JP2016042425A - 放射線発生装置及びこれを用いた放射線撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】余剰空間に絶縁性液体が充填された放射線発生装置において、絶縁性液体の体積膨張に対応するための体積調整容器の変形に伴う、膨張吸収容器内部の放電を抑制する放射線発生装置を提供する。【解決手段】放射線発生装置1の収納容器10に設けた開口12を介して外部の雰囲気と連通する内部空間14を有する体積調整容器13を導電性の材料で形成することにより、内部空間14の電位勾配を軽減して、絶縁性液体15の体積膨張に伴う内部空間14の体積減少時の放電発生を防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば医療機器、非破壊検査装置等に適用できる放射線発生装置とこれを用いた放射線撮影システムに関する。
放射線撮影システムは、放射線発生装置から被検体にX線等の放射線を照射し、透過した放射線を放射線検出装置にて検出する。ここで用いられる放射線発生装置は、内部に放射線発生管を備えており、該放射線発生管は電子放出源から放出される電子を、真空中において高電圧で加速し、タングステン等の金属で構成されるターゲットに照射してX線等の放射線を発生させて使用する。
放射線発生管は、陽極と陰極との間に30kV乃至150kV程度の管電圧を印加して動作させる。また、電子の照射により放射線を発生させるターゲットの放射線発生効率は1%以下と低く、電子の運動エネルギーの大半は熱エネルギーに変換され、放射線発生管の温度上昇を招く。
放射線発生管は、操作者の保護、漏洩放射線の遮蔽の観点から金属製の収納容器に収納され、該収納容器の余剰空間には、放射線発生管と収納容器との間の放電を抑制し、さらに、放射線発生管を冷却するために、絶縁性液体が充填される。絶縁性液体は、収納容器の内面及び放射線発生管の外表面に接触するように、放射線発生管と共に収納容器に充填されて、対流により放射線発生管の高温部の熱を収納容器の外部へ伝熱する。そのため、放射線発生管の発熱に伴い、絶縁性液体の温度も上昇し、絶縁性液体の体積が膨張する。
絶縁性液体の体積膨張は、収納容器の内部圧力の上昇を招き、収納容器からの絶縁性液体の漏れや、収納容器の変形等の原因となる。そのため、放射線発生装置においては、収納容器内に、収納容器外の外気と連通し、絶縁性液体の膨張時に収縮する膨張吸収容器を設ける構造が知られている。特許文献1には、放射線発生装置の収納容器内に、収納容器の外側空間と連通したゴム製の膨張吸収容器を配置した構成が開示されている。特許文献1には、さらに、膨張吸収容器を高電圧印加部から絶縁距離を離して配置することが開示されている。
特開2007−324013号公報
放射線発生装置は、放射線撮影システムに組み込むために、小型化や軽量化の制約を受ける場合があり、特許文献1のように膨張吸収容器を備えた放射線発生装置を小型化した場合には、膨張吸収容器が電位勾配のある場所に配置される場合がある。電位勾配のある場所に配置された膨張吸収容器は、絶縁性液体の膨張と共に変形し、膨張吸収容器内の雰囲気(一般的には空気)にかかる電圧が変動し、状況によっては膨張吸収容器内部で放電を発生することがある。そして、このような放電は放射線発生管を収納している収納容器の膨張破損の原因となる。
本発明の課題は、上記問題を解決し、膨張吸収容器の変形に伴う、膨張吸収容器内部の放電を抑制することにより、動作時の膨張破損と放電発生とを抑制し、小型化しても信頼性の高い放射線発生装置及びこれを用いた撮影システムを提供することにある。
本発明の第1は、陽極と陰極とを備え放射線を発生する放射線発生管と、前記放射線発生管を収納した導電性の収納容器と、前記収納容器の内部の余剰空間に充填された絶縁性液体と、前記収納容器に設けられた開口を介して内部空間が前記収納容器の外部雰囲気に連通され、前記絶縁性液体の膨張によって前記内部空間の体積が減少する体積調整容器と、を備えた放射線発生装置であって、
前記体積調整容器の内部空間の電位勾配が軽減される構成を備えていることを特徴とする。
本発明の第2は、上記本発明の第1の放射線発生装置と、
前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システムである。
本発明においては、絶縁性液体の膨張に対応する体積調整容器の内部空間における放電が抑制されていることから、動作時の収納容器の膨張破損と放電発生とが抑制され、小型化しても信頼性の高い放射線発生装置が提供される。よって、係る放射線発生装置を用いて小型で信頼性の高い放射線撮影システムが提供される。
