JP2015201262A - X線発生装置及びx線撮影システム - Google Patents

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Koji Yamazaki
康二 山▲崎▼
安藤 洋一
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洋一 安藤
靖浩 伊藤
Yasuhiro Ito
靖浩 伊藤
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Abstract

【課題】絶縁性液体9が充填された収納容器10内にX線発生管2が収納され、絶縁性液体9中に生じる気泡17を補足する気泡室12を備えたX線発生装置1において、気泡室12に補足した気泡17を脱出し難くし、絶縁油9による冷却作用と放電抑制作用とを安定化させて、X線発生装置1の信頼性を高める。【解決手段】収納容器10内を、X線発生管2を収納した主室13と気泡室12とに仕切部材14で仕切り、主室13と気泡室12とを仕切部材14に形成した開口15を介して連通しさせると共に、開口15の周縁から気泡室12の内側に向かって突出した連通管16を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁性液体が充填された収納容器内にX線発生管を収納したX線発生装置及びこのX線発生装置を用いたX線撮影システムに関する。
電子源から放出された電子線束をターゲットに照射することによりX線を発生させるX線発生装置として、X線発生管を備えるX線発生装置が知られている。X線発生管は、陽極と陰極との間に30kV乃至150kVの管電圧を印加することで動作する。電子の照射によりX線を発生させるターゲットのX線発生効率は1%以下と低く、電子の運動エネルギーの大半は熱エネルギーに変換され、X線発生管の温度上昇を招く。また、X線発生管は、操作者の保護、漏洩X線の遮蔽の観点から、金属製の収納容器に収容されている。収納容器には、X線発生管と収納容器との間の放電を抑制すると共に、X線発生管を冷却する目的で、絶縁性液体が充填されている。絶縁性液体は、収納容器の内面とX線発生管の外表面に接触するように、X線発生管とともに収納容器に収納されており、対流しながらX線発生管の高温部の熱を収納容器の外部へ伝熱する。
X線発生装置は、動作に伴うX線発生管の発熱に伴い、絶縁性液体中に溶解しているガス、絶縁性液体が加熱分解されることで生じるガス、収納容器の密閉時にパージしきれなかった残留ガス等を原因とする気泡が発生する場合がある。気泡が発生すると、気泡が介在する箇所における伝熱が抑制される。また、発生した気泡は、絶縁性液体の対流やX線発生装置の姿勢の変化等により、収納容器内において移動し、絶縁性液体による放電の抑制作用及びX線発生管の冷却作用を随所において低下させてしまう原因となる。
従来、例えば特許文献1に示されるように、気泡室を設け、絶縁性液体中に発生した気泡をこの気泡室で捕捉できるようにしたX線発生装置が知られている。具体的には、絶縁性液体を、収納容器に設けた流出口と流入口との間で循環させるX線発生装置において、収納容器内を、X線発生管側の第1室と流入口側の第2室とに仕切板で仕切り、第2室側に気泡室を設けたX線発生装置が開示されている。また、特許文献1には、仕切板と収納容器の内壁面との間には第1室と第2室をつなぐ開口を設け、この開口側の仕切板の端部から第2室側へ突出する連通管を設けることも開示されている。
特開2013−149368
しかしながら、特許文献1のような気泡室を備えたX線発生装置としても、捕捉した気泡を安定的に気泡室内の留めることができない場合があった。
本発明は、気泡室に捕捉した気泡を脱出し難くし、絶縁性液体による冷却作用と放電抑制作用とを安定化させ、信頼性の高いX線発生装置を提供できるようにすることを目的とする。また、SN比の高いX線撮影画像を安定して撮影することができるX線撮影システムを提供することを目的とする。
