JP2018019686A - ゼラチン粒子、ゼラチン粒子の製造方法、ゼラチン粒子内包細胞、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法、および細胞構造体 - Google Patents

ゼラチン粒子、ゼラチン粒子の製造方法、ゼラチン粒子内包細胞、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法、および細胞構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2018019686A
JP2018019686A JP2017134942A JP2017134942A JP2018019686A JP 2018019686 A JP2018019686 A JP 2018019686A JP 2017134942 A JP2017134942 A JP 2017134942A JP 2017134942 A JP2017134942 A JP 2017134942A JP 2018019686 A JP2018019686 A JP 2018019686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelatin
cells
particles
gelatin particles
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017134942A
Other languages
English (en)
Inventor
奈津実 平山
Natsumi Hirayama
奈津実 平山
智惠 乾
Chie Inui
智惠 乾
前澤 明弘
Akihiro Maezawa
明弘 前澤
田畑 泰彦
Yasuhiko Tabata
泰彦 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JP2018019686A publication Critical patent/JP2018019686A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin, cold insoluble globulin [CIG]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • A61K9/0056Mouth soluble or dispersible forms; Suckable, eatable, chewable coherent forms; Forms rapidly disintegrating in the mouth; Lozenges; Lollipops; Bite capsules; Baked products; Baits or other oral forms for animals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/4808Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate characterised by the form of the capsule or the structure of the filling; Capsules containing small tablets; Capsules with outer layer for immediate drug release
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/50Microcapsules having a gas, liquid or semi-solid filling; Solid microparticles or pellets surrounded by a distinct coating layer, e.g. coated microspheres, coated drug crystals
    • A61K9/5005Wall or coating material
    • A61K9/5063Compounds of unknown constitution, e.g. material from plants or animals
    • A61K9/5068Cell membranes or bacterial membranes enclosing drugs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof

Abstract

【課題】副成分を担持し、且つ細胞自らの活動による取り込みがなされやすいゼラチン粒子、そのようなゼラチン粒子の製造方法、そのようなゼラチン粒子を有する細胞、そのようなゼラチン粒子を有する細胞の製造方法、およびゼラチン粒子を有する細胞を含有する細胞構造体を提供すること。【解決手段】本発明は、主成分となるゼラチンと、前記ゼラチンに担持された副成分とを含むゼラチン粒子であって、前記ゼラチン粒子の平均粒子径をXとするとき、ゼラチン粒子の全質量に対する、前記ゼラチン粒子の表面から厚み0.01Xの表層部に含まれる副成分の平均濃度A(質量%)と、ゼラチン粒子の全質量に対する、前記表層部よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度B(質量%)との比A/Bが0.25未満である、ゼラチン粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、ゼラチン粒子、ゼラチン粒子の製造方法、ゼラチン粒子内包細胞、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法、および細胞構造体に関する。
ゼラチンは、生体適合性が高く、かつ体内で分解して容易に吸収される性質を有する。そのため、粒子状に形成したゼラチンに添加剤および薬剤(以下、単に「添加剤等」ともいう。)などを内包させて生体内に運搬し、これらの物質を生体内で放出させる技術が開発されている。
たとえば、特許文献1には、ゼリー強度が80〜120gの熱架橋されたゼラチンからなり、膨潤前の乾燥粒子の平均粒子径が20〜1600μmであり、膨潤後の乾燥粒子の平均粒子径が50〜2000μmである、膨潤ゼラチン粒子が記載されている。特許文献1によれば、この膨潤ゼラチン粒子は、保形性に優れ、かつ、外部応力が加わって変形しても破砕しにくいため、マイクロカテーテルまたは注射針を用いた血管内への投与に適しているとされている。
また、特許文献2には、水性ゼラチンゲルから本質的になる、平均直径が350nm以下であり、サイズ分布の幅が小さいゼラチン粒子が記載されている。特許文献2によれば、このゼラチンナノ粒子は、担持する活性物質を選択的に輸送および放出できるため、体内での活性物質の標的輸送に適しているとされている。
さらに非特許文献1には、ゼラチンを用いた、平均粒子径が87nmの酸化鉄ナノ粒子が記載されている。非特許文献1によれば、この酸化鉄ナノ粒子は細胞に取り込まれ、取り込みから6日目まではその存在を確認することが可能であったとされている。
特開2014−58465号公報 特表2008−510688号公報
Tomitaka, A. et al. "Preparation of biodegradable iron oxide nanoparticles with gelatin for magnetic resonance imaging" Inflammation and Regeneration, 2014; Vol.34, No.1, pp.45-55.
特許文献1に記載のゼラチン粒子は、血管や臓器などの内部に投与して添加剤等を運搬および放出させる、いわゆるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)用途に好適に用いられると考えられる。
一方で、近年、生細胞の内部に添加剤等を直接導入する技術に対する要求が高まっている。たとえば、細胞に造影剤を導入すれば、非破壊で細胞の活性を検査することができる。また、造影剤を導入した細胞を患者に移植すれば、移植した細胞が定着したか否かを、移植部位を再切開せずに低侵襲で外部から観察することができる。ゼラチンは生体適合性が高いため、ゼラチン粒子は、生細胞の内部に導入する添加剤等を担持する担体としても好適であると考えられる。
細胞の内部に添加剤等を担持するゼラチン粒子を導入する方法として、エレクトロポレーション法およびマイクロインジェクション法が考えられる。しかし、これらの方法は、細胞膜の形状を変化させて添加剤等を細胞膜の内部に導入するため、細胞膜を部分的に破壊して細胞の活性を低下させるおそれがある。この細胞の活性の低下を最小限に抑える観点からは、添加剤等は、細胞自らの活動によって取り込まれることが好ましく、そのためには、添加剤等を担持するゼラチン粒子も、細胞自らの活動によって取り込まれやすいことが望ましい。しかし、本発明者らの知見によれば、特許文献1や特許文献2に記載のゼラチン粒子は、細胞自らの活動による細胞内への取り込みがなされにくかった。
また、非特許文献1に記載のゼラチン粒子は、細胞自らの活動による細胞内への取り込みが可能であるものの、本発明者らの知見によれば、平均粒子径が小さく、担持可能な添加剤等の量に限界がある。よって、大量の添加剤等を担持し、生細胞の内部で長期に渡って徐放させることが可能な粒子が望まれる。
本発明は、副成分を担持し、且つ細胞自らの活動による取り込みがなされやすいゼラチン粒子、そのようなゼラチン粒子の製造方法、そのようなゼラチン粒子を有する細胞、そのようなゼラチン粒子を有する細胞の製造方法、およびゼラチン粒子を有する細胞を含有する細胞構造体を提供することを、その目的とする。
本発明の課題は、以下の手段によって解決される。
[1] 主成分となるゼラチンと、前記ゼラチンに担持された副成分とを含むゼラチン粒子であって、前記ゼラチン粒子の平均粒子径をXとするとき、前記ゼラチン粒子の全質量に対する、前記ゼラチン粒子の表面から厚み0.01Xの表層部に含まれる副成分の平均濃度A(質量%)と、前記ゼラチン粒子の全質量に対する、前記表層部よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度B(質量%)との比A/Bが0.25未満である、ゼラチン粒子。
[2] 前記ゼラチン粒子の表層部に含まれる副成分の平均濃度Aが、5質量%以下である、[1]に記載のゼラチン粒子。
[3] 前記ゼラチン粒子の内部に含まれる副成分の平均濃度Bが、7質量%以上30質量%以下である、[1]または[2]に記載のゼラチン粒子。
[4] 前記ゼラチン粒子の平均粒子径Xは、200nm以上1000nm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のゼラチン粒子。
[5] 前記副成分が造影剤である、[1]〜[4]のいずれかに記載のゼラチン粒子。
[6] 主成分であるゼラチンと副成分の原料物質とを含む溶液中で、前記原料物質から副成分を合成して前記ゼラチンと前記副成分とを含むスラリーを得、
前記スラリーに相分離誘起剤を添加して、前記副成分を含むゼラチンを粒状化する、
ゼラチン粒子の製造方法。
[7] 前記スラリーのゼラチン濃度が5mg/ml以上100mg/ml以下である、[6]に記載のゼラチン粒子の製造方法。
[8] 前記相分離誘起剤の添加量が、前記スラリー1ml当たり2ml以上50ml以下である、[6]または[7]に記載のゼラチン粒子の製造方法。
[9] 前記スラリーの副成分の濃度が、1質量%以上30質量%以下である、[6]〜[8]のいずれかに記載のゼラチン粒子の製造方法。
[10] 前記副成分が造影剤である、[6]〜[9]のいずれかに記載のゼラチン粒子の製造方法。
[11] [1]〜[5]のいずれかに記載のゼラチン粒子を細胞膜の内側に有する、ゼラチン粒子内包細胞。
[12] [1]〜[5]のいずれかに記載のゼラチン粒子と細胞とを液体に添加して前記細胞の活動により前記ゼラチン粒子を前記細胞の細胞膜の内側に取り込ませる、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法。
[13] [11]のゼラチン粒子内包細胞を含有する、細胞構造体。
[14] 複数の細胞がシート状に凝集した細胞シート、複数の細胞が球状に凝集したスフェロイド、細胞集団を膜で包んだ細胞ビーズ、およびビーズ表面に細胞を接着した細胞ビーズからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[13]に記載の細胞構造体。
[15] 前記細胞構造体が、[11]のゼラチン粒子内包細胞と、高分子溶液との混合物から形成されたものである、[13]または[14]に記載の細胞構造体。
本発明によれば、副成分を担持し、且つ細胞自らの活動による取り込みがなされやすいゼラチン粒子、そのようなゼラチン粒子の製造方法、そのようなゼラチン粒子を有する細胞、そのようなゼラチン粒子を有する細胞の製造方法、およびゼラチン粒子を有する細胞を含有する細胞構造体が提供される。
