JP2016154087A - 放射線発生装置及び放射線撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁性液体の対流を阻害することなく、変形や移動に伴う体積変動容器の高圧部材との接触を防止し、該接触による体積変動容器の破損を防止して、信頼性の高い放射線発生装置を提供する。
【解決手段】開口12を介して内部空間14が収納容器10の外部に連通する体積変動容器40を備えた放射線発生装置1において、体積変動容器40を、可撓性を備えた弾性容器41によって構成し、該弾性容器41の薄肉部43に規制部材30を押圧して、放射線発生装置1を収納容器10側に退避させる。
【選択図】図1
【解決手段】開口12を介して内部空間14が収納容器10の外部に連通する体積変動容器40を備えた放射線発生装置1において、体積変動容器40を、可撓性を備えた弾性容器41によって構成し、該弾性容器41の薄肉部43に規制部材30を押圧して、放射線発生装置1を収納容器10側に退避させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、医療機器、非破壊検査装置等に適用可能な放射線撮影システムと、該システムに用いられる放射線発生装置に関する。
放射線発生装置が組込まれた放射線撮影システムは、放射線発生装置から被検体にX線等の放射線を照射し、透過した放射線を放射線検出装置にて検出する。ここで用いられる放射線発生装置は、内部に放射線発生管を備えており、該放射線発生管は電子放出源から放出される電子を、真空中において高電圧で加速し、タングステン等の金属で構成されるターゲットに照射してX線等の放射線を発生させて使用する。
放射線発生管は、陽極と陰極との間に30kV乃至150kV程度の管電圧を印加して動作させる。また、電子の照射により放射線を発生させるターゲットの放射線発生効率は1%以下と低く、電子の運動エネルギーの大半は熱エネルギーに変換され、放射線発生管の温度上昇を招く。
放射線発生管は、操作者の保護、漏洩放射線の遮蔽の観点から金属等の収納容器に収納され、該収納容器の余剰空間には、放射線発生管と収納容器との間の放電を抑制し、且つ放射線発生管を冷却するために、絶縁性液体が充填される。絶縁性液体は、収納容器の内面及び放射線発生管の外表面に接触するように、放射線発生管と共に収納容器に充填されて、対流により放射線発生管の高温部の熱を収納容器の外部へ伝熱する。そのため、放射線発生管の発熱に伴い、絶縁性液体の温度も上昇し、絶縁性液体の体積が膨張する。
絶縁性液体の体積膨張は、収納容器の内部圧力の上昇を招き、収納容器からの絶縁性液体の漏れや、収納容器の変形等の原因となる。そのため、放射線発生装置においては、収納容器内に、収納容器外の外気と連通し、絶縁性液体の膨張時に収縮する体積変動容器を設ける構造が知られている。特許文献1には、放射線発生装置の収納容器内に、収納容器の外部空間と連通したゴム製の風船状のベローを体積変動容器として配置した構成が開示されている。特許文献1には、さらに、該ベローを高電圧印加部から絶縁距離を離して配置することが開示されている。このように、体積変動容器を可撓性と弾性とを持ったゴム製の風船状とした場合、膨張させた時と収縮させた時の、容器内の体積変化が大きく、広い温度範囲に対応することができる。
放射線発生装置は、放射線撮影システムに組み込むために、小型化や軽量化の制約を受ける場合がある。そのため、特許文献1のように体積変動容器を備えた放射線発生装置を小型化した場合には、体積変動容器を高圧部を有する放射線発生管、管電圧発生回路に併置する場合がある。
尚、本願明細書において、『高圧部』とは、収納容器に対して数kV以上の電位差を有するノードを有している放射線発生装置内の領域を意味する。係る高圧部には、陽極接地された放射線発生管、又は、管電圧発生回路の陰極(−Va)、中点接地された放射線発生管、又は、管電発生圧回路の陰極(−1/2Va)、陽極(+1/2Va)が含まれる。ここでVaは、管電圧を意味する。また、『高圧部材』は、係る高圧部を有する放射線発生管、管電圧発生回路、並びにこれらを電気的に接続する配線を意図して用いる。
一方でゴム製の体積変動容器においては、収納容器内での膨張及び収縮に伴い変形や移動が生じ、近接する高圧部材と接触する恐れがある。薄肉のゴムで構成されている体積変動容器が高圧部材と接触した場合には、容器自体の破れを引き起こし、収納容器内の絶縁性液体の漏れの原因になる。
