JP2018026355A - X線発生管及びそれを用いたx線発生装置とx線撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な手段によって耐電圧性の向上した放射線発生管を提供する。【解決手段】絶縁管5の一方の開口にカソード2を、他方にアノード4を接合して成る放射線発生管1において、絶縁管5の外周に、絶縁管5よりもシート抵抗値の低い抵抗膜6を配置し、抵抗膜6によってカソード2とアノード4とを電気的に接続する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば医療機器、非破壊検査装置等に適用できる放射線発生管及びそれを備えた放射線発生装置と放射線撮影システムに関する。
一般に、放射線発生管は電子放出源から放出される電子を真空中において高電圧で加速し、タングステン等の金属で構成されるターゲットに照射してX線等の放射線を発生させて使用する。放射線発生管において設定される高電圧は、例えば100kV程度を必要とし、係る放射線発生管はその高圧に耐えうる構造を必要とする。
特許文献1には、X線管の導電部である外囲器本体に電気的に接続された電気抵抗膜を電気絶縁部であるバルブの外面に塗布することによって、該バルブの放電による破損を安定して抑制する技術が開示されている。
特開2009−245806号公報
特許文献1に開示されたX線管においては、電気抵抗膜をバルブの電圧印加部近傍には塗布しないことで、バルブの絶縁性を保持している。しかしながら、係る構成では、バルブの外面の電位分布において、電気抵抗膜で覆われていない領域の電位勾配が急峻となることを抑制するため、複雑なバルブ形状とする必要が生じていた。
本発明の課題は、簡易な手段によって放射線発生管の耐圧性を向上させることにあり、さらには、耐圧性の向上した放射線発生管を用いて、信頼性の高い放射線発生装置及び放射線撮影システムを提供することにある。
本発明の第1は、絶縁管と、電子放出源を有し前記絶縁管の管軸方向の一端に接合されるカソードと、ターゲットを有し前記絶縁管の管軸方向の他端に接合されるアノードと、前記絶縁管の外周に位置し前記絶縁管より低いシート抵抗値を有する抵抗層と、を有し、
前記カソードと前記アノードは、前記抵抗層を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とするX線発生管である。
本発明の第2は、上記本発明の第1のX線発生管と、絶縁性液体と、前記絶縁性液体と前記X線発生管とを収容する収納容器と、を備えたX線発生装置であって、
前記収納容器は、前記X線発生管から発生するX線を取り出すための放出窓を有していることを特徴とする。
本発明の第3は、上記本発明の第2のX線発生装置と、前記X線発生装置から放出され、被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とするX線撮影システムである。
本発明によれば、絶縁管の表面を絶縁管よりもシート抵抗の低い抵抗膜で覆い、カソードとアノードとを電気的に接続することで、従来の絶縁管表面における帯電を防止し、極端な電位勾配を緩和することができる。よって、簡易な構成によって放電の発生を抑制して耐圧が向上した放射線発生管を提供することができ、係る放射線発生管を用いて、信頼性の高い放射線発生装置及び放射線撮影システムを提供することができる。
本発明の放射線発生管の実施形態の構成を示す断面模式図である。 本発明の放射線発生装置の一実施形態の構成を示す断面模式図である。 本発明の放射線撮影システムの一実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の放射線発生管の他の電気的接続形態を示す断面模式図である。 本発明の放射線発生管の他の電気的接続形態を示す断面模式図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。また、本明細書で特に図示又は記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知又は公知の技術を適用する。尚、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
