JP2018021449A - 自然換気装置を有する建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の1面のみに室の開口を有する場合の自然換気の方法を提供する。【解決手段】建物Aは室R1,R2,R3、吹抜け4を有する。一方の外壁面1側に各室の開口1a,1b,1cが設けてある。他方の外壁面2には開口を有しない。吹抜け4上部の換気室6には開口6iを設ける。開口6iをふさぐように空間をおいて上面の開口している防風板8を設ける。防風板8の上面に強風の風力で閉じる排気用逆流防止ルーバ9を設けることで建物内部が換気される。【選択図】図1

Description

本発明は複層階で自然換気装置を有する建物に関する。
図29図30図31は従来例を示す。図29に示すように建物Aの一方の外壁面1の側に開口1a,1bを有し、一方の外壁面1と建物Aの反対側の他方の外壁面2は最上部を除いて開口を備えない壁面で1階の室R1、2階の室R2は他方の外壁面2に沿う吹抜け4に面して開口1ra,1rbしている。吹抜け4の上部には屋根5を備えた換気室6が設けてある。換気室6の一方の外壁面1に近い側の壁には開口6iが設けられ、他方の外壁面2の上方には、開口6iと同じ高さに開口6oが設けられている。開口6i,6oは突出し障子7i,7oを有する。
図30に示す建物Aは開口6i,6oに逆止弁7a,7bを備える点を除き図29に示す建物Aと同様である。
逆止弁7aは風力が小さいときは開いているが風速が例えば1m/s程度以上になると開口6iを閉じるようになっている。
図30のような構成の建物では風速が1m/s程度以上になると図30に示すように逆止弁7aは閉じる。そこで風wは矢印イ,ロのような空気流となって開口1a,1bから室R1,R2を通じて吹抜け4に吹き抜け、矢印ハ,ニのように吹抜け4中を上昇する空気流は換気室6に入り矢印ホのように開口6oに向かい開口6oから矢印ヘのように外部に排出される。
特許文献1 特開2000−213184号公報
特許文献2 特開2003−083575号公報
特許文献3 特開2009−133526号公報
なし
図29に示す建物において換気室6へ風上側の開口6iから流入する空気流トは換気室6を横行して風下側の開口6oから排気されてしまう(ショートサーキット)。そして、風上側の開口6iから流入した風はその速度が換気室6で減速し、流入空気の速度エネルギーの一部は換気室6で圧力エネルギーに変換される。これにより吹抜け4を上昇して来た空気を主として吹抜け4の上部では逆流チが発生する。風wによる開口1a,1bから吹き込む矢印イの空気流は室R1,R2で右行するが流速が小さいので、1階の室R1に流入した空気は暖められて開口1raを出た後は上昇流となり矢印リ,ヌとなって2階の室R2を矢印ルのように一方の外壁面1側の開口1bに向かい開口1bから排気される。この結果1階の室R1は新鮮な空気になるが2階の室R2の空気は1階の新鮮でなくなった空気である。
特許文献1,3に示される発明では一方の外壁面側に換気口を備え他方の外壁面には窓がないか開口が少ない。このような場合の換気を計る提案である。特許文献3に係る発明では換気塔を備えている。特許文献1に係る発明ではエコロジカルシャフトと称するダクトを備えている。特許文献3に係る発明では換気塔を備えている。即ち、特許文献1,3に係る発明は背部(他方の外壁面)側に充分換気できる開口を有しない建物において、いわゆる煙突効果による自然換気を行うものであり、換気能力としてはすぐれる。
特許文献2では給気は住宅内部の対向する側部に夫々逆流防止ダンパーを備え、天井に開口し煙突効果の生ずる排気ダクトを立設している。
上記のように図29に示す自然換気装置を有する建物では風上側と風下側に逆止弁付の給気開口、排気開口を設けたとしても図29に示すように室内の換気が有効に行われない。
上述したように図29、図30に示す建物において風下側の外壁面側に排気用の開口が設けられない場合は建物の換気を如何にすべきかという課題がある。
即ち、周辺の建物の状態、地形、施設等により窓が設けられない場合がある。
図31は従来例を示す。この建物Aは図30に示す建物Aにおいて2階建を3階建とし、換気室6の風下側の開口6oをなくしたものである。風上に対向する開口6iに設けた逆止弁7aは例えば1m/s程度の風wの風速で閉じる。開口1aから1階の室R1に流入した空気はイの矢印のように進んで暖められて上昇流の矢印リ、ヌとなって3階の室R3を矢印ルのように一方の外壁面1側の開口1cに向い開口1cから排気される。この結果1階の室R1は新鮮な空気になるが3階の室R3の空気は1階の新鮮でなくなった空気である。
特許文献1,3のように排気ダクトを設けるのは1つの解決手段であるが高い排気ダクトを設けるのは除外される場合は少しとしない。
換気通路として例えば一方の外壁面側の各階に開口を有し、他方の外壁面が開口を備えない壁面で、他方の外壁面内に各階に開放された吹き抜けを有し、吹き抜け上部に屋根を有する換気室を備えた自然換気装置を有する建物において、各階の換気が有効に行われる自然換気装置を有する建物を提供することを目的とする。
本出願に係る第1の発明は開口を有する一方の外壁面と、
一方の外壁面に対して反対側で通気できる開口を有しない他方の外壁面と、建物の最上部に設けられ一方の外壁面に設けた開口と同方向に向けて開口した排気用の開口と、を有し、一方の外壁面に設けた開口から排気用の開口まで内部に換気通路となる空間を有する多層階の自然換気装置を有する建物において、
排気用の開口の外部側に排気用の開口と連通する空間を構成する中空の防風部材を有し、防風部材は上面に開口を有し、
防風部材の上面の開口には建物内部の空気を建物外に排出するが一方の外壁面に吹き付ける風と同方向の空気流が大となると閉じるように作用する排気用逆流防止ルーバを有することを特徴とする自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第2の発明は排気用逆流防止ルーバは水平方向に平たい形状である第1の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第3の発明は排気用逆流防止ルーバは建物の最上部の屋根とほぼ同一高さに配設されていることを特徴とする第1又は第2の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第4の発明は最上階の屋上よりも上方に換気室を有し、換気室に排気用の一方の外壁面に吹く風の方向に対向する開口を設けたことを特徴とする第1又は第2もしくは第3の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第5の発明は排気用逆流防止ルーバは風向きに対して横設された支持軸でもって回転自在に支持された羽根を有し、防風部材に向いて吹く風の強弱により羽根が閉又は開となるように支持軸の羽根に対する位置が定められていることを特徴とする第1から第4の発明の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第6の発明は羽根が風力によって開閉する位置と強制して開放又は閉鎖位置とをとる羽根の回転制御装置を有することを特徴とする第5の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第7の発明は一方の外壁面側に設けた開口に面する室を有し、この開口に外気は取り入れるが室内側より外部側へ向う空気流により閉鎖する給気用逆流防止ルーバを備えたことを特徴とする第1から第6の発明の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第8の発明は一方の外壁面に設けた室の開口の外側にこの開口と連通する空間を構成する防風部材を有し、防風部材は下面側に外気は室に流入するが室から外部へ室内空気の逆流を抑制する給気用逆流防止ルーバを備えた開口を有した閉塞された空間を有する防風部材であることを特徴とする第7の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第9の発明は建物は一方の外壁面に開口を有する室を備え、一方の外壁面に開口を有する室のこの開口とは反対側の建物内の開口であって排気用逆流防止ルーバに連通している建物内の開口に開閉部材を有し、一方の外壁面側の開口には前記開閉部材の開時に建物全体の換気を行なうと共に前記開閉部材の閉時に室の換気を行なう給気又は給排気を行う装置を有することを特徴とする第1から第8の発明の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第10の発明は一方の外壁面側の開口には上面に風力の大小によって室内への外気の流入を抑制し又は室内空気を排出する換気用逆流防止ルーバと、下面に給気を行なう給気ルーバと、換気用逆流防止ルーバと給気ルーバ間の空間を建物外部に対して閉塞する防風部材と、を有することを特徴とする第1から第9の発明の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第11の発明は防風部材内で換気用逆流防止ルーバと給気ルーバ間を上下に仕切り一方の外壁面側の開口を越えて室内にのびる導風部材を有することを特徴とする請求項10に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第12の発明は一方の外壁面側に開口を有する室のこの開口とは反対側の建物内の開口であって排気用逆流防止ルーバに連通している建物内の開口に開閉部材を有し、
一方の外壁面側の開口は室の天井側と床側に離れて夫々設けられ、天井側の開口には外気の風力により作動して風力の大きいときに閉じる換気用逆流防止ルーバと、建物の全体換気を行うときは閉じ、室の個別換気を行なうときは開く上ダンパとを重ねて設けられ、床側の開口には外気が流入するときは開き、室内の空気が外部に流出しようとするときは閉じる給気用逆流防止ルーバと上ダンパと併せて全体換気、個別換気を共に行なわないときに閉じる下ダンパとを有することを特徴とする第1から第9の発明の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第13の発明は一方の外壁面の開口を上下に仕切って上開口下開口を構成する仕切材と、下開口に設けられ外気を給気できるが室内空気の建物外部への流出を抑制する給気用逆流防止ルーバと、上開口の外部側に設けられ上面が開口して空間を介して上開口と連通する防風部材と、防風部材の上面の開口に設けられ室の空気を建物外へ排出するが外気の風力が大となると閉じるように作用する個別換気用逆流防止ルーバと、仕切材に枢着されて上開口を閉じた位置と内開きしてほぼ水平方向の位置をとり水平方向の位置において導風作用をするダンパとを有することを特徴とする第9の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第14の発明は給気用逆流防止ルーバは一方の外壁面と平行に立設されている第13の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第15の発明は給気又は排気を行う部材は一方の外壁面に対して平行な前板と、一方の外壁面に対して垂直な側板と、夫々一方の外壁面に対して垂直な方向で水平方向に平らな下側の給気用逆流防止ルーバと、及び上側の換気用逆流防止ルーバと、を有して組立状態において中空六立方体状を構成し、側板、給気用逆流防止ルーバ、換気用逆流防止ルーバは夫々一方の外壁面に設けた開口の縁に一方の外壁面に平行な位置と垂直な位置をとるように夫々枢着され、前板は一方の外壁面に沿う位置と一方の外壁面側から離れて一方の外壁面に平行な位置をとるように一方の外壁面に平行運動装置でもって結合されていることを特徴とする第1から第9の発明の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第16の発明は換気用逆流防止ルーバに代えて板材としたことを特徴とする第15の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第17の発明は給気用逆流防止ルーバに変えて板材としたことを特徴とする第15の発明に記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第18の発明は一方の外壁面側にのぞんで設けられた一方の開口と、建物内の空間にのぞんだ開閉部材を備えた他方の開口と、
を有する多層階とした室と、
前記各室の他方の開口と通ずると共に最上部に排気用の開口に通ずる前記空間と、を有することを特徴とする第1から第17の発明の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物である。
本出願に係る第1の発明においては一方の外壁面側に開口を有し他方の外壁面側に開口を有しない建物において有効な自然換気を行うことができる。
本出願に係る第2の発明によれば排気用逆流防止ルーバ上を流れる空気流により換気を助勢し、風力の増大時の建物内の吹き込みを防止する。
本出願に係る第3の発明によれば建物の排気手段が建物の高さとはほぼ同一であるので高い煙突状の排気筒を設けて景観を損ねたり、安全性に課題を生じたりすることがない。
本出願に係る第4の発明によれば屋上に風力に対向する開口を有する換気室を設けるだけであり、建物の外観に影響しない。
本出願に係る第5の発明によれば風力の消長により排気用逆流防止ルーバは自然換気が行える低風速のときは開いており自然換気が保たれ、強風のときは自動で閉まるので風の吹き込みを監視して建物の排気側の開閉操作を行う必要がない。
本出願に係る第6の発明によれば羽根が風力に従って開又は閉となる状態と、強制的に閉鎖又は開放状態に保つことができるので排気用逆流防止ルーバの換気状態を風力のみにまかせるか、人為的に所望の態様にできる選択ができる。
本出願に係る第7の発明によれば室内を新鮮でない空気が逆流するのを防止できる。
本出願に係る第8の発明によれば風が室の開口へ直接吹き込むのが防風部材で抑制される。そして給気用逆流防止ルーバで室内空気が逆流するのを抑制される。
本出願に係る9の発明によれば建物全体の自然換気と、室の個別換気を選択的に行うことができる。
本出願に係る第10の発明によれば風力が大きくなった場合に室に風が吹き込むのを抑制でき、室の個別の自然換気ができる。
本出願に係る第11の発明によれば、室への空気の流入出を確実に行うことができる。
本出願に係る第12の発明によれば床側の開口と天井側の開口が上下に離れているので、個別換気の効率がよい。そして上ダンバを閉めるだけで全体換気に切り替えができる。そして上下ダンパを閉めることにより建物を閉塞でき嵐などの外乱に対応できる。
本出願に係る第13の発明によれば個別換気の際に給気用逆流防止ルーバから室に進入する空気が水平方向のダンバにより直接上開口に向わないので室の換気効果を向上する。ダンパで上開口を閉じるだけで建物の全体換気を行える。
本出願に係る第14の発明によれば防風部材の高さを小さくでき、且つ、給気の機能は維持される。
本出願に係る第15の発明によれば個別の換気は必要のない際に収納できる。
本出願に係る第16の発明によれば給気用逆流防止ルーバを小さく収納できる。
本出願に係る第17の発明によれば排気用逆流防止ルーバを小さく収納できる。
実施例1の建物の縦断面図である。 排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 実施例2の建物の縦断面図である。 給排気ボックスの縦断面図である。 給排気ボックスの斜視図である。 給排気ボックスと日照の関係図である。 給排気ボックスの給排気関係図表である。 (イ1)(イ2)(イ3)(ロ1)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。 給排気ボックスの縦断面図である。 給排気ボックスを設けた室の個別換気を示す縦断面図である。 (a)(b)(c)は夫々が実施例4の縦断面図である。 実施例5の建物の縦断面図である。 実施例5の給排気装置の縦断面図である。 実施例5の給排気装置の縦断面図である。 給気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 給気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 給気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 実施例6の防風板と排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 実施例6の防風板と記排気用逆流防止ルーバの水平断面図である。 建物の風上に対向する側の斜視図である。 実施例7の収納可能な給排気ボックスの側面図である。 実施例7の収納可能な給排気ボックスの水平断面図である。 実施例8の給排気ボックス等の既存枠への取付を示す断面図である。 防風板の作用を示す縦断面である。 給気ボックスの作用を示す縦断面図である。 給気ボックスの作用を示す縦断面図である。 従来例を示す縦断面図である。 従来例を示す縦断面図である。 従来例を示す縦断面図である。 (ロ2)(ロ3)(ハ)(ニ1)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。 (ニ2)(ホ1)(ホ2)(へ)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。 (ト)(チ1)(チ2)(リ)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。