尚、本願明細書において、『高圧部』とは、収納容器に対して数kV以上の電位差を有するノードを有している放射線発生装置内の領域を意味する。係る高圧部には、陽極接地された放射線発生管、又は、管電圧発生回路の陰極(−Va)、中点接地された放射線発生管、又は、管電発生圧回路の陰極(−1/2Va)、陽極(+1/2Va)が含まれる。ここでVaは、管電圧を意味する。また、『高圧部材』は、係る高圧部を有する放射線発生管、管電圧発生回路、並びにこれらを電気的に接続する配線を意図して用いる。
一方でゴム製の体積変動容器においては、収納容器内での膨張及び収縮に伴い変形や移動が生じ、近接する高圧部材と接触する恐れがある。薄肉のゴムで構成されている体積変動容器が高圧部材と接触した場合には、容器自体の破れを引き起こし、収納容器内の絶縁性液体の漏れの原因になる。
ゴム製の体積変動容器が高圧部材に接触しないようにするには、例えば、体積変動容器と高圧部材との間に絶縁板を配置することが考えられる。しかしながら、発熱を伴う高圧部材の周囲を絶縁板で仕切ると、放熱手段である絶縁性液体の対流を阻害し、放射線発生管の冷却効果が低下してしまう。
本発明の課題は、上記問題を解決し、絶縁性液体の対流を阻害することなく、変形や移動に伴う体積変動容器の他部材との接触を防止し、該接触による体積変動容器の破損を防止して、信頼性の高い放射線発生装置を提供することにある。
本発明の第1は、陽極と陰極とを備え放射線を発生する放射線発生管と、
前記放射線発生管を収納した収納容器と、
前記収納容器の内部の余剰空間に充填された絶縁性液体と、
前記収納容器に設けられた開口を介して内部空間が前記収納容器の外部に連通され、容器壁の少なくとも一部の領域が不定形に弾性変形及び弾性回復することによって前記内部空間の体積が変動する体積変動容器と、を備えた放射線発生装置であって、
前記体積変動容器の前記一部の領域を押圧する規制部材を有することを特徴とする。
前記放射線発生管を収納した収納容器と、
前記収納容器の内部の余剰空間に充填された絶縁性液体と、
前記収納容器に設けられた開口を介して内部空間が前記収納容器の外部に連通され、容器壁の少なくとも一部の領域が不定形に弾性変形及び弾性回復することによって前記内部空間の体積が変動する体積変動容器と、を備えた放射線発生装置であって、
前記体積変動容器の前記一部の領域を押圧する規制部材を有することを特徴とする。
本発明の第2は、放射線発生装置と、
前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御するシステム制御装置と、を備えたことを特徴とする放射線撮影システムである。
前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御するシステム制御装置と、を備えたことを特徴とする放射線撮影システムである。
本発明によれば、体積変動容器が規制部材に押圧されることにより、収納容器内に収納された他の部材との接触が防止され、体積変動容器の破損による絶縁性液体の漏れが防止される。また、規制部材自体も体積変動容器の体積変動に応じて移動するため、絶縁性液体の対流を妨げる恐れが無く、収納容器内の部材は良好に冷却される。よって、本発明によれば、信頼性の高い放射線発生装置及び該装置を用いた放射線撮影システムが提供される。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。これらの実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲を限定するものではない。尚、本明細書で特に図示又は記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
図1に本発明の放射線発生装置の一実施形態の断面模式図を示す。図1中、(a)は後述する放射線発生管の管軸方向の断面図であり、(b)は(a)中のA−A’断面図である。本例においては、便宜上、上記管軸方向をY方向、該管軸方向に直交する方向をX方向及びZ方向とする。
本発明の放射線発生装置1は、放射線発生管2と、該放射線発生管2を収納した収納容器10とを有し、収納容器10内の余剰空間には絶縁性液体15が充填されている。そして、本発明においては、収納容器10内に、絶縁性液体15の体積変動に対して内部空間の体積が変動して対応する体積変動容器40を備えている。以下に、各部材について説明する。
