JP2014079353A - 放射線発生ユニット及び放射線撮影システム - Google Patents

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浩一 角田
Koji Yamazaki
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Abstract

【課題】管状部材26の両端に設けられた陰極22と陽極23に電圧を印加して放射線を発生させる放射線発生管20を絶縁性物質18で満たされた収納容器20の内部に収容した放射線発生ユニット10の耐電圧特性を向上させる。
【解決手段】管状部材26は外周に環状の凸部27を有し、管状部材26の比誘電率をε1より絶縁性物質18比誘電率をε2が大きく、陰極22と陽極23との距離をL、陰極22又は陽極23と凸部27との最短距離をd、距離dの位置での管状部材26の表面からの凸部27の立ち上がり角度をθ、凸部27の幅をW、凸部27の高さをHとした時に、下記式(1)の関係を満たすようにする。
1>d/L≧0.001×ln(H/W)−0.001×ln〔cos(θ)〕
−0.004×(H/W)×cos(θ)+0.004 ・・・(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば医療機器、非破壊検査装置等に適用できる放射線発生ユニット及びそれを備えた放射線撮影システムに関する。
一般に、放射線発生ユニットは、放射線源として、放射線発生管を内蔵している。放射線発生管は、電気的に絶縁性の管状部材の両開口端に陰極と陽極を取り付けた真空容器内に、陰極に接続された電子放出源と、陽極に接続されたターゲットとを有している。放射線発生管は、陰極と陽極との間に高電圧を印加することにより、電子放出源から放出される電子をターゲットに照射し、X線等の放射線を発生させている。このような放射線発生ユニットでは、高電圧に対する耐圧性を確保するためと、放射線発生管を冷却するために、放射線発生管を高い熱伝導率を有する絶縁性液体等の絶縁性物質が充填された収納容器に収納した構造がとられている。例えば放射線撮影は、陰極と陽極の間に40kV〜150kVという高電圧を数ミリ秒〜数秒印加して行われる。その時に放射線発生管の周囲で沿面放電が発生することがあり、この放電が回路基板まで達して回路基板を損傷してしまうことがある。
従来、上記沿面放電の抑制のために、放射線発生管の管状部材の表面に凹凸を設け、これによって電極間の沿面距離を延長させ、耐電圧性能を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−357724号公報
近年、放射線撮影システムの用途として在宅医療・救急時の現場医療検査にも適用される場合があり、装置の搬送を容易するため小型化が求められている。出力を維持しつつ小型化するためには陰極と陽極間にはより高い電界が印加されるため、更なる耐電圧性能が求められる。したがって特許文献1に記載の構成だけでは、耐電圧性能が不足する場合がある。
本発明は、管状部材の両端に設けられた陰極と陽極に電圧を印加して放射線を発生させる放射線発生管を絶縁性物質で満たされた収納容器内に収容した放射線発生ユニットにおいて、更に耐電圧特性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1は、電子放出源が接続された陰極と、前記電子放出源からの電子の照射で放射線を発生させるターゲットが接続された陽極とが、電気的に絶縁性の管状部材の両開口端に取り付けられて真空容器を構成している放射線発生管が、絶縁性物質で満たされた収納容器の内部に設けられた放射線発生ユニットにおいて、
前記管状部材は外周に環状の凸部を有し、前記管状部材の比誘電率をε1とし、前記絶縁性物質の比誘電率をε2とすると、ε2>ε1の関係を有し、
前記陰極と前記陽極との距離をLとし、前記陰極又は前記陽極と前記凸部との最短距離をdとし、前記距離dの位置での前記管状部材の表面からの前記凸部の立ち上がり角度をθとし、前記凸部の幅をWとし、前記凸部の高さをHとした時に、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする放射線発生ユニットを提供するものである。
1>d/L≧0.001×ln(H/W)−0.001×ln〔cos(θ)〕
−0.004×(H/W)×cos(θ)+0.004 ・・・(1)
また、本発明の第2は、上記本発明の第1に係る放射線発生ユニットと、前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、前記放射線発生ユニットと前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線撮影システムを提供するものである。
本発明の放射線発生ユニットによれば、電界集中し易い凸部周縁と電極端の三重点を開示する式に基づいて凸部の位置を決めることで電界を緩和し放電を抑制できる。これにより、耐電圧特性が向上した信頼性の高い放射線発生ユニットを実現できる。
