JP7328654B2 - 候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法、生分解性粒子、キット、および候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステム - Google Patents

候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法、生分解性粒子、キット、および候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステム Download PDF

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Description

本発明は、候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法、生分解性粒子、キット、および候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステムに関する。
創薬研究開発などにおいては、薬の候補となる新規な化合物について、その治療効果のみならず、副作用の有無なども評価される。たとえば、ある生体に投与された化合物が副作用を有するときは、当該生体の活性(代謝速度など)は低下するが、投与された化合物が副作用を有さないときは当該生体の活性は低下しない。これらの結果から、投与された後の生体の活性が低下した化合物は、副作用を有するものと評価される。
上記生体の活性は、たとえば、生体の活性に与える影響を測定したい化合物(以下、単に「候補物質」ともいう。)を投与したマウスから採取した血清、血漿または尿などに含まれる代謝産物(たとえば、グリコーゲンなど)の量を測定して、評価される。この方法によれば、代謝を司る肝細胞の活性を測定して、上記候補物質が生体の活性に与える影響を評価することになる。
一方で、磁性体を含有する粒子を細胞に取り込ませて、当該細胞を核磁気共鳴画像法(MRI)で測定する方法が知られている。たとえば、特許文献1には、磁性体としてのFeを含有する、特定のリン脂質から構成された膜を有するリポソームを取り込んだ血管平滑筋細胞を用いて、動脈硬化巣や経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の血管の再狭窄部を造影する方法が記載されている。
特開2006-335745号公報
ある候補物質に副作用があるか否かを評価するためには、当該候補物質を投与した細胞の活性を経時的に観察することが望ましい。しかし、細胞の活性を経時的に観察できる方法は今まで知られていなかった。そのため、通常は、マウスなどの生体に候補物質を投与して、投与後の当該生体から採取した血清、血漿または尿などに含まれる代謝産物(たとえば、グリコーゲンなど)の量から、肝細胞の活性を測定することで、候補物質が生体の活性に与える影響が評価されていた。
しかし、グリコーゲンなどの代謝産物は、肝細胞以外にも筋組織の細胞などからも産出される。そのため、上記方法では、肝細胞の活性を正確に測定することができない。
そのため、肝細胞などの特定の細胞の活性のみを直接に観察できる方法の開発が望まれている。たとえば、本発明者らは、特許文献1に記載のリポソームを取り込ませた細胞に、候補物質を投与し、当該細胞をMRIで測定すれば、候補物質を投与した細胞の活性を経時的に観察できるのではないかと期待した。しかし、上記リポソームを取り込ませた細胞からは、経時的なMRI測定ができなかった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、細胞の活性を経時的に測定して候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法、ならびに当該方法に用いる生分解性粒子、当該粒子と生細胞とを含むキット、および当該方法に用いるシステムを提供することを、その目的とする。
本発明の課題は、以下の手段によって解決される。
[1]候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法において、信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞に、前記候補物質を投与する工程と、前記投与する工程の前後を通じて、前記信号物質からの信号を経時的に検出する工程と、を含む評価方法。
[2]前記信号物質は磁性体である、[1]に記載の評価方法。
[3]前記生分解性粒子は、徐放性を有する、[1]または[2]に記載の評価方法。
[4]前記生分解性粒子は、ハイドロゲル粒子である、[1]~[3]のいずれかに記載の評価方法。
[5]前記生細胞は、肝細胞である、[1]~[4]のいずれかに記載の評価方法。