以下、図面を用いてこの発明の実施例ついて説明する。
(実施例1)
図1は建物Aの側断面略図である。建物Aは多層階で一方の外壁面1の給気口として設けた開口1a,1b,1cから最上部の排気口として設けた開口6iまで通ずる空間に換気通路が構成される。
建物Aの正面である一方の外壁面1に各階の室R1,R2,R3の開口1a,1b,1cを有する。本例では開口1a,1b,1cは各室R1,R2,R3の天井近くにある。他方の外壁面2は開口を有しない。ここで開口を有しないというのは、開口があっても建物A全体の換気に殆ど寄与しない場合を含む。また、図の紙面に平行する建物Aの側壁面にも建物A全体の換気に殆ど寄与しない開口があるか、開口が全くない。他方の外壁面2の内には各階の室R1,R2,R3に開口1ra,1rb,1rcで通ずるように開放された吹抜け4を備えている。ここで吹抜けというのは床面FLから換気室6までをいう。吹抜け4は設備空間であってもよい。即ち、階段、エスカレータ等を一部に備えても良い。
吹抜け4の上部に屋根5を備えた換気室6が設けてある。換気室6の一方の風上側の外壁面1に近い側の壁には開口6iが設けられている。換気室6の他方の外壁は外壁面2と同一面となっている。
開口6iの外部側に空間を構成する防風部材としてボックス状の防風板8と排気用逆流防止ルーバ(以下ルーバ、又は逆流防止ルーバ、もしくは排気ルーバと称することがある)9で取り囲んでいる。逆流防止ルーバ9の上下方向の位置は吹抜け4の上部の屋根5とほぼ同じである。屋根5は換気室6の屋根である。
防風板8は開口6iの外側に空間8aを構成するように設けられ、この空間8aは本例では方形である。空間8aの一方は換気室6に開口6iで通じている。空間8aの上部はルーバ9で仕切られている。ルーバ9、開口6iを除く防風板8は通気性のない板材となっている。ルーバ9は排気用逆流防止ルーバである。防風板8は採光が必要なときはガラスであるが、アルミニウムでもよい。
図2、図3、図4は逆流防止ルーバ9を模式的に示す側断面図である。逆流防止ルーバ9の羽根9aは図の紙面に直交する方向に長いストリップ状である。羽根9aは図の紙面に直交する方向の中心を持つ支持軸9bで揺動自在に四方枠9cに支持されている。ここで、支持軸9bは風向きに対して横設してある。以下の説明に出て来る各種ルーバにおいても支持軸は風向きに対して横設してある。ここで横設とは水平方向を向く場合に限る。支持軸9bは羽根9aの幅方向(図2において見付方向)の中間にある。羽根9aは自由な状態では支持軸9bに対して立つ方向に付勢されている。即ち、ルーバ9が空気流による力を受けない限り自然に開くようになっている。羽根9aの付勢は支持軸9bの両側の羽根の重力に基く一次モーメントのバランス、支持軸9bに設けたねじりコイルばね(図示されない)、錘(図示されない)の取り付け等による。羽根9aは四方枠9cに設けたストッパ11により反時計回り方向への回転を制止されている(図3参照)。
本例では羽根9aは支持軸9bを境に下側部9a1と上側部9a2に分れている。上側部9a2の幅は下側部9a1の幅よりも大きい。支持軸9bを中心とする重力に基く一次モーメントは下側部9a1が支持軸9bより下となるように下側部9a1、上側部9a2の断面形状が定められている。ここで羽根9aはアルミニウムである。羽根9aの断面は平板又は翼形が採用される。
上記構成によれば図3において、左側から右方へ吹く風の風力が一定以上例えば風速1m/s程度以上になれば羽根9aは支持軸9bを中心にして時計回りに回転し、風力が更に増すと羽根9aは更に回転して重なり合い、逆流防止ルーバ9は閉じる。風力が小さくなると逆に羽根9aは支持軸9bを中心にして反時計回りに回転し逆流防止ルーバ9は開く。
図2、図3、図4に示す逆流防止ルーバ9には羽根の回転制御装置として羽根の開又は閉を強制的に行う開閉装置12が付設してある。開閉装置12は夫々の羽根9aの支持軸9bのすぐ上側に図において左右方向に連動する駒12a,12a,12aを有する。駒12a間の間隔は支持軸9b間の間隔と同じ間隔である。駒12a,12a,12aは四方枠9cに図において紙面に平行に移動可能に支持されている。支持軸9bは2本、駒12aは3個である。駒9aはストッパ11と干渉しない位置、例えば羽根9aの長手方向の互に反対側に配設する。
逆流防止ルーバ9は図3に示すように左側及び中央の駒12aがストッパ11の左側にあって羽根9aに作用しない位置では、既にのべたように羽根9aは風力の消長により開閉する。逆流防止ルーバ9において図3の風力による逆流防止の位置から開閉装置12を右方向に移動すると駒12aは支持軸9bの上方で右方に向って羽根9aの上側部9a2をすべり乍押して、羽根9aを支持軸9bを中心に時計回りに回して逆流防止ルーバ9を閉じる(図4参照)。図4の位置から駒12aを左行させると羽根9aは支持軸9bを中心に反時計回りに回転して羽根9aは駒12aに追従する。駒12aがストッパ11を通過すると羽根9aはストッパ11により回転を制止される。駒12aはストッパ11を越えた図3の位置ではルーバ9は一定風速以上では閉まり外部から内部への吹き込みを防止する逆流防止作用を行う位置となる。
逆流防止ルーバ9が図3の位置にある状態で開閉装置12を左行すると中央の駒12aは左側の羽根9aに達すると共に右側の駒12aは右側の羽根9aに達する。その後羽根9aの上側部9a2の根本近くがストッパ11に当っているので、羽根9aは強制的に開放した状態に保たれる。
駒12aは通常高所にあるので、リンク装置、巻掛け伝動装置等を介して遠隔操作を行う。又、電動、流体圧駆動等により駒12aの位置制御を行っても良い。
図1では建物Aの一方の外壁面1側に給気側の逆流防止ルーバ(給気用逆流防止ルーバ)13と防風部材としてボックス状の防風板14が各室R1,R2,R3の夫々の給気用の開口1a,1b,1cの外側に設けてある。夫々の開口1a,1b,1cのすぐ外側には防風部材としての防風板14と給気用逆流防止ルーバ13とで給気用の六立方形の空間14aが形成されている。給気用逆流防止ルーバ13は室R1,R2,R3の室内の空気が開口1a,1b,1cを通じて外部側へ逆流するのを防止するものである。防風板14は採光が必要なときはガラスであるが、アルミニウムでもよい。
図6を借りて給気用逆流防止ルーバ13(以下ルーバ又は逆流防止ルーバ、もしくは給気ルーバと称することがある)について説明する。実施例1では換気用逆流防止ルーバ18に代えて板材とされる。図の下側に逆流防止ルーバ13が示されている。防風板14の下側の開口には逆流防止ルーバ13が設けてある。このルーバ13の羽根13aは図の紙面に直交する方向に長くのびている。羽根13aはその幅方向(見付方向)の中間で支持軸15により揺動自在に支持されている。羽根13aは支持軸15を境に下側部13a1と上側部13a2に分れている。上側部13a2の幅は下側部13a1の幅よりも大きい。支持軸15を中心とする一次モーメントは下側部13a1が上側部13a2よりも大きくなるように下側部13a1、上側部13a2の断面形状、重量が定められている。尚、本例では錘(図示されない)を下部側13a1に取り付けている。
このような羽根の構成は排気側のルーバ9についての先述と同様である。図6には図示されないが図2、図3、図4に示されるストッパ11と同様にストッパが設けられていて、羽根13aの上側部13a2が上方へ向って時計回りに回転し羽根13aが左斜め上りした位置でストッパで支持軸15を中心とする時計回り方向の回転を止められている。従って、室R1から開口1a,1b,1c、空間14a、ルーバ13を通じて室内の空気が逆流しようとすると、この空気流により羽根13aは支持軸15を中心として反時計回りに回転してほぼ水平となりルーバ13は閉じるようになっている。図示されないが図2、図3、図4に示す駒12aと同様の駒を設けてルーバ13を強制的に開放又は閉鎖するようにしてもよい。
図1において図3のようにルーバ9が逆流防止状態にあるときについて考える。風wが吹いているとき建物Aの屋上10上では矢印で示す空気流w1が生ずる。
風wが建物Aに向って吹くとき、風wは建物Aの図1において左側の一方の外壁面1に当ると大部分の空気はこの外壁面1に沿って上昇し、屋上10上まで上昇した空気は建物Aの屋上10に沿って右方向に流れる空気流w1となる。
防風板8の前面の板により開口6iへ向うべき空気流w1が遮られると開口6iを通じて建物A内に風が吹き込むことなく上昇してルーバ9上を風下側へ通過する。防風板8に当って下方へ分流する空気流w1‐1(図26参照)は渦流となる。
このとき、羽根9aの上方を空気流w1は越えて右方へ流れる。ルーバ9上において空気流w1の下側のルーバ9に近い側には相対的な負圧が生ずる。この流れにより空気流w1の流速が小さいとき羽根9aの上側の空間の空気圧は建物Aの室内空気圧に対して負圧となる。更に、図3において羽根9aの表側(図3の左側の面)に空気流が当ると羽根9aの裏側(図3の右側の面)には表側の風圧に対して負圧の空間が生ずる。
空気流w1の風速が一定以上になると空気流w1は直接羽根9aに吹き付ける。すると羽根9aの上側部9a2に加わる空気流w1により羽根9は支持軸9bを中心にして図3において時計回りに回転し、ルーバ9の開度は小さくなる。風速が更に大きくなると、羽根9aは時計回りに回転して互に重なり、ルーバ9は閉じる。これによって建物A内への強風の吹き込みが防止される。風速が小さくなると上記と逆に羽根9aは支持軸9bを中心にして回転してルーバ9は開く。
強風又は風向きが不安定で風が舞うような状態のときでない限り、防風板8の前面に向って吹く空気流w1がルーバ9上を風下側へ流れるとき、ルーバ9のすぐ上側及び羽根9aの裏側の空間には負圧が生ずる。
建物A内の空気圧が換気室6で上記負圧よりも低くならない限り換気室6内の空気は開口6i、空間8a、逆流防止ルーバ9を通じて建物外へ排出され矢印の空気流w2のように排出される。
一方、風wが建物Aの前面(図1において左方の風に面する外壁面1)に吹き付ける。各室R1,R2,R3には給気用の開口1a,1b,1cが設けられているが風wは防風板14があるので開口1a,1b,1cを通じて室R1,R2,R3に直接吹き込むことがない。風wによる防風板14回りの空気は開いているルーバ13を通じ(図28参照)空間14aに入り給気開口1a,1b,1cから各室R1,R2,R3に流入する(矢印で示す空気流w3)。各室R1,R2,R3では図1において左から右方に空気が流れ、この空気は各室R1,R2,R3と吹抜け4間の開口1ra,1rb,1rcを通して吹抜け4に入り上昇空気流w4,w5となり換気室6に入り空気流w6のように開口6i、空間8a、逆流防止ルーバ9を通じて排出される。これは空気流w2となる。
上記において、各室R1,R2,R3及び吹抜け4、換気室6における空気は風wがルーバ13を介して建物A内に入り建物A内では正圧である。従って建物A内へ換気室6の開口6iを通じて空気が吹き込むことがない。
既にのべたように強風又は風が舞って風向きが変動した場合ルーバ9上の空気流w1の大きさ、向きによってはルーバ9を通じて外気が建物A内へ吹き込もうとする。そうなると、図3に示す羽根9aはその風圧により、支持軸9bを中心に回転してルーバ9は閉じる。これによって、建物の排気側からの外気の流入は防止される。
強風等でルーバ9が閉じている状態で、仮に1階の室R1から吹き込んだ空気が室R1において昇温した空気を吹抜け4に押し出して吹抜け4を上昇して上階の室R3を図1において左方に流れようとしても室R3の給気側のルーバ13は閉じる(図27参照)ので下階側で生じた汚れた空気が室R3に開口1rc側から流入するのが抑制される。
強風となった後において風速が下がってくるとその前に給気側のルーバ13は開いており外気が建物A内に入ると建物A内の空気圧は上昇して行く。排気側のルーバ9の内外の空気圧は等しくなるのでやがてルーバ9は図3に示すようにその羽根9aは支持軸9bを中心に反時計回りに回転して開くことになる。
排気側のルーバ9が閉ったときに地上から建物A上方まで一様に風wの風速が急に小さくなるような消長のときにはルーバ9が開いて排気が始まるが建物A内の空気圧は建物Aの空間の容量から急には下らないので建物A内の空気圧は建物Aの一方の外壁面1の外側の風圧よりも大きくなる。そのときには、吹抜け4側から開口1ra,1rb,1rc、室R1,R2,R3を通じて夫々の開口1a,1b,1cに向う空気の流れが生ずる。このとき、逆流防止ルーバ13の羽根13aは支持軸15を中心にして図6において反時計回りに回転して閉じる。これによって、吹抜け4中の汚れた空気が室R1,R2,R3に流入するのが抑制される。
以上のとおり、風速が小さいときは自然換気が行われる。また、室において逆流が生じる条件下で逆流を防止できる。強風時に排気口から外気が逆流しない。
(実施例2)
実施例1において建物の換気装置として給気側を単純な開口としたものである。図5は実施例2の建物の縦断面図である。図5について図1と異なる構成作用について説明する。
建物Aの一方の外壁面1側の開口1a,1b,1cは図1に示す建物Aの一方の外壁面1側の開口と同様に室R1,R2,R3の天井側に夫々備わる。開口1a,1b,1cの上側は庇1dで蔽われている。庇1dは突き出し障子でもよい。
開口1a,1b,1cには室内空気を外部に向って流出するのを防止する給気用逆流防止ルーバは備えていない。
この実施例では風wが低速度の通常の風速である場合は排気側の逆流防止ルーバ9は開いているので実施例1と同様に換気される。即ち、従来例のように上階の室R3で空気流の逆流が生ずることがない。
このように換気室6において他方の外壁面2に換気用の開口がなくても、実施例1と同様に排気側の開口6iに防風板8とルーバ9を設けることは換気の条件を有効とするのに寄与できる。
ただし、強風時には矢印w7のように室R1を左方へ流れる空気流w7は開口1raを通じて吹抜け4に出ると、矢印w8,w9のように上昇流となる。ルーバ9は閉っているので上階の室R3の開口1rcから室R3に入った空気流w10は開口1cを通じて排出される。この実施例は風wの風速が小さい場合に建物A全体の換気に有効である。ルーバ9の閉止が続くと熱だまりHができるが、吹抜け4の上部にとどまり下部に降りて来ない。よって、風wの風速が小さくなりルーバ9が開けば、熱だまりHは排気される。
なお、図31の従来例に比べると、ルーバ9によって熱だまりHができにくい。
(実施例3)
各実施例において夫々の室R2,R3と吹抜け4との間の開口1rb,1rcのすぐ外側は図1に示す廊下16が設けられている。1階の室R1の床と吹抜け4の床面FLとは開口1raの両側を通じて連続している。これらの開口1ra,1rb,1rcには通常開閉部材として開閉可能な扉が設けられる。また、開閉部材としては扉と併せて開閉可能な窓が設けられる。
このような構成の場合に開口1ra,1rb,1rcが閉じられると、閉じられた室は吹抜け4を通じて排気用のルーバ9から排気ができなくなるので換気されない。このような状態の室R1,R2,R3の個別換気が可能な手段について説明する。
建物Aの全体構成は図1又は図5と同様である。各室R1,R2,R3の開口1a,1b,1cの外側には図6、図7に全体を符号17で示す給排気ボックスを備える。図6は側断面図、図7は斜視図である。
上側のルーバ18は図1に関して説明したルーバ9と同様の構成である。防風部材として設けたボックス状の防風板14の前板14bは建物Aの正面である一方の外壁面1と平行な板材である。防風板14の前板14bの板材の両端部夫々とは直角に板材の側板14cが設けられている。この給排気ボックス17は正面が前板14b、背面が開口1a,1b,1c、下面が給気用逆流防止ルーバ13、上面が換気用逆流防止ルーバ18、側板14cで中空六立方体形状である。
実施例1でのべたように給気用逆流防止ルーバ13は逆流防止状態で外気は取り入れるが室内の空気の排出を抑制する。換気用逆流防止ルーバ18は逆流防止状態で室内の空気は排出するが風速の増大に際して室内への外気の吹き込みを防止する。そして、夫々の給気用逆流防止ルーバ13、換気用逆流ルーバ18は駒12a(図6、図7では図略)により、夫々風力の大きさにより自在に開閉し及び強制的に全開し全閉できる。
このような給排気ボックス17は各室R1,R2,R3の天井近くの各開口1a,1b,1cの夫々の外部側に夫々設けられる。
