JP2018023922A - プロッタ及びプロッタプログラム - Google Patents

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大輔 阿部
勝久 長谷川
Katsuhisa Hasegawa
勝久 長谷川
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啓司 瀧本
幸好 武藤
Yukiyoshi Muto
幸好 武藤
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Abstract

【課題】簡単な構成で被加工物に箔押し加工が可能なプロッタ及びプロッタプログラムを提供すること。
【解決手段】プロッタは、装着部、第一移動機構、第二移動機構、及び制御部を備える。制御部は、被加工物に加工する模様の輪郭を特定する(S33)。制御部は、輪郭を表す描画線と、輪郭から輪郭の内側方向に第一所定量オフセットしたオフセット領域をペンで塗りつぶすための線である塗りつぶし線との被加工物上の描画位置を指示するプロットデータを生成する(S39)。制御部は、生成されたプロットデータに基づき、第一移動機構と第二移動機構とを制御し、装着部と被加工物とを相対的に移動し、装着部に装着されたペンで描画線と塗りつぶし線とを被加工物に描画する。
【選択図】図5

Description

本発明は、プロッタ及びプロッタプログラムに関する。
金・銀などの箔を、紙等の被加工物に貼りつける箔押し加工をするための装置が知られている。特許文献1に記載の装置は、被加工物の上に箔シートを乗せ、箔シートの上から模様を加工する部分を加熱した熱ペンの先で押圧し、箔を被加工物に転写する。
特開2005−313465号公報
従来の装置は熱ペンを加熱するための構成が必要である。
本発明の目的は、簡単な構成で被加工物に箔押し加工が可能なプロッタ及びプロッタプログラムを提供することである。
本発明の第一態様に係るプロッタは、液状接着剤が収容されたペンを装着可能な装着部と、前記装着部と被加工物とを相対的に接近及び離隔する移動方向に移動可能な第一移動機構と、前記第一移動機構による前記移動方向と交差する方向に前記装着部と前記被加工物とを相対的に移動可能な第二移動機構と、制御部とを備え、前記制御部は、前記被加工物に加工する模様の輪郭を特定する輪郭特定手段と、前記輪郭を表す描画線と、前記描画線から前記輪郭の内側方向に第一所定量オフセットしたオフセット領域を前記ペンで塗りつぶすための線である塗りつぶし線との前記被加工物上の描画位置を指示するプロットデータを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記プロットデータに基づき、前記第一移動機構と前記第二移動機構とを制御し、前記装着部と前記被加工物とを相対的に移動し、前記装着部に装着された前記ペンで前記描画線と前記塗りつぶし線とを前記被加工物に描画する描画手段として機能する。
本発明の第二態様に係るプロッタプログラムは、第一態様のプロッタの各種処理手段としてプロッタの制御部を機能させる。本発明の第三態様に係る非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、第二態様のプロッタプログラムを記憶してもよい。
本発明の第一態様及び第二態様によれば、プロッタは、被加工物に液状接着剤で模様を描画できる。ユーザは、第一態様のプロッタによって液状接着剤で模様が描画された被加工物上に箔シートを載置し、箔シートの上から押圧後、箔シートを剥がすことで、被加工物に所望の模様を表す箔押し加工を施すことができる。したがって、プロッタは、簡単な構成で箔押し加工を可能とする。
カートリッジ4を介してプロッタ1に装着可能なペン45及び押圧部材35の右側面図、及びプロッタ1の斜視図である。 プロッタ1の電気的構成を示すブロック図である。 箔押し加工方法のフローチャートである。 描画制御処理のフローチャートである。 図4の描画制御処理で実行されるデータ生成処理のフローチャートである。 具体例の模様64の描画位置を指示するプロットデータを生成する過程の説明図である。 具体例の模様64をペン45で描画する描画順序の説明図である。 押圧制御処理のフローチャートである。 具体例の模様64の描画領域を含む押圧領域を押圧する押圧位置を指示するプロットデータを生成する過程の説明図である。 第二実施形態の描画制御処理の説明図である。
本発明を具体化した第一及び第二実施形態について、図面を参照して順に説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1を参照して、第一及び第二実施形態に共通するプロッタ1の物理的構成を説明する。以下の説明では、図1のプロッタ1の斜視図における左下側、右上側、右下側、左上側、上側、下側を、各々、プロッタ1の左側、右側、前側、後側、上側、下側とする。つまり、後述の本体カバー9の伸長方向が左右方向である。操作部50が配置された面が、プロッタ1の上面である。
図1に示すように、プロッタ1は、シート状の被加工物20に描画及び押圧を含む加工を施すことが可能な装置である。被加工物20は、例えば、シート状の紙、樹脂シートである。被加工物20は、後述のペン45で模様を描画可能であればよい。プロッタ1は更に、被加工物20の上面の画像を表す画像データを生成可能である。プロッタ1は、本体カバー9、操作部50、プラテン3、ヘッド5、スキャナ部6(図2参照)、Y移動機構7、及びX移動機構8を備える。
本体カバー9は、左右方向に長い略矩形箱状の筐体である。本体カバー9は、開口部91、及びカバー92を備える。開口部91は、本体カバー9の正面部に設けられた開口である。カバー92は、左右方向に長い板状の部材で有り、下端側で、開口部91が開閉可能に支持されている。図1では、カバー92が開けられ、開口部91が開放されている。
操作部50は、本体カバー9の上面の右側部位に設けられる。操作部50は、液晶ディスプレイ(LCD)51、複数の操作スイッチ52及びタッチパネル53を備える。LCD51には、コマンド、イラスト、設定値、及びメッセージ等の様々な項目を含む画像が表示される。タッチパネル53は、LCD51の表面に設けられる。ユーザは、指及びスタイラスペンの何れかを用いてタッチパネル53の押圧操作を行う(以下、この操作を「パネル操作」と言う)。プロッタ1では、タッチパネル53により検知される押圧位置に対応して、どの項目が選択されたかが認識される。ユーザは、操作スイッチ52及びタッチパネル53を用いて、LCD51に表示された模様の選択、各種パラメータの設定、及び入力の操作等を行うことができる。
プラテン3は、本体カバー9内に設けられる。プラテン3は左右方向に延びる板状部材である。プラテン3は保持シート10の下面を受ける。保持シート10は、開口部91が開放された状態で、プラテン3上にセットされる。保持シート10は矩形シート状である。保持シート10は、例えば合成樹脂材料からなる。保持シート10の上面には、周縁部(左縁部101、右縁部102、後縁部103、前縁部104)を除いた内側の略矩形領域に粘着剤が塗布された粘着層100が設けられる。被加工物20は、粘着層100に貼り付けられて保持される。被加工物20は、保持シート10に保持されず、直接プラテン3上にセットされてもよい。
ヘッド5は、キャリッジ19、装着部32及びZ移動機構33を備える。装着部32は、カートリッジ4を着脱可能である。カートリッジ4は、被加工物20の加工に用いる加工部材を複数種類装着可能である。本例の加工部材は、ペン45及び押圧部材35である。ユーザは、被加工物20の種類、厚さ、及び加工の種類に適した加工部材を選択し、カートリッジ4に装着できる。本例の装着部32は、カートリッジ4を介して、液状接着剤が収容されたペン45を装着可能である。装着部32は、カートリッジ4を介して、押圧部材35を装着可能である。本例の装着部32は、カートリッジ4を介して、ペン45と押圧部材35とを択一的に装着可能である。装着部32は、同時に複数のカートリッジを装着可能でもよい。
Z移動機構33は、装着部32と被加工物20とを相対的に接近及び離隔する移動方向に移動可能に構成されている。本例のZ移動機構33は、装着部32及びカートリッジ4を上下方向(Z方向とも言う。)に駆動させる。Z移動機構33は、伝達機構43及びZ軸モータ34(図2参照)を備える。伝達機構43は、Z軸モータ34の回転運動を減速し且つ上下運動に変換して、装着部32に伝達する。装着部32に装着されたカートリッジ4は、Z軸モータ34の駆動に応じて、下降位置と、上昇位置との間で移動する。下降位置は、被加工物20に加工を行うときのカートリッジ4の位置である。上昇位置は、加工部材が被加工物20から所定距離、離隔する位置である。
スキャナ部6は、後述するCPU2の指示に従って、スキャン処理を実行可能に構成されている。スキャン処理は、スキャナ部6により保持シート10に保持された被加工物20等の対象物の画像を読み取って画像データを生成する処理である。スキャナ部6は、例えば密着型イメージセンサ(CIS)である。図示しないが、スキャナ部6は、ラインセンサ、光源(ランプ)、及びレンズを備える。ラインセンサは、スキャナ部6の下面に設けられ、プロッタ1の左右方向(X方向とも言う。)に並設された複数の撮像素子を備える。スキャナ部6は、後述のガイドレール22の後方に位置する。スキャナ部6は、X方向に延び、下向きに設けられる。保持シート10のX方向の幅寸法は、スキャナ部6(ラインセンサ)のX方向の長さとほぼ同じである。スキャナ部6は、保持シート10に保持された対象物の上面とラインセンサとが近接した状態で、対象物の上面の画像を読み取る。
Y移動機構7は、後述のX移動機構8と共に、Z方向と交差する方向に装着部32と被加工物20とを相対的に移動可能に構成されている。Y移動機構7は、被加工物20を装着部32に対しZ方向と交差する第一方向に移動可能に構成されている。本例の第一方向は、前後方向であり、第一方向のことをY方向とも言う。本例のY移動機構7は、プラテン3上にセットされた保持シート10を、プロッタ1のY方向に移動可能に構成されている。Y移動機構7は、駆動ローラ12、ピンチローラ13、取付フレーム14、Y軸モータ15、及び減速機構17を備える。駆動ローラ12及びピンチローラ13は、本体カバー9内の機枠11の一対の側壁部111、112の間に回転可能に支持される。駆動ローラ12及びピンチローラ13は、X方向に延び、上下方向に並んで配設される。ピンチローラ13の右部と左部との各々にローラ部(図示略)が設けられる。取付フレーム14は、側壁部112の外面側(右側)に固定される。取付フレーム14には、Y軸モータ15が取付けられる。Y軸モータ15は、例えばステッピングモータである。Y軸モータ15の出力軸は、減速機構17の駆動ギヤ(図示略)に固定されている。駆動ギヤは従動ギヤ(図示略)に噛合する。従動ギヤは、駆動ローラ12の右端部の先端に固着されている。
