JP6699498B2 - 車両用カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用カーテンエアバッグ装置に関する。
下記特許文献1に記載された乗員用頭部保護エアバッグ装置では、カーテンエアバッグが有する後席用膨張部(後席チャンバ)の後端下部が、リヤ側ストラップを介してクォータピラー(Cピラー)と連結されている。このリヤ側ストラップは、通常時にはクォータピラーガーニッシュ(Cピラーガーニッシュ)の車室外側に収納されており、カーテンエアバッグが膨張展開する際にCピラーガーニッシュの車室内側へ引き出されて伸張される。これにより、カーテンエアバッグの後部の下部側に略ベルトラインに沿ってテンションラインを形成するようにしている。
国際公開第2010/089847号
ところで、車両の側面衝突時に後席乗員の頭部が後席チャンバに突入すると、後席チャンバが車両幅方向外側へスウィングし、頭部が車両前後方向視で回転する場合がある。このような頭部の回転は、頭部回転障害(Brain Rotational Injury Criterion;所謂BrIC)の原因となる。この点、上記構成のカーテンエアバッグのように、後席チャンバの後端下部とCピラーとがリヤ側ストラップを介して連結されている場合、後席チャンバの車両幅方向外側へのスウィングが抑制される。
しかしながら、上記のようなリヤ側ストラップを適用する場合、カーテンエアバッグの膨張展開時にCピラーガーニッシュからリヤ側ストラップを引き出すための設計的な配慮が必要となり、Cピラーガーニッシュ周辺の意匠が制約される。また、Cピラーガーニッシュの割れや飛散を防止するための対策も必要となる。このため、リヤ側ストラップの配設領域が限定されることとなり、リヤ側ストラップの適用が困難な場合がある。
また、後席チャンバは、車両幅方向の膨張幅が最大となる箇所よりも車両後方側において、車両幅方向中央側の面が車両後方側へ向かうほど車両幅方向外側へ向かうように湾曲する。このため、後席乗員の頭部が後席チャンバと当接する箇所によっては、後席チャンバからリバウンドする頭部のリバウンド方向が車両幅方向に対して車両後方側へ傾く。その結果、リバウンドした頭部が後席のシートバックやヘッドレストと接触し易くなる。この接触の際には、頭部がシートバックやヘッドレストから摩擦力を受けて首部の軸線回りに回転するため、頭部回転障害の原因となる。
本発明は上記事実を考慮し、側面衝突時における後席乗員の頭部回転障害を防止又は効果的に抑制できる車両用カーテンエアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、車室側部の上端部に折畳み状態で収納され、ガス供給を受けて車両下方側へ膨張展開すると共に、後席乗員の頭部を側面衝突に対して保護する後席チャンバを備えたカーテンエアバッグを有し、前記後席チャンバは、前部がルーフサイドレールに固定される一方、後部がルーフサイドレールよりも車両幅方向中央側でリヤヘッダに固定されており、前記カーテンエアバッグの膨張展開完了状態では、前記後席チャンバの前記後部が前記後席チャンバの前記前部に対して車両幅方向中央側へ曲がり、後席のヘッドレストと前記後部とが平面視で車両幅方向に並ぶ
請求項1に記載の発明では、車室側部の上端部に折畳み状態で収納されたカーテンエアバッグは、例えば車両の側面衝突が検知又は予知された場合にガス供給を受けて膨張展開する。このカーテンエアバッグは、後席乗員の頭部(以下、単に「頭部」と称する場合がある)を側面衝突に対して保護する後席チャンバを有している。この後席チャンバは、前部がルーフサイドレールに固定される一方、後部がルーフサイドレールよりも車両幅方向中央側でリヤヘッダに固定されている。
このため、後席チャンバは、後部側が前部側に対して車両幅方向中央側へ曲がった(傾いた)形状に膨張展開する。これにより、側面衝突の衝撃によって後席チャンバに突入する頭部のリバウンド方向が車両幅方向に対して車両前方側に傾斜し易くなるので、リバウンドした頭部が後席のシートバックやヘッドレストと接触し難くなる。したがって、当該接触に伴って頭部が首部の軸線回りに回転することを防止又は抑制できる。しかも、後席チャンバの後部がルーフサイドレールよりも車両幅方向中央側でリヤヘッダに固定されているため、後席チャンバに頭部が突入した際の後席チャンバの車両幅方向外側へのスウィングが抑制される。これにより、頭部が車両前後方向視で回転することを防止又は抑制できる。以上のことから、本発明によれば、側面衝突時における後席乗員の頭部回転障害を防止又は効果的に抑制できる。
請求項2に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1において、折畳み状態の前記後席チャンバは、後部側が前部側に対して車両幅方向中央側へ曲げられている。
請求項2に記載の発明では、折畳み状態の後席チャンバは、リヤヘッダに固定された後部側が、ルーフサイドレールに固定された前部側に対して車両幅方向中央側へ曲げられている。これにより、後席チャンバの後部側が前部側に対して曲がった(傾いた)形状に膨張展開し易くなる。
請求項3に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、膨張展開完了状態の前記後席チャンバには、前記頭部に対して車両幅方向に対向する箇所に、平面視で車両幅方向外側へ凹んだ谷間部が形成される。
