JP2018024341A - 助手席エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オブリーク拘束時のエアバッグの内圧を、正突拘束時のエアバッグの内圧よりも高い内圧に制御する。【解決手段】助手席エアバッグ装置20では、エアバッグ24が、助手席乗員Pの前方で膨張展開される本体バッグ部26と、本体バッグ部26に対する運転席側で膨張展開されるセンタバッグ部28と、を含んで構成されている。センタバッグ部28は、膨張展開時に、本体バッグ部26との間に車両後方側に開口するスリット24A2が形成されると共に本体バッグ部26よりも車両後方へ突出する。センタバッグ部28の運転席側の側部28Cには、第二ベントホール28H(ベントホール)が形成されている。ベントホール可変機構33は、センタバッグ部28の運転手側の側部28Cとセンタバッグ部28の助手席側の側部28Aとを連結しており、オブリーク拘束時の第二ベントホール28Hからのガス排気量を正突拘束時よりも絞るように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、助手席エアバッグ装置に関する。
下記特許文献1に記載された助手席エアバッグ装置では、クッション(エアバッグ)が、助手席乗員の車両前側で膨張展開されるパッセンジャバッグ(本体バッグ部)と、パッセンジャバッグの車両左側(運転席側)で膨張展開されるセンタバッグ(センタバッグ部)と、を含んで構成されている。これにより、車両左側からの斜め衝突時に車両左側斜め前方へ移動する助手席乗員の頭部等をセンタバッグによって拘束することができる。
国際公開第2016/002384号
ところで、上記のような助手席エアバッグ装置においては、正突拘束時(正面衝突時に前方へ移動する助手席乗員の頭部等をエアバッグで拘束するとき)に、内圧の低い柔らかいエアバッグで乗員を拘束することが望まれる。特に、AF05ダミー(米国人成人女性の5パーセンタイル)に代表される小柄な体格の乗員拘束を考慮した場合は、正突拘束時のエアバッグは柔らかいことが強く望まれる。
他方、オブリーク拘束時(斜め衝突時に斜め前方へ移動する助手席乗員の頭部等をエアバッグで拘束するとき)には、内圧の高い硬いエアバッグで乗員を拘束することが望まれる。特に、AM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)に代表される大柄な体格の乗員拘束を考慮した場合は、オブリーク拘束時のエアバッグは硬いことが強く望まれる。
そこで本発明は、オブリーク拘束時のエアバッグの内圧を、正突拘束時のエアバッグを内圧よりも高い内圧に制御することができる助手席エアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の助手席エアバッグ装置は、ガスの供給を受けて膨張展開されるエアバッグと、前記エアバッグ内のガスを外部へ排気するベントホールと、前記ベントホールからのガス排気量を制御するベントホール可変機構と、を備える助手席エアバッグ装置であって、前記エアバッグは、助手席乗員の前方で膨張展開される本体バッグ部と、前記本体バッグ部に対する運転席側で膨張展開されて前記本体バッグ部よりも車両後方へ突出するセンタバッグ部と、を含んで構成されており、膨張展開時、前記本体バッグ部と前記センタバッグ部との間には、車両後方側に開口するスリットが形成され、前記ベントホールは、前記センタバッグ部の運転席側の側部に形成されており、前記ベントホール可変機構は、前記センタバッグ部の運転席側の側部と前記センタバッグ部の助手席側の側部とを、又は、前記センタバッグ部の運転席側の側部と前記本体バッグ部とを連結しており、オブリーク拘束時の前記ベントホールからのガス排気量を正突拘束時よりも絞るように構成されている。
請求項1記載の助手席エアバッグ装置では、ガスの供給を受けて膨張展開されるエアバッグが、助手席乗員の前方で膨張展開される本体バッグ部と、当該本体バッグ部に対する運転席側で膨張展開されるセンタバッグ部と、を含んで構成されている。センタバッグ部は、膨張展開時に、本体バッグ部との間に車両後方側に開口するスリットが形成されると共に本体バッグ部よりも車両後方へ突出する。そして、センタバッグ部の運転席側の側部には、エアバッグ内のガスを外部へ排気するベントホールが形成されている。
ところで、正面衝突時に前方へ移動する助手席乗員の頭部等を本体バッグ部で拘束するとき(以下、「正突拘束時」という)と、斜め衝突時に斜め前方へ移動する助手席乗員の頭部等をエアバッグのスリットで拘束するとき(以下、「オブリーク拘束時」という。)とでは、助手席乗員の頭部等が膨張展開したエアバッグの形状に与える影響は異なる。
ここで、請求項1記載の助手席エアバッグ装置は、ベントホールからのガス排気量を制御するベントホール可変機構が、センタバッグ部の運転手側の側部とセンタバッグ部の助手席側の側部とを、又は、センタバッグ部の運転手側の側部と本体バッグ部とを連結している。そして、正突拘束時とオブリーク拘束時とにおける、助手席乗員の頭部等が膨張展開したエアバッグの形状に与える影響の違いを利用して、ベントホール可変機構は、オブリーク拘束時のベントホールからのガス排気量を正突拘束時よりも絞るように構成されている。
したがって、この助手席エアバッグ装置によれば、オブリーク拘束時のエアバッグの内圧を、正突拘束時のエアバッグの内圧よりも高い内圧に制御することができる。
以上説明したように、本発明に係る助手席エアバッグ装置は、オブリーク拘束時のエアバッグの内圧を、正突拘束時のエアバッグの内圧よりも高い内圧に制御することができるという優れた効果を有する。