前記の課題を解決すべく、本発明者らは細胞自らによって細胞内に取り込まれやすいゼラチン粒子の条件について鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは、主成分となるゼラチンと、前記ゼラチンに担持された副成分とを含むゼラチン粒子において、ゼラチン粒子の平均粒子径をXとするとき、前記ゼラチン粒子の表面から厚み0.01Xの表層部に含まれる副成分の平均濃度Aと、前記表層部よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度Bとの比A/Bは0.25未満であると、細胞自らの活動による取り込みがなされやすいことを見いだした。その理由は次のように考えられる。
ゼラチンは生体適合性の材料であるため、ゼラチン粒子単独では、細胞によって異物と認識されにくく、エンドサイトーシス等の活動により細胞内に取り込まれやすい。しかし、細胞が異物として認識しやすく、取り込みにくい副成分がゼラチン粒子の表面に多く露出していると、細胞自らの活動によるゼラチン粒子の細胞内への取り込みはなされにくくなる。これは、ゼラチン粒子の平均粒子径が大きいほど顕著になる。また、造影剤等の添加剤が高濃度で長期間保持されるように、ゼラチン粒子における添加剤の含有量を大きく設定している場合は、概して、ゼラチン粒子の表面に添加剤が露出しやすくなるところ、表層部における添加剤の濃度を内部における添加剤の濃度に比べて十分低く設定しておくことにより、担持させた副成分の大部分が粒子の内部に存在し、表層部には存在しない又は少量しか存在しないゼラチン粒子は、粒子表面に露出する副成分が無いか極少量になるため、細胞によって異物と認識されにくく、細胞自らの活動によって細胞内へ取り込まれやすくなるものと考えられる。
以下、本発明の代表的な実施形態を詳細に説明する。
1.ゼラチン粒子およびその製造方法
本実施形態は、ゼラチン粒子およびゼラチン粒子の製造方法に係る。
1−1.ゼラチン粒子
本実施形態に係るゼラチン粒子は、主成分となるゼラチンと、前記ゼラチンに担持された副成分とを含むゼラチン粒子であり、前記ゼラチン粒子の平均粒子径をXとするとき、ゼラチン粒子の全質量に対する、前記ゼラチン粒子の表面から厚み0.01Xの表層部に含まれる副成分の平均濃度A(質量%)と、ゼラチン粒子の全質量に対する、前記表層部よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度B(質量%)との比A/Bが0.25未満である、ゼラチン粒子である。上記構成を有するゼラチン粒子は、細胞自らの活動による取り込みが難しい副成分を担持していても、後述するように細胞に取り込まれやすいという特徴を有している。よって、本明細書においては、「易取込性ゼラチン粒子」ともいう。上記易取込性ゼラチン粒子は、単一の粒子でもよく、複数のゼラチン粒子からなる集合体でもよい。
上記易取込性ゼラチン粒子の主成分はゼラチンであり、具体的には、アミノ酸測定装置で分析した際、アミノ酸1000残基の内、グリシンが300以上含まれており、アラニン、プロリン両方を含む粒子である。ゼラチンは、粒子を形成することができればよく、牛骨、牛皮、豚皮、豚腱、魚鱗および魚肉などに由来するコラーゲンを変性して得られる、公知のいかなるゼラチンを用いてもよい。ゼラチンは、以前から食用や医療用に使用されており、体内に摂取しても人体に害を与えることが少ない。また、ゼラチンは生体内で分散消失するため、生体内から除去する必要がないという利点を有する。なお、上記易取込性ゼラチン粒子は、細胞内へのゼラチン粒子取り込みが可能な限りにおいて、ゼラチン以外の成分を含有してもよい。なお、上記ゼラチン以外の成分の量は、体内に摂取したときに人体に与える害が無視できる範囲であることが好ましい。また、上記ゼラチン以外の成分は、生体内に蓄積せず排出されやすい物質からなることが好ましい。
上記易取込性ゼラチン粒子を構成するゼラチンの重量平均分子量は、上記平均粒子径および膨潤度の条件を満たすゼラチン粒子を形成しやすくする観点から、1000以上100000以下であることが好ましい。上記重量平均分子量は、たとえばパギイ法第10版(2006年)に準じて測定された値とすることができる。
易取込性ゼラチン粒子を構成するゼラチンは、架橋していてもよい。架橋は、架橋剤による架橋でもよいし、架橋剤を用いずになされる自己架橋でもよい。
上記架橋剤は、たとえば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基およびイミダゾール基などと化学結合を作る官能基を複数有する化合物であればよい。このような架橋剤の例には、グルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)および1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホナート(CMC)を含む水溶性カルボジイミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルおよびグリセロールポリグリシジルエーテルを含む2以上のエポキシ基を有する化合物、ならびにプロピレンオキサイドが含まれる。これらのうち、反応性をより高める観点からは、グルタルアルデヒドおよびEDCが好ましく、グルタルアルデヒドがより好ましい。
上記自己架橋の例には、熱の付与または電子線もしくは紫外線の照射による架橋が含まれる。
易取込性ゼラチン粒子は、前記ゼラチンに担持された副成分を含む。副成分の例には、生体の活性などの検査、生体内の物質の測定および生体内の物質の定量などの用途に用いられる造影剤、半導体ナノ粒子(量子ドット)、炭素粒子蛍光体(炭素ドット)等が含まれる。
上記造影剤の例には、MRI用の造影剤として用いられる磁性物質が含まれる。MRI用の造影剤の例には、ガドリニウム(Gd)ならびに鉄(Feおよびγ−Feなど)を含む造影剤が含まれる。
易取込性ゼラチン粒子は、各種の薬剤をさらに含んでいてもよい。具体的な薬剤の例には、医薬活性を有するタンパク質、プラスミド、アプタマー、アンチセンス核酸、リボザイム、tRNA、snRNA、siRNA、shRNA、ncRNAおよび凝縮型DNAを含む医薬用途に用いられる核酸、ならびに医薬用途に用いられる抗原が含まれる。
上記医薬活性を有するタンパク質の例には、ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミンA(レチノイド)、ビタミンD3およびビタミンD3類似体、抗生物質、抗ウィルス性薬剤、ならびに抗細菌性薬剤が含まれる。
尚、上記薬剤は、先に挙げた副成分に比べて生体親和性が高いため、ゼラチン粒子の表層部における含有比率が細胞への取り込みやすさに与える影響が小さい。このため、細胞内における徐放性や放出持続期間など、目的に応じて、上記薬剤の含有比率やゼラチン粒子内の分布を適宜決めればよい。
ゼラチンが副成分を担持するとは、副成分がゼラチン粒子の表面に固定化されているかまたはゼラチン粒子の内部に取り込まれていることを意味する。本実施形態においては、易取込性ゼラチン粒子の平均粒子径をXとするとき、前記ゼラチン粒子の表面から厚み0.01Xの表層部に含まれる副成分の平均濃度Aと、前記表層部よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度Bとの比A/Bは0.25未満である。上記比A/Bが0.25未満であると、担持させた副成分はその大部分が粒子の内部に存在し、粒子の表層部に存在する副成分は少量である。粒子の表層部に存在する副成分が少量であるため、ゼラチン粒子の表面には、副成分が全く露出しないか、露出しても極少量であると考えられる。このような構成のゼラチン粒子であれば、たとえ大量の副成分を担持させた粒子であっても、細胞によって異物と認識されにくく、エンドサイトーシス等の活動により細胞内に取り込まれやすいものと考えられる。上記観点からは、ゼラチン粒子の表層部に含まれる副成分の平均濃度Aと、内部に含まれる副成分の平均濃度Bとの比A/Bは0.1未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
易取込性ゼラチン粒子の表層部、即ち、粒子表面から厚み0.01X(Xは平均粒子径)の部分に含まれる副成分の平均濃度Aは、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましい。平均濃度Aが5質量%以下あると、表層部に存在する副成分の量が比較的少なく、ゼラチン粒子の表面に露出した副成分の量が少なくなるため、ゼラチン粒子が細胞によって異物として認識されにくくなる。このことは、ゼラチン粒子の表層部における副成分の平均濃度が1.5質量%以下の場合により顕著である。