請求項3に記載の発明では、膨張展開完了状態の後席チャンバに突入する頭部を、後席チャンバにおける上記谷間部を介した前後両側の部位と接触させることができる。これにより、後席チャンバに上記谷間部が形成されない場合と比較して、後席チャンバと頭部との接触面積を拡大させることができるので、エネルギ吸収効率を高めることができる。しかも、上記の谷間部が後席チャンバに形成されることにより、後席チャンバの容量を削減することが可能になる。
請求項4に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項2において、膨張展開完了状態の前記後席チャンバにおける車両前後方向中間部には、車両上下方向に沿って長尺な非膨張部が設定されている。
請求項4に記載の発明では、後席チャンバに上記の非膨張部が設定されているため、膨張展開完了状態の後席チャンバを非膨張部の位置で設定通りに折れ曲がらせることができる。また、膨張展開完了状態の後席チャンバに対する上記非膨張部の車両前後方向の位置を調整(変更)することにより、後席チャンバが膨張展開完了状態で折れ曲がる位置を車両前後方向に調整(変更)することができる。これにより、MDB側面衝突やポール側面衝突など、側面衝突の形態の違いに応じて変化する後席チャンバへの頭部の突入方向に関わらず、後席チャンバからの頭部のリバウンド方向が同等の方向となるように調整し易くなる。
請求項5に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、前記後席チャンバの上下方向中間部には、膨張展開完了状態で車両前後方向に沿って長尺な非膨張部が設定されている。
請求項5に記載の発明によれば、後席チャンバの膨張展開時には、後席チャンバにおける上記非膨張部を介した上下両側の部位が車両前後方向に沿って長尺に膨張しようとする。その結果、膨張展開完了状態の後席チャンバが、車両前後方向中間部で折れ曲がり難くなり、車両後方側へ向かうほど車両幅方向中央側へ向かうように湾曲し易くなる。これにより、MDB側面衝突やポール側面衝突など、側面衝突の形態の違いに応じて変化する後席チャンバへの頭部の突入方向に関わらず、後席チャンバからの頭部のリバウンド方向が同等の方向となるように調整し易くなる。
請求項6に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項2又は請求項2を引用する請求項3〜請求項5の何れか1項において、前記折畳み状態のカーテンエアバッグは、前記後席チャンバの前部側に対する後部側の曲げ角度が鈍角に設定されている。
請求項6に記載の発明では、例えば上記の曲げ角度が直角に設定されている場合と比較して、折畳み状態の後席チャンバにおける前部側と後部側との間でガスが円滑に流れ易くなる。これにより、折畳み状態の後席チャンバが曲げられていることによって後席チャンバの膨張展開速度が遅くなることを防止又は抑制できる。
請求項7に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項において、前記カーテンエアバッグは、Bピラーよりも車両後方側に位置するガス導入通路を有し、当該ガス導入通路に接続されたインフレータからガス供給を受けて膨張展開する。
請求項7に記載の発明では、カーテンエアバッグにおいてインフレータと接続されたガス導入通路がBピラーよりも車両後方側(後席側)に位置しているので、後席チャンバ側に早期にガスを供給することができる。これにより、後部がリヤヘッダ側に延長されてリヤヘッダに固定された後席チャンバの膨張展開速度が遅くなることを防止又は抑制できる。
請求項8に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、請求項1〜請求項7の何れか1項において、前記後席チャンバの前部の上縁部からは、前記ルーフサイドレールに固定された前方タブが延出されており、前記後席チャンバの後部の上縁部からは、前記リヤヘッダに固定された後方タブが延出されており、前記後方タブは、前記ルーフサイドレールへの前記前方タブの固定位置よりも車両上方側で前記リヤヘッダに固定されると共に、前記前方タブよりも車両上下方向の寸法が長く設定されている。
請求項8に記載の発明では、後席チャンバの前部の上縁部からは、ルーフサイドレールに固定された前方タブが延出されており、後席チャンバの後部の上縁部からは、リヤヘッダに固定された後方タブが延出されている。後方タブのリヤヘッダへの固定位置は、ルーフサイドレールへの前方タブの固定位置よりも車両上方側に設定されているが、後方タブは前方タブよりも車両上下方向の寸法が長く設定されている。これにより、後席チャンバが膨張展開した際に、後席チャンバの後部側が前部側に対して車両上方側へ持ち上がってしまうことを防止又は抑制できる。