図1は、第一実施形態に係る助手席エアバッグ装置の静展開状態を一部破断して示す平面図である。 図2(A)は、正面衝突時に図1の助手席エアバッグ装置によって助手席乗員の頭部が拘束された状態を一部破断して示す平面図であり、図2(B)は、斜め衝突時に図1の助手席エアバッグ装置によって助手席乗員の頭部が拘束された状態を一部破断して示す平面図である。 図3は、第二実施形態に係る助手席エアバッグ装置の静展開状態を一部破断して示す平面図である。 図4(A)は、正面衝突時に図3の助手席エアバッグ装置によって助手席乗員の頭部が拘束された状態を一部破断して示す平面図であり、図4(B)は、斜め衝突時に図3の助手席エアバッグ装置によって助手席乗員の頭部が拘束された状態を一部破断して示す平面図である。 図5は、第三実施形態に係る助手席エアバッグ装置の静展開状態を一部破断して示す平面図である。 図6(A)は、正面衝突時に図5の助手席エアバッグ装置によって助手席乗員の頭部が拘束された状態を一部破断して示す平面図であり、図6(B)は、斜め衝突時に図5の助手席エアバッグ装置によって助手席乗員の頭部が拘束された状態を一部破断して示す平面図である。 図7(A)は、第二実施形態の変形例に係る助手席エアバッグ装置の静展開状態を一部破断して示す平面図であり、図7(B)は、第三実施形態の変形例に係る助手席エアバッグ装置の静展開状態を一部破断して示す平面図である。 図8は、助手席エアバッグ装置が適用された車両のキャビンの前部における右側部を示す平面図であり、エアバッグの静展開状態を示す図である。 図9は、図8に示されるエアバッグを右斜め後方から見た斜視図である。
<第一実施形態>
以下、図面を用いて第一実施形態に係る助手席エアバッグ装置20について説明する。
なお、図面に適宜示される矢印FR、矢印UP、矢印RHは、それぞれ助手席エアバッグ装置20が適用された自動車V(図8参照)の前方、上方、右方を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両左右方向(車幅方向)の左右を示すものとする。
以下の説明では、始めに、自動車Vの内部の概略構成および助手席エアバッグ装置20の概略構成について説明し、次いで助手席エアバッグ装置20の要部であるベントホール可変機構33について説明する。
(自動車Vの内部の概略構成)
図8には、助手席エアバッグ装置20が適用された自動車VにおけるキャビンC内の前部における右側部が模式的な平面図にて示されている。なお、図8では、後述する助手席エアバッグ装置20のエアバッグ24が膨張展開された状態を示している。この図に示されるように、キャビンCの前部における右側部には、助手席用の車両用シート10が配設されている。この車両用シート10は、乗員P(以下、「助手席乗員P」という)が着座するシートクッション10Aと、助手席乗員Pの背部を支えるシートバック10Bと、を含んで構成されており、シートバック10Bの下端部がシートクッション10Aの後端部に連結されている。
また、車両用シート10には、乗員拘束用のシートベルト装置(図示省略)が設けられており、シートベルト装置は所謂3点式シートベルト装置とされている。このため、助手席乗員Pの腰部がラップベルトによって拘束されると共に、助手席乗員Pの上体がショルダベルトによって拘束されるようになっている。なお、上記の助手席乗員Pは、AM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)のダミー人形とされている。以下、助手席乗員Pを、「AM50ダミーP」と称する場合がある。
車両用シート10の左側には、図示しない運転席用の車両用シートが配設されている。すなわち、本実施形態の自動車Vは、左ハンドル仕様の自動車とされている。そして、自動車Vの車幅方向中央部(詳しくは、運転席用の車両用シートと助手席用の車両用シート10との間)には、センタコンソール12が配置されている。すなわち、本実施形態の自動車Vは、運転席用の車両用シートと助手席用の車両用シート10との間に中央座席が配置されていない構成となっている。なお、自動車Vを、センタコンソール12を備えない構成(例えば、左右の車両用シート10間を通路とし得る構成)にしてもよい。
車両用シート10の前側には、車幅方向に延びるインストルメントパネル14が設けられており、インストルメントパネル14の車幅方向中央部には、センタパネル14Aが設けられている。そして、前述したセンタコンソール12の前端がセンタパネル14Aに繋がっている。
(助手席エアバッグ装置20の概略構成)
図8に示されるように、助手席エアバッグ装置20は、モジュールケース22と、エアバッグ24と、ガス発生装置であるインフレータ40と、を含んで構成されている。また、図1に示されるように、助手席エアバッグ装置20は、エアバッグ24に形成された第一ベントホール26H及び第二ベントホール28Hと、ベントホール可変機構33と、を含んで構成されている。以下、助手席エアバッグ装置20の各構成について説明する。
モジュールケース22は、上方側へ開放された略矩形箱状に形成されている。このモジュールケース22は、車両用シート10に対して前方側のインストルメントパネル14の内側(キャビンCとは反対側)に配置されている。また、モジュールケース22の車幅方向中心線(図示省略)が、車両用シート10のシート幅方向中心線(図示省略)と略一致する位置に設定されている。さらに、モジュールケース22は、インストルメントパネル14の内側において車幅方向に延在されたインストルメントパネルリインフォース(図示省略)等に支持されている。そして、インストルメントパネル14には、モジュールケース22を上方側から覆う部位において、エアバッグドア(図示省略)が形成されている。