(各室R1,R2,R3の吹抜け4に面する開口1ra,1rb,1rcが閉じられた場合(図34(チ2)の場合を除く)の給排気ボックス17の作用)
図9は給排気ボックス17の換気用逆流防止ルーバ(換気ルーバ18と略記)18の状態を上から下へ強制開放(開と略記)、逆流防止(定と略記)、強制閉鎖(閉と略記)を左欄の見出しとして1列目に3つの状態を記載してある。そして同ボックス17の給気用逆流防止ルーバ(給気ルーバ13と略記)13の状態を左から右へ強制開放(開と略記)、逆風防止(定と略記)、強制閉鎖(閉と略記)を上欄の見出しとして1行目に3つの状態を記載してある。
給気ルーバ13と換気ルーバ18の組み合わせは図9にイからリに示すように9個となる。図10、図32、図33、図34は上記イからリに示す各場合を図番とし図10、図32、図33、図34にイからリを附記して夫々の給排気ボックス17の状態を示す。夫々のルーバの状態において、風wの風速が小さい場合、風速が大きい場合について説明する。
図10(イ1)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18が共に強制開放されている図9のイの場合について説明する。風wの風速が小さいときは給気ルーバ13を通った外気は矢印aに示すように開口1a(建物1階についてのべるが高階も同様、以下同じ)の下側を通じて室R1に入る。室R1では給気は室R1の奥へ向う。事務機器、照明、人体等の熱源で昇温した空気は室R1の奥側まで順次天井下に上昇して室R1の奥側で反転して開口1aに向う。そして矢印bで示すように開口1aの上側の換気ルーバ18を通じて外部に排出される。なお、給気ルーバ13から給排気ボックス17の空間14a中を上昇して換気ルーバ18を通じて一部の空気が外部へ流動する(図示していない)。
図9のイの場合において風wの風速が大きいときに風wは給排気ボックス17の防風板14に遮られて開口1aに直接吹き込まない。給排気ボックス17の風wの開口1aへの直接の吹き込まない機能は給気ルーバ13,換気ルーバ18の態様のすべてで共通している。従って、以下この説明は省略する。風wの風力の消長に応じて風速が大となると図10(イ2)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18から室R1へ吹き込む空気流c,dが生ずる。室R1内の空気圧は吹き込む空気流c,dで加圧されて上昇する。加圧された室内空気は風wの風速が小さくなると図10(イ3)に示すように室R1内から給気ルーバ13、換気ルーバ18を通じて矢印e,fで示す空気流のように外部へ流出する。その後室R1の空気圧が低下した後は図10(イ1)の状態に戻る。
図10(ロ1)に示すように給気ルーバ13が逆流防止状態の定、換気ルーバ18が開の図9のロの場合では風wの風速が小さいときには、給気ルーバ13開、換気ルーバ18開を示す図10(イ1)と同様の空気流a,bとなる。図9のロの場合において風wの風速が大きいときはその消長に応じて風速が増大する際図32(ロ2)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18から室R1へ吹き込む空気流c,dが生ずる。室R1内の空気圧は吹き込み流c,dで加圧されて上昇する。風wの風速が小さくなると図32(ロ3)に示すように室R1内から給気ルーバ13、換気ルーバ18を通じて矢印g,hで示す空気流のように外部へ流出する。このとき給気ルーバ13は通過する空気流で開度が小さくなる方向になるのでルーバ13よりも換気ルーバ18からより多くの室内の空気が排出される。その後室R1内の空気圧が低下した後は図10(ロ1)の状態に戻る。
風速の消長する強風時において図32(ロ2)、図32(ロ3)示す室R1への空気の流出入は一方の外壁面1側の開口1a近くの室内側に及ぶだけで、室R1の閉じられている奥側開口1raまでは室内空気の空気圧がわずかに変動するのみである。
図32(ハ)に示すように給気ルーバ13が強制閉鎖され換気ルーバ18が強制開放されている図9のハの場合についてのべる。
風wの風速にかかわらず、給気ルーバ13を通じての外気の給排気ボックス17への流出入は行われない。風wの風速が小さいときは換気ルーバ18からの室R1の給排気は殆ど行われない。風wの風速が大きくなって行く過程では換気ルーバ18から流入しようとする空気は羽根18aで空間14aの前板14b側へ導かれるので開口1a付近で留まり、風速が小さくなって行く過程で開口1a付近の上記空気は換気ルーバ18を通じて戻る方向に移動する。従って有効な換気効果は期待できない。室R1内の空気圧が変動するのみである。
図32(ニ1)ニ示すように給気ルーバ13が強制開放され、換気ルーバ18が逆流防止状態(図9の定)にある図9のニの場合についてのべる。風wの風速が小さいときは換気ルーバ18は開いたままである。強制開放されている給気ルーバ13を通って外気は矢印aに示すように開口1aの下側を通じて室R1に入る。室R1では事務機器、照明、人体等の熱源で昇温した空気は室R1の奥側で天井下に上昇して開口1aに向う。そして矢印bで示すように開口1aの上側、換気ルーバ18を通じて外部に排出される。なお、給気ルーバ13から給排出ボックス17の空間14a中を上昇して換気ルーバ18を通じて一部の空気が外部へ流動する(図示していない)。上述のように図32(ニ1)の空気流の態様は風wの風速が小さいときの給気ルーバ13及び換気ルーバ18を強制開放した図9に示すイの場合(図10(イ1))、及び給気ルーバ13を逆流防止状態の定とし換気ルーバ18を強制開放した図9に示すロの場合(図10(ロ1))と同様である。
図33(ニ2)は給気ルーバ13が強制開放され、換気ルーバ18が逆流防止状態(図9の定)にある図9のニの場合に、風wの風速が大きくなったときを示す。
風wの風速が増大すると換気ルーバ18の外側の空気流により換気ルーバ18は閉まる。給気ルーバ13からは外気が矢印iに示すように給排気ボックス17の空間14aに入る。ここで換気ルーバ18の内外に空気圧が加わるが換気ルーバ18の外部側に生ずる正圧は内部側に生ずる正圧よりも大きいから換気ルーバ18は閉じている。一方給気ルーバ13を通じて給排気ボックス17に流入する矢印iの空気流は給気ルーバ13を通過する際にその有するエネルギーは消耗する。矢印iの空気流は給排気ボックス17中で拡散し、換気ルーバ18に吹き付ける矢印iの空気流の一部は正圧に変り換気ルーバ18を開く方向に換気ルーバ18に作用するが、換気ルーバ18の外部側に加わる空気流による正圧が換気ルーバ18の内部側に加わる矢印iの空気流に基く正圧よりも大きいので換気ルーバ18は閉じた状態を保つ。このように換気ルーバ18が閉じ、給気ルーバ13が開いている状態では室R1の換気は殆ど行われない。この場合風wの風速が増大する過程で換気ルーバ18は閉じるので強風が室内R1へ吹き込むことがない。また、給気ルーバ13を通じて室内へ吹き込む強風も羽根13aの向きにより減衰される。室R1内の空気圧はわずかに上昇する。このような現象は限定的である。
図33(ホ1)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18が逆流防止状態(図9の定)にある場合についてのべる。風wの風速が小さい場合は給気ルーバ13、換気ルーバ18は開いた状態を保つ。従って、このときは例えば図9に示すイの場合、即ち、給気ルーバ13、換気ルーバ18が共に強制開放されていることを示す図10(イ1)と同じ矢印a,bの流れで換気される。
図33(ホ1)において、風wの風速が増すと図33(ホ2)に示すように既にのべたように空気の流れは給気ルーバ13が強制開放で換気ルーバ18が閉った状態の図33(ニ2)と同じ状態となる。矢印iで示す空気の流れは図33(ホ2)のように示される。図33(ホ2)の説明は図33(ニ2)の説明を援用する。
図33(ヘ)に示すように給気ルーバ13が強制閉鎖され換気ルーバ18が逆流防止状態の図9の定の場合について説明する。風wの風速にかかわらず給気ルーバ13を通じての外気の給排気ボックス17への流出入は行われない。風wの風速が小さいときは換気ルーバ18からの室R1の給排気は殆ど行われない。風wの風速が大きくなって行く過程では換気ルーバ18は開度が小さくなり、風速が一定風速を越えると閉る。風wの風速が小さくなって行くと換気ルーバ18は開き開度を増大して行く。従って室R1への外気の流出入は認められない。
図33(ヘ)の状態の給排気ボックス17は建物Aの全体換気の排気に使用される防風板8と排気用逆流防止ルーバ9に代用可能である。
図34(ト)に示すように給気ルーバ13が強制開放され換気ルーバ18が強制閉鎖された図9のトの場合について説明する。風速が小さいと換気ルーバ18が閉っているので、給気ルーバ13を通ずる室内外の空気流は出入り共に小さく、風wの風速の消長で室R1の空気圧がわずかに変化するだけである。強風時は図33(ホ2)、(ニ2)と同じ状態になる。
図34(チ1)に示すように給気ルーバ13が逆流防止状態(図9において定)に、換気ルーバ18が強制閉鎖(図9のチ)の場合について説明する。この場合実施例1と同様である。風wの風速が小さいと、換気ルーバ18が閉っているので、換気ルーバ18を通ずる室内外の空気流はない。従って室R1に給気ルーバ13、給排気ボックス17の空間14aを通じて流入出する空気は量も小さく運動エネルギーは小さいので給気ルーバ13は動作しない。風wの風速が大きいと給気ルーバ13を通じて空間14a、室R1に吹き込もうとする矢印iの空気流により室R1内の空気圧は上昇する。室R1の空気圧が上昇している状態で風wの風速が下降すると給気ルーバ13の内外の空気圧の差があるので給気ルーバ13を通じて内部側から外部側へ流れ空気により給気ルーバ13は開度が小さくなる。従って、室R1内の空気圧の変動が小さくなる。なお、この場合は開口1raを開くと建物Aの全体換気を行える。図34(チ1)において換気ルーバ18を板材に代えると実施例1の防風板14と給気ルーバ13となる。
図34(チ2)に示すように開口1ra,1rb,1rcが開いているときには高階の室R3において開口1rc、室R3、開口1c、給排気ボックス17の空間14a、給気ルーバ13をとおって逆流しようとする空気流によって給気ルーバ13は閉じる。
図34(リ)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18が共に強制閉鎖されている図9のリの場合は室R1の個別換気は行われない。このリの場合は風wが著しく風速大であるとか、終業時に対応している。
上記図10、図32、図33、図34についての説明は主として室R1について説明したが、室R2,R3について夫々同様である。
(建物最上部に防風板と排気用逆流防止ルーバを備えると共に各室の給気側の開口に給排気ボックスを備えた場合の建物の全体換気)
上述のような個別換気(図34(チ2)を除く)に対して各室R1,R2,R3と吹き抜け4間の開口1ra,1rb,1rcが夫々開放している場合において各階R1,R2,R3の給気側の開口1a,1b,1cに給排気ボックス17を備えた場合の建物A全体の換気についてのべる。
図1では建物Aの前面の各室R1,R2,R3に通ずる開口1a,1b,1cは防風板14と給気ルーバ13で蔽われている。この防風板14と給気ルーバ13とを併せた給気構成に代えて給排気ボックス17を設ける。
図6,図7に示す給気ルーバ13が逆流防止状態にあるとすると、室R3において給排気ボックス17に関して通常給気され給気方向と反対方向に逆流する場合の逆流を防止できる。且逆流が止むと給気状態に戻ることができるのは既にのべたように図9で給気ルーバ13が(定)、換気ルーバ18が閉の(チ)の場合である。
建物Aにおいて建物Aの最高所にある排気ルーバ9が図3に示す逆流防止状態で開放されている際に風wに基く強風のために閉まると給気側の給気ルーバ13をとおり室R1,R2を介して吹抜け4へ流れる空気流は吹抜け4における空気圧を上昇させる。吹抜け4からは開口1rcを通じて室R3中へ空気が流動するのでこの空気流は図34(チ2)に示すように給気ルーバ13を閉じる。従って、1,2階の室R1,R2,R3で生じた汚れた空気が3階の室R3に流入し続けることは阻止される。
給排気ボックス17において室への空気流の流入出を確実とするための構成を図11、図12に示す。
給排気ボックス17の構成は上述した処と変らない。給排気ボックス内の空間は上空間14a1、下空間14a2に空間を上下に分ける隔離部材並びに空気流を導く導風部材として設けた上下分断ボード21で上下に分けられている。
上下分断ボード21は水平な平板状で上空間14a1と下空間14a2は給排気ボックス17内では連通していない。上下分断ボード21は室R1,R2,R3内へ延出されている。その延出する長さは、室R1,R2,R3の開口1a,1b,1cより室内側へ限定的である。本例では、上下分断ボード21の開口1a,1b,1cから室R1,R2,R3内への延出の長さは給排気ボックス17の前板14bから開口1a,1b,1cを若干超えた位置までとされている。
図12は室R1における空気流を示す。空気流は矢印a→m→n→o→bと流れる。このとき上下分断ボード21があるため、室R1の奥側へ向う流れと、天井側を換気ルーバ18に向う流れを確実にする作用がある。
給排気ボックスの構成によれば、このボックスは建物の排気用防風板と排気用逆流防止ルーバ、防風板と給気用逆流防止ルーバによる窓の個別換気、建物の開口の一部開、全体開、全体閉をとることができる。尚ここで、防風板14をアルミニウム製パネル構成と換気用逆流防止ルーバ18の羽根18aをアルミ形成とすると図8に示すように給排気ボックス17は日照SLを遮るのでらんまから室内への直射を防止できる。
(実施例4)
この実施例は各室の外壁側に設ける給排気部材の構成に係る。図13は室R1の建物Aとしては給気側の開口の構成を示す。室R2,R3についても同様である。なお、建物Aの外壁は、ダブルスキンカーテンウォールで構成されている。
室R1の外壁面1側の床R1fと天井R1c間の開口は上下両端側を除いて全体としては平板状の隔離部材22で閉塞されている。隔離部材22は例えば嵌め殺しの障子である。隔離部材22の上部には天井R1cとの間又は天井R1c下近くまでに排気用の開口22aが設けられている。隔離部材22の下部には床R1fとの間又は床R1f上近くまでに給気用の開口22bが設けられている。
開口22aの外部側の面(外壁面1とほぼ同一の面)には外気が上の開口22aを通じて室R1内へ流入するのを外気の空気流によって閉じ、外気よりも室R1内の空気圧が大きいときは室R1から開口22aを通ずる空気流を阻止しない換気用逆流防止ルーバ23が設けられている。下の開口22bの外部側の面(外壁面1とほぼ同一の面)には外気が開口22bを通じて室R1内へ流入するのを阻止しないが室R1の空気が開口22bを通じて外部へ流出するのを抑制する給気用逆流防止ルーバ24が設けられている。開口22a,22bの夫々の室R1内側には排気側ダンパ(以下、上ダンパともいう)25、給気側ダンパ(以下、下ダンパともいう)26が設けてある。各ダンパ25,26は夫々開口22a,22bを開又は閉とする。ダンパ25,26の構成はヒンジ25a,26aで開口22a,22bの夫々の縁に枢着された平板の板羽根である。ダンパ25,26は図略した操作部材によって水平方向を向いた開又は垂直方向を向いた閉の位置をとるようになっている。上ダンパ25は室内側へ開いて水平方向となる。下ダンパ26は開口22b内で運動する内開きである。
このような給排気構成は建物Aの外壁面1側に構成されているので、図1又は図5において外壁面1側が図13の構成を有する(建物全体は図略)。先ず、室R1,R2,R3の吹抜け4に面している開口1ra,1rb,1rcが閉じている際の作用について説明する。
開口1ra,1rb,1rcが閉じている際、室R1,R2,R3の個別換気が行なわれる。図13(a)は個別換気の際のルーバとダンパの状態を示す。上ダンパ25、下ダンパ26は開いている。通常風力の風wでは外気は給気ルーバ24、下ダンパ26が開いている開口22bを通じて矢印jのように流入し、室R1を循環した後は矢印kのように上ダンパ25の開いている開口22a、換気ルーバ23を通じて排出される。強風時は換気ルーバ23が閉じるので下の開口22bへ吹き込む風が室R1を吹き抜けることはない。
建物Aの全体換気は室R1,R2,R3の開口1ra,1rb,1rcの少なくとも1つが開放された状態で行われる。本例では開口1raが開いている。図13(b)で示すように上ダンパ25は閉じ、下ダンパ26は開いた状態である。このときの全体換気における空気流は実施例1において説明した処と同様である。
図13(c)ではダンパ25,26は閉じられており建物A全体の換気、室R1,R2,R3の個別換気は行なわれない。
(実施例5)
図14は実施例5の建物の縦断面図である。建物全体の構成は給気側を除いて図1の(実施例1)に示す建物と同様である。以下に図1に示す建物と異なる構成を説明する。