以上説明したように、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置では、側面衝突時における後席乗員の頭部回転障害を防止又は効果的に抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置が適用された自動車の車室後部を示す斜視図であり、カーテンエアバッグの膨張展開完了状態を示す図である。 カーテンエアバッグの折畳み状態(収納状態)を示す図1に対応した斜視図である。 図1に示される構成の一部を車両右方側から見た側面図である。 図1に示される構成の一部を車両前方側から見た部分断面図である。 図2に示される構成の一部を車両上方側から見た平面図である。 カーテンエアバッグの膨張展開完了状態を示す図5の一部に対応した平面図であり、後席乗員の頭部が後席チャンバからリバウンドする方向について説明するための図である。 第1実施形態におけるカーテンエアバッグの折畳み状態を示す平面図である。 第1実施形態におけるカーテンエアバッグの膨張展開完了状態を示す図7Aに対応した平面図であり、後席乗員の頭部が後席チャンバからリバウンドする方向について説明するための図である。 第1実施形態において後席乗員の頭部が後席チャンバからリバウンドした状態を示す図7A及び図7Bと対応した平面図である。 図7Aに示される構成の一部を車両前方側から見た部分断面図である。 図7Bに示される構成の一部を車両前方側から見た部分断面図である。 図7Cに示される構成の一部を車両前方側から見た部分断面図である。 比較例におけるカーテンエアバッグの折畳み状態を示す平面図である。 比較例におけるカーテンエアバッグの膨張展開完了状態を示す図9Aに対応した平面図であり、後席乗員の頭部が後席チャンバからリバウンドする方向について説明するための図である。 比較例において後席乗員の頭部が後席のシートバックと接触した状態を示す図9A及び図9Bと対応した平面図である。 図9Aに示される構成の一部を車両前方側から見た部分断面図である。 図9Bに示される構成の一部を車両前方側から見た部分断面図である。 図9Cに示される構成の一部を車両前方側から見た部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置におけるカーテンエアバッグの膨張展開状態を示す図3の一部に対応した側面図である。 第2実施形態に係るカーテンエアバッグの折畳み状態を車両上方側から見た平面図である。 第2実施形態に係るカーテンエアバッグの変形例を示す図11Aに対応した側面図である。 図12Aに示されるカーテンエアバッグを車両上方側から見た平面図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置におけるカーテンエアバッグの膨張展開状態を示す図3の一部に対応した側面図である。 図13Aに示されるカーテンエアバッグを車両上方側から見た平面図である。 後席チャンバとルーフヘッドライニングとのラップ量が大きい場合について説明するための図3の一部に対応した側面図である。 後席チャンバの収納状態を車両幅方向中央側から見た断面図である。 後席チャンバの膨張展開初期の状態を示す図14Bに対応した断面図である。 14Cに示される状態よりも後席チャンバの膨張展開が進行した状態を示す図14B及び図14Cに対応した断面図である。 折畳み状態のカーテンエアバッグにおいて、後席チャンバの前部側に対する後部側の曲げ角度が鈍角に設定された例を示す図5の一部に対応した平面図である。
<第1の実施形態>
以下、図1〜図8Cを用いて本発明の第1実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10について説明する。なお、各図においては、図面を見易くする関係から、一部の符号を省略している場合がある。また、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、それぞれ車両用カーテンエアバッグ装置10が適用された自動車(車両)12の前方向(進行方向)、上方向、及び車両幅方向外側を示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(車両用カーテンエアバッグ装置10の全体構成)
図1〜図8Cに示されるように、本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10は、セダンタイプの自動車12に搭載されており、カーテンエアバッグ30と、インフレータ50と、制御装置52とを備えている。なお、図1、図2、図6〜図8Cでは、実際の乗員の代わりに衝突試験用のダミーPが自動車12の後席14に着座している。このダミーPは、例えば国際統一側面衝突ダミー(World Side Impact Dummy:WorldSID)のAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)である。このダミーPは、側面衝突試験法に規定される着座方法で後席14に着座している。この後席14は、シートバック14H及びヘッドレスト14Hを備えている。また、上記のダミーPは、後席14に設けられた図示しない3点式シートベルト装置のシートベルトを装着している。以下、このダミーPを「後席乗員P」と称する。
図2及び図5に示されるように、カーテンエアバッグ30は、車両上下方向に折畳まれて長尺状にされた上で、車室側部の上端部であるルーフサイド部22にインフレータ50と共に収納される。このカーテンエアバッグ30の折畳み方は、例えばロール折り及び蛇腹折りの少なくとも一方を含む所定の折畳み方とされている。このカーテンエアバッグ30の収納状態では、カーテンエアバッグ30が図示しないAピラー側からルーフサイド部22に亘ってCピラー26側まで延在し、カーテンエアバッグ30及びインフレータ50が図示しないルーフヘッドライニングによって車室内側から覆われる構成になっている。このカーテンエアバッグ30については、後で詳述する。
