JP2018024775A - インクおよびプリント物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素樹脂および特定の溶剤を用いることにより、インクの乾燥性および吐出安定性が改善され、かつ、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくいインクおよび、このようなインクを用いることにより耐候性の優れたプリント物を製造するためのプリント物の製造方法を提供する。【解決手段】フッ素樹脂と、溶解度パラメータ値(SP値)が7〜11である溶剤とを含む、インク。【選択図】なし

Description

本発明は、インクおよびプリント物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、フッ素樹脂を含有しており、耐候性および乾燥性が優れるインクおよびプリント物の製造方法に関する。
近年、耐候性の優れたプリント物を作製するためのインクとして、フッ素樹脂を含むインクが注目されている。たとえば、特許文献1には、フルオロオレフィンに基づく構成単位(A1−1)および架橋性基を有する単量体に基づく構成単位(A1−2)を有する共重合体(A1)、ならびにポリフッ化ビニリデン(A2)のいずれか一方または両方の含フッ素樹脂(A)と、硬化剤(B)と、着色剤(C)と、媒体(D)とを含む、インクジェットプリンタ用記録液組成物が開示されている。
特開2015−86313号公報
特許文献1に記載のインクは、媒体(溶媒)として水が用いられている。水は、安価であり、取り扱い易い。しかしながら、このような水を用いたインクは、乾燥しやすく、特にインクジェットプリント時にヘッド付近でインクが乾燥し、吐出安定性が悪くなる。
ところで、水以外の溶剤の多くは、ヘッド製造時に接着剤として使用されるエポキシ樹脂を劣化させるおそれがあるため、ヘッドを傷めやすい。そのため、従来は、水を用いる場合における乾燥性および吐出安定性の問題を解決するために、特許文献1に記載の発明のように、たとえば乾燥防止剤を配合することが検討されてきた。すなわち、これまでは、安価で取り扱い易い水を用いる場合において、乾燥性を改善するために他の成分(乾燥防止剤)を添加する手法が検討されてきたことはあったが、溶剤そのものや、フッ素樹脂の性質に着目して、上記乾燥性および吐出安定性を解決する試みはなされてこなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、フッ素樹脂および特定の溶剤を用いることにより、得られるインクの乾燥性および吐出安定性が改善され、かつ、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくいインクおよび、このようなインクを用いることにより耐候性の優れたプリント物を製造するためのプリント物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のインクおよびプリント物の製造方法には、以下の構成が主に含まれる。
(1)フッ素樹脂と、溶解度パラメータ値(SP値)が7〜11である溶剤とを含む、インク。
このような構成によれば、本発明のインクが用いられることにより、耐候性が優れるプリント物が得られる。このようなプリント物は、長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。また、インクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる。さらに、インクは、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくい。
(2)前記溶剤は、グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、(1)記載のインク。
このような構成によれば、グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤は、いずれも低粘度であり、かつ、比較的沸点が高い。そのため、これらを溶剤として含むインクは、乾燥性がより改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れている。
(3)前記溶剤は、沸点が150〜300℃である、(1)または(2)記載のインク。
このような構成によれば、得られるインクは、乾燥性がより改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れている。また、このようなインクによれば、滲みの少ない鮮明な画像が形成されやすい。さらに、得られるプリント物は、画像表面のベタツキが少なく、プリント物同士を重ねた際のブロッキング防止性が優れている。
(4)前記フッ素樹脂は、重量平均分子量が5000〜50000である、(1)〜(3)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、フッ素樹脂は、溶剤に溶解しやすい。また、得られるインクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れている。さらに、得られるプリント物は、画像表面のベタツキが少なく、プリント物同士を重ねた際のブロッキング防止性が優れている。
(5)前記フッ素樹脂は、フルオロエチレンとビニルモノマーとの共重合体である、(1)〜(4)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、本発明のインクが用いられることにより、耐候性がより優れるプリント物が得られる。このようなプリント物は、より長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
(6)前記フッ素樹脂は、水酸基価が20〜100mgKOH/gである、(1)〜(5)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、得られるインクは、硬化性が優れ、かつ、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。
(7)前記フッ素樹脂は、酸価が5mgKOH/g以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、得られるインクは、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。
(8)前記フッ素樹脂は、溶剤を含んでいない固体状であり、かつ、前記溶剤に可溶である、(1)〜(7)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、得られるインクには、たとえばヘッドを傷めやすいようなヘッド適性の優れていない溶剤が含まれない。その結果、得られるインクは、インクジェット記録装置のヘッドをより傷めにくい。
(9)前記フッ素樹脂は、水に対する溶解度が50(g/L)以下である、(1)〜(8)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、本発明のインクが用いられることにより、耐水性および耐候性が優れるプリント物が得られる。