本発明の放射線発生装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の放射線発生装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の放射線発生装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の放射線発生装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の放射線撮影システムの一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
図1に本発明の放射線発生装置の一実施形態の構成を模式的に示す。本発明の放射線発生装置1は、放射線発生管2と、該放射線発生管2を収納した収納容器10とを有し、収納容器10内の余剰空間には絶縁性液体15が充填されている。そして、本発明においては、収納容器10内に、絶縁性液体15の膨張によって内部空間の体積が減少する体積調整容器13を備えている。以下に、各部材について説明する。
本発明に係る放射線発生管2においては、陰極3には電子放出源9が接続され、陽極4は電子放出源9から放出された電子線6の照射によって放射線を放出するターゲット5を、電子放出源9に対向する位置に備えている。本実施形態においては、ターゲット5は電子線6が照射された反対側からX線が放出される透過型であり、放射線発生管2の放射線放出口を兼ねている。電子線6に含まれる電子は、陰極3と陽極4に挟まれた放射線発生管2の内部空間に形成された加速電界により、ターゲット5で放射線を発生させるために必要な入射エネルギーとなるまで加速される。
放射線発生管2の内部空間は、電子線6の平均自由行程を確保することを目的として、真空となっている。放射線発生管2の内部の真空度は、1×10-8Pa以上1×10-4Pa以下であることが好ましく、電子放出源9の寿命の観点からは、1×10-8Pa以上1×10-6Pa以下であることがより一層好ましい。
放射線発生管2の内部空間は、不図示の排気管及び真空ポンプを用いて真空排気した後、係る排気管を封止することにより真空とすることが可能である。また、放射線発生管2の内部空間には、真空度の維持を目的として、不図示のゲッターを配置しても良い。
放射線発生管2は、陰極3の電位に規定される電子放出源9と、陽極4の電位に規定されるターゲット5との間の電気的絶縁を図る目的において、胴部に絶縁管7を備えている。絶縁管7は、ガラス材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成される。本例では、陰極3と陽極4と絶縁管7とで外囲器8が構成されており、該外囲器8は、真空度を維持するための気密性と耐大気圧性を有する堅牢性とを備える部材から構成されることが好ましい。
陰極3に接続された電子放出源9は、例えばタングステンフィラメント、含浸型カソードのような熱陰極や、カーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。電子放出源9は、電子線6のビーム径及び電子電流密度、オン・オフタイミング等の制御を目的として、不図示のグリッド電極、静電レンズ電極を備えた形態とすることできる。
図1に示す放射線発生装置1において、放射線発生管2は、絶縁性液体15の流動を妨げないように配置された不図示の支持体を用いて収納容器10の内部に固定されている。また、放射線発生装置1の収納容器10は、放射線発生管2に電気的に接続され、陰極3と陽極4との間に管電圧を印加するための駆動回路16を内部に収納する形態とすることも可能である。駆動回路16は、収納容器10の内部に配置される必要はなく、収納容器10の外部に配置されても良い。
収納容器10の内部に駆動回路16を収納することにより、絶縁性液体15の対流による冷却作用によって管電圧出力を安定化することができる。また、高電圧の給電線の取り回しを短距離とすることにより放電耐圧を増大することが可能となり、放射線発生装置1の信頼性が向上する。収納容器10は、接地電位に電位規定すると、放射線発生装置1の取扱いが安全となって好ましい。
絶縁性液体15は、放射線発生管2の外面と収納容器10の内面とに接触し、放射線発生管2の高温部から収納容器10の低温部の間の温度差を小さくするように、収納容器10の内部において対流する。絶縁性液体15は、放射線発生管2の冷却及び、電気絶縁を行うため、冷却能力が高く、電気絶縁性の高いものが良い。また、ターゲット5が発熱により高温になり、その熱が絶縁性液体15に伝わるため、熱による変質の少ないものが好ましい。よって絶縁性液体15としては、電気絶縁油、フッ素系の絶縁油等が使用可能である。
