以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
(実施形態1)
図1に、本発明の実施形態に係る印刷装置10を示す。印刷装置10は、印刷媒体30上における自装置の移動に合わせてインクを塗布することにより、印刷媒体30の表面に、文字、記号、図形、絵柄、模様等の印刷対象の画像(印刷画像)を印刷することが可能な装置である。
印刷媒体30は、例えば印刷用紙、ラベル、段ボール等である。印刷媒体30の材質は、紙であることに限らず、例えばフィルム、化学繊維、樹脂、金属等であっても良いし、インクを付着させることができるものであればどのようなものであっても良い。印刷媒体30におけるインクが塗布される面は、平面状であることに限らず、曲面状、すなわち多少の膨らみ又は窪みを有する面であっても良い。インクは、印刷対象の画像を印刷するために印刷媒体30に塗布される塗布材(塗料)である。なお、インクは、液体状であることに限らず、印刷媒体30に塗布可能なものであれば固体状又はゲル状であっても良い。
図1に示すように、ユーザが印刷装置10を手で把持して、印刷媒体30上を滑らすように移動させることにより、印刷媒体30の表面にインクが塗布され、印刷画像が印刷される。このような方式の印刷装置10は、手動走査型の印刷装置、ハンディプリンタ、ダイレクトプリンタ等と呼ばれる。
ユーザは、図1において太い矢印で示すように、印刷装置10を、2次元方向、すなわち横方向、縦方向及び斜め方向を含むXY平面上における任意の方向に走査することができる。印刷装置10は、2次元方向への走査に合わせてインクを塗布することで、印刷媒体30に印刷画像を印刷する。言い換えると、印刷装置10は、2次元印刷に対応したハンディプリンタである。
なお、図1において、X方向及びY方向は、印刷媒体30の表面に平行な方向(一例として水平方向)に相当し、Z方向は、印刷媒体30の表面に垂直な方向(一例として鉛直方向)に相当する。X方向とY方向とZ方向とは、互いに直交する。以降の図でも同様である。
図2に示すように、印刷装置10は、制御部11と、記憶部12と、ユーザインタフェース13と、電源部14と、通信部15と、移動検出部16と、印刷部(印刷ヘッド)17と、方向指示部18と、を備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。CPUは、例えばマイクロプロセッサ等であって、様々な処理や演算を実行する中央演算処理部である。制御部11において、CPUは、システムバスを介して印刷装置10の各部に接続されており、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、印刷装置10全体の動作を制御する制御手段として機能する。また、制御部11は、RTC(Real Time Clock)等の時間を計測する計時部を備える。
記憶部12は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリである。記憶部12は、制御部11が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。例えば、記憶部12は、文字、記号、絵文字等のような表示用及び印刷用のデータ、及び、印刷における各種の設定を定めたテーブルを格納している。また、記憶部12は、制御部11が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
ユーザインタフェース13は、入力キー、ボタン、スイッチ、タッチパッド、タッチパネル等のような入力受付部と、液晶パネル等の表示部と、を備える。ユーザインタフェース13は、入力部を介してユーザから各種の操作指示を受け付け、受け付けた操作指示を制御部11に送信する。また、ユーザインタフェース13は、各種の情報を制御部11から取得して、取得した情報を示す画像を表示部に表示する。
電源部14は、バッテリ及び電圧検出器を備え、印刷装置10の動作に必要な電源を作り出して各部に供給する。
通信部15は、印刷装置10が外部の機器と通信するためのインタフェースを備える。外部の機器とは、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の端末装置である。通信部15は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)等の無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等を介して外部の機器と通信する。通信部15は、制御部11の制御の下、このような有線又は無線による通信を介して、外部の機器から印刷データを含む各種データを取得する。
移動検出部16は、印刷装置10の下部に設けられており、印刷装置10が印刷媒体30上を移動した際における印刷装置10の移動を検出する。具体的に説明すると、移動検出部16は、印刷媒体30の表面に向けて光を発するLED(Light Emitting Diode)等の発光部と、発光部から発せられて印刷媒体30の表面で反射した光を読み取る光学センサと、を備える。移動検出部16は、発光部から発せられた光を光学センサによって読み取り、読み取った光の変化に基づいて印刷装置10の移動量と移動の向きとを検出する。