保持シート10が移動される時、保持シート10の左縁部101は、駆動ローラ12と、ピンチローラ13の左側のローラ部との間に挟持される。保持シート10の右縁部102は、駆動ローラ12と右側のローラ部との間に挟持される。Y軸モータ15が正転駆動又は逆転駆動されると、Y軸モータ15の回転運動が、減速機構17を介して駆動ローラ12に伝わる。これにより、保持シート10が後方又は前方へ移動される。この時、ピンチローラ13のローラ部は、保持シート10上に配置された被加工物20と接触しない。プロッタ1は、Y移動機構7によって移動された被加工物20がスキャナ部6に接触しないように、被加工物20をプラテン3側に押圧するローラ40を備える。ローラ40は、駆動ローラ12の後ろ側に配置される。
X移動機構8は、装着部32を被加工物20に対し、Z方向及び第一方向(Y方向)と交差する第二方向に移動可能に構成されている。本例の第二方向は左右方向であり、第二方向のことをX方向とも言う。本例の装着部32の移動方向は、Y移動機構7による被加工物20を保持可能な保持シート10の移動方向と直交する。X移動機構8は、上下一対のガイドレール21、22、取付フレーム24、X軸モータ25、減速機構としての駆動ギヤ27及び従動ギヤ29、並びに伝達機構30等を備える。ガイドレール21及び22は、側壁部111、112の間に固定されている。ガイドレール21及び22は、ピンチローラ13よりもやや後部寄りの上方に位置する。ガイドレール21及び22は、ピンチローラ13と略平行つまりX方向に延びる。ヘッド5のキャリッジ19は、ガイドレール21及び22に、ガイドレール21及び22に沿ってX方向へ移動可能に支持される。
取付フレーム24は、側壁部111の外面側(左側)の後部寄りに固定されている。X軸モータ25は、取付フレーム24の後方に、下向きに取り付けられている。駆動ギヤ27は、X軸モータ25の出力軸に固定されている。X軸モータ25は、例えばステッピングモータである。従動ギヤ29は駆動ギヤ27に噛合する。伝達機構30は、図示しない、左右一対のタイミングプーリと、左右一対のタイミングプーリに掛装された無端状のタイミングベルトを有する。一方のタイミングプーリ28は、従動ギヤ29と一体に回動可能に、取付フレーム24に設けられる。他方のタイミングプーリは、取付フレーム14に設けられる。タイミングベルトはX方向に延び、キャリッジ19に連結されている。X移動機構8は、X軸モータ25の回転運動をX方向の運動に変換して、キャリッジ19に伝達する。X軸モータ25が正転駆動又は逆転駆動すると、X軸モータ25の回転運動が、駆動ギヤ27、従動ギヤ29、及びタイミングプーリ28を介してタイミングベルトに伝わる。これにより、キャリッジ19は、左方又は右方へ移動される。こうして、ヘッド5はX方向に移動する。
図1を参照して、カートリッジ4を介して装着部32に装着可能なペン45を説明する。ペン45は、ボールペン状の液状接着剤塗布具である。ペン45は筒部46、ペン先部47、及び窓部48を備える。筒部46は中空の円柱状の形状を有し、内部に液状接着剤44を収容する。液状接着剤44は、流動性があり、ペン45に収容可能で、ペン45により被加工物20に付着させることが可能であればよい。液状接着剤44は、液状の糊の他、ポリ酢酸ビニル、クロロプレンゴム、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂を含む液状の接着剤でもよい。本実施形態において、接着剤との表現は、粘着剤を含むものである。本例の液状接着剤44は、アクリルエマルションを含み、例えば水等の揮発性溶媒が一定濃度以上ある場合に発色する色素により着色されている。本例のペン45で被加工物20に模様が描画された場合、被加工物20に付着した液状接着剤44の溶媒が一定濃度以上である間、ユーザは、描画された模様を液状接着剤44に含まれる色素によって視認できる。被加工物20に付着した液状接着剤44の溶媒が揮発により一定濃度よりも小さくなった場合、液状接着剤44は無色透明になり、液状接着剤44に含まれるアクリル樹脂成分が被加工物20に積層される。
窓部48は、筒部46の側面(外周面)に光透過性を有し、ユーザは窓部48を介して液状接着剤44の残量を視認可能である。本例の筒部46は、筒部46の側面(外周面)全面が透明な窓部48をなす。筒部46には目盛り49が付与されている。本例の目盛り49は3以上の線491から494を含む。3以上の線491から494は各々、ペン45の延設方向に垂直である。3以上の線491から494の内の隣接する線同士の間隔は互いに異なる。3以上の線の内の隣接する線491から494同士の間隔は、ペン先部47に近いほど、ペン先部47から遠い場合に比べ、狭い。本例の目盛り49は4本の線を含み、ペン先部47から遠い順に線491から494である。各線491から494のペン先部47から離れる側には、ペン45が収容する液状接着剤44の残量を表す数値が印刷されている。液状接着剤44の残量を表す数値は、ペン先部47に近い側から順に、4、3、2、1である。液状接着剤44の液面が、線494と線493との間にある場合の液状接着剤44の残量を表す数値は4である。同様に、液状接着剤44の液面が、線493と線492との間にある場合、液状接着剤44の残量を表す数値は3である。液状接着剤44の液面が、線492と線491との間にある場合、液状接着剤44の残量を表す数値は2である。図1に示す様に、液状接着剤44の液面が、線491よりもペン先部47から離れる側にある場合、液状接着剤44の残量を表す数値は1である。
ペン先部47は、円錐状の形状を有し、筒部46の一端に連結する。ペン45に収容された液状接着剤44はペン先部47の先端から塗布される。図示しないが、本例のペン45は、種類が互いに異なる複数の種類の形態がある。ペンの種類は、例えば、液状接着剤の種類、ペン先の太さ、及びペン先の形状の組合せに応じて設定される。本例の複数種類のペン45は、カートリッジ4を介して、装着部32に装着され、プロッタ1によって同じ速度で移動された場合に描画される線の太さが互いに異なる。
図1を参照して、カートリッジ4を介して装着部32に装着可能な押圧部材35を説明する。押圧部材35は、箔シートが配置された被加工物20を上側から押圧するための部材である。箔シートは、箔押し加工用のシート状の金属蒸着箔である。金属蒸着箔は、剥離剤を施した樹脂フィルムに、アルミニウム(Al)等の金属を蒸着させたものである。樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエステル(PEs)フィルムである。本例の押圧部材35は、押圧部36と装着部37とを有する。押圧部36は、被加工物20と対向する側に設けられた、半球状の部分である。装着部37は、押圧部材35の押圧部36とは反対側の端部に設けられ、カートリッジ4に下側からはめ込まれることにより、着脱可能に、カートリッジ4に装着される。図示しないが、本例の押圧部材35は、種類が互いに異なる複数の種類の形態がある。押圧部材35の種類は、例えば、押圧部36の形状、大きさ、及び材質の組合せに応じて設定される。本例の複数種類の押圧部材35は、カートリッジ4を介して、装着部32に装着され、装着部32が下降位置に移動された場合に、被加工物20と接する領域の形状及び大きさが互いに異なる。
図2を参照して、プロッタ1の電気的構成を説明する。図2に示すように、プロッタ1は、CPU2、ROM72、RAM73、及び入出力(I/O)インタフェイス71を備える。CPU2は、ROM72、RAM73、及びI/Oインタフェイス71と電気的に接続されている。CPU2は、プロッタ1の主制御を司る。ROM72は、プロッタ1を動作させるための各種プログラム等を記憶する。プログラムには、例えば、後述するデーや描画制御処理及び押圧制御処理をプロッタ1に実行させるためのプログラムがある。RAM73は、各種プログラム、各種データ、操作スイッチ52の操作等で入力された設定値、CPU2が演算処理した演算結果等を一時的に記憶する。
I/Oインタフェイス71には、更に、フラッシュメモリ74、スキャナ部6、操作スイッチ52、タッチパネル53、検出センサ76、LCD51、USBコネクタ61、及び駆動回路77から79が接続されている。フラッシュメモリ74は、各種パラメータ等を記憶する不揮発性記憶素子である。本例のフラッシュメモリ74は、速度データ記憶エリア741、ペン種類記憶エリア742、押圧部材種類記憶エリア743及び模様記憶エリア744を含む複数の記憶領域を有する。
速度データ記憶エリア741は、ペン45が収容する液状体の残量を表す数値と、数値に対応する移動速度を記憶する。液状体は、ペン45により描画可能な流動性を有する物質であればよく、例えば、インク、水、液状接着剤であり、本例では液状接着剤44である。本例の速度データ記憶エリア741は、ペン45の目盛り49の数値と、速度と、閾値との対応を複数組記憶する。ペン45が収容する液状体の残量を表す数値と、数値に対応する移動速度は、数式で表されてもよい。目盛り49の数値は、ペン45が収容する液状接着剤44の残量を表す数値であり、前述の1から4の何れかの値である。速度は、被加工物20に対する装着部32の相対的な移動速度(制限移動速度)である。移動速度が大きい順にV1、V2、V3、及びV4である。本例の移動速度はY移動機構7とX移動機構8との各々について移動速度を規定する。移動速度はY移動機構7とX移動機構8の双方の移動速度を合成した速度でもよい。閾値は、被加工物20と装着部32との相対的な移動速度を、後述の描画制御処理実行中に、液状体によって描画される線の距離に応じて変更する判断に用いる数値であり、値が大きい順にQ1、Q2、Q3、及びQ4である。つまり、本例の閾値は、残量に関する情報が示す液状体の残量が少ない場合に比べ、液状体の残量が多い場合の方が、大きい。