インフレータ50は、カーテンエアバッグ30内にガスを供給するためのガス発生装置であり、Bピラー18よりも車両後方側でルーフサイド部22に配設され、図示しないブラケットを介してルーフサイドレール24に固定されている。このインフレータ50のガス噴出部は、カーテンエアバッグ30の長手方向中間部に設けられたガス導入通路38に接続されている。このインフレータ50が作動されると、上記のガス噴出部から噴出するガスがカーテンエアバッグ30の内部に供給されるようになっている。これにより、カーテンエアバッグ30がルーフヘッドライニングの端末部を車両下方側へ撓ませつつ車両下方側へカーテン状に膨張展開し、車室側部に設けられたフロントサイドガラス16、Bピラー18、リヤサイドガラス20及びCピラー26を車室内側から覆う構成になっている。
なお、図1〜図8Cでは、自動車12の車室後部における左側部分を図示しているが、上記のカーテンエアバッグ30及びインフレータ50は、自動車12の左右両側にそれぞれ設けられている。つまり、車両用カーテンエアバッグ装置10は、左右一対のカーテンエアバッグ30及び左右一対のインフレータ50を含んで構成されている。左右のインフレータ50は、図3に示されるECU(Electronic Control Unit)54と電気的に接続されている。このECU54には、側突センサ56、ロールオーバーセンサ58及び斜突センサ60が電気的に接続されている。これらのECU54、側突センサ56、ロールオーバーセンサ58及び斜突センサ60(何れも図3以外では図示省略)は、制御装置52を構成している。
側突センサ56は、自動車12の側面衝突を検出又は予測してECU54に側突信号を出力するように構成されている。ロールオーバーセンサ58は、自動車12のロールオーバーを検出又は予測してECU54にロールオーバー信号を出力するように構成されている。また、斜突センサ60は、自動車12の斜め衝突を検出又は予測してECU54に斜突信号を出力するように構成されている。
ECU54は、側突信号又は斜突信号が入力されると、側面衝突側又は斜め衝突側(何れもニアサイド)のインフレータ50を作動させる構成になっている。これにより、ニアサイドのカーテンエアバッグ30がガス供給を受けて膨張展開されるようになっている。また、ECU54は、ロールオーバー信号が入力されると、車両幅方向両側のインフレータ50を作動させる構成になっている。なお、ECU54は、側面衝突後又は斜め衝突後にロールオーバー信号が入力されると、すでに作動されているニアサイドとは反対側(ファーサイド)のインフレータ50を作動させるようになっている。
(カーテンエアバッグ30の構成)
上述したカーテンエアバッグ30は、例えばOPWと略称されるワンピースウーブン(One Piece Woven)方式によって一体に袋織りされている。OPW方式では、ジャガード織機を用いて、二枚の布を同時に製織しながら、必要な個所を多重織りすることで、無縫製の袋体を形成する。なお、カーテンエアバッグ30の製造方法は、上記に限るものではない。例えばナイロン系又はポリエステル系の布材を切り出して形成された1枚又は複数枚の基布を袋状に縫製することによりカーテンエアバッグ30を製造してもよい。
このカーテンエアバッグ30は、前席チャンバ32と、後席チャンバ34と、前席チャンバ32と後席チャンバ34とを相互に連通させたガス分配通路36と、を備えている。前席チャンバ32は、図示しない前席乗員の頭部と車室側部(フロントサイドガラス16)との間に膨張展開し、側面衝突の際に前席乗員の頭部を保護(拘束;以下同じ)する。後席チャンバ34は、後席乗員Pの頭部Hと車室側部(リヤサイドガラス20及びCピラーガーニッシュ26A)との間に膨張展開し、側面衝突の際に後席乗員Pの頭部Hを保護する。ガス分配通路36は、カーテンエアバッグ30の上部に設けられており、前席チャンバ32の上部と後席チャンバ34の上部とを相互に連通させている。このガス分配通路36の上端部からは、前述したガス導入通路38が上方側かつ後方側へ向けて延出されている。このガス導入通路38は、Bピラー18よりも車両後方側に位置している。
上記構成のカーテンエアバッグ30は、上縁部から延出された複数のタブ40を有している。これらのタブ40には、後席チャンバ34の前部34Fの上縁部から延出された前方タブ40Fと、後席チャンバ34の後部34Rの上縁部から延出された後方タブ40Rとが含まれている。後方タブ40Rは、リヤヘッダ27に設けられた図示しないリヤエンドクロスメンバに、ボルト締結又はクリップ止め等の手段によって固定されている。また、上記複数のタブ40のうち、後方タブ40R以外のタブ40(前方タブ40Fを含む)は、上記同様の手段によってルーフサイドレール24に固定されている。
つまり、本実施形態では、カーテンエアバッグ30の後席チャンバ34は、前部34Fがルーフサイドレール24に固定される一方、後部34Rがルーフサイドレール24よりも車両幅方向中央側でリヤヘッダ27に固定されている。また、後方タブ40Rのリヤヘッダ27への固定位置は、ルーフサイドレール24への前方タブ40Fの固定位置よりも車両上方側に設定されており、後方タブ40Rは、前方タブ40Fよりも車両上下方向の寸法が長く設定されている。
このカーテンエアバッグ30の折畳み状態(収納状態)では、図2及び図5に示されるように、後席チャンバ34の後部34R側が前部34F側に対して車両幅方向中央側へ曲げられる構成になっている。つまり、折畳み状態の後席チャンバ34は、車両前後方向に沿って長尺な前後延在部34Aと、前後延在部34Aの後端から車両幅方向中央側へ延びる中央延出部34Bとを有しており、前後延在部34Aと中央延出部34Bとの間が曲げ部(屈曲部)34Cとされている。前後延在部34Aには、前部34Fの全部又は一部が含まれており、中央延出部34Bには、後部34Rの全部又は一部が含まれている。中央延出部34Bは、リヤガラス29(図1、図2及び図5参照)の上端部の車両前方近傍に配置されている。