より詳細に説明すると、移動検出部16は、発光部と光学センサとのセットを2つ備えている。具体的には図3に示すように、印刷装置10の下側の面(底面)の異なる位置に2つの光学センサ16a,16bが設けられており、それぞれ図示しない発光部から発せられた光を読み取る。移動検出部16は、2つの光学センサ16a,16bによって読み取られた光の変化に基づいて、2つの光学センサ16a,16bのそれぞれの位置における移動量と移動の向きとを検出する。
ここで、異なる位置に2つの光学センサ16a,16bが設けられていることにより、印刷媒体30上で印刷装置10が回転して向きを変えた場合であっても、その向きを高精度で検出することができる。このような構成によって、移動検出部16は、印刷媒体30上における印刷装置10の2次元方向への移動を検出する移動検出手段として機能する。
図2に戻って、印刷部(印刷ヘッド)17は、印刷媒体30の表面にインクを塗布することにより印刷を実行する印刷機構である。印刷部17は、インクタンクに充填されたインクを微滴化し、印刷媒体30に対してインクを直接に吹き付けるインクジェット方式で印刷媒体30の表面にインクを塗布する。印刷部17は、印刷手段として機能する。
一例として、印刷部17は、サーマル方式によってインクを吐出する。具体的に説明すると、印刷部17には、複数のノズルが主走査方向(X方向)及び副走査方向(Y方向)に沿って配列されている。印刷部17の複数のノズルは、図3に示すように、印刷装置10の下側の面に向けて、2つの光学センサ16a,16bの間の位置に設けられている。複数のノズル内のインクは、ヒータによって加熱されることで気泡を生じ、生じた気泡によって、複数のノズルのそれぞれから印刷媒体30へ向けて(鉛直下向きに)インクが吐出される。このような原理によって、印刷部17は、印刷媒体30の表面にインクを塗布する。
方向指示部18は、印刷装置10の移動方向をユーザに指示するための機構である。印刷装置10の移動方向とは、ユーザが印刷装置10を把持して印刷媒体30上を移動させながら印刷を実行している最中において、印刷装置10を移動させるべき方向を意味する。
具体的には図4に示すように、方向指示部18は、印刷装置10の上側の面、すなわち印刷媒体30に向けられる側とは反対側の面に、それぞれが光を発する発光部である8個のLED1~8を備える。8個のLED1~8は、XY平面上において360度を等分割した8方向に対応するように、円周状に等間隔に配置されている。方向指示部18は、8個のLED1~8のうちの、印刷が未完了の領域の方向に対応する少なくとも1個のLEDを点灯させる。これにより、方向指示部18は、印刷装置10の移動方向をユーザに指示する。
次に、図5を参照して、印刷装置10の機能的な構成について説明する。図5に示すように、印刷装置10は、機能的に、印刷データ取得部110と、位置特定部120と、印刷制御部130と、更新部140と、報知部150と、を備える。制御部11において、CPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、これら各部として機能する。
印刷データ取得部110は、印刷データを取得する。印刷データは、印刷媒体30の表面に描画する印刷画像を示す画像データ、及び画像データのサイズ等の情報を含むデータである。印刷データは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の端末装置において、予めインストールされたプリンタドライバを介してユーザからの操作指示を受け付けることによって、生成される。印刷データ取得部110は、このようにして生成された印刷データを、通信部15を介して端末装置から取得する。印刷データ取得部110は、制御部11が通信部15と協働することによって実現される。印刷データ取得部110は、印刷データ取得手段として機能する。
図6に、印刷データ取得部110によって取得される印刷データに含まれる印刷画像40の例を示す。図6に示す印刷画像40は、予め定められた色のインクを菱形状に塗布することにより、菱形状の図形(ダイヤマーク)を表す画像である。以下、図6に示すような菱形状の図形を表す印刷画像40を印刷装置10が印刷する場合を例にとって説明する。
位置特定部120は、ユーザが印刷装置10を印刷媒体30上で移動させた場合において、移動検出部16により検出された印刷装置10の移動に基づいて、印刷媒体30上における印刷装置10の位置を特定する。印刷媒体30上における印刷装置10の位置とは、印刷装置10が印刷媒体30の表面上を縦方向、横方向又は斜め方向に走査された際における印刷装置10の現在の位置、より詳細には印刷部17のノズルが設けられた位置の情報である。位置特定部120は、2つの光学センサ16a,16bのそれぞれの位置において検出された移動量と移動の向きとに基づいて、印刷媒体30上における印刷装置10の位置を特定する。