易取込性ゼラチン粒子の内部、即ち、ゼラチン粒子の表層部(粒子表面から厚み0.01X、Xは平均粒子径)よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度Bは、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、7質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。平均濃度Bが10質量%以上であると、細胞自らの活動による細胞内への取り込みが難しかった大量の副成分の導入が可能となり、さらには、細胞内部で長期に渡って副成分を徐放させることも可能となる。また、平均濃度Bが20質量%以下であると、表層部に存在する副成分の量も多くなり過ぎず、ゼラチン粒子が細胞によって異物として認識されにくくなる。
上記易取込性ゼラチン粒子の平均粒子径は、200nm以上1000nm以下であることが好ましい。上記易取込性ゼラチン粒子は副成分を担持しているにもかかわらず、その表層部に実質的に副成分を有していないため、平均粒子径が1000nmであっても、細胞自らの活動による細胞内への取り込みがなされやすい。多くのゼラチン粒子をより短時間で細胞内に取り込ませるためには、上記易取込性ゼラチン粒子の平均粒子径は、800nm以下であることがより好ましい。一方で、上記平均粒子径が200nm以上であるゼラチン粒子は、粒子内に副成分を担持させやすく、副成分の収容量を大きくすることができる。上記観点からは、ゼラチン粒子の平均粒子径は、300nm以上であることが好ましい。
乾燥時のゼラチン粒子のアスペクト比は、1.0以上1.4以下であることが好ましい。上記アスペクト比が1.4以下であると、ゼラチン粒子は膨潤処理の前後を通じてより球形に近い形状を保ちやすく、ゼラチン粒子および細胞を含む溶液において、ゼラチン粒子と細胞とがより均一な形状および大きさの接触面で接しやすくなるため、ゼラチン粒子間での取り込まれやすさの差が生じにくいと考えられる。そのため、上記アスペクト比を有する易取込性ゼラチン粒子は、細胞へ取り込まれるゼラチン粒子の量、およびゼラチン粒子を取り込む細胞の量、をより制御しやすいと考えられる。上記易取込性ゼラチン粒子のアスペクト比は、ゼラチン粒子の長径をゼラチン粒子の短径で除算して求めた値とすることができる。
なお、本明細書において、ゼラチン粒子の平均粒子径、長径および短径は、80℃の大気中に24時間静置した後の、乾燥時のゼラチン粒子の粒子径、長径および短径を意味する。
易取込性ゼラチン粒子の短径および長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像した画像を解析して得られる値とすることができる。上記易取込性ゼラチン粒子の粒子径は、ゼラチン粒子の長径と短径とを加算平均した値とすることができる。ゼラチン粒子が上記集合体であるとき、ゼラチン粒子の長径、短径、粒子径およびアスペクト比は、上記集合体から任意に選択した複数のゼラチン粒子(たとえば、20個のゼラチン粒子)の長径、短径、粒子径およびアスペクト比を加算平均した値とすることができる。
易取込性ゼラチン粒子の表層部に含まれる副成分の平均濃度Aと、内部に含まれる副成分の平均濃度Bは、それぞれXPSデプスプロファイル測定により求めることができる。XPSデプスプロファイル測定においては、X線光電子分光分析(Xray Photoelectron Spectroscopy,XPS)の測定とアルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、試料内部を露出させつつ、順次表面組成分析を行うことができる。このような測定により得られる分布曲線は、例えば、縦軸を各元素の原子比(単位:at%)とし、横軸をエッチング時間(スパッタ時間)として作成することができる。なお、このように横軸をエッチング時間とする元素の分布曲線においては、エッチング時間は表面からの距離に概ね相関する。よって、易取込性ゼラチン粒子の表面からその中心までの元素分析を行って、易取込性ゼラチン粒子の元素の分布曲線を求め、測定開始点から0.01X(Xは平均粒子径)に対応するエッチング時間までの元素分布から表層部に含まれる副成分の量を求め、さらに0.01Xに対応するエッチング時間から粒子中心に対応するエッチング時間までの元素分布から内部に含まれる副成分の量を求めることができる。
任意に選択した複数箇所(たとえば、10箇所)について上記方法で副成分の量を測定し、表層部および内部のそれぞれに含まれる副成分の平均値(質量)を求め、ゼラチン粒子の全質量(即ち、ゼラチンと副成分の合計質量)に対する濃度を求め、平均濃度Aおよび平均濃度Bとすることができる。こうして得られた平均濃度Aおよび平均濃度Bの比を求めることによって、上記比A/Bが得られる。また、ゼラチン粒子が上記集合体であるとき、副成分の平均濃度A、平均濃度Bおよび比A/Bは、上記集合体から任意に選択した複数のゼラチン粒子(たとえば、20個のゼラチン粒子)の平均濃度A、平均濃度Bおよび比A/Bを加算平均した値とすることができる。
1−2.ゼラチン粒子の製造方法
上記易取込性ゼラチン粒子の製造方法としては、まず、[1]溶融したゼラチンを含む液体(以下、単に「ゼラチン溶液」ともいう。)の液滴を加熱管または乾燥室の雰囲気中に吐出して乾燥させる方法(気中滴下法)、[2]ゼラチン溶液の液滴を疎水性溶媒内に吐出して分散させる方法(液中滴下法)、および、[3]ゼラチン溶液をエマルジョン化してゼラチンを含む微小液滴を分散させる方法(液中分散法)等によって、ゼラチンを粒子状に形成するのと同時に、あるいは、これらの方法によってゼラチン粒子を形成した後、副成分をゼラチン粒子に付着させて担持させる方法で副成分を含むゼラチン粒子を作製する。
さらに上記方法で製造した、副成分を担持したゼラチン粒子をコアとし、その周りにゼラチンからなるシェルを設けることによって、シェルからなる表層部に副成分が実質的に含まれないゼラチン粒子を製造することができる。この方法において形成するシェルの厚みは、最終的に得られるゼラチン粒子の平均粒子径Xの1%以上(即ち、0.01X以上)であることが好ましい。
また、本発明者らの新たな知見によれば、主成分であるゼラチンと副成分の原料物質とを含む溶液中で副成分の原料物質から副成分を合成して、ゼラチンと副成分とを含むスラリーを得、得られたスラリーに相分離誘起剤を添加することにより、副成分を含むゼラチンを粒状化することを含む製造方法によっても上記易取込性ゼラチン粒子を製造することができる。このようにすることで、副成分がゼラチン粒子内に均一に分散し、かつ、ゼラチン粒子の表面から厚み0.01X(Xは平均粒子径)の表層部に含まれる副成分の平均濃度Aと、前記表層部より粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度Bとの比A/Bが0.25未満であり、且つ粒子内部には、副成分が単分散したゼラチン粒子を効率よく得ることができる。また、上述したようなシェル化の工程を省略でき所期の性能を発揮し得る易取込性ゼラチン粒子を得ることができる。
ゼラチンを含む溶液中で副成分を合成して、ゼラチンと副成分とを含むスラリーを得るに際しては、副成分を合成するために使用する溶媒や反応条件は、副成分によって異なるが、ゼラチンの存在下で副成分を合成することによって、副成分が凝集することなく、単分散したスラリーを得ることができる。たとえば、副成分としてFeを担持したゼラチン粒子を製造する場合には、Feの原料となるFeCl・6HOおよびFeCl・4HOと、ゼラチンとを含む水溶液を調製し、そこにアルカリ溶液(たとえば、NaOH、NH、KOHなどの溶液)を添加して溶液のpHを7以上に調整し、Feを合成する。こうすることによって、ゼラチン溶液中にFeが均一に分散したスラリーが得られる。
上記で得られたスラリーに相分離誘起剤を添加してゼラチンを粒状化する工程においては、相分離誘起剤の添加によるゼラチンのコアセルべーションによって、ゼラチン粒子が形成される。スラリーに添加する相分離誘起剤は、ゼラチンを粒状化することが可能な成分である限り特に限定はなく、有機溶媒、特にエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、アセトンなどが挙げられる。
上述した、ゼラチンを含む溶液中で副成分を合成する工程を含むゼラチン粒子の製造方法においては、スラリーのゼラチン濃度によって、得られるゼラチン粒子の平均粒子径を調整することができる。スラリー中のゼラチン濃度が高いほど、得られるゼラチン粒子の平均粒子径は大きくなる傾向にある。また、相分離誘起剤の添加量は、副成分の均一性に影響すると考えられる。上記易取込性ゼラチン粒子として好ましい、平均粒子径が200nm以上1000nm以下であり、副成分が粒子中に均一に分散したゼラチン粒子を製造するためには、スラリー中のゼラチン濃度を5mg/ml以上100mg/mlとし、相分離誘起剤の添加量を、前記スラリー1ml当たり2ml以上50ml以下とすることが好ましい。