(10)前記フッ素樹脂は、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度が500(g/L)以上である、(1)〜(9)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、長期的にフッ素樹脂の再析出が起こりにくく、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。
(11)前記フッ素樹脂は、フルオロエチレンとビニルモノマーとの交互共重合体である、(1)〜(10)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、本発明のインクが用いられることにより、耐候性がさらに優れるプリント物が得られる。このようなプリント物は、さらに長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
(12)前記インクは、無黄変型ブロックイソシアネートを含む、(1)〜(11)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、得られるインクは、硬化性が優れる。また、このようなインクが用いられることにより、耐候性がより優れるプリント物が得られる。このようなプリント物は、より長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
(13)前記無黄変型ブロックイソシアネートは、イソシアヌレート構造を有する、(12)記載のインク。
このような構成によれば、得られるインクは、硬化性が優れる。また、このようなインクが用いられることにより、耐候性がより優れるプリント物が得られる。このようなプリント物は、より長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
(14)前記インクは、紫外線吸収剤または光安定剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、(1)〜(13)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、本発明のインクが用いられることにより、耐候性がさらに優れるプリント物が得られる。このようなプリント物は、さらに長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
(15)前記インクは、ジラウリル酸ジブチルスズを含む、(1)〜(14)のいずれかに記載のインク。
このような構成によれば、得られるインクは、硬化性が優れる。また、得られるインクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れている。
(16)(1)〜(15)のいずれかに記載のインクをインクジェット方式により基材に付与する工程を含む、プリント物の製造方法。
このような構成によれば、得られるプリント物は、耐候性が優れる。このようなプリント物は、長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。また、インクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる。さらに、このような製造方法によれば、インクジェット記録装置のヘッドが傷みにくい。
本発明によれば、フッ素樹脂および特定の溶剤を用いることにより、インクの乾燥性および吐出安定性が改善され、かつ、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくいインクおよび、このようなインクを用いることにより耐候性の優れたプリント物を製造するプリント物の製造方法を提供することができる。
<インク>
本発明の一実施形態のインクは、フッ素樹脂と、溶解度パラメータ値(SP値)が7〜11である溶剤とを含む。本実施形態のインクは、フッ素樹脂と、フッ素樹脂を溶解する溶剤とが含まれているため、たとえば従来の水を配合したインクと比較して、乾燥性が改善されている。そのため、インクは、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる。さらに、インクは、SP値が上記特定範囲である溶剤が使用されているため、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくい。また、このようなインクが用いられることにより、耐候性の優れたプリント物が得られる。以下、それぞれについて説明する。
(フッ素樹脂)
フッ素樹脂は、本実施形態のインクを用いて得られるプリント物に耐候性を付与するために配合される。フッ素樹脂は、後述する溶解度パラメータ値(SP値)が7〜11である溶剤に溶解する樹脂であればよい。より具体的には、本実施形態のフッ素樹脂は、各種含フッ素モノマーと、ビニルモノマーとの共重合体であることが好ましい。また、フッ素樹脂は、ビニルモノマーの中でも、ビニルエーテルモノマーとの共重合体であることがより好ましい。さらに、フッ素樹脂は、後述するフルオロエチレンと、ビニルエーテルモノマーとの共重合体であることがより好ましい。
含フッ素モノマーとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレン等が例示される。これらの中でも、後述するビニルモノマーとの共重合体からなるフッ素樹脂を含むインクが、優れた耐候性を示すプリント物が得られる点から、含フッ素モノマーは、フルオロエチレンであることが好ましく、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンであることがより好ましい。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマー、二官能性ビニルモノマー等が例示される。非イオン性モノエチレン不飽和モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル等が例示される。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が例示される。二官能性ビニルモノマーとしては、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が例示される。
ビニルエーテルとしては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が例示される。
含フッ素モノマーと、ビニルモノマーとの共重合割合は特に限定されない。一例を挙げると、共重合割合は、含フッ素モノマー:ビニルモノマー=3〜1:1〜2(重量比)である。共重合割合がこのような範囲内である場合、このようなフッ素樹脂を含むインクを用いることにより得られるプリント物は、優れた耐候性を示しやすい。なお、重合方法は特に限定されない。一例を挙げると、重合方法は、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等である。