本発明に係る放射線発生管2においては、陰極3に電子放出源9が接続され、陽極4には電子放出源9から放出された電子線6の照射によって放射線を放出するターゲット5が、電子放出源9に対向する位置に備えられている。本例においては、ターゲット5は電子線6が照射された反対側からX線等放射線が放出される透過型であり、放射線発生管2の放射線放出口を兼ねている。電子線6に含まれる電子は、陰極3と陽極4に挟まれた放射線発生管2の内部空間に形成された加速電界により、ターゲット5で放射線を発生させるために必要な入射エネルギーとなるまで加速される。
放射線発生管2の内部空間は、電子線6の平均自由行程を確保することを目的として、真空となっている。放射線発生管2の内部の真空度は、1×10-8Pa以上1×10-4Pa以下であることが好ましく、電子放出源9の寿命の観点からは、1×10-8Pa以上1×10-6Pa以下であることがより一層好ましい。放射線発生管2の内部空間は、不図示の排気管及び真空ポンプを用いて真空排気した後、係る排気管を封止することにより真空とすることが可能である。また、放射線発生管2の内部空間には、真空度の維持を目的として、不図示のゲッターを配置しても良い。
放射線発生管2は、陰極3の電位に規定される電子放出源9と、陽極4の電位に規定されるターゲット5との間の電気的絶縁を図る目的において、胴部に絶縁管7を備えている。絶縁管7は、ガラス材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成される。本例では、陰極3と陽極4と絶縁管7とで外囲器8が構成されており、該外囲器8は、真空度を維持するための気密性と耐大気圧性を有する堅牢性とを備える部材から構成されることが好ましい。
陰極3に接続された電子放出源9は、例えばタングステンフィラメント、含浸型カソードのような熱陰極や、カーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。電子放出源9は、電子線6のビーム径及び電子電流密度、オン・オフタイミング等の制御を目的として、不図示のグリッド電極、静電レンズ電極を備えた形態とすることできる。
図1に示す放射線発生装置1において、放射線発生管2は、絶縁性液体15の流動を妨げないように配置された不図示の支持体を用いて収納容器10の内部に固定されている。また、放射線発生管2に電気的に接続され、陰極3と陽極4との間に管電圧を印加するための駆動回路16を、収納容器10の内部に収納する形態とすることも可能である。
駆動回路16は収納容器10の外部に配置されても良いが、収納容器10の内部に駆動回路16を収納することにより、絶縁性液体15の対流による冷却作用によって管電圧出力を安定化することができる。また、高電圧の給電線の取り回しを短距離とすることにより放電耐圧を増大することが可能となり、放射線発生装置1の信頼性が向上する。収納容器10は、接地電位に電位規定すると、放射線発生装置1の取扱いが安全となって好ましい。
絶縁性液体15は、放射線発生管2の外面と収納容器10の内面とに接触し、放射線発生管2の高温部から収納容器10の低温部の間の温度差を小さくするように、収納容器10の内部において対流する。絶縁性液体15は、放射線発生管2の冷却及び、電気絶縁を行うため、冷却能力が高く、電気絶縁性の高いものが良い。また、ターゲット5が発熱により高温になり、その熱が絶縁性液体15に伝わるため、熱による変質の少ないものが好ましい。よって絶縁性液体15としては、電気絶縁油、フッ素系の絶縁油等が使用可能である。
本発明に用いられる収納容器10は導電性であり、鉄、ステンレス、鉛、真鍮、銅等の金属から構成され、通常は接地電位に規定されている。収納容器10のターゲット5に対向した位置には、放射線放出窓11が配置されている。放射線放出窓11の材料としてはベリリウム、アルミニウム等の放射線減衰量の少ない材料が適用される。
本発明において放射線発生装置1は、収納容器10に設けられた開口12を介して内部空間14が収納容器10の外部に連通する体積変動容器40を有している。本発明において、体積変動容器40は、容器壁の少なくとも一部の領域が不定形に弾性変形及び弾性回復することによって内部空間14の体積が変動するように構成されている。
本例においては、体積変動容器40を、弾性容器41とキャップ部材42とで構成しているが、弾性容器41とキャップ部材42とは一体構成であってもかまわない。弾性容器41は、キャップ部材42が圧入固定される容器口部44と薄肉部43とで構成されており、薄肉部43が不定形に膨張、収縮することで内部空間14の体積が膨張、収縮する。