また、ゼラチン粒子に担持される副成分の量は、ゼラチンを粒状化する前のスラリーにおける副成分の濃度に依存する。そして、副成分の含有割合が過度に大きくならなければ、本製造方法によって得られるゼラチン粒子の表面部における副成分の濃度が、ゼラチン粒子内部における副成分の濃度ゼラチン粒子の表面から十分小さくなり、細胞へのゼラチン粒子の取り込みを阻害しないようにすることができる。厚み0.01X(Xは平均粒子径)の表層部に含まれる副成分の平均濃度Aと、前記表層部よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度Bとの比A/Bが0.25未満であるゼラチン粒子を製造するためには、スラリーに含まれる副成分の濃度が、1質量%以上30質量%であることが好ましい。
上記方法は、特に副成分が造影剤である場合に好適に用いることができる。
生細胞に対する毒性をより低減する観点からは、易取込性ゼラチン粒子は、有機溶媒や、有機溶媒に由来する分子量の小さい成分の含有量が少ないことが好ましい。たとえば、ゼラチン粒子を溶離液(0.05M NaHPO+0.05M KHPO pH6.8)に溶解し、カラムとして旭化成社製Asahipak GS620(カラム長500nm、カラム直径7.6mm×2本)を用いて、カラム温度50℃、流速1.0cc/minの条件で、紫外線吸収分光光度計(検出波長230nm)を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を行ったときに得られる、分子量分布パターンにおいて、分子量が1000以下の成分が占める割合が5%以下であることが好ましい。
2.細胞
本実施形態は、易取込性ゼラチン粒子を細胞膜の内側に有する細胞、そのような細胞の製造方法、およびそのような細胞を含有する細胞構造体に係る。
2−1.細胞
本実施形態に係る細胞(以下、単に「ゼラチン粒子内包細胞」ともいう。)は、易取込性ゼラチン粒子を細胞膜の内側に有する細胞である。
ゼラチン粒子を細胞膜の内側に有するとは、細胞をTEMで撮像した画像において、ゼラチン粒子が細胞膜の内側に確認されることを意味する。細胞へのゼラチン粒子の取り込みは、例えば、ゼラチン粒子が造影剤を含有している場合は、造影剤を染色し顕微鏡観察することにより、造影剤を含むゼラチン粒子が細胞内に取りこまれているか否かを確認することができる。また、造影剤を含有していないゼラチン粒子の場合は、予めゼラチン粒子を蛍光標識しておき、共焦点顕微鏡を用いて蛍光標識されたゼラチン粒子が細胞内に取り込まれているか否かを確認することができる。ゼラチン粒子の蛍光標識は、例えば、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)で標識した溶液(例えば、コスモ・バイオ社製FITC−コラーゲンの10mM酢酸溶液)、0.4M塩化ナトリウム、0.04%(W/V)アジ化ナトリウム、10mM塩化カルシウム含有50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5) を等量混合した後、60℃で30分間加熱処理することにより調製したFITC−ゼラチンを基質として用いることで行うことができる。
細胞に含まれる易取込性ゼラチン粒子は、造影剤、特には特にはMRI用の造影剤を担持していることが好ましい。このような細胞は、後述する、細胞自らの活動によって取り込ませる方法によって製造した後、細胞内の造影剤の有無を観察することで、非破壊で細胞の活性を検査することができる。
ゼラチン粒子を細胞膜の内側に含み得る細胞としては、骨髄、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、腸管、小腸、心臓弁、皮膚、血管、角膜、眼球、硬膜、骨、気管および耳小骨を含む各種臓器から摘出された生体試料または検体に由来する細胞、市販の株化細胞、ならびに皮膚幹細胞、表皮角化幹細胞、網膜幹細胞、網膜上皮幹細胞、軟骨幹細胞、毛包幹細胞、筋幹細胞、骨前駆細胞、脂肪前駆細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、肝幹細胞、膵幹細胞、外胚葉系幹細胞、中胚葉系幹細胞、内胚葉系幹細胞、間葉系幹細胞、ES細胞およびiPS細胞を含む幹細胞ならびにこれらの幹細胞から分化した細胞を含む公知の細胞を用いることができる。
これらの細胞のうち、細胞再生医療で患者に移植される細胞、特には幹細胞または幹細胞から分化した細胞は、造影剤、特にはMRI用の造影剤を担持する易取込性ゼラチン粒子を有することで、患者への移植後、移植部位の造影剤を観察することで、再手術をすることなく、ゼラチン粒子内包細胞が移植部位に定着したか否かを観測することができる。そのため、MRI用の造影剤を担持するゼラチン粒子を含ませた、これらの細胞は、再生医療の治療を受ける患者の身体的、精神的、金銭的および時間的な負担を低減し、患者の生活の質(QOL)を高めることができると考えられる。
2−2.細胞の製造方法
ゼラチン粒子内包細胞は、易取込性ゼラチン粒子を上記細胞に導入して、製造することができる。ゼラチン粒子を細胞に導入する方法の例には、液体中にゼラチン粒子と細胞とを添加して、エンドサイトーシスによる取り込みなどの細胞自らの活動によって取り込ませる方法、および外部からの操作によって導入する方法が含まれる。細胞自らの活動によって取り込ませる方法の例には、ゼラチン粒子と細胞とを液中で撹拌する方法や、ゼラチン粒子が含まれる細胞培養液中で細胞を培養する方法が含まれる。なお、上記易取込性ゼラチン粒子は、細胞自らによる取り込み効率が高いため、細胞への取り込みを促進するために他の成分との複合体を形成させる操作は特に必要ない。細胞の活性の低下を最小限に抑える観点からは、上記のうち、易取込性ゼラチン粒子と細胞とを液中で混合し培養する方法が好ましい。上記外部からの操作によって導入する方法の例には、エレクトロポレーション法およびマイクロインジェクション法が含まれる。これらのうち、ゼラチン粒子を導入させる際に細胞の活性を低下させにくくする観点からは、細胞自らの活動によって導入する方法が好ましく、上記複合体を形成せずに細胞に取り込ませる方法がより好ましい。
ゼラチン粒子及び細胞が添加される液体としては、細胞培養液を用いることができる。細胞培養液としては、たとえばHanks培養液およびHEPES培養液を用いることができる。上記細胞培養液は、公知の緩衝液または生理食塩水であってもよく、例えば、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)、4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid(HEPES)およびその他の公知のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いることができる。
細胞の活性を高めて細胞自らの活動によってゼラチン粒子を細胞内に取り込ませやすくする観点からは、上記撹拌時の上記細胞培養液の温度は、15℃以上50℃以下であることが好ましく、35℃以上45℃以下であることがより好ましい。
細胞自らの活動によってゼラチン粒子を細胞膜の内側へ導入するとき、たとえば、ゼラチン粒子と上記細胞とを含む細胞培養液を振とうして、導入を促進するようにしてもよい。
なお、細胞自らの活動によってゼラチン粒子を導入するとき、活性が高い細胞はゼラチン粒子をより取り込みやすく、活性が低い細胞はゼラチン粒子を取り込みにくいと考えられる。そのため、造影剤を担持するゼラチン粒子と細胞とを液体に添加し必要に応じて振とうした後、細胞の内部に造影剤があるか否かを観察することで、非破壊で細胞の活性を検査することができる。
2−3.細胞構造体
ゼラチン粒子内包細胞は、複数の細胞が集合した細胞構造体を形成することができる。このような細胞構造体の形態は特に限定されないが、例えば、二次元的な培養物である細胞シートや、三次元的な培養物であるスフェロイド(細胞塊)、細胞集団を膜で包んだ細胞ビーズ、およびビーズ表面に細胞を接着した細胞ビーズなどが挙げられる。細胞構造体に含まれる細胞以外の成分、例えば、膜やビースは、生体適合性材料からなるものが好ましい。生体適合性材料としては、ラミニン、プロテオグリカン、フィブリン、マトリゲル、キトサンゲル、ポリエチレングリコール、ゼラチン、アルギン酸等の高分子成分が挙げられる。
三次元構造を有する細胞構造体は、ゼラチン粒子内包細胞と、高分子溶液との混合物から形成することができる。具体的には、高分子成分(ラミニン、プロテオグリカン、フィブリン、マトリゲル、キトサンゲル、ポリエチレングリコール、ゼラチン、アルギン酸等)の1種または2種以上を使用して高分子溶液を調製し、その中にゼラチン粒子内包細胞を包埋させて培養すると、細胞はシート状または塊状の培養細胞となり、さらにこのような培養細胞が一体化して、より大きな細胞集団を形成する。このようにして形成された培養細胞の集団は、組織様の細胞構造体として使用することができる。