得られるフッ素樹脂は、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。これらの中でも、フッ素樹脂は、フルオロエチレンとビニルモノマーとの交互共重合体であることが好ましい。このようなフッ素樹脂を含むインクによれば、耐候性がさらに優れるプリント物が得られやすい。そのため、インクは、さらに長期にわたり、所望の色彩のプリント物を形成し得る。なお、本実施形態において、「交互共重合体」とは、フルオロエチレン単位と、ビニルモノマー単位との結合が、フルオロエチレン単位とフルオロエチレン単位との結合、および、ビニルモノマー単位とビニルモノマー単位との結合の合計よりも、はるかに多く含まれる共重合体を意味する。具体的には、本実施形態の交互共重合体は、フルオロエチレン単位と、ビニルモノマー単位との結合を、90〜100モル%含むことが好ましい。なお、本実施形態において、交互共重合体は、少数のランダム結合部分やブロック結合部分を含んでいてもよい。また、上記結合は、たとえば1H NMR測定および29Si NMR測定等により区別し得る。また、交互共重合性の分析方法については、たとえば、Journal of Applied Polymer Science, Vol. 106, 1007-1013 (2007)等を参照し得る。
本実施形態のフッ素樹脂は、水酸基価が20mgKOH/g以上であることが好ましく、30mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、フッ素樹脂は、水酸基価が100mgKOH/g以下であることが好ましく、80mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基価が上記範囲内である場合、得られるインクは、硬化性が優れ、かつ、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。水酸基価が20mgKOH/g未満である場合、後述する硬化剤が配合される場合に、硬化剤と反応しにくい傾向がある。一方、水酸基価が100mgKOH/gを超える場合、得られるインクの分散系が不安定となりやすく、吐出安定性が低下しやすい傾向がある。なお、本実施形態において、水酸基価とは、試料(樹脂の固形分)1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数を表し、JIS K 0070に記載の方法に準ずる方法により測定される値である。
フッ素樹脂は、酸価が5mgKOH/g以下であることが好ましく、4mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基価が上記範囲内である場合、得られるインクは、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。酸価が5mgKOH/g以下である場合、得られるインクの分散系が安定しやすく、吐出安定性が優れる。一方、酸価が5mgKOH/gを超える場合、得られるインクの分散系が不安定となりやすく、吐出安定性が低下しやすい傾向がある。なお、本実施形態において、酸価とは、試料(樹脂の固形分)1g中に含まれる酸性成分を中和するために要する水酸化カリウムの質量(mg)を表し、JIS K 0070に記載の方法に準ずる方法により測定される値である。
本実施形態のフッ素樹脂は、溶剤可溶型であることが好ましい。溶剤可溶型フッ素樹脂は、後述する溶解度パラメータ値(SP値)が7〜11である溶剤に対して、より優れた溶解性を示す。具体的には、固形分換算で、フッ素樹脂は、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度が500(g/L)以上であることが好ましく、1000(g/L)以上であることがより好ましい。フッ素樹脂は、グリコールエーテル系溶剤に対する溶解度が上記範囲内である場合、得られるインクは、長期的にフッ素樹脂の再析出が起こりにくく、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れる。
また、本実施形態のフッ素樹脂は、固形分換算で、水に対する溶解度が50(g/L)以下であることが好ましく、30(g/L)以下であることがより好ましい。これにより、このようなインクを用いて得られるプリント物は、耐水性が良好となり、かつ、耐候性がより優れる。一方、水に対する溶解度が50(g/L)を超える場合、このようなインクを用いて得られるプリント物は、耐水性が低下する傾向がある。
本実施形態のフッ素樹脂は、所定の溶剤に分散または溶解された状態で使用されてもよく、溶剤を含まない無溶剤の状態(すなわち固体〜半固体状)で使用されてもよい。ただし、溶剤に分散または溶解された状態のフッ素樹脂は、溶剤の種類によっては、得られるインク中に含有されると、インクジェットプリント時にヘッドを傷める可能性がある。そのため、本実施形態のフッ素樹脂は、そのようなヘッド適性の優れていない溶剤を含んでいないことが好ましく、無溶剤の状態であることがより好ましい。このような無溶剤のフッ素樹脂は、元々、ヘッド適性の優れていない溶剤が含まれていないため、インクジェットプリント時において、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくい。
フッ素樹脂の重量平均分子量(Mw)として特に限定されない。一例を挙げると、Mwは、5000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましい。Mwは、50000以下であることが好ましく、40000以下であることがより好ましい。Mwが上記範囲内である場合、フッ素樹脂は、溶剤に溶解しやすい。また、得られるインクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れている。さらに、得られるプリント物は、画像表面のベタツキが少なく、プリント物同士を重ねた際のブロッキング防止性が優れている。Mwが5000未満である場合、得られるプリント物は、ベタツキが生じやすく、ブロッキング防止性が低下する傾向がある。一方、Mwが50000を超える場合、フッ素樹脂の溶解性が低下したり、インクジェットプリント時におけるインクの吐出安定性が低下する傾向がある。なお、本実施形態において、Mwは、たとえばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値であり、高速GPC装置(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)を用いて測定し得る。
フッ素樹脂の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、固形分換算で、フッ素樹脂は、インク中、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、フッ素樹脂は、インク中、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。フッ素樹脂の含有量が2質量%以上である場合、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる傾向がある。一方、フッ素樹脂の含有量が40質量%を超える場合、インクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。
(溶剤)
溶剤は、インクにおいて、上記したフッ素樹脂を溶解する液体成分である。本実施形態の溶剤は、溶解度パラメータ値(SP値)が7以上であり、7.5以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、溶剤は、SP値が11以下であり、10.5以下であることが好ましい。SP値が上記範囲内である場合、溶剤は、フッ素樹脂や、後述する硬化剤が含まれる場合において硬化剤を溶解しやすい。また、このような溶剤は、インクジェットプリント時において、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくい。なお、SP値は凝集エネルギー密度の平方根と定義される。本実施形態では、SP値は、分子構造から計算するFedorsの推算法によって算出し得る。