また、この放射線発生ユニットを用いることにより、小型で持ち運びやすく、しかも耐電圧特性が優れた信頼性の高い放射線撮影システムを提供することができる。
(a)本発明の放射線発生ユニットの説明図で、(a)は全体断面図、(b)は(a)の破線部分の拡大図である。 凸部の電界強度についての説明図で(a)は凸部の各位置についての説明図、(b)は(a)に示される位置と電界強度の関係を示す図である。 凸部の各部の寸法と放電の関係の説明図で、(a)は凸部の各部の寸法の説明図、(b)は放電をしないd/Lの最小値とH/Wの関係を示す図である。 本発明の放射線撮影システムの一実施形態を示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、この発明の範囲を限定する趣旨のものではない。また、各図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
〔本発明の放射線発生ユニットの第1の実施形態〕
本発明の放射線発生ユニットの第1の実施形態を図1、図2及び図3を用いて、詳細に説明する。図に示す放射線発生ユニットは透過型であり、この放射線発生ユニットをもとに説明するが、本発明は反射型、透過型いずれの放射線ユニットにおいても適用することができる。
本発明の放射線発生ユニット10は収納容器12と放射線発生管20と絶縁性物質18を有する。また、放射線駆動回路(不図示)を有してもよい。
収納容器12は、内部に放射線発生管20を収納する容器であり、絶縁性物質18が充填されている。また、放射線発生管20から出射された放射線を外部に照射するための放射線透過窓16が配置されている。収納容器12は、金属やプラスチックス材料等で形成され、放射線透過窓16は、放射線発生管20からの放射線25を透過することができる素材で形成されている。放射線透過窓16の構成材料としては、例えば、ガラス、プラスチックス、ベリリウム等を用いることができる。
絶縁性物質18は、電気絶縁性と高い熱伝導性を有しているものであれば、形態は固体でも液体でも適宜選択することができる。例えば、固体ではシリコーン樹脂やエポキシ樹脂、液体であれば電気絶縁油のシリコーン油や鉱油等を用いることができる。
放射線発生管20は、放射線駆動回路(不図示)で駆動されるもので、電子放出源(不図示)が接続された陰極22と、電子の衝突により放射線25を発生させるターゲット(不図示)が接続された陽極23と、管状部材26を備えている。陰極22と陽極23は、管状部材26の両開口端に取り付けられて、真空容器を構成している。管状部材26と陰極22及び陽極23で密閉された真空容器の内部は、1×10-4〜1×10-8Pa程度に減圧されている。陰極22と陽極23は、通常、管状部材26の開口端の外径と同径又はそれ以上の径で形成され、対向するように配置されている。管状部材26と陰極22及び陽極23の固定方法は、ろう付け、溶接、接着剤等が用いられ接合されている。
管状部材26は強度と電気的絶縁性を有する素材であればよく、例えばガラス、セラミックス等が用いられる。陰極22及び陽極23は管状部材26との接着が容易な金属が用いられ、例えば銅やアルミニウムなどを適宜選択することができる。また、製造工程中の熱ひずみによる変形を軽減するために線膨張係数が小さい合金を好ましく用いることができる。例えばコバール等を適宜選択することができる。放射線は、放射線駆動回路(不図示)で陰極と陽極間に40〜150kVの電位差を与え、陰極22の電子放出源(不図示)から放出された電子線24を陽極23のターゲット(不図示)に照射することで発生させる。しかし、一般に放射線の発生効率は極めて悪く、消費電力の99%程度はターゲットにおいて熱となる。先に述べた収納容器12に充填され放射線発生管20を取り囲む絶縁性物質18に高い熱伝導性が必要な理由は、発熱によるターゲットの剥がれや変質といった熱損傷を防ぐための冷却効果を期待するものである。
この実施形態の管状部材26は、環状の凸部27が管状部材26の外周の周方向に凸条となるように形成されている。凸部27は、例えば、機械加工や成形加工等で形成することができる。
管状部材26に形成する凸部27の数は適宜選択することができる。管状部材26の比誘電率をε1、絶縁性物質18の比誘電率をε2とすると、凸部27の形状や管状部材26の表面に形成する数は、陰極22から熱電子効果により放出される電子を加速するための電圧である管電圧とε1とε2によって選択することが好ましい。本発明のような構成の放射線発生ユニットにおいて、陰極22、陽極23と管状部材26とからなる真空容器と絶縁性物質18は、それぞれに上述したような機能が求められる。そして、所望の機能を発揮するために、例えば管状部材26にガラス、絶縁性物質18にシリコーンゴムなどが選択される。その場合の比誘電率はガラスが4であり、シリコーンゴムが3となり、ε2<ε1の関係となる。このような構成で陰極22と陽極23間に電位差を与えた場合、陰極22又は陽極23と管状部材26と絶縁性物質18が接する点は電気的な三重点28となり、電界集中による放電の起点となりやすい。