細胞構造体を形成するゼラチン粒子内包細胞の細胞種に特に限定はないが、例えば、骨格筋細胞、平滑筋細胞、神経細胞、肝細胞、心筋細胞、ケラチノサイト、又はES細胞やiPS細胞などの幹細胞などを使用することができる。また、細胞構造体は、少なくとも1種のゼラチン粒子内包細胞を含有していればよく、2種以上のゼラチン粒子内包細胞や、ゼラチン粒子内包細胞と他の細胞とを含有してもよい。例えば、組織構築用のゼラチン粒子内包細胞と、血管構築用の細胞とを用いて、血管を有する臓器様の三次元細胞構造体を得ることができる。
このような細胞構造体は、細胞再生医療として患者に移植することができる。細胞構造体が造影剤、特にはMRI用の造影剤を担持する易取込性ゼラチン粒子を内包する細胞を含有することで、患者への移植後、移植部位の造影剤を観察することで、再手術をすることなく、細胞構造体が移植部位に定着したか否かを観測することができる。そのため、MRI用の造影剤を担持するゼラチン粒子を内包する細胞を含有する細胞構造体は、再生医療の治療を受ける患者の身体的、精神的、金銭的および時間的な負担を低減し、患者の生活の質(QOL)を高めることができると考えられる。
以下において、本発明の具体的な実施例を説明する。なお、これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.ゼラチン粒子の作製
1−1.原料溶液の調製
下記表1に示した組成となるように、ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、G−2613P)、FeCl・4HO(Fe2+の原料)、FeCl・6HO(Fe3+の原料)と純水を混合し、原料溶液を調製した。次に得られた溶液に28%NH水溶液を0.25ml添加し、pH9、40℃の条件でFeを合成し、Feを含むゼラチンスラリーを得た。
1−2.ゼラチン粒子の作製
上記で作製したスラリーに対して、表1に示した添加量のアセトンを相分離誘起剤として添加し、50℃で混合した。スラリー中に析出した粒子を回収し、純水で洗浄して、ゼラチン粒子1〜10をそれぞれ得た。
表1に、ゼラチン粒子1〜10の作製に用いた原料溶液中のゼラチン、Fe2+、Fe3+の濃度および使用量、並びにアセトンの添加量を示す。
Figure 2018019686
2.ゼラチン粒子の測定
2−1.平均粒子径
上記作製したゼラチン粒子1〜10を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像し、撮像された画像をMountech社製画像解析式粒度分布ソフトウェアMac−Viewを用いて解析することにより、任意に選択した20個のゼラチン粒子の短径および長径を測定し、その平均値をそれぞれのゼラチン粒子の短径および長径とした。上記ゼラチン粒子の短径と長径との平均値をそれぞれのゼラチン粒子の平均粒子径とした。
2−2.副成分の平均濃度
上記作製したゼラチン粒子1〜10をX線光電子分光分析(Xray Photoelectron Spectroscopy,XPS)に付して、易取込性ゼラチン粒子の表層部に含まれる副成分の平均濃度Aと、内部に含まれる副成分の平均濃度Bを任意に選択した20個のゼラチン粒子についてそれぞれ測定した。測定条件は次の通りである。
(条件)
エッチングイオン種:アルゴン(Ar
エッチング速度(SiO熱酸化膜換算値):0.05nm/sec
エッチング間隔(SiO換算値):1nm
X線光電子分光装置:Thermo Fisher Scientific社製、機種名“VG Theta Probe”
照射X線:単結晶分光AlKα
X線スポット径:100μm
ゼラチン粒子については、平均粒子径をXとするとき、前記ゼラチン粒子の表面から厚み0.01Xの部分を表層部とし、前記表層部よりも内側の部分を内部とした。各ゼラチン粒子の表層部および内部について、任意に選択した10箇所について副成分であるFeの原子濃度を測定し、加算平均した値を副成分の平均濃度Aおよび平均濃度Bとした。更に平均濃度Aと平均濃度Bの比であるA/Bを求めた。
3.細胞内への導入および評価
3−1.細胞内への導入
Life Technologies社製細胞培養液MEM Alpha basic(1X)500mlにウシ胎児血清(Fetal bovne serum)50mlを加えたものを細胞培養液として使用した。3mlの細胞培養液に、それぞれ1mgのゼラチン粒子1〜18を加え、マウス骨芽由来の細胞(MC3T3E1)を6000cells/mlになるように添加し、細胞添加後の細胞培養液を24時間40℃で保温して、18個の評価用サンプルを作製した。
3−2.細胞による取り込みの評価
上記評価用サンプルから、それぞれの細胞分散液の一部を取り出し、以下の手順によって、細胞膜の内側に取り込まれたゼラチンが確認できるか否かを観察し、以下の基準によって判定した。
(細胞及びFeの染色)
培養した細胞に1%パラホルムアルデヒド1mlを加えて細胞固定化処理を行った。次いで、下記組成のFe染色液1mlを加えてFeを染色した。さらに、下記の濃度に調整した核染色液1mlを加えて細胞を染色した。
(Fe染色液の組成)
下記の2液を同体積混合してFe染色液を調製した。
・20体積% HCL(濃塩酸を5倍希釈したもの)
・10質量% K(Fe(CN))水溶液(100mg/ml)
(核染色液の組成)
硫酸アンモニウム5質量部と、Nuclear fast red 0.1質量部とを、蒸留水100質量部に混合して核染色液を調製した。
(Feを取り込んだ細胞数のカウント)
染色された細胞を光学顕微鏡で観察して、任意に選択された細胞20個の中に青く染色されたFeが含まれているかどうかを評価した。
◎ 上記20個の細胞のうち、50%以上(10個以上)の細胞で、細胞膜の内側にゼラチンが取り込まれていることが確認できた
○ 上記20個の細胞のうち、10%以上50%未満(2個以上10個未満)の細胞で、細胞膜の内側にゼラチンが取り込まれていることが確認できた
× 上記20個の細胞のうち、10%未満(2個未満)の細胞で、細胞膜の内側にゼラチンが取り込まれていることが確認できた
×× 上記20個の細胞のうち、ゼラチンが取り込まれている細胞は確認できなかった
表2に、ゼラチン粒子1〜10の平均粒子径、副成分の平均濃度A、平均濃度Bおよび比A/B、並びに細胞による24時間後の取り込みを示す。
Figure 2018019686
ゼラチン粒子の表層部と内部における副成分の濃度比であるA/Bが0.25未満であるゼラチン粒子1〜7は、比A/Bが0.25以上のゼラチン粒子8〜10よりも、細胞自らの活動によって細胞内へ取り込まれやすかった。
ゼラチン粒子1〜4およびゼラチン粒子5〜7をそれぞれ比較すると、同じ平均粒子径であれば、比A/Bが小さい程、ゼラチン粒子は細胞自らの活動によって細胞内へ取り込まれやすかった。また、平均粒子径が200nmのゼラチン粒子4と平均粒子径が800nmのゼラチン粒子5とを比較すると、比A/Bがより大きいゼラチン粒子4の方が細胞内へ取り込まれやすかった。これは、より小さな粒子の方が細胞によって取り込まれやすいためと考えられる。しかし、平均粒子径が800nmのゼラチン粒子6や7のように、比A/Bを0.001よりも小さくすることによって、比較的大きなゼラチン粒子でも、細胞内へ取り込まれやすくなった。これは、ゼラチン粒子の表層部に存在する副成分の量が非常に少なく、粒子表面に露出した副成分の量が存在しないか、存在しても極少量となるため、細胞によって異物と認識されることがなくなり、取り込まれやすくなるためと考えられる。
また、比A/Bが0.25以上であると、細胞によるゼラチンの取り込み量は低下した。比A/Bが同じ0.25であるゼラチン粒子8と10を比較すると、平均粒子径の大きなゼラチン粒子10の方が取り込み量は低下した。
本発明のゼラチン粒子は、たとえばMRI用の造影剤を含有させて、再生医療に用いられる移植用の細胞に導入することができる。このような細胞は、細胞自らの活動によってゼラチン粒子を取り込ませた後、MRIで撮像して造影剤が細胞の内部にあるか否かを観察することで、非破壊で細胞の活性を検査することができる。そのため、本発明のゼラチン粒子は、再生医療に用いられる細胞の廃棄率を低減して、上記細胞の利用効率を高めることができると考えられる。また、このような細胞や、当該細胞を含有する細胞構造体を移植すれば、移植部位をMRIで撮像することで、再手術をすることなく、細胞が移植部位に定着したか否かを観測することができる。そのため、本発明のゼラチン粒子は、患者への身体的、精神的、金銭的および時間的な負担を低減し、患者の生活の質(QOL)を高めることができると考えられる。