図1に示されるように、エアバッグ24は、一例として複数枚の基布が互いに外周縁部を縫製されることにより袋状に形成されている。このエアバッグ24は、通常時には折り畳まれた状態でモジュールケース22内に収納されている。そして、後述するインフレータ40によって発生するガスがエアバッグ24の内部に供給されることで、エアバッグ24が、インストルメントパネル14の外側(キャビンC側)で膨張展開される構成になっている。また、エアバッグ24は、助手席乗員Pの前方で膨張展開される本体バッグ部26と、本体バッグ部26に対して車両左側で膨張展開されるセンタバッグ部28と、含んで構成されている。
図8及び図9に示されるように、本体バッグ部26は、本体バッグ部26の左側部分を構成する左バッグ部26Lと、本体バッグ部26の右側部分を構成する右バッグ部26Rと、を含んで構成されると共に、平面視で略左右対称を成す形状に膨張展開されるようになっている。また、左バッグ部26Lと右バッグ部26Rとの境界線(すなわち本体バッグ部26の車幅方向中心線)は、モジュールケース22の車幅方向中心線と略一致する構成になっている。また、膨張展開された本体バッグ部26の後端部における車幅方向中央部(左バッグ部26L及び右バッグ部26Rの間の部分)には、後側へ開放された凹部26Bが形成されており、助手席乗員Pの頭部Hの前方に凹部26Bが位置する構成になっている。そして、エアバッグ24の膨張展開状態において左バッグ部26L及び右バッグ部26Rの後方を向く面が、正突拘束面26Aとされており、自動車Vの正面衝突時に前方側へ移動する助手席乗員Pの上半身(頭部Hを含む)を正突拘束面26Aによって拘束する構成になっている。
また、膨張展開状態の本体バッグ部26は、自動車Vのウインドシールドガラス(図示省略)及びインストルメントパネル14に当接する構成になっている。これにより、膨張展開された本体バッグ部26が、ウインドシールドガラス及びインストルメントパネル14によって前方側から支持される構成になっている。
センタバッグ部28は、本体バッグ部26に連通されると共に、本体バッグ部26に対して車両左側に隣接して前後方向に膨張展開されるようになっている。詳しくは、センタバッグ部28が、後述するインフレータ40に対して車両左側へオフセットした位置に配置されて、センタコンソール12の上方側において前後方向に膨張展開されるようになっている。これにより、エアバッグ24が、車両左側へ拡大されて、平面視で左右非対称を成す形状に膨張展開されるようになっている。
また、センタバッグ部28は、膨張展開時に平面視で前後方向を長手方向とする略矩形状を成すように形成されている。さらに、センタバッグ部28の後端部は、突出部28Bとされており、突出部28Bは、本体バッグ部26の正突拘束面26Aよりも後方へ突出されている。この突出部28Bは、膨張展開された本体バッグ部26の上下方向中央よりも上方側にオフセットした位置で後方に突出し、助手席乗員Pの頭部Hに対して左斜め前側に位置するように形成されている。そして、膨張展開状態における突出部28Bの右方側(車両右側:本体バッグ部26側、助手席側)を向く面は、斜突用拘束面28A(以下、センタバッグ部28の車両右側の側部も同じ符号28Aを用いる。)とされており、自動車Vの斜め衝突時に左斜め前方へ移動する助手席乗員Pの頭部Hを斜突用拘束面28Aによって拘束する構成になっている。また、自動車Vの左側への斜め衝突時には、左斜め前方へ移動する助手席乗員Pの左肩部が、突出部28Bの下方の空間に入り込むように、突出部28Bの下端の上下位置が設定されている。
さらに、図8に示されるように、センタバッグ部28の膨張展開状態では、センタバッグ部28がインストルメントパネル14のセンタパネル14Aに当接するように構成されている。これにより、センタバッグ部28の膨張展開状態では、センタバッグ部28がインストルメントパネル14によって前方側から支持される構成になっている。
インフレータ40は、モジュールケース22の車幅方向中央部に配置されている。このインフレータ40は、所謂ディスク形のインフレータとされており、中空の略円柱状に形成されると共に、上下方向を軸方向としてモジュールケース22の底壁に固定されている。インフレータ40の上部はガス噴出部とされており、本体バッグ部26の前端部内に収容されている。ガス噴出部の外周面には、図示しない複数のガス噴出孔が形成されており、複数のガス噴出孔はインフレータ40の周方向に沿って所定間隔毎に並んでいる。これにより、インフレータ40によって発生するガスが、平面視でインフレータ40から放射状に噴出されるようになっている。
インフレータ40は、エアバッグECU42(制御装置)と電気的に接続されている。そして、エアバッグECU42によってインフレータ40が作動すると、エアバッグ24がインフレータ40からガスの供給を受けて膨張展開されるようになっている。また、この際には、インストルメントパネル14に設けられた図示しないエアバッグドアがエアバッグ24の膨張圧を受けて開裂される構成になっている。
さらに、上記エアバッグECU42には、衝突センサ(又はセンサ群)44が電気的に接続されている。このエアバッグECU42は、衝突センサ44からの情報に基づいて、自動車Vの前面衝突を検知又は予測可能とされている。そして、エアバッグECU42が、衝突センサ44からの情報に基づいて前面衝突を検知又は予測すると、インフレータ40を作動させるようになっている。なお、上記の前面衝突の形態には、斜め衝突等が含まれる。ここで、斜め衝突(MDB斜突、オブリーク衝突)とは、例えばNHTSAにて規定される斜め前方(一例として、衝突相手方との相対角15°、車幅方向のラップ量35%程度の衝突)とされている。この実施形態では、一例として相対速度90km/hrでの斜め衝突が想定されている。