[6]前記生分解性粒子は、平均粒子径が10nm以上2.0μm以下の粒子である、[1]~[5]のいずれかに記載の評価方法。
[7]前記信号物質は、平均粒子径が0.5nm以上50nm以下の粒子である、[1]~[6]のいずれかに記載の評価方法。
[8]前記生分解性粒子は、前記信号物質を粒子内に内包する、[1]~[7]のいずれかに記載の評価方法。
[9]前記信号物質は、Feを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の評価方法。
[10]前記投与する工程の後、所定時間が経過した後における前記信号の信号強度と、前記投与する工程がなかったとして予測される、前記所定時間が経過した後における前記信号の信号強度と、の強度差を算出し、前記強度差から、前記候補物質が前記生細胞に与える影響の大きさを定量する工程をさらに含む、[1]~[9]のいずれかに記載の評価方法。
[11]前記信号の検出は、前記投与する工程の前後を通じての、生体に移植した前記生細胞からの信号の検出である、[1]~[10]のいずれかに記載の評価方法。
[12][1]~[11]のいずれかに記載の評価方法に用いられる、信号物質を含有する生分解性粒子。
[13][12]に記載の生分解性粒子と、生細胞と、を含むキット。
[14]候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステムにおいて、信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞であって、前記候補物質を投与された生細胞からの信号を、前記候補物質の投与の前後を通じて経時的に検出する、検出部を有する評価システム。
[15]さらに、前記候補物質を投与される前の複数の時点において、前記信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞から前記検出部が検出した前記信号の強度から、前記信号強度の減衰の度合いを予測する予測部と、前記候補物質を投与した後の時点において前記検出部が前記生細胞から検出した前記信号の強度と、前記予測部が予測した前記信号の強度と、の強度差を算出する算出部と、を有する、[14]に記載の評価システム。
本発明によれば、細胞の活性を経時的に測定して候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法、ならびに当該方法に用いる生分解性粒子、当該粒子と生細胞とを含むキット、および当該方法に用いるシステムが提供される。
図1は、複合粒子からの信号強度の経時的な変化を模式的に示すグラフである。 図2は、候補物質を投与する前後における複合粒子からの信号強度の経時的な変化を模式的に示すグラフである。 図3Aは、候補物質の投与前における、複合粒子を取り込ませた生細胞からの信号強度をプロットして得られる模式的なグラフであり、図3Bは、候補物質が生体の活性に与える影響を評価すべき時点P2における信号強度S1を予測する様子を示す模式的なグラフであり、図3Cは、時点P2で信号強度S2が実際に得られる様子を示す模式的なグラフであり、図3Dは、時点P2における予測された信号強度S1および実際に得られた信号強度S2から、候補物質が生体の活性に与える影響を定量的に評価する様子を示す模式的なグラフである。 図4は、本発明の一実施形態に係る候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステムの構成を模式的に示すブロック図である。 図5Aは、実施例において、複合粒子を移植したマウスに候補物質である乳酸鉄を投与したときに得られた信号強度をプロットして得られるグラフであり、図5Bは、実施例において、複合粒子を移植したマウスに候補物質である亜硫酸ナトリウムを投与したときに得られた信号強度をプロットして得られるグラフであり、図5Cは、実施例において、複合粒子を移植したマウスに候補物質であるカフェインを投与したときに得られた信号強度をプロットして得られるグラフである。 図6Aは、実施例において、複合粒子を培養する培地に候補物質である乳酸鉄を添加したときに得られた信号強度をプロットして得られるグラフであり、図6Bは、実施例において、複合粒子を培養する培地に候補物質である亜硫酸ナトリウムを添加したときに得られた信号強度をプロットして得られるグラフであり、図6Cは、実施例において、複合粒子を培養する培地に候補物質であるカフェインを添加したときに得られた信号強度をプロットして得られるグラフである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特許文献1に記載のようなリポソームは細胞に取り込まれた後に分解されやすく、当該リポソームに含有させた磁性体もすぐに細胞から排出されてしまうため、経時的なMRI測定ができないことを見出した。