Claims (15)

  1. 主成分となるゼラチンと、前記ゼラチンに担持された副成分とを含むゼラチン粒子であって、前記ゼラチン粒子の平均粒子径をXとするとき、前記ゼラチン粒子の全質量に対する、前記ゼラチン粒子の表面から厚み0.01Xの表層部に含まれる副成分の平均濃度A(質量%)と、前記ゼラチン粒子の全質量に対する、前記表層部よりも粒子の内側に含まれる副成分の平均濃度B(質量%)との比A/Bが0.25未満である、ゼラチン粒子。
  2. 前記ゼラチン粒子の表層部に含まれる副成分の平均濃度Aが、5質量%以下である、請求項1に記載のゼラチン粒子。
  3. 前記ゼラチン粒子の内部に含まれる副成分の平均濃度Bが、7質量%以上30質量%以下である、請求項1または2に記載のゼラチン粒子。
  4. 前記ゼラチン粒子の平均粒子径Xは、200nm以上1000nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゼラチン粒子。
  5. 前記副成分が造影剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゼラチン粒子。
  6. 主成分であるゼラチンと副成分の原料物質とを含む溶液中で、前記原料物質から副成分を合成して前記ゼラチンと前記副成分とを含むスラリーを得、
    前記スラリーに相分離誘起剤を添加して、前記副成分を含むゼラチンを粒状化する、
    ゼラチン粒子の製造方法。
  7. 前記スラリーのゼラチン濃度が5mg/ml以上100mg/ml以下である、請求項6に記載のゼラチン粒子の製造方法。
  8. 前記相分離誘起剤の添加量が、前記スラリー1ml当たり2ml以上50ml以下である、請求項6または7に記載のゼラチン粒子の製造方法。
  9. 前記スラリーの副成分の濃度が、1質量%以上30質量%以下である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のゼラチン粒子の製造方法。
  10. 前記副成分が造影剤である、請求項6〜9のいずれか一項に記載のゼラチン粒子の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゼラチン粒子を細胞膜の内側に有する、ゼラチン粒子内包細胞。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゼラチン粒子と細胞とを液体に添加して前記細胞の活動により前記ゼラチン粒子を前記細胞の細胞膜の内側に取り込ませる、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法。
  13. 請求項11のゼラチン粒子内包細胞を含有する、細胞構造体。
  14. 複数の細胞がシート状に凝集した細胞シート、複数の細胞が球状に凝集したスフェロイド、細胞集団を膜で包んだ細胞ビーズ、およびビーズ表面に細胞を接着した細胞ビーズからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項13に記載の細胞構造体。
  15. 前記細胞構造体が、請求項11のゼラチン粒子内包細胞と、高分子溶液との混合物から形成されたものである、請求項13または14に記載の細胞構造体。
JP2017134942A 2016-07-20 2017-07-10 ゼラチン粒子、ゼラチン粒子の製造方法、ゼラチン粒子内包細胞、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法、および細胞構造体 Pending JP2018019686A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016142668 2016-07-20
JP2016142668 2016-07-20