ペン種類記憶エリア742には、装着部32に装着されるペンの種類と、間隔との対応を複数組記憶する。本例のペンの種類は、1から4の何れかの数値で表される。間隔は、装着部32に装着されたペン45を用いて、液状接着剤44で模様を描画する場合の、模様の輪郭を表す描画線と、模様の輪郭の内側のオフセット領域との間隔を規定する数値である。本例の間隔は、ペン45の種類毎に、基準となる線の太さ(例えばペンの種類が1である場合、0.3mm)に基づき予め決定される。基準となる線の太さは、所定の条件に従って予め設定されればよい。基準となる線の太さは、例えば、未使用のペン45を装着部32に装着し、ペン45が収容する液状接着剤がなくなるまで一定速度で線を描画した場合の、線の太さの平均値である。間隔は、基準となる線の太さの0.3倍から0.7倍であることが好ましい。本例の間隔は、基準となる線の太さの半分(例えばペンの種類が1である場合、0.15mm)とする。押圧部材種類記憶エリア743には、装着部32に装着される押圧部材35の種類と、間隔との対応を複数組記憶する。本例の押圧部材35の種類は、1から4の何れかの数値で表される。間隔は、装着部32に装着された押圧部材35を用いて、被加工物20を押圧する場合の、押圧線が含む複数の線分の内隣合う線分の間隔を規定する数値である。押圧線は、押圧領域に設定される、押圧部材35による押圧中心の位置を表す線である。本例の押圧部材35の中心は、半球状の押圧部36の先端(下端)である。押圧線が含む複数の線分の間隔は、装着部32に装着された押圧部材35と、被加工物20とが、装着部32が下降位置にある場合に接する領域の大きさ及び形状等に応じて、押圧部材35の種類毎に予め設定されている。模様記憶エリア744は、模様を識別するためのIDと、後述の描画制御処理で使用される模様に関する模様データとの対応を複数組記憶する。模様データは、カートリッジ4に装着されたペン45を用いて被加工物20に描画する模様の形状を示す。
CPU2は、スキャナ部6を制御して、上記のスキャン処理を実行させることで、画像データを取得する。検出センサ76は、プラテン3上にセットされた保持シート10の先端を検出する。検出センサ76の検出信号は、CPU2に入力される。CPU2は、LCD51を制御して、画像を表示させる。LCD51は、各種指示を報知可能である。USBコネクタ61には、USBメモリ60が接続可能である。USBメモリ60がUSBコネクタ61に接続された状態で、CPU2は、USBメモリ60に設けられた各記憶エリアにアクセスできる。駆動回路77から79は各々、Y軸モータ15、X軸モータ25、及びZ軸モータ34を駆動する。CPU2は、後述のプロットデータに基づき、Y軸モータ15、X軸モータ25、及びZ軸モータ34等を制御し、保持シート10上の被加工物20に対する加工を自動で実行させる。
図3を参照して、プロッタ1を利用して、被加工物20に箔押し加工する場合の箔押し加工方法の概要を説明する。一例として、被加工物20に、模様64を箔押し加工する場合について説明する。模様64は、部分模様として、円状の模様62と、左右方向に長い矩形状の模様63とを含む。図3の上下方向、左右方向を各々プロッタ1のY方向、X方向とする。
図3に示すように、被加工物20に箔押し加工する模様が特定される(S1)。S1の工程では、例えば、プロッタ1の模様記憶エリア744が記憶する模様の中から、パネル操作によってユーザが選択した模様が、箔押し加工する模様64として特定される。S1の工程では、例えば、スキャナ部6を用いたスキャン処理により得られた画像データに基づき模様64が特定されてもよい。プロッタ1を用いて、スキャン処理が実行される場合、CPU2は、カートリッジ4を上昇位置に保持した状態で、Y移動機構7及びスキャナ部6を駆動させる。保持シート10とスキャナ部6がY方向に相対移動しながら、保持シート10が保持する対象物の上面が読み取られ、対象物の上面の画像を表す画像データが生成される。S1の工程では、例えば、USBメモリ等を通じて、外部機器から模様が取得されてもよい。模様は、パネル操作でユーザが描画した模様であってもよい。
S1の工程で特定された箔押し加工する模様64が、液状接着剤44を収容したペン45を用いて描画される(S2)。S2の工程では、装着部32にカートリッジ4を介してペン45が装着される。CPU2は、プロットデータに従って、Y移動機構7及びX移動機構8を駆動させ、被加工物20と装着部32との相対位置を描画開始位置に移動させた後、Z移動機構33を駆動させ、カートリッジ4を下降位置に移動させる。プロットデータは、Y移動機構7、X移動機構8、及びZ移動機構33の移動を指示するデータである。Y移動機構7及びX移動機構8の移動は、被加工物20と装着部32との相対位置を示すXY座標系の座標を示す座標データを用いて指示される。プロットデータの詳細は後述する。カートリッジ4が下降位置にある時、カートリッジ4に装着されたペン45のペン先部47の先端が被加工物20の上面と接する。この状態で、CPU2は、プロットデータに従って、Y移動機構7及びX移動機構8を駆動させ、被加工物20と装着部32とをZ方向に交差するY方向及びX方向に相対的に移動する。これによりS1の工程で特定された模様64が被加工物20上に液状接着剤44によって描画される。プロットデータが示す線分LSが描画されるとき、ペン先部47の太さL8に応じて液状接着剤44は線分LSを囲む領域69に塗布される。描画される線分の太さL8を考慮して、プロットデータが設定されることが好ましい。本例では縦線の網掛けで示す描画領域66のように、被加工物20上の模様64の輪郭と輪郭の内側となる領域とに液状接着剤44が塗布される。
液状接着剤44で模様64が描画された被加工物20に箔シート65が配置される(S3)。S3の工程では、例えば、被加工物20に塗布された液状接着剤44の溶媒が減少し、液状接着剤44の色素の発色がなくなった後に、ユーザによって、箔シート65が被加工物20の上に配置される。プロッタ1によって液状接着剤44が塗布された描画領域66は箔シート65によって覆われる。押圧部材35による押圧力を適度に分散させる、押圧部材35により箔が傷つくのを防ぐ等の目的で、必要に応じて、箔シート65を覆う樹脂製の保護シートが配置されてもよい。
S3で箔シート65が配置された被加工物20上の、液状接着剤44で模様64が描画された描画領域66を含む押圧領域67が押圧部材35で押圧される(S4)。S4の工程では、プロッタ1を用いて、押圧制御処理が実行される場合、装着部32にカートリッジ4を介して押圧部材35が装着される。CPU2は、プロットデータに従って、Y移動機構7及びX移動機構8を駆動させ、被加工物20と装着部32との相対位置を押圧開始位置に移動させた後、Z移動機構33を駆動させ、カートリッジ4を下降位置に移動させる。押圧部材35の押圧部36は、保持シート10上の被加工物20を箔シート65の上から押圧する。この状態で、CPU2は、プロットデータに従って、Y移動機構7及びX移動機構8を駆動させ、被加工物20と装着部32とをY方向及びX方向に相対移動する。本例の押圧部36の先端形状は半球状であるため、先端形状が角状である場合に比べ、被加工物20と装着部32とは滑らかに相対的に移動可能である。プロッタ1は、プロットデータが指示する形状の押圧領域67を押圧部材35によって押圧する。これにより、箔シート65は液状接着剤44で描画された描画領域66に貼り付く。
押圧工程後、箔シート65が被加工物20から剥がされ、被加工物20の描画領域66以外に付着した箔片が除去される(S5)。S5の工程では、ユーザによって箔シート65が端部から順に被加工物20から引き離されると、液状接着剤44で描画された描画領域66の箔は被加工物20側に残る。ユーザは必要に応じて模様64の輪郭付近等に付着した不要な箔をブラシ、シリコンゴムシート等で除去する。以上の工程によって、被加工物20に模様64状に箔68が貼り付けられ、箔押し加工が終了する。
図4から図9を参照して、前述の箔押し加工方法の内の、第一実施形態のプロッタ1で実行される描画制御処理及び押圧制御処理について説明する。CPU2は、開始指示を受け付けると、ROM72に記憶されているプログラムに基づき、図4に示す描画制御処理を実行する。本実施形態では、パネル操作により開始指示が入力された場合に、CPU2は、処理開始の指示を受け付けたと判断する。開始指示は他の方法で入力されてもよい。例えば、複数の操作スイッチ52のうち特定のスイッチが押された場合に、CPU2は、開始指示を受け付けたと判断してもよい。一例として、図3の模様64が被加工物20に箔押し加工される場合について説明する。図6及び図7の上下方向、左右方向は、プロッタ1のY方向、X方向に対応する。具体例においてペン45の基準となる線の太さは、0.3mmとする。図6及び図7では、プロットデータが表す描画線及び塗りつぶし線を模式的に示しており、各線の間隔は、実際の描画線及び塗りつぶし線の間隔及び線の太さを表していない。
CPU2は、ユーザによる被加工物20に箔押し加工する模様の指定を受け付ける(S11)。本例では、ユーザは、パネル操作によって模様記憶エリア744に記憶された模様の中から、箔押し加工の対象とする対象模様を選択する。CPU2は、パネル操作で入力された模様を対象模様として受け付ける。CPU2は、スキャン指示が入力されたか否かを判断する(S12)。スキャン指示は、スキャナ部6による被加工物20のスキャン処理を開始することを指示するものである。ユーザは、被加工物20を保持シート10に保持させ、プラテン3にセット後、パネル操作でスキャン指示を入力する。スキャン指示が入力されていない場合(S12:NO)、CPU2はスキャン指示が入力されるまで待機する。スキャン指示が入力された場合(S12:YES)、CPU2は、スキャナ部6と、駆動回路77とを駆動して、保持シート10に保持された被加工物20をスキャンする(S13)。本例のプロッタ1は、箔押し加工を施す被加工物20をスキャンして得られた画像に、S11で受け付けた模様64を重ねて配置した画像を、LCD51に表示する。これにより、ユーザは、加工仕上がりイメージを画像で確認しながら、被加工物20に対する模様64の配置を設定できる。S12とS13との処理は、必要に応じて省略されてよい。
CPU2は、被加工物20に加工する模様を特定する(S14)。具体例では、S11で受け付けられた模様64が、被加工物20に加工する模様として特定される。CPU2は、特定された模様64の被加工物20上の配置を設定する(S15)。ユーザは、LCD51を確認しながら、パネル操作で模様64の配置を指定する指示を入力する。CPU2は、パネル操作で入力された指示に基づき被加工物20上の模様64の配置を設定する。模様の配置は、ユーザから入力される座標に基づき設定される等、他の方法で設定されてもよい。
CPU2は、データ生成処理を実行する(S16)。データ生成処理では、CPU2は、プロットデータを生成する処理を実行する。図5に示すように、CPU2は、装着部32に装着されるペン45の種類を特定する(S31)。S31では、CPU2は、ユーザから装着部32に装着されたペン45の種類に関する情報の入力を受け付け、入力された情報に基づきペン45の種類を特定する。本例のペン45の種類に関する情報は、図2のペン種類記憶エリア742に示す、1から4の整数で表される数値である。ペン45の種類は、ペン45に付与されたID情報を埋め込んだRFタグから無線通信によって取得される情報に基づき自動で特定される等、他の方法で特定されてもよい。