また、本願発明者は凸部27を有する管状部材26の沿面の電界強度を静電界解析により求め、その他の電界集中し易い箇所を明らかにした。図2(a),(b)を用いて解析内容について説明する。
図2(a)は管状部材26に設けた凸部27の各位置の説明図である。解析対象は凸部27を有する管状部材26との両端に陰極22と陽極23を対向するように配置した構成である。比誘電率は管状部材26がε1=4、絶縁性物質18で満たされている部分がε2=3である。図2(a)中のB点、C点、E点は、それぞれ凸部27の頂点位置を示している。また、D点はC点とE点の中間点、A点はB点と陰極22の間にある位置を示している。そして、陰極22と陽極23の間に電界を印加し、管状部材26の点Aから点Dに至る沿面の電界強度を求めた。図2(b)に沿面の電界強度を示す。B点、つまり凸部27の立ち上がり部29で電界強度が最も高いことがわかる。図2(a)に示すような構成では、三重点28に立ち上がり部29の電界が重畳して強めることになる。そのため、立ち上がり部29の電界強度が高い場合や、立ち上がり部29が三重点28と隣接する場合は三重点28の電界が強まり放電が起こる場合がある。
そこで立ち上がり部29と三重点28との距離と、凸部27の形状を変えて放電との関係を調べた。図3(a)に示す凸部27の高さHと幅Wの比H/Wと、立ち上がり部29と三重点28との間の距離dと、陰極22と陽極23間の距離Lとの比d/Lを変えたサンプルを作成した。サンプルはH/Wが0.33と0.5となるように2つ作成し、各H/Wに対して、d/Lの値が0.0014〜0.0009間で0.0001毎に作成した。また、立ち上がり部29の凸部27側の角度θはどれも60度とした。そして各サンプルの陰極22と陽極23間に定電圧を印加し、放電の有無を測定した。
図3(b)のプロットは、各H/Wに対して放電しないd/Lの最小値を示す。また、図3(b)にプロットした形状で静電界解析を行い、それぞれの三重点28での電界を求めたところ、ほぼ同じ電界強度であった。すなわち、三重点28の電界強度により放電を防止できるかどうかを決めることができるのが分かった。そこで、同様の電界強度になるd/LとH/Wを求めると、図3(b)の曲線が導きだせる。さらにd/Lとθの関係を同様に求めた。求めた関係は凸部27の凸形状に対して、放電しないd/Lの最小値を示している。H/Wとθのd/Lの関係を近似した式は下記式(1)で表すことができる。
d/L=0.001×ln(H/W)+0.001×ln(cos(θ))
−0.004×(H/W)×cos(θ)+0.004 ・・・(1)
この実施形態では式(1)で求まるd以上の値を満たす凸部27を形成することにより放電を回避することができる。その結果、本発明の放射線発生装置は高い信頼性で運転することができる。
〔本発明の放射線発生ユニットの第2の実施形態〕
本発明の放射線発生ユニットの第2の実施形態を詳細に説明する。なお、第2の実施形態の放射線発生ユニットの基本構造は図1と同じであるので、図1(a),(b)を用いて説明する。
この実施形態では、管状部材26はセラミックス、絶縁性物質18はシリコーン油が用いられている。この構成の場合の比誘電率は、セラミックスがε1=6、シリコーン油がε2=3であり、ε2<ε1の関係となる。この構成では、放射線発生管20の駆動時において、電気流体力学の効果により絶縁性物質18は放射線発生管20の周囲を流動し、電子線の照射により発熱するターゲットからの熱を効率良く奪うことができる。また、管状部材26の凸部27の形状は、材質上H/W<2で製作することが加工精度の面で好ましい。したがってH/W<2の範囲での距離dと管状部材26の表面に形成される凸部27の形状との関係式は近似式(2)のようになる。
0<H/W<2かつ
d/L≧0.013×ln(H/W)+0.012×ln〔cos(θ)〕
−0.041×(H/W)×cos(θ)+0.04 ・・・(2)
つまり、管状部材26がセラミックスで形成され、絶縁性物質18がシリコーン油で構成されている放射線発生管20の場合、上記式2を満たすd以上の値を満たすように凸部27を形成することで放電を防止することができる。
〔本発明の放射線発生ユニットの第3の実施形態〕
本発明の放射線発生ユニットの第3の実施形態を詳細に説明する。なお、第3の実施形態の放射線発生ユニットの基本構造も図1と同じであるので、図1(a),(b)を用いて説明する。
放射線発生ユニット10は、第1の実施形態と同様に放射線発生管20が収納容器12内に配置され、周囲を絶縁性物質18が充填されている。この実施形態では、管状部材26はアルミナセラミックス、絶縁性物質18は絶縁油が用いられている。絶縁油は電気力学効果を得るための好適な動粘度と高い絶縁性能を両立することができる。またアルミナセラミックスは電極の材質として低熱膨張材の合金を選択した際に良好な真空気密を取ることができる。そのため、真空容器内の電子放出源は汚染されにくく寿命を延ばすことができる。例えば絶縁油は鉱油が用いられる。
