JP2018024213A - フィルム、積層フィルム及び積層フィルムからなる包装体 - Google Patents

フィルム、積層フィルム及び積層フィルムからなる包装体 Download PDF

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【課題】フィルムにシワが生じることを抑制する。【解決手段】フィルムは、第1面及び第2面を含む樹脂層と、樹脂層の第2面上に設けられた蒸着層と、を備える。樹脂層は、第1面を構成する第1の層と、第1の層の密度よりも高い密度を有し、且つ、0.934g/cm3以上の密度を有する少なくとも1つの硬質層と、を含む。硬質層の厚みの合計は、樹脂層の全体の厚みの60%以上である。【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂層と、樹脂層上に設けられた蒸着層と、を備えるフィルムに関する。また、本発明は、上記フィルムを備える積層フィルム、及び、積層フィルムからなる包装体に関する。
従来、パウチなどの包装体を構成する部材として、複数のフィルムが積層された積層フィルムが用いられている。積層フィルムは、例えば、外面側から内面側へ、第1の基材層/印刷層/接着剤層/蒸着層/第2の基材層/接着剤層/シーラント層、という順で積層された複数の層を含む。なお、「/」は層と層の境界を表している。印刷層は、包装体の絵柄、表示などを構成する層である。印刷層は、印刷層が剥がれたり滲んだりしてしまうことを抑制するため、第1の基材層の、内面側の面に設けられる。蒸着層は、積層フィルムのガスバリア性などを高めるための層であり、アルミニウムなどの無機物を含む。蒸着層は、第2の基材層の面上に無機物を蒸着させることにより形成される。
上記の積層フィルムは、第1の基材層及び印刷層を含む第1のフィルムと、第2の基材層及び蒸着層を含む第2のフィルムと、シーラント層を含む第3のフィルムとを、接着剤層を介して積層することにより、製造される。
また、例えば特許文献1は、シーラント層の面上にアルミニウムを蒸着させて蒸着層を形成することを提案している。
特開2001−179878号公報
本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、シーラント層を構成するフィルムに蒸着層を設ける場合、フィルムにシワが発生しやすいことを見出した。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、シワの発生を抑制することができるフィルム及び積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、第1面及び第2面を含む樹脂層と、前記樹脂層の前記第2面上に設けられた蒸着層と、を備え、前記樹脂層は、前記第1面を構成する第1の層と、前記第1の層の密度よりも高い密度を有し、且つ、0.934g/cm以上の密度を有する少なくとも1つの硬質層と、を含み、前記硬質層の厚みの合計が、前記樹脂層の全体の厚みの60%以上である、フィルムである。
本発明によるフィルムにおいて、前記少なくとも1つの硬質層の密度は、0.941g/cm以上であってもよい。
本発明によるフィルムにおいて、前記第1の層の密度は、0.925g/cm以下であってもよい。
本発明によるフィルムにおいて、好ましくは、前記樹脂層は、ポリエチレン、又はエチレンとα−オレフィンとの共重合体を含み、且つ、滑剤を含まない。
本発明は、第1面及び第2面を含む樹脂層と、前記樹脂層の前記第2面上に設けられた蒸着層と、接着剤層を介して前記蒸着層に積層された基材層と、を備え、前記樹脂層は、前記第1面を構成する第1の層と、前記第1の層の密度よりも高い密度を有し、且つ、0.934g/cm以上の密度を有する少なくとも1つの硬質層と、を含み、前記硬質層の厚みの合計が、前記樹脂層の全体の厚みの60%以上である、積層フィルムである。
本発明による積層フィルムにおいて、前記接着剤層は、エーテル系の接着剤を含んでいてもよい。
本発明は、上記記載の積層フィルムを含む、包装体である。
本発明によれば、フィルム及び積層フィルムにおけるシワの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態における袋を示す正面図である。 図1に示す袋をII−II線に沿って見た場合を示す断面図である。 袋を構成する積層フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 積層フィルムの第1フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 積層フィルムの第1フィルムの層構成のその他の例を示す断面図である。 第1フィルムの製造工程の一例を示す図である。 積層フィルムの製造工程の一例を示す図である。 上部が封止された状態の袋を示す正面図である。 袋の一変形例を示す正面図である。
図1乃至図8を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(袋)