CPU2は、S31で特定されたペン45の種類に基づき、第一所定量L1を設定する(S32)。第一所定量L1は、S14の処理で特定された模様の描画線と、オフセット領域との間隔である。本例のCPU2は、ペン種類記憶エリア742を参照し、S31で特定されたペンの種類に対応した間隔を第一所定量L1として設定する。例えば、ペン45の種類が1である場合、CPU2は第一所定量L1としてR1を設定する。CPU2は被加工物20に加工する模様64の輪郭を特定する(S33)。模様64の輪郭は、公知の技術を用いて特定されればよい。本例のCPU2は、S14で特定された模様の模様データと、S15で設定された模様の配置に基づき模様の輪郭を特定する。具体例では図6の状態201に示す様に、模様62、63の各々について、輪郭82、83が特定される。
CPU2は、S33で特定された輪郭82、83によって囲まれる領域を、複数の分割領域に分割する(S34)。本例のCPU2は、第一方向(Y方向)において、ローラ40が被加工物20に接する箇所と、装着部32に装着されたペン45が被加工物20に接する箇所との間の距離L7(図5参照)よりも小さい間隔L5で、輪郭82、83によって囲まれる領域を複数の分割領域に分割する。具体例では、状態202に示すように、輪郭82によって囲まれる領域が、第一方向と直交する第二方向に延びる分割線分84によって2つの分割領域に分けられる。分割線分84は、輪郭82の前端から間隔L5の位置に設定される。分割線分84から、輪郭82の後端までの距離は間隔L5以下である。輪郭83によって囲まれる領域が分割線分85によって2つの分割領域に分けられる。分割線分85は、輪郭83の前端から間隔L5の位置に設定される。分割線分85から、輪郭83の後端までの距離は間隔L5以下である。このように分割領域が設定されるのは、液状接着剤44で描画された被加工物20上の描画領域がローラ40と接することなく、プロッタ1が模様をペン45で被加工物20に描画するためである。ローラ40よりも前方にあるピンチローラ13が被加工物20と接する場合には、間隔L5をピンチローラ13が被加工物20に接する箇所と、装着部32に装着されたペン45が被加工物20に接する箇所との間の距離よりも小さくしてもよい。分割線分84を設定する基点は、本例のように第一方向における模様(部分模様)の輪郭の前端である他、模様の輪郭又は被加工物20の第一方向における端部でもよいし、ユーザによって任意の位置に設定されてもよい。
CPU2は、S34で設定された分割領域毎に、S33で特定された輪郭を表す描画線を設定する(S35)。CPU2は、S35で描画線の描画位置と書き順(始点、終点)とを設定する。本例のCPU2は描画線の始点を、S33で特定された輪郭よりも輪郭内側方向に設定する。輪郭内側方向は、輪郭によって囲まれる閉領域の内側部分に向かう方向である。例えば、模様62では、輪郭内側方向は、輪郭82から、模様62が表す円の中心に向かう方向である。模様63では、輪郭内側方向は、輪郭83から、模様63が表す矩形の対角線の交点に向かう方向である。図示しないが、模様が2つの円を輪郭とするドーナツ状の模様である場合は、2つの円によって挟まれる領域に向かう側が輪郭内側方向である。輪郭外側方向は、輪郭内側方向の逆の方向であり、輪郭によって囲まれる閉領域の内側部分から輪郭の外側に向かう方向である。描画線は、例えば、一筆書きで描画される線によって表される。本例のCPU2は、描画線によって表される輪郭の太さに応じて、描画線の設定方法を変える。輪郭の太さは、ユーザによって設定されてもよいし、液状接着剤の種類、及び模様の形状等に応じて自動で設定されてもよい。
描画線によって表される輪郭の太さを、ペン45によって描画される線分LSの太さL8と同じにする場合(以下、第一条件の場合という。)、CPU2は描画線を一重の線とし、描画線の始点を、S33で特定された輪郭よりも輪郭内側方向に設定する。具体例では、CPU2は、状態203に示す様に、模様62の輪郭82について分割領域毎に描画線86、87を設定する。描画線86、87は、輪郭82上に設定される。描画線86、87は、装着部32に装着されたペン45によって描画される1本の線の太さを考慮し、輪郭82よりも線の太さ分(第一所定量L1)内側に設定されてもよい。模様63の輪郭83について分割領域毎に描画線88、89を設定する。描画線86は、始点P31から矢印A11で示す部分が、矢印A12で示す輪郭82に沿った部分の輪郭内側方向に配置される。線分LS1は、線分LS2等の矢印A12で示す輪郭82に沿った線分群の一部に対し輪郭内側方向に並列している。つまり描画線86は、輪郭82に沿って輪郭内側方向に並列された複数の線分(例えば、線分LS1と線分LS2)を含む。矢印A11で示す部分を設定するのは、描画開始直後は、ペン45により描画される線の太さが安定しないため、安定した線の太さで描画可能となった状態で、輪郭を描画可能な描画線とするためである。始点P31の位置は、輪郭82から第一所定量L1以内の距離で設定され、矢印A11で示す部分が、後述のオフセット領域と重複しない方がよい。始点P31は輪郭82上に設定されてもよく、矢印A11で示す部分が輪郭82を通り、矢印A11と矢印A12で示す部分は重なってもよい。
CPU2は、描画線によって表される輪郭の太さをペン45によって描画される線分LSの太さL8よりも太くする場合(以下、第二条件の場合という。)、描画線を輪郭に沿って輪郭内側方向に並列された複数の線分を含む線とする。つまりCPU2は輪郭を、輪郭に沿って輪郭内側方向に並列して延びる複数の線分群によって表す。1つの線分群は、1以上の線分を含む。1つの線分群に、複数の線分が含まれる場合、1つの線分群に含まれる複数の線分は連続している。本例のCPU2は、複数の線分群を輪郭内側方向に延びる線分で繋ぎ1本の描画線とする。分割領域毎の輪郭が環状である場合には、渦巻き状の描画線が設定される。分割領域毎の輪郭が線状である場合には、輪郭の端部で折り返された描画線が設定される。CPU2は描画線が含む、輪郭に沿って輪郭内側方向に並列された線分群の数を、描画線で表す輪郭の太さに応じて決定する。CPU2は、輪郭に沿って並列された隣合う複数の線分群を所定量L3あけて離隔する。本例の所定量L3は、S32で設定された第一所定量L1と同じである。所定量L3は、S32で設定された第一所定量L1と異なっていてもよく、例えば後述の第二所定量L2でもよい。
具体例では輪郭に沿って並列される線分群の数を2とする。状態213に示す様に、模様62の輪郭82について分割領域毎に描画線186、187を設定する。模様63の輪郭83について分割領域毎に描画線188、189を設定する。CPU2は、矢印A13の基端部に始点P1を設定し、矢印A14の先端に終点P2を設定する。矢印A14で示す線分群は、模様62の輪郭82上に設定される。矢印A13で示す線分群は、輪郭82から所定量L3、輪郭内側方向に設定される。輪郭82の前端側は矢印A13で示す線分群と、矢印A14で示される線分群との2つの線分群とを含む二重線状の描画線186によって表される。描画線186の始点P1は輪郭82上の矢印A14で示す線分群の内側に設定される。同様に、描画線187について、始点P3、終点P4が設定され、描画線188について、始点P5、終点P6が設定され、描画線189について、始点P7、終点P8が設定される。CPU2は、輪郭を、輪郭に沿って延びる互いに離間した複数の線によって表してもよい。例えば、輪郭82が1つの分割領域に収まる場合、描画線は、輪郭82を表す2本の円状の線であってもよい。その場合、CPU2は、複数の線の内、輪郭内側方向に配置される線の描画順序を、輪郭外側方向に配置される線の描画順序よりも先にする。
CPU2は、S33の処理で特定された輪郭から輪郭内側方向にS32によって設定された第一所定量L1オフセットした領域をオフセット領域とする(S36)。本例では、第一所定量L1は後述の第二所定量L2よりも小さい値である。より具体的には、第一所定量L1は第二所定量L2の半分の値である。本例では、第一所定量L1と所定量L3とは同じ値である。第一条件の場合、CPU2は、S33で特定された輪郭から第一所定量L1オフセットした領域をオフセット領域とする。具体例では、状態204に示すように、輪郭82、83の各々についてオフセット領域90、81が設定される。第二条件の場合、CPU2は、描画線の内、輪郭内側方向の部分から第一所定量L1オフセットした領域をオフセット領域とする。状態214に示すように、輪郭82、83の各々についてオフセット領域190、191が設定される。オフセット領域190は、輪郭82からではなく、描画線186が含む矢印A13で示す線分群から、輪郭内側方向に第一所定量L1オフセットした領域に設定される。
CPU2は、S36で設定されたオフセット領域内に、塗りつぶし線を設定する(S37)。塗りつぶし線は、輪郭から輪郭の内側方向に第一所定量L1オフセットしたオフセット領域をペン45で塗りつぶすための線である。CPU2は、分割領域毎に、塗りつぶし線を設定する。CPU2は、S37で塗りつぶし線の描画位置と書き順(始点、終点)とを設定する。本例の塗りつぶし線は、第一所定量L1とは異なる第二所定量L2の間隔で互いに平行な複数の線分を含む線である。複数の線分の間隔は、複数の線分に垂直な方向の間隔でもよいし、第一方向及び第二方向等の所定方向における間隔でもよい。前述のように、第二所定量L2は、第一所定量L1よりも大きく、本例では第一所定量L1の倍の値である。塗りつぶし線は、例えば、第一方向又は第二方向に延びる互いに平行な複数の線分を含む線である。具体例では、状態205に示す様に、模様62について、分割領域毎に、第二所定量L2の間隔で第一方向に延びる互いに平行な複数の線分を繋いだ蛇行状の塗りつぶし線70、93が設定される。模様63について、分割領域毎に、第二所定量L2の間隔で第一方向に延びる互いに平行な複数の線分を繋いだ蛇行状の塗りつぶし線94、95が設定される。
塗りつぶし線は、例えば、第一方向に対して所定角度傾斜した互いに平行な複数の線分を含む線であってもよい。所定角度は、模様が有する辺の角度と同じにならないような角度であることが好ましい。所定角度は、予め設定されてもよいし、ユーザにより指定されてもよいし、模様の形状等に応じて自動的に設定されてもよい。より具体的には所定角度は、S33で特定された模様の描画線に含まれる所定長さ以上の複数の線分を特定し、模様が有する複数の線分の各々に対して傾斜した角度が設定されてもよい。このようにすれば、プロッタ1は、模様が菱形等の所定長さ以上の辺を有する図形であった場合にも、塗りむらが目立ちにくくできる。本例の所定角度は、第一方向に対して時計回りに5度である。この場合具体例では、状態215に示す様に、模様62について、分割領域毎に、第二所定量L2の間隔で第一方向から時計回りに所定角度傾斜した互いに平行な複数の線分を繋いだ蛇行状の線192、193が設定される。模様63について、分割領域毎に、第二所定量L2の間隔で第一方向から時計回りに所定角度傾斜した互いに平行な複数の線分を繋いだ蛇行状の線194、195が設定される。