位置特定部120は、印刷媒体30上における印刷装置10の位置を特定するため、図7に示すように、印刷媒体30上における2次元の座標系を設定する。具体的に説明すると、位置特定部120は、印刷開始時における印刷装置10のノズルの位置を原点として設定し、設定された原点を基準とする2次元の座標軸としてX軸及びY軸を設定する。ここで、X軸は、印刷開始時における印刷装置10のノズルの主走査方向に相当し、Y軸は、印刷開始時における印刷装置10のノズルの副走査方向に相当する。
このようにして設定された2次元の座標系において、位置特定部120は、印刷媒体30上において印刷画像40が印刷される印刷領域50を設定する。具体的に説明すると、位置特定部120は、印刷が指示された印刷画像40のサイズに応じて、印刷領域50の4つの頂点の座標を設定する。例えば図7に示すように、印刷画像40の縦方向(X方向)の長さがX1であり、印刷画像40の横方向(Y方向)の長さがY1である場合、位置特定部120は、原点(0,0)と座標(X1,0)と座標(0,Y1)と座標(X1,Y1)とを印刷領域50の4つの頂点に設定する。そして、位置特定部120は、これら4つの座標を頂点とする領域、すなわち図7において破線で示す領域を、印刷領域50として設定する。
なお、図7では、原点(0,0)が印刷領域50の左上の頂点の位置に相当するように印刷領域50を設定している。しかしながら、位置特定部120は、これに限らず、原点(0,0)が印刷領域50の右上、右下又は左下の頂点の位置に相当するように印刷領域50を設定しても良いし、原点(0,0)が印刷領域50の中心位置等、その他の位置に相当するように印刷領域50を設定しても良い。
ここで、印刷領域50は、インクが塗布される塗布領域51と、インクが塗布されない非塗布領域52と、に分けられる。塗布領域51は、少なくとも1色のインクの塗布を必要とする領域であって、図7の例では、一点鎖線で囲われた菱形状の図形が印刷される部分に相当する。これに対して、非塗布領域52は、どの色のインクの塗布も必要としない領域であって、具体的には背景部分又は余白部分に相当する。なお、印刷画像40によっては、余白部分を含まず、且つ、背景部分が白色でなく背景部分にもインクの塗布が必要である場合もある。このような場合には、印刷領域50が非塗布領域52を含まない、すなわち印刷領域50の全てが塗布領域51に相当する。
印刷装置10は、例えば図8に示すように、このようにして設定された印刷領域50内を、ユーザによる走査によって様々に向きを変えながら移動する。位置特定部120は、印刷領域50内における印刷装置10の位置を、印刷開始時に設定された2次元の座標系における位置座標(X,Y)を計算することによって、特定する。
具体的に説明すると、位置特定部120は、印刷開始後、規定時間が経過する毎に、2つの光学センサ16a,16bによって検出された移動量と移動の向きとを参照する。そして、位置特定部120は、2つの光学センサ16a,16bのそれぞれについて、現在よりも規定時間前の位置から現在の位置への移動ベクトルを計算し、計算した移動ベクトルを現在よりも規定時間前の位置座標に加えることで、2つの光学センサ16a,16bの現在の位置座標を計算する。
2つの光学センサ16a,16bの現在の位置座標を計算すると、位置特定部120は、得られた2つの位置座標を、印刷部17のノズルの位置に対応する比率で内分することにより、印刷装置10の現在の位置座標(X,Y)を計算する。また、位置特定部120は、2つの光学センサ16a,16bの現在の位置座標の差分を計算することにより、印刷開始時からの印刷装置10の向きの変化を示す角度θの情報を取得する。
位置特定部120は、このような印刷装置10の位置座標(X,Y)及び角度θの計算を、印刷開始後、規定時間が経過する毎に実行する。これにより、印刷領域50内を移動する印刷装置10の現在の位置情報を逐次更新する。位置特定部120は、制御部11が移動検出部16と協働することによって実現される。位置特定部120は、位置特定手段として機能する。
図5に示した印刷装置10の機能構成の説明に戻る。印刷制御部130は、印刷部17による印刷を制御する。具体的に説明すると、印刷制御部130は、印刷が指示された印刷画像40に対応するノズルデータを生成する。そして、印刷制御部130は、移動検出部16によって印刷装置10の移動が検出されると、検出された移動に合わせて、生成されたノズルデータを印刷部17に出力する。印刷制御部130は、印刷部17の通電ドットを制御し、印刷部17のノズルからインクを吐出させる。これにより、印刷が実行される。
印刷部17は、このような印刷制御部130による制御のもと、移動検出部16により検出された印刷装置10の移動に応じて、印刷媒体30上の印刷領域50に印刷画像40を印刷する。印刷制御部130は、制御部11が印刷部17と協働することによって実現される。印刷制御部130は、印刷制御手段として機能する。
図9から図11に、印刷装置10によって印刷媒体30上の印刷領域50に、図6に示した印刷画像40が印刷される様子を示す。ここで、図9は、菱形状の塗布領域51の上側部分にインクが塗布されている状態を示しており、図10は、菱形状の塗布領域51の中央部分にインクが塗布されている状態を示している。また、図11は、塗布領域51へのインクの塗布が完了した状態を示している。