図1は、本実施の形態における包装体10を表面側から見た場合を示す正面図である。また、図2は、図1に示す包装体をII−II線に沿って見た場合を示す断面図である。本実施の形態においては、包装体10が四方シール袋である例について説明する。なお、本明細書において、「包装体」とは、内容物が収容され封止された後の状態の包装体だけでなく、内容物が収容されておらず且つ封止されていない状態(内容物が充填される前の状態)の包装体をも含む概念である。図1においては、内容物が充填される前の状態の包装体10が示されている。また、後述する図8においては、内容物が収容され封止された後の状態の包装体10が示されている。
包装体10に収容される内容物は、特には限定されない。後述するように、本実施の形態によれば、包装体10を構成する積層フィルムにおけるラミネート強度を高めることができる。このため、重量の大きな内容物、例えば100g以上、好ましくは200g以上、さらに好ましくは300g以上の内容物を包装体10に収容することができる。
以下、包装体10の構成について説明する。包装体10は、上部11、下部12及び側部13を含み、矩形状の輪郭を有する。なお、「上部」、「下部」及び「側部」などの名称、並びに、「上方」、「下方」などの用語は、図1において符号11で示す部位が紙面において上方に位置する状態を基準として包装体10の各構成要素の位置や方向を表したものに過ぎない。包装体10の使用時の姿勢などは、本明細書における名称や用語によっては限定されない。
図1及び図2に示すように、包装体10は、包装体10の表面15を構成する積層フィルム20と、包装体10の裏面16を構成する積層フィルム20と、を備える。表面15の積層フィルム20と裏面16の積層フィルム20とは、内面同士が下部シール部12aなどのシール部によって接合されている。
シール部とは、表面15の積層フィルム20の内面20xと裏面16の積層フィルム20の内面20xとが接合されている部分である。図1などの包装体10の平面図においは、シール部にハッチングが施されている。
図1に示すように、シール部は、包装体10の外縁に沿って延びる外縁シール部を有する。外縁シール部は、下部12に沿って延びる下部シール部12a、及び、一対の側部13に沿って延びる一対の側部シール部13aを含む。なお、内容物が充填される前の状態の包装体10においては、図1に示すように、包装体10の上部11は開口部11bになっている。包装体10に内容物を収容した後、表面15の積層フィルム20の内面20xと裏面16の積層フィルム20の内面20xとを上部11において接合することにより、上部シール部11aが形成されて包装体10が封止される。
対向する積層フィルム20同士を接合して包装体10を封止することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによって積層フィルム20の内面を溶融させ、内面同士を溶着させることによって、シール部を形成してもよい。若しくは、接着剤などを用いて対向する積層フィルム20の内面20x同士を接着することによって、シール部を形成してもよい。
(積層フィルムの層構成)
次に、積層フィルム20の層構成について説明する。図3は、積層フィルム20の層構成の一例を示す断面図である。
図3に示すように、積層フィルム20は、第1フィルム30と、接着剤層50を介して第1フィルム30に積層された第2フィルム40と、を備える。第1フィルム30は、内面20x側に位置しており、第2フィルム40は、内面20xの反対側の外面20y側に位置している。以下、第1フィルム30、第2フィルム40及び接着剤層50についてそれぞれ詳細に説明する。
(第1フィルム)
図4は、第1フィルム30の層構成の一例を示す断面図である。第1フィルム30は、樹脂層31と、樹脂層31上に設けられた蒸着層32と、を備える。樹脂層31は、積層フィルム20の内面20xに対応する内面30x側に位置しており、蒸着層32は、内面30xの反対側の外面30y側に位置している。
〔樹脂層〕
樹脂層31は、第1フィルム30の内面30x側に位置する第1面31xと、第1面31xの反対側に位置する第2面31yと、を含む。また、樹脂層31は、第1面31x側から第2面31y側へ順に並ぶ第1の層31a、第2の層31b及び第3の層31cを含む。第1の層31aが、樹脂層31の第1面31x、すなわち積層フィルム20の内面20xを構成している。以下、このように複数の層で樹脂層31を構成することの背景について説明する。
樹脂層31上に蒸着層32を形成する工程においては、蒸着層32を構成する蒸着材料が加熱されて気化若しくは昇華して、樹脂層31の表面に付着する。この結果、樹脂層31の温度が上昇し、樹脂層31が熱膨張する。このため、例えばフィルム状の樹脂層31を搬送しながら樹脂層31上に蒸着層32を形成する場合、樹脂層31の搬送方向に直交する幅方向において、樹脂層31にシワが生じることが考えられる。なお、樹脂層31の搬送方向においては、樹脂層31に張力が加えられているのでシワが生じにくい。
樹脂層31にシワが生じることを抑制する方法として、硬質な材料を用いて樹脂層31を構成することが考えられる。例えば、シーラント層である樹脂層31を構成する材料として一般に知られているポリエチレンにおいては、密度が高いほど硬質性が向上する。従って、高い密度を有するポリエチレンを用いて樹脂層31を構成することにより、樹脂層31の熱膨張を抑制し、これにより樹脂層31にシワが生じることを抑制することができると考えられる。
一方、ポリエチレンにおいては、密度が高いほど融点が高くなり、ヒートシール性が低くなる。このため、樹脂層31を構成するポリエチレンの密度が高くなると、樹脂層31がシーラント層として機能する積層フィルム20において、ヒートシール時のシール強度が低くなると考えられる。