キャップ部材42は中心に連通口を有しており、該連通口は開口12に連通している。体積変動容器40の内部空間14は、ターゲット5の熱を吸収することによって温度上昇した絶縁性液体15の膨張に伴い減少する。即ち、絶縁性液体15が膨張した体積とほぼ等価の体積を内部空間14内から収納容器10の外へ逃がすことにより、体積変動容器40の内部空間14を減少せしめ、収納容器10の内部圧力の上昇を抑え、収納容器10の変形を抑える。この時、薄肉部43は容器壁が収縮する。逆に、温度低下で絶縁性液体15が収縮した場合には、収縮した体積とほぼ等価の体積を収納容器10の外部から内部空間14内に引き込むことにより収納容器10の内部圧力の低下を抑え、収納容器10の変形を抑えることができる。この時、薄肉部43は容器壁が伸張する。
上記のように、絶縁性液体15の膨張、収縮に対して、薄肉部43が収縮、伸張して内部空間14の体積が減少、増大する。即ち、薄肉部43が不定形に弾性変形、弾性回復することによって絶縁性液体15の体積変動に対応する。そして、弾性容器41が可撓性を備えている場合には、薄肉部43が膨張も収縮もしていない状態から容器壁が屈曲するなどの変形を生じることで内部空間14の体積をさらに減少させることができる。よって、本発明の体積変動容器40は内部空間14の体積変動量が大きく、広い温度範囲で収納容器10内の体積変動を抑えることができ、内部圧力の変動を抑えて収納容器10の破損を防止することができる。
尚、本願明細書において、可撓性は、他の部材から押圧力を受けた際に、撓みを有して変形する態様を意味している。他の部材からの押圧力には、絶縁性液体15の対流、膨張収縮を原因とする体積変動容器にかかる応力が含まれる。従って、可撓性は、弾性変形と塑性変形の少なくともいずれかの変形モードが含まれる。
上記したように、本発明において、上記弾性容器41としては、可撓性と弾性とを備えていることが好ましく、具体的には可撓性を備えた弾性材料であるゴム材が好ましく用いられ、より具体的には、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。体積変動容器40の特に薄肉部43の剛性強度は、収納容器10よりも弱くすることが好ましい。本例では、薄肉部43のヤング率よりも、収納容器10のヤング率が小さい材料を選定することで、絶縁性液体15の膨張時に薄肉部43を積極的に変形させる構成とすることができる。尚、弾性容器41の形状は特に限定されないが、膨張も収縮もしていない状態で風船状或いは箱形に成形されていることが好ましい。
本例の体積変動容器40は、収納容器10に対してキャップ部材42で片支持状態で固定されている。よって薄肉部43の容器口部44と対向位置にある領域は周囲の絶縁性液体15内で変形、移動しやすい。そこで本例では、規制部材30を弾性容器41の薄肉部43に押圧させて体積変動容器40を収納容器10の内壁側に退避させる。好ましくは、弾性容器41が収納容器10の内壁に接するように規制部材30が押圧する。このように、本発明においては、規制部材30が体積変動容器40の薄肉部43を押圧することで、体積変動容器40は放射線発生管2等、収納容器10内に収納された他の部材と接触しない。さらに、体積変動容器40が絶縁性液体15の対流を損なわない位置に保持される。特に、本発明においては、体積変動容器40が放射線発生管2に対向配置している構成に好ましく適用され、規制部材30が、これらの間に介在することで、体積変動容器40と放射線発生管2との接触が防止される。
図2(a)は、図1(a)よりも体積変動容器40の内部空間14がより増大した状態を、(b)は内部空間14がより減少した状態を示す図であり、いずれにおいても図1(a)の放射線発生管2側の構成を便宜上省略する。図1,図2に示すように、本発明の規制部材30は、体積変動容器40を押圧することで、規制部材30自身が体積変動容器40と共に収納容器10の内壁側に退避するため、絶縁性液体15の対流が損なわれる恐れがない。よって、絶縁性液体15は体積変動容器40と放射線発生管2との間を常に良好に流動し、放射線発生管2の冷却が効率よく行われる。