図9から図11に示すように、ユーザは、印刷装置10を印刷媒体30上において上下左右に走査させる。このとき、印刷制御部130は、位置特定部120によって特定された印刷装置10の位置に基づいて、印刷部17のノズルが塗布領域51内に位置しているか否かを判定する。印刷部17のノズルが塗布領域51内に位置している場合に、印刷制御部130は、印刷部17に、その位置に対応する色のインクを塗布させる。これに対して、印刷部17のノズルが非塗布領域52内に位置している場合、印刷制御部130は、印刷部17に、どの色のインクも塗布させない。このようにして、印刷制御部130は、印刷領域50に印刷画像40を印刷する。
なお、ユーザは印刷媒体30上において印刷装置10を自由に移動させることができるため、図9から図11に示すように必ずしも塗布領域51内の上から順にインクが塗布されるとは限らず、塗布領域51内のユーザが印刷装置10を走査させた部分から順にインクが塗布される。
より詳細に説明すると、塗布領域51は、印刷完了部分53と、印刷未完了部分54と、に分けられる。印刷完了部分53は、塗布領域51のうちのインクの塗布が既に完了した部分、すなわち印刷が完了した部分である。印刷完了部分53は、図9から図11の例では斜線を付した領域に相当する。これに対して、印刷未完了部分54は、塗布領域51のうちのインクの塗布が未だ完了していない部分、すなわち印刷が完了していない部分である。印刷制御部130は、塗布領域51内において、印刷部17のノズルが通過した位置から順に、印刷部17に対応する色のインクを塗布させる。そのため、印刷完了部分53は、印刷装置10が既に移動した部分、すなわち印刷部17のノズルが少なくとも1回は通過した部分に相当し、印刷未完了部分54は、印刷装置10が移動していない部分、すなわち印刷部17のノズルが未だ1回も通過していない部分に相当する。
図5に示した印刷装置10の機能構成において、更新部140は、位置特定部120により特定された印刷装置10の位置に基づいて、塗布領域51における印刷完了部分53と印刷未完了部分54とを更新する。具体的に説明すると、更新部140は、印刷画像40の印刷が指示されると、印刷画像40に対応する更新データを生成し、記憶部12に記憶させる。更新データは、印刷画像40の印刷の途中経過を示すデータであって、具体的には、印刷画像40が印刷される印刷領域50内における印刷完了部分53と印刷未完了部分54とを示すデータである。
更新データは、印刷開始時には、塗布領域51の全てを印刷未完了部分54として設定している。更新部140は、印刷領域50内のいずれかの部分に印刷が実行される毎に、更新データにおける印刷が実行された部分を印刷未完了部分54から印刷完了部分53に更新する。このようにして、更新部140は、印刷が実行されている最中に、更新データにおける印刷完了部分53と印刷未完了部分54とを随時更新する。更新部140は、制御部11が記憶部12と協働することによって実現される。更新部140は、更新手段として機能する。
印刷制御部130は、印刷装置10の位置が塗布領域51内である場合に、更新部140によって更新された更新データを参照して、印刷装置10の位置が印刷完了部分53内であるか、それとも印刷未完了部分54内であるかを判定する。判定の結果、印刷装置10の位置が印刷未完了部分54内である場合には、印刷制御部130は、印刷部17にインクを塗布させる。これに対して、印刷装置10の位置が塗布領域51内であっても、印刷完了部分53内である場合には、その部分には、印刷装置10が過去に通過した際に既にインクが塗布されている。そのため、この場合には、印刷制御部130は、不要にインクを塗布することを回避するため、印刷部17にインクを塗布させない。
このようにして、塗布領域51の全体に亘って印刷装置10が走査されて印刷未完了部分54が無くなると、図11に示すように、塗布領域51の全体にインクが塗布され、印刷が完了する。その結果、図12に示すように、印刷媒体30の表面に所望の印刷画像40が印刷される。
図5に示した印刷装置10の機能構成において、報知部150は、印刷部17による印刷画像40の印刷が完了していない場合に、印刷領域50のうちの印刷が完了していない部分、すなわち印刷未完了部分54を示す報知情報を報知する。2次元印刷では、ユーザが印刷装置10を印刷媒体30上において自由な方向に移動させることができるため、ユーザは、印刷中に印刷未完了部分54がどこに存在するのかを確認することが難しくなり、その結果として印刷装置10をどの方向に走査すれば良いのか把握することが難しくなる場合がある。このような課題に対処するため、報知部150は、印刷未完了部分54の位置をユーザに認知させるための報知情報を報知する。これにより、報知部150は、印刷装置10を適切な方向に走査させるようにユーザを誘導する。
具体的に説明すると、報知部150は、報知情報として、印刷媒体30上における印刷装置10の現在の位置から印刷未完了部分54への方向を報知する。報知部150は、印刷装置10による印刷の実行中に、更新部140により随時更新される更新データを参照して、印刷領域50内における印刷未完了部分54の位置を特定する。そして、報知部150は、印刷未完了部分54の位置と、位置特定部120によって特定された印刷装置10の現在の位置と、に基づいて、印刷装置10の位置から印刷未完了部分54への方向を特定する。