上記SP値を有する溶剤の具体例としては、グリコールエーテル系溶剤、アセテート系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、脂肪酸エステル系溶剤、芳香族系溶剤等が例示される。これらは併用されてもよい。本実施形態の溶剤は、これらの中でも、グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤のうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤は、いずれも低粘度であり、かつ、比較的沸点が高い。そのため、これらを溶剤として含むインクは、乾燥性がより改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れている。
グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ(イソ)プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等が例示される。
アセテート系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−エトキシブチルアセテート、3−メチル−3−プロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−イソプロポキシブチルアセテート、3−メチル−3−n−ブトキシエチルアセテート、3−メチル−3−イソブトキシブチルアセテート、3−メチル−3−sec−ブトキシブチルアセテート、3−メチル−3−tert−ブトキシブチルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、等が例示される。
本実施形態の溶剤は、沸点が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。また、溶剤は、沸点が300℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましい。沸点が上記範囲内である場合、得られるインクは、乾燥性がより改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性がより優れている。また、このようなインクによれば、滲みの少ない鮮明な画像が形成されやすい。溶剤の沸点が150℃未満である場合、インクがヘッドノズル付近で乾燥しやすくなり、吐出安定性が低下する傾向がある。一方、溶剤の沸点が300℃を超える場合、インクは乾燥しにくくなり、プリント物の形成時における乾燥工程に時間がかかりやすい。また、得られるプリント物は、画像が滲みやすい。
なお、本実施形態の溶剤は、得られるインクの物性を損なわない範囲において、上記SP値の範囲外である他の溶剤が含まれてもよい。このような他の溶剤としては、水、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、脂肪酸エステル系溶剤、芳香族系溶剤等が例示される。
溶剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、インク中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、溶剤は、インク中、99質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。溶剤の含有量が50質量%未満である場合、インクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。一方、溶剤の含有量が99質量%を超える場合、インク中に添加できるフッ素樹脂の割合が低くなり、求めている性能が得られにくい傾向がある。
(任意成分)
本実施形態のインクは、上記したフッ素樹脂および溶剤のほかに、適宜任意成分が含まれてもよい。任意成分としては、硬化剤、硬化触媒、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤等が例示される。
・硬化剤
硬化剤は、インクを硬化させるために配合され得る。硬化剤としては特に限定されない。一例を挙げると、硬化剤は、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。これらは併用されてもよい。これらの中でも、硬化剤は、イソシアネート樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、このようなインクを用いて得られるプリント物は、耐候性がより優れる。
イソシアネート樹脂としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する化合物であればよく、汎用型、難黄変型、無黄変型等のいずれも使用し得る。汎用型としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、TDIの3量化物であるイソシアヌレート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)が例示される。難黄変型としては、キシリレンジアミン(XDI)等が例示される。無黄変型としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDIおよび水添MDI等が例示される。これらの中でも、硬化剤は、無黄変型のブロックイソシアネートを含むことが好ましく、イソシアヌレート構造を有する無黄変型のブロックイソシアネートであることがより好ましい。このような硬化剤が配合されインクは、より硬化性が優れる。また、このようなインクが用いられることにより、得られるプリント物は、耐候性がさらに優れる。そのため、プリント物は、さらに長期にわたり、所望の色彩を示しやすい。
硬化剤が配合される場合の含有量は、フッ素樹脂の添加量や水酸基価や酸価によっても変動するため、一義的には決定されない。一例を挙げると、硬化剤の含有量は、インク中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、硬化剤の含有量は、インク中、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。硬化剤の含有量が0.1質量%未満である場合、フッ素樹脂と充分に反応できず、所望の性能が得られない傾向がある。一方、硬化剤の含有量が20質量%を超える場合、フッ素樹脂に対して過剰添加になるおそれがあり、得られるプリント物の耐候性が逆に低下する傾向がある。
・硬化触媒