このカーテンエアバッグ30が膨張展開完了状態では、後席チャンバ34の後部34R側が前部34F側に対して車両幅方向中央側へ折れ曲がる(傾く)構成になっている。この状態では、後席チャンバ34の前部34Fが後席乗員Pの頭部Hに対して車両幅方向外側に配置され、後席チャンバ34の後部34Rが頭部Hに対して車両後方側かつ車両幅方向外側に配置される。また、膨張展開完了状態の後席チャンバ34は、図3に示されるように、車両側面視で後部34RがCピラー26と重なる構成になっている。
また、膨張展開完了状態の後席チャンバ34には、後席乗員Pの頭部Hに対して車両幅方向に対向する箇所に、平面視で車両幅方向外側へ凹んだ谷間部(凹部)34Vが形成される構成になっている。そして、膨張展開完了状態の後席チャンバ34において、後席乗員Pの頭部Hに対して車両幅方向に対向する面は、谷間部34Vよりも車両後方側の部位が車両前方側へ向かうほど車両幅方向外側へ向かうように湾曲した湾曲面34R1(図1及び図6以外では符号省略)となるように構成されている。なお、膨張展開完了状態の後席チャンバ34の形状は、例えば通常時に空気ポンプ等によりカーテンエアバッグ30内に空気を供給してカーテンエアバッグ30を膨張させることにより確認することができる。
(作用及び効果)
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の車両用カーテンエアバッグ装置10では、側突センサ56によって自動車12の側面衝突が検出又は予測されると、ECU54によってインフレータ50が作動される。これにより、インフレータ50からのガスがガス導入通路38及びガス分配通路36を通って前席チャンバ32及び後席チャンバ34に供給される。その結果、前席チャンバ32が前席乗員の頭部とフロントサイドガラス16との間に膨張展開し、後席チャンバ34が後席乗員Pの頭部Hとリヤサイドガラス20及びCピラーガーニッシュ26Aとの間に膨張展開する。
上記の後席チャンバ34は、前部34Fがルーフサイドレール24に固定される一方、後部34Rがルーフサイドレール24よりも車両幅方向中央側でリヤヘッダ27に固定されている。このため、後席チャンバ34は、後部34R側が前部34F側に対して車両幅方向中央側へ曲がった(傾いた)形状に膨張展開する。これにより、側面衝突の衝撃によって後席チャンバ34に突入する頭部Hのリバウンド方向が車両幅方向に対して車両前方側に傾斜し易くなるので、リバウンドした頭部Hが後席14のシートバック14Bやヘッドレスト14Hと接触し難くなる。したがって、当該接触に伴って頭部Hが首部Nの軸線回りに回転することを防止又は抑制できる。
しかも、後席チャンバ34の後部34Rがルーフサイドレール24よりも車両幅方向中央側でリヤヘッダ27に固定されているので、後席チャンバ34に頭部Hが突入した際の後席チャンバ34の車両幅方向外側へのスウィングが抑制される。これにより、頭部Hが車両前後方向視で回転することを防止又は抑制できる。以上のことから、本実施形態によれば、側面衝突時における後席乗員Pの頭部回転障害を防止又は効果的に抑制できる。
上記の効果について図7A〜図10Cを用いて補足説明する。図9A〜図10Cには、比較例に係る車両用カーテンエアバッグ装置100(以下、「比較例100」と称する)が図示されている。なお、図9A〜図10Cでは、本実施形態と同様の構成に同符号を付している。この比較例100が備えるカーテンエアバッグ102では、後席チャンバ104の後部104Rが本実施形態のようにリヤヘッダ27に固定されておらず、Cピラー(図9A〜図10Cでは図示省略)に固定されている。この後席チャンバ104は、図9Cに示されるように、車両幅方向の膨張幅が最大となる箇所よりも車両後方側において、車両幅方向中央側の面104Aが車両後方側へ向かうほど車両幅方向外側へ向かうように湾曲する構成になっている。この比較例100では、上記以外の構成は本実施形態と同様とされている。
この比較例100では、側面衝突の衝撃によって車両幅方向外側へ慣性移動する後席乗員Pの頭部H(図9A及び図10Aの矢印M参照)が、膨張展開した後席チャンバ104に突入する(図9B及び図10B参照)。この際に頭部Hが後席チャンバ104と当接する箇所によっては、後席チャンバ104からリバウンドする頭部Hのリバウンド方向が車両幅方向に対して車両後方側へ傾く(図9Bの矢印RB2参照)。その結果、図9Cに示されるように、リバウンドした頭部Hがシートバック14Bと接触して摩擦力を受けることにより、頭部Hに対して首部Nの軸線回りの回転力(図9Cの矢印RO1参照)が作用する。このため、頭部回転障害(Brain Rotational Injury Criterion;所謂BrIC)が発生する可能性がある。
また、この比較例100では、頭部Hが後席チャンバ104に突入した際に、後席チャンバ104が車両幅方向外側へスウィングする(図10Bの矢印SW参照)。その結果、図10Bに矢印RO2で示されるように、頭部Hが車両前後方向視で回転する場合がある。このような頭部Hの回転は、頭部回転障害(Brain Rotational Injury Criterion;所謂BrIC)の原因となる。
さらに、この比較例100では、頭部Hが後席チャンバ104からリバウンド過程において、頭部Hとともに車両幅方向中央側へリバウンド(スウィング)する後席チャンバ104が頭部Hを車両幅方向中央側へ押し続けて加速させる場合がある。加速された頭部Hがシートバック14Bと接触すると、頭部Hに作用する回転力RO1が大きくなる。