このような背景を考慮し、本実施の形態においては、樹脂層31が、第1面31xを構成する第1の層31aに加えて、第1の層31aの密度よりも高い密度を有する少なくとも1つの硬質層を更に含むことを提案する。図4に示す例においては、第2の層31bが、第1の層31aの密度よりも高い密度を有する硬質層である。硬質層を設けることにより、樹脂層31にシワが生じることを抑制することができる。また、積層フィルム20の内面20xを構成する第1の層31aの密度を、硬質層の密度よりも低くすることにより、積層フィルム20のヒートシール性を確保することができる。
以下、樹脂層31の各層を構成する材料について詳細に説明する。まずは、樹脂層31の各層に共通する構成について説明する。
樹脂層31の各層は、例えば、ポリエチレン、又は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を含む。例えば、樹脂層31の各層はそれぞれ、ポリエチレンによって構成されていてもよく、エチレンとα−オレフィンとの共重合体によって構成されていてもよい。または、樹脂層31は、ポリエチレンと、エチレンとα−オレフィンとの共重合体とを混合した材料によって構成されていてもよい。
ポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン(以下、LDPEとも称する)、中密度ポリエチレン(以下、MDPEとも称する)、高密度ポリエチレン(以下、HDPEとも称する)に分類される。LDPEとは、密度が0.910g/cm以上且つ0.925g/cm以下のポリエチレンである。MDPEとは、密度が0.926g/cm以上且つ0.940g/cm以下のポリエチレンである。HDPEとは、密度が0.941g/cm以上且つ0.965g/cm以下のポリエチレンである。LDPEは、例えば、1000気圧以上且つ2000気圧未満の高圧でエチレンを重合することにより得られる。MDPE及びHDPEは、例えば、1気圧以上且つ1000気圧未満の中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる。なお、MDPE及びHDPEは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を部分的に含んでいてもよい。
エチレンとα−オレフィンとの共重合体は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEとも称する)である。LLDPEは、中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる直鎖状ポリマーにα−オレフィンを共重合させて短鎖分岐を導入することによって得られる。α−オレフィンの例としては、ブテン−1(C)、ヘキセン−1(C)、4−メチルペンテン(C)、オクテン−1(C)などを挙げることができる。LLDPEの密度は、例えば0.915g/cm以上且つ0.945g/cm以下である。
以下、樹脂層31の各層を構成する材料の例についてそれぞれ説明する。
第1の層31aは、LDPE、LLDPE、又はLDPEとLLDPEの混合樹脂からなる。第2の層31bは、HDPE、MDPE、LLDPEからなる。若しくは、第2の層31bは、MDPE、HDPE及びLLDPEのうちの少なくとも2つを組み合わせた混合樹脂からなる。好ましくは、第2の層31bはHDPEである。第3の層31cは、LDPE、LLDPE、又はLDPEとLLDPEの混合樹脂からなる。
硬質層である第2の層31bは、0.934g/cm以上の密度を有する。例えば、第2の層31bがHDPEである場合、第2の層31bの密度は0.941g/cm以上である。また、樹脂層31全体の厚みT0に対する、硬質層である第2の層31bの厚みT2の比率は、60%以上である。これらのことにより、樹脂層31に蒸着層32を形成するときにシワが発生することを抑制することができる。
好ましくは、第1フィルム30の内面30xすなわち積層フィルム20の内面20xを構成する第1の層31aの密度は、樹脂層31の各層において最も低くなっている。例えば、第1の層31aの密度は0.925g/cm以下であり、より好ましくは0.918g/cm以下である。これにより、第1フィルム30及び積層フィルム20のヒートシール性を高めることができる。例えば、積層フィルム20の内面20xの融点を低くすることができる。これによって、積層フィルム20の内面20x同士を溶着し易くなる。
樹脂層31全体の厚みT0は、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは25μm以上である。また、厚みT0は、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは35μm以下である。
第1の層31aの厚みT1は、好ましくは4μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。また、厚みT1は、好ましくは8μm以下であり、より好ましくは7μm以下である。
第2の層31bの厚みT2は、好ましくは12μm以上であり、より好ましくは15μm以上である。また、厚みT2は、好ましくは24μm以下であり、より好ましくは21μm以下である。
