JP2018024530A - カバーゴム用ゴム組成物、及び、コンベヤベルト - Google Patents
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Abstract
Description
前記コンベヤベルトとしては、長尺帯状のベルトを無端状に加工したベルト本体のみによって構成されたものの他に前記ベルト本体の幅方向に延在する横桟を設けたものやベルト本体の側縁に沿って設けられた耳桟を有するものなどが従来広く知られている。
このコンベヤベルトとしては、前記ベルト本体をゴム組成物で形成させたものが広く用いられており、例えば、帆布やスチールコードを備えた心体層を2つのカバーゴム層の間に挟み込んだタイプのものが広く用いられている。
また、コンベヤベルトは、用途によって難燃性が求められることがあり、このような場合においては、コンベヤベルト用ゴム組成物に難燃剤が配合されている(下記特許文献1参照)。
しかしながら、耐摩耗性や難燃性とともに耐熱性までをもコンベヤベルトに係る分野で求められているレベルにまで到達させたゴム組成物はいまだ見出されていない。
そのため、従来のコンベヤベルトは、カバーゴム層に対するこれらの要望(耐摩耗性、難燃性及び耐熱性)を十分満足させることが困難であるという問題を有する。
従って、本発明によれば、難燃性、耐摩耗性、及び、耐熱性に優れた特性を有するコンベヤベルトが提供され得る。
なお、ここでは平坦な長尺帯状のベルトが無端状に加工されてなるベルト本体のみを有し、横桟や耳桟等の備えられていないコンベヤベルトを例にして本発明を説明する。
図1は、本実施形態のコンベヤベルトを示した図で、ベルト本体をその長手方向と直交する仮想平面によって切断した断面を概略的に示した図である。
具体的には、本実施形態のベルト本体1は、2層のカバーゴム層10の間に心体層20が介装されたものである。
言い換えれば、本実施形態のベルト本体1は、心体層20の表裏両面にカバーゴム層10が積層されたものである。
本実施形態におけるコンベヤベルトのベルト本体1は、搬送物が載置される外周面(表面側)を構成する上カバーゴム層10aと、内周面(裏面側)を構成する下カバーゴム層10bとの2層のカバーゴム層の間の心体層20が帆布によって構成されている。
なお、本実施形態においては、前記の帆布とカバーゴム層とが図示していない接着ゴムによって接着されている。
このカバーゴム層を形成するカバーゴム用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」ともいう)は、その主成分がエチレン−プロピレンゴム(EPR)となっている。
また、前記ゴム組成物は、前記難燃剤として臭素系難燃剤を含有している。
さらに、前記ゴム組成物は、無機充填材、及び、架橋剤などを含有している。
このように構成単位にジエンモノマーを含まず主鎖に二重結合を積極的に導入していないエチレン−プロピレンゴム(EPR)は、カバーゴム層に対して優れた耐熱性を発揮させるのに有効なものである。
そこで、本実施形態において、エチレン−プロピレンゴム(EPR)以外のゴムをはゴム組成物に含有させ得るもののその含有量をできるだけ少量とすることが好ましい。
ゴム組成物が含むゴムは、実質的にエチレン−プロピレンゴム(EPR)のみであることが最も好ましい。
言い換えれば、前記のようなエチレン−プロピレンゴム(EPR)以外のゴムは、ゴム組成物中の全てのゴムに占める割合が、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
そして、ゴム組成物は、前記のようなエチレン−プロピレンゴム(EPR)以外のゴムを実質的に含有していないことが最も好ましい。
また、カバーゴム層に同じ難燃性を付与することを考えた場合、赤燐系難燃剤や金属水酸化物系難燃剤に比べて臭素系難燃剤の方がカバーゴムに優れた耐摩耗性を発揮させる上で有利となる。
但し、臭素系難燃剤についても過剰に配合するとカバーゴム層の耐摩耗性を低下させる原因となる。
そこで本実施形態のゴム組成物は、ゴム100質量部に対する臭素系難燃剤の割合が15質量部以上50質量部以下となっている。
前記割合が15質量部以上となっているのは、カバーゴム層に優れた難燃性を発揮させるためである。
そこで、前記割合は、18質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、25質量部以上であることが特に好ましい。
一方で、前記割合が50質量部以下となっているのは、カバーゴム層に優れた耐摩耗性を発揮させるためである。