図1,図2に示すように、本例では、規制部材30は、弾性容器43に接する第1の部材としてのアーム31と、該アーム31を弾性容器43に押圧させる第2の部材としての複数の屈曲部を有するジグザグバネ32とから構成されている。本例では、アーム31は全体がコの字型の形態の部材であり、収納容器10に対して支点33で支持され、支点33を中心に矢印Bの方向に回動する構成となっている。さらにジグザグバネ32が有する屈曲部の弾性回復力により、アーム31は支点33を中心に作用部34で弾性容器43を矢印C方向に押圧している。本例ではアーム31の形状をコの字型としたが、それ以外の形状であっても構わない。また、ジグザグバネ32は、帯状、メッシュ状、ロープ状、コイル状、リーフ状、U字状、S字状等のバネ形態に置換可能である。また、バネの材料は、金属、ゴム、エラスチン、ポリウレタンなどの弾性材料を用いても良い。アーム31としては、軽量である樹脂で形成されることが好ましく、例えばABSなどが用いられる。
尚、係る第2の部材は、帯状、メッシュ状、ロープ状等の形態とすることにより弾性容器43と付勢部材30との接触を制限し、押圧性と圧力保障機能とを両立している。
図1(a)、図2に示すように、絶縁性液体15の体積膨張により、体積変動容器40の内部空間14の体積が変化するが、支点33を中心にアーム31がB方向に回動し、内部空間14の体積変動に追従しながらアーム31が体積変動容器40を押圧する。尚、規制部材30が体積変動容器40を押圧するためには、ジグザグバネ32の荷重を弾性容器41の薄肉部43の曲げ剛性よりも大きくすることが望ましい。一方で規制部材30の押圧力は、収納容器10の剛性よりも小さくすることで、規制部材30の押圧力により収納容器10が変形するのを防止できる。
図1,図2には、規制部材30をアーム31とジグザグバネ32とで構成した例を示したが、本発明においては、これに限定されず、可撓性と弾性とを備えた材料のみで構成してもよい。また、その場合、形態としては、帯状、メッシュ状、ひも状のいずれでも良い。例えば、図3に、規制部材30として可撓性と弾性とを備えたゴムバンドを用いた例を示す。図3(a)は図1(a)とは規制部材30の構成のみを変更した放射線発生装置の構成例であり、放射線発生管2の管軸方向の断面図である。また、図3(b)は図3(a)中のA−A’断面図である。さらに、図4(a)は、図3(a)よりも体積変動容器40の内部空間14がより増大した状態を、(b)は内部空間14がより減少した状態を示す図であり、いずれにおいても図3(a)の放射線発生管2側の構成を便宜上省略する。
図3,図4に示すように、本発明の規制部材30は、図1,図2に示した規制部材30と同様に、体積変動容器40を押圧することで、規制部材30自身が体積変動容器40と共に収納容器10の内壁側に退避する。よって、絶縁性液体15はその対流が損なわれることなく、体積変動容器40と放射線発生管2との間を常に良好に流動し、放射線発生管2の冷却が効率よく行われる。
次に、図5に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一実施形態を説明する。
システム制御装置202は、放射線発生装置1と放射線検出装置206とを連携制御する。駆動回路16は、システム制御装置202による制御の下に、放射線発生管2に各種の制御信号を出力する。本例においては、駆動回路16は収納容器10の内部に放射線発生管2と共に収納されているが、収納容器10の外部に配置しても良い。駆動回路16が出力する制御信号により、放射線発生装置1から放出されるX線等放射線束13の放出状態が制御される。
放射線発生装置1から放出された放射線束13は、可動絞りを備えた不図示のコリメータユニットによりその照射範囲を調整されて放射線発生装置1の外部に放出され、被検体204を透過して放射線検出装置206で検出される。放射線検出装置206は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。
信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてディスプレイに表示する。
放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生装置1及び放射線撮影システムは、X線発生装置及びX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
図1の構成の放射線発生装置1を作製した。また、放射線としてはX線を用いた。放射線発生管2は、アルミナ製の絶縁管7を備え、陰極3には電子放出源9として含浸カソードを配置して接続し、ターゲット5としては、ダイヤモンド基板上にタングステンを成膜したものを用いた。また放射線発生管2の内部には不図示のNEG(非蒸発型ゲッター)を配置し、真空度を1×10-4Pa以下に保った。