CPU2は、各分割領域毎に設定された描画線と、塗りつぶし線との描画順序を設定する(S38)。CPU2は描画線の描画順序を、塗りつぶし線の描画順序よりも先に設定する。本例のCPU2は、複数の分割領域毎の描画順序を第一方向下流側から順に設定し、複数の分割領域毎に描画線と塗りつぶし線とを設定する。本例の下流側は、第一方向において、ローラ40から装着部32に向かう側であり、前側である。具体例では、第一条件の場合、CPU2は、描画順序が早い順に描画線86、塗りつぶし線70、描画線87、塗りつぶし線93、描画線88、塗りつぶし線94、描画線89、塗りつぶし線95と設定する。第二条件の場合、CPU2は、図7に示す様に描画順序が早い順に描画線186、塗りつぶし線192、描画線187、塗りつぶし線193、描画線188、塗りつぶし線194、描画線189、塗りつぶし線195と設定する。
CPU2は、描画線と、塗りつぶし線との被加工物20上の描画位置を指示するプロットデータ(第一データ)を生成する(S39)。本例のCPU2は、生成された複数の分割領域毎に、描画線と塗りつぶし線とを設定し、S38で設定された描画順序に従って、描画線と塗りつぶし線との被加工物20上の描画位置を指示するプロットデータを生成する。図5に例示するように、第一条件の場合、CPU2は、図5のプロットデータD1を生成する。プロットデータD1は、描画線データ、塗りつぶし線データ、及び終了コードD4を含む。各描画線データ、及び塗りつぶし線データは、座標データ、開始コード、及び停止コードを含む。座標データは、Y移動機構7及びX移動機構8を駆動して、座標データが示す位置に被加工物20と装着部32とを相対的に移動させる指示を含む。座標データは、XY座標系の座標で表され、描画線又は塗りつぶし線が含む連続した複数の線分の端点の被加工物20上の位置を示す。例えば、描画線86についての描画線データD2では、図6の状態203に示す始点P31、始点P31から延びる線分LS1の端点P32、端点P32から延びる線分LS2の端点P33のように、連続する複数の線分の端点の座標が座標データによって指示される。描画線データD2では、描画線86の始点P31は、S33で特定された輪郭82よりも輪郭内側方向に設定されている。塗りつぶし線70についての塗りつぶし線データD3は、図6の状態205に示す始点P41、始点P41から第一方向に延びる線分LS3の端点P42、端点P42から第二方向に延びる線分LS4の端点P43のように、連続する複数の線分の端点の座標が座標データによって指示される。開始コードは、Z移動機構33を駆動し、装着部32を上昇位置から下降位置に移動させる指示を含む。停止コードは、Z移動機構33を駆動し、装着部32を下降位置から上昇位置に移動させる指示を含む。終了コードD4は、描画処理を終了させる指示を含む。CPU2は、第二条件の場合も、同様にプロットデータを生成する。CPU2は以上でデータ生成処理を終了し、処理を図4の描画制御処理に戻す。
CPU2は、装着部32にカートリッジ4を介して装着されたペン45の液状接着剤44の残量に関する情報を取得する(S17)。CPU2は、タッチパネル53を介して入力された残量に関する情報を取得する。液状接着剤44の残量に関する情報は、液状接着剤44の残量を表す情報であればよく、本例では、ペン45が有する目盛り49の数値である。ユーザは、ペン45の窓部48から液状接着剤44の残量を視認し、液状接着剤44の残量に応じた目盛り49の数値を、パネル操作でプロッタ1に入力する。CPU2は、残量に関する情報として、ユーザが入力した数値を取得する。本例のCPU2は、入力された1から4の何れかの数値を、液状接着剤44の残量に関する情報として取得する。具体例では、液状接着剤44の残量に関する情報として1が取得される。液状接着剤44の残量に関する情報は、例えば、ペン45の重さであってもよいし、液状接着剤44の残量を検出するセンサ(例えば、距離センサ)の信号であってもよい。液状接着剤44の残量に関する情報は、未使用のペン45が装着された情報及び未使用のペン45が装着されてからの描画された線の距離に応じた値が差し引かれた情報であってもよい。
CPU2は、S17で取得された液状接着剤44の残量に関する情報に基づき、Y移動機構7、及びX移動機構8による装着部32と被加工物20との相対的な移動速度を設定する(S18)。CPU2は、取得された残量に関する情報が示す液状体の残量が少ないほど、残量が多い場合に比べ、移動速度を遅く設定する。本例のCPU2は、フラッシュメモリ74を参照し、S17の処理で取得された残量を表す情報に対応する移動速度を設定する。移動速度は、Y移動機構7と、X移動機構8との各々に設定されてもよいし、Y移動機構7と、X移動機構8とによる合成速度について設定されてもよい。具体例ではCPU2は、S17で取得された液状接着剤44の残量に関する情報である目盛り49の数値1と、速度データ記憶エリア741に記憶された対応とに基づき、X移動機構8とY移動機構7とによる装着部32の移動速度を速度V1に設定する(S18)。CPU2は、S17で取得された液状接着剤44の残量に関する情報と、速度データ記憶エリア741に記憶された対応とに基づき、閾値を設定する(S19)。閾値は、液状体によって描画された線の距離に応じて、装着部32と被加工物20との相対的な移動速度を変更する処理で用いられる。液状体によって描画された線の距離は、ペン45によって描画された線の長さ、ペン45の重さ、ペン45によって描画処理が実行された時間等に基づき特定される。具体例では、目盛り49の数値1に対応する閾値Q1が設定される。
CPU2は、描画開始指示を取得したか否かを判断する(S20)。描画開始指示は、描画処理を開始する指示であり、ユーザがパネル操作により入力する。描画処理は、装着部32にカートリッジ4を介して装着されたペン45で被加工物20上に模様を描画する処理である。描画開始指示が取得されていない場合(S20:NO)、CPU2は、描画開始指示が入力されるまで待機する。
描画開始指示が取得された場合(S20:YES)、CPU2は、S14で特定された模様を被加工物20上にペン45で描画する描画処理を開始する(S21)。CPU2はS39で生成されたプロットデータに基づき、Y移動機構7、X移動機構8、及びZ移動機構33を制御し、装着部32と被加工物20とを相対的に移動し、装着部32に装着されたペン45で描画線と塗りつぶし線とを被加工物20に描画する。CPU2は、S39の処理で生成されたプロットデータと、S18の処理によって設定された移動速度とに基づき、Y移動機構7、X移動機構8、及びZ移動機構33を制御して、被加工物20に対して装着部32をS18の処理で設定された移動速度で相対的に移動させて被加工物20に模様を描画する。
具体的にはCPU2は、図5のS39で生成されたプロットデータに基づき、Y移動機構7とX移動機構8とを駆動し、最も前側に配置される分割領域の輪郭の開始位置が、ペン45の下端になる位置まで、被加工物20を移動させる。CPU2は、Z移動機構33を駆動し、装着部32を被加工物20に近接する下降位置に移動させ、装着部32に装着されたペン45のペン先部47を被加工物20に接触させる。CPU2は、S39で生成されたプロットデータに従って、X移動機構8とY移動機構7とを駆動し、被加工物20に対して装着部32を、S18で設定された速度で移動させる。装着部32の移動速度は移動開始後、加速を経てS18で設定された速度に達する。ペン45が描画する線分が比較的短い場合、移動速度V1に到達できないまま、次の線分を描画するために減速する。このため、装着部32と被加工物20との相対的な移動速度は、常に移動速度V1となるわけではない。ペン45は、被加工物20の描画線及び塗りつぶし線の上となる位置にペン45で描画する。CPU2は、被加工物20に対する装着部32の移動距離を加算し、被加工物20に描画された線の距離を特定する(S22)。移動距離の初期値は0である。CPU2は、S22が実行される毎に、既に描画した線分の距離を移動距離に加算する。
CPU2は、S22で取得された距離がS19又はS26の処理で設定された閾値よりも大きいか否かを判断する(S23)。距離が閾値よりも大きくはない場合(S23:NO)、CPU2は、プロットデータに基づく描画処理を終了するか否かを判断する(S27)。CPU2は、プロットデータに含まれる終了コードが読み出された場合に、描画処理を終了すると判断する。描画処理を終了しない場合(S27:NO)、CPU2は処理をS22に戻す。S23において、距離が閾値よりも大きい場合(S23:YES)、CPU2は、被加工物20と装着部32との相対位置が何れかの線分の始点であるか否かを判断する(S24)。前述のように本例のプロットデータは連続した複数の線分を描画する座標データを含む。本例のCPU2は、S22で特定された距離が所定量に達した時、複数の線分の内の、描画順序が次の線分の始点から速度設定手段によって再設定された移動速度で被加工物20に対して装着部を相対的に移動させる。
被加工物20と装着部32との相対位置が線分の始点にはない場合(S24:NO)、CPU2は、処理をS22に戻す。被加工物20と装着部32との相対位置が線分の始点にある場合(S24:YES)、CPU2は、S18又は前回実行されたS25で設定された、被加工物20に対する装着部32の移動速度を変更する(S25)。S25の処理は、プロットデータに従って描画を開始してから終了するまでの間に、描画された線の距離に応じて、移動速度を再設定する処理である。CPU2は、S22で特定された距離が閾値を超えた場合に、設定中の移動速度よりも遅い移動速度を再設定する。CPU2は、移動速度が再設定された場合に、Y移動機構7及びX移動機構8の各々を、再設定された移動速度で駆動し、被加工物20と装着部32とを相対的に移動させて被加工物20に模様を描画する。具体的にはCPU2は、S25で変更された移動速度で被加工物20に対して装着部32を移動する。具体例では、距離が閾値Q1に達した場合、CPU2は、移動速度をV1の次に速いV2に設定し、被加工物20と装着部32との第一方向と第二方向との各々の相対的な移動速度をV2とする。CPU2は、S19又は前回実行されたS26で設定された閾値をQ1からQ2に変更する。CPU2は、S22で加算される距離に0を設定し、リセットする(S26)。CPU2は、処理をS22に戻す。