そこで、前記割合は、45質量部以下であることが好ましく40質量部以下であることがより好ましく、35質量部以下であることが特に好ましい。
前記割合は、30質量部未満であることがとりわけ好ましい。
具体的には、前記臭素系難燃剤は、臭素を50質量%以上の割合で含むものが好ましく、60質量%以上の割合で含むものがより好ましい。
なお、臭素系難燃剤における臭素の含有率は、通常、90質量%以下である。
前記臭素系難燃剤は、有効成分である臭素の含有量が所定の割合となるようにゴム組成物への配合量が調整されている。
具体的には、前記臭素系難燃剤は、当該臭素系難燃剤に含有される臭素の合計質量が前記ゴム100質量部に対して10質量部以上となるように含有されており、12質量部を超えるように含有されることが好ましい。
前記臭素系難燃剤は、当該臭素系難燃剤に含有される臭素の合計質量が前記ゴム100質量部に対して35質量部以下となるように含有されており、30質量部未満となるように含有されることが好ましい。
前記臭素系難燃剤は、臭素の合計質量が前記ゴム100質量部に対して25質量部以下となるように含有されることがより好ましい。
該臭素系難燃剤としては、例えば、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモフタレートエステル、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、1,2−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジブロモフェノール及びそのポリマー、2,6−ジブロモフェノール及びそのポリマー、臭素化ポリスチレン及びそのポリマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモシクロデカン、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート及びそのポリマーなどが挙げられる。
本実施形態のゴム組成物は、カバーゴム層に優れた耐熱性を発揮させる上で、300℃以上の融点を有する臭素系難燃剤を含むことが好ましく、330℃以上の融点を有する臭素系難燃剤を含有することがより好ましい。
該臭素系難燃剤の融点は、400℃以上であることが特に好ましい。
該臭素系難燃剤の融点は、例えば、DSC法(昇温速度:10℃/min)によって求めることができる。
なお、臭素系難燃剤の融点は、通常、500℃以下である。
本実施形態のゴム組成物は、臭素系難燃剤の一部又は全部が上記のような高融点のものであってよい。
臭素系難燃剤は、90質量%以上が上記のような高融点のものであることが好ましい。
高融点の臭素系難燃剤の割合は、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。
ゴム組成物が含む臭素系難燃剤に占めるビス(ペンタブロモフェニル)エタンとエチレンビステトラブロモフタルイミドとの合計割合は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
前記三酸化アンチモンは、それ単独では難燃性を殆ど発揮せず、前記有機臭素化合物と併用されて難燃効果を発揮するものである。
より詳しくは、三酸化アンチモン(Sb2O3)は、臭素のラジカル捕捉機能を助成するとともに前記有機臭素化合物と反応して水蒸気を発生し、該水蒸気で燃焼物への酸素の供給を遮断する効果を発揮するものである。
前記三酸化アンチモンは、前記ゴム100質量部に対して15質量部以下となる割合でゴム組成物に含有させることが好ましく、10質量部以下となる割合でゴム組成物に含有させることがより好ましい。
ここで塩素化パラフィンなどの有機塩素化合物は、ゴム組成物の難燃性を向上させる上において有用である一方で耐熱性を低下させる原因となり得る。
そこで、本実施形態のゴム組成物においては、塩素化パラフィンなどの有機塩素化合物の使用を控えることが好ましい。
具体的には、ゴム組成物は、有機塩素化合物(塩素化パラフィン等)の含有量が前記ゴム100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、塩素化パラフィンを実質的に含有していないことが特に好ましい。
これらはカバーゴム層の難燃性を向上させるのに有効なものではあるがこの種の無機充填材を含有させるとカバーゴム層の耐摩耗性が低下する場合がある。
本実施形態のゴム組成物では、これらを添加することによる難燃性でのメリットと耐摩耗性でのデメリットとを勘案するとデメリットの方がメリットを上回るおそれがある。