本発明に係るX線発生装置は、絶縁性液体が充填された収納容器の内部にX線発生管を収納したX線発生装置であって、前記収納容器は、前記X線発生管を収納した主室と、該主室と仕切部材で仕切られた気泡室とを備え、前記主室と前記気泡室とは前記仕切部材に形成された開口を介して連通していると共に、前記開口の周縁から前記気泡室の内側に向かって突出した連通管を有することを特徴とする。
また、本発明に係るX線撮影システムは、上記本発明に係るX線発生装置と、該X線発生装置から放出されて被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、開口の周縁から気泡室の内側に向かって突出した連通管を有することにより、気泡室内に捕捉した気泡が、X線発生装置の回転によって浮力方向へ移動する場合に、開口を通って気泡室から脱出する可能性を低減できる。これにより、絶縁性液体の冷却作用と放電抑制作用とを安定化させ、信頼性の高いX線発生装置を提供することが可能となる。
本発明のX線発生装置の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明のX線発生装置が適用されるX線撮影システムの概略構成図である。 本発明のX線発生装置が適用される回転機構を有するX線撮影システムの概略構成図である。 本発明のX線撮影システムの断層撮影におけるフローチャートである。 本発明のX線発生装置の作用効果を説明する模式図である。 本発明のX線発生装置の姿勢変化に伴う気泡室と気泡との関係を示す断面模式図である。 連通管の実施形態を示す断面模式図である。 本発明のX線発生装置の他の実施形態を示す断面模式図である。
以下、本発明のX線発生装置及びX線撮影システムを具体的な実施形態により説明する。なお、X線源として透過型X線発生管を用いた例について説明するが、反射型X線発生管を用いることも可能である。なお、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
図1に示すX線発生管2は、電子放出源3’を備えた陰極3と、透過型のターゲット5を有する陽極4とを備えている。電子放出源3’はターゲット5に対向して配置されており、電子放出源3’から放出された電子線束6がターゲット5に照射されることによりX線を発生させるものとなっている。電子線束6に含まれる電子は、陰極3と陽極4に挟まれたX線発生管2の内部空間に形成された加速電界により、ターゲット5でX線を発生させるために必要な入射エネルギーとなるまで加速されてターゲット5に照射される。本実施形態におけるターゲット5は、X線が透過可能で、X線発生管2のX線放出口を兼ねている。
X線発生管2の内部空間は、電子線束6の平均自由行程を確保することを目的として、真空となっている。X線発生管2の内部の真空度は、1×10-8Pa以上1×10-4Pa以下であることが好ましい。X線発生管2の内部の真空度は、電子放出源3’の寿命の観点からは、1×10-8Pa以上1×10-6Pa以下であることがより好ましい。X線発生管2の内部空間は、不図示の排気管及び真空ポンプを用いて真空排気した後、かかる排気管を封止することにより真空とすることが可能である。また、X線発生管2の内部空間には、真空度の維持を目的として、不図示のゲッターを配置しても良い。
X線発生管2は、陰極3の電位に規定される電子放出源3’と、陽極4の電位に規定されるターゲット5との間の電気的絶縁を図るために、胴部に絶縁管7を備えている。絶縁管7は、ガラス材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成されている。本実施形態においては、陰極3と絶縁管7と陽極4とにより外囲器8を構成している。外囲器8は、真空度を維持するための気密性と耐大気圧性を有する堅牢性とを備える部材から構成されていることが好ましい。
陰極3が備える電子放出源3’は、例えばタングステンフィラメント、含浸型カソードのような熱陰極や、カーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。電子放出源3’は、電子線束6のビーム径、電子電流密度、オン・オフのタイミング等の制御を目的として、不図示のグリッド電極、静電レンズ電極を備えた形態とすることできる。