CPU2は、終了コードを取得した場合(S27:YES)、CPU2は、描画処理を終了する(S28)。具体的には、CPU2は、停止コードに基づきZ移動機構33を駆動して装着部32を被加工物20から離隔する方向(上方)に移動させた状態で、X移動機構8を駆動して、装着部32を初期位置に移動する。CPU2は、Y移動機構7を駆動して、被加工物20を前方へ排出する。CPU2は、以上で描画制御処理を終了する。
プロッタ1による描画制御処理終了後、ユーザは、前述の配置工程(S3)を実行する。ユーザは被加工物20に描画された描画領域が無色透明になった後に、被加工物20上の描画領域を覆うように、被加工物20上に箔シート65及び保護シートを順に配置する。ユーザは、箔シート65が配置された被加工物20をプロッタ1のプラテン3に配置し、装着部32に装着されたペン45を取り外し、押圧部材35を装着した後、パネル操作で押圧制御処理を起動する開始指示を入力する。押圧制御処理では、CPU2は、描画処理が実行された後、Y移動機構7、X移動機構8及びZ移動機構33を制御して、描画領域を含む押圧領域を装着部32に装着された押圧部材35によって被加工物20上に配された箔シート65上から押圧する押圧処理を実行する。CPU2は、開始指示を受け付けると、ROM72に記憶されているプログラムに基づき、図8に示す押圧制御処理を実行する。
図8に示す様に、押圧制御処理では、CPU2は装着部32に装着される押圧部材35の種類を特定する(S41)。S41の処理は、S31の処理と同様の処理によって適宜実行されるとよい。本例のCPU2は、ユーザによって指定された数値に基づき、押圧部材35の種類を特定する。CPU2はS41の処理で特定された押圧部材35の種類と、押圧部材種類記憶エリア743に記憶された種類と間隔との対応関係とに基づき、押圧線が含む複数の線分の間隔を設定する(S42)。押圧部材35の種類を表す数値が1である場合、CPU2は、間隔にU1を設定する。
CPU2は、接着剤によって模様が描画された被加工物20上の描画領域を特定する(S43)。本例のCPU2は、S14で特定され、S15で設定された模様の配置に基づき描画領域を特定する。描画領域が視認可能である場合、CPU2は、被加工物20をスキャンして生成された画像データに基づき、描画領域を特定してもよい。CPU2は、USBメモリ60等の外部機器から取得したデータに基づき、描画領域を特定してもよい。CPU2はS43で特定された描画領域の輪郭を特定する(S44)。CPU2は、S15で設定された模様の配置に基づき、描画領域の輪郭を特定する。具体例では、図9の状態231に示す様に、模様64の模様62について輪郭282が特定され、模様63について輪郭283が特定される。CPU2は、S39で生成されたプロットデータが示す領域からペン45により描画される線の太さ分輪郭外側方向にオフセットした線を描画領域の輪郭として特定してもよい。その場合のS43におけるオフセット量は、例えば、第一所定量L1とすればよい。CPU2はS39で生成され、描画制御処理に用いられたプロットデータが示す模様の輪郭を描画領域の輪郭として特定してもよい。
CPU2は、S44で特定された輪郭に基づき、描画領域を含む押圧領域を設定する(S45)。押圧領域は装着部32に装着された押圧部材35によって、箔シート65が配置された被加工物20を、箔シート65の上から押圧する領域である。押圧領域の設定方法は、Y移動機構7及びX移動機構8の構成、押圧部材35の形状等を考慮して適宜定められればよい。例えば、CPU2は、描画領域を内包する矩形領域を押圧領域に設定してよい。描画領域を内包する矩形領域は、描画領域を内包する最小矩形であるとよい。CPU2は、矩形領域の輪郭の四辺のうち二辺の延設方句は第一方向とし、残りの二辺の延設方向は第二方向と設定する。この場合(以下、第三条件の場合という。)具体例では状態232に示す様に、輪郭282を内包する押圧領域234と、輪郭283によって囲まれる押圧領域235とが設定される。CPU2は、描画領域を内包する最小矩形を、最小矩形の外側に向けて所定量オフセットした矩形領域を押圧領域に設定してもよい。この場合(以下、第四条件の場合という。)具体例では状態242に示す様に、輪郭282を内包する矩形領域284を矩形領域284の外側に向けて所定量オフセットした押圧領域244と、輪郭283を輪郭外側方向に所定量オフセットした押圧領域245とが設定される。CPU2は、描画領域を、描画領域の外側に向けて所定量オフセットしたオフセット領域を押圧領域に設定してもよい。この場合(以下、第五条件の場合という。)具体例では状態252に示す様に、押圧領域として輪郭282を輪郭外側方向に所定量オフセットした押圧領域254と、輪郭283を輪郭外側方向に所定量オフセットした押圧領域255とが設定される。第四条件の場合及び第五条件の場合のオフセット量は、予め定められてもよいし、ユーザが設定可能であってもよいし、押圧部材35の種類、模様の形状等に応じて自動的に設定されてもよい。本例のオフセット量は、S42で設定される間隔よりも大きい値が設定され、具体的には、S42で設定される間隔の1.5倍の値が設定される。
CPU2は、S45で複数の押圧領域が設定されたか否かを判断する(S46)。状態232、242、252は何れも、複数の押圧領域が設定されている(S46:YES)。この場合CPU2は、複数の押圧領域の中に、互いに重複する部分を有する押圧領域があるか否かを判断する(S47)。S46、S47の処理によりCPU2は、複数の描画領域が特定された場合に、複数の描画領域の各々に設定された押圧領域に、互いに重なる部分があるか否かを判断する。状態242、252では重複する部分を有する押圧領域がある(S47:YES)。この場合、CPU2は重複する部分を有する押圧領域を1つの押圧領域に統合し、押圧領域を再設定する(S48)。状態246に例示するように、押圧領域244と、押圧領域245とは、1つの押圧領域247に統合される。状態256に例示するように、押圧領域254と、押圧領域255とは、1つの押圧領域257に統合される。
押圧領域が複数設定されていない場合(S46:NO)、状態232に示すように重複する部分を有する押圧領域がない場合(S47:NO)、又はS48の処理の次に、CPU2は装着部32に装着された押圧部材35によって、S43で特定された描画領域を含む押圧領域を押圧することを指示するプロットデータ(第二データ)を生成する(S49)。押圧領域を押圧することを指示するプロットデータは、押圧部材35の種類、押圧領域の大きさ等に応じて適宜設定されればよい。本例のCPU2は、S42の処理で特定された押圧部材35の種類に応じた間隔の互いに平行な複数の線分を含む押圧線に沿って押圧部材35を移動させて押圧領域を押圧するプロットデータを生成する。CPU2は、S47で重なる部分があると判断された複数の押圧領域について、当該重なる部分を有する複数の押圧領域を1つの押圧領域としてプロットデータを生成し、重なる部分がないと判断された押圧領域は、1以上の押圧領域毎にプロットデータを生成する。
本例のCPU2は、押圧領域を押圧した後、描画領域の輪郭を押圧することを指示するプロットデータを生成する。本例のCPU2は、被加工物20に対し装着部32に装着された押圧部材35を第一方向に往復移動させながら、被加工物20に対し装着部32に装着された押圧部材35を第一方向と交差する第二方向に移動させて、押圧領域の第二方向における一端から他端に向けて順に押圧することを指示するプロットデータを生成する。押圧領域が複数ある場合、押圧領域の第二方向における一端から他端は、押圧領域毎に異なっていてもよいし、互いに同じでもよい。
CPU2は、例えば以下の手順でプロットデータ(第二データ)を生成する。CPU2は、押圧領域内に、S42で設定された間隔で第一方向に平行に延びる複数の線分を配置する。CPU2は、押圧領域毎に、第一方向に延びる複数の線を、S42で設定された間隔で設定する。例えば押圧部材35の種類が1である場合、CPU2は間隔U1で第一方向に延びる複数の線を設定する。CPU2は、設定された複数の線毎に、押圧領域の輪郭との交点の内、第一方向の最も一端側にある交点と、最も他端側にある交点とを第一方向に延びる線分の端点とする。複数の線分の内、隣合う線分の端部を適宜結び、1つの押圧領域につき、1つの押圧線を設定する。具体例では、第三条件の場合、状態236に示す様に、押圧領域234について、始点P11と終点P12とを含む押圧線237が設定される。押圧領域235について始点P13と終点P14を含む押圧線238が設定される。
第四条件の場合、状態249に示す様に、押圧領域247について、始点P15と終点P16とを含む押圧線248が設定される。第五条件の場合、状態259に示す様に、押圧領域257について、始点P17と終点P18とを含む押圧線258が設定される。CPU2は設定された始点から終点まで押圧線を沿って押圧部材35で箔シート65の上から被加工物20を押圧するためのプロットデータを生成する。第三条件の場合、図8に例示するように、S49で生成されるプロットデータD5が生成される。プロットデータD5は、領域押圧線データ、輪郭押圧線データ、及び終了コードを含む。領域押圧線データは、押圧領域に設定された押圧線の位置を示すデータである。輪郭押圧線データは、輪郭を押圧するための押圧線の位置を示すデータである。領域押圧線データD6に示す様に、輪郭押圧線データ、及び輪郭押圧線データは、描画線データ、塗りつぶし線データと同様に、座標データ、開始コード、及び停止コードを含む。例えば、押圧線237についての領域押圧線データD6では、図9の状態236に示す始点P11、始点P11から延びる線分の端点P55、端点P55から延びる線分の端点P56のように、連続する複数の線分の端点の座標が座標データによって指示される。押圧線の設定方法は適宜変更されてよい。
CPU2は、押圧処理を開始する指示が入力されたか否かを判断する(S50)。押圧処理を開始する指示は、パネル操作によって入力される。指示が入力されていない場合(S50:NO)、CPU2は指示が入力されるまで待機する。指示が入力された場合(S50:YES)、CPU2は、S49の処理で生成されたプロットデータに基づき、押圧処理を実行する(S51)。CPU2は、プロットデータに従って、被加工物20に対し装着部32に装着された押圧部材35を第一方向に往復移動させながら、被加工物20に対し装着部32に装着された押圧部材35を第一方向と交差する第二方向に移動させて、押圧領域の第二方向における一端から他端に向けて順に押圧する。本例のCPU2は、プロットデータの内の領域押圧線データに従って押圧部材35と被加工物20とを相対的に移動して押圧部材35に押圧領域を押圧させた後、プロットデータの内の輪郭押圧線データに従って、描画領域の輪郭を押圧させる。押圧処理が終了後、CPU2は押圧制御処理を終了する。