これに対し、生分解性粒子に磁性体などの信号物質を含有させ、当該信号物質を含有する粒子を細胞に取り込ませれば、当該生分解性粒子が分解されるまでの間、上記信号物質からの信号を受信して当該細胞の活性を経時的に測定することが可能となる。
上記信号物質を含有させた生分解性粒子(以下、単に「複合粒子」ともいう。)100を生細胞に取り込ませたとき、当該細胞が生分解性粒子を取り込んでからの経過時間を横軸に、当該生細胞から検出される信号強度を縦軸にとると、図1に示すように、信号強度は時間とともに減衰する。これは、当該細胞が分泌する酵素によって細胞に取り込まれた生分解性粒子110が徐々に分解され、信号物質120が生分解性粒子110から徐放されて細胞内で溶解されたり細胞から放出されたりすることにより、細胞中の信号物質120の量が時間の経過とともに漸減するためである。
このとき、任意に定めた時点P1で上記複合粒子100を取り込ませた生細胞に候補物質を投与すると、当該候補物質が生体の活性(代謝速度など)に与える影響の有無によってグラフの形状が変化する。たとえば、当該候補物質が細胞の活性を低下させないか、または低下させる度合いが小さい場合は、当該生細胞による酵素の分泌量は変わらないため、生分解性粒子110は分解され続けて、P1より後でも信号強度は同様の割合で減衰し続ける(図2の破線)。一方で、当該候補物質が細胞の活性を低下させる場合は、当該生細胞による酵素の分泌量が減少するため生分解性粒子110はもはや分解されにくく、P1より後で信号強度の減衰の度合いは低下する(信号強度の傾きがより水平に近くなる)か、または信号強度は減衰しなくなる(図2の実線)。
このように、複合粒子100を取り込ませた生細胞における、候補物質の投与(P1)前後での信号物質120からの信号強度の減衰の度合いの変化を測定することによって、当該候補物質が生体の活性に与える影響を評価することができる。
たとえば、図3Aに示すように、候補物質の投与前における、複合粒子100を取り込ませた生細胞からの信号強度をプロットしていく。このプロットから算出される信号強度の減衰の度合いが続くものと仮定して、図3Bに示すように、候補物質を投与した後の時点であって、候補物質が生体の活性に与える影響を評価すべき任意に定めた時点P2における信号強度S1を予測する。一方で、時点P1で候補物質を投与すると、図3Cに示すように、実際に得られる信号強度は減衰の度合いが変化して、時点P2では信号強度S2が実際に得られる。そして、図3Dに示すように、この予測される信号強度S1と、実際に得られる信号強度S2と、の強度差(S2-S1)を求めれば、候補物質が生体の活性に与える影響を定量的に評価することも可能である。
なお、複合粒子100を取り込ませた直後は、生細胞からの信号強度の減衰の度合いが安定しないことがあるため、時点P2における信号強度S1の予測(図3B)は、複合粒子100の取り込み後しばらく時間をおいて上記減衰の度合いが安定してから測定した信号強度をもとに行うことが好ましい。
なお、上記時点P2における信号強度S1は、以前に同一条件で測定して得られた、候補物質の投与前における信号強度の減衰の度合いなどを用いて、予測された値であってもよい。
また、このとき、条件を同一にして測定した、上記定量化された影響を比較することで、異なる物質間での生体の活性に与える影響の差や、同一の物質の投与量による生体の活性に与える影響の差などを、比較して評価することも可能である。
なお、上述の説明では、信号強度の減衰の度合いが低下する(信号強度の傾きがより水平に近くなる)ことを測定して、候補物質が細胞の活性を低下させるか否か、および低下させる程度、を評価する方法を示したが、同様に、信号強度の減衰の度合いが高まる(信号強度の傾きがより垂直に近くなる)ことを測定して、候補物質が細胞の活性を高めるか否か、および高める程度、を評価することも、当然に可能である。
1.複合粒子
1-1.信号物質
上記信号は、生細胞内に上記信号物質が存在することを確認できる信号であればよい。上記信号の例には、磁場(磁化量)、X線、ガンマ線および蛍光などの電磁波、ならびに、超音波および光音響信号などの音響波などが含まれる。
上記信号物質は、上記信号を検出することにより生細胞内に存在することを確認でき、かつ生細胞内での分解および生細胞からの排出などによって上記生細胞内に残留しない物質であればよい。上記信号物質の例には、MRI用の造影剤、X線撮像用の造影剤、ポジトロン断層撮像法(PET)用の造影剤、蛍光撮像用の造影剤、超音波撮像用の気泡、および光音響撮像用の造影剤などの公知の造影剤が含まれる。
MRI用の造影剤の例には、ガドリニウム(Gd)ならびに酸化鉄(Fe、γ-Feおよびフェライトなど)を含む磁性体が含まれる。