ターゲット5は、ターゲット基板(不図示)によって支持されている。ターゲット5の材料としてはタングステン、モリブデン、銅等の金属が使用可能である。ターゲット基板の材料としては、熱伝導率が高く、X線吸収能力の低い材料(X線透過性材料)が良い。例えばSiC、ダイヤモンド、カーボン、薄膜無酸素銅、ベリリウム等が使用可能である。
X線発生装置1は、透過型のターゲット5を備えるX線発生管2と、絶縁性液体9と、X線発生管2及び絶縁性液体9を収納する収納容器10とを備えている。本実施形態のX線発生管2は、絶縁性液体9の流動を妨げないように配置された不図示の支持体を用いて収納容器10の内部に固定されている。
収納容器10は、X線発生管2の陰極3と陽極4に電気的に接続された管電圧回路を内部に収納した形態とすることも可能である。管電圧回路は、陰極3と陽極4の間に管電圧を印加する電気回路で、収納容器10の内部に配置することは必須ではなく、収納容器10の外部に配置することもできる。しかし、収納容器10の内部に管電圧回路を収納すると、絶縁性液体9の対流による冷却作用で管電圧出力を安定させやすく、高電圧の給電線の取り回し距離が短くなることで放電耐圧を高めることができる。そして、これらの結果、X線発生装置1の信頼性を向上させることができるので好ましい。
絶縁性液体9は、X線発生管2の外面と収納容器10の内面とに接触し、X線発生管2の高温部から収納容器10の低温部の間の温度差を小さくするように、収納容器10の内部において対流する。絶縁性液体9は、X線発生管2の冷却や、X線発生管2周りの電気絶縁のため、冷却能力が高く、電気絶縁性の高いものが好ましい。また、ターゲット5が発熱により高温になり、その熱が絶縁性液体9に伝わるため、熱による変質の少ないものが好ましい。よって絶縁性液体9としては、電気絶縁油、フッ素系の絶縁油等が好ましく使用可能である。
収納容器10のターゲット5に対向した位置には、X線取り出し窓11が配置されている。X線取り出し窓11の材料としてはベリリウム、アルミニウム等のX線減衰量の少ない材料が適用される。また、収納容器10の構成材料としては例えば鉄、ステンレス、鉛、真鍮、銅等の金属が使用可能である。収納容器10は、基本的には接地電位に規定される。
次に、図2を用いて、本発明のX線発生装置1を用いたX線撮影システム19の構成例について説明する。図2には、被検体25に対して所定の曝射角度で撮影されたX線透過像を取得するX線撮影システム19の基本的な構成例が示されている。なお、図2の下方を鉛直方向下向きとして図示されている。
システム制御ユニット20は、X線発生装置1とX線検出器24とを統合制御する。駆動回路21は、システム制御ユニット20による制御の下に、X線発生管2に各種の制御信号を出力する。駆動回路21は、少なくとも管電圧回路を備えており、必要に応じて、電子放出源3’(図1参照)に接続されて管電流を制御する管電流回路を備えている。図示される駆動回路21は、収納容器10の外部に設けられているが、X線発生管2とともに収納容器10の内部に収納してもよい。駆動回路21が出力する制御信号により、X線発生装置1から放出されるX線束26の放出状態が制御される。
X線発生装置1から放出されたX線束26は、不図示のコリメータにより照射範囲が調整されてX線発生装置1の外部に放出され、被検体25を透過してX線検出器24で検出される。X線検出器24は、検出したX線を画像信号に変換して信号処理部22に出力する。信号処理部22は、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御ユニット20に出力する。システム制御ユニット20は、処理された画像信号に基づいて、画像表示のための表示信号を、表示装置23に出力する。表示装置23は、表示信号に基づく画像を、被検体25の撮影画像としてスクリーンに表示する。
次に、図3を用いて、本発明のX線発生装置1を用いたX線撮影システム19の他の構成例について説明する。図3には、被検体25に対して回転軸Ac周りに複数の曝射角度で撮影することによりX線断層像を取得するX線撮影システム19の基本的な構成例が示されている。