図8及び図9に示されるように、助手席エアバッグ装置20では、エアバッグ24の後端部における本体バッグ部26とセンタバッグ部28との境界部分が、境界部24Aとされている。この境界部24Aは、本体バッグ部26を構成する基布30(図1参照)と、センタバッグ部28を構成する基布32(図1参照)とが、略車幅方向を厚み方向として重なり合って構成されると共に、正突拘束面26A及び突出部28Bに対して前方側の位置において、上下方向に延在されている。また、境界部24Aの前端部は縫製部24A1とされており、縫製部24A1では、基布30及び基布32が縫製によって結合されている。さらに、境界部24Aには、縫製部24A1に対して後側において、後方側へ開口され且つ上下方向に延在されたスリット24A2が形成されている。これにより、エアバッグ24の膨張展開状態において、スリット24A2が正突拘束面26A及び突出部28Bに対して前方側に配置されている。なお、図1以外では基布30、32の符号を省略している。
また、スリット24A2は、エアバッグ24の膨張展開状態において、後方側に加えて下方側にも開口するように形成されている。つまり、境界部24Aにおける上端部が縫製などによって結合されて、スリット24A2の後端部及び下端部が開口する一方、スリット24A2の上端部が閉塞された構成になっている。なお、上記膨張展開状態において、スリット24A2の下端部が閉塞された構成にしてもよい。さらに、エアバッグ24の膨張展開状態を平面視で見た場合に、スリット24A2(境界部24A)が、自動車Vの左側への斜め衝突時における助手席乗員Pの頭部Hの重心Gの移動方向に沿って延びるように形成されている。このため、上記左側への斜め衝突時において、助手席乗員Pが左斜め前方へ移動すると、助手席乗員Pの頭部Hがスリット24A2内に侵入するように構成されている(図2(B)参照)。
なお、自動車Vの斜め衝突におけるNHTSAでの規定では、自動車Vと衝突相手方との相対角が15°とされている。そして、この規定に基づくダミー人形を用いた自動車の斜め衝突試験では、助手席乗員Pの頭部Hの移動方向が、車両前後方向に対して平面視で略25°程度傾斜することが判明している。このため、本実施形態では、エアバッグ24の膨張展開状態を平面視で見た場合において、車両前後方向に対するスリット24A2の傾斜角度が例えば20度〜30度の範囲内に設定されている。また、図2(B)に示される一点鎖線Dは、上記の斜め衝突試験を自動車Vの左側に対して実施した場合における頭部Hの重心Gの移動方向(スリット24A2への頭部Hの侵入方向)に沿い且つ平面視で重心Gを通る仮想線である。
また、図1に示されるように、本体バッグ部26の車両右側の側部には、略円形状の第一ベントホール26Hが形成されている。この第一ベントホール26Hを介して、エアバッグ24内のガスをエアバッグ24の外へ排出できるようになっている。
また、図1に示されるように、センタバッグ部28の車両左側の側部28Cには、略円形状の「ベントホール」としての第二ベントホール28Hが形成されている。この第二ベントホール28Hを介して、エアバッグ24内のガスをエアバッグ24の外へ排出できるようになっている。
(ベントホール可変機構33)
次に、ベントホール可変機構33について説明する。ベントホール可変機構33は、以下で説明するテザー34によって構成されている。
図1に示されるように、エアバッグ24のセンタバッグ部28内には、テザー34が配設されている。テザー34は、可撓性を有するシート状の材料(ここでは、エアバッグ24の基布と同じ布材)を長尺帯状に切り出して形成されている。
長尺帯状のテザー34は、エアバッグ24の静展開状態(なお、「静展開」とは、乗員等からの荷重がエアバッグに作用していない条件での展開を意味する。)で、その幅方向を車両上下方向に向けると共に、その長手方向を車両略幅方向(正確には、車両幅方向に対して若干傾斜する方向)に向けて延在されるように設けられている。
具体的には、テザー34の長手方向一端部34A(車両左側の端部、以下、「第一取付部34A」という。)が、後方側へ屈曲されて、センタバッグ部28の車両左側の側部28Cに縫製によって結合されている。第一取付部34Aが結合されている位置は、センタバッグ部28の車両左側の側部28Cのうち第二ベントホール28Hが形成された部分の後方とされている。
一方、テザー34の長手方向他端部34B(車両右側の端部、以下、「第二取付部34B」という。)が、後方側へ屈曲されて、縫製部24A1の車両左側に隣接して配置されると共に、縫製部24A1で縫製によって結合されている。なお、縫製部24A1では、テザー34の第二取付部34B、基布30、32が、3枚に重なった状態で縫製によって結合されている。
これにより、テザー34は、センタバッグ部28の車両左側の側部28Cとセンタバッグ部28の車両右側の側部28Aとを連結している。
さらに、エアバッグ24の静展開状態では、テザー34の第二取付部34Bが、テザー34の第一取付部34Aよりも前方側に位置するように設定されている。すなわち、テザー34は、平面視で、車両右側へ向かうに従い前側へ傾斜している。そして、エアバッグ24の静展開状態においてテザー34が長手方向に張った状態となるように、テザー34の長さ寸法が設定されている。また、テザー34の幅寸法(車両上下方向の寸法)は、第二ベントホール28Hの上下寸法よりも大きい寸法に設定されている。
また、テザー34の第二取付部34Bは、膨張展開されたエアバッグ24のスリット24A2に助手席乗員P(ここではAM50ダミーP)の頭部Hが侵入した状態を左斜め前方から見た場合に、当該頭部Hとラップする高さに位置するように設けられている。なお、助手席乗員PがAF05ダミー(米国人成人女性の5パーセンタイル)である場合にも、当該AF05ダミーの頭部が上記のようにスリット24A2に侵入した状態において、当該頭部とテザー34の第二取付部34Bとが上記のようにラップするように構成することが好ましい。