第3の層31cの厚みT3は、好ましくは4μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。また、厚みT3は、好ましくは8μm以下であり、より好ましくは7μm以下である。
樹脂層31が、第1の層31aの密度よりも高い密度を有し、且つ、0.934g/cm以上の密度を有する少なくとも1つの硬質層を含む限りにおいて、樹脂層31の具体的な層構成は特には限定されない。例えば、図示はしないが、樹脂層31は、第1の層31aと、第1の層31aの密度よりも高い密度を有し、且つ、0.934g/cm以上の密度を有する第2の層31bと、によって構成されていてもよい。この場合、第2の層31bの厚みT2は、樹脂層31全体の厚みT0の60%以上である。
若しくは、樹脂層31は、4つ以上の層を含んでいてもよい。例えば、図5に示すように、樹脂層31は、第1面31x側から第2面31y側へ順に並ぶ第1の層31a、第2の層31b、第3の層31c、第4の層31d及び第5の層31eを含む。この場合、例えば、第1の層31a、第3の層31c及び第5の層31eは、LDPE、LLDPE、又はLDPEとLLDPEの混合樹脂からなる。第2の層31b及び第4の層31dは、第1の層31aの密度よりも高く、且つ0.934g/cm以上の密度を有する樹脂からなり、例えばHDPE、MDPE、又はMDPEとHDPEの混合樹脂からなる。すなわち、図5に示す例においては、第2の層31b及び第4の層31dが硬質層である。この場合、樹脂層31全体の厚みT0に対する、第2の層31bの厚みT2及び第4の層31dの厚みT4の合計の比率が、60%以上である。
ところで、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、樹脂層31が滑剤を含んでいると、樹脂層31及び蒸着層32を含む第1フィルム30と、第2フィルム40との間のラミネート強度が低下することを発見した。この知見に基づき、本実施の形態においては、樹脂層31が滑剤を含まないように樹脂層31を構成してもよい。
滑剤によって第1フィルム30と、第2フィルム40との間のラミネート強度が低下する原因としては、例えば、時間の経過とともに滑剤が樹脂層31の表面に浮き出てくる現象、いわゆるブリードアウト現象が考えられる。具体的には、ブリードアウト現象が生じることにより、第1フィルム30と接着剤層50との間の界面に滑剤が存在するようになり、接着剤層50の接着力が低下する、という原因である。なお、その他の原因も当然に考えられる。
滑剤とは、フィルムの滑りやすさを高めるために用いられる添加剤である。滑剤の例としては、炭化水素系の滑剤、脂肪酸系の滑剤、脂肪酸アミド系の滑剤、エステル系の滑剤、アルコール系の滑剤、金属石鹸系の滑剤などを挙げることができる。
炭化水素系の滑剤としては、例えば、天然パラフィン、パラフィンワックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックスなどを挙げることができる。パラフィンとは、C2n+3(nは自然数)で表される炭化水素の総称である。
脂肪酸系の滑剤は、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、アラキジン酸などを挙げることができる。
脂肪酸アミド系の滑剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどを挙げることができる。
エステル系の滑剤としては、例えば、ステアリン酸ブチル、モノステアリン酸グリコールなどを挙げることができる。
アルコール系の滑剤としては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
金属石鹸系の滑剤としては、例えば、ラウリン酸やステアリン酸などの酸と金属とが結合したものを挙げることができる。例えば、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどである。
樹脂層31が滑剤を含まないことは、例えば、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)又はX線光電子分光法(XPS)によって樹脂層31を分析し、分析結果に、滑剤に特有のピークが現れないことによって立証される。
樹脂層31は、滑剤以外の添加剤を含んでいてもよい。添加材の例としては、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、中和剤などを挙げることができる。
酸化防止剤の例としては、フェノール系の酸化防止剤、リン系の酸化防止剤、硫黄系の酸化防止剤、ビタミンE系の酸化防止剤、アミン系の酸化防止剤などを挙げることができる。
フェノール系の酸化防止剤としては、例えば、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゼン、n-オクタデシル-β-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト、1,6-ヘキサンジオールビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス-3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフィエニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]-ウンデカン、ビス-[3,3-ビス-(4’-ヒドロキシ‐3’‐t‐ブチルフェニル)‐ブタン酸]‐グリコールエステル、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)などを挙げることができる。