本実施形態のX線発生装置1のX線の出射側には、被検体25を介してX線検出器24が配置されている。被検体25は、被験者の全身又は特定部位が含まれる。X線発生装置1とX線検出器24は、回転駆動装置27に対して、それぞれ線源支持部28、検出器支持部29を介して機械的に接続されており、共通の回転軸Acの周りを同じ方向に同期して回転するように構成されている。従って、回転駆動装置27は、鉛直方向に対する収納容器10の姿勢を変更する機構とも言える。
被検体25は、X線発生装置1とX線検出器24との間において、回転軸Acと重なるように配置されている。
X線検出器24の出力にはX線透過像データが含まれ、データ処理回路30、画像処理回路31、システム制御ユニット20、再構成部32を経て表示パネル33に接続されている。なお、データ処理回路30、画像処理回路31は、図2の実施形態の信号処理部22に相当する。
システム制御ユニット20には、その出力が、駆動回路21を介してX線発生装置1に入力されると共に、回転駆動装置27、データ処理回路30及び画像処理回路31にそれぞれ入力されるように接続されている。また、システム制御ユニット20には操作パネル34の出力が入力されるように接続されている。
本実施形態においては、被検体25は静止状態で、X線発生装置1とX線検出器24が回転するが、撮影系(X線発生装置1及びX線検出器24)と被検体25とが回転軸周りに相対的に所要の角速度で回転すれば同様の撮影を行うことができる。従って、被検体25が回転軸Ac周りに回転し、X線発生装置1とX線検出器24とが静止していても良い。
本実施形態のX線撮影システム19では、X線発生装置1及びX線検出器24は互いに対向して配置され、回転軸Acを中心として同期して回転することにより、被検体25に対して異なる撮影角度毎に透過画像を取得することが可能となっている。このようなX線発生装置1及びX線検出器24の回転走査を伴う断層撮影のシーケンスについて図4を用いて説明する。
図4は、X線撮影システム19の撮影動作のフローチャート図である。撮影開始(ステップS101)の指令が操作パネル34から入力されると、システム制御ユニット20を介して回転駆動装置27に接続されたX線発生装置1とX線検出器24は、所定の回転速度で回転を始める(ステップS102)。ここで、システム制御ユニット20は回転駆動装置27から発生される図示しないエンコーダ信号を監視し、所定の一定速度及び角度に到達したかを確認する。
所定の速度及び角度に到達した時点で、システム制御ユニット20は、駆動回路21を介してX線発生装置1に信号を送ってX線曝射を開始し(ステップS103)、X線は被検体25に曝射される。同時に、X線検出器24による画像データの収集を、データ処理回路30を介して行う(ステップS104)。
X線発生装置1とX線検出器24とが所定の回転角度で同期回転し、所定数の画像データが収集されるまで撮像が継続される。所定角度毎に撮像された画像データの収集が完了すると、X線発生装置1とX線検出器24との同期回転を終了する(ステップS105)。
次に、再構成部32で画像データの再構成を行い、2系統の再構成画像データを構成する。ここで、再構成は、X線検出器24の、例えば高解像度である領域から出力した電気信号に基づいて第1の再構成画像データを構成し、低解像度である領域から出力した電気信号に基づいて、第2の再構成画像データを構成する(ステップS106)。
そして、対応する第1の再構成画像データと第2の再構成画像データを一定の比率で合成する。具体的には、第1の再構成画像データに係数k1を乗算し、第2の再構成画像データに係数kを乗算する。そして、乗算した画像データを加算する(ステップS107)。
このようにして、被検体25の複数の透過X線像と角度情報とから断層画像を取得する。X線撮影システム19は、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
次に、本願発明の特徴である気泡室について図1を用いて説明する。
本実施形態のX線発生装置1は、図1に示すように、絶縁性液体9の中に発生した気泡を捕獲する気泡室12を備えている。図1には、気泡室12に捕獲された気泡17が示されている。