印刷装置10の現在の位置から印刷未完了部分54への方向を特定すると、報知部150は、方向指示部18に設けられた8個のLED1~8のうちの当該方向に対応する少なくとも1個のLEDを発光させることにより、当該方向を報知する。以下、報知部150の報知処理について、図7から図11に示したように、印刷領域50に菱形状の印刷画像40を印刷する場合を例にとって説明する。
第1に、図7に示す印刷開始時、すなわち印刷装置10を印刷媒体30上に置いた時点では、塗布領域51の全体が印刷未完了部分54に該当する。この場合、塗布領域51は印刷装置10から見て右下の方向に有る。そのため、報知部150は、方向指示部18の8個のLED1~8のうちの右下のLED4を点灯させる。
第2に、図8に示すように、印刷装置10が塗布領域51の近くまで移動すると、塗布領域51は、印刷装置10から見て右上、右、右下及び下の4方向に位置するようになる。この場合、報知部150は、LED1~8のうちの対応する4個のLED2~5を点灯させる。
第3に、図9に示すように、印刷装置10が走査されて塗布領域51の右端に到達すると、印刷未完了部分54は、そこから右及び上には存在せず、印刷装置10から見て下及び左下の2方向に位置するようになる。この場合、報知部150は、LED1~8のうちの2個のLED5,6を点灯させる。これにより、ユーザは、印刷装置10をそれ以上右及び上には移動させる必要が無く、印刷装置10を下及び左下に移動させれば残りの印刷を続けることができることを理解することができる。
第4に、図10に示すように、印刷装置10が更に走査されて、塗布領域51の左端に到達すると、印刷未完了部分54は、そこから左及び上には存在せず、印刷装置10から見て右、右下及び下の3方向に位置するようになる。この場合、報知部150は、LED1~8のうちの3個のLED3~5を点灯させる。これにより、ユーザは、印刷装置10をそれ以上左及び上には移動させる必要が無く、印刷装置10を右、右下及び下に移動させれば残りの印刷を続けることができることを理解することができる。
最終的に、図11に示すように、塗布領域51の全体にインクが塗布されると、印刷未完了部分54は無くなる。この場合、報知部150は、LED1~8の全てを消灯させる。これにより、ユーザは、どの方向にも印刷未完了部分54は無いため、これ以上印刷装置10を移動させる必要が無いことを理解することができる。
このように、報知部150は、方向指示部18によって8個のLED1~8を点灯又は消灯させることによって、印刷装置10の移動方向を指示する。これにより、ユーザは、印刷装置10を移動させる必要がある方向と移動させる必要がない方向とを一目で認識することができ、また印刷が完了したかどうかについても容易に確認することができる。報知部150は、制御部11が方向指示部18と協働することによって実現される。報知部150は、報知手段として機能する。
ここで、印刷未完了部分54は、印刷領域50のうちのインクが塗布される塗布領域51内において、印刷装置10が移動していない部分として設定されている。そのため、報知部150は、菱形状の図形を表す印刷画像40を印刷する場合のように、印刷領域50にインクが塗布されない非塗布領域52が含まれる場合には、印刷未完了部分54を示す報知情報として、塗布領域51内における印刷装置10が移動していない部分を示す情報を報知する。言い換えると、報知部150は、非塗布領域52の中に印刷装置10が移動していない部分が有る場合であっても、その部分を印刷未完了部分54に含めず、印刷装置10が移動すべき部分として報知しない。これにより、印刷装置10を移動させる必要がない非塗布領域52にまで、ユーザが不要に印刷装置10を移動させることを回避することができるため、効率的に印刷を実行することができる。
以上のように構成される印刷装置10において実行される処理の流れについて、図13に示すフローチャートを参照して、説明する。
ユーザは、印刷媒体30に所望の印刷画像40に印刷することを望む場合、印刷装置10のユーザインタフェース13を操作して印刷開始ボタンを押下する。そして、ユーザは、印刷装置10を、その下側の面を印刷媒体30の表面に接触させて、印刷媒体30上における印刷を所望する領域上に置く。このような状態において、図13に示す印刷処理は開始する。
印刷処理を開始すると、制御部11は、原点及び座標系を設定する(ステップS1)。具体的に説明すると、制御部11は、印刷開始ボタンが押下されてから印刷装置10が最初に置かれた位置を、印刷装置10の位置座標を計算するための原点に設定する。そして、制御部11は、印刷部17のノズルの主走査方向がX方向に相当し、印刷部17のノズルの副走査方向がY方向に相当するように、X軸及びY軸を設定する。これにより、例えば図7に示す2次元の直交座標系が設定される。
次に、制御部11は、報知部150として機能し、印刷領域のうちの未だ印刷されていない部分を報知する報知処理を実行する(ステップS2)。報知処理の詳細については、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