この構成の場合の比誘電率は、アルミナセラミックスがε1=10、鉱油がε2=3であり、ε2<ε1の関係となる。この構成では、放射線発生管20の駆動時において、電気流体力学の効果により絶縁性物質18である鉱油は放射線発生管20の周囲を流動し、電子線の照射により発熱するターゲットからの熱を効率良く奪うことができる。また、管状部材26の凸部27の形状は、材質上H/W<2で製作することが加工精度の面で好ましい。したがってH/W<2の範囲での距離dと管状部材26の表面に形成される凸部27の形状との関係式は近似式(3)のようになる。
0<H/W<2かつ
d/L≧0.16×ln(H/W)+0.05×ln〔cos(θ)〕
−0.58×(H/W)×cos(θ)+0.39 ・・・(3)
つまり、管状部材26がアルミナセラミックスで形成され、絶縁性物質18が鉱油で構成されている放射線発生管20の場合、上記式3を満たすd以上の値を満たすように凸部27を形成することで放電を防止することができる。
<放射線撮影システムの一実施形態>
図4に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一例を説明する。
本例において、既に説明した放射線発生ユニット10は、その放射線透過窓16部分に設けられた可動絞りユニット100と共に放射線発生装置200を構成している。可動絞りユニット100は、放射線発生ユニット10から照射される放射線の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット100として、放射線の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置202は、放射線発生装置200と放射線検出装置201とを連携制御する。放射線駆動回路14は、システム制御装置202による制御の下に、放射線発生管20に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置200から放出される放射線の放出状態が制御される。放射線発生装置200から放出された放射線は、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生ユニット10と放射線撮影システムは、X線発生ユニットとX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
実施例1
本実施例について図1(a)、(b)を用いて説明する。
本実施例では、管状部材26にはボロシリケイトガラスを選択した。管状部材26の表面には凸部27の高さHを30mm、凸部27の幅Wを60mm、立ち上がり部29の凸部27側の角度θを60度とした。さらに陰極22と立ち上がり部29との距離dは0.1mmとなるように凸部27を機械加工により形成した。そして陰極22と陽極23間の距離Lが50mmとなるように管状部材26と陰極22及び陽極23を銀ろう付けにより接合した。このときのdの値は、d以外の値を式(1)に代入すると導きだせる。
それぞれの数値を代入すると式(1)は、
d/50>0.001×ln(30/60)+0.001×ln〔cos(60°)〕
−0.004×(30/60)×cos(60°)+0.004
となり、d>0.0806853と導きだせ、この式からdを0.1mmと設定した。
そして陰極22に備わる排気管(不図示)により陰極22と陽極23と管状部材26とからなる真空容器内の圧力が1×10-6Pa程度になるように排気した後、封止した。封止した放射線発生管20を真鍮製の収納容器12に収納し固定した。収納容器12の余空間に絶縁性物質18のシリコーンゴムを充填し、放射線発生ユニットを得た。電子放出源にはタングステンフィラメントを用いた。不図示の電圧印加手段によってフィラメントを加熱し、陰極22と陽極23間に100kVを印加した。放出電子を高エネルギーに加速することでターゲットに衝突させ放射線を発生させた。上記条件で、放射線量の測定をしたところ、放電は観測されず安定した放射線量が得られた。
比較例1
管状部材26に、高さH、幅W、角度θを実施例1と同様とし、dの距離を0.07mmとした凸部27を形成した以外実施例1と同様にして放射線発生ユニットを作製し、実施例1と同条件で電圧を印加したところ、放電が観測され、放射線量に影響がでた。
実施例2
本実施例について図1(a)、(b)を用いて説明する。
本実施例においては、実施例1と異なる点について説明する。絶縁性液体18にはシリコーン油、管状部材26にはボロシリケイトガラスを選択した。そして陰極22と陽極23間の距離Lが50mmとなるように管状部材26と陰極22及び陽極23を固定した。管状部材26の表面の凸部27の高さHを30mm、凸部27の幅Wを60mm、立ち上がり部29の凸部27側の角度θを60度とした凸部27を形成した。さらに陰極5と屈曲部13との距離dは1mmとした。このときのdの値は、d以外の値を式(2)に代入すると導きだせる。
それぞれの数値を代入すると式(2)は、