この耐摩耗性が低下するという点に関しては、難燃剤として機能する水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムといった無機充填材だけでなく、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカなどの補強材として機能する無機充填材についても同じことが言える。
なお、カーボンブラックなどのようなゴムの補強効果にとりわけ優れた効果を発揮するものについては、その添加によってカバーゴム層の耐摩耗性を低下させるおそれが低く、むしろ、その添加によってカバーゴム層の耐摩耗性を向上させることが期待できる。
従って、本実施形態のゴム組成物は、充填材としてカーボンブラックを含有させることが好ましいもののカーボンブラック以外の充填材の含有量はできるだけ低減することが好ましい。
具体的には、本実施形態のゴム組成物はカーボンブラックを含有し、且つ、含有するゴム100質量部に対するカーボンブラック以外の充填材の含有量が20質量部以下であることが好ましい。
カーボンブラック以外の充填材の含有量は、ゴム100質量部に対して15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
また、前記カーボンブラックは、ゴム100質量部に対して100質量部以下の割合となるように前記ゴム組成物に含有させることが好ましく、90質量部以下の割合となるように前記ゴム組成物に含有させることがより好ましく、80質量部以下の割合となるように前記ゴム組成物に含有させることが特に好ましい。
前記エチレン−プロピレンゴム(EPR)の架橋反応においては、プロピレン構造部分での三級炭素からのプロトンの引き抜きが生じる。
エチレン−プロピレンゴム(EPR)では、このプロトンの引き抜きによって架橋点となるラジカルが発生するとともにβ解裂による分子切断が生じやすいため架橋度の調整が難しい。
そのため、ゴム組成物に含有させる架橋剤としては、架橋度の調整を図ることが容易であるという点においては硫黄系の架橋剤の方が有利である。
また、ゴム組成物の材料コストの点からも硫黄系の架橋剤の方が有機過酸化物系の架橋剤などに比べて有利である。
さらには、カバーゴム層に対してしなやかさを発揮させる上においても硫黄系の架橋剤の方が有機過酸化物系架橋剤に比べて有利である。
しかしながら本実施形態においてはカバーゴム層に優れた耐熱性を発揮させ得ることから前記架橋剤としては、有機過酸化物系の架橋剤を採用することが好ましい。
即ち、カバーゴム層の耐熱性が重要視される本実施形態においては、硫黄系の架橋剤よりも有機過酸化物系架橋剤の方が好適であるといえる。
そして、本実施形態のゴム組成物には、有機過酸化物系架橋剤とともに有機共架橋剤を含有させることが好ましい。
また、本実施形態において前記有機過酸化物系架橋剤で架橋される前記エチレン−プロピレンゴム(EPR)は、架橋点となるプロピレン単位を多く含むものが好ましい。
さらに、本実施形態ではエチレン−プロピレンゴム(EPR)を硫黄系架橋剤ではなく有機過酸化物系架橋剤で架橋することから、当該エチレン−プロピレンゴム(EPR)がある程度低弾性であることが好ましい。
具体的には、前記エチレン−プロピレンゴム(EPR)は、プロピレン単位の割合が35質量%以上60質量%以下(エチレンコンテント40質量%以上65質量%以下)のものが好適である。
前記エチレン−プロピレンゴム(EPR)のプロピレン単位の割合は、40質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることが特に好ましい。
また、前記エチレン−プロピレンゴム(EPR)は、JIS K6300−1:2013「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に基づいて測定される100℃でのムーニー粘度(ML(1+4))が60以下であることが好ましく50以下であることがより好ましく、45以下であることが特に好ましい。
また、エチレン−プロピレンゴム(EPR)は、カバーゴム層にある程度以上の反発弾性を発揮させることが好ましく、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が30以上であることが好ましい。
なお、ゴム組成物に複数種類のエチレン−プロピレンゴムを含有させる場合は、複数のエチレン−プロピレンゴムをゴム組成物に含有させるのと同じ割合でブレンドした混合物が上記のようなプロピレン含有量やムーニー粘度となることが好ましい。
なお、本実施形態のゴム組成物は、上記のような有機過酸化物系架橋剤を1種単独で含んでいても2種以上含んでいてもよい。