X線発生管2の動作時の温度上昇に伴い、収納容器10の内部に発生した気泡17は、体積が増大して浮力の影響を強く受けるようになる一方、絶縁性液体9は粘度が低下する。このため、収納容器10の内部に発生した気泡17は浮遊しやすくなる。
気泡室12の内部は、収納容器10の内部を移動する気泡を捕獲するために、X線発生管2を収納する主室13の内部と、開口15を介して連通している。開口15は、X線発生管2の付近で発生した気泡17が、絶縁性液体9の対流及び気泡17が受ける浮力によって気泡室12内に流入しやすい位置に設けられている。
気泡室12と主室13は、収納容器10の内部を、仕切部材14を用いて仕切ることにより形成されている。仕切部材14は、主室13と気泡室12とが連通するための開口15を有している。また、仕切部材14は、開口15の周縁から気泡室12の内部側に向かって突出した連通管16を有している。仕切部材14がこの連通管16を有することによって、X線発生装置1がどのような方向に回転し又はどのように姿勢を変えても、一旦気泡室12内に捉えられた気泡17は、連通管16に邪魔をされ、開口15から主室13側へ脱出しにくくなる。連通管16は、開口15から前記気泡室12の内側に向かって、前記開口15からの距離が離れるに従い徐々に開口面積が拡大するラッパ形の部分を有していると、気泡室12内の気泡17の主室13側への脱出がより生じにくくなるので好ましい。更には、図1に示すように、連通管16が、その先端外周面の接平面に対する仮想垂線18を想定した時、この仮想垂線18の両端が気泡室12の内壁面と交差するような突出形態となっていることが好ましい。連通管16がこのような突出形態であると、より確実に気泡17を気泡室12内に留めておくことができる。
なお、気泡室12は、図1に示すように、捕獲確率を維持する観点から、気泡室12がX線発生管2に対向する側に開口を有することが好ましい。本明細書において、気泡室12がX線発生管2に対向する側に開口15を有することは、図1に示すように、開口15とX線発生管2とが、開口15の内側と、X線発生管2との交差位置とを通る仮想直線IL1を描くことができる位置関係にあることをいう。開口15とX線発生管2とは、開口15の内側を通る仮想直線の集合体内にX線発生管2が包含される位置関係にあることが最も好ましい。
更に図5を用いて詳細に説明する。図5は、説明のため気泡室12を主に示しており、図5において上方向矢印は浮力方向を示す。図5(a)は、連通管16が浮力方向と垂直であり、仮想垂線18は浮力方向と一致する。この場合、気泡17はぎりぎり連通管16に押し留まっている。図5(b)は、図5(a)の状態から、X線発生装置1が図面上左方向に少し傾いた状態を示す。仮想垂線18は浮力方向から少し傾く。図5(a)から図5(b)に傾くと、やがて気泡17は浮力によって連通管16から離れていく。気泡17が連通管16から離れると、気泡17は浮力方向に移動していく。気泡17の大きさ等にもよるが、気泡17がぎりぎり連通管16から離れた場合、仮想垂線18は浮力方向とほぼ一致し、気泡17はほぼ仮想垂線18方向へ移動していく。仮想垂線18が気泡室12の内壁面と交差していると、仮想垂線18方向へ移動する気泡17は気泡室12の内壁面に捕えられることになり、気泡17は気泡室12の内部に留まったままとなる。
開口15は、1箇所だけでもよいが、複数個所形成すると、気泡17を気泡室12内に導きやすくなるので好ましい。また、開口15を複数個所形成した場合、X線発生装置1の使用方法等により、最も気泡17の脱出口となりやすい少なくとも1箇所の開口15に対して連通管16を設けるだけでもよい。しかし、複数個所設けた開口15のうちの2以上又は全ての開口15に対して連通管16を設けると、X線発生装置1の使用方法が制約されずに気泡17の脱出を防止しやすくなるので好ましい。
仕切部材14及び連通管16は金属や合成樹脂等で形成することができる。特に仕切部材14を金属で形成し、収納容器10と同電位にすることによって、気泡室12に高電圧が掛らないようにすると、気泡17があっても絶縁性液体9が異常放電することを抑制できるので好ましい。また、連通管16は仕切部材14と同じ材質で形成するのがこれらの製法上簡単である。