d/50>0.013×ln(30/60)+0.012×ln〔cos(60°)〕
−0.041×(30/60)×Cos(60°)+0.04
となり、d>0.62106605と導きだせ、この式からdを1mmと設定した。
そして実施例1と同様の方法で放射線を発生させた。上記条件で、放射線量とターゲット付近の温度を測定したところ、放電は観測されず安定した放射線量が得られた。また30分間の連続曝射後にターゲット表面を観察したところ、ターゲット材の剥がれ等の損傷は見られなかった。
実施例3
本実施例について図1(a)、(b)を用いて説明する。
本実施例においては、実施例1と異なる点について説明する。絶縁性物質18には鉱油、管状部材26には純度99%のアルミナセラミックスを選択した。さらに陰極22と陽極23には鉄とニッケルとコバルトの合金であるコバールを選択した。そして陰極22と陽極23間の距離Lが50mmとなるように管状部材26と陰極22及び陽極23を固定した。管状部材26の表面には凸部27の高さHを30mm、凸部の幅Wを60mm、立ち上がり部29の凸部27側の角度θを60度とした凸部27を形成した。さらに陰極22と立ち上がり部29との最短距離dは6mmとした。このときのdの値は、d以外の値を式(3)に代入すると導きだせる。
それぞれの数値を代入すると式(3)は、
d/50>0.16×ln(30/60)+0.05×ln〔cos(60°)〕
−0.58×(30/60)×Cos(60°)+0.39
となり、d>4.9719546と導きだせ、この式からdを6mmと設定した。
実施例1と同様の方法で放射線を発生させた。上記条件で、放射線量の測定をしたところ、放電は観測されず安定した放射線量が得られた。また30分間の連続曝射後にターゲット表面を観察したところ、ターゲット材の剥がれ等の損傷は見られなかった。さらに500時間の運転試験をしたところ、線量定格出力の低下は10%以下であった。
10:放射線発生ユニット、12:収納容器、14:放射線駆動回路、16:放射線透過窓、18:絶縁性物質、20:放射線発生管、22:陰極、23:陽極、24:電子線、25:放射線、26:管状部材、27:凸部、28:三重点、29:立ち上がり部

Claims (4)

  1. 電子放出源が接続された陰極と、前記電子放出源からの電子の照射で放射線を発生させるターゲットが接続された陽極とが、電気的に絶縁性の管状部材の両開口端に取り付けられて真空容器を構成している放射線発生管が、絶縁性物質で満たされた収納容器の内部に設けられた放射線発生ユニットにおいて、
    前記管状部材は外周に環状の凸部を有し、前記管状部材の比誘電率をε1とし、前記絶縁性物質の比誘電率をε2とすると、ε2>ε1の関係を有し、
    前記陰極と前記陽極との距離をLとし、前記陰極又は前記陽極と前記凸部との最短距離をdとし、前記距離dの位置での前記管状部材の表面からの前記凸部の立ち上がり角度をθとし、前記凸部の幅をWとし、前記凸部の高さをHとした時に、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする放射線発生ユニット。
    1>d/L≧0.001×ln(H/W)−0.001×ln〔cos(θ)〕
    −0.004×(H/W)×cos(θ)+0.004 ・・・(1)
  2. 前記絶縁性物質が絶縁性液体であって、前記凸部の高さHと幅Wが0<H/W<2の関係を満たし、しかも前記式(1)に代えて、下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の放射線発生ユニット。
    1>d/L≧0.013×ln(H/W)−0.012×ln〔cos(θ)〕
    −0.041×(H/W)×cos(θ)+0.04 ・・・(2)
  3. 前記絶縁性液体が絶縁油で、前記管状部材がアルミナを含むセラミックスで構成されており、しかも前記式(2)に代えて、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載の放射線発生ユニット。
    1>d/L≧0.16×ln(H/W)+0.05×ln〔cos(θ)〕
    −0.58×(H/W)×cos(θ)+0.39 ・・・(3)
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放射線発生ユニットと、
    前記放射線発生ユニットから放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
    前記放射線発生ユニットと前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線撮影システム。
JP2012228683A 2012-10-16 2012-10-16 放射線発生ユニット及び放射線撮影システム Pending JP2014079353A (ja)

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