図14において風wが吹き付ける建物Aの一方の外壁面1側に各室R1,R2,R3の開口27が設けられている。この開口27は各室R1,R2,R3の天井側に設けてある。この開口27には給排気装置28が夫々設けてある。
給排気装置28は各室R1,R2,R3の個別換気と建物Aの全体換気を選択的に行なうことができる。
図15、図16は給排気装置28の縦断面図である。上述した図14の説明の開口27は夫々が上開口27a、下開口27bとして上下に分れている。下開口27bの下側は窓の上枠となる横架材29により仕切られた窓31である。上記開口27はらんま部分に相当する。窓31は例えばガラスが嵌め殺しとなっている。横架材29の内部側にはブラインド32が設けられている。
開口27を上下に仕切る横架した仕切材33により開口27は上下に仕切られて上開口27a、下開口27bが形成される。仕切り材33から外方へ突出
する底板34aと底板34aの先端から立上る前板34bとは防風部材である防風ボックスとし構成する防風板34の部材である。前板34bは外壁面1と平行しほぼ上開口27aと形状大きさが同じで空間34cをおいて上開口27aと対向している。防風板34の内側の空間34cは両端が図15、図16の紙面に平行な板材で塞がれている。防風板34で囲まれた空間34cの開放された上部開口には個別換気用逆流防止ルーバ35が設けてある。換気用逆流防止ルーバ35の構成は図3を用いて説明した逆流防止ルーバ9(建物としての換気における排気用の開口に設けたルーバ)において駒12aを備えない構成となっている。従って、換気用逆流防止ルーバ35は風wの風速が大となる風力により閉じ風速が小となると開く。
仕切材33に図の紙面に直交する方向の中心を有するヒンジ36aによりダンパ36が支持されている。ダンパ36はヒンジ36aを中心にして回動して垂直位置においては上開口27aを閉じ、水平位置においては上開口27aを開放する。ダンパ36は水平位置において、導風作用を有し、室内換気の際下開口27bから室R1に進入した外気が室R1へ吹き込まないで上開口27a、空間34c、換気用逆流防止ルーバ35を通じて吹き抜けるのを抑止する機能を持っている。ダンパ36の水平状態はダンパ36のヒンジ36aを中心として時計回りに回動するのを制止する図示されないストッパにより保たれる。
下開口27bをふさぐように給気用逆流防止ルーバ37が配設されている。このルーバ37は外気は自由に進入し、室内空気が外部に流出するのを抑制する機能をもっている。
図17、図18、図19は給気用逆流防止ルーバ37の側断面略図である。給気用逆流防止ルーバ37の羽根37aは図の紙面に直交する方向に長いストリップ状である。羽根37aは図の紙面に直交する方向の支持軸37bで揺動自在に下開口27bを構成する両側の竪枠に支持されている。支持軸37bは羽根37aの幅方向(図19において見付方向)の中間にある。羽根37aの支持軸37bで分れる大幅部37a2は小幅部37a1より幅が広い。支持軸37bを中心とする重力による一次モーメントは大幅部37a2よりも小幅部37a1の方がわずかに小さい。これによって羽根37aは支持軸37bを中心に時計回りに回動する。羽根37aの回動はストッパ37cで止められる。
図16に示すように風wの風速の大小にかかわらず給気状態のときは羽根37a間は開いている。ストッパ37cは羽根37aの小幅部37a1の上側で支持軸37bの近くに設けてもよい。
上述の給気用逆流防止ルーバ37は建物A全体の換気時、室R1の個別の換気時で図18の逆流防止状態にあるとき給気の空気流は図15、図16の矢印qのように左から右方に流れるので羽根37aは支持軸37bを中心とする時計回りのモーメントが増大するだけで開いたままである。尚、空気流により羽根37aが受ける力は羽根表では正圧、羽根裏では負圧となり、羽根37aは空気流により表裏で同方向の力を受ける。図14において、室R1から室内空気が外部側に向う空気流が生ずると、図18において羽根37aは支持軸37bを中心にして反時計回りに回動して羽根37aは互いに重なり、且つ下開口27bの開口枠との間も閉じる。従って室内空気は逆流して下開口27bから排出されない。
実施例1の図2、図3、図4に示す排気用逆流防止ルーバ9と同様に駒12aを備えた開閉装置12が設けられている。本例の駒12aは上下方向に移動する。実施例1の駒12aは左右方向に移動する点を除くと駒12aの構成作用は同様であるのでその説明は実施例1における説明を援用する。
(実施例5の作用)
(全体換気)
図16に示すようにダンパ36は図示されない操作部材を介して閉じており、上開口27aを通じた空気流は無い。図18に示すように給気は許すが逆流は抑止するように開放されている給気用逆防止ルーバ37を通じて室R1,R2,R3、吹抜け4、換気室6と流れた空気は排気用逆流防止ルーバ9を通じて排気される。
強風で排気用逆流防止ルーバ9が閉じると図14においても、図5で説明したように下階の室R1の空気は吹抜け4、上階の室R3を通じて室R3の下開口27bに向う。開口27は上開口27aがダンパ36で閉じているので下開口27bを通じて室内の空気が外へ出ようとすると、羽根37aの室内に面する側はその空気流により圧せられ羽根37aは支持軸37bを中心にして反時計回りに回転して給気用逆流防止ルーバ37は閉じるので、上階の室R3には逆流は生じない。従って、下階の室R1から汚れた空気が上階室R3へ回り込むことが防止される。
(個別換気)
各室R1,R2,R3と吹抜け4間の開口1ra,1rb,1rcが閉じられている場合について説明する。以下、室R1についてのべるが室R2,R3においても同様である。このとき、図15に示すように室R1においてダンパ36を開く。矢印qのように給気用逆流防止ルーバ37を通じて室R1へ外気が流入する。ダンパ36により室R1において下開口27bから上開口27aに直接流れようとする空気流は生じない。風wに基く矢印qの空気流は室R1に押し込まれる空気流であるので室R1の下層を奥側へ向って進み、室R1の事務機器、照明、人体等により加熱された空気は上昇し乍進み室R1の奥で天井側へ反転して天井側を上開口27aへ進み、上開口27a、空間34c、個別換気のための排気用逆流防止ルーバ35を通じて矢印rのように排出される。このとき、ダンパ36があるので矢印qの空気流が下開口27bから室R1に流入してから直接上開口27aに向かうことは抑制されるので矢印rの空気流が確保される。
風wの風速が増すと換気用逆流防止ルーバ35は閉じる。矢印qの給気となる空気流は室R1の空気が閉じられているのでその速度を減衰するので室R1の一部の空気の乱れが生ずるだけである。
この実施例によれば建物全体の換気と各室の個別換気を効果的に行うことができ、且つ全体換気と個別換気の切換はダンパ36のみであるので操作にわずらわしさがない。
上記において、ダンパ36の操作部材と室R1,R2,R3の開口1ra,1rb,1rcを開閉する障子等の操作部材を連動することにより、ダンパ36の開閉を意識することなくこの障子を開閉することにより全体換気と個別換気の切換ができるので好適である。
上記において、給気用逆流防止ルーバ37は図17に示すように強制開放しても個別換気の作用は同じである。図19に示す給気用逆流防止ルーバ37の強制閉鎖は風wがきわめて強い風雨等の悪天候の際に用いられる。このとき、強風により排気ルーバ9、換気ルーバ35は閉じるので建物A内への強風の吹き込みはない。
(実施例6)
建物全体又は建物の一部分へ給気又は排気を行う夫々の装置の具体的な構成について説明する。
図20は建物A全体の排気のための防風板8と排気用逆流防止ルーバ9の側断面図、図21は水平断面図である。六立方体の空間8aの稜線の位置にアルミニウム押出型材の枠材を配して一体的とした構造材で六立方枠体8bが構成されている。六立方枠体8bの正面側の上枠、下枠、竪枠により囲撓構成した四方枠の内周の条溝8cには前板である正面防風板8dが嵌め込まれている。六立方枠体8bの下面側の四方枠の内周に設けた条溝8eには下板となる下面防風板8fが設けられている。図20の紙面に平行する側板となる側面防風板8gは図21に示すように空間8aの図20の紙面に平行な両端にあり、該位置における六立方枠体8bの四方枠の内周側の条溝8hに嵌め込まれている。六立方枠体8bの上部の四方枠にはその内周側に排気用逆流防止ルーバ9が設けられている。
換気室6と空間8a間の開口6iには四方枠が躯体に固定され四方枠に引き違い障子41が開閉自在に嵌め込まれている。このような立体形の防風板8と排気用逆流防止ルーバ9を備えた建物Aの上部の外観は斜視図の図22に示されている。
上述した防風板8は建物Aの最高位置にあり、箱形でらんまの障子46を設ける面より突出している。なお、図22には防風板8の下方に吹抜け4の明り取りとして設ける場合の障子46を付記してある。図22に(14)とあるのは給気側の防風板として建物Aの中間位置に使用した場合を示している。
(実施例7)
建物Aの室R1,R2,R3の窓のらんまの位置に設ける換気又は排気のための防風板、ルーバ等を収納可能とした構成を図23、図24に示す。図6、図7に示した給排気ボックス17に適用される。また、排気用防風板8、給気用防風板14にも適用可能である。
図23においてらんまを構成する四方枠42の上枠42aには換気用逆流防
止ルーバ18の外周枠18bがヒンジ42a1でもって枢着されている。ヒンジ42a1はその中心の軸は四方枠42の上枠42aと平行している。換気用逆流防止ルーバ18は図23に点線で軌跡r1を示すように水平方向の位置と水平方向の位置からヒンジ42a1を中心にして反時計回りに回動して四方枠42に沿う位置とをとることができる。換気用逆流防止ルーバ18は水平位置においては防風板14の前板14bを保持する四方枠14eの上枠により支持される。
らんまを構成する四方枠42の下枠42bには給気用逆流防止ルーバ13の外周枠13bがヒンジ42b1でもって枢着されている。ヒンジ42b1はその中心の軸が四方枠42の下枠42bと平行している。給気用逆流防止ルーバ13は図23に点線で軌跡r2を示すように水平方向の位置からヒンジ42b1を中心にして時計回りに回動して四方枠42に沿う位置をとることができる。給気用逆流防止ルーバ13が水平方向の位置においては、前板14bを保持している四方枠14eの下枠に設けた図示されないストッパにより下方への回動が止められるようになっている。
図24に示すように防風板14の側板14cは四方枠14dで保持された側板である。側板14cはらんまを構成する四方枠42の竪枠42cに上下方向の中心軸を有するヒンジ42c1で夫々枢着されている。四方枠14dで保持された側板14cは図24に示すように外壁面1に平行する四方枠42を含む面に直交する位置と四方枠42を含む面に給気用逆流防止ルーバ13、換気用逆流防止ルーバ18を間にして重なる位置をとる。
防風板14の前板14bの縁は四方枠14eの内周の条溝14e1に嵌め込まれ保持されている。前板14b、四方枠14eは図23、図24に示す位置と四方枠42と近接して重なる位置をとることができる。本例では前板14bと四方枠14eはらんまとなる四方枠42に対して平行運動をとるようにしてある。平行運動装置としては種々の構成が採用される。
図23に示すように四方枠42の竪枠42cの上部にリンク43の上端がピン43aで枢着されている。リンク43の下端はピン43bによりすべり子43cに枢着されている。すべり子43cは四方枠14eの竪枠14fの下部に上下方向に長く設けた案内条溝14f1に上下動自在に嵌合している。リンク43,44はピン45により枢着されている。
四方枠14eの竪枠14fの上部にリンク44の上端がピン44aで枢着されている。リンク44の下端はすべり子44cにピン44bにより枢着されて
いる。すべり子44cは竪枠42cの下部に上下方向に長く設けた案内条溝42c2に上下動自在に嵌合している。
この実施例での給排気ボックス17の収納についてのべる。図23に示す換気用逆流防止ルーバ18の外周枠18bの四方枠14eへの係止を解く。ヒンジ42a1を中心にして反時計回りに換気用逆流防止ルーバ18を回動して四方枠42の上半部に重ねる。ヒンジ42b1を中心にして反時計回りに給気用逆流防止ルーバ13を時計回りに回動して四方枠42の下半分に重ねる。
図24に示すようにヒンジ42c1を中心にして側板14cを夫々回動して四方枠42に先に収納してある給気用逆流防止ルーバ13、換気用逆流防止ルーバ18を介して重ねる。これによって、平行運動装置の部材であるリンク43,44、すべり子43c,44cを介して四方枠14eに保持された前板14bは四方枠42の前方の空間に位置する。
最後に前板14bを四方枠42に向って移動すると、リンク43,44は交叉角θを拡大すると同時にすべり子43c,44cは案内条溝14f1,42c2に案内されて下降する。これによって四方枠14eに保持された前板14bは四方枠42上に先に重ねられている換気ルーバ18,給気ルーバ13、四方枠14dで保持された側板14cに重ねられる。
収納してある給排気ボックス17を作用する状態とするには上記と逆の順序で展開する。
この実施例において、換気ルーバ18に代えて板材で上面を閉塞すると実施例1における防風板14と給気ルーバ13を備えた給気ボックスに適用される。また、給気ルーバ13に代えて板材で下面を閉塞するとボックス状の防風板8と排気ルーバ9を備えた排気ボックスに適用される。
上記において、給排気ボックス17を建物の開口部の四方枠42に造り付けとしたが、四方枠42を給排気ボックス17を構成する部材とすることにより、給排気ボックス17はユニット化されるので建物への取り付けは締結部材のみによることができる。従って、ユニット化により建物への取り付けが容易となる。
(実施例8)
図25は既存枠への給排気ボックス17又は排気用逆流防止ルーバ9を備えたボックス状の防風板8の既存枠への取付を示す水平断面図である。建物Aの開口(6i,1a,1b,1c)の内周に設けた開口枠の竪枠47の外部側には上下方向に突条47aが設けられている。
図20、図21に示す防風板8と排気用逆流防止ルーバ9を有する排気ボックスの突条47aへの取付を説明する。排気ボックスの建物Aに沿う側の上下方向の竪枠8iは全体として溝型鋼形(材質はアルミニウム)で片側のフランジ8jは先端8j1で折り返して舌部8j2をフランジ8jに重ねられている。舌部8j2で形成される溝部8j3の幅は組立状態で突条47aの厚さと等しい。舌部8j2の先端は図において下方に曲げられて導入部8j4となっている。部品の状態では導入部8j4の根本である口部8j5はフランジ8jに接しているか、近接している。
排気ボックスは建物A側の突条47aに条溝8j3の口部8j5から差し込む。舌部8j2の導入部8j4、口部8j5とフランジ8j間は突条47aにより押し拡げられて、突条47aはフランジ8jと舌部8j2で強く加圧される。
このように、この排気ボックスは既存建物の排気用の開口に取付可能である。同様に給気ボックス、給排気ボックスを既存枠に取り付けることができる。
1…一方の外壁面 1a,1b、1c,1ra,1rb,1rc…開口 1d…庇
2…他方の外壁面
4…吹抜け
5…屋根
6…換気室 6i…開口
8…防風板 8a…空間 8b…六立方枠体 8c…条溝 8d…正面防風板8e…条溝 8f…下面防風板 8g…側面防風板 8h…条溝 8i…竪枠 8j…フランジ 8j1…先端 8j2…舌部 8j3…条溝 8j4…導入部 8j5…口部
9…排気用逆流防止ルーバ 9a…羽根 9a1…下側部 9a2…上側部9b…支持軸 9c…四方枠
10…屋上
11…ストッパ
12…開閉装置 12a…駒
13…給気用逆流防止ルーバ 13a…羽根 13a1…下側部 13a2…上側部 13b…外周枠
14…防風板 14a…空間 14a1…上空間 14a2…下空間 14b…前板 14c…側板 14d…四方枠 14e…四方枠 14e1…条溝 14f…竪枠 14f1…案内条溝
15…支持軸
16…廊下
17…給排気ボックス
18…換気用逆流防止ルーバ 18a…羽根 18b…外周枠
21…上下分断ボード
22…隔離部材 22a,22b…開口
23…換気用逆流防止ルーバ
24…給気用逆流防止ルーバ
25…排気側ダンパ(上ダンパ) 25a…ヒンジ
26…給気側ダンパ(下ダンパ) 26a…ヒンジ
27…開口 27a…上開口 27b…下開口
28…給排気装置
29…横架材
31…窓
32…ブラインド
33…仕切材
34…防風板 34a…底板 34b…前板 34c…空間
35…個別換気用逆流防止ルーバ
36…ダンパ 36a…ヒンジ
37…給気用逆流防止ルーバ 37a…羽根 37a1…小幅部 37a2…大幅部 37b…支持軸
41…障子
42…四方枠 42a…上枠 42a1…ヒンジ 42b…下枠 42b1…ヒンジ 42c…竪枠 42c1…ヒンジ 42c2…案内条溝
43…リンク 43a,43b…ピン 43c…すべり子
44…リンク 44a,44b…ピン 44c…すべり子
45…ピン
46…障子
47…竪枠 47a…突条
A…建物
R1,R2,R3…室 R1f…床 R1c…天井
FL…床面
H…熱だまり
SL…日照
w…風 w1,w1−1,w2,w3,w4,w5,w6,w7,w10…空気流 w8,w9…上昇流