図14に示す報知処理を開始すると、制御部11は、初期化処理として、方向指示部18に設けられた8個のLEDの番号を示す値Nを1に設定する(ステップS21)。そして、制御部11は、記憶部12に記憶された更新データを確認し、第N番目のLEDの方向に印刷未完了部分54が有るか否かを判定する(ステップS22)。例えばNの値が1に設定されている場合、制御部11は、8個のLED1~8のうちのLED1の方向、すなわち印刷装置10から見て上側に印刷未完了部分54が有るか否かを判定する。
判定の結果、第N番目のLEDの方向に印刷未完了部分54が有る場合(ステップS22;YES)、制御部11は、第N番目のLEDを点灯させる(ステップS23)。これに対して、第N番目のLEDの方向に印刷未完了部分54が無い場合(ステップS22;NO)、制御部11は、第N番目のLEDを消灯させる(ステップS24)。
このようにして第N番目のLEDを点灯又は消灯させると、制御部11は、Nの値に1を加算する(ステップS25)。例えばNの値が1に設定された場合には、制御部11は、Nの値を2に設定し、方向を確認するLEDをLED1からLED2に変更する。Nの値に1を加算すると、制御部11は、Nの値が8を超えたか否か、すなわち全てのLEDの方向を確認し終えたか否かを判定する(ステップS26)。
全てのLEDの方向を確認し終えていない場合(ステップS26;NO)、制御部11は、処理をステップS22に戻す。そして、制御部11は、次のLEDについて、ステップS22からステップS25の処理を実行する。具体的に説明すると、制御部11は、そのLEDの方向に印刷未完了部分54が有るか否かを判定し、印刷未完了部分54が有る場合に当該LEDを点灯させ、印刷未完了部分54が無い場合に当該LEDを消灯させる。このように、制御部11は、第1番目から第8番目までの全てのLEDの方向に印刷未完了部分54が有るか否かを判定し、判定結果に応じて各LEDを点灯又は消灯させる。
最終的に、全てのLEDの方向を確認し終えると(ステップS26;YES)、制御部11は、図14に示した報知処理を終了する。
図13に示すフローチャートに戻って、報知処理を実行すると、制御部11は、ユーザによって印刷装置10が印刷媒体30上を走査されたか否かを判定する(ステップS3)。具体的に説明すると、制御部11は、移動検出部16を介して、印刷装置10が印刷媒体30上をいずれかの方向への移動を検出したか否かを判定する。印刷装置10が走査されていない場合(ステップS3;NO)、制御部11は、処理をステップS3に留めて、印刷装置10が走査されるまで待機する。
印刷装置10が走査されると(ステップS3;YES)、制御部11は、位置特定部120として機能し、印刷媒体30上を移動中である印刷装置10の現在の位置を特定する(ステップS4)。具体的に説明すると、制御部11は、移動検出部16によって検出された印刷装置10の移動量と移動の向きとに基づいて、ステップS1で設定された原点及び座標系を基準とする印刷装置10の現在の位置座標を計算する。
印刷装置10の現在の位置を特定すると、制御部11は、特定された位置が印刷未完了部分54に該当するか否かを判定する(ステップS5)。言い換えると、制御部11は、印刷装置10が現在、印刷領域50内のインクの塗布が必要な部分に位置しているか否かを判定する。
印刷装置10の現在の位置が印刷未完了部分54に該当する場合(ステップS5;YES)、制御部11は、印刷制御部130として機能し、印刷媒体30上にインクを塗布する(ステップS6)。具体的に説明すると、制御部11は、印刷部17を制御して、印刷装置10の現在の位置に対応する色のインクをノズルから吐出させる。これにより、制御部11は、印刷が指示された印刷画像40の印刷を実行する。
インクを塗布すると、制御部11は、更新部140として機能し、印刷完了部分53を更新する(ステップS7)。具体的に説明すると、制御部11は、記憶部12に記憶された印刷完了部分53と印刷未完了部分54とを示す更新データにアクセスし、更新データにおける印刷装置10の現在の位置に対応する部分、すなわちインクを塗布した部分を、印刷未完了部分54から印刷完了部分53に変更する。
これに対して、印刷装置10の現在の位置が印刷未完了部分54に該当しない場合(ステップS5;NO)、その位置にはどの色のインクも塗布する必要がない。そのため、この場合、制御部11は、ステップS6,S7の処理をスキップし、インクを塗布せずにステップS8の処理に移行する。
続いて、制御部11は、記憶部12に記憶された更新データを参照して、印刷領域50内に印刷未完了部分54が残っているか否かを判定する(ステップS8)。これにより、制御部11は、印刷が指示された印刷画像40の印刷が完了したか否かを判定する。
印刷未完了部分54が残っている場合(ステップS8;YES)、制御部11は、印刷が指示された印刷画像40の印刷が完了していないと判定して、処理をステップS2に戻す。そして、制御部11は、印刷未完了部分54が無くなるまで、ステップS2からステップS8の処理を繰り返す。これにより、制御部11は、LED1~8の点灯と消灯とを切り替えて印刷未完了部分54の方向を指示しながら、印刷装置10が印刷未完了部分54に移動する毎に、その部分に対応する色のインクを塗布する。