なお、テザー34の上端部及び下端部(すなわち、テザー34の幅方向両端部)は、それぞれセンタバッグ部28を構成する基布から離間して配置されている。よって、インフレータ40によって供給されたガスが、センタバッグ部28の後部へ供給される構成になっている。
(作用・効果)
次に、第一実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の助手席エアバッグ装置20では、エアバッグECU42が、衝突センサ44からの信号に基づいて自動車Vへの前面衝突を検知又は予測すると、当該エアバッグECU42によってインフレータ40が作動する。これにより、インフレータ40からガスの供給を受けたエアバッグ24が、インストルメントパネル14に設けられたエアバッグドアを開裂させつつ膨張展開される。そして、本体バッグ部26が助手席乗員Pの前方で膨張展開されると共に、センタバッグ部28が本体バッグ部26に対する車両左側で膨張展開され、センタバッグ部28の突出部28Bが本体バッグ部26よりも後方側へ突出される。
また、エアバッグ24の静展開状態では、エアバッグ24のセンタバッグ部28内に配設されたテザー34が、長手方向に張った状態で、センタバッグ部28の車両左側の側部28Cとセンタバッグ部28の車両右側の側部28A(正確には、境界部24Aの縫製部24A1)とを連結する。このため、テザー34によって第二ベントホール28Hが閉塞されない。よって、エアバッグ24における左右一対の第一ベントホール26H及び第二ベントホール28Hからガスが排出されつつ、エアバッグ24の内圧が過度に高くなることが抑制された状態にエアバッグ24が膨張展開される。
次に、膨張展開されたエアバッグ24で乗員Pを拘束する際の作用について、前面衝突が正面衝突(フルラップ前面衝突)である場合と、前面衝突が斜め衝突(オブリーク衝突)である場合とに分けて説明する。
(正突拘束)
前面衝突が正面衝突(フルラップ前面衝突)である場合、助手席乗員Pは、慣性力によって前方へ移動する(図8の矢印A参照)。なお、助手席乗員Pには3点式シートベルト装置が装着されているため、助手席乗員Pの前方への移動は、腰部を中心に助手席乗員Pの上体が前傾する形態となる。そして、前方へ移動する助手席乗員Pの頭部Hが本体バッグ部26の正突拘束面26A に接触する。このとき、本体バッグ部26には、インストルメントパネル14及びウインドシールドガラスから反力が作用するため、助手席乗員Pの頭部Hが本体バッグ部26によって支持されて、頭部Hの移動が制限される。その結果、自動車Vの正面衝突時において、前方へ移動する助手席乗員Pの頭部Hを本体バッグ部26によって拘束することができる。
そして、図2(A)に示されるように、本体バッグ部26の正突拘束面26Aに接触した頭部Hがさらに前方へ移動すると、縫製部24A1は、正突拘束面26Aを構成する基布30に引っ張られるようにして車両右側へ若干変位する(矢印F参照)。
ここで、縫製部24A1には、テザー34の第二取付部34Bが結合されている。このため、第二取付部34Bも車両右側へ若干変位し、テザー34は、静展開状態と同様に長手方向に張った状態となる。したがって、第二ベントホール28Hがテザー34によって閉塞されない。
よって、正面衝突時に前方へ移動する助手席乗員Pの頭部H等を本体バッグ部26で拘束するとき(以下、「正突拘束時」という。)には、エアバッグ24の車両右側の側部に形成された第一ベントホール26H、及び、エアバッグ24の車両左側の側部28Cに形成された第二ベントホール28Hからエアバッグ24内のガスが外部へ排出される。
(オブリーク拘束)
次に、前面衝突が車両左側(運転席側)への斜め衝突である場合について説明する。
前面衝突が斜め衝突である場合、助手席乗員Pは、図8に矢印Bにて示すように、慣性力によって前方へ移動しつつ車体に対し車幅方向の衝突側である左側へ移動する。すなわち、助手席乗員Pが左斜め前方(車両左側かつ前方)へ移動する。この場合、助手席乗員Pの頭部Hが、センタバッグ部28の突出部28B(斜突用拘束面28A)に接触すると共に、本体バッグ部26の後部(正突拘束面26A )に接触する(図2(B)参照)。そして、助手席乗員Pの頭部Hが左斜め前方へさらに移動すると、頭部Hがスリット24A2内に侵入する。
図2(B)に示されるように、頭部Hがスリット24A2内に侵入すると、頭部Hがエアバッグ24の境界部24A(縫製部24A1)を左斜め前方側へ押し込む。すると、縫製部24A1に結合されたテザー34の第二取付部34Bも左斜め前方へ変位する。そのため、テザー34の第一取付部34Aと第二取付部34Bとの距離が近くなり、テザー34が弛む。テザー34が弛むと、テザー34の一部(第一取付部34A側の一部)によって、第二ベントホール28Hが塞がれるか、第二ベントホール28Hからの排気が阻害される。
よって、斜め衝突時に斜め前方へ移動する助手席乗員Pの頭部H等をエアバッグ24のスリット24A2で拘束するとき(以下、「オブリーク拘束時」という。)には、テザー34によって、第二ベントホール28Hからガスの排出量が絞られる。
以上のように第一実施形態の助手席エアバッグ装置20によれば、オブリーク拘束時に、正突拘束時よりも内圧が高いエアバッグ24で乗員Pの頭部Hを拘束することができる。
(第一実施形態の補足説明)
なお、上記では、図2(A)に示す正突拘束時においてテザー34が長手方向に張った状態となる例を説明したが、第一実施形態はこれに限定されない。正突拘束時にテザー34が張った状態であることは必ずしも必要なく、テザー34の長さ寸法は、図2(A)に示す正突拘束時に第二ベントホールを塞がない程度の長さ寸法に設定されていればよい。