θ…交叉角
本発明は複層階で自然換気装置を有する建物に関する。
図29図30図31は従来例を示す。図29に示すように建物Aの一方の外壁面1の側に開口1a,1bを有し、一方の外壁面1と建物Aの反対側の他方の外壁面2は最上部を除いて開口を備えない壁面で1階の室R1、2階の室R2は他方の外壁面2に沿う吹抜け4に面して開口1ra,1rbしている。吹抜け4の上部には屋根5を備えた換気室6が設けてある。換気室6の一方の外壁面1に近い側の壁には開口6iが設けられ、他方の外壁面2の上方には、開口6iと同じ高さに開口6oが設けられている。開口6i,6oは突出し障子7i,7oを有する。
図30に示す建物Aは開口6i,6oに逆止弁7a,7bを備える点を除き図29に示す建物Aと同様である。
逆止弁7aは風力が小さいときは開いているが風速が例えば1m/s程度以上になると開口6iを閉じるようになっている。
図30のような構成の建物では風速が1m/s程度以上になると図30に示すように逆止弁7aは閉じる。そこで風wは矢印イ,ロのような空気流となって開口1a,1bから室R1,R2を通じて吹抜け4に吹き抜け、矢印ハ,ニのように吹抜け4中を上昇する空気流は換気室6に入り矢印ホのように開口6oに向かい開口6oから矢印ヘのように外部に排出される。
特開2000−213184号公報 特開2003−083575号公報 特開2009−133526号公報
なし
図29に示す建物において換気室6へ風上側の開口6iから流入する空気流トは換気室6を横行して風下側の開口6oから排気されてしまう(ショートサーキット)。そして、風上側の開口6iから流入した風はその速度が換気室6で減速し、流入空気の速度エネルギーの一部は換気室6で圧力エネルギーに変換される。これにより吹抜け4を上昇して来た空気を主として吹抜け4の上部では逆流チが発生する。風wによる開口1a,1bから吹き込む矢印イの空気流は室R1,R2で右行するが流速が小さいので、1階の室R1に流入した空気は暖められて開口1raを出た後は上昇流となり矢印リ,ヌとなって2階の室R2を矢印ルのように一方の外壁面1側の開口1bに向かい開口1bから排気される。この結果1階の室R1は新鮮な空気になるが2階の室R2の空気は1階の新鮮でなくなった空気である。
特許文献1,3に示される発明では一方の外壁面側に換気口を備え他方の外壁面には窓がないか開口が少ない。このような場合の換気を計る提案である。特許文献1に係る発明ではエコロジカルシャフトと称するダクトを備えている。特許文献3に係る発明では換気塔を備えている。即ち、特許文献1,3に係る発明は背部(他方の外壁面)側に充分換気できる開口を有しない建物において、いわゆる煙突効果による自然換気を行うものであり、換気能力としてはすぐれる。
特許文献2では給気は住宅内部の対向する側部に夫々逆流防止ダンパーを備え、天井に開口し煙突効果の生ずる排気ダクトを立設している。
上記のように図29に示す自然換気装置を有する建物では風上側と風下側に逆止弁付の給気開口、排気開口を設けたとしても図29に示すように室内の換気が有効に行われない。
上述したように図29、図30に示す建物において風下側の外壁面側に排気用の開口が設けられない場合は建物の換気を如何にすべきかという課題がある。
即ち、周辺の建物の状態、地形、施設等により窓が設けられない場合がある。
図31は従来例を示す。この建物Aは図30に示す建物Aにおいて2階建を3階建とし、換気室6の風下側の開口6oをなくしたものである。風上に対向する開口6iに設けた逆止弁7aは例えば1m/s程度の風wの風速で閉じる。開口1aから1階の室R1に流入した空気はイの矢印のように進んで暖められて上昇流の矢印リ、ヌとなって3階の室R3を矢印ルのように一方の外壁面1側の開口1cに向い開口1cから排気される。この結果1階の室R1は新鮮な空気になるが3階の室R3の空気は1階の新鮮でなくなった空気である。
特許文献1,3のように排気ダクトを設けるのは1つの解決手段であるが高い排気ダクトを設けるのは除外される場合は少しとしない。
換気通路として例えば一方の外壁面側の各階に開口を有し、他方の外壁面が開口を備えない壁面で、他方の外壁面内に各階に開放された吹き抜けを有し、吹き抜け上部に屋根を有する換気室を備えた自然換気装置を有する建物において、各階の換気が有効に行われる自然換気装置を有する建物を提供することを目的とする。
本願各発明は何れも、開口を有する一方の外壁面と、一方の外壁面に対して反対側で通気できる開口を有しない他方の外壁面と、建物の最上部に設けられ一方の外壁面に設けた開口と同方向に向けて開口した排気用の開口と、を有し、一方の外壁面に設けた開口から排気用の開口まで内部に換気通路となる空間を有する多層階の自然換気装置を有する建物に関する。
また、本願各発明は、一方の外壁面に開口を有する室を備え、一方の外壁面に開口を有する室のこの開口とは反対側の建物内の開口であって排気用の開口に連通している建物内の開口に開閉部材を有し、一方の外壁面側の開口には前記開閉部材の開時に建物全体の換気を行なうと共に前記開閉部材の閉時に室の換気を行なう給気又は給排気を行う装置を有する、自然換気装置を有する建物である。
請求項2に係る発明にあっては、一方の外壁面側の開口には上面に風力の大小によって室内への外気の流入を抑制し又は室内空気を排出する換気用逆流防止ルーバと、下面に給気を行なう給気ルーバと、換気用逆流防止ルーバと給気ルーバ間の空間を建物外部に対して閉塞する防風部材と、を有する。
さらに請求項3に係る発明にあっては、防風部材内で換気用逆流防止ルーバと給気ルーバ間を上下に仕切り一方の外壁面側の開口を越えて室内にのびる導風部材を有する。
請求項4に係る発明にあっては、一方の外壁面側の開口は室の天井側と床側に離れて夫々設けられ、天井側の開口には外気の風力により作動して風力の大きいときに閉じる換気用逆流防止ルーバと、建物の全体換気を行うときは閉じ、室の個別換気を行なうときは開く上ダンパとを重ねて設けられ、床側の開口には外気が流入するときは開き、室内の空気が外部に流出しようとするときは閉じる給気用逆流防止ルーバと上ダンパと併せて全体換気、個別換気を共に行なわないときに閉じる下ダンパとを有する。
請求項5に係る発明にあっては、一方の外壁面の開口を上下に仕切って上開口下開口を構成する仕切材と、下開口に設けられ外気を給気できるが室内空気の建物外部への流出を抑制する給気用逆流防止ルーバと、上開口の外部側に設けられ上面が開口して空間を介して上開口と連通する防風部材と、防風部材の上面の開口に設けられ室の空気を建物外へ排出するが外気の風力が大となると閉じるように作用する個別換気用逆流防止ルーバと、仕切材に枢着されて上開口を閉じた位置と内開きしてほぼ水平方向の位置をとり水平方向の位置において導風作用をするダンパとを有する。
さらに請求項6に係る発明にあっては、給気用逆流防止ルーバは一方の外壁面と平行に立設されている。
請求項7に係る発明にあっては、給気又は排気を行う装置一方の外壁面に対して平行な前板と、一方の外壁面に対して垂直な側板と、夫々一方の外壁面に対して垂直な方向で水平方向に平らな下側の給気用逆流防止ルーバと、及び上側の換気用逆流防止ルーバと、を有して組立状態において中空六立方体状を構成し、側板、給気用逆流防止ルーバ、換気用逆流防止ルーバは夫々一方の外壁面に設けた開口の縁に一方の外壁面に平行な位置と垂直な位置をとるように夫々枢着され、前板は一方の外壁面に沿う位置と一方の外壁面側から離れて一方の外壁面に平行な位置をとるように一方の外壁面に平行運動装置でもって結合されている。
さらに、換気用逆流防止ルーバに代えて板材とすることもできるし、給気用逆流防止ルーバに変えて板材とすることもできる。
本願発明によれば建物全体の自然換気と、室の個別換気を選択的に行うことができる。
請求項2に係る発明によれば風力が大きくなった場合に室に風が吹き込むのを抑制でき、室の個別の自然換気ができる。
請求項3に係る発明によれば、室への空気の流入出を確実に行うことができる。
請求項4に係る発明によれば床側の開口と天井側の開口が上下に離れているので、個別換気の効率がよい。そして上ダンパを閉めるだけで全体換気に切り替えができる。そして上下ダンパを閉めることにより建物を閉塞でき嵐などの外乱に対応できる。
請求項5に係る発明によれば個別換気の際に給気用逆流防止ルーバから室に進入する空気が水平方向のダンパにより直接上開口に向わないので室の換気効果を向上する。ダンパで上開口を閉じるだけで建物の全体換気を行える。
請求項6に係る発明によれば防風部材の高さを小さくでき、且つ、給気の機能は維持される。
請求項7に係る発明によれば個別の換気は必要のない際に収納できる
参考例1の建物の縦断面図である。 排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 参考例2の建物の縦断面図である。 給排気ボックスの縦断面図である。 給排気ボックスの斜視図である。 給排気ボックスと日照の関係図である。 給排気ボックスの給排気関係図表である。 (イ1)(イ2)(イ3)(ロ1)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。 給排気ボックスの縦断面図である。 給排気ボックスを設けた室の個別換気を示す縦断面図である。 (a)(b)(c)は夫々が実施例2の縦断面図である。 実施例3の建物の縦断面図である。 実施例3の給排気装置の縦断面図である。 実施例3の給排気装置の縦断面図である。 給気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 給気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 給気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 参考例3の防風板と排気用逆流防止ルーバの縦断面図である。 参考例3の防風板と記排気用逆流防止ルーバの水平断面図である。 建物の風上に対向する側の斜視図である。 実施例4の収納可能な給排気ボックスの側面図である。 実施例4の収納可能な給排気ボックスの水平断面図である。 実施例5の給排気ボックス等の既存枠への取付を示す断面図である。 防風板の作用を示す縦断面である。 給気ボックスの作用を示す縦断面図である。 給気ボックスの作用を示す縦断面図である。 従来例を示す縦断面図である。 従来例を示す縦断面図である。 従来例を示す縦断面図である。 (ロ2)(ロ3)(ハ)(ニ1)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。 (ニ2)(ホ1)(ホ2)(へ)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。 (ト)(チ1)(チ2)(リ)は夫々が給排気ボックスの作用を示す縦断面図である。
以下、図面を用いてこの発明の実施例及び参考例について説明する。
参考例1
図1は建物Aの側断面略図である。建物Aは多層階で一方の外壁面1の給気口として設けた開口1a,1b,1cから最上部の排気口として設けた開口6iまで通ずる空間に換気通路が構成される。
建物Aの正面である一方の外壁面1に各階の室R1,R2,R3の開口1a,1b,1cを有する。本例では開口1a,1b,1cは各室R1,R2,R3の天井近くにある。他方の外壁面2は開口を有しない。ここで開口を有しないというのは、開口があっても建物A全体の換気に殆ど寄与しない場合を含む。また、図の紙面に平行する建物Aの側壁面にも建物A全体の換気に殆ど寄与しない開口があるか、開口が全くない。他方の外壁面2の内には各階の室R1,R2,R3に開口1ra,1rb,1rcで通ずるように開放された吹抜け4を備えている。ここで吹抜けというのは床面FLから換気室6までをいう。吹抜け4は設備空間であってもよい。即ち、階段、エスカレータ等を一部に備えても良い。
吹抜け4の上部に屋根5を備えた換気室6が設けてある。換気室6の一方の風上側の外壁面1に近い側の壁には開口6iが設けられている。換気室6の他方の外壁は外壁面2と同一面となっている。
開口6iの外部側に空間を構成する防風部材としてボックス状の防風板8と排気用逆流防止ルーバ(以下ルーバ、又は逆流防止ルーバ、もしくは排気ルーバと称することがある)9で取り囲んでいる。逆流防止ルーバ9の上下方向の位置は吹抜け4の上部の屋根5とほぼ同じである。屋根5は換気室6の屋根である。
防風板8は開口6iの外側に空間8aを構成するように設けられ、この空間8aは本例では方形である。空間8aの一方は換気室6に開口6iで通じている。空間8aの上部はルーバ9で仕切られている。ルーバ9、開口6iを除く防風板8は通気性のない板材となっている。ルーバ9は排気用逆流防止ルーバである。防風板8は採光が必要なときはガラスであるが、アルミニウムでもよい。
図2、図3、図4は逆流防止ルーバ9を模式的に示す側断面図である。逆流防止ルーバ9の羽根9aは図の紙面に直交する方向に長いストリップ状である。羽根9aは図の紙面に直交する方向の中心を持つ支持軸9bで揺動自在に四方枠9cに支持されている。ここで、支持軸9bは風向きに対して横設してある。以下の説明に出て来る各種ルーバにおいても支持軸は風向きに対して横設してある。ここで横設とは水平方向を向く場合に限る。支持軸9bは羽根9aの幅方向(図2において見付方向)の中間にある。羽根9aは自由な状態では支持軸9bに対して立つ方向に付勢されている。即ち、ルーバ9が空気流による力を受けない限り自然に開くようになっている。羽根9aの付勢は支持軸9bの両側の羽根の重力に基く一次モーメントのバランス、支持軸9bに設けたねじりコイルばね(図示されない)、錘(図示されない)の取り付け等による。羽根9aは四方枠9cに設けたストッパ11により反時計回り方向への回転を制止されている(図3参照)。
本例では羽根9aは支持軸9bを境に下側部9a1と上側部9a2に分れている。上側部9a2の幅は下側部9a1の幅よりも大きい。支持軸9bを中心とする重力に基く一次モーメントは下側部9a1が支持軸9bより下となるように下側部9a1、上側部9a2の断面形状が定められている。ここで羽根9aはアルミニウムである。羽根9aの断面は平板又は翼形が採用される。
上記構成によれば図3において、左側から右方へ吹く風の風力が一定以上例えば風速1m/s程度以上になれば羽根9aは支持軸9bを中心にして時計回りに回転し、風力が更に増すと羽根9aは更に回転して重なり合い、逆流防止ルーバ9は閉じる。風力が小さくなると逆に羽根9aは支持軸9bを中心にして反時計回りに回転し逆流防止ルーバ9は開く。
図2、図3、図4に示す逆流防止ルーバ9には羽根の回転制御装置として羽根の開又は閉を強制的に行う開閉装置12が付設してある。開閉装置12は夫々の羽根9aの支持軸9bのすぐ上側に図において左右方向に連動する駒12a,12a,12aを有する。駒12a間の間隔は支持軸9b間の間隔と同じ間隔である。駒12a,12a,12aは四方枠9cに図において紙面に平行に移動可能に支持されている。支持軸9bは2本、駒12aは3個である。駒9aはストッパ11と干渉しない位置、例えば羽根9aの長手方向の互に反対側に配設する。
逆流防止ルーバ9は図3に示すように左側及び中央の駒12aがストッパ11の左側にあって羽根9aに作用しない位置では、既にのべたように羽根9aは風力の消長により開閉する。逆流防止ルーバ9において図3の風力による逆流防止の位置から開閉装置12を右方向に移動すると駒12aは支持軸9bの上方で右方に向って羽根9aの上側部9a2をすべり乍押して、羽根9aを支持軸9bを中心に時計回りに回して逆流防止ルーバ9を閉じる(図4参照)。図4の位置から駒12aを左行させると羽根9aは支持軸9bを中心に反時計回りに回転して羽根9aは駒12aに追従する。駒12aがストッパ11を通過すると羽根9aはストッパ11により回転を制止される。駒12aはストッパ11を越えた図3の位置ではルーバ9は一定風速以上では閉まり外部から内部への吹き込みを防止する逆流防止作用を行う位置となる。
逆流防止ルーバ9が図3の位置にある状態で開閉装置12を左行すると中央の駒12aは左側の羽根9aに達すると共に右側の駒12aは右側の羽根9aに達する。その後羽根9aの上側部9a2の根本近くがストッパ11に当っているので、羽根9aは強制的に開放した状態に保たれる。
駒12aは通常高所にあるので、リンク装置、巻掛け伝動装置等を介して遠隔操作を行う。又、電動、流体圧駆動等により駒12aの位置制御を行っても良い。
図1では建物Aの一方の外壁面1側に給気側の逆流防止ルーバ(給気用逆流防止ルーバ)13と防風部材としてボックス状の防風板14が各室R1,R2,R3の夫々の給気用の開口1a,1b,1cの外側に設けてある。夫々の開口1a,1b,1cのすぐ外側には防風部材としての防風板14と給気用逆流防止ルーバ13とで給気用の六立方形の空間14aが形成されている。給気用逆流防止ルーバ13は室R1,R2,R3の室内の空気が開口1a,1b,1cを通じて外部側へ逆流するのを防止するものである。防風板14は採光が必要なときはガラスであるが、アルミニウムでもよい。