図1の構成の放射線発生装置1を作製した。また、放射線としてはX線を用いた。放射線発生管2は、アルミナ製の絶縁管7を備え、陰極3には電子放出源9として含浸カソードを配置して接続し、ターゲット5としては、ダイヤモンド基板上にタングステンを成膜したものを用いた。また放射線発生管2の内部には不図示のNEG(非蒸発型ゲッター)を配置し、真空度を1×10-4Pa以下に保った。
絶縁性液体15として高圧絶縁油A(JX日鉱日石製)を用い、収納容器10に設けた注入口(不図示)より充填し、収納容器10を封止した。収納容器10は真鍮(ヤング率:100GPa)製の直方体で、該収納容器10を接地することにより、収納容器10と電気的にも接続された陽極4も接地された。収納容器10は、外形が200mm×150mm×250mm、容器を構成している真鍮は1mm厚とした。
体積変動容器40は、耐油性の高いニトリルゴム製(ヤング率:0.1GPa)の直方体とし、収納容器10内に貯蔵される絶縁性液体15が使用温度範囲で変化する体積分を吸収できる容量とした。使用温度範囲を10℃乃至60℃とした場合、絶縁性液体15は250cm3程度の絶縁性液体の体積変化がある。そこで、本例での体積変動容器40のサイズ(外形)を膨張も収縮もしていない状態で50mm×50mm×100mmとし、さらには体積変動容器40の薄肉部43は、弾性と可撓性を有するニトリルゴム(NBR)の硬度65度、1.5mmの肉厚とした。
本例では使用温度範囲である10℃乃至60℃の範囲内の30℃の時、体積変動容器40の成型時の形状(膨張収縮していない形状)を保つ様に、放射線発生装置1への絶縁性液体15の注入量を調整した。
規制部材30を構成するアーム31は、軽量であるABSで形成した。ニトリルゴムで構成された体積変動容器40の薄肉部43を変形させるために必要なアーム31の荷重は、0.98N以上である。体積変動容器40の薄肉部43での変形を伴いながら、体積変動容器40を押圧して収納容器10の内壁と接触した状態を維持するため、本例ではアーム31の(支点32−力点)距離を45mm、(支点32−作用点)距離を90mmとした。尚、力点はアーム31へのジグザグバネ32の取り付け位置であり、作用点はアーム31の作用部34のY方向中央である。また、アーム31に加えるジグザグバネ32の荷重を1.96N以上とした。
上記放射線発生装置1において、放射線発生管2の周囲の温度をモニターしながら駆動耐久試験を行ったが、絶縁性液体15の漏れや、収納容器10の破損等は生じなかった。また放射線発生管2の周囲の異常な温度上昇も無く、絶縁性液体15の対流による放射線発生管2の放熱性が良いことも確認できた。
本例によれば駆動温度範囲内の低温側では体積変動容器40は膨張して図2(a)の状態となり、高温側では体積変動容器40は収縮、変形して図2(b)の状態となった。以上より、体積変動容器40が膨張状態から収縮状態までのどの状態においても、規制部材30は体積変動容器40を収納容器10の内壁側へ押圧することができた。よって体積変動容器40の膨張又は移動による高圧部材などとの衝突や擦れを防止することができた。
(実施例2)
図3に示すように、規制部材30を、弾性と可撓性とを備えたゴムバンドとした。本例において、駆動温度範囲内の低温側では体積変動容器40は膨張して図4(a)の状態となり、高温側では体積変動容器40は収縮して図4(b)の状態となった。本例でも、体積変動容器40が膨張状態から収縮状態までのどの状態においても、規制部材30が体積変動容器40を収納容器10の内壁側へ押圧することができた。
図3に示すように、規制部材30を、弾性と可撓性とを備えたゴムバンドとした。本例において、駆動温度範囲内の低温側では体積変動容器40は膨張して図4(a)の状態となり、高温側では体積変動容器40は収縮して図4(b)の状態となった。本例でも、体積変動容器40が膨張状態から収縮状態までのどの状態においても、規制部材30が体積変動容器40を収納容器10の内壁側へ押圧することができた。
本例の放射線発生装置1において、放射線発生管2の周囲の温度をモニターしながら駆動耐久試験を行ったが、絶縁性液体15の漏れや、収納容器10の破損等は生じなかった。また放射線発生管2の周囲の異常な温度上昇も無く、絶縁性液体15の対流による放射線発生管2の放熱性が良いことも確認できた。
本例では、規制部材30をゴムバンド部材の1部材で構成できるので、低コスト化と、信頼性の両方を備えた放射線発生装置及び放射線撮影システムを提供することが可能となる。
