の分子量を後述する方法で測定したところ、重量平均分子量(Mw)60万であった。
上記工程(1)で得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、架橋剤(B)としてのトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(綜研化学社製,製品名「L−45」)0.25質量部と、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製,製品名「KBM−403」)0.2質量部とを混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、固形分濃度40質量%の粘着性組成物の塗布溶液を得た。
[(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)]
BA:アクリル酸n−ブチル
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル(ハードモノマー)
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
IBXA:アクリル酸イソボルニル(ハードモノマー)
ACMO:アクリロイルモルホリン(ハードモノマー)
A−LEN:エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業社製)
BzA:アクリル酸ベンジル
AA:アクリル酸
V−3F:2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート
[架橋剤(B)]
TDI:トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(綜研化学社製,製品名「L−45」)
XDI:トリメチロールプロパン変性キシリレンレンジイソシアネート(綜研化学社製,製品名「TD−75」)
エポキシ:1,3−ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学社製,製品名「TETRAD−C」)
得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した重剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET752150」)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが25μmになるようにナイフコーターで塗布したのち、100℃で4分間加熱処理して塗布層を形成した。同様に、得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した軽剥離型剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET382120」)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが25μmになるようにナイフコーターで塗布したのち、100℃で4分間加熱処理して塗布層を形成した。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を構成する各モノマーの種類、割合および重合平均分子量(Mw)、架橋剤(B)の種類および配合量、ならびにシランカップリング剤(C)の配合量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。なお、実施例7〜9については、粘着性組成物に、さらに屈折率調整剤としての安息香酸ベンジル(東京化成工業社製)を配合した。配合量は表1に示す通りである。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC−8020
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL−H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
実施例および比較例で得られた粘着シートから軽剥離型剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層を、易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製,PETA4300,厚さ:100μm)の易接着層に貼合した。その積層体を、幅25mm、長さ100mmに裁断し、これをサンプルとした。
実施例および比較例で得られた粘着シートから剥離シートを剥がし、粘着剤層を厚さ3mmになるように複数層積層した。得られた粘着剤層の積層体から、直径8mmの円柱体(高さ3mm)を打ち抜き、これをサンプルとした。
測定周波数:1Hz
測定温度:80℃
実施例および比較例で得られた粘着シートの粘着剤層の屈折率を、アッベ屈折計(アタゴ社製,品名「アッベ屈折計DR−M2」,Na光源,波長:589nm)を使用して、JIS K0062−1992に準じて測定した。結果を表2に示す。
厚さ125μmのPETフィルムの片面にスズドープ酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜(ITO膜)が設けられた透明導電性フィルム(尾池工業社製,ITOフィルム)のITO膜上に、複数のポリイミド粘着テープ(幅1cm)を、1cm間隔でそれぞれ平行に配列されるように貼り合わせた。
◎:パターンが見えない。
○:パターンがうっすら見える。
×:パターンが見える。
(a)評価用サンプルの作製
ガラス板(NSGプレシジョン社製,製品名「コーニングガラス イーグルXG」,縦90mm×横50mm×厚み0.5mm)の表面に、紫外線硬化型インク(帝国インキ社製,製品名「POS−911墨」)を塗布厚が5μm、10μm、15μm及び20μmとなるように額縁状(外形:縦90mm×横50mm,幅5mm)にスクリーン印刷した。次いで、紫外線を照射(80W/cm2,メタルハライドランプ2灯,ランプ高さ15cm,ベルトスピード10〜15m/分)して、印刷した上記紫外線硬化型インクを硬化させ、印刷による段差(段差の高さ:5μm、10μm、15μm及び20μm)を有する段差付ガラス板を作製した。
上記評価用サンプルについて、最初に、評価用サンプルが得られた段階での段差追従性を「初期」として評価した。段差追従性は、粘着剤層により印刷段差が完全に埋められたか否かで判断し、印刷段差と粘着剤層との界面で隙間や気泡などが観察された場合は、印刷段差に追従できなかったと判断される。ここでは、段差追従性は、下記の基準にしたがって段差追従率(%)として評価した。
◎:段差追従率40%
○:段差追従率10%〜30%
×:段差追従率10%未満
実施例および比較例で得られた粘着シートの粘着剤層を、2枚のソーダライムガラス(厚さ:1.1mm)で挟み、積層体を得た。その積層体について、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名「NDH2000」)を用いて、JIS K7136:2000に準じてヘイズ値(%)を測定した。
実施例および比較例で得られた粘着シートの粘着剤層を、PETフィルムの片面にスズドープ酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜が設けられた透明導電性フィルム(尾池工業社製,ITOフィルム,厚さ:125μm)の透明導電膜と、ポリカーボネート板(三菱ガス化学社製,ユーピロン・シート MR58,厚さ:1mm)とで挟み、積層体を得た。
11…粘着剤層
12a,12b…剥離シート
2…タッチパネル
3…表示体モジュール
4…粘着剤層
5a…第1のフィルムセンサー
5b…第2のフィルムセンサー
51…基材フィルム
52…透明導電膜
6…カバー材
7…印刷層
Claims (8)
- 2つの透明導電膜、または透明導電膜とカバー材とを備え、前記2つの透明導電膜の間、または前記透明導電膜とカバー材との間に位置する粘着剤層をさらに備える静電容量方式のタッチパネルであって、
前記粘着剤層は、
屈折率が、1.47〜1.54であり、
80℃における貯蔵弾性率が、0.02〜0.10MPaであり、
カルボキシル基を有する成分を含有しない
粘着剤からなるものであることを特徴とするタッチパネル。 - 前記粘着剤はアクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
- 前記アクリル系粘着剤は、
重合体を構成するモノマー単位としてカルボキシル基を有するモノマーを含有しない(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、
架橋剤(B)と
を含む粘着性組成物を架橋してなるものである
ことを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。 - 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、水酸基を有するモノマー5〜30質量%と、ホモポリマーとしてのガラス転移温度が70℃以上の芳香族環を有しないハードモノマー5〜40質量%とを含有することを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位である前記ハードモノマーとして、メタクリル酸メチル、アクリル酸イソボルニルおよびアクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項4に記載のタッチパネル。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量は、20万〜100万であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のタッチパネル。
- 前記粘着剤は、さらにシランカップリング剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のタッチパネル。
- 前記粘着剤層の厚さは、10〜400μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のタッチパネル。
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