本実施形態の有機過酸化物系架橋剤は、ジクミルパーオキサイドであることが好ましい。
ゴム組成物は、有機共架橋剤1種単独又は2種以上含んでもよい。
本実施形態のゴム組成物に含有させるのに適した有機共架橋剤を挙げると、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の(メタ)アクリル基含有有機化合物;トリアリルシアヌレート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート等の(メタ)アリル基含有有機化合物;N,N−m−フェニレンジマレイミド、マレイミド、フェニルマレイミド等のマレイミド基含有有機化合物などが挙げられる。
本実施形態における有機共架橋剤は、複数のメタクリル基を分子中に備えたメタクリル基含有有機化合物であることが好ましい。
有機過酸化物系架橋剤のゴム100質量部に対する割合は、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
有機共架橋剤のゴム100質量部に対する割合は、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
前記ゴム用配合剤としては、例えば、パラフィンオイルなどの硬さ調整剤;アミン−ケトン系化合物、芳香族第二級アミン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、特殊ワックスなどの老化防止剤;滑剤、素練促進剤、スコーチ防止剤などの加工性改良剤が挙げられる。
該酸化亜鉛は、ゴム100質量部に対して1質量部以上10質量部以下の割合となるように前記ゴム組成物に含有させることが好ましい。
前記鉱物油は、ゴム100質量部に対して0質量部を超え30質量部未満の割合となるように前記ゴム組成物に含有させることが好ましく、5質量部以上25質量部以下の割合となるように前記ゴム組成物に含有させることが好ましい。
また、上カバーゴム層10aと下カバーゴム層10bとは厚みなどが異なっていても共通していてもよい。
また、心体層20は、帆布でなくスチールコードなどを用いて形成させてもよい。
該コンベヤベルトは、例えば、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、オープンロール等を用いてカバーゴム用のゴム組成物を混練した後、カレンダー等を用いて当該ゴム組成物をシート状にさせてカバーゴム用未加硫シートを作製し、接着ゴムを表面担持させた帆布と前記未加硫シートとを加硫一体化させて製造することができる。
また、本実施形態においては、心体層の両面にカバーゴム層を備えた態様を例示しているが、本実施形態のカバーゴム用ゴム組成物で形成されるカバーゴム層は、少なくとも心体層の片面側に備えられていればよい。
本実施形態においては、コンベヤベルトとして平坦な帯状のベルト本体のみを有するものを例示しているが、プレス面に凹凸を有する熱プレスを用いて作製されることによってベルト本体自体に立体形状の付与されたコンベヤベルトや、平坦な帯状のベルト本体に横桟や耳桟を別部品として取り付けたタイプのコンベヤベルトについても本発明のコンベヤベルトとして意図する範囲のものである。
そして、横桟や耳桟を有するコンベヤベルトにおいては、本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物をこの横桟や耳桟の形成に用いることも可能である。
表2に記載の配合内容で評価用ゴムシートを作製し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠し、該評価用ゴムシートから採取した3号ダンベル試験片(n=3)を使って「切断時伸び」(破断伸び:単位%)を測定した。
評価用ゴムシートから採取した3号ダンベル試験片に対し、JIS K6257に規定の熱老化特性の求め方に準拠して165℃×7日間の耐熱老化試験をギヤー式老化試験機を用いて実施した。
そして、この老化後の試験片について前記と同様に「切断時伸び」を測定した。
ゴム組成物の耐熱性は、老化前の「切断時伸び(E0)」に対する老化後の「切断時伸び(E)」の倍率(E/E0)を算出することで評価した。
なお、評価結果に基づき、以下のような基準で切断時伸び及び耐熱性を判定した。
結果を、表2に示す。
(A:切断時伸び評価結果の判定基準)
「○」:切断時伸び(E0)が500%以上
「△」:切断時伸び(E0)が400%以上500%未満
「×」:切断時伸び(E0)が400%未満
(B:耐熱性評価結果の判定基準)
「○」:倍率(E/E0)が0.8以上
「△」:倍率(E/E0)が0.7以上0.8未満