硬化触媒としては、スズ、チタン、ジルコニウム、鉄、アンチモン、ビスマス、マンガン、亜鉛、アルミニウム等の金属の有機酸塩、アルコラートおよびキレート化合物;ヘキシルアミン、ドデシルアミンのようなアミン;酢酸ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミンのようなアミン塩;ベンジルトリメチルアンモニウムアセテートのような第4級アンモニウム塩;酢酸カリウムのようなアルカリ金属の塩等が例示される。より具体的には、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物、ジラウリル酸ジブチルスズ、ジオクチル酸ジブチルスズ、ジネオデカン酸ジメチルスズ、スタナスオクトエートなどの有機スズ化合物、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどの有機チタン化合物等が例示される。これらは併用されてもよい。本実施形態では、硬化触媒は、スズ系の化合物であることが好ましく、ジラウリル酸ジブチルスズ、ジネオデカン酸ジメチルスズ等のジアルキルスズ系化合物であることがより好ましく、ジラウリル酸ジブチルスズであることがさらに好ましい。硬化触媒としてジラウリル酸ジブチルスズが含まれる場合、得られるインクは、硬化性が優れる。また、得られるインクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れている。
硬化触媒が配合される場合の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、硬化触媒の含有量は、インク中、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。また、硬化触媒の含有量は、インク中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。硬化触媒の含有量が0.001質量%未満である場合、硬化触媒としての性能が充分に発揮されない傾向がある。一方、硬化触媒の含有量が5質量%を超える場合、インクの硬化性が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。
・顔料
顔料としては、各種無機顔料または有機顔料が配合され得る。無機顔料としては、酸化物類、複合酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)、金属粉類等が例示される。有機顔料としては、ニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類、ピロロピロール類等が例示される。これらは併用されてもよい。
顔料が配合される場合の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、顔料の含有量は、インク中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、顔料の含有量は、インク中、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。顔料の含有量が0.01質量%未満である場合、充分な着色が施されない傾向がある。一方、顔料の含有量が30質量%を超える場合、インクの粘度が高くなり、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、本実施形態のインクを用いて得られるプリント物の耐候性を向上させるために好適に配合される。これにより、プリント物は、さらに長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン誘導体、サリチル酸誘導体等が例示される。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ−ル、2−{(2’−ヒドロキシ−3’,3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等が例示される。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が例示される。トリアジン誘導体としては、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシ−プロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシ−プロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−{4−(オクチル−2−メチルエタノエート)オキシ−2−ヒドロキシフェニル−4,6−{ビス(2,4−ジメチルフェニル)}−1,3,5−トリアジン[BASFジャパン(株)製、商品名チヌビン479]、トリス[2,4,6−[2−{4−(オクチル−2−メチルエタノエート)オキシ−2−ヒドロキシフェニル}]]−1,3,5−トリアジン等が例示される。サリチル酸誘導体としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニルサリシレート等が例示される。これらは併用されてもよい。これらの中でも、優れた紫外線吸収能力がある点から、紫外線吸収剤は、2−{4−(オクチル−2−メチルエタノエート)オキシ−2−ヒドロキシフェニル−4,6−{ビス(2,4−ジメチルフェニル)}−1,3,5−トリアジンであることが好ましい。
紫外線吸収剤が配合される場合の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、紫外線吸収剤の含有量は、インク中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、紫外線吸収剤の含有量は、インク中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.01質量%未満である場合、紫外線吸収剤としての効果が充分に発揮されない傾向がある。一方、紫外線吸収剤の含有量が10質量%を超える場合、これ以上の効果が得られないうえに、インクとしてコスト高になる傾向がある。
・光安定剤
光安定剤は、本実施形態のインクを用いて得られるプリント物の耐候性を向上させるために好適に配合される。これにより、プリント物は、さらに長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が例示される。ヒンダードアミン系光安定剤としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−デカンジオアート等が例示される。これらは併用されてもよい。これらの中でも、液状であり、他の材料と反応することもなく安定である点から、光安定剤は、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−デカンジオアートであることが好ましい。
光安定剤が配合される場合の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、光安定剤の含有量は、インク中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、光安定剤の含有量は、インク中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。光安定剤の含有量が0.01質量%未満である場合、光安定剤としての効果が充分に発揮されない傾向がある。一方、光安定剤の含有量が10質量%を超える場合、これ以上の効果が得られないうえに、インクとしてコスト高になる傾向がある。
なお、本実施形態において、インクは、上記した紫外線吸収剤または光安定剤のうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。これにより、本実施形態のインクを用いて得られるプリント物の耐候性がさらに優れる。そのため、プリント物は、さらに長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。