また、上記では、テザー34の幅寸法は、第二ベントホール28Hの上下寸法よりも大きい寸法に設定されている例を説明したが、第一実施形態はこれに限定されない。図2(B)に示すオブリーク拘束時にテザー34が弛んだ場合に、第二ベントホール28Hからの排気を阻害するものであればよい。また、テザー34の長手方向の位置によって幅寸法が変化していてもよい。この場合、第二ベントホールからの排気を阻害する部分(テザー34のうち第一取付部34A側の部分)が第二ベントホール28Hの上下寸法よりも大きく設定されていることが好ましい。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態に係る助手席エアバッグ装置60について説明する。第二実施形態は、ベントホール可変機構73の具体的構成が第一実施形態と異なっている一方、ベントホール可変機構73以外の構成は概ね同様の構成とされている。そこで、以下では、第二実施形態のベントホール可変機構73を説明する。ベントホール可変機構73は、以下に説明する蓋材74とテザー76とから構成されている。
(蓋材74)
図3に示されるように、蓋材74は、エアバッグ24のセンタバッグ部28内に設けられている。蓋材74は、第二ベントホール28Hよりも大きな形状とされており、第二ベントホール28Hの縁に縫製によって結合されている。なお、蓋材74は、可撓性を有するシート状の材料(ここでは、エアバッグ24の基布と同じ布材)で形成されている。
具体的には、蓋材74は、センタバッグ部28の車両左側の側部28Cにおける第二ベントホール28Hの縁のうち前方部分で結合されていると共に、第二ベントホール28Hの縁のうち後方部分で結合されている。つまり、蓋材74は、第二ベントホール28Hの前後の縁において結合されている。他方、第二ベントホール28Hの上下の縁においては結合されていない。
(テザー76)
テザー76は、蓋材74とセンタバッグ部28の車両右側の側部28Aとを連結している。なお、テザー76は、可撓性を有するシート状の材料(ここでは、エアバッグ24の基布と同じ布材)を長尺帯状に切り出して形成されている。
具体的には、テザー76の車両左側の端部(「第一取付部76A」)が、後方側へ屈曲されて、蓋材74の前後方向中間部に縫製によって結合されている。他方、テザー76の車両右側の端部(「第二取付部76B」)が、後方側へ屈曲されて、センタバッグ部28の車両右側の側部28Aに縫製によって結合されている。
図3に示す静展開状態においては、テザー76の長手方向が車両幅方向と略平行となっている。また、テザー76の第二取付部76Bの車両前後方向の位置は、本体バッグ部26の正突拘束面26Aの車両前後方向の位置と略同一になっている。
また、図3に示す静展開状態において、テザー76が長手方向に張った状態になり、当該テザー76によって蓋材74の前後方向中央部が車両右側へ引っ張られて、蓋材74が第二ベントホール28Hを開放するように、テザー76の長さ寸法が設定されている。
次に、膨張展開されたエアバッグ24で乗員Pを拘束する際の作用について、正突拘束時とオブリーク拘束時とに分けて説明する。
(正突拘束時)
図4(A)に示されるように、正突拘束時には、頭部Hが本体バッグ部26の正突拘束面26Aに接触する。頭部Hがさらに前方へ移動すると、正突拘束面26Aを構成する基布30に引っ張られるようにして縫製部24A1が車両右側へ若干変位する。
すると、図4(A)の矢印Fに示されるように、センタバッグ部28の車両右側の側部28Aも車両右側へ変位し、テザー76の第二取付部76Bも車両右側へ変位する。したがって、正突拘束時のテザー76は、図3に示す静展開状態よりも張った状態(長手方向の張力が働いた状態)となる。そのため、蓋材74の前後方向中間部(テザー76の第一取付部76Aが結合された部分)において、蓋材74を車両右側へ引っ張る力が作用する。このため、蓋材74が第二ベントホール28Hを開放する。
(オブリーク拘束時)
図4(B)に示されるように、オブリーク拘束時には、助手席乗員Pの頭部Hが左斜め前方へ移動し、頭部Hがスリット24A2内に侵入する。
頭部Hがスリット24A2内に侵入すると、センタバッグ部28の車両右側の側部28Aが車両左側かつ車両前方側の斜め方向へ変位し、これに伴いテザー76の第二取付部76Bも車両左側かつ車両前方側の斜め方向へ変位する。すると、図4(B)に示されるように、テザー76が弛む。テザー76が弛むと、テザー76からの力が蓋材74に作用せず、蓋材74によって第二ベントホール28Hを閉じられる。このように、蓋材74は、テザー76からの力が作用しない場合、第二ベントホール28Hを閉塞するように構成されている。
(第二実施形態の変形例)
なお、上記では、図3に示す静展開状態において、テザー76が張った状態となり、テザー76によって蓋材74の前後方向中間部が引っ張られて第二ベントホール28Hが開放される例を説明したが、第二実施形態のベントホール可変機構73はこれに限定されない。図7(A)に示されるように、静展開状態において第二ベントホール28Hが閉塞されるものであってもよい。
ところで、図4(A)に示す正突拘束時には、図7(A)に示す静展開状態と異なり、頭部Hの侵入によってテザー76の第二取付部76Bに車両右側への荷重が作用し(図4(A)の矢印F参照)、テザー76に静展開状態よりも大きな張力が付与される。
したがって、テザー76の長さ寸法を適切に設定する(上記の例よりも若干長く設定する)ことで、静展開状態では第二ベントホール28Hが閉塞され、正突拘束時には第二ベントホール28Hが開放されるようなベントホール可変機構73を実現することができる。なお、テザー76の長さ寸法を長くしすぎると、図4(A)に示す正突拘束時にテザー76の張力により第二ベントホール28Hを開放することができなくなる点に留意する。