本発明に用いられる収納容器10は導電性であり、鉄、ステンレス、鉛、真鍮、銅等の金属から構成され、通常は接地電位に規定されている。収納容器10のターゲット5に対向した位置には、放射線放出窓11が配置されている。放射線放出窓11の材料としてはベリリウム、アルミニウム等の放射線減衰量の少ない材料が適用される。
本発明においては、図2,図4に示すように、放射線発生管2の陽極4を収納容器10と接続することにより、ターゲット5は放射線放出窓11を兼ねることができ、少なくとも2つの効果が期待できる。1つは、陽極4を収納容器10と接続しない場合の、放射線放出窓11やターゲット5と放射線放出窓11との間に介在する絶縁性液体15等による放射線減衰が抑制される。もう1つは、ターゲット5を被検体に近づけることができ、拡大率が増大する。
本発明において、放射線発生装置1は、収納容器10に設けられた開口12を介して収納容器10の外部雰囲気に連通する体積調整容器13を有している。体積調整容器13の内部空間14は、ターゲット5の熱を吸収することによって温度上昇した絶縁性液体15の膨張に伴い減少する。即ち、絶縁性液体15が膨張した体積とほぼ等価の体積の雰囲気を収納容器10の外へ逃がすことにより、体積調整容器13の内部空間14を減少せしめ、収納容器10の内部圧力の上昇を抑え、収納容器10の変形を抑える。
図1、図3は、体積調整容器13を伸縮性のある材料や柔軟性のある材料で構成した例であり、図2、図4は、体積調整容器13に蛇腹構造を持たせた構成である。体積調整容器13を伸縮性のある材料で形成した場合、内部空間14の体積変動に応じて体積調整容器13自体が伸縮して対応する。また、体積調整容器13を柔軟性のある材料で形成した場合には、内部空間14の体積変動に応じて体積調整容器13の壁面が変形して対応する。図2の場合には、内部空間14の体積変動に応じて蛇腹構造が伸縮して対応する。
ここで、体積調整容器13の内部空間14が減少する時に、該内部空間14にかかる電圧が変動し、場合によっては内部空間14において放電する可能性がある。よって、本発明においては、体積調整容器13の内部空間14の電位勾配が軽減される構成を備えている。具体的には、体積調整容器13の内部空間14が導電性部材で取り囲まれた領域に位置することにより、陽極4や陰極3などの電位を有する部材に対して、静電場においてシールドされた状態となり、内部空間14における電位勾配が軽減される。その結果、内部空間14の体積が減少する際の該内部空間14にかかる電圧の変動が抑制され、内部空間14における放電の発生が抑制される。
体積調整容器13の内部空間14が導電性部材で取り囲まれた領域に位置する構成としては、体積調整容器13を導電性とする第1の方法と、体積調整容器13を導電性部材で取り囲む第2の方法とが挙げられる。
上記第1の方法としては、体積調整容器13の内面及び外面の少なくとも一方が導電性の材料により構成されていればよく、どちらか一方であれば外面であり、好ましくは体積調整容器13全体を導電性の材料で構成する。そして、体積調整容器13の内部空間14が収納容器10との間で電位差を生じないように、体積調整容器13と収納容器10とを電気的に接続する。係る構成により、内部空間14は定電位面で囲まれ、電位勾配がなくなる。
体積調整容器13は、樹脂材料または金属材料から構成することができる。樹脂材料を用いた場合には、樹脂材料に金属微粒子等を混ぜることにより導電性をもたせることができる。樹脂材料としては、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の非導電性ゴム材にカーボンや金属微粒子を混ぜた導電性ゴム材を用いることができる。耐油性の観点からは、ニトリルゴムやフッ素ゴムが好ましく用いられる。また、金属材料としては、ステンレス、チタン、ニッケル及びニッケル超合金等が好ましく用いられる。
体積調整容器13を導電性部材で取り囲む第2の方法としては、図3、図4に示すように、収納容器10に電気的に接続された導電性隔壁16と、収納容器10とで体積調整容器13を取り囲む方法が挙げられる。尚、導電性隔壁16は絶縁性液体15の流路となる開口を有している必要がある。導電性隔壁16の材料としては、収納容器10と同じ材料が好ましく用いられ、絶縁性液体15の流れを妨げないメッシュ状部材や多孔板が好ましく用いられる。
このように、導電性隔壁16を配置することで、体積調整容器13とその周囲の部材との間に定電位面が形成され、体積調整容器13の内部空間14には電位勾配がなくなる。
尚、絶縁性液体15の膨張による体積調整容器13の内部空間14の体積減少を妨げないように、体積調整容器13は収納容器10や導電性隔壁16との間に所定の距離をおいて配置する。
第2の方法では、体積調整容器13は導電性である必要がなく、前記第1の方法で挙げた材料以外の非導電性材料を用いることができ、材料選択性が増す。例えば、先に挙げた非導電性ゴム材を用いることができる。