「×」:倍率(E/E0)が0.7未満
表2に記載の配合内容でカバーゴム層形成させたコンベヤベルトに対し、JIS K6324に規定される布層コンベヤベルトの試験方法に準拠して難燃性の評価を実施した。
評価は、バーナーを取り除いた後の炎の持続時間を測定することにより実施した。
なお、炎の持続時間に基づき、以下のような基準で難燃性を判定した。
結果を、表2に示す。
(C:難燃性評価の判定基準)
「○」:炎の持続時間が15秒以内
「△」:炎の持続時間が16〜59秒
「×」:炎の持続時間が60秒以上
JIS K6264−2「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐摩耗性の求め方−第2部:試験方法」のDIN摩耗試験によって耐摩耗性の評価を行った。
なお、摩耗量に基づき、以下のような基準で耐摩耗性を判定した。
結果を、表2に示す。
(D:耐摩耗性評価の判定基準)
「○」:摩耗量が180mm3未満
「△」:摩耗量が180mm3以上230mm3以下
「×」:摩耗量が230mm3超
上記のA〜Dの4つの判定結果をもとに総合判定を行った。
判定基準は以下の通り。
「○」:4つの判定結果がいずれも「○」か「△」で、且つ、「△」が1個以下
「△」:4つの判定結果がいずれも「○」か「△」で、且つ、「△」が2個以上
「×」:4つの判定結果に1つでも「×」がある
下記表2の試験例と対比するための参考例1として、表3に天然ゴムを主成分(ゴムの内訳:天然ゴム/ブタジエンゴム=85質量%/15質量%)としたものについての評価結果を示す。
なお、参考例1での臭素系難燃剤は試験例1と同じものを用いた。
また、参考例1では「加硫促進剤」に「N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド」を用いた。
さらに、参考例1での「老化防止剤A」は大内新興化学社製、芳香族第二級アミン系老化防止剤、商品名「ノクラック6c」で、「老化防止剤B」は大内新興化学社製、アミン−ケトン系老化防止剤、商品名「ノクラック224」である。
ただし、この参考例1のゴム組成物は、耐熱性が低く、165℃×7日間の耐熱老化試験には耐えられないと判断されたため、試験温度を70℃にして切断時伸びの倍率E/E0)を算出した。
その結果、表3にも示すように、参考例1のゴム組成物は、耐熱性の評価において試験温度を70℃とかなり低温にしても「残率」が「0.78」という結果となった。
このことから、参考例1のゴム組成物は165℃×7日間の耐熱老化試験で「×」判定となることが確認できた。
このように参考例1に示したような一般的な難燃性のゴム組成物では、耐熱性が不十分であることが確認できた。
臭素系難燃剤の量による特性の変化を観察すべく、試験例11の配合をベースに臭素系難燃剤(FR3)の量を変更し、これまでと同様に評価した。
結果を試験例11の評価結果とともに表4に示す。
この検討では、全ての試験例で優れた耐熱性が発揮されていることが確認できた。
また、表4からは、カバーゴム層に優れた難燃性を発揮させる上において、ゴム100質量部に対する臭素系難燃剤の割合を20質量部以上にすることが好ましく、25質量部以上にすることが特に好ましいと理解することができる。
また、表4に示された結果から、カバーゴム層に優れた耐摩耗性を発揮させる上においては、ゴム100質量部に対する臭素系難燃剤の割合を30質量部未満にすることが特に好ましいと理解することができる。
Claims (5)
- コンベヤベルトのカバーゴム層の形成に用いられるカバーゴム用ゴム組成物であって、
ゴムと臭素系難燃剤とを含み、
前記臭素系難燃剤は、臭素の質量が前記ゴム100質量部に対して10質量部以上35質量部以下となるように含有されており、
前記ゴムの主成分がエチレン−プロピレンゴム(EPR)であるカバーゴム用ゴム組成物。 - 前記臭素系難燃剤の一部又は全部が300℃以上の融点を有する臭素系難燃剤である請求項1記載のカバーゴム用ゴム組成物。
- カーボンブラックを含有し、且つ、カーボンブラック以外の充填材の含有量が、前記ゴム100質量部に対して20質量部以下である請求項1又は2記載のカバーゴム用ゴム組成物。
- 有機過酸化物系架橋剤と、有機共架橋剤とを含む請求項1乃至3の何れか1項に記載のカバーゴム用ゴム組成物。
- 心体層と、該心体層の少なくとも片面側に設けられたカバーゴム層とを有し、前記カバーゴム層を形成するカバーゴム用ゴム組成物が、請求項1乃至4の何れか1項に記載のカバーゴム用ゴム組成物であるコンベヤベルト。
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