図6を借りて給気用逆流防止ルーバ13(以下ルーバ又は逆流防止ルーバ、もしくは給気ルーバと称することがある)について説明する。参考例1では換気用逆流防止ルーバ18に代えて板材とされる。図の下側に逆流防止ルーバ13が示されている。防風板14の下側の開口には逆流防止ルーバ13が設けてある。このルーバ13の羽根13aは図の紙面に直交する方向に長くのびている。羽根13aはその幅方向(見付方向)の中間で支持軸15により揺動自在に支持されている。羽根13aは支持軸15を境に下側部13a1と上側部13a2に分れている。上側部13a2の幅は下側部13a1の幅よりも大きい。支持軸15を中心とする一次モーメントは下側部13a1が上側部13a2よりも大きくなるように下側部13a1、上側部13a2の断面形状、重量が定められている。尚、本例では錘(図示されない)を下部側13a1に取り付けている。
このような羽根の構成は排気側のルーバ9についての先述と同様である。図6には図示されないが図2、図3、図4に示されるストッパ11と同様にストッパが設けられていて、羽根13aの上側部13a2が上方へ向って時計回りに回転し羽根13aが左斜め上りした位置でストッパで支持軸15を中心とする時計回り方向の回転を止められている。従って、室R1から開口1a,1b,1c、空間14a、ルーバ13を通じて室内の空気が逆流しようとすると、この空気流により羽根13aは支持軸15を中心として反時計回りに回転してほぼ水平となりルーバ13は閉じるようになっている。図示されないが図2、図3、図4に示す駒12aと同様の駒を設けてルーバ13を強制的に開放又は閉鎖するようにしてもよい
図1において図3のようにルーバ9が逆流防止状態にあるときについて考える。風wが吹いているとき建物Aの屋上10上では矢印で示す空気流w1が生ずる。
風wが建物Aに向って吹くとき、風wは建物Aの図1において左側の一方の外壁面1に当ると大部分の空気はこの外壁面1に沿って上昇し、屋上10上まで上昇した空気は建物Aの屋上10に沿って右方向に流れる空気流w1となる。
防風板8の前面の板により開口6iへ向うべき空気流w1が遮られると開口6iを通じて建物A内に風が吹き込むことなく上昇してルーバ9上を風下側へ通過する。防風板8に当って下方へ分流する空気流w1‐1(図26参照)は渦流となる。
このとき、羽根9aの上方を空気流w1は越えて右方へ流れる。ルーバ9上において空気流w1の下側のルーバ9に近い側には相対的な負圧が生ずる。この流れにより空気流w1の流速が小さいとき羽根9aの上側の空間の空気圧は建物Aの室内空気圧に対して負圧となる。更に、図3において羽根9aの表側(図3の左側の面)に空気流が当ると羽根9aの裏側(図3の右側の面)には表側の風圧に対して負圧の空間が生ずる。
空気流w1の風速が一定以上になると空気流w1は直接羽根9aに吹き付ける。すると羽根9aの上側部9a2に加わる空気流w1により羽根9は支持軸9bを中心にして図3において時計回りに回転し、ルーバ9の開度は小さくなる。風速が更に大きくなると、羽根9aは時計回りに回転して互に重なり、ルーバ9は閉じる。これによって建物A内への強風の吹き込みが防止される。風速が小さくなると上記と逆に羽根9aは支持軸9bを中心にして回転してルーバ9は開く。
強風又は風向きが不安定で風が舞うような状態のときでない限り、防風板8の前面に向って吹く空気流w1がルーバ9上を風下側へ流れるとき、ルーバ9のすぐ上側及び羽根9aの裏側の空間には負圧が生ずる。
建物A内の空気圧が換気室6で上記負圧よりも低くならない限り換気室6内の空気は開口6i、空間8a、逆流防止ルーバ9を通じて建物外へ排出され矢印の空気流w2のように排出される。
一方、風wが建物Aの前面(図1において左方の風に面する外壁面1)に吹き付ける。各室R1,R2,R3には給気用の開口1a,1b,1cが設けられているが風wは防風板14があるので開口1a,1b,1cを通じて室R1,R2,R3に直接吹き込むことがない。風wによる防風板14回りの空気は開いているルーバ13を通じ(図28参照)空間14aに入り給気開口1a,1b,1cから各室R1,R2,R3に流入する(矢印で示す空気流w3)。各室R1,R2,R3では図1において左から右方に空気が流れ、この空気は各室R1,R2,R3と吹抜け4間の開口1ra,1rb,1rcを通して吹抜け4に入り上昇空気流w4,w5となり換気室6に入り空気流w6のように開口6i、空間8a、逆流防止ルーバ9を通じて排出される。これは空気流w2となる。
上記において、各室R1,R2,R3及び吹抜け4、換気室6における空気は風wがルーバ13を介して建物A内に入り建物A内では正圧である。従って建物A内へ換気室6の開口6iを通じて空気が吹き込むことがない。
既にのべたように強風又は風が舞って風向きが変動した場合ルーバ9上の空気流w1の大きさ、向きによってはルーバ9を通じて外気が建物A内へ吹き込もうとする。そうなると、図3に示す羽根9aはその風圧により、支持軸9bを中心に回転してルーバ9は閉じる。これによって、建物の排気側からの外気の流入は防止される。
強風等でルーバ9が閉じている状態で、仮に1階の室R1から吹き込んだ空気が室R1において昇温した空気を吹抜け4に押し出して吹抜け4を上昇して上階の室R3を図1において左方に流れようとしても室R3の給気側のルーバ13は閉じる(図27参照)ので下階側で生じた汚れた空気が室R3に開口1rc側から流入するのが抑制される。
強風となった後において風速が下がってくるとその前に給気側のルーバ13は開いており外気が建物A内に入ると建物A内の空気圧は上昇して行く。排気側のルーバ9の内外の空気圧は等しくなるのでやがてルーバ9は図3に示すようにその羽根9aは支持軸9bを中心に反時計回りに回転して開くことになる。
排気側のルーバ9が閉ったときに地上から建物A上方まで一様に風wの風速が急に小さくなるような消長のときにはルーバ9が開いて排気が始まるが建物A内の空気圧は建物Aの空間の容量から急には下らないので建物A内の空気圧は建物Aの一方の外壁面1の外側の風圧よりも大きくなる。そのときには、吹抜け4側から開口1ra,1rb,1rc、室R1,R2,R3を通じて夫々の開口1a,1b,1cに向う空気の流れが生ずる。このとき、逆流防止ルーバ13の羽根13aは支持軸15を中心にして図6において反時計回りに回転して閉じる。これによって、吹抜け4中の汚れた空気が室R1,R2,R3に流入するのが抑制される。
以上のとおり、風速が小さいときは自然換気が行われる。また、室において逆流が生じる条件下で逆流を防止できる。強風時に排気口から外気が逆流しない。
参考例2
参考例1において建物の換気装置として給気側を単純な開口としたものである。図5は参考例2の建物の縦断面図である。図5について図1と異なる構成作用について説明する。
建物Aの一方の外壁面1側の開口1a,1b,1cは図1に示す建物Aの一方の外壁面1側の開口と同様に室R1,R2,R3の天井側に夫々備わる。開口1a,1b,1cの上側は庇1dで蔽われている。庇1dは突き出し障子でもよい。
開口1a,1b,1cには室内空気を外部に向って流出するのを防止する給気用逆流防止ルーバは備えていない。
この参考例では風wが低速度の通常の風速である場合は排気側の逆流防止ルーバ9は開いているので参考例1と同様に換気される。即ち、従来例のように上階の室R3で空気流の逆流が生ずることがない。
このように換気室6において他方の外壁面2に換気用の開口がなくても、参考例1と同様に排気側の開口6iに防風板8とルーバ9を設けることは換気の条件を有効とするのに寄与できる。
ただし、強風時には矢印w7のように室R1を左方へ流れる空気流w7は開口1raを通じて吹抜け4に出ると、矢印w8,w9のように上昇流となる。ルーバ9は閉っているので上階の室R3の開口1rcから室R3に入った空気流w10は開口1cを通じて排出される。この参考例は風wの風速が小さい場合に建物A全体の換気に有効である。ルーバ9の閉止が続くと熱だまりHができるが、吹抜け4の上部にとどまり下部に降りて来ない。よって、風wの風速が小さくなりルーバ9が開けば、熱だまりHは排気される。
なお、図31の従来例に比べると、ルーバ9によって熱だまりHができにくい。
実施例1
各実施例及び参考例において夫々の室R2,R3と吹抜け4との間の開口1rb,1rcのすぐ外側は図1に示す廊下16が設けられている。1階の室R1の床と吹抜け4の床面FLとは開口1raの両側を通じて連続している。これらの開口1ra,1rb,1rcには通常開閉部材として開閉可能な扉が設けられる。また、開閉部材としては扉と併せて開閉可能な窓が設けられる。
このような構成の場合に開口1ra,1rb,1rcが閉じられると、閉じられた室は吹抜け4を通じて排気用のルーバ9から排気ができなくなるので換気されない。このような状態の室R1,R2,R3の個別換気が可能な手段について説明する。
建物Aの全体構成は図1又は図5と同様である。各室R1,R2,R3の開口1a,1b,1cの外側には図6、図7に全体を符号17で示す給排気ボックスを備える。図6は側断面図、図7は斜視図である。
上側のルーバ18は図1に関して説明したルーバ9と同様の構成である。防風部材として設けたボックス状の防風板14の前板14bは建物Aの正面である一方の外壁面1と平行な板材である。防風板14の前板14bの板材の両端部夫々とは直角に板材の側板14cが設けられている。この給排気ボックス17は正面が前板14b、背面が開口1a,1b,1c、下面が給気用逆流防止ルーバ13、上面が換気用逆流防止ルーバ18、側板14cで中空六立方体形状である。
参考例1でのべたように給気用逆流防止ルーバ13は逆流防止状態で外気は取り入れるが室内の空気の排出を抑制する。換気用逆流防止ルーバ18は逆流防止状態で室内の空気は排出するが風速の増大に際して室内への外気の吹き込みを防止する。そして、夫々の給気用逆流防止ルーバ13、換気用逆流ルーバ18は駒12a(図6、図7では図略)により、夫々風力の大きさにより自在に開閉し及び強制的に全開し全閉できる。
このような給排気ボックス17は各室R1,R2,R3の天井近くの各開口1a,1b,1cの夫々の外部側に夫々設けられる。
(各室R1,R2,R3の吹抜け4に面する開口1ra,1rb,1rcが閉じられた場合(図34(チ2)の場合を除く)の給排気ボックス17の作用)
図9は給排気ボックス17の換気用逆流防止ルーバ(換気ルーバ18と略記)18の状態を上から下へ強制開放(開と略記)、逆流防止(定と略記)、強制閉鎖(閉と略記)を左欄の見出しとして1列目に3つの状態を記載してある。そして同ボックス17の給気用逆流防止ルーバ(給気ルーバ13と略記)13の状態を左から右へ強制開放(開と略記)、逆風防止(定と略記)、強制閉鎖(閉と略記)を上欄の見出しとして1行目に3つの状態を記載してある。
給気ルーバ13と換気ルーバ18の組み合わせは図9にイからリに示すように9個となる。図10、図32、図33、図34は上記イからリに示す各場合を図番とし図10、図32、図33、図34にイからリを附記して夫々の給排気ボックス17の状態を示す。夫々のルーバの状態において、風wの風速が小さい場合、風速が大きい場合について説明する。
図10(イ1)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18が共に強制開放されている図9のイの場合について説明する。風wの風速が小さいときは給気ルーバ13を通った外気は矢印aに示すように開口1a(建物1階についてのべるが高階も同様、以下同じ)の下側を通じて室R1に入る。室R1では給気は室R1の奥へ向う。事務機器、照明、人体等の熱源で昇温した空気は室R1の奥側まで順次天井下に上昇して室R1の奥側で反転して開口1aに向う。そして矢印bで示すように開口1aの上側の換気ルーバ18を通じて外部に排出される。なお、給気ルーバ13から給排気ボックス17の空間14a中を上昇して換気ルーバ18を通じて一部の空気が外部へ流動する(図示していない)。
図9のイの場合において風wの風速が大きいときに風wは給排気ボックス17の防風板14に遮られて開口1aに直接吹き込まない。給排気ボックス17の風wの開口1aへの直接の吹き込まない機能は給気ルーバ13,換気ルーバ18の態様のすべてで共通している。従って、以下この説明は省略する。風wの風力の消長に応じて風速が大となると図10(イ2)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18から室R1へ吹き込む空気流c,dが生ずる。室R1内の空気圧は吹き込む空気流c,dで加圧されて上昇する。加圧された室内空気は風wの風速が小さくなると図10(イ3)に示すように室R1内から給気ルーバ13、換気ルーバ18を通じて矢印e,fで示す空気流のように外部へ流出する。その後室R1の空気圧が低下した後は図10(イ1)の状態に戻る。
図10(ロ1)に示すように給気ルーバ13が逆流防止状態の定、換気ルーバ18が開の図9のロの場合では風wの風速が小さいときには、給気ルーバ13開、換気ルーバ18開を示す図10(イ1)と同様の空気流a,bとなる。図9のロの場合において風wの風速が大きいときはその消長に応じて風速が増大する際図32(ロ2)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18から室R1へ吹き込む空気流c,dが生ずる。室R1内の空気圧は吹き込み流c,dで加圧されて上昇する。風wの風速が小さくなると図32(ロ3)に示すように室R1内から給気ルーバ13、換気ルーバ18を通じて矢印g,hで示す空気流のように外部へ流出する。このとき給気ルーバ13は通過する空気流で開度が小さくなる方向になるのでルーバ13よりも換気ルーバ18からより多くの室内の空気が排出される。その後室R1内の空気圧が低下した後は図10(ロ1)の状態に戻る。
風速の消長する強風時において図32(ロ2)、図32(ロ3)示す室R1への空気の流出入は一方の外壁面1側の開口1a近くの室内側に及ぶだけで、室R1の閉じられている奥側開口1raまでは室内空気の空気圧がわずかに変動するのみである。
図32(ハ)に示すように給気ルーバ13が強制閉鎖され換気ルーバ18が強制開放されている図9のハの場合についてのべる。
風wの風速にかかわらず、給気ルーバ13を通じての外気の給排気ボックス17への流出入は行われない。風wの風速が小さいときは換気ルーバ18からの室R1の給排気は殆ど行われない。風wの風速が大きくなって行く過程では換気ルーバ18から流入しようとする空気は羽根18aで空間14aの前板14b側へ導かれるので開口1a付近で留まり、風速が小さくなって行く過程で開口1a付近の上記空気は換気ルーバ18を通じて戻る方向に移動する。従って有効な換気効果は期待できない。室R1内の空気圧が変動するのみである。
図32(ニ1)ニ示すように給気ルーバ13が強制開放され、換気ルーバ18が逆流防止状態(図9の定)にある図9のニの場合についてのべる。風wの風速が小さいときは換気ルーバ18は開いたままである。強制開放されている給気ルーバ13を通って外気は矢印aに示すように開口1aの下側を通じて室R1に入る。室R1では事務機器、照明、人体等の熱源で昇温した空気は室R1の奥側で天井下に上昇して開口1aに向う。そして矢印bで示すように開口1aの上側、換気ルーバ18を通じて外部に排出される。なお、給気ルーバ13から給排出ボックス17の空間14a中を上昇して換気ルーバ18を通じて一部の空気が外部へ流動する(図示していない)。上述のように図32(ニ1)の空気流の態様は風wの風速が小さいときの給気ルーバ13及び換気ルーバ18を強制開放した図9に示すイの場合(図10(イ1))、及び給気ルーバ13を逆流防止状態の定とし換気ルーバ18を強制開放した図9に示すロの場合(図10(ロ1))と同様である。
図33(ニ2)は給気ルーバ13が強制開放され、換気ルーバ18が逆流防止状態(図9の定)にある図9のニの場合に、風wの風速が大きくなったときを示す。
風wの風速が増大すると換気ルーバ18の外側の空気流により換気ルーバ18は閉まる。給気ルーバ13からは外気が矢印iに示すように給排気ボックス17の空間14aに入る。ここで換気ルーバ18の内外に空気圧が加わるが換気ルーバ18の外部側に生ずる正圧は内部側に生ずる正圧よりも大きいから換気ルーバ18は閉じている。一方給気ルーバ13を通じて給排気ボックス17に流入する矢印iの空気流は給気ルーバ13を通過する際にその有するエネルギーは消耗する。矢印iの空気流は給排気ボックス17中で拡散し、換気ルーバ18に吹き付ける矢印iの空気流の一部は正圧に変り換気ルーバ18を開く方向に換気ルーバ18に作用するが、換気ルーバ18の外部側に加わる空気流による正圧が換気ルーバ18の内部側に加わる矢印iの空気流に基く正圧よりも大きいので換気ルーバ18は閉じた状態を保つ。このように換気ルーバ18が閉じ、給気ルーバ13が開いている状態では室R1の換気は殆ど行われない。この場合風wの風速が増大する過程で換気ルーバ18は閉じるので強風が室内R1へ吹き込むことがない。また、給気ルーバ13を通じて室内へ吹き込む強風も羽根13aの向きにより減衰される。室R1内の空気圧はわずかに上昇する。このような現象は限定的である。