図1(a)に示すように、本発明の放射線発生管1は、基本的に、絶縁管5とカソード2とアノード4とを備えている。カソード2は、絶縁管5の一方の開口を覆い、絶縁管5の端面13に周縁部が接合されており、アノード4は、絶縁管5の他方の開口を覆い、絶縁管5の端面13に周縁部が接合されている。更に、カソード2は電子放出源7を有しており、アノード4はターゲット3を備えている。8はレンズ電極、9は引き出し電極であり、それぞれ、不図示の電源に接続され、放射線発生管1の管電圧が規定される。
カソード2,アノード4の材料としては、コバール、鉄鋼、合金鋼、SUS材、或いは、Ag、Cu、Ti、Mn、Mo、Ni等の金属やこれらの合金等が挙げられる。
絶縁管5は通常、円管が用いられるが、本発明においては管状であれば断面が楕円形や多角形であってもよい。絶縁管5の材料としては、Al23(アルミナ)、Si34、SiC、AlN、ZrO3等の所謂セラミック材料が挙げられるが、絶縁性を有する材料であれば適用される。
カソード2、アノード4と絶縁管5とは真空気密接合して形成され、真空容器が形成される。接合手段としては、ろう付け、溶接等が適用可能である。
電子放出源7にはタングステンフィラメントや、含浸型カソードのような熱陰極、又はカーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。
ターゲット3はそれ自身が電子の照射で放射線を放出する材料で構成しても、放射線を透過する基材にターゲット金属を成膜した構成であってもよい。放射線を透過する基材としては、ターゲット金属を支持できる強度を有し、ターゲット金属で発生した放射線の吸収が少なく、且つターゲット金属で発生した熱をすばやく放熱できるよう熱伝導率の高いものが好ましい。例えばダイヤモンド、炭化シリコン、窒化アルミニウム等を用いることができる。
ターゲット金属を構成する材料は、融点が高く、放射線発生効率の高いものが好ましい。例えばタングステン、タンタル、モリブデン等を用いることができる。発生した放射線がターゲット金属を透過する際に生じる吸収を軽減するため、ターゲット金属の厚みは数μm乃至十数μm程度が適当である。
本発明の放射線発生管1においては、不図示の高圧電源によってカソード2とアノード4との間に管電圧を印加し、電子放出源7で発生した電子を、引き出し電極8で真空中に引き出す。そして、係る電子をカソード2に対して高電圧の正電位に設定されたアノード4との間で加速する。さらに、レンズ電極9の作用により管電流となる電子ビーム10を収束させ、高エネルギーの電子線としてタングステン等の金属から構成されるターゲット3に照射されることで放射線を生じさせる。
本発明の放射線発生管1の特徴は、絶縁管5の外周に該絶縁管5よりもシート抵抗値が低い抵抗膜6が配置され、該抵抗膜6がカソード2とアノード4とを電気的に接続していることにある。係る構成を採ることにより、従来の、絶縁管5の表面における帯電が防止されると同時に、カソード2とアノード4との間に、極端な電位勾配が形成されず、放射線発生管1に発生する放電が抑制される。
本発明において、抵抗膜6の効果を得る上で、カソード2とアノード4との間に100kVの電圧を印加した際の100℃における暗電流が0.1μA以上、10μA以下となるように、抵抗膜6を構成する。抵抗膜6の材料としては、コバールガラス、釉薬、フリットガラス等のガラス質材料、または所定の抵抗値が得られれば金属酸化膜を適用しても良い。
本発明においては、絶縁管5の100℃における比抵抗が1×10Ωm以上、1×1014Ωm以下が好ましい。そして、絶縁管5の比抵抗が上記範囲にある時、絶縁管5の100℃におけるシート抵抗値をRs1、前記抵抗膜6の100℃におけるシート抵抗値をRs2とした時、Rs2/Rs1が1×10-5以上、1×10-1以下であることが好ましい。
次に、本発明において規定する、カソード2とアノード4間の100℃における暗電流及び100℃における絶縁管5及び抵抗膜6のシート抵抗値は、複数温度で測定したIV特性より、算出する。以下にIV特性の測定方法と各値の算出法について説明する。
(1)測定用電極対は、電極間隔dが50μm、電極対向区間長Lが50mm、電極対向区間の電極線幅が50μmの櫛歯状電極対である。係る櫛歯状電極対を、抵抗膜6の測定用検体については、放射線発生管1の抵抗膜6の表面に形成する。また、絶縁管5の測定用検体については、放射線発生管1の抵抗膜6を一部剥離して露出した絶縁管5の外周表面或いは絶縁管5の内周表面に形成する。これら測定用検体は、内部を真空排気可能で、温度調整装置で制御されたヒートステージとIV測定装置に接続された測定端子とを備えたチャンバ内に載置する。櫛歯状電極対を設けた抵抗膜6の表面、及び、絶縁管5の表面に、温度調整装置に接続された熱電対を熱硬化接着剤を用いて接着し、櫛歯状電極対をチャンバの測定端子に接続する。