(第二実施形態についてのまとめ)
以上説明したことからも判るように、第二実施形態のベントホール可変機構73は、第二ベントホール28Hを開閉可能な蓋材74と、蓋材74に連結されたテザー76と、を備えている。そして、蓋材74は、テザー76からの力が作用しない場合には第二ベントホール28Hを閉塞し、テザー76からの力(車両右側へ引っ張る力)が作用する場合には第二ベントホール28Hを開放するように構成されている。また、テザー76は、正突拘束時には当該テザー76の張力が増大して蓋材74を車両右側へ引っ張り、オブリーク拘束時には当該テザーの張力が減少する(弛む)ように構成されている。
このようにして、第二実施形態のベントホール可変機構73は、オブリーク拘束時の第二ベントホール28Hからのガス排気量を正突拘束時よりも絞るようになっている。
<第三実施形態>
次に、第三実施形態に係る助手席エアバッグ装置80について説明する。第三実施形態は、ベントホール可変機構93の具体的構成が第一実施形態、第二実施形態と異なっている一方、ベントホール可変機構93以外の構成は概ね同様の構成とされている。そこで、以下では、第三実施形態のベントホール可変機構93を説明する。ベントホール可変機構93は、以下で説明する当て布94と第一テザー96と第二テザー98とから構成されている。
当て布94は、第二ベントホール28Hの外側に設けられている。当て布94は、第二ベントホール28Hよりも大きな略矩形状に形成されている。そして、当て布94は、当該当て布94の前端部と後端部において、第二ベントホール28Hをエアバッグ24の外側から覆うようにセンタバッグ部28の車両左側の側部28Cに縫製によって結合されている。他方、当て布94の上端部と下端部においては、エアバッグ24に結合されていない。
また、当て布94は、後述する第二テザー98からの力が作用していない状態(例えば、図6(A)に示される状態)では、第二ベントホール28Hを開放して第二ベントホール28Hからの排気を許容するように構成されている。
第一テザー96は、モジュールケース22と本体バッグ部26の凹部26Bとを連結している。図5に示す静展開状態において、第一テザー96は、車両前後方向に張った状態となる。換言すると、静展開状態において第一テザー96が張った状態となるように、第一テザー96の長さ寸法が設定されている。
具体的には、第一テザー96の前端部(「第一取付部96A」)がモジュールケース22と結合されている。他方、第一テザー96の後端部(「第二取付部96B」)が本体バッグ部26の凹部26Bにおいて縫製により結合されている。なお、第一テザー96は、可撓性を有するシート状の材料(ここでは、エアバッグ24の基布と同じ布材)を長尺帯状に切り出して形成されている。
第二テザー98は、当て布94の中央部と、第一テザー96の前後方向中間部と、を連結している。具体的には、第二テザー98の車両左側の端部(「第一取付部98A」)が、第二ベントホール28Hに挿通されると共に後方側に屈曲されて、当て布94に縫製によって結合されている。他方、第二テザー98の車両右側の端部(「第二取付部98B」)が、後方側へ屈曲されて、第一テザー96の前後方向中間部に縫製によって結合されている。なお、第二テザー98は、可撓性を有するシート状の材料(ここでは、エアバッグ24の基布と同じ布材)を長尺帯状に切り出して形成されている。
図5に示す静展開状態において、第二テザー98には、その長手方向の張力が付与されていない。換言すると、静展開状態において長手方向の張力が付与されないように、第二テザー98の長さ寸法が設定されている。このため、当て布94に対して第二テザー98からの車両右側への力が付与されておらず、当て布94が第二ベントホール28Hを開放している。
また、第二テザー98は、膨張展開されたエアバッグ24のスリット24A2に助手席乗員P(ここではAM50ダミーP)の頭部Hが侵入した状態を左斜め前方から見た場合に、当該頭部Hとラップする高さに位置するように設けられている。なお、助手席乗員PがAF05ダミー(米国人成人女性の5パーセンタイル)である場合にも、当該AF05ダミーの頭部が上記のようにスリット24A2に侵入した状態において、当該頭部Hと第二テザー98とが上記のようにラップするように構成することが好ましい。
次に、膨張展開されたエアバッグで乗員Pを拘束する際の作用について、正突拘束時とオブリーク拘束時とに分けて説明する。
(正突拘束時)
図6(A)に示されるように、正突拘束時には、頭部Hが本体バッグ部26の正突拘束面26Aに接触する。頭部Hがさらに前方へ移動すると、第一テザー96の第二取付部96Bが前方へ変位して第一テザー96が弛む。第一テザー96が撓むと、第一テザー96の前後方向中間部が自由になり、第一テザー96の前後方向中間部に結合された第二テザー98の第二取付部98Bも自由になる。このため、第二テザー98も弛む。したがって、当て布94に対し、第二テザー98の第一取付部98Aから車両右側へ引っ張る力が加わらないので、第二ベントホール28Hは開放される。
(オブリーク拘束時)
図6(B)に示されるように、オブリーク拘束時には、助手席乗員Pの頭部Hが左斜め前方へ移動し、頭部Hがスリット24A2内に侵入する。頭部Hがスリット24A2内に侵入すると、第二テザー98の長手方向中間部が、車両略前方(正確には、車両前方かつ車両左側の車両斜め前方)へ押し込まれる。そして、第二テザー98が折曲がった状態となると共に張った状態となる。すると、第二テザー98の張力によって、第二テザー98の第一取付部98Aを介して当て布94に車両右側への力が作用する。この車両右側への力によって、当て布94が第二ベントホール28Hの縁に押付けられて、第二ベントホール28Hが閉塞する。