インク全体の説明に戻り、インクの粘度は特に限定されない。インクの粘度は、30℃において、5mPa・s以上であることが好ましく、6mPa・s以上であることがより好ましい。また、インクの粘度は、30℃において、30mPa・s以下であることが好ましく、20mPa・s以下であることがより好ましい。粘度が上記範囲内である場合、インクは、吐出安定性が優れる。粘度が5mPa・s未満である場合、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。一方、粘度が30mPa・sを超える場合、ヘッドノズルからインクを上手く吐出させることができず、インクジェットプリント時における吐出安定性が低下する傾向がある。なお、本実施形態において、粘度は、B型粘度計(東機産業(株)製、TVB−20LT)を用いて測定することができる。
なお、粘度を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、粘度は、使用するフッ素樹脂の添加量や使用する溶剤の種類や添加量で調整され得る。粘度は、必要に応じて増粘剤等の粘度調整剤を使用して調整されてもよい。
インクの表面張力は特に限定されない。インクの表面張力は、25℃において、20dyne/cm以上であることが好ましく、22dyne/cm以上であることがより好ましい。また、インクの表面張力は、25℃において、40dyne/cm以下であることが好ましく、38dyne/cm以下であることがより好ましい。表面張力が上記範囲内である場合、インクは、吐出安定性が優れる。表面張力が20dyne/cm未満である場合、インクは、濡れ性が良くなり過ぎて、滲みやすくなる傾向がある。一方、表面張力が40dyne/cmを超える場合、基材表面においてインクが弾かれやすく、得られるプリント物が不鮮明になる傾向がある。なお、本実施形態において、表面張力は、静的表面張力計(プレート法)(協和界面科学(株)製、CBVP−A3)を用いて測定することができる。
なお、表面張力を上記範囲内に調整する方法は特に限定されない。一例を挙げると、表面張力は、アクリル系、シリコン系、フッ素系等の表面調整剤を添加することにより調整され得る。
以上、本実施形態のインクは、フッ素樹脂が含まれており、これにより、得られるプリント物の耐候性が向上する。また、インクは、SP値が7〜11である溶剤を含んでおり、上記フッ素樹脂を適切に溶解することができる。そのため、インクは、長期にわたり、所望の色彩のプリント物を形成し得る。また、インクは、乾燥性が改善されており、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる。さらに、インクは、上記SP値の溶剤を用いているため、インクジェット記録装置のヘッドを傷めにくい。
<プリント物の製造方法>
本発明の一実施形態のプリント物の製造方法は、上記したインクをインクジェット記録装置を用いたインクジェット方式により基材に付与する工程と、付与したインクを熱処理する工程とを主に含む。熱処理の結果、画像が形成されたインクジェットプリント物が作製される。
インクジェット記録方式によりインクを基材に付与する方式は特に限定されない。このような方式としては、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式等の連続方式、ピエゾ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式等のオン・デマンド方式等が例示される。
本実施形態のプリント物の製造方法によれば、上記したSP値の溶剤を含むインクが使用される。そのため、本実施形態では、インクジェットプリント時において、インクジェット記録装置のヘッドは、傷みにくい。
インクが付与される基材としては特に限定されない。一例を挙げると、基材は、鋼板、アルミ、ステンレス等の金属板、アクリル、ポリカーボネート、ABS、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル等のプラスチック板またはフィルム、窯業板、コンクリート、木材、ガラス等である。また、基材は、カチオン可染ポリエステル(CDP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維等のポリエステル系繊維やアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリウレタン繊維、ナイロン繊維等またはこれらの複合繊維からなる布帛等であってもよい。これらは、用途に応じて適宜選定され得る。基材が布帛である場合、布帛は、プリント前に、前処理剤により処理されることが好ましい。前処理剤としては、水溶性ポリマー、非水溶性不活性有機化合物、難燃剤、紫外線吸収剤、還元防止剤、酸化防止剤、pH調整剤、ヒドロトロープ剤、消泡剤、浸透剤、ミクロポーラス形成剤等が例示される。これら前処理剤を布帛に付与する方法としては、パッド法、スプレー法、浸漬法、コーティング法、ラミネート法、グラビア法、インクジェット法等が例示される。
インクが付与された基材は、次いで、乾燥される。乾燥条件は特に限定されない。一例を挙げると、乾燥は、50〜250℃で1〜60分間の熱処理を行われ得る。このような乾燥により、インク中の溶剤が取り除かれ得る。乾燥は、インクの滲みを防止するために、インクが基材に付与された同時もしくは直後に行われることが好ましい。
得られるプリント物は、上記したインクが使用されているため、耐候性がより優れる。そのため、プリント物は、長期にわたり、所望の色彩を示すことができる。また、インクは、上記した溶剤が使用されているため、乾燥性が改善されている。そのため、本実施形態のプリント物の製造方法では、インクジェットプリント時における吐出安定性が優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
使用した原料を以下に示す。
(フッ素樹脂)
LF−200F:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、水酸基価:50mgKOH/g、酸価:0mgKOH/g、Mw:20000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:6(g/L)、不揮発分:100%
LF−710F:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、水酸基価:50mgKOH/g、酸価:0mgKOH/g、Mw:18000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:7(g/L)、不揮発分:100%
LF−916F:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、水酸基価:100mgKOH/g、酸価:0mgKOH/g、Mw:10000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:10(g/L)、不揮発分:100%
LF−200:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、水酸基価:50mgKOH/g、酸価:0mgKOH/g、Mw:20000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:6(g/L)、不揮発分:60%(40%はキシレン)