図33(ホ1)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18が逆流防止状態(図9の定)にある場合についてのべる。風wの風速が小さい場合は給気ルーバ13、換気ルーバ18は開いた状態を保つ。従って、このときは例えば図9に示すイの場合、即ち、給気ルーバ13、換気ルーバ18が共に強制開放されていることを示す図10(イ1)と同じ矢印a,bの流れで換気される。
図33(ホ1)において、風wの風速が増すと図33(ホ2)に示すように既にのべたように空気の流れは給気ルーバ13が強制開放で換気ルーバ18が閉った状態の図33(ニ2)と同じ状態となる。矢印iで示す空気の流れは図33(ホ2)のように示される。図33(ホ2)の説明は図33(ニ2)の説明を援用する。
図33(ヘ)に示すように給気ルーバ13が強制閉鎖され換気ルーバ18が逆流防止状態の図9の定の場合について説明する。風wの風速にかかわらず給気ルーバ13を通じての外気の給排気ボックス17への流出入は行われない。風wの風速が小さいときは換気ルーバ18からの室R1の給排気は殆ど行われない。風wの風速が大きくなって行く過程では換気ルーバ18は開度が小さくなり、風速が一定風速を越えると閉る。風wの風速が小さくなって行くと換気ルーバ18は開き開度を増大して行く。従って室R1への外気の流出入は認められない。
図33(ヘ)の状態の給排気ボックス17は建物Aの全体換気の排気に使用される防風板8と排気用逆流防止ルーバ9に代用可能である。
図34(ト)に示すように給気ルーバ13が強制開放され換気ルーバ18が強制閉鎖された図9のトの場合について説明する。風速が小さいと換気ルーバ18が閉っているので、給気ルーバ13を通ずる室内外の空気流は出入り共に小さく、風wの風速の消長で室R1の空気圧がわずかに変化するだけである。強風時は図33(ホ2)、(ニ2)と同じ状態になる。
図34(チ1)に示すように給気ルーバ13が逆流防止状態(図9において定)に、換気ルーバ18が強制閉鎖(図9のチ)の場合について説明する。この場合、参考例1と同様である。風wの風速が小さいと、換気ルーバ18が閉っているので、換気ルーバ18を通ずる室内外の空気流はない。従って室R1に給気ルーバ13、給排気ボックス17の空間14aを通じて流入出する空気は量も小さく運動エネルギーは小さいので給気ルーバ13は動作しない。風wの風速が大きいと給気ルーバ13を通じて空間14a、室R1に吹き込もうとする矢印iの空気流により室R1内の空気圧は上昇する。室R1の空気圧が上昇している状態で風wの風速が下降すると給気ルーバ13の内外の空気圧の差があるので給気ルーバ13を通じて内部側から外部側へ流れ空気により給気ルーバ13は開度が小さくなる。従って、室R1内の空気圧の変動が小さくなる。なお、この場合は開口1raを開くと建物Aの全体換気を行える。図34(チ1)において換気ルーバ18を板材に代えると参考例1の防風板14と給気ルーバ13となる。
図34(チ2)に示すように開口1ra,1rb,1rcが開いているときには高階の室R3において開口1rc、室R3、開口1c、給排気ボックス17の空間14a、給気ルーバ13をとおって逆流しようとする空気流によって給気ルーバ13は閉じる。
図34(リ)に示すように給気ルーバ13、換気ルーバ18が共に強制閉鎖されている図9のリの場合は室R1の個別換気は行われない。このリの場合は風wが著しく風速大であるとか、終業時に対応している。
上記図10、図32、図33、図34についての説明は主として室R1について説明したが、室R2,R3について夫々同様である。
(建物最上部に防風板と排気用逆流防止ルーバを備えると共に各室の給気側の開口に給排気ボックスを備えた場合の建物の全体換気)
上述のような個別換気(図34(チ2)を除く)に対して各室R1,R2,R3と吹き抜け4間の開口1ra,1rb,1rcが夫々開放している場合において各階R1,R2,R3の給気側の開口1a,1b,1cに給排気ボックス17を備えた場合の建物A全体の換気についてのべる。
図1では建物Aの前面の各室R1,R2,R3に通ずる開口1a,1b,1cは防風板14と給気ルーバ13で蔽われている。この防風板14と給気ルーバ13とを併せた給気構成に代えて給排気ボックス17を設ける。
図6,図7に示す給気ルーバ13が逆流防止状態にあるとすると、室R3において給排気ボックス17に関して通常給気され給気方向と反対方向に逆流する場合の逆流を防止できる。且逆流が止むと給気状態に戻ることができるのは既にのべたように図9で給気ルーバ13が(定)、換気ルーバ18が閉の(チ)の場合である。
建物Aにおいて建物Aの最高所にある排気ルーバ9が図3に示す逆流防止状態で開放されている際に風wに基く強風のために閉まると給気側の給気ルーバ13をとおり室R1,R2を介して吹抜け4へ流れる空気流は吹抜け4における空気圧を上昇させる。吹抜け4からは開口1rcを通じて室R3中へ空気が流動するのでこの空気流は図34(チ2)に示すように給気ルーバ13を閉じる。従って、1,2階の室R1,R2,R3で生じた汚れた空気が3階の室R3に流入し続けることは阻止される。
給排気ボックス17において室への空気流の流入出を確実とするための構成を図11、図12に示す。
給排気ボックス17の構成は上述した処と変らない。給排気ボックス内の空間は上空間14a1、下空間14a2に空間を上下に分ける隔離部材並びに空気流を導く導風部材として設けた上下分断ボード21で上下に分けられている。
上下分断ボード21は水平な平板状で上空間14a1と下空間14a2は給排気ボックス17内では連通していない。上下分断ボード21は室R1,R2,R3内へ延出されている。その延出する長さは、室R1,R2,R3の開口1a,1b,1cより室内側へ限定的である。本例では、上下分断ボード21の開口1a,1b,1cから室R1,R2,R3内への延出の長さは給排気ボックス17の前板14bから開口1a,1b,1cを若干超えた位置までとされている。
図12は室R1における空気流を示す。空気流は矢印a→m→n→o→bと流れる。このとき上下分断ボード21があるため、室R1の奥側へ向う流れと、天井側を換気ルーバ18に向う流れを確実にする作用がある。
給排気ボックスの構成によれば、このボックスは建物の排気用防風板と排気用逆流防止ルーバ、防風板と給気用逆流防止ルーバによる窓の個別換気、建物の開口の一部開、全体開、全体閉をとることができる。尚ここで、防風板14をアルミニウム製パネル構成と換気用逆流防止ルーバ18の羽根18aをアルミ形成とすると図8に示すように給排気ボックス17は日照SLを遮るのでらんまから室内への直射を防止できる。
実施例2
この実施例は各室の外壁側に設ける給排気部材の構成に係る。図13は室R1の建物Aとしては給気側の開口の構成を示す。室R2,R3についても同様である。なお、建物Aの外壁は、ダブルスキンカーテンウォールで構成されている。
室R1の外壁面1側の床R1fと天井R1c間の開口は上下両端側を除いて全体としては平板状の隔離部材22で閉塞されている。隔離部材22は例えば嵌め殺しの障子である。隔離部材22の上部には天井R1cとの間又は天井R1c下近くまでに排気用の開口22aが設けられている。隔離部材22の下部には床R1fとの間又は床R1f上近くまでに給気用の開口22bが設けられている。
開口22aの外部側の面(外壁面1とほぼ同一の面)には外気が上の開口22aを通じて室R1内へ流入するのを外気の空気流によって閉じ、外気よりも室R1内の空気圧が大きいときは室R1から開口22aを通ずる空気流を阻止しない換気用逆流防止ルーバ23が設けられている。下の開口22bの外部側の面(外壁面1とほぼ同一の面)には外気が開口22bを通じて室R1内へ流入するのを阻止しないが室R1の空気が開口22bを通じて外部へ流出するのを抑制する給気用逆流防止ルーバ24が設けられている。開口22a,22bの夫々の室R1内側には排気側ダンパ(以下、上ダンパともいう)25、給気側ダンパ(以下、下ダンパともいう)26が設けてある。各ダンパ25,26は夫々開口22a,22bを開又は閉とする。ダンパ25,26の構成はヒンジ25a,26aで開口22a,22bの夫々の縁に枢着された平板の板羽根である。ダンパ25,26は図略した操作部材によって水平方向を向いた開又は垂直方向を向いた閉の位置をとるようになっている。上ダンパ25は室内側へ開いて水平方向となる。下ダンパ26は開口22b内で運動する内開きである。
このような給排気構成は建物Aの外壁面1側に構成されているので、図1又は図5において外壁面1側が図13の構成を有する(建物全体は図略)。先ず、室R1,R2,R3の吹抜け4に面している開口1ra,1rb,1rcが閉じている際の作用について説明する。
開口1ra,1rb,1rcが閉じている際、室R1,R2,R3の個別換気が行なわれる。図13(a)は個別換気の際のルーバとダンパの状態を示す。上ダンパ25、下ダンパ26は開いている。通常風力の風wでは外気は給気ルーバ24、下ダンパ26が開いている開口22bを通じて矢印jのように流入し、室R1を循環した後は矢印kのように上ダンパ25の開いている開口22a、換気ルーバ23を通じて排出される。強風時は換気ルーバ23が閉じるので下の開口22bへ吹き込む風が室R1を吹き抜けることはない。
建物Aの全体換気は室R1,R2,R3の開口1ra,1rb,1rcの少なくとも1つが開放された状態で行われる。本例では開口1raが開いている。図13(b)で示すように上ダンパ25は閉じ、下ダンパ26は開いた状態である。このときの全体換気における空気流は参考例1において説明した処と同様である。
図13(c)ではダンパ25,26は閉じられており建物A全体の換気、室R1,R2,R3の個別換気は行なわれない。
実施例3
図14は実施例3の建物の縦断面図である。建物全体の構成は給気側を除いて図1の(参考例1)に示す建物と同様である。以下に図1に示す建物と異なる構成を説明する。
図14において風wが吹き付ける建物Aの一方の外壁面1側に各室R1,R2,R3の開口27が設けられている。この開口27は各室R1,R2,R3の天井側に設けてある。この開口27には給排気装置28が夫々設けてある。
給排気装置28は各室R1,R2,R3の個別換気と建物Aの全体換気を選択的に行なうことができる。
図15、図16は給排気装置28の縦断面図である。上述した図14の説明の開口27は夫々が上開口27a、下開口27bとして上下に分れている。下開口27bの下側は窓の上枠となる横架材29により仕切られた窓31である。上記開口27はらんま部分に相当する。窓31は例えばガラスが嵌め殺しとなっている。横架材29の内部側にはブラインド32が設けられている
開口27を上下に仕切る横架した仕切材33により開口27は上下に仕切られて上開口27a、下開口27bが形成される。仕切り材33から外方へ突出する底板34aと底板34aの先端から立上る前板34bとは防風部材である防風ボックスとし構成する防風板34の部材である。前板34bは外壁面1と平行しほぼ上開口27aと形状大きさが同じで空間34cをおいて上開口27aと対向している。防風板34の内側の空間34cは両端が図15、図16の紙面に平行な板材で塞がれている。防風板34で囲まれた空間34cの開放された上部開口には個別換気用逆流防止ルーバ35が設けてある。換気用逆流防止ルーバ35の構成は図3を用いて説明した逆流防止ルーバ9(建物としての換気における排気用の開口に設けたルーバ)において駒12aを備えない構成となっている。従って、換気用逆流防止ルーバ35は風wの風速が大となる風力により閉じ風速が小となると開く。
仕切材33に図の紙面に直交する方向の中心を有するヒンジ36aによりダンパ36が支持されている。ダンパ36はヒンジ36aを中心にして回動して垂直位置においては上開口27aを閉じ、水平位置においては上開口27aを開放する。ダンパ36は水平位置において、導風作用を有し、室内換気の際下開口27bから室R1に進入した外気が室R1へ吹き込まないで上開口27a、空間34c、換気用逆流防止ルーバ35を通じて吹き抜けるのを抑止する機能を持っている。ダンパ36の水平状態はダンパ36のヒンジ36aを中心として時計回りに回動するのを制止する図示されないストッパにより保たれる。
下開口27bをふさぐように給気用逆流防止ルーバ37が配設されている。このルーバ37は外気は自由に進入し、室内空気が外部に流出するのを抑制する機能をもっている。
図17、図18、図19は給気用逆流防止ルーバ37の側断面略図である。給気用逆流防止ルーバ37の羽根37aは図の紙面に直交する方向に長いストリップ状である。羽根37aは図の紙面に直交する方向の支持軸37bで揺動自在に下開口27bを構成する両側の竪枠に支持されている。支持軸37bは羽根37aの幅方向(図19において見付方向)の中間にある。羽根37aの支持軸37bで分れる大幅部37a2は小幅部37a1より幅が広い。支持軸37bを中心とする重力による一次モーメントは大幅部37a2よりも小幅部37a1の方がわずかに小さい。これによって羽根37aは支持軸37bを中心に時計回りに回動する。羽根37aの回動はストッパ37cで止められる。
図16に示すように風wの風速の大小にかかわらず給気状態のときは羽根37a間は開いている。ストッパ37cは羽根37aの小幅部37a1の上側で支持軸37bの近くに設けてもよい。
上述の給気用逆流防止ルーバ37は建物A全体の換気時、室R1の個別の換気時で図18の逆流防止状態にあるとき給気の空気流は図15、図16の矢印qのように左から右方に流れるので羽根37aは支持軸37bを中心とする時計回りのモーメントが増大するだけで開いたままである。尚、空気流により羽根37aが受ける力は羽根表では正圧、羽根裏では負圧となり、羽根37aは空気流により表裏で同方向の力を受ける。図14において、室R1から室内空気が外部側に向う空気流が生ずると、図18において羽根37aは支持軸37bを中心にして反時計回りに回動して羽根37aは互いに重なり、且つ下開口27bの開口枠との間も閉じる。従って室内空気は逆流して下開口27bから排出されない。
参考例1の図2、図3、図4に示す排気用逆流防止ルーバ9と同様に駒12aを備えた開閉装置12が設けられている。本例の駒12aは上下方向に移動する。参考例1の駒12aは左右方向に移動する点を除くと駒12aの構成作用は同様であるのでその説明は参考例1における説明を援用する。
実施例3の作用)
(全体換気)
図16に示すようにダンパ36は図示されない操作部材を介して閉じており、上開口27aを通じた空気流は無い。図18に示すように給気は許すが逆流は抑止するように開放されている給気用逆防止ルーバ37を通じて室R1,R2,R3、吹抜け4、換気室6と流れた空気は排気用逆流防止ルーバ9を通じて排気される。
強風で排気用逆流防止ルーバ9が閉じると図14においても、図5で説明したように下階の室R1の空気は吹抜け4、上階の室R3を通じて室R3の下開口27bに向う。開口27は上開口27aがダンパ36で閉じているので下開口27bを通じて室内の空気が外へ出ようとすると、羽根37aの室内に面する側はその空気流により圧せられ羽根37aは支持軸37bを中心にして反時計回りに回転して給気用逆流防止ルーバ37は閉じるので、上階の室R3には逆流は生じない。従って、下階の室R1から汚れた空気が上階室R3へ回り込むことが防止される。
(個別換気)
各室R1,R2,R3と吹抜け4間の開口1ra,1rb,1rcが閉じられている場合について説明する。以下、室R1についてのべるが室R2,R3においても同様である。このとき、図15に示すように室R1においてダンパ36を開く。矢印qのように給気用逆流防止ルーバ37を通じて室R1へ外気が流入する。ダンパ36により室R1において下開口27bから上開口27aに直接流れようとする空気流は生じない。風wに基く矢印qの空気流は室R1に押し込まれる空気流であるので室R1の下層を奥側へ向って進み、室R1の事務機器、照明、人体等により加熱された空気は上昇し乍進み室R1の奥で天井側へ反転して天井側を上開口27aへ進み、上開口27a、空間34c、個別換気のための排気用逆流防止ルーバ35を通じて矢印rのように排出される。このとき、ダンパ36があるので矢印qの空気流が下開口27bから室R1に流入してから直接上開口27aに向かうことは抑制されるので矢印rの空気流が確保される。
風wの風速が増すと換気用逆流防止ルーバ35は閉じる。矢印qの給気となる空気流は室R1の空気が閉じられているのでその速度を減衰するので室R1の一部の空気の乱れが生ずるだけである。
この実施例によれば建物全体の換気と各室の個別換気を効果的に行うことができ、且つ全体換気と個別換気の切換はダンパ36のみであるので操作にわずらわしさがない。
上記において、ダンパ36の操作部材と室R1,R2,R3の開口1ra,1rb,1rcを開閉する障子等の操作部材を連動することにより、ダンパ36の開閉を意識することなくこの障子を開閉することにより全体換気と個別換気の切換ができるので好適である。