最終的に、印刷未完了部分54が無くなると(ステップS8;NO)、制御部11は、印刷が指示された印刷画像40の印刷が完了したと判定して、全てのLEDを消灯する(ステップS9)。そして、制御部11は、図13に示した印刷処理を終了する。
以上説明したように、実施形態1に係る印刷装置10は、印刷媒体30上における縦方向、横方向及び斜め方向を含む任意の方向への自装置の移動に応じて、印刷媒体30上に印刷画像40を印刷する装置であって、印刷画像40の印刷が完了していない場合に、方向指示部18によって、自装置の位置から印刷未完了部分54への方向を報知する。このように、印刷装置10を移動させる必要がある方向をユーザに視覚的に通知することで、印刷装置10を印刷未完了部分54に移動させるようにユーザを効率的に誘導することができるため、ユーザの利便性が向上する。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図15に、実施形態2に係る印刷装置10aの機能的な構成を示す。図15に示すように、印刷装置10aは、機能的に、印刷データ取得部110と、位置特定部120と、印刷制御部130と、更新部140と、報知部150と、を備える。印刷データ取得部110、位置特定部120、印刷制御部130及び更新部140の機能は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
報知部150は、印刷未完了部分54を示す報知情報として、印刷領域50のうちの印刷未完了部分54を示す画像を表示する。すなわち、上記実施形態1では、報知部150は、方向指示部18によって印刷装置10の位置から印刷未完了部分54への方向を報知した。これに対して、実施形態2では、印刷装置10aは方向指示部18を備えず、報知部150は、印刷未完了部分54を示す報知情報として、印刷未完了部分54を示す画像を表示部20に表示する。
図16に、表示部20に表示された画像の例を示す。図16に示すように、報知部150は、印刷画像40の印刷中に、更新部140により随時更新される更新データを参照して、印刷領域50における印刷完了部分53と印刷未完了部分54とを表す画像を表示部20に表示する。このとき、報知部150は、印刷完了部分53に印刷未完了部分54とは異なる色を付すことで、2つの部分を区別して表示する。
また、報知部150は、位置特定部120により特定された印刷装置10の現在の位置を、印刷領域50内の対応する位置に表示する。これにより、印刷装置10の現在の位置を基準として、印刷未完了部分54がどこに存在しているのかをユーザが容易に確認することができる。
このように、実施形態2に係る印刷装置10aは、印刷画像40を印刷している最中に、印刷未完了部分54を示す画像を表示する。これにより、ユーザは、印刷媒体30上の印刷完了部分53と印刷未完了部分54とを一目で確認することができ、その結果として、印刷装置10をどこに移動させるべきかを容易に理解することができる。
なお、図16では、報知部150は、印刷完了部分53と印刷未完了部分54とをどちらも表示部20に表示しているが、印刷完了部分53と印刷未完了部分54とのうちのどちらか一方のみを表示部20に表示するようにしても良い。例えば印刷完了部分53のみが表示される場合であっても、ユーザは、表示された印刷完了部分53以外の部分を印刷未完了部分54として認識することで、印刷未完了部分54がどこに存在するかを間接的に確認することができる。
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態1では、方向指示部18は、8方向に対応する位置に設けられた8個のLED1~8を点灯させることにより、印刷装置10の移動方向をユーザに指示した。しかしながら、本発明において、方向指示部18によって指示される方向は8方向に限らない。方向指示部18が、複数の方向に対応する位置に設けられた複数の発光部のうちの少なくとも1つを発光させることにより印刷装置10の移動方向をユーザに指示するものであれば、発光部の個数は8個でなくても良い。また、方向指示部18は、LEDのような発光部に限らず、表示部に画像を表示することによって方向を指示しても良いし、スピーカ等の音声出力部から音声を出力することによって方向を指示しても良い。
例えば、方向指示部18は、左右に並べて配置された2個のLEDによって、第1の方向とその反対の第2の方向との2方向を指示するものであっても良い。この場合、方向指示部18は、ユーザが印刷装置10を走査させながら印刷を実行中に、印刷装置10が印刷領域の第1の側の端部に到達すると、第1の側とは反対側である第2の側への方向を指示し、印刷装置10が印刷領域の第2の側の端部に到達すると、第1の側への方向を指示する。このように、2方向のみを指示する場合であっても、ユーザは印刷領域の左右の端部に到達したか否かを把握することができる。そのため、ユーザが印刷装置10を印刷領域の外側の領域に不要に移動させることを抑制することができ、利便性が向上する。