(2)チャンバ内を1×10-4Paの真空度になるまで排気する。
(3)上記測定用検体が400℃になるまでチャンバ内を昇温し、5分間、温度が一定になる制御を行う。次いで、この温度一定の期間内において、Vtest[V]を印加し、電極対に流れる暗電流I[A]を測定する。Vtestは、カソード2とアノード4との距離D[m]と、管電圧Va[V]によって決定されるVa/D[V/m]と、櫛歯状電極対の電極間距離d[m]とを考慮して決定する。本発明においては、管電圧Va=100×103Vとする。
上記測定を、200℃、25℃に降温して行う。尚、本例では降温しながら3点で測定する工程を示したが、昇温しながら測定しても良い。しかしながら、ベーク効果による表面吸着水の影響を低減できることから、降温しながら測定する方が好ましい。
(4)上記(3)で得られた暗電流I[A]、印加電圧[V]の値、及び、導電経路(電極間隔d、電極長L、抵抗膜6及び絶縁管5の膜厚t[m])の寸法より、導電率σ(T)[S/m]を求める。尚、Tは絶対温度[K]である。
σ(T)=(I(T)/V)×(d/(L×t))より、400℃におけるσ(673.15)、200℃におけるσ(473.15)、25℃におけるσ(298.15)を求める。
(5)上記(4)で得られた導電率σの温度依存性データを下記のアレニウスの一般式に代入し、最小自乗法により、導電率σの活性化エネルギーEa[eV]と理論上の温度無限大条件の導電率σ0[S/m]が決定される。
σ(T)[S/m]=σ0×exp(−e×Ea/kT)
上記式中、eは単位電荷(電子素量、1.9×10-19[C])であり、kはボルツマン定数(1.38×10-23[J/K])である。
本発明の評価基準である100℃におけるσ(373.15)を求め、これをσ(T)=σs(T)×tに変換して、100℃におけるシート導電率σs[S・□]を求め、さらにその逆数を求めて100℃におけるシート抵抗値Rs[Ω/□]とする。
また、抵抗膜の暗電流については、上記アレニウスの一般式より求められた100℃における導電率σ(373.15)を、上記σ(T)=(I(T)/V)×(d/(L×t))に代入して、100℃における暗電流I[A]を得る。
本発明において、抵抗膜6とカソード2,アノード4との電気的な接続は、図1(a)に示すように、カソード2,アノード4の少なくとも一方の周縁部に絶縁管5の長手方向に突出する延出部を設け、係る延出部が抵抗膜6と接続されていることが好ましい。接続手段としては、金属部材であるカソード2,アノード4に対して機械的に圧力を加えて抵抗膜6に接触させる、或いは導電性のペーストを用いて接続するなど、電気的な接続がとれれば特に手段は限定されない。
また、図1(a)においては、カソード2,アノード4の延出部と絶縁管5との間に抵抗膜6が挟持されているが、延出部が絶縁管5と抵抗膜6とに挟持されていてもよい。また、図1(b)の如く、カソード2,アノード4の延出部が絶縁管5と抵抗膜6とに挟持された上に、該延出部と接続された抵抗膜6の端部が導電性ペースト11で覆われている構成も好ましく適用される。
図1(a)に示す実施形態においては、絶縁管5の外周部において、アノード4及びカソード2と抵抗膜6との電気的接続部12が位置している。本発明の放射線発生管1は、少なくとも絶縁管5の外周部に、抵抗膜6を配置し、抵抗膜6とアノード4及びカソード2とが電気的に接続されていればよく、他の電気的接続形態も本発明に含まれる。
例えば、図4(a)、図4(b)及び図5に示す各実施形態のように、アノード4、又は、カソード2と抵抗膜6との電気的接続部12を、絶縁管5の端面13に付与しても良い。図4(a)、図4(b)、図5に示す各実施形態は、延出部を備えていないアノード4及びカソード2と、外周及び端面13に抵抗膜6を有した絶縁管5とが銀ろうを介して接続されている形態である。
図4(a)に示す実施形態は、絶縁管5の外周の半径とアノード4及びカソード2の外周の半径とが一致し、絶縁管5の対向する端面13のそれぞれにおいてアノード4及びカソード2と抵抗膜6とを接続した形態である。
また、図4(b)に示す実施形態は、絶縁管5の外周の半径よりもアノード4及びカソード2の外周の半径が大きく、絶縁管5の対向する端面13のそれぞれにおいてアノード4及びカソード2と抵抗膜6とを接続した形態である。本実施形態においては、カソード2及びアノード4の外周部が、絶縁管5の半径方向において、絶縁管5の外周部より外側に突出している。