1:放射線発生装置、2:放射線発生管、3:陰極、4:陽極、10:収納容器、12:開口、13:放射線束、14:内部空間、15:絶縁性液体、30:規制部材、31:アーム、32:ジグザグバネ、40:体積変動容器、202:システム制御装置、204:被検体、206:放射線検出装置
Claims (11)
- 陽極と陰極とを備え放射線を発生する放射線発生管と、
前記放射線発生管を収納した収納容器と、
前記収納容器の内部の余剰空間に充填された絶縁性液体と、
前記収納容器に設けられた開口を介して内部空間が前記収納容器の外部に連通され、容器壁の少なくとも一部の領域が不定形に弾性変形及び弾性回復することによって前記内部空間の体積が変動する体積変動容器と、を備えた放射線発生装置であって、
前記体積変動容器の前記一部の領域を押圧する規制部材を有することを特徴とする放射線発生装置。 - 前記規制部材が、前記一部の領域に接する第1の部材と、前記第1の部材を前記領域に押圧させる弾性材料からなる第2の部材とからなることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生装置。
- 前記第2の部材がコイル状、ジグザグ状、リーフ状のうちの、少なくもいずれかのバネであることを特徴とする請求項2に記載の放射線発生装置。
- 前記規制部材が、可撓性と弾性とを備えた材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生装置。
- 前記規制部材が、帯状、メッシュ状、ひも状の少なくともいずれかの弾性材料であることを特徴とする請求項4に記載の放射線発生装置。
- 前記一部の領域が、可撓性と弾性とを備えた材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
- 前記可撓性と弾性とを備えた材料がゴム材であることを特徴とする請求項6に記載の放射線発生装置。
- 前記一部の領域を構成する材料のヤング率が、前記収納容器を構成する材料のヤング率よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
- 前記規制部材が前記一部の領域を押圧することで、前記体積変動容器が前記収納容器の内壁に接触していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
- 前記体積変動容器が前記規制部材を介して前記放射線発生管に対向配置していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
- 請求項10に記載の放射線発生装置と、
前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御するシステム制御装置と、を備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015031479A JP2016154087A (ja) | 2015-02-20 | 2015-02-20 | 放射線発生装置及び放射線撮影システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021516862A (ja) * | 2018-03-14 | 2021-07-08 | ▲蘇▼州博思得▲電▼▲気▼有限公司 | 複合型ヘッド及び放射線撮影装置 |
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2015
- 2015-02-20 JP JP2015031479A patent/JP2016154087A/ja active Pending
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US11229110B2 (en) | 2018-03-14 | 2022-01-18 | Suzhou Powersite Electronic Co., Ltd. | Combined machine head and ray imaging device |
JP7073608B2 (ja) | 2018-03-14 | 2022-05-24 | ▲蘇▼州博思得▲電▼▲気▼有限公司 | 複合型ヘッド及び放射線撮影装置 |
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