リン系の酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェイニル)フォスファイト、トリス(2,4‐ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、トリフェニルホスファイト(TPP)などを挙げることができる。
硫黄系の酸化防止剤としては、例えば、ジオクタデシル-ジスルフィド、ジステアリルチオジプロピオネート(DSTDP)などを挙げることができる。
ビタミンE系の酸化防止剤としては、例えば、2,5,7,8-テトラメチル-2(4',8',12'-トリメチルトリデシル)クロマン-6-オールなどを挙げることができる。
アミン系の酸化防止剤としては、例えば、フェニールーβーナフチルアミン(PBN)などを挙げることができる。
アンチブロッキング剤は、例えば、樹脂層31の表面に凹凸を形成し、これによって、樹脂層31を含む第1フィルム30をロール状に巻き取るときに第1フィルム30同士が密着することを抑制するという作用を奏する。アンチブロッキング剤の例としては、炭酸カルシウム、二酸化珪素、合成ゼオライトなどを挙げることができる。
中和剤は、ポリエチレン又はエチレンとα−オレフィンとの共重合体と、添加剤とが反応することを抑制するという作用を奏する。中和剤の例としては、ステアリン酸カルシウムなどを挙げることができる。
〔蒸着層〕
蒸着層32は、樹脂層31の外面30yに無機物を蒸着させることによって形成される層である。無機物の例としては、アルミニウムなどの金属、酸化アルミニウムや酸化珪素などの無機酸化物を挙げることができる。蒸着層32の厚みは、例えば5nm以上かつ100nm以下である。
蒸着層32が、アルミニウムなどの金属からなる場合、蒸着層32は遮光性を有する。一方、蒸着層32が、酸化アルミニウムや酸化珪素などの無機酸化物からなる場合、蒸着層32は透明性を有する。以下の説明においては、金属からなる蒸着層のことを金属蒸着層とも称し、無機酸化物からなる蒸着層のことを透明蒸着層とも称する。
蒸着層32は、印刷層42よりも積層フィルム20の内面20x側に位置するので、外面20y側からの印刷層42の視認は、蒸着層32によっては阻害されない。従って、印刷層42の視認という観点からは、蒸着層32は、金属蒸着層又は透明蒸着層のいずれであってもよい。
蒸着層32の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
〔ガスバリア性塗布膜〕
透明蒸着層を構成する無機酸化物は、その厚みが大きくなると、色味を帯びることが知られている。従って、透明蒸着層の透明性を維持するためには、透明蒸着層の厚みを所定値以下にすることが好ましい。例えば、透明蒸着層の厚みは、5nm以上かつ15nm以下である。この場合、厚みが小さいことに起因して、透明蒸着層に割れなどの破損が生じやすくなることが考えられる。また、透明蒸着層の厚みが小さいことに起因して、ガスバリア性が不十分になることも考えられる。そこで、蒸着層32が透明蒸着層である場合、蒸着層32のうち樹脂層31とは反対側(すなわち第2フィルム40側)の面上に、ガスバリア性塗布膜を設けることが好ましい。蒸着層32にガスバリア性塗布膜を設けることにより、蒸着層32に割れなどの破損が生じることを抑制することができ、また、ガスバリア性を高めることができる。なお、透明蒸着層の上にガスバリア性塗布膜を設ける場合、ガスバリア性塗布膜は透明である。また、ガスバリア性塗布膜は、金属蒸着層の上に設けてもよい。
ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制する層として機能する層である。ガスバリア性塗布膜は、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解の縮合物の少なくとも一種以上を使用することができる。また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよい。アルコキシドの加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用される。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他などを使用することができる。本実施形態において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタンなどを挙げることができる。また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独または二種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他などのアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他などを挙げることができる。なお、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤などを添加してもよい。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。本実施形態においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、または、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、一種または二種以上を混合して用いてもよい。