一方、本実施形態では、比較例100と同様に、側面衝突の衝撃によって車両幅方向外側へ慣性移動する後席乗員Pの頭部H(図7A及び図8Aの矢印M参照)が、膨張展開した後席チャンバ34に突入する(図7B及び図8B参照)。後席チャンバ34に突入した頭部Hが、後席チャンバ34の後部34R側から車両前方側への反発力を受けることにより、頭部Hのリバウンド方向が車両幅方向中央側かつ車両前方側を向き易くなる(図7B及び図7Cの矢印RB1参照)。これにより、図7Cに示されるように、リバウンドした頭部Hが後席14のシートバック14Bやヘッドレスト14Hと接触し難くなる。
また、本実施形態では、頭部Hが後席チャンバ34に突入した際に、後席チャンバ34が車両幅方向外側へスウィングしようとするが、この際には、後方タブ40Rを介してリヤヘッダ27に固定された後席チャンバ34の後部34Rがリヤヘッダ27から車両上方側への反力F(引張り力;図8B参照)を受ける。これにより、後席チャンバ34の車両幅方向外側へのスウィングが抑制されるので、当該スウィングに起因する頭部Hの回転を防止又は抑制することができる。
さらに、本実施形態では、後席チャンバ34が頭部Hとともに車両幅方向中央側へリバウンド(スウィング)した際には、後席チャンバ34の後部34Rがリヤヘッダ27と当たることにより、後席チャンバ34の車両幅方向中央側へのスウィングが抑制(規制)される。これにより、頭部Hが後席チャンバ34に押されて加速することを防止又は抑制できる。
なお、背景技術の欄で説明した乗員用頭部保護エアバッグ装置では、後席チャンバの後端下部とCピラーとがリヤ側ストラップを介して連結されている。このリヤ側ストラップによって後席チャンバの車両幅方向中央側へのスウィングが抑制されるので、上記比較例100のような頭部Hの加速を防止又は抑制できる。しかしながら、上記のようなリヤ側ストラップを適用する場合、カーテンエアバッグの膨張展開時にCピラーガーニッシュからリヤ側ストラップを引き出すための設計的な配慮が必要となり、Cピラーガーニッシュ周辺の意匠が制約される。また、Cピラーガーニッシュの割れや飛散を防止するための対策も必要となる。このため、リヤ側ストラップの配設領域が限定されることとなり、リヤ側ストラップの適用が困難な場合がある。この点、本実施形態では、リヤ側ストラップを用いずに上記のスウィングを規制(抑制)することができる。その結果、Cピラーガーニッシュからリヤ側ストラップを引き出すための設計的な配慮を不要としつつ、後席チャンバ34が後席乗員Pの頭部Hを車両幅方向中央側へ押し続けて加速させることを防止又は抑制できる。
また、本実施形態では、折畳み状態の後席チャンバ34は、リヤヘッダ27に固定された後部34R側が、ルーフサイドレール24に固定された前部34F側に対して車両幅方向中央側へ曲げられている。これにより、後席チャンバ34の後部34R側が前部34F側に対して曲がった(傾いた)形状に膨張展開し易くなる。
また、本実施形態では、膨張展開完了状態の後席チャンバ34には、頭部Hに対して車両幅方向に対向する箇所に、平面視で車両幅方向外側へ凹んだ谷間部34Vが形成される。このため、膨張展開完了状態の後席チャンバ34に突入する頭部Hを、後席チャンバ34における谷間部34Vを介した前後両側の部位と接触させることができる。これにより、後席チャンバ34に谷間部34Vが形成されない場合(図9B及び図9C参照)と比較して、後席チャンバ34と頭部Hとの接触面積を拡大させることができるので、エネルギ吸収効率を高めることができる。しかも、後席チャンバ34に谷間部34Vが形成されることにより、後席チャンバ34の容量を削減することが可能になる。
また、本実施形態では、カーテンエアバッグ30においてインフレータ50と接続されたガス導入通路38がBピラー18よりも車両後方側(後席側)に位置しているので、後席チャンバ34側に早期にガスを供給することができる。これにより、後部34Rが車両幅方向中央側へ延長された後席チャンバ34の膨張展開速度が遅くなることを防止又は抑制できる。
さらに、本実施形態では、後席チャンバ34の前部34Fの上縁部からは、ルーフサイドレール24に固定された前方タブ40Fが延出されており、後席チャンバ34の後部34Rの上縁部からは、リヤヘッダ27に固定された後方タブ40Rが延出されている。後方タブ40Rのリヤヘッダ27への固定位置は、ルーフサイドレール24への前方タブ40Fの固定位置よりも車両上方側に設定されているが、後方タブ40Rは前方タブ40Fよりも車両上下方向の寸法が長く設定されている。これにより、後席チャンバ34が膨張展開した際に、後席チャンバ34の後部34R側が前部34F側に対して車両上方側へ持ち上がってしまうことを防止又は抑制できる。換言すれば、後席チャンバ34の後部34R側が上記のように持ち上がってしまうことに起因して、膨張展開完了状態における後席チャンバ34の後部34R側を車両下方側に拡大する必要がなくなるので、後席チャンバ34すなわちカーテンエアバッグ30が大型化(大容量化)することを抑制できる。