図10を参照して第二実施形態の描画制御処理について説明する。図10に示す第二実施形態の描画制御処理において、図4の描画制御処理と同様な処理には同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。図10に示す様に、第二実施形態の描画制御処理は、S19とS20との間にS61を実行する点、S22からS26の処理に変えてS62及びS63の処理を実行する点、並びにS28の後にS64を実行する点で、第一実施形態の描画制御処理と異なる。S61では、CPU2は変更線分を特定する。描画線及び塗りつぶし線が含む複数の線分の内の、変更線分は描画処理の途中で被加工物20と装着部32との相対的な移動速度を変える線分である。CPU2は、S39で生成されたプロットデータに含まれるデータを順に読み出して、ペン45が収容する液状接着剤44によって描画される線分の距離が閾値に達する線分を変更線分として特定する。より具体的にはCPU2は、例えばプロットデータによって示される線分の端点の座標に基づき、描画される線分の長さを描画順序が早い順に加算してS22と同様に距離を算出し、距離がS19の処理で設定される閾値に達する線分を特定する。CPU2は変更線分を特定した場合、S26と同様な処理によって、閾値を変更し、距離をリセットする。CPU2はプロットデータの終了コードが取得されるまで、以上の処理を繰り返す。
S62の処理では、描画する線分がS61で設定された変更成分か否かを判断する(S62)。変更線分ではない場合(S62:NO)、CPU2はS27の処理を実行する。変更線分である場合(S62:YES)、CPU2は被加工物20と装着部32との相対的な移動速度を、ペン45が収容する液状接着剤44の残量に応じた値に変更する(S63)。例えば、現在の速度が図2の速度V1である場合、CPU2はS63の処理で、速度V1の次に速い速度V2を設定する。CPU2はS63の処理の次にS62の処理を実行する。S27では、終了コードではない場合(S27:NO)、CPU2は処理をS62に戻す。S64では、CPU2は、装着部32に装着されたペン45を押圧部材35に変更することを促す指示をLCD51に表示させる(S64)。CPU2は例えば、図10の画面98をLCD51に表示させる。LCD51は、イラスト96、メッセージ97、及びOKキー99を含む。イラスト96及びメッセージ97は、装着部32に装着されたペン45を押圧部材35に変更すること、及び被加工物20に箔シート65及び保護シートを配置することを促す内容である。OKキー99は、押圧制御処理の開始を指示するキーである。OKキー99が選択された場合、CPU2は第一実施形態と同様の押圧制御処理を起動させる。
上記第一、第二実施形態のプロッタ1において、装着部32、Z移動機構33は本発明の装着部、第一移動機構の一例である。Y移動機構7及びX移動機構8は、本発明の第二移動機構の一例である。CPU2は、本発明の制御部の一例である。S33の処理を実行するCPU2は、本発明の輪郭特定手段の一例である。S39の処理を実行するCPU2は、本発明の生成手段の一例である。S21からS28の処理を実行するCPU2は、本発明の描画手段の一例である。S31の処理を実行するCPU2は、本発明の種類特定手段の一例である。S32の処理を実行するCPU2は、本発明の間隔設定手段の一例である。Y移動機構7、X移動機構8、及びローラ40は各々、本発明の第一移動部、第二移動部、及びローラの一例である。S34の処理を実行するCPU2は、本発明の分割手段の一例である。
プロッタ1は、被加工物20に液状接着剤で模様を描画できる。ユーザは、プロッタ1によって液状接着剤44で模様が描画された被加工物20上に箔シート65を載置し、押圧後、箔シート65を剥がすことで、被加工物20に所望の模様を表す箔押し加工を施すことができる。したがって、プロッタ1は、簡単な構成で箔押し加工を可能とする。加熱するための構成用いずに、箔押し加工を行う場合、切断装置等で模様状に切断した箔シートを被加工物20に貼り付ける方法が考えられる。この方法では、比較的細い部分を有する模様状に切り取られた箔シートは形が崩れたり、他の部位に貼り付いてしまったり、箔シートがちぎれたりするため、ユーザが模様状に切り取られた箔シートを被加工物20に貼り付ける作業は繁雑である。第一、第二実施形態のプロッタ1は描画処理と押圧処理との双方を自動で行い、比較的細かい部分を有する模様を被加工物20に箔押し加工できる。
CPU2は、S39の処理で第一所定量L1とは異なる第二所定量L2の間隔で互いに平行な複数の線分を含む塗りつぶし線のオフセット領域内の描画位置を指示するプロットデータを生成する。プロッタ1は輪郭と輪郭の内側とを分けて描画するため、塗りつぶし線と同様の線のみで模様を描画する場合に比べ、輪郭を美しく描画できる。このため、ユーザは、配置工程と押圧工程とを適宜行うことで、箔押し加工で形成される模様の輪郭を美しく仕上げることが可能である。プロッタ1は模様の輪郭内を液状接着剤44で効率的に塗りつぶすことができる。
第二所定量L2は、第一所定量L1よりも大きい。プロッタ1は、プロッタ1により液状接着剤44で描画された線の太さを考慮して、輪郭内を液状接着剤44で効率的に塗りつぶすことができる。CPU2は、装着部32に装着されるペン45の種類を特定し(S31)、ペン45の種類に応じて、第一所定量L1を設定する(S32)。CPU2は、S33で特定された輪郭から輪郭内側方向に第一所定量L1オフセットした領域をオフセット領域とする(S36)。プロッタ1は、プロッタ1により液状接着剤44で描画された線の太さを考慮して、輪郭内を液状接着剤44で効率的に塗りつぶすことができる。
CPU2は、描画線の描画順序を、塗りつぶし線の描画順序よりも先に設定したプロットデータを生成する(S38、S39)。プロッタ1は、塗りつぶし線の描画順序が描画線の描画順序が先である場合に比べ、被加工物20に液状接着剤44で描画された描画線の外周部の見栄えを美しく仕上げることができる。故にユーザは、配置工程と押圧工程とを適宜行うことで、箔押し加工で形成される模様の輪郭を美しく仕上げることが可能である。本例のプロッタ1では、描画された液状接着剤44の内、半乾きの液状接着剤44にペン先部47及びペン先部47から出される液状接着剤44が触れると、半乾きの液状接着剤44が剥がれ、別の部位に付着することがある。十分に乾いた液状接着剤44(接着樹脂)は、被加工物20上でアクリル樹脂成分が層状に配置され、剥がれにくい。塗りつぶし線よりも、描画線の方が所定範囲あたりの塗布量が少ないので液状接着剤44が乾きやすい。故に、プロッタ1は描画線上に液状接着剤44で描画した後、塗りつぶし線を液状接着剤44で描画することで、半乾きの液状接着剤44が被加工物20から剥がれる可能性を低減できる。
CPU2は、輪郭に沿って輪郭内側方向に並列された複数の線分を含む描画線の描画位置を指示するプロットデータを生成する(S39)。箔押し加工では、輪郭部分の形状を美しく仕上げるほど、輪郭部分の形状が醜い場合に比べ、仕上がり品質が高い。プロッタ1は、描画線によって表される輪郭を、ペン45によって描画される線よりも太くすることで、描画領域の輪郭をはっきりと描画できる。プロッタ1は、描画線の一部が、描画線の一部以外の部分の輪郭内側方向に配置され、描画線によって表される輪郭が、ペン45によって描画される線よりも太くはない場合に比べ、液状接着剤44が表す模様の輪郭を美しく仕上げることができる。
CPU2は、描画線の始点を模様の輪郭よりも内側方向に設定してプロットデータを生成する。液状接着剤44により描かれる線の太さは、始点から終点まで略一定であることが好ましい。しかし実際に描画される線の太さは、始点付近において不安定になることがある。プロッタ1は、描画線の始点を輪郭よりも輪郭内側方向に配置するため、輪郭の始点が輪郭上にある場合に比べ、被加工物20に描画された描画線の太さを安定させることができ、箔押し加工の品質を向上できる。本例のCPU2は、輪郭を表す描画線に含まれる線分群の数を変えることにより、描画線によって表される輪郭の太さを調整できる。
CPU2は、図6の状態214に例示するように、描画線の内、輪郭の輪郭内側方向に配置された部分から第一所定量オフセットした領域をオフセット領域としてプロットデータを生成する。故にプロッタ1は、プロットデータが示す描画線と塗りつぶし線が重ならず、描画線よりも輪郭内側方向にオフセット領域をより確実に設定できる。
プロッタ1は、Y移動機構7及びX移動機構8を備え、CPU2は、図6の状態215に例示するように、第一方向に対して所定角度傾斜した互いに平行な複数の線分を含む塗りつぶし線のオフセット領域内の描画位置を指示するプロットデータを生成する。プロッタ1を用いて、正方形等の直線部分を有する模様の箔押し加工が実行される場合、模様の直線部分は第一方向又は第二方向に配置されることが想定される。一方、オフセット領域内の線分が延びる方向、第一所定量、第二所定量の設定方法によっては、オフセット領域内に液状接着剤44の塗りむらが発生する場合が想定される。プロッタ1の描画制御処理によれば、S36の処理で設定されるオフセット領域内に液状接着剤44の塗りむらが発生する場合にも、塗りむらが目立ちにくくすることができる。
CPU2は、S33の処理で特定された輪郭によって囲まれる領域を、複数の分割領域に分割する(S34)。CPU2は、生成された複数の分割領域毎に、描画線と塗りつぶし線とを設定し(S35、S37)、プロットデータを生成する(S39)。プロッタ1は比較的広い範囲に及ぶ模様を被加工物20に箔押し加工する場合に、効率的に液状接着剤44を被加工物に塗布できる。
CPU2は、第一方向において、ローラ40が被加工物20に接する箇所と、装着部32に装着されたペン45が被加工物20に接する箇所との間の距離L7よりも小さい間隔L5で、S33で輪郭が特定された模様を複数の分割領域に分割する。CPU2は、生成された複数の分割領域毎の描画順序を第一方向の下流側から順に設定し、複数の分割領域毎に描画線と塗りつぶし線とを設定する。プロッタ1の描画制御処理によれば、液状接着剤44で描画された領域が、ローラ40に接し、描画済みの液状接着剤44が剥がれたり、描画領域以外に付着したりすることを確実に回避できる。
本発明のプロッタ及びプロッタプログラムは、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の(A)及び(B)の変形が適宜加えられてもよい。