上記実施形態では、印刷部17は、サーマル方式によって印刷部17からインクを吐出した。しかしながら、本発明において、印刷部17は、サーマル方式に限らず、他の方式によりインクを吐出しても良い。例えば、印刷部17は、ピエゾ素子を用いたピエゾ方式によりインクを吐出して、印刷媒体30に印刷画像40を印刷しても良い。また、印刷部17は、インクジェット方式に限らず、熱転写方式等、他の方式により印刷媒体30にインクを塗布しても良い。また、印刷装置10の形状は、図1に示したような四角柱状に限らず、どのような形状をしていても良い。
上記実施形態では、制御部11において、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって、図5及び図15に示した各部として機能した。しかしながら、本発明において、制御部11は、CPUの代わりに、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、各種制御回路等の専用のハードウェアを備え、専用のハードウェアが、図5及び図15に示した各部として機能しても良い。この場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現しても良いし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現しても良い。また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現しても良い。
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた印刷装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の情報処理装置等を、本発明に係る印刷装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した印刷装置10,10aによる各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の情報処理装置等を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る印刷装置として機能させることができる。また、本発明に係る印刷方法は、印刷装置を用いて実施できる。
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
印刷媒体上における自装置の2次元方向への移動を検出する移動検出手段と、
前記移動検出手段により検出された前記移動に応じて、前記印刷媒体上の印刷領域に印刷画像を印刷する印刷手段と、
前記印刷領域のうちの、前記印刷手段による前記印刷画像の印刷が完了していない部分を示す報知情報を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
(付記2)
前記報知手段は、前記報知情報として、前記印刷媒体上における前記自装置の位置から前記印刷が完了していない部分への方向を報知する、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
(付記3)
複数の発光部を更に備え、
前記報知手段は、前記複数の発光部のうちの、前記方向に対応する少なくとも1つの発光部を発光させることにより、前記方向を報知する、
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
(付記4)
表示部を更に備え、
前記報知手段は、前記報知情報として、前記印刷領域のうちの前記印刷が完了した部分を示す画像、又は前記印刷が完了していない部分を示す画像を前記表示部に表示する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の印刷装置。
(付記5)
前記移動検出手段により検出された前記移動に基づいて、前記印刷媒体上における前記自装置の位置を特定する位置特定手段、を更に備え、
前記印刷手段は、前記位置特定手段により特定された前記自装置の位置が、前記印刷が完了していない部分内である場合に、前記印刷媒体上の前記印刷領域に前記印刷画像を印刷する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の印刷装置。
(付記6)
前記報知手段は、前記報知情報として、前記印刷領域のうちの前記印刷画像が印刷される領域内において、前記自装置が移動していない部分を示す情報を報知する、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の印刷装置。
(付記7)
印刷媒体上における印刷装置の2次元方向への移動を検出し、
検出された前記移動に応じて、前記印刷媒体上の印刷領域に印刷画像を印刷し、
前記印刷領域のうちの前記印刷画像の印刷が完了していない部分を示す報知情報を報知する、
ことを特徴とする印刷方法。
(付記8)
印刷装置のコンピュータを、
印刷媒体上における前記印刷装置の2次元方向への移動を検出する移動検出手段、
前記移動検出手段により検出された前記移動に応じて、前記印刷媒体上の印刷領域に印刷画像を印刷する印刷手段、
前記印刷領域のうちの、前記印刷手段による前記印刷画像の印刷が完了していない部分を示す報知情報を報知する報知手段、
として機能させるためのプログラム。