また、図7(a)乃至(e)には、連通管16の実施形態が例示されている。図7(a)に示す連通管16は、開口15から気泡室12の内部に向かって開口面積が一定となっている。図7(b)に示す連通管16は、開口15から気泡室12の内部に向かって、開口面積が徐々に縮小するように構成されている点が、図7(a)に示す実施形態と相違する。図7(c)に示す連通管16は、開口15から気泡室12の内部に向かって、開口面積が徐々に拡大されているが、連通管16の突出角度が周方向に変化したものとなっている。図7(d)のに示す連通管16は、開口15から気泡室12の内部に向かって、開口面積が徐々に狭められた領域に続いて徐々に拡大された部分を有するものとなっている。図7(e)示す連通管16は、開口15から気泡室12の内部に向かって、開口面積が徐々に拡大されており、連通管16の突出角度は周方向にほぼ一定となっている。
図7(a)乃至(e)のいずれの連通管16も、先端外周面の接平面に対する仮想垂線18の両端が気泡室12の内壁面と交差するような突出形態となっている。しかし、図7(a)、(b)及び(c)の連通管16は、連通管16の先端端面に接するように伸びる仮想垂線16を有している。この仮想垂線16に沿って気泡17(図5参照)が移動する場合、気泡17が連通管16の管内に入り込んでしまう可能性があり、やや気泡17が脱出しやすいといえる。これに対して図7(d)、(e)の連通管16の仮想垂線16は、連通管16の先端端面から離れる方向に傾斜して伸びていることから、この仮想垂線16に沿って移動しても気泡17は連通管16の内側に入り込みにくく、脱出しにくいといえる。この点から図7(d)、(e)の連通管16が好ましい。図7(e)の連通管16は、図1の連通管に対応するもので、加工もしやすいことから、最も好ましい態様である。
図6には、図面の垂直方向に示された回転軸Acの周りに0〜360度の角度範囲において回転走査されるX線発生装置1を備えたX線撮影システム19が示されている。図6は、図5と同様にして、図の下方を鉛直方向下向きとして図示されている。図6においては、X線発生管2の管軸方向が鉛直方向と垂直となる角度を基準にX線発生装置1の姿勢を定義し、図6中に、0度、90度、180度、270度を代表させて示している。
図6に示すX線撮影システム19においては、回転軸Acは鉛直方向に対して直交し、水平面に対して平行に配置されている。本実施形態のX線撮影システム19は、回転軸Acが鉛直方向に対して傾きを有しているため、X線撮影装置1の回転に伴い、収納容器10及び気泡室12は、鉛直方向に対して異なる姿勢をとる。しかしながら、本実施形態の気泡室12は、開口15の周縁から気泡室の内側に向かって突出した連通管16を有する。このため、X線発生装置1が回転軸Acの周りに異なる姿勢をとった場合に、気泡17は気泡室12内に浮遊したとしても気泡室12内に留まりやすい。この結果、本実施形態の気泡室12を備えたX線発生装置1は、捕獲した気泡17の気泡室12からの脱出が低減される。よって、反転動作や静止位置に依存する気泡17の気泡室12から脱出が抑制できる。
気泡室12は、図6に示すように、X線発生管2の高温部から発生する気泡が、収納容器10の姿勢の変化に伴い収納容器10内を移動する経路上で捕獲する目的において、回転軸Acから離間した位置に設けることが好ましい。さらに、気泡室12は、図6に示すように、捕獲確率を維持する観点から、気泡室12が回転軸Acに対向する側に開口を有することが好ましい。本明細書において、気泡室12が回転軸Acに対向する側に開口15を有することは、図6に示すように、気泡室12の開口15と回転軸Acが、開口15の内側と回転軸Ac上とを通る仮想直線IL2を描くことができる位置関係にあることを意味する。
なお、本実施形態のように鉛直方向に対して傾きを有した回転軸Acが配置されているX線撮影システム19は、横臥位の被験者の胴部または四肢、立位の被験者の四肢、乳房等の鉛直方向に対して傾いて伸びる部位を被写体とする撮影に適用することが可能である。X線発生装置及び