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018019686A true JP2018019686A (ja) 2018-02-08

Family

ID=60988242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017134942A Pending JP2018019686A (ja) 2016-07-20 2017-07-10 ゼラチン粒子、ゼラチン粒子の製造方法、ゼラチン粒子内包細胞、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法、および細胞構造体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20180022789A1 (ja)
JP (1) JP2018019686A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022059115A1 (ja) * 2020-09-17 2022-03-24 コニカミノルタ株式会社 細胞支持体およびその製造方法、細胞の培養方法ならびに細胞構造体
JP7484906B2 (ja) 2019-06-28 2024-05-16 コニカミノルタ株式会社 細胞の分化状態を評価する方法およびゼラチンナノ粒子

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004003991A (ja) * 1992-10-15 2004-01-08 Coulter Internatl Corp ゼラチン−アミノデキストラン被膜を有する粒子およびその製造方法
JP2008150596A (ja) * 2006-11-24 2008-07-03 Canon Inc 粒子の製造方法、及び粒子
JP2008260705A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Fujifilm Corp 注射用組成物

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6383470B1 (en) * 1992-09-26 2002-05-07 Thomas Fritzsch Microparticle preparations made of biodegradable copolymers
EP1202671A4 (en) * 1999-08-13 2004-11-10 Point Biomedical Corp MICROPARTICLES USEFUL AS ULTRASONIC CONTRAST AGENTS FOR THE LYMPHATIC SYSTEM
US20060067883A1 (en) * 2004-09-24 2006-03-30 Biosphere Medical, Inc. Microspheres capable of binding radioisotopes, optionally comprising metallic microparticles, and methods of use thereof
RU2472530C2 (ru) * 2007-09-24 2013-01-20 Бар-Илан Юниверсити Полимерные наночастицы, покрытые оксидом магнитного металла, и их применение
JPWO2011059112A1 (ja) * 2009-11-13 2013-04-04 株式会社日立ハイテクノロジーズ 粒子含有細胞集合体
US9572880B2 (en) * 2010-08-27 2017-02-21 Sienna Biopharmaceuticals, Inc. Ultrasound delivery of nanoparticles
WO2013016126A1 (en) * 2011-07-22 2013-01-31 The General Hospital Corporation Therapeutic nanoparticles and methods of use thereof
GB2502577A (en) * 2012-05-31 2013-12-04 Univ Dublin Microparticles and a device and method for the production thereof
US20140079794A1 (en) * 2012-09-18 2014-03-20 Nitto Denko Corporation Gelatin particle and use thereof, and device for administration of physiologically active substance
KR101623521B1 (ko) * 2013-08-05 2016-05-24 한국과학기술연구원 siRNA의 종양 표적화된 전달을 위한 젤라틴 기반 나노입자 복합체 및 그 제조방법

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004003991A (ja) * 1992-10-15 2004-01-08 Coulter Internatl Corp ゼラチン−アミノデキストラン被膜を有する粒子およびその製造方法
JP2008150596A (ja) * 2006-11-24 2008-07-03 Canon Inc 粒子の製造方法、及び粒子
JP2008260705A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Fujifilm Corp 注射用組成物

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ISHIKAWA, HIDEFUMI ET AL.: "Gelatin nanospheres incorporating siRNA for controlled intracellular release", BIOMATERIALS, vol. 33, JPN6020050548, 2012, pages 9097 - 9104, XP055393420, ISSN: 0004534328, DOI: 10.1016/j.biomaterials.2012.08.032 *
TOMITAKA, ASAHI ET AL.: "Preparation of biodegradable iron oxide nano-particles with gelatin for magnetic resonance imaging", INFLAMMATION AND REGENERATION, vol. 34, JPN6020050550, 2014, pages 45 - 55, ISSN: 0004534329 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7484906B2 (ja) 2019-06-28 2024-05-16 コニカミノルタ株式会社 細胞の分化状態を評価する方法およびゼラチンナノ粒子
WO2022059115A1 (ja) * 2020-09-17 2022-03-24 コニカミノルタ株式会社 細胞支持体およびその製造方法、細胞の培養方法ならびに細胞構造体
WO2022059236A1 (ja) * 2020-09-17 2022-03-24 コニカミノルタ株式会社 細胞支持体およびその製造方法、細胞の培養方法ならびに細胞構造体

Also Published As

Publication number Publication date
US20180022789A1 (en) 2018-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Park et al. An injectable, click-crosslinked, cytomodulin-modified hyaluronic acid hydrogel for cartilage tissue engineering
JP7217473B2 (ja) ハイドロゲル粒子およびその製造方法、ハイドロゲル粒子を内包する細胞または細胞構造体、ハイドロゲル粒子を用いた細胞活性の評価方法、並びにハイドロゲル粒子の徐放性製剤としての使用
Huang et al. Peptide hydrogelation and cell encapsulation for 3D culture of MCF-7 breast cancer cells
Ziane et al. A thermosensitive low molecular weight hydrogel as scaffold for tissue engineering
Flores-Torres et al. Alginate–gelatin–Matrigel hydrogels enable the development and multigenerational passaging of patient-derived 3D bioprinted cancer spheroid models
US20230250153A1 (en) Gelatin particles, method for producing gelatin particles, gelatin particle-containing cell, and method for producing gelatin particle-containing cell
Moeinzadeh et al. In-situ stable injectable collagen-based hydrogels for cell and growth factor delivery
CN112138172B (zh) 一种拮抗剂功能化的左旋聚乳酸多孔微球的制备方法
Jiang et al. Nano-hydroxyapatite/collagen film as a favorable substrate to maintain the phenotype and promote the growth of chondrocytes cultured in vitro Corrigendum in/10.3892/ijmm. 2020.4743 Corrigendum in/10.3892/ijmm. 2022.5146
US20200030248A1 (en) Gelatin particles, method for producing gelatin particles, gelatin particle-containing cell, and method for producing gelatin particle-containing cell
CN115960838A (zh) 一种内外工程化外泌体及其制备方法与应用
Kronstadt et al. Mesenchymal Stem Cell Culture within Perfusion Bioreactors Incorporating 3D‐Printed Scaffolds Enables Improved Extracellular Vesicle Yield with Preserved Bioactivity
JP2018019686A (ja) ゼラチン粒子、ゼラチン粒子の製造方法、ゼラチン粒子内包細胞、ゼラチン粒子内包細胞の製造方法、および細胞構造体
JP7328654B2 (ja) 候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法、生分解性粒子、キット、および候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステム
JP7241355B2 (ja) 造影用の複合粒子、複合粒子の製造方法、細胞、細胞構造体および混合分散液
Yeh et al. Studies on a novel gelatin sponge: preparation and characterization of cross-linked gelatin scaffolds using 2-chloro-1-methylpyridinium iodide as a zero-length cross-linker
Gong et al. Aptamer-functionalized hydrogels promote bone healing by selectively recruiting endogenous bone marrow mesenchymal stem cells
Xu et al. Systemic therapeutic investigation of transplanting nucleus pulposus-derived mesenchymal stem cells embedded on Gefitinib-chitosan/collagen blended injectable hydrogels to the intervertebral disc regeneration treatment using a rat model
CN114432498B (zh) 一种骨修复材料及其制备方法和应用
KR100819184B1 (ko) 약물전달용 인체유래 재조합 젤라틴 나노입자
Zhu et al. Chorionic villi-derived nanofibers enhanced mesenchymal stem cell extracellular vesicle secretion and bioactivity for endometrium regeneration toward intrauterine adhesion treatment
Luan et al. “Integrated diagnosis and treatment” of upconversion nanocomposite hydrogel for osteoarthritis treatment
Lu et al. Exosomes loaded a smart bilayer-hydrogel scaffold with ROS-scavenging and macrophage-reprogramming properties for repairing cartilage defect
CN117982675A (zh) 一种双靶向性金属离子网络水凝胶及其制备方法与应用
CN115581810A (zh) 一种富含外泌体的水凝胶及其制备方法和应用

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190731

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190801

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210629