(第2フィルム)
第2フィルム40は、少なくとも基材層41を備える。図3に示すように、第2フィルム40は、基材層41の内面20x側に設けられた印刷層42を更に備えていてもよい。
基材層41を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンやナイロンなどのプラスチックなどを用いることができる。基材層41は、熱溶着によってシール部を形成する際に求められる高い耐熱性を有している。基材層41がプラスチックの場合、一軸または二軸に延伸されていてもよい。基材層41の厚みは、例えば4μm以上且つ50μm以下である。
印刷層42は、包装体10に製品情報を示したり美感を付与したりするために基材層41に印刷された層である。印刷層42は、文字、数字、記号、図形、絵柄などを表現する。
積層フィルム20は、機能層を更に含んでいてもよい。機能層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、機能層がガスバリア層の場合、上述の蒸着層やガスバリア性塗布膜などが、基材層41と印刷層42との間に設けられ得る。この場合、印刷層42の視認を阻害しないよう、蒸着層として透明蒸着層が設けられる。また、機械的強度を付与するために、機能層として、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材層41と同じものを用いることができる。
(接着剤層)
接着剤層50は、第1フィルム30と第2フィルム40とを接着するための接着剤を含む。接着剤の例としては、エーテル系の接着剤、エステル系の接着剤などを挙げることができる。
エーテル系の接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリウレタンなどを挙げることができる。ポリエーテルポリウレタンは、ポリエーテルポリオールとイソシアネートが反応することにより生成される。イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)やキシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)などの脂肪族系イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環式系イソシアネートなどのイソシアネート化合物、あるいは、上記各種イソシアネート化合物の付加体または多量体を用いることができる。
エステル系の接着剤としては、例えば、ポリエステルポリウレタンやポリエステルなどが挙げられる。ポリエステルポリオールとイソシアネートが反応することにより、ポリエステルポリウレタンができる。イソシアネートの例は、上述のエーテル系の接着剤の場合と同様である。
エーテル系の接着剤の効果反応は、エステル系の接着剤の効果反応に比べて速く進行する。このため、エーテル系の接着剤を用いることにより、接着剤を硬化させるためのエージング工程に要する時間を短くすることができる。一方、エーテル系の接着剤の接着力は、エステル系の接着剤の接着力に比べて、滑剤のブリードアウトの影響により低下し易い。ここで本実施の形態によれば、樹脂層31が滑剤を含まないので、滑剤の影響によるエーテル系の接着剤の接着力の低下の懸念がない。
第1フィルムの製造方法
次に、第1フィルム30の製造方法の一例について、図6を参照して説明する。
まず、樹脂層31を構成する材料を準備する。続いて、インフレーション法やキャスト法(Tダイ法)などの溶融押出法で材料を押し出すことにより、フィルム状の樹脂層31を作製する。好ましくは、インフレーション法を用いる。これにより、キャスト法を用いる場合に比べて、低い延伸倍率を有するフィルムを作製することができる。
続いて、図6に示すように、蒸着装置35を用いて、無機材料をフィルム状の樹脂層31に蒸着させて、蒸着層32を形成する。このようにして、樹脂層31及び蒸着層32を含む第1フィルム30を得ることができる。ここで本実施の形態によれば、樹脂層31が、樹脂層31全体の厚みT0に対して60%以上の厚みを有する硬質層を含む。このため、蒸着工程において樹脂層31の温度上昇に起因して樹脂層31が熱膨張することを抑制することができる。若しくは、樹脂層31に熱膨張が生じたとしても、樹脂層31の硬質性が高いので、樹脂層31にシワなどの変形が生じることを抑制することができる。
その後、第1フィルム30を巻き取ってロール体30Rを得る。この際、第1フィルム30を巻き取る際の張力を適切に調整し、第1フィルム30の巻き締りを抑制する。例えば、第1フィルム30を巻き取る際の張力を、ロール体30Rの外側ほど低くする。これによって、樹脂層31が滑剤を含まない場合であっても、第1フィルム30にシワなどが生じることを抑制することができる。
積層フィルムの製造方法
次に、積層フィルム20の製造方法の一例について、図7を参照して説明する。