上記において、給気用逆流防止ルーバ37は図17に示すように強制開放しても個別換気の作用は同じである。図19に示す給気用逆流防止ルーバ37の強制閉鎖は風wがきわめて強い風雨等の悪天候の際に用いられる。このとき、強風により排気ルーバ9、換気ルーバ35は閉じるので建物A内への強風の吹き込みはない
(参考例3)
建物全体又は建物の一部分へ給気又は排気を行う夫々の装置の具体的な構成について説明する。
図20は建物A全体の排気のための防風板8と排気用逆流防止ルーバ9の側断面図、図21は水平断面図である。六立方体の空間8aの稜線の位置にアルミニウム押出型材の枠材を配して一体的とした構造材で六立方枠体8bが構成されている。六立方枠体8bの正面側の上枠、下枠、竪枠により囲撓構成した四方枠の内周の条溝8cには前板である正面防風板8dが嵌め込まれている。六立方枠体8bの下面側の四方枠の内周に設けた条溝8eには下板となる下面防風板8fが設けられている。図20の紙面に平行する側板となる側面防風板8gは図21に示すように空間8aの図20の紙面に平行な両端にあり、該位置における六立方枠体8bの四方枠の内周側の条溝8hに嵌め込まれている。六立方枠体8bの上部の四方枠にはその内周側に排気用逆流防止ルーバ9が設けられている。
換気室6と空間8a間の開口6iには四方枠が躯体に固定され四方枠に引き違い障子41が開閉自在に嵌め込まれている。このような立体形の防風板8と排気用逆流防止ルーバ9を備えた建物Aの上部の外観は斜視図の図22に示されている。
上述した防風板8は建物Aの最高位置にあり、箱形でらんまの障子46を設ける面より突出している。なお、図22には防風板8の下方に吹抜け4の明り取りとして設ける場合の障子46を付記してある。図22に(14)とあるのは給気側の防風板として建物Aの中間位置に使用した場合を示している。
実施例4
建物Aの室R1,R2,R3の窓のらんまの位置に設ける換気又は排気のための防風板、ルーバ等を収納可能とした構成を図23、図24に示す。図6、図7に示した給排気ボックス17に適用される。また、排気用防風板8、給気用防風板14にも適用可能である
図23においてらんまを構成する四方枠42の上枠42aには換気用逆流防止ルーバ18の外周枠18bがヒンジ42a1でもって枢着されている。ヒンジ42a1はその中心の軸は四方枠42の上枠42aと平行している。換気用逆流防止ルーバ18は図23に点線で軌跡r1を示すように水平方向の位置と水平方向の位置からヒンジ42a1を中心にして反時計回りに回動して四方枠42に沿う位置とをとることができる。換気用逆流防止ルーバ18は水平位置においては防風板14の前板14bを保持する四方枠14eの上枠により支持される。
らんまを構成する四方枠42の下枠42bには給気用逆流防止ルーバ13の外周枠13bがヒンジ42b1でもって枢着されている。ヒンジ42b1はその中心の軸が四方枠42の下枠42bと平行している。給気用逆流防止ルーバ13は図23に点線で軌跡r2を示すように水平方向の位置からヒンジ42b1を中心にして時計回りに回動して四方枠42に沿う位置をとることができる。給気用逆流防止ルーバ13が水平方向の位置においては、前板14bを保持している四方枠14eの下枠に設けた図示されないストッパにより下方への回動が止められるようになっている。
図24に示すように防風板14の側板14cは四方枠14dで保持された側板である。側板14cはらんまを構成する四方枠42の竪枠42cに上下方向の中心軸を有するヒンジ42c1で夫々枢着されている。四方枠14dで保持された側板14cは図24に示すように外壁面1に平行する四方枠42を含む面に直交する位置と四方枠42を含む面に給気用逆流防止ルーバ13、換気用逆流防止ルーバ18を間にして重なる位置をとる。
防風板14の前板14bの縁は四方枠14eの内周の条溝14e1に嵌め込まれ保持されている。前板14b、四方枠14eは図23、図24に示す位置と四方枠42と近接して重なる位置をとることができる。本例では前板14bと四方枠14eはらんまとなる四方枠42に対して平行運動をとるようにしてある。平行運動装置としては種々の構成が採用される。
図23に示すように四方枠42の竪枠42cの上部にリンク43の上端がピン43aで枢着されている。リンク43の下端はピン43bによりすべり子43cに枢着されている。すべり子43cは四方枠14eの竪枠14fの下部に上下方向に長く設けた案内条溝14f1に上下動自在に嵌合している。リンク43,44はピン45により枢着されている。
四方枠14eの竪枠14fの上部にリンク44の上端がピン44aで枢着されている。リンク44の下端はすべり子44cにピン44bにより枢着されている。すべり子44cは竪枠42cの下部に上下方向に長く設けた案内条溝42c2に上下動自在に嵌合している。
この実施例での給排気ボックス17の収納についてのべる。図23に示す換気用逆流防止ルーバ18の外周枠18bの四方枠14eへの係止を解く。ヒンジ42a1を中心にして反時計回りに換気用逆流防止ルーバ18を回動して四方枠42の上半部に重ねる。ヒンジ42b1を中心にして反時計回りに給気用逆流防止ルーバ13を時計回りに回動して四方枠42の下半分に重ねる。
図24に示すようにヒンジ42c1を中心にして側板14cを夫々回動して四方枠42に先に収納してある給気用逆流防止ルーバ13、換気用逆流防止ルーバ18を介して重ねる。これによって、平行運動装置の部材であるリンク43,44、すべり子43c,44cを介して四方枠14eに保持された前板14bは四方枠42の前方の空間に位置する。
最後に前板14bを四方枠42に向って移動すると、リンク43,44は交叉角θを拡大すると同時にすべり子43c,44cは案内条溝14f1,42c2に案内されて下降する。これによって四方枠14eに保持された前板14bは四方枠42上に先に重ねられている換気ルーバ18,給気ルーバ13、四方枠14dで保持された側板14cに重ねられる。
収納してある給排気ボックス17を作用する状態とするには上記と逆の順序で展開する。
この実施例において、換気ルーバ18に代えて板材で上面を閉塞すると参考例1における防風板14と給気ルーバ13を備えた給気ボックスに適用される。また、給気ルーバ13に代えて板材で下面を閉塞するとボックス状の防風板8と排気ルーバ9を備えた排気ボックスに適用される。
上記において、給排気ボックス17を建物の開口部の四方枠42に造り付けとしたが、四方枠42を給排気ボックス17を構成する部材とすることにより、給排気ボックス17はユニット化されるので建物への取り付けは締結部材のみによることができる。従って、ユニット化により建物への取り付けが容易となる。
実施例5
図25は既存枠への給排気ボックス17又は排気用逆流防止ルーバ9を備えたボックス状の防風板8の既存枠への取付を示す水平断面図である。建物Aの開口(6i,1a,1b,1c)の内周に設けた開口枠の竪枠47の外部側には上下方向に突条47aが設けられている。
図20、図21に示す防風板8と排気用逆流防止ルーバ9を有する排気ボックスの突条47aへの取付を説明する。排気ボックスの建物Aに沿う側の上下方向の竪枠8iは全体として溝型鋼形(材質はアルミニウム)で片側のフランジ8jは先端8j1で折り返して舌部8j2をフランジ8jに重ねられている。舌部8j2で形成される溝部8j3の幅は組立状態で突条47aの厚さと等しい。舌部8j2の先端は図において下方に曲げられて導入部8j4となっている。部品の状態では導入部8j4の根本である口部8j5はフランジ8jに接しているか、近接している。
排気ボックスは建物A側の突条47aに条溝8j3の口部8j5から差し込む。舌部8j2の導入部8j4、口部8j5とフランジ8j間は突条47aにより押し拡げられて、突条47aはフランジ8jと舌部8j2で強く加圧される。
このように、この排気ボックスは既存建物の排気用の開口に取付可能である。同様に給気ボックス、給排気ボックスを既存枠に取り付けることができる。
1…一方の外壁面 1a,1b、1c,1ra,1rb,1rc…開口1d…庇
2…他方の外壁面
4…吹抜け
5…屋根
6…換気室 6i…開口
8…防風板 8a…空間 8b…六立方枠体 8c…条溝 8d…正面防風板8e…条溝 8f…下面防風板 8g…側面防風板 8h…条溝 8i…竪枠 8j…フランジ 8j1…先端 8j2…舌部 8j3…条溝 8j4…導入部 8j5…口部
9…排気用逆流防止ルーバ 9a…羽根 9a1…下側部 9a2…上側部9b…支持軸 9c…四方枠
10…屋上
11…ストッパ
12…開閉装置 12a…駒
13…給気用逆流防止ルーバ 13a…羽根 13a1…下側部 13a2…上側部 13b…外周枠
14…防風板 14a…空間 14a1…上空間 14a2…下空間 14b…前板 14c…側板 14d…四方枠 14e…四方枠 14e1…条溝 14f…竪枠 14f1…案内条溝
15…支持軸
16…廊下
17…給排気ボックス
18…換気用逆流防止ルーバ 18a…羽根 18b…外周枠
21…上下分断ボード
22…隔離部材 22a,22b…開口
23…換気用逆流防止ルーバ
24…給気用逆流防止ルーバ
25…排気側ダンパ(上ダンパ) 25a…ヒンジ
26…給気側ダンパ(下ダンパ) 26a…ヒンジ
27…開口 27a…上開口 27b…下開口
28…給排気装置
29…横架材
31…窓
32…ブラインド
33…仕切材
34…防風板 34a…底板 34b…前板 34c…空間
35…個別換気用逆流防止ルーバ
36…ダンパ 36a…ヒンジ
37…給気用逆流防止ルーバ 37a…羽根 37a1…小幅部 37a2…大幅部 37b…支持軸
41…障子
42…四方枠 42a…上枠 42a1…ヒンジ 42b…下枠 42b1…ヒンジ 42c…竪枠 42c1…ヒンジ 42c2…案内条溝
43…リンク 43a,43b…ピン 43c…すべり子
44…リンク 44a,44b…ピン 44c…すべり子
45…ピン
46…障子
47…竪枠 47a…突条
A…建物
R1,R2,R3…室 R1f…床 R1c…天井
FL…床面
H…熱だまり
SL…日照
w…風 w1,w1−1,w2,w3,w4,w5,w6,w7,w10…空気流 w8,w9…上昇流
θ…交叉角

Claims (18)

  1. 開口を有する一方の外壁面と、
    一方の外壁面に対して反対側で通気できる開口を有しない他方の外壁面と、建物の最上部に設けられ一方の外壁面に設けた開口と同方向に向けて開口した排気用の開口と、を有し、一方の外壁面に設けた開口から排気用の開口まで内部に換気通路となる空間を有する多層階の自然換気装置を有する建物において、
    排気用の開口の外部側に排気用の開口と連通する空間を構成する中空の防風部材を有し、防風部材は上面に開口を有し、
    防風部材の上面の開口には建物内部の空気を建物外に排出するが一方の外壁面に吹き付ける風と同方向の空気流が大となると閉じるように作用する排気用逆流防止ルーバを有することを特徴とする自然換気装置を有する建物。
  2. 排気用逆流防止ルーバは水平方向に平たい形状である請求項1に記載の自然換気装置を有する建物。
  3. 排気用逆流防止ルーバは建物の最上部の屋根とほぼ同一高さに配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自然換気装置を有する建物。
  4. 最上階の屋上よりも上方に換気室を有し、換気室に排気用の一方の外壁面に吹く風の方向に対向する開口を設けたことを特徴とする請求項1又は2もしくは3に記載の自然換気装置を有する建物。
  5. 排気用逆流防止ルーバは風向きに対して横設された支持軸でもって回転自在に支持された羽根を有し、防風部材に向いて吹く風の強弱により羽根が閉又は開となるように支持軸の羽根に対する位置が定められていることを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物。
  6. 羽根が風力によって開閉する位置と強制して開放又は閉鎖位置とをとる羽根の回転制御装置を有することを特徴とする請求項5に記載の自然換気装置を有する建物。
  7. 一方の外壁面側に設けた開口に面する室を有し、この開口に外気は取り入れるが室内側より外部側へ向う空気流により閉鎖する給気用逆流防止ルーバを備えたことを特徴とする請求項1から6の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物。
  8. 一方の外壁面に設けた室の開口の外側にこの開口と連通する空間を構成する防風部材を有し、防風部材は下面側に外気は室に流入するが室から外部へ室内空気の逆流を抑制する給気用逆流防止ルーバを備えた開口を有した閉塞された空間を有する防風部材であることを特徴とする請求項7に記載の自然換気装置を有する建物。
  9. 建物は一方の外壁面に開口を有する室を備え、一方の外壁面に開口を有する室のこの開口とは反対側の建物内の開口であって排気用逆流防止ルーバに連通している建物内の開口に開閉部材を有し、一方の外壁面側の開口には前記開閉部材の開時に建物全体の換気を行なうと共に前記開閉部材の閉時に室の換気を行なう給気又は給排気を行う装置を有することを特徴とする請求項1から8の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物。
  10. 一方の外壁面側の開口には上面に風力の大小によって室内への外気の流入を抑制し又は室内空気を排出する換気用逆流防止ルーバと、下面に給気を行なう給気ルーバと、換気用逆流防止ルーバと給気ルーバ間の空間を建物外部に対して閉塞する防風部材と、を有することを特徴とする請求項1から9の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物。
  11. 防風部材内で換気用逆流防止ルーバと給気ルーバ間を上下に仕切り一方の外壁面側の開口を越えて室内にのびる導風部材を有することを特徴とする請求項10に記載の自然換気装置を有する建物。
  12. 一方の外壁面側に開口を有する室のこの開口とは反対側の建物内の開口であって排気用逆流防止ルーバに連通している建物内の開口に開閉部材を有し、
    一方の外壁面側の開口は室の天井側と床側に離れて夫々設けられ、天井側の開口には外気の風力により作動して風力の大きいときに閉じる換気用逆流防止ルーバと、建物の全体換気を行うときは閉じ、室の個別換気を行なうときは開く上ダンパとを重ねて設けられ、床側の開口には外気が流入するときは開き、室内の空気が外部に流出しようとするときは閉じる給気用逆流防止ルーバと上ダンパと併せて全体換気、個別換気を共に行なわないときに閉じる下ダンパとを有することを特徴とする請求項1から9の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物。
  13. 一方の外壁面の開口を上下に仕切って上開口下開口を構成する仕切材と、下開口に設けられ外気を給気できるが室内空気の建物外部への流出を抑制する給気用逆流防止ルーバと、上開口の外部側に設けられ上面が開口して空間を介して上開口と連通する防風部材と、防風部材の上面の開口に設けられ室の空気を建物外へ排出するが外気の風力が大となると閉じるように作用する個別換気用逆流防止ルーバと、仕切材に枢着されて上開口を閉じた位置と内開きしてほぼ水平方向の位置をとり水平方向の位置において導風作用をするダンパとを有することを特徴とする請求項9に記載の自然換気装置を有する建物。
  14. 給気用逆流防止ルーバは一方の外壁面と平行に立設されている請求項13に記載の自然換気装置を有する建物。
  15. 給気又は排気を行う部材は一方の外壁面に対して平行な前板と、一方の外壁面に対して垂直な側板と、夫々一方の外壁面に対して垂直な方向で水平方向に平らな下側の給気用逆流防止ルーバと、及び上側の換気用逆流防止ルーバと、を有して組立状態において中空六立方体状を構成し、側板、給気用逆流防止ルーバ、換気用逆流防止ルーバは夫々一方の外壁面に設けた開口の縁に一方の外壁面に平行な位置と垂直な位置をとるように夫々枢着され、前板は一方の外壁面に沿う位置と一方の外壁面側から離れて一方の外壁面に平行な位置をとるように一方の外壁面に平行運動装置でもって結合されていることを特徴とする請求項1から9の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物。
  16. 換気用逆流防止ルーバに代えて板材としたことを特徴とする請求項15に記載の自然換気装置を有する建物。
  17. 給気用逆流防止ルーバに変えて板材としたことを特徴とする請求項15に記載の自然換気装置を有する建物。
  18. 一方の外壁面側にのぞんで設けられた一方の開口と、建物内の空間にのぞんだ開閉部材を備えた他方の開口と、
    を有する多層階とした室と、
    前記各室の他方の開口と通ずると共に最上部に排気用の開口に通ずる前記空間と、を有することを特徴とする請求項1から17の何れか1つに記載の自然換気装置を有する建物。
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