また、本実施形態では、折畳み状態のカーテンエアバッグ30の後端部(後席チャンバ34の後部34R側)がCピラーガーニッシュ26Aによって覆われないため、後席チャンバ34が膨張展開時にCピラーガーニッシュ26Aに引っ掛かることを防止できる。また、カーテンエアバッグ30の後端部がCピラーガーニッシュ26Aによって覆われる構成と比較して、カーテンエアバッグ30の後端部を延長することが容易である。さらに、後席チャンバ34は、後部34R側が前部34F側に対して車両幅方向中央側へ曲がった形状に膨張展開する。この形状を調整することにより、後席チャンバ34が膨張展開時に車両の内装品(シートバック、トリム等)と引っ掛かり難くすることができる。
また、本実施形態では、膨張展開完了状態の後席チャンバ34の後部34Rが、側面視でCピラー26と重なる構成になっている。このため、後部34RがCピラー26と当たることにより、後席チャンバ34の車両幅方向外側への変位が規制される。これにより、ロールオーバー試験(FMVSS226規格)における、後席乗員Pの車外放出抑制性能を向上させることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、前記第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図11Aには、本発明の第2実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置70におけるカーテンエアバッグ30の膨張展開状態が図3の一部に対応した側面図にて示されている。また、図11Bには、第2実施形態に係るカーテンエアバッグの折畳み状態が車両上方側から見た平面図にて示されている。この実施形態では、膨張展開完了状態の後席チャンバ34における車両前後方向中間部には、車両上下方向に沿って長尺な非膨張部72が設定されている。この非膨張部72は、例えばカーテンエアバッグ30の基布を縫製したシームによって構成されている。この非膨張部72は、図11Bに示されるように、カーテンエアバッグ30の折畳み状態において、後席チャンバ34の曲げ部34Cに位置するように設定されている。この実施形態では、上記以外の構成は第1実施形態と同様とされている。
この実施形態においても、第1実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。また、この実施形態では、後席チャンバ34に上記の非膨張部72が設定されているため、膨張展開完了状態の後席チャンバ34を非膨張部72の位置(図11Aの仮想線L参照)で設定通りに折れ曲がらせることができる。さらに、図12A及び図12Bに示されるように、膨張展開完了状態の後席チャンバ34に対する非膨張部72の車両前後方向の位置を調整(変更)することにより、後席チャンバ34が膨張展開完了状態で折れ曲がる位置を車両前後方向に調整(変更)することができる(図12A及び図12Bの仮想線L1〜L3参照)。これにより、MDB側面衝突やポール側面衝突など、側面衝突の形態の違いに応じて変化する後席チャンバ34への頭部Hの突入方向に関わらず、後席チャンバ34からの頭部Hのリバウンド方向が同等の方向となるように調整し易くなる。
<第3の実施形態>
図13Aには、本発明の第3実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置80におけるカーテンエアバッグ30の膨張展開状態が図3の一部に対応した側面図にて示されている。また、図13Bには、図13Aに示されるカーテンエアバッグ30が車両上方側から見た平面図にて示されている。この実施形態では、膨張展開完了状態の後席チャンバ34における車両上下方向中間部には、車両前後方向に延びる非膨張部82が設定されている。この非膨張部82は、例えばカーテンエアバッグ30の基布を縫製したシームによって構成されており、後席チャンバ34を上側の部位34Uと下側の部位34Lとに区画している。この実施形態では、上記以外の構成は第1実施形態と同様とされている。
この実施形態においても、第1実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。また、この実施形態では、後席チャンバ34の膨張展開時には、後席チャンバ34における非膨張部82を介した上下両側の部位34U、34Lが車両前後方向へ延びるように膨張しようとする。その結果、膨張展開完了状態の後席チャンバ34が、車両前後方向中間部で折れ曲がり難くなり、車両後方側へ向かうほど車両幅方向中央側へ向かうように湾曲し易くなる。これにより、MDB側面衝突やポール側面衝突など、側面衝突の形態の違いに応じて変化する後席チャンバ34への頭部Hの突入方向に関わらず、後席チャンバ34からの頭部Hのリバウンド方向が同等の方向となるように調整し易くなる。
<実施形態の補足説明>
なお、上記の第2及び第3実施形態では、後席チャンバ34に非膨張部72、82が設定された場合の効果について説明したが、非膨張部72、82を設定しない方が好ましい場合がある。すなわち、折畳み状態の後席チャンバ34における中央延出部34B(図5参照)が、車両平面視でルーフヘッドライニングに対して大きくラップする場合、後席チャンバ34に非膨張部72、82を設定しない方が好ましい。具体的には、例えば14Aに示されるカーテンエアバッグ30において、ハッチングを付した部位が当該カーテンエアバッグ30の折畳み状態でルーフヘッドライニングと車両平面視でラップする場合、当該部位には非膨張部を設定しないことが好ましい(図14Aに二点鎖線で示される非膨張部72参照)。つまり、後席チャンバ34は、図14B〜図14Dに示されるように、ルーフヘッドライニング28の車両後方側の端末部を車両下方側へ撓ませつつ車両下方側へ膨張展開するため、非膨張部によって後席チャンバ34の膨張を抑制しない方が後席チャンバ34の膨張展開性能が向上する。