まず、上述の第1フィルム30、及び、フィルム状の基材層41上に印刷層42が形成された第2フィルム40を準備する。続いて、図7に示すように、ドライラミネート法により、接着剤層50を介して第1フィルム30と第2フィルム40とを積層する。これによって、第1フィルム30及び第2フィルム40を備える積層フィルム20を得ることができる。
ところで、樹脂層31が滑剤を含む場合、ブリードアウト現象により滑剤が樹脂層31の表面に現れることが考えられる。また、第1フィルム30がロール体30Rに巻き取られた状態においては、樹脂層31の表面のうち蒸着層32とは反対側の表面が、蒸着層32の表面に接触する。このため、樹脂層31の表面に現れている滑剤が蒸着層32の表面に付着することが考えられる。この場合、第1フィルム30と接着剤層50との間の界面に滑剤が存在するようになり、第1フィルム30と第2フィルム40との間の接着力(ラミネート強度)が低下してしまう懸念がある。
これに対して、本実施の形態によれば、樹脂層31が滑剤を含まないので、蒸着層32の表面に滑剤が現れることを抑制することができる。このことにより、第1フィルム30と第2フィルム40との間のラミネート強度が低下することを抑制することができる。
上述の第1フィルム30と第2フィルム40とを含む積層フィルム20の層構成としては、以下のような例が挙げられる。なお、「/」は層と層の境界を示している。なお、基材層に蒸着層を設ける場合、印刷層の視認性を考慮して、蒸着層およびガスバリア性塗布膜は透明である。
・基材層/印刷層/接着剤層/金属蒸着層/樹脂層
・基材層/印刷層/接着剤層/ガスバリア性塗布膜/透明蒸着層/樹脂層
・基材層/透明蒸着層/ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/金属蒸着層/樹脂層
・基材層/透明蒸着層/ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/支持体/接着剤層/金属蒸着層/樹脂層
包装体の製造方法
上述の積層フィルム20同士をヒートシールさせて下部シール部12a、側部シール部13aなどのシール部を形成する。また、ヒートシールされた積層フィルム20を適切な形状に切断して、図1に示す包装体10を得る。続いて、上部11の開口部11bを介して内容物18を包装体10に充填する。その後、上部11をヒートシールして上部シール部11aを形成する。このようにして、図8に示すように、内容物18が充填され封止された包装体10を得ることができる。
ここで本実施の形態によれば、積層フィルム20の内面20xを構成する樹脂層31の第1の層31aが低い密度を有することにより、内面20xの融点を低くし、積層フィルム20のヒートシール性を高めることができる。このため、向かい合う積層フィルム20の内面20xの間のシール強度を高くすることができる。
また、本実施の形態によれば、樹脂層31が滑剤を含まないことにより、第1フィルム30と第2フィルム40との間のラミネート強度が適切に確保されている。このため、シール部の強度(シール強度)が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、シーラント層である樹脂層31に蒸着層32を設けているので、蒸着層を支持するための第2の基材層を設ける必要がない。このため、樹脂層31及び蒸着層32を含む第1フィルム30、並びに、基材層41及び印刷層42を含む第2フィルム40、という2つのフィルムを積層することにより、包装体10を構成するための積層フィルム20を実現することができる。このため、3つのフィルムが積層された積層フィルムを用いて包装体10を構成する場合に比べて、包装体10に要するコスト、工数などを削減することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(包装体の変形例)
上述の本実施の形態においては、包装体10が四方シール袋である例を示したが、包装体10の具体的な構成が特に限定されることはない。例えば、図9に示すように、包装体10は、上部シール部11aおよび下部シール部12aと、上部シール部11aの略中央部から下部シール部12aの略中央部に向かって延びる背部シール部14aと、を備える、いわゆるピロー袋であってもよい。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
インフレーション法により、図4に示す第1の層31a、第2の層31b及び第3の層31cを含むフィルム状の樹脂層31を作製した。各層を構成するために用いた樹脂材料、各層の密度及び厚みを表1に示す。
Figure 2018024213
続いて、フィルム状の樹脂層31のうち第3の層31c側の面上に、PVD法により、アルミニウムを含む蒸着層32を形成した。このようにして、樹脂層31及び蒸着層32を含む第1フィルム30を形成した。
(実施例2)
インフレーション法により、図4に示す第1の層31a、第2の層31b及び第3の層31cを含むフィルム状の樹脂層31を作製した。各層を構成するために用いた樹脂材料、各層の密度及び厚みを表2に示す。
Figure 2018024213
続いて、フィルム状の樹脂層31のうち第3の層31c側の面上に、PVD法により、アルミニウムを含む蒸着層32を形成した。このようにして、樹脂層31及び蒸着層32を含む第1フィルム30を形成した。
(比較例1)