X線撮像用の造影剤の例には、タングステン、白金、タンタル、イリジウム、金、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、三酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、メトリザマイド、イオパミドール、イオタラム酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウムおよびメグルミンなどが含まれる。
蛍光撮像用の造影剤の例には、フルオレセインおよびインドシアニングリーンなどを含む蛍光色素、ならびに緑色蛍光タンパク質(GFP)などの蛍光タンパク質などが含まれる。
光音響撮像用の造影剤の例には、金ナノ粒子、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、インドシアニングリーンおよびメチレンブルーなどが含まれる。
上記信号物質は、生分解性粒子の表面または内部に存在すればよいが、信号物質をより長い時間細胞内に留める観点からは、信号物質は、生分解性粒子の内部に存在する(生分解性粒子に内包される)ことが好ましい。
なお、本明細書において、信号物質が生分解性粒子に内包されるとは、生分解性粒子の平均粒子径をXとして、生分解性粒子の表面から厚み0.01Xの表層部に含まれる信号物質の平均濃度Aと、表層部よりも生分解性粒子の内側に含まれる信号物質の平均濃度Bとの比A/Bが0.25未満であることを意味する。上記表層部および内部における信号物質の平均濃度は、表層部および内部から選択されたそれぞれ10箇所について、X線光電子分光分析によって測定された信号物質の分子濃度を加算平均して得られる値とすることができる。
これらのうち、より検出が容易であることから、MRI用の造影剤が好ましく、Feがより好ましい。
信号物質は、平均粒子径が0.5nm以上50nm以下の粒子であることが好ましい。上記平均粒子径が0.5nm以上であると、1個の信号物質からの検出性が十分に高くなるため、複合粒子に含有させる信号物質の数を減らすことができ、信号物質が導入されることによる細胞への負荷を減らすことができる。上記平均粒子径が50nm以下であると、サイズが大きい信号物質が導入されることによる細胞への負荷を減らすことができる。
検出精度をより高める観点から、信号物質は、複合粒子の全体積に対して1体積%以上95体積%以下の量で含まれることが好ましい。
1-2.生分解性粒子
上記生分解性粒子は、細胞内で加水分解されるか、または細胞内で分泌される酵素により分解される材料を含んで形成され、分解されることによって上記信号物質を徐放できる粒子であればよい。なお、リポソームは徐放性を有さないため、上記生分解性粒子には含まれない。
徐放性を有するとは、生分解性粒子が、少なくとも信号を検出する期間は粒子径状を保って信号物質を粒子内に留めておき、かつ、少しずつ分解されていって信号物質を少しずつ放出していくことを意味する。
信号物質の徐放性を高める観点からは、上記生分解性粒子は、ハイドロゲル粒子であることが好ましい。ハイドロゲル粒子とは、水を溶媒として形成可能なゲルから形成される粒子を意味する。典型的には、ハイドロゲル粒子は、網目構造を形成する親水性の高分子と、上記網目構造に取り込まれた水とを含む。
ハイドロゲル粒子の例には、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸、アガロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、およびペクチンなどの多糖類、ゼラチン、コラーゲン、フィブリン、およびアルブミンなどのタンパク質、ポリ-γ-グルタミン酸、ポリ-L-リジン、およびポリアルギニンなどのポリアミノ酸、ならびに、アクリルアミド、シリコーン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、およびポリビニルピロリドンなどの合成高分子から形成される粒子が含まれる。
これらのうち、生細胞自らによって細胞内に取り込まれやすくして、取り込みの際の生細胞の損傷などを抑制可能とする観点からは、多糖類、タンパク質およびポリアミノ酸が好ましく、入手または作製の容易さからは、多糖類およびタンパク質がより好ましく、ゼラチンがさらに好ましい。
上記ハイドロゲル粒子がゼラチンから形成されるゼラチン粒子であるとき、上記ゼラチン粒子は、その主成分がゼラチンからなる粒子であり、具体的には、アミノ酸測定装置で分析した際、アミノ酸1000残基の内、グリシンが300以上含まれており、アラニン、プロリン両方を含む粒子である。ゼラチンは、粒子を形成することができればよく、牛骨、牛皮、豚皮、豚腱、魚鱗および魚肉などに由来するコラーゲンを変性して得られる、公知のいかなるゼラチンを用いてもよい。ゼラチンは、以前から食用や医療用に使用されており、体内に摂取しても人体に害を与えることが少ない。また、ゼラチンは生体内で分散消失するため、生体内から除去する必要がないという利点を有する。なお、上記ゼラチン粒子は、細胞内へのゼラチン粒子の取り込みが可能な限りにおいて、ゼラチン以外の成分を含有してもよい。なお、上記ゼラチン以外の成分の量は、体内に摂取したときに人体に与える害が無視できる範囲であることが好ましい。また、上記ゼラチン以外の成分は、生体内に蓄積せず排出されやすい物質からなることが好ましい。