また、上記各実施形態では、折畳み状態のカーテンエアバッグ30は、後席チャンバ34の前部34F側に対する後部34R側の曲げ角度が直角又は略直角に設定された構成にしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、図15に示される変形例のように、収納状態のカーテンエアバッグ30において、後席チャンバ34の前部34F側に対する後部34R側の曲げ角度θが鈍角に設定された構成にしてもよい。これにより、曲げ角度θが直角又は略直角に設定されている場合と比較して、折畳み状態の後席チャンバ34における前部34F側と後部34R側との間でガスが円滑に流れ易くなる。これにより、折畳み状態の後席チャンバ34が曲げられていることによって後席チャンバ34の膨張展開速度が遅くなることを防止又は抑制できる。
また、上記各実施形態では、後方タブ40Rは、前方タブ40Fよりも車両上下方向の寸法が長く設定された構成にしたが、本発明はこれに限らず、後方タブ40Rと前方タブ40Fとの車両上下方向の寸法が同等に設定された構成にしてもてよい。
また、上記各実施形態では、カーテンエアバッグ30のガス導入通路38がBピラー18よりも車両後方側に配置された構成にしたが、本発明はこれに限らず、ガス導入通路38がBピラー18の車両上方側又は車両前方側に配置された構成にしてもよい。
また、前記各実施形態では、車両用カーテンエアバッグ装置10、70、80、90がセダンタイプの自動車12(車両)に適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置はハッチバックタイプの車両や、3列シートの車両に対しても適用可能である。その場合、最も車両後方側の座席が本発明に係る後席となる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両用カーテンエアバッグ装置
14 後席
22 ルーフサイド部(車室側部の上端部)
24 ルーフサイドレール
27 リヤヘッダ
30 カーテンエアバッグ
34 後席チャンバ
34F 前部
34R 後部
34V 谷間部
38 ガス導入通路
40F 前方タブ
40R 後方タブ
50 インフレータ
70 車両用カーテンエアバッグ装置
72 非膨張部
80 車両用カーテンエアバッグ装置
82 非膨張部
P 後席乗員
H 頭部

Claims (8)

  1. 車室側部の上端部に折畳み状態で収納され、ガス供給を受けて車両下方側へ膨張展開すると共に、後席乗員の頭部を側面衝突に対して保護する後席チャンバを備えたカーテンエアバッグを有し、
    前記後席チャンバは、前部がルーフサイドレールに固定される一方、後部がルーフサイドレールよりも車両幅方向中央側でリヤヘッダに固定されており、
    前記カーテンエアバッグの膨張展開完了状態では、前記後席チャンバの前記後部が前記後席チャンバの前記前部に対して車両幅方向中央側へ曲がり、後席のヘッドレストと前記後部とが平面視で車両幅方向に並ぶ車両用カーテンエアバッグ装置。
  2. 折畳み状態の前記後席チャンバは、後部側が前部側に対して車両幅方向中央側へ曲げられている請求項1に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  3. 膨張展開完了状態の前記後席チャンバには、前記頭部に対して車両幅方向に対向する箇所に、平面視で車両幅方向外側へ凹んだ谷間部が形成される請求項1又は請求項2に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  4. 膨張展開完了状態の前記後席チャンバにおける車両前後方向中間部には、車両上下方向に沿って長尺な非膨張部が設定されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  5. 膨張展開完了状態の前記後席チャンバにおける車両上下方向中間部には、車両前後方向に沿って長尺な非膨張部が設定されている請求項1又は請求項2に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  6. 前記折畳み状態のカーテンエアバッグは、前記後席チャンバの前部側に対する後部側の曲げ角度が鈍角に設定されている請求項2又は請求項2を引用する請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  7. 前記カーテンエアバッグは、Bピラーよりも車両後方側に位置するガス導入通路を有し、当該ガス導入通路に接続されたインフレータからガス供給を受けて膨張展開する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
  8. 前記後席チャンバの前部の上縁部からは、前記ルーフサイドレールに固定された前方タブが延出されており、
    前記後席チャンバの後部の上縁部からは、前記リヤヘッダに固定された後方タブが延出されており、
    前記後方タブは、前記ルーフサイドレールへの前記前方タブの固定位置よりも車両上方側で前記リヤヘッダに固定されると共に、前記前方タブよりも車両上下方向の寸法が長く設定されている請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の車両用カーテンエアバッグ装置。
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