本願発明の気泡室を備えたX線発生装置は、図2に示す実施形態のように回転軸Acを備えていないX線撮影装置、又は、回転軸Acが鉛直方向と平行であるX線撮影装置においても、気泡室からの気泡の脱出を抑制する効果を奏する。すなわち、X線発生装置の周囲温度、X線発生管の稼働時間等の変動するパラメータによって、絶縁性液体の対流挙動が変化しても、捕獲した気泡が気泡室から脱出する可能性を低減できる。従って、本発明によれば、絶縁性液体の冷却作用と放電抑制作用とを安定化させ、長時間安定してX線を発生可能な信頼性の高いX線撮影システムが実現できる。
<実施例1>
本実施例を、図1、図3及び図7を用いて説明する。なお、図1で示される実施形態は、図7(e)に例示されるものと等しい。
本実施例のX線発生装置1は、収納容器10の内部にX線発生管2を備え、収納容器10の内部に絶縁性液体9を充填してなる。
X線発生管2は、アルミナからなる筒状であり、筒の両端がそれぞれ塞がれて内部が密閉された容器である。X線発生管2の内部には、陰極3には電子放出源3’として含浸カソードを配置し、電子放出源3’に対向する筒の一端には、ターゲット5を備えた陽極4を配置した。ターゲット5はダイヤモンド基板上にタングステンを成膜したものを用いた。また、X線発生管2の内部には非常発型ゲッター(NEG:不図示)を配置し、真空度を1×10-4Pa以下に保つことができるようにした。
収納容器10は真鍮製の直方体である。また、収納容器10のターゲット5に対向した位置に、板厚3mmのエポキシ板からなるX線取り出し口11を配置した。
収納容器10の内部には真鍮製の仕切部材14を設け、気泡室12と主室13とに仕切った。仕切部材14は、収納容器10に電気的に接続され、接地されており、気泡室12内に電界が掛らないようにしている。仕切部材14には、気泡室12の内部と主室13の内部を連通するための開口15を設けた。さらに仕切部材14には、開口15の周縁から気泡室12の内側に向かって突出した真鍮製の連通管16を設けた。なお、収納容器10、仕切部材14及び連通管16は溶接により連結した。
連通管16は、仕切部材14から気泡室12の内側へ、図1中に示される角度θが60度となるように折り返して形成し、開口15から気泡室12の内部に向かって、徐々に開口面積が拡大するように突出させた。さらに、連通管16は、その先端外周面の接平面に対する仮想垂線18の両端が気泡室12の内壁面と交差する突出形態となるように突出させた。
絶縁性液体9としては高圧絶縁油A(JX日鉱日石エネルギー製)を用い、収納容器10に設けた注入口(不図示)より充填し、収納容器10を封止した。本実施例においては、効果確認のため、注射器により、気泡室12内にわざと気泡17を導入した。
図3は、本発明のX線発生装置を用いた回転機構を有するX線撮影システムの概略構成を示している。X線撮影システム19は、X線発生装置1、X線検出器24、信号処理部22、システム制御ユニット20、駆動回路21、回転駆動装置27、線源支持部28、検出器支持部29を少なくとも備えている。
上記X線撮影システム19において、X線発生装置1を図6に示される方向に回転させながら、X線撮影を試みた。回転中に得られた複数枚のX線画像は、画質が乱れることがなく、気泡17による悪影響は無かった。また、撮影中、X線発生装置1の温度上昇に伴う不具合や、放電による耐圧劣化も無かった。
さらに、X線発生装置1を図6に示される方向とは逆方向に回転させた後に、同様の撮影を試みたが、問題なく撮影できた。
また、図7(a)乃至(d)に例示した実施形態についても、同様の効果を確認したが、(a)乃至(c)に比して(d)及び(e)の方が気泡17による悪影響が生じにくい傾向が認められた。
以上より、本実施形態によれば、長時間安定してX線を発生可能な信頼性の高いX線撮影システムが実現できる。
<実施例2>
本実施例では、図8に示すように、開口15を複数設けた。それ以外の構成、製造方法は実施例1と同じである。
上記X線撮影システム19において、X線発生装置1を図6に示される方向に回転させながら、X線撮影を試みた。回転中に得られた複数枚のX線画像は、画質が乱れることがなく、気泡17による悪影響は無かった。また、撮影中、X線発生装置1の温度上昇に伴う不具合や、放電による耐圧劣化も無かった。
さらに、X線発生装置1を図6に示される方向とは逆方向に回転させた後に、同様の撮影を試みたが、問題なく撮影できた。