また、図5に示す実施形態は、絶縁管5の外周の半径よりもアノード4及びカソード2の外周の半径が小さく、絶縁管5の対向する端面13のそれぞれにおいてアノード4及びカソード2と抵抗膜6とを接続した形態である。本実施形態においては、カソード2及びアノード4の外周部が、絶縁管5の半径方向において、絶縁管5の外周部より内側に引っ込んでいる。
図4(a)、図4(b)、図5に示す実施形態は、図1(a)に示す実施形態に比較して、絶縁管5の外周部におけるアノード4とカソード2との距離を大きくできるため、外周部における管軸方向の平均電界を低減することが可能となる。
放射線発生管1は、不図示の排気管を通じて管内を真空に排気した後、該排気管を封止することで、内部を真空にすることができる。このように作製した放射線発生管1の内部には、さらに真空度を高めるために、不図示のゲッターを配置しても良い。
次に、本発明の放射線発生装置について説明する。図2は図1(a)の放射線発生管1を備える放射線発生装置の構成の一例を示す断面模式図である。本発明の放射線発生装置は、図2に示すように、本発明の放射線発生管1と、これを収容する収納容器21とを備え、収納容器21の余剰空間には絶縁性液体23が満たされている。また、収納容器21には、放射線発生管1から生じる放射線を取り出すための放射線放出窓22を備えている。
収納容器21の内部には、不図示の回路基板及び絶縁トランス等から構成される駆動回路16を設けても良い。駆動回路16を設けた場合、例えば放射線発生管1に不図示の配線を介して駆動回路16から所定の電圧信号が印加され、放射線の発生を制御することができる。
収納容器21は、容器としての十分な強度を有していれば良く、金属やプラスチックス材料等から構成される。収納容器21には、放射線を透過し収納容器21の外部に放射線を取り出すための放出窓22が設けられている。放射線発生管1から放出された放射線はこの放出窓22を通して外部に放出される。放出窓22には、ガラス、アルミニウム、ベリリウム等が用いられる。
絶縁性液体23は、電気絶縁性が高く、冷却能力が高く、熱による変質の少ない物が好ましく、例えば、シリコーン油、トランス油、フッ素系オイル等の電気絶縁油、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系の絶縁性液体等が使用可能である。
次に、図3に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一実施形態を説明する。
図3に示すように、本発明の放射線発生装置100は、必要に応じて、その放射線放出窓22部分に設けられた可動絞りユニット31を備えている。可動絞りユニット31は、放射線発生装置100から照射される放射線101の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット31として、放射線の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置202は、放射線発生装置100と放射線検出装置201とを連携制御する。駆動回路16は、システム制御装置202による制御の下に、放射線発生管1に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置100から放出される放射線101の放出状態が制御される。放射線発生装置100から放出された放射線101は、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。
放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生装置と放射線撮影システムは、X線発生装置とX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
図1(a)に示す放射線発生管1を作製した。
アルミナからなる円管の絶縁管5の外周面に、粉末状コバールガラス及び酢酸を主成分とした溶剤からなるスラリー状液をスプレー塗布した後、釉焼温度1000℃にて溶着し、抵抗膜6を形成した。
次に、絶縁管5に対して、ターゲット3を装着したコバール金属からなるアノード4及び電子発生源7を装着したコバール金属からなるカソード2を銀ろうにより900℃で封着した。この後、アノード4、カソード2の延出部を絶縁管5側に外力により、かしめることで、アノード4、カソード2それぞれを抵抗膜6に対して、抵抗膜6の端部とオーバーラップした延出部において電気的に接続した。