(A)プロッタ1の構成は適宜変更されてよい。プロッタ1は、スキャナ部、表示部、操作部を備えなくてもよい。プロッタ1は、描画及び押圧以外の処理(例えば、被加工物の切断、縫製等)を実行可能でもよい。プロッタ1は、カートリッジ4を介さずに、ペン45を装着可能であってもよい。ペン45を装着可能なカートリッジと、押圧部材35を装着可能なカートリッジとは別の構成であってもよい。装着部32は押圧部材35を装着不能であってもよい。装着部32は複数種類のペン45を装着可能である必要はない。装着部32は複数種類の押圧部材35を装着可能である必要はない。ペン45のペン先部47とは反対側の後端部を押圧部材として利用可能にしてもよい。プロッタ1は、装着部32に装着されるペン45と、押圧部材35とを自動で切り替えてもよい。表示部はLCD以外の表示装置でもよい。Y移動機構7及びX移動機構8の構成は適宜変更されてよい。例えば、プロッタ1は、装着部32の位置を固定し、被加工物20をZ方向と交差するXY平面上で移動可能な移動機構を有してもよいし、被加工物20の位置を固定し、装着部32をZ方向と交差するXY平面上で移動可能な移動機構を有してもよい。被加工物20は、シート状である必要はない。
(B)描画制御処理及び押圧制御処理の各ステップは、CPU2によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。上記処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。上記実施形態の描画制御処理及び押圧制御処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。プロッタ1のCPU2からの指令に基づき、プロッタ1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施形態の機能が実現される場合も本開示の範囲に含まれる。例えば、描画制御処理及び押圧制御処理に以下の(B−1)から(B−4)の変更が適宜加えられてもよい。
(B−1)押圧制御処理は必要に応じて省略されてよい。ユーザはプロッタ1により模様が描画された描画領域を箔押し加工以外の加工に利用してもよい。例えば、ユーザは描画領域にラメパウダー等の加工材を配置し、描画領域に加工材を付着させる加工を施してもよい。描画制御処理における第一所定量、第二所定量の設定方法は適宜変更されてよい。塗りつぶし線が含む互いに平行な複数の線分の延設方向は適宜変更されてよい。第二所定量は、第一所定量よりも大きくなくてもよい。装着部32に装着されるペン45の種類を特定する処理は適宜省略されてよい。特定されたペンの種類に応じて、第一所定量を設定する処理は適宜省略されてよい。
(B−2)CPU2は、S38の処理において、描画線の描画順序を、塗りつぶし線の描画順序よりも後に設定してもよい。CPU2は、S35の処理において描画線の始点が、輪郭よりも輪郭内側方向に配置される描画線を設定しなくてもよい。例えば、CPU2は、輪郭内側方向にある端点を終点に設定し、輪郭外側方向にある端点を始点に設定してもよい。描画線は複数の線を含んでもよく、CPU2は、始点から終点までの、描画線を描画の途中で、ペンと被加工物とを相対的に接近した状態から離隔した状態に移動させるプロットデータを生成してもよい。CPU2は、描画線の終点と塗りつぶし線の始点を繋ぎ、1本の線としてもよい。同様に、CPU2は、塗りつぶし線の終点と描画線の始点を繋ぎ、1本の線としてもよい。装着部32は、同時に複数のカートリッジを装着可能でもよく、この場合CPU2は基準となる線の太さが互いに異なる複数のペン45を適宜使い分けることにより、描画線によって表される輪郭の太さを調整してもよい。
(B−3)CPU2は、描画線の内、輪郭内側方向に配置された部分から第一所定量オフセットした領域をオフセット領域とする必要はない。例えば、CPU2は、S33で特定された輪郭から輪郭内側方向に第一所定量オフセットした領域をオフセット領域としてもよい。CPU2は、第一方向に対して所定角度傾斜した互いに平行な複数の線分を含む塗りつぶし線をオフセット領域内に描画するためのプロットデータを生成する必要はない。
(B−4)CPU2は、S33の処理で特定された輪郭によって囲まれる領域を、複数の分割領域に分割しなくてもよい。S33の処理で特定された輪郭によって囲まれる領域を、複数の分割領域に分割する際の分割方法は適宜変更されてよい。例えば、CPU2は第二方向において所定間隔で輪郭によって囲まれる領域を分割してもよい。CPU2は、生成された複数の分割領域毎に、描画線と塗りつぶし線とを設定してプロットデータを生成しなくてよい。CPU2は、S33の処理で特定された輪郭によって囲まれる領域を、複数の分割領域に分割する場合、模様を分割する間隔L5は、装着部32に装着されたペン45が被加工物20に接する箇所との間の距離L7よりも小さい間隔である必要はない。CPU2は、複数の分割領域毎の描画順序を第一方向の下流側から順に設定し、複数の分割領域毎に描画線と塗りつぶし線とを設定する必要はない。
1:プロッタ、2:CPU、4:カートリッジ、7:Y移動機構、8:X移動機構、20:被加工物、32:装着部、33:Z移動機構、35:押圧部材、40:ローラ、45:ペン、72:ROM、73:RAM、74:フラッシュメモリ

Claims (12)

  1. 液状接着剤が収容されたペンを装着可能な装着部と、
    前記装着部と被加工物とを相対的に接近及び離隔する移動方向に移動可能な第一移動機構と、
    前記第一移動機構による前記移動方向と交差する方向に前記装着部と前記被加工物とを相対的に移動可能な第二移動機構と、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記被加工物に加工する模様の輪郭を特定する輪郭特定手段と、
    前記輪郭を表す描画線と、前記描画線から前記輪郭の内側方向に第一所定量オフセットしたオフセット領域を前記ペンで塗りつぶすための線である塗りつぶし線との前記被加工物上の描画位置を指示するプロットデータを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された前記プロットデータに基づき、前記第一移動機構と前記第二移動機構とを制御し、前記装着部と前記被加工物とを相対的に移動し、前記装着部に装着された前記ペンで前記描画線と前記塗りつぶし線とを前記被加工物に描画する描画手段
    として機能することを特徴とするプロッタ。
  2. 前記生成手段は、前記第一所定量とは異なる第二所定量の間隔で互いに平行な複数の線分を含む前記塗りつぶし線の前記オフセット領域内の描画位置を指示する前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項1に記載のプロッタ。
  3. 前記第二所定量は、前記第一所定量よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のプロッタ。
  4. 前記制御部は、
    前記装着部に装着される前記ペンの種類を特定する種類特定手段と、
    前記種類特定手段によって特定された前記ペンの種類に応じて、前記第一所定量を設定する間隔設定手段
    として更に機能し、
    前記生成手段は、前記輪郭特定手段によって特定された前記輪郭から前記内側方向に前記間隔設定手段によって設定された前記第一所定量オフセットした領域を前記オフセット領域とすることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のプロッタ。
  5. 前記生成手段は、前記描画線の描画順序を、前記塗りつぶし線の描画順序よりも先に設定した前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のプロッタ。
  6. 前記生成手段は、前記輪郭に沿って前記内側方向に並列された複数の線分を含む前記描画線の描画位置を指示する前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のプロッタ。
  7. 前記生成手段は、前記描画線の始点を前記輪郭よりも前記内側方向に設定して前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のプロッタ。
  8. 前記生成手段は、前記描画線の内、前記輪郭の前記内側方向に配置された部分から前記第一所定量オフセットした領域を前記オフセット領域として前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のプロッタ。
  9. 前記第二移動機構は、
    前記被加工物を前記装着部に対し第一方向に移動可能な第一移動部と、
    前記装着部を前記被加工物に対し前記第一方向と交差する第二方向に移動可能な第二移動部と
    を含み、
    前記生成手段は、前記第一方向に対して所定角度傾斜した互いに平行な複数の線分を含む前記塗りつぶし線の前記オフセット領域内の描画位置を指示する前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のプロッタ。
  10. 前記制御部は、
    前記輪郭特定手段によって特定された前記輪郭によって囲まれる領域を、複数の分割領域に分割する分割手段として更に機能し、
    前記生成手段は、前記分割手段によって生成された前記複数の分割領域毎に、前記描画線と前記塗りつぶし線とを設定して前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項1から9の何れかに記載のプロッタ。
  11. 前記第二移動機構は、
    前記被加工物を前記装着部に対し第一方向に移動可能な第一移動部と、
    前記装着部よりも前記第一方向上流側に配され、前記第一移動部によって移動された前記被加工物を押圧するローラと、
    前記装着部を前記被加工物に対し前記第一方向と交差する第二方向に移動可能な第二移動部と
    を含み、
    前記分割手段は、前記第一方向において、前記ローラが前記被加工物に接する箇所と、前記装着部に装着された前記ペンが前記被加工物に接する箇所との間の距離よりも小さい間隔で、前記模様を前記複数の分割領域に分割し、
    前記生成手段は、前記分割手段によって生成された前記複数の分割領域毎の描画順序を前記第一方向の下流側から順に設定し、前記複数の分割領域毎に前記描画線と前記塗りつぶし線とを設定して、前記プロットデータを生成することを特徴とする請求項10に記載のプロッタ。
  12. 請求項1から12までの何れかに記載のプロッタの各種処理手段としてプロッタの制御部を機能させるためのプロッタプログラム。
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