なお、第二テザー98の第二取付部98Bを介して第一テザー96の前後方向中間部に車両左側への力が作用するため、第一テザー96は、前後方向中間部を起点に多少屈曲する。
(第三実施形態の変形例)
なお、上記では、図5に示す静展開状態において第二ベントホール28Hが開放される例を説明したが、第三実施形態のベントホール可変機構93はこれに限定されない。図7(B)に示されるように、静展開状態において第二ベントホール28Hが閉塞される態様にしてもよい。
ところで、図7(B)に示す静展開状態では第一テザー96が前後に張った状態となるのに対し、図6(A)に示す正突拘束時には、頭部Hの侵入によって第一テザー96が弛んだ状態となる。このため、第二テザー98の長さ寸法を適切に設定することで、静展開状態では図7(B)に示されるように第二ベントホール28Hが閉塞されると共に、正突拘束時には図6(A)に示されるように第二ベントホール28Hが開放されるようなベントホール可変機構を実現することができる。なお、静展開状態で第二ベントホール28Hが閉塞されるように設定すれば、オブリーク拘束時にも第二ベントホール28Hが閉塞される。
(第三実施形態についてのまとめ)
以上説明したことからも判るように、第三実施形態のベントホール可変機構93は、第二ベントホール28Hを開閉可能な当て布94と、当て布94に連結された第二テザー98と、を含んで構成されている。そして、当て布94は、第二テザー98からの力が作用しない場合には第二ベントホール28Hを開放し、第二テザー98からの力(車両右側へ引っ張る力)が作用する場合には第二ベントホール28Hを閉塞するように構成されている。また、第二テザー98は、正突拘束時には当該第二テザー98の張力が減少し(弛み)、オブリーク拘束時には当該第二テザー98の張力が増大して当て布94を車両右側へ引っ張るように構成されている。
このようにして、第三実施形態のベントホール可変機構93は、オブリーク拘束時の第二ベントホール28Hからのガス排気量を正突拘束時よりも絞るようになっている。
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、エアバッグ24の車両右側の側部に第一ベントホール26Hが形成されていた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、エアバッグ24の車両右側の側部にはベントホールが形成されていなくてもよい。
また、上記実施形態では、ベントホール可変機構の一部を構成するテザー34、テザー76、第一テザー96、第二テザー98や蓋材74、当て布94がエアバッグ24に縫製されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、エアバッグ24の基布の一部が延長された延長部によって各テザー等が構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、本体バッグ部26が左バッグ部26Lと右バッグ部26Rとを含んだ構成にしたが、本発明はこれに限らず、本体バッグ部26の構成は適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、蓋材74、当て布94が、第二ベントホール28Hの前後の縁に結合されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第二ベントホール28Hの上下の縁に結合されていてもよい。
また、上記実施形態では、助手席エアバッグ装置20が、左ハンドル仕様の自動車Vに適用されているが、助手席エアバッグ装置20を右ハンドル仕様の自動車Vに適用してもよい。この場合、車両左側が「助手席側」に相当し、車両右側が「運転席側」に相当する。
20 助手席エアバッグ装置
24 エアバッグ
24A2 スリット
26 本体バッグ部
28 センタバッグ部
28A センタバッグ部の助手席側の側部
28C センタバッグ部の運転席側の側部
28H 第二ベントホール(ベントホール)
33 ベントホール可変機構
34 テザー
34A 第一取付部
34B 第二取付部
60 助手席エアバッグ装置
73 ベントホール可変機構
74 蓋材
76 テザー
76A 第一取付部
76B 第二取付部
80 助手席エアバッグ装置
93 ベントホール可変機構
94 当て布
96 第一テザー
96A 第一取付部
96B 第二取付部
98 第二テザー
98A 第一取付部
98B 第二取付部
P 助手席乗員

Claims (1)

  1. ガスの供給を受けて膨張展開されるエアバッグと、
    前記エアバッグ内のガスを外部へ排気するベントホールと、
    前記ベントホールからのガス排気量を制御するベントホール可変機構と、
    を備える助手席エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、助手席乗員の前方で膨張展開される本体バッグ部と、前記本体バッグ部に対する運転席側で膨張展開されて前記本体バッグ部よりも車両後方へ突出するセンタバッグ部と、を含んで構成されており、
    膨張展開時、前記本体バッグ部と前記センタバッグ部との間には、車両後方側に開口するスリットが形成され、
    前記ベントホールは、前記センタバッグ部の運転席側の側部に形成されており、
    前記ベントホール可変機構は、
    前記センタバッグ部の運転席側の側部と前記センタバッグ部の助手席側の側部とを、又は、前記センタバッグ部の運転席側の側部と前記本体バッグ部とを連結しており、オブリーク拘束時の前記ベントホールからのガス排気量を正突拘束時よりも絞るように構成されている、
    助手席エアバッグ装置。
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