以上の様に構成した放射線発生管1に対し、前記した測定方法により絶縁管5及び抵抗膜6の絶縁管5の沿面方向に電界をかけてIV特性を測定した。その結果、100℃における抵抗膜6のシート抵抗は5×1011Ω/□であり、同じく100℃における絶縁管5のシート抵抗は1×1016Ω/□であることを確認した
その結果、カソード7とアノード4の間に100kVの電圧を印加することにより流れる暗電流は、0.5μAであることが判った。これは放射線発生管1より放射線を取り出すための電子ビームによる管電流(10mA)と比較して十分低く、問題にならないことを確認した。
更に、カソード2、アノード4間に100kVを印加し、管電流10mAにおいて放射線発生実験を行ったが、放電の発生も無く、安定した放射線照射が可能であった。本例においてカソード2と抵抗膜6と絶縁性液体23とで形成される三重点では、従来の電気抵抗膜の電気絶縁部上の端部において形成される三重点に比べ、電界集中の度合いが緩和される効果も奏する。
(実施例2)
図1(b)に示す放射線発生管1を作製した。
アルミナからなる円管の絶縁管5に対して、ターゲット3を装着したコバール金属からなるアノード4及び電子放出源7を装着したコバール金属からなるカソード2を銅ろうにより1050℃で封着した。その後、絶縁管5の外周面に、両方の終端がそれぞれアノード4及びカソード2の延出部の一部にオーバーラップするように、実施例1と同じ抵抗膜6を形成した。更に、抵抗膜6のアノード4及びカソード2の延出部とのオーバーラップ部分に対して、抵抗膜6の端部が覆われるように導電性ペースト11を塗布した。
次に係る構成の放射線発生管1に対し、実施例1と同様に、絶縁管5及び抵抗膜6のIV特性を測定し、100℃におけるシート抵抗値及び暗電流を算出し、放射線発生実験を行ったところ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。本例において導電性ペースト11と抵抗膜6と絶縁性液体23とで形成される三重点では、抵抗膜6を直接カソード2やアノード4と接続する構成の三重点よりも、その接続断面における金属の接する角度がよりなだらかになる。そのため、電界集中の度合いが緩和される効果も奏する。
1:放射線発生管、2:カソード、3:ターゲット、4:アノード、5:絶縁管、6:抵抗膜、7:電子放出源、11:導電性ペースト、12:電気的接続部、13:絶縁管の端面、16:駆動回路、21:収納容器、22:放射線放出窓、23:絶縁性液体、100:放射線発生装置、101:放射線、201:放射線検出装置、202:制御装置、204:被検体
本発明の第1は、子放出源を備えるカソードと、ターゲットを備えるアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に配置され前記カソードと前記アノードのそれぞれと気密接合される絶縁管と、前記絶縁管の外周に位置し前記絶縁管より低いシート抵抗値を有する抵抗層と、を有し、
前記抵抗層は、前記カソードと前記アノードのそれぞれと電気的に接続されていることを特徴とするX線発生管である。
本発明の第2は、絶縁管と、前記絶縁管の管軸方向の一方に設けられ、電子放出源を備えるカソードと、前記絶縁管の前記管軸方向の他方に設けられ、前記電子放出源からの電子の照射によりX線を発生するターゲットを備えるアノードと、前記絶縁管の外周に設けられ前記絶縁管よりシート抵抗値が低い抵抗層と、を有し、
前記カソードと前記アノードとは前記抵抗層を介して電気的に接続されていることを特徴とするX線発生管である。
本発明の第3は、電子放出源を備えるカソードと、ターゲットを備えるアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に配置され前記カソードと前記アノードのそれぞれと気密接合される絶縁管と、前記絶縁管の外周に位置し前記絶縁管より低いシート抵抗値を有する抵抗層と、を有し、
前記抵抗層は、前記絶縁管の前記外周の帯電を低減するような暗電流が流れる抵抗値を有することを特徴とするX線発生管である。
本発明の第は、上記本発明の第1乃至第3のいずれかのX線発生管と、絶縁性液体と、前記絶縁性液体と前記X線発生管とを収容する収納容器と、を備えたX線発生装置であって、
前記収納容器は、前記X線発生管から発生するX線を取り出すための放出窓を有していることを特徴とする。
本発明の第は、上記本発明の第のX線発生装置と、前記X線発生装置から放出され、被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とするX線撮影システムである。