また、収納容器10の外側でターゲット5の近傍の測定点において、熱電対による温度測定を実施した。X線発生装置1を回転させずに連続曝射して、測定点の温度上昇の様子を、実施例1と比較したところ、曝射回数に対する温度上昇の度合いが10%程度緩やかになった。
以上より、本実施形態によれば、長時間安定してX線を発生可能な信頼性の高いX線撮影システムが実現できる。
1:X線発生装置、2:X線発生管、3:陰極、4:陽極、5:ターゲット、6:電子線束、7:絶縁管、8:外囲器、9:絶縁性液体、10:収納容器、11:X線取り出し窓、12:気泡室、13:主室、14:仕切部材、15:開口、16:連通管、17:気泡、18:仮想垂線

Claims (13)

  1. 絶縁性液体が充填された収納容器の内部にX線発生管を収納したX線発生装置であって、
    前記収納容器は、前記X線発生管を収納した主室と、該主室と仕切部材で仕切られた気泡室とを備え、前記主室と前記気泡室とは前記仕切部材に形成された開口を介して連通していると共に、前記開口の周縁から前記気泡室の内側に向かって突出する連通管を有することを特徴とするX線発生装置。
  2. 前記気泡室は、前記X線発生管に対向する側に前記開口を有することを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 前記連通管は、前記開口から前記気泡室の内側に向かって、前記開口からの距離が離れるに従い徐々に開口面積が拡大されている部分を有することを特徴とする請求項1または2に記載のX線発生装置。
  4. 前記連通管が、当該連通管の先端外周面の接平面に対する仮想垂線の両端が前記気泡室の内壁面と交差する突出形態となっていることを特徴とする請求項3に記載のX線発生装置。
  5. 前記開口が複数個所形成されており、少なくとも1箇所の開口に前記連通管が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線発生装置。
  6. 前記開口が複数個所設けられており、総ての開口に前記連通管が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のX線発生装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のX線発生装置と、該X線発生装置から放出されて被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを備えていることを特徴とするX線撮影システム。
  8. 前記収納容器に接続され、前記収納容器の鉛直方向に対する姿勢を変更する回転駆動装置と、前記回転駆動装置により変更された前記収納容器の異なる角度毎に、前記X線発生装置はX線を発生させ、前記X線検出器は被検体を透過したX線を検出するように、前記X線発生装置と前記X線検出器とを統合して制御するシステム制御ユニットと、を備えることを特徴とする請求項7に記載のX線撮影システム。
  9. 前記X線発生装置は、回転軸の周りを回転することにより、鉛直方向に対して前記異なる角度をなすように配置され、前記気泡室は、前記回転軸から離間して前記収納容器に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のX線撮影システム。
  10. 前記回転軸は、鉛直方向から傾いていることを特徴とする請求項9に記載のX線撮影システム。
  11. 前記回転軸は、鉛直方向に対して直交していることを特徴とする請求項9または10に記載のX線撮影システム。
  12. 前記気泡室は、回転軸に対向する側に前記開口を有することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のX線撮影システム。
  13. 前記X線検出器に接続され、前記X線検出器が出力する画像信号を取得する信号処理部と、前記取得した複数の画像と角度情報とにより、被検体の断層画像を再構成する再構成部と、をさらに備えた請求項9乃至12のいずれか1項に記載のX線撮影システム。
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