インフレーション法により、図4に示す第1の層31a、第2の層31b及び第3の層31cを含むフィルム状の樹脂層31を作製した。各層を構成するために用いた樹脂材料、各層の密度及び厚みを表3に示す。
Figure 2018024213
続いて、フィルム状の樹脂層31のうち第3の層31c側の面上に、PVD法により、アルミニウムを含む蒸着層32を形成した。このようにして、樹脂層31及び蒸着層32を含む第1フィルム30を形成した。
(比較例2)
インフレーション法により、図4に示す第1の層31a、第2の層31b及び第3の層31cを含むフィルム状の樹脂層31を作製した。各層を構成するために用いた樹脂材料、各層の密度及び厚みを表4に示す。
Figure 2018024213
続いて、フィルム状の樹脂層31のうち第3の層31c側の面上に、PVD法により、アルミニウムを含む蒸着層32を形成した。このようにして、樹脂層31及び蒸着層32を含む第1フィルム30を形成した。
(シワの確認)
実施例1,2の第1フィルム30及び比較例1,2の第1フィルム30の外観を目視で確認し、シワの状況を調べた。結果を表5に示す。
Figure 2018024213
表5におけるシワのレベルの意味は下記のとおりである。
レベル1:シワが存在しない。
レベル2:シワは存在するが、包装体の用途において実質的に問題にならない。
レベル3:シワが多数存在し、包装体の用途において使用できない。
(積層フィルムの作製)
実施例1,2及び比較例1,2の第1フィルム30を用いて、ドライラミネート法により、積層フィルム20を作製した。具体的には、ドライラミネート法により、接着剤層を介して、第1フィルム30と、延伸ポリプロピレンフィルムからなる第2フィルム40とを積層し、積層フィルム20を作製した。第2フィルム40としては、30μmの厚みを有する延伸ポリプロピレンフィルムを用いた。接着剤層50としては、エーテル系の接着剤を用いた。接着剤層50の厚みは2.5μmであった。積層フィルム20は、外面側から内面側へ、基材層41/印刷層42/接着剤層50/蒸着層32/樹脂層31、という順で積層されたものである。
(包装体の作製)
また、実施例1及び2で得られた各積層フィルムを用いて、内容物18として重量が450gのチャーハンが充填された、図9に示す包装体を作製した。このとき、包装体10の長さS1を245mmとし、長さS2を165mmとした。次に、包装体10を冷却して内部の内容物18を冷凍した。その後、所定の試験台から1.2mの高さの位置から包装体10を自由落下させて包装体10を試験台に衝突させる落下試験を10回実施し、包装体10が破袋するか否かを確認した。なお、落下試験においては、裏面16(背部シール部14aが存在しない側の面)を下方に位置させた状態で包装体10を落下させた後、下部12を下方に位置させた状態で包装体10を落下させるという試験工程を、1回の落下試験とカウントした。また、サンプル数は2とした。すなわち、実施例1,2の第1フィルム30を含む包装体10を2個ずつ作製し、2個の包装体10に対してそれぞれ、10回の落下試験を実施した。
落下試験の結果、実施例1,2の第1フィルム30を含む包装体10においては、包装体10が破袋する現象が見られなかった。
10 包装体
11 上部
11a 上部シール部
12 下部
12a 下部シール部
13 側部
13a 側部シール部
14a 背部シール部
15 表面
16 裏面
17 収容部
18 内容物
20 積層フィルム
30 第1フィルム
31 樹脂層
31a 第1の層
31b 第2の層
31c 第3の層
31d 第4の層
31e 第5の層
32 蒸着層
40 第2フィルム
41 基材層
42 印刷層
50 接着剤層

Claims (7)

  1. 第1面及び第2面を含む樹脂層と、
    前記樹脂層の前記第2面上に設けられた蒸着層と、を備え、
    前記樹脂層は、前記第1面を構成する第1の層と、前記第1の層の密度よりも高い密度を有し、且つ、0.934g/cm以上の密度を有する少なくとも1つの硬質層と、を含み、
    前記硬質層の厚みの合計が、前記樹脂層の全体の厚みの60%以上である、フィルム。
  2. 前記少なくとも1つの硬質層の密度は、0.941g/cm以上である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記第1の層の密度は、0.925g/cm以下である、請求項1又は2に記載のフィルム。
  4. 前記樹脂層は、ポリエチレン、又はエチレンとα−オレフィンとの共重合体を含み、且つ、滑剤を含まない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
  5. 第1面及び第2面を含む樹脂層と、
    前記樹脂層の前記第2面上に設けられた蒸着層と、
    接着剤層を介して前記蒸着層に積層された基材層と、を備え、
    前記樹脂層は、前記第1面を構成する第1の層と、前記第1の層の密度よりも高い密度を有し、且つ、0.934g/cm以上の密度を有する少なくとも1つの硬質層と、を含み、
    前記硬質層の厚みの合計が、前記樹脂層の全体の厚みの60%以上である、積層フィルム。
  6. 前記接着剤層は、エーテル系の接着剤を含む、請求項5に記載の積層フィルム。
  7. 請求項5又は6に記載の積層フィルムを含む、包装体。
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