LF−800:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、水酸基価:40mgKOH/g、酸価:2mgKOH/g、Mw:9000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:11(g/L)、不揮発分:60%(40%はミネラルスピリット)
LF−810:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、水酸基価:10mgKOH/g、酸価:1mgKOH/g、Mw:30000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:4(g/L)、不揮発分:45%(55%はミネラルスピリット)
GK−510:四フッ化エチレン/ビニルモノマー共重合体、ダイキン工業(株)製、水酸基価:60mgKOH/g、酸価:11mgKOH/g、Mw:20000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:3(g/L)、不揮発分:50%(50%は酢酸ブチル)
GK−570:四フッ化エチレン/ビニルモノマー共重合体、ダイキン工業(株)製、水酸基価:60mgKOH/g、酸価:3mgKOH/g、Mw:12000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:5(g/L)、不揮発分:65%(35%は酢酸ブチル)
K−700:三フッ化エチレン/ビニルモノマー共重合体、DIC(株)製、水酸基価:48mgKOH/g、酸価:0mgKOH/g、Mw:24000、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度:1000(g/L)以上、水に対する溶解度:5(g/L)、不揮発分:50%(50%はトルエン/酢酸ブチル)
FE−4300:三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体、旭硝子(株)製、水酸基価:10mgKOH/g、酸価:0mgKOH/g、Mw:20000、三フッ化エチレン/ビニルモノマー交互共重合体の水分散体、不揮発分:50%(50%は水)
(溶剤)
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:189℃、SP値:8.6、日本乳化剤(株)製
DMDG:ジエチレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:162℃、SP値:8.6、日本乳化剤(株)製
PhFG:プロピレングリコールモノフェニルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:243℃、SP値:10.5、日本乳化剤(株)製
MTEM:テトラエチレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:275℃、SP値:8.9、東邦化学工業(株)製
DPMA:ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、アセテート系溶剤、沸点:213℃、SP値:8.7、(株)ダイセル製
1,6−HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアセテート、アセテート系溶剤、沸点:260℃、SP値:9.5、(株)ダイセル製
MFG:プロピレングリコールモノメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:121℃、SP値:10.4、日本乳化剤(株)製
BzDG:エチレングリコールモノベンジルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、沸点:302℃、SP値:9.6、日本乳化剤(株)製
IPA:イソプロピルアルコール、アルコール系溶剤、沸点:82℃、SP値:11.9
エチレングリコール:アルコール系溶剤、沸点:197℃、SP値:14.2
エキセパール HO:脂肪酸エステル系溶剤、沸点:300℃以上、SP値:16.7、花王(株)製
エキセパール M−OL:脂肪酸エステル系溶剤、沸点:100℃、SP値:23.4、花王(株)製
n−オクタン:炭化水素系溶剤、沸点:82℃、SP値:11.9
水:沸点:100℃、SP値:23.4
(硬化剤)
X2252−2:ブロックイソシアネート、旭化成ケミカルズ(株)製
X2252−3:ブロックイソシアネート、旭化成ケミカルズ(株)製
(添加剤)
Tinuvin123:HALS、BASFジャパン(株)製
Tinuvin479:UVA、BASFジャパン(株)製
(触媒)
ジラウリル酸ジブチル錫:金属化合物系触媒
テトラエチレンジアミン:アミン系触媒
<分散体の調製>
分散体の調製方法を以下に示す。
(分散体Y)
50質量部の黄色顔料(TSY−1、戸田工業(株)製)と、10質量部の分散剤(solsperse36000、日本ルーブリゾール(株)製)と、40質量部のMTEM(テトラエチレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、東邦化学(株)製)をミキサーにて混合、ろ過することにより、分散体Yを調製した。
(分散体R)
50質量部の赤色顔料(160ED、戸田工業(株)製)と、10質量部の分散剤(solsperse36000、日本ルーブリゾール(株)製)と、40質量部のMTEM(テトラエチレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、東邦化学(株)製)をミキサーにて混合、ろ過することにより、分散体Rを調製した。
(分散体B)
50質量部の青色顔料(ダイピロキサイドブルーシャープ9410、大日精化工業(株)製)と、10質量部の分散剤(solsperse36000、日本ルーブリゾール(株)製)と、40質量部のMTEM(テトラエチレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、東邦化学(株)製)をミキサーにて混合、ろ過することにより、分散体Bを調製した。
(分散体Bk)
20質量部の黒色顔料(NIPEX35、日本ルーブリゾール(株)製)と、10質量部の分散剤(solsperse36000、日本ルーブリゾール(株)製)と、70質量部のMTEM(テトラエチレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、東邦化学(株)製)をミキサーにて混合、ろ過することにより、分散体Bkを調製した。
物性値の測定方法を以下に示す。
(水酸基価)
JIS K 0070に準じ、試料(樹脂の固形分)1gをアセチル化させた際の、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムの質量(mg)を、試料の水酸基価とした。
(酸価)
JIS K 0070に準じ、試料(樹脂の固形分)1g中に含まれる酸性成分を中和するために必要な水酸化カリウムの質量(mg)を、試料の酸価とした。
(Mw)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値であり、本実施例においては高速GPC装置(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)を用いて測定した。
(ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度)
ジエチレングリコールジエチルエーテル1Lに対し、分離、白濁なく溶解する試料(樹脂の固形分)の質量(g)を、試料のジエチレングリコールジエーテルに対する溶解度とした。
(水に対する溶解度)
純水1Lに対し、分離、白濁なく溶解する試料(樹脂の固形分)の質量(g)を、試料の水に対する溶解度とした。
(粘度)
B型粘度計(東機産業(株)製、TVB−20LT)を用いて30℃条件下にて測定した。
(実施例1〜32、比較例1〜7)
以下の表1に示される処方(単位は質量%)に従って、インクを調製した。得られたインクを用いて、以下のインクジェット条件にてインクジェットプリントを行った。得られたインクジェット画像に対し、以下の乾燥条件にて乾燥処理を行い、プリント物を作製した。
Figure 2018024775
<インクジェット条件>
インクジェット記録装置:ピエゾ方式
ノズル径:40μm
駆動電圧:70V
周波数:12kHz
解像度:400×800dpi
基材温度:60℃(加温)
<乾燥条件>
加熱乾燥(200℃環境下、1分間)
実施例1〜32および比較例1〜7により得られたインクおよびプリント物について、以下の評価方法および評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
<耐候性>
プリント物に対して、スーパーUVテスター(岩崎電気(株)製、SUV−W161)を用いて、超促進耐候試験として紫外線照射6時間(UV条件100mW/cm2、温度63℃、湿度50%)実施後、次いでシャワー30秒の後、なりゆきで結露2時間実施を1サイクルとし、合計600時間実施した後の光沢保持率を測定した。
(光沢保持率測定方法)
光沢保持率は、プリント物の超促進耐候試験前に対する試験後の光沢度の比率とした。光沢度はグロスチェッカー(堀場製作所製、IG−410)を用いて、測定した。
(評価基準)
◎:光沢保持率が50%以上であった
○:光沢保持率が20%以上、50%未満であった
△:光沢保持率が10%以上、20%未満であった
×:光沢保持率が10%未満であった
<吐出安定性>
60分間連続で吐出した際と、吐出後に静置した後のノズルの詰まりを確認した。
(評価基準)
○:ノズルの詰まりが発生しなかった
△:連続吐出時または10分静置後にノズルの詰まりが発生しなかった
×:連続吐出時および10分静置後にノズルの詰まりが発生した
<ヘッド適性>
ヘッド接着剤(エポキシ樹脂)をインクに1ヵ月浸漬し、変化を確認した。エポキシ樹脂は、EXA−8464(ビスフェノール型ウレタン変性エポキシ樹脂、DIC製)とWH−619(芳香族ポリアミン系、DIC製)を10:3で混ぜ合わせ、90℃環境下で3時間乾燥を行い、塗膜を作製した。次いで、作製した塗膜を3cm角に切り出し、評価用のヘッド接着剤(エポキシ樹脂)とした。
(評価基準)
○:1ヵ月浸漬後のヘッド接着剤(エポキシ樹脂)について、±5%以上の重量変化、膨れ、白化のいずれの変化もみられなかった
×:1ヵ月浸漬後のヘッド接着剤(エポキシ樹脂)について、±5%以上の重量変化、膨れ、白化の少なくともひとつの変化がみられた
<ブロッキング防止性>
50℃環境下で、10cm2のプリント物を重ねて2kgの荷重を加え、24時間後に剥離する。
(評価基準)
○:プリント物を簡単に剥がせた
△:プリント物がやや貼り付いたが、剥離可能であった
×:プリント物が貼り付き、剥離できなかったか、剥離が困難であった
表1に示されるように、本発明の実施例1〜32において得られたインクによれば、いずれも10%以上の光沢保持率を示すプリント物が得られた。また、これらのインクは、インクジェットプリント時において詰まりが発生しにくく、ヘッド適性も良好であった。また、得られたプリント物は、いずれもブロッキングを生じにくかった。
一方、SP値が7〜11の範囲外である溶媒を用いた比較例1のインクは、インクジェットプリント時において詰まりを生じやすかった。同様に、SP値が7〜11の範囲外である溶媒を用いた比較例2〜7のインクは、フッ素樹脂を溶解することができなかった。中でも、比較例2〜6に用いた溶剤は、ヘッドを傷めやすかった。

Claims (16)

  1. フッ素樹脂と、溶解度パラメータ値(SP値)が7〜11である溶剤とを含む、インク。
  2. 前記溶剤は、グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1記載のインク。
  3. 前記溶剤は、沸点が150〜300℃である、請求項1または2記載のインク。
  4. 前記フッ素樹脂は、重量平均分子量が5000〜50000である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク。
  5. 前記フッ素樹脂は、フルオロエチレンとビニルモノマーとの共重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク。
  6. 前記フッ素樹脂は、水酸基価が20〜100mgKOH/gである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク。
  7. 前記フッ素樹脂は、酸価が5mgKOH/g以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク。
  8. 前記フッ素樹脂は、溶剤を含んでいない固体状であり、かつ、前記溶剤に可溶である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク。
  9. 前記フッ素樹脂は、水に対する溶解度50(g/L)以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク。
  10. 前記フッ素樹脂は、ジエチレングリコールジエチルエーテルに対する溶解度が500(g/L)以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインク。
  11. 前記フッ素樹脂は、フルオロエチレンとビニルモノマーとの交互共重合体である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク。
  12. 前記インクは、無黄変型ブロックイソシアネートを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインク。
  13. 前記無黄変型ブロックイソシアネートは、イソシアヌレート構造を有する、請求項12記載のインク。
  14. 前記インクは、紫外線吸収剤または光安定剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のインク。
  15. 前記インクは、ジラウリル酸ジブチルスズを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のインク。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のインクをインクジェット方式により基材に付与する工程を含む、プリント物の製造方法。
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