上記ゼラチン粒子を構成するゼラチンの重量平均分子量は、上記粒子径および膨潤度の条件を満たすゼラチン粒子を形成しやすくする観点から、1000以上100000以下であることが好ましい。上記重量平均分子量は、たとえばパギイ法第10版(2006年)に準じて測定された値とすることができる。
ゼラチン粒子を構成するゼラチンは、架橋していてもよい。架橋は、架橋剤による架橋でもよいし、架橋剤を用いずになされる自己架橋でもよい。
上記架橋剤は、たとえば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基およびイミダゾール基などと化学結合を作る官能基を複数有する化合物であればよい。このような架橋剤の例には、グルタルアルデヒド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)および1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド-メト-p-トルエンスルホナート(CMC)を含む水溶性カルボジイミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルおよびグリセロールポリグリシジルエーテルを含む2以上のエポキシ基を有する化合物、ならびにプロピレンオキサイドが含まれる。これらのうち、反応性をより高める観点からは、グルタルアルデヒドおよびEDCが好ましく、グルタルアルデヒドがより好ましい。
上記自己架橋の例には、熱の付与または電子線もしくは紫外線の照射による架橋が含まれる。
ハイドロゲル粒子が含有する水の量は特に限定されないが、膨潤処理後において、ハイドロゲル粒子の全質量に対して1質量%以上99質量%以下であることが好ましく、10質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、膨潤処理後の生分解性粒子とは、乾燥時の生分解性粒子を40℃の水中に大気圧下で60分間浸漬して得られる生分解性粒子を意味する。また、本明細書において、乾燥時の生分解性粒子とは、80℃の大気中に24時間静置した後の生分解性粒子を意味する。
生細胞自らによって細胞内に取り込まれやすくして、取り込みの際の生細胞の損傷などを抑制する観点からは、生分解性粒子は、平均粒子径が0.5nm以上5.0μm以下の粒子であることが好ましい。
平均粒子径が5.0μm以下である生分解性粒子は、生細胞自らの活動による細胞内への取り込みがなされやすい。これは、上記粒子径が5.0μm以下である生分解性粒子は生細胞によって異物と認識されにくく、エンドサイトーシス等の活動により細胞内に取り込まれやすいからと考えられる。上記観点からは、生分解性粒子の粒子径は、3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましい。一方で、平均粒子径が0.5nm以上である生分解性粒子は、粒子内により多くの信号物質を担持させやすい。上記観点からは、生分解性粒子の粒子径は、2.0nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。特に、生分解性粒子の平均粒子径を10nm以上2.0μm以下とすることで、複合粒子のハンドリング性をよくし、信号物質などの収容量を大きくし、かつ、生細胞自らの活動による細胞内への取り込みをなされやすくすることができる。
また、生分解性粒子のアスペクト比は、1.0以上1.4以下であることが好ましい。上記アスペクト比が1.4以下であると、生分解性粒子は膨潤の前後を通じてより球形に近い形状を保ちやすく、生分解性粒子および生細胞を含む溶液において、生分解性粒子と生細胞とがより均一な形状および大きさの接触面で接しやすくなるため、生分解性粒子間での取り込まれやすさの差が生じにくいと考えられる。そのため、上記アスペクト比を有する易取込性生分解性粒子は、細胞へ取り込まれる生分解性粒子の量、および生分解性粒子を取り込む細胞の量、をより制御しやすいと考えられる。上記易取込性生分解性粒子のアスペクト比は、生分解性粒子の長径を生分解性粒子の短径で除算して求めた値とすることができる。