Claims (17)

  1. 絶縁管と、電子放出源を有し前記絶縁管の管軸方向の一端に接合されるカソードと、ターゲットを有し前記絶縁管の管軸方向の他端に接合されるアノードと、前記絶縁管の外周に位置し前記絶縁管より低いシート抵抗値を有する抵抗層と、を有し、
    前記カソードと前記アノードは、前記抵抗層を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とするX線発生管。
  2. 前記カソードと前記アノードとの間に100kVの電圧を印加した際の100℃における暗電流が0.1μA以上、10μA以下であることを特徴とする請求項1に記載のX線発生管。
  3. 前記抵抗層は、前記絶縁管の外周を覆っていることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線発生管。
  4. 前記カソード及び前記アノードの少なくともいずれか一方は、前記絶縁管に沿いつつ前記カソード及び前記アノードの少なくとも他方に向かって突出する突出部を有し、前記抵抗層は前記突出部と接合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線発生管。
  5. 前記抵抗層は、前記突出部と前記絶縁管との間に挟まれている部分を有することを特徴とする請求項4に記載のX線発生管。
  6. 前記突出部は、前記抵抗層と前記絶縁管との間に挟まれている部分を有することを特徴とする請求項4に記載のX線発生管。
  7. 前記抵抗層は、前記突出部を挟んで前記突出部と接合されている部分に終端を有し、前記終端は、導電性ペーストで覆われていることを特徴とする請求項6に記載のX線発生管。
  8. 前記カソード及び前記アノードのうちの前記一方と、前記抵抗層とが、前記絶縁管の外周部側において電気的に接続されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のX線発生管。
  9. 前記カソード及び前記アノードの少なくとも一方と、前記抵抗層とが、前記絶縁管の端面側において電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線発生管。
  10. 前記抵抗層は、前記カソードと前記アノードにそれぞれ電気的に接続され、
    前記抵抗層によって前記管軸方向に沿った電位勾配が形成されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のX線発生管。
  11. 前記絶縁管はセラミック材料を有し、前記抵抗層はガラス質材料を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線発生管。
  12. 前記セラミック材料はアルミナであり、前記ガラス質材料は釉薬であることを特徴とする請求項11に記載のX線発生管。
  13. 前記絶縁管は、100℃において1×10Ωm以上、1×1014Ωm以下の比抵抗を有し、前記絶縁管の100℃におけるシート抵抗値をRs1、前記抵抗層の100℃におけるシート抵抗値をRs2とした時、抵抗比Rs2/Rs1は、1×10-5以上、1×10-1以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のX線発生管。
  14. 前記ターゲットはX線透過性であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のX線発生管。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載のX線発生管と、絶縁性液体と、前記絶縁性液体と前記X線発生管とを収容する収納容器と、を備えたX線発生装置であって、
    前記収納容器は、前記X線発生管から発生するX線を取り出すための放出窓を有していることを特徴とするX線発生装置。
  16. 前記絶縁性液体は、シリコーン油、トランス油及びフッ素系オイルの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項15に記載のX線発生装置。
  17. 請求項15又は16に記載のX線発生装置と、前記X線発生装置から放出され、被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とするX線撮影システム。
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