本発明においては、体積調整容器13自体の伸縮を抑え、素材のシール性の寿命低下を抑制することが好ましい。具体的には、体積調整容器13の内部空間14の体積の減少率が1を超えず、且つ、内部空間14の体積の減少率を、体積調整容器13の表面積の減少率の3/2乗よりも小さくなるように設定する。即ち、内部空間14の体積がVからV'に減少し、体積調整容器13の表面積がSからS'に減少した場合、(V’/V)<(S’/S)3/2となるような素材、形状の体積調整容器13が好ましい。即ち、図2,図4のように体積調整容器13が蛇腹構造を有する場合や、体積調整容器13が柔軟性のある材料で構成されている場合である。蛇腹構造を有する体積調整容器13を柔軟性のある材料で構成していればさらに好ましい。このような構成では、第1の方法において、体積調整容器13が導電性の場合に、内部空間14の体積が減少した際の変形によって、体積調整容器13とは異なる電位の部材に近づいて絶縁性液体15が放電する可能性が低い。また、第2の方法においては、内部空間14の体積が減少した際の変形によって、体積調整容器13が収納容器10や導電性隔壁16と接触して体積調整容器13が摩耗する可能性が低い。
次に、本発明の放射線発生装置を用いた放射線撮影システムについて説明する。図5は本発明の放射線撮影システムの一実施形態の構成を示す概略図であり、図1に示した放射線発生装置1を用いた例である。図5には、被検体23に対して所定の曝射角度で撮影された放射線透過像を取得する放射線撮影システムの基本的な構成例が示されている。
図5のシステムにおいて、制御装置18は、放射線発生装置1と放射線検出器22とを連携制御する。駆動回路16は、制御装置18による制御の下に、放射線発生管2に各種の制御信号を出力する。駆動回路16は、少なくとも、管電圧回路を備え、必要に応じて、電子放出源9に接続され管電流を制御する管電流回路を備える。図示される駆動回路16は、放射線発生管2と共に収納容器10の内部に設けられているが、収納容器10の外部に設けられていても良い。駆動回路19が出力する制御信号により、放射線発生装置1から放出される放射線24の放出状態が制御される。
放射線発生装置1から放出された放射線24は、不図示のコリメータにより照射範囲が調整されて放射線発生装置1の外部に放出され、被検体23を透過して放射線検出器22で検出される。放射線検出器22は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部20に出力する。信号処理部20は、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号を制御装置18に出力する。制御装置18は、処理された画像信号に基づいて、表示装置21に画像を表示させるための表示信号を表示装置21に出力する。表示装置21は、表示信号に基づく画像を、被検体23の撮影画像としてスクリーンに表示する。
本発明の放射線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
図2の構成の放射線発生装置を構成した。放射線としてはX線を用いた。
放射線発生管2は、アルミナからなる絶縁管2の両端が陽極4及び陰極3でそれぞれ塞がれた、内部が密閉された容器である。放射線発生管2の内部には、陰極3には電子放出源9として含浸カソードを配置して接続し、電子放出源9に対向する筒の一端には、ターゲット5を備える陽極4を配置した。ターゲット5はダイヤモンド基板上にタングステンを成膜したものを用いた。また放射線発生管2の内部には不図示のNEG(非蒸発型ゲッター)を配置し、真空度を1×10-4Pa以下に保った。
収納容器10は真鍮製の直方体で、該収納容器10を接地することにより、収納容器10と電気的にも接続された陽極4も接地された。
体積調整容器13は、耐油性の高いニトリルゴムを主体とした導電性ニトリルゴム製の略直方体とした。また、内部空間14の体積が減少した際の形状がある程度制限できるように、収納容器10の開口12と連通させる面と、それに対向する面を除く4面を蛇腹状にした。内部空間14は開口12を通じて外気と連通しており、大気圧である。
絶縁性液体15として高圧絶縁油A(JX日鉱日石エネルギー製)を用い、収納容器10に設けた注入口(不図示)より充填し、収納容器10を封止した。
上記放射線発生装置1において、温度をモニターしながら駆動耐久試験を行い、放電の有無を確認した。温度が飽和するまで試験を続けたが、体積調整容器13の内部空間14において放電することは無かった。また、絶縁性液体15の漏れや、収納容器10の破損等も生じなかった。
以上より、本実施形態によれば、動作時の収納容器の膨張破損と放電とを抑制し、小型化しても信頼性の高いX線発生装置及びX線撮影システムを提供することが可能となる。
(実施例2)
図3に示すように収納容器10と同じ材料で形成されたメッシュ状の導電性隔壁15を配置し、体積調整容器13を非導電性のニトリルゴム製の略直方体とし、蛇腹を形成しなかった以外は実施例1と同様にしてX線発生装置を構成した。
上記X線発生装置において、温度をモニターしながら駆動耐久試験を行い、放電の有無を確認した。温度が飽和するまで試験を続けたが、体積調整容器内部空間14において放電することは無かった。また、絶縁性液体15の漏れや、収納容器10の破損等も生じなかった。
以上より、本実施形態によれば、動作時の収納容器の膨張破損と放電とを抑制し、小型化しても信頼性の高いX線発生装置及びX線撮影システムを提供することが可能となる。
(実施例3)
図4に示すように、体積調整容器13を一端が閉じた筒状の導電性隔壁16で覆い、体積調整容器13は非導電性のニトリルゴム製の略円柱とし、蛇腹は形成しなかった以外は実施例1と同様にしてX線発生装置を構成した。導電性隔壁16は収納容器10と同じ素材でメッシュ状である。
上記X線発生装置において、温度をモニターしながら駆動耐久試験を行い、放電の有無を確認した。温度が飽和するまで試験を続けたが、体積調整容器13の内部空間14において放電することは無かった。また、絶縁性液体15の漏れや、収納容器10の破損等も生じなかった。
以上より、本実施形態によれば、動作時の収納容器の膨張破損と放電とを抑制し、小型化しても信頼性の高いX線発生装置及びX線撮影システムを提供することが可能となる。
1:放射線発生装置、2:放射線発生管、3:陰極、4:陽極、10:収納容器、11:12:開口、13:体積調整容器、14:内部空間、15:絶縁性液体、16:駆動回路、18:制御装置、22:放射線検出装置、23:被検体、24:放射線

Claims (12)

  1. 陽極と陰極とを備え放射線を発生する放射線発生管と、前記放射線発生管を収納した導電性の収納容器と、前記収納容器の内部の余剰空間に充填された絶縁性液体と、前記収納容器に設けられた開口を介して内部空間が前記収納容器の外部雰囲気に連通され、前記絶縁性液体の膨張によって前記内部空間の体積が減少する体積調整容器と、を備えた放射線発生装置であって、
    前記体積調整容器の内部空間の電位勾配が軽減される構成を備えていることを特徴とする放射線発生装置。
  2. 前記体積調整容器の内部空間が導電性部材によって囲まれた領域に位置していることを特徴とする放射線発生装置。
  3. 前記体積調整容器は、内面及び外面の少なくとも一方が導電性の材料により構成され、前記収納容器に電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線発生装置。
  4. 前記体積調整容器が、前記絶縁性液体の流路となる開口を有し且つ前記収納容器に電気的に接続された導電性隔壁と前記収納容器とに囲まれていることを特徴とする請求項2に記載の放射線発生装置。
  5. 前記導電性隔壁が、メッシュ状部材又は多孔板であることを特徴とする請求項4に記載の放射線発生装置。
  6. 前記体積調整容器の内部空間が、前記絶縁性液体の膨張に伴って減少した際の、前記体積調整容器の表面積の減少率が1を超えず、且つ、内部空間の体積の減少率が、表面積の減少率の3/2乗よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  7. 前記体積調整容器が蛇腹構造を有していることを特徴とする請求項6に記載の放射線発生装置。
  8. 前記体積調整容器が柔軟性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の放射線発生装置。
  9. 前記収納容器が接地電位に規定されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  10. 前記体積調整容器が、樹脂材料又は金属材料からなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  11. 前記収納容器の内部に前記放射線発生管に管電圧を印加する駆動回路を備え、前記駆動回路が前記絶縁性液体に接していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線発生装置と、
    前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
    前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
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