また、生分解性粒子の長径は、2.0μm以下であることが好ましい。長径が2.0μm以下であると、生分解性粒子は膨潤の前後を通じてより小さい粒子径を保ちやすく、生細胞自らの活動によって細胞内に取り込まれやすいと考えられる。上記観点からは、上記長径は、1.8μm以下であることがより好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、生分解性粒子の粒子径は、生分解性粒子の長径と短径とを加算平均した値とすることができる。また、生分解性粒子の長径、短径、粒子径およびアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像した画像を解析して得られる、膨潤処理後の生分解性粒子から任意に選択した複数の生分解性粒子(たとえば、20個の生分解性粒子)の長径、短径、粒子径およびアスペクト比を加算平均した値とすることができる。
1-3.複合粒子の製造方法
上記生分解性粒子は、溶融した生分解性粒子の材料を含む液体(以下、単に「材料溶液」ともいう。)の液滴を加熱管または乾燥室の雰囲気中に吐出して乾燥させる方法(気中滴下法)、材料溶液の液滴を疎水性溶媒内に吐出して分散させる方法(液中滴下法)、および、材料溶液をエマルジョン化してゼラチンを含む微小液滴を分散させる方法(液中分散法)等によって、材料溶液を粒子化して、製造することができる。
このとき、信号物質を含ませた材料溶液を、上述の方法などで粒子化することで、信号物質が生分解性粒子に内包された複合粒子を得ることができる。また、上述の方法などで信号物質を含有しない生分解性粒子を製造した後に、信号物質を生分解性粒子に付与して、信号物質が生分解性粒子の表面または内部に含有された複合粒子を得ることもできる。
上記信号物質を含ませた材料溶液は、材料溶液と信号物質とを混合して得てもよいし、材料溶液中で信号物質を合成して、信号物質と溶融した生分解性粒子の材料とを含むスラリーとしてもよい。このとき、上記スラリーに相分離誘起剤を添加して、信号物質が生分解性粒子に内包された複合粒子を得ることができる。上記スラリーに相分離誘起剤を添加する方法によれば、信号物質が材料溶液中で凝集しにくく、かつ、信号物質が生分解性粒子の内部により均一に分散しやすいため、信号物質がより均一に徐放されやすい複合粒子が得られやすく、候補物質が生体の活性に与える影響の評価精度をより高めやすいため好ましい。
たとえば、信号物質としてFeを担持したゼラチン粒子を製造する場合には、Feの原料となるFeCl・6HOおよびFeCl・4HOと、ゼラチンとを含む水溶液を調製し、そこにアルカリ溶液(たとえば、NaOH、NH、KOHなどの溶液)を添加して溶液のpHを7以上に調整し、Feを合成すれば、材料溶液中にFeが均一に分散したスラリーが得られる。
上記得られたスラリーに相分離誘起剤を添加すれば、相分離誘起剤の添加によってゼラチンのコアセルベーションが生じ、Feを内包するゼラチン粒子が形成される。
相分離誘起剤は、生分解性粒子の材料を粒状化することが可能な成分である限り特に限定されない。相分離誘起剤の例には、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、および1-ブタノールなどを含むアルコール類、ならびにアセトンなどを含む有機溶媒が含まれる。
また、上記スラリーに相分離誘起剤を添加する方法によれば、スラリー中の生分解性粒子の材料の濃度を調整することで、得られる複合粒子の平均粒子径を調整することができる。つまり、スラリー中の生分解性粒子の材料の濃度が高いほど、得られる複合粒子の平均粒子径は大きくなり、スラリー中の生分解性粒子の材料の濃度が低いほど、得られる複合粒子の平均粒子径は小さくなる傾向がある。
また、上記スラリーに相分離誘起剤を添加する方法によれば、スラリー中のゼラチン濃度または相分離誘起剤の添加量などを調製することで、信号物質の分散の均一性を調整できると考えられる。
たとえば、平均粒子径が200nm以上1000nm以下であり、信号物質が粒子中に均一に分散したゼラチン粒子を製造するためには、スラリー中のゼラチン濃度を0.5mg/ml以上100mg/ml以下とし、相分離誘起剤の添加量を、前記スラリー1ml当たり2ml以上50ml以下とすることが好ましい。
また、ゼラチン粒子に担持される信号物質の量は、ゼラチンを粒状化する前のスラリーにおける信号物質の濃度に依存する。スラリーに含まれる信号物質の濃度は、スラリーの全質量に対して1質量%以上30質量%であることが好ましい。
2.生細胞
上記生細胞は、上記生分解性粒子を細胞膜の内側に取り込み、かつ、分解などできる細胞であればよい。
生分解性粒子を細胞膜の内側に取り込むとは、細胞を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像した画像において、生分解性粒子が細胞膜の内側に確認される状態になることを意味する。また、細胞への生分解性粒子の取り込みは、信号物質からの信号が細胞内から検出されることでも、確認することができる。
上記生細胞の例には、骨髄、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、腸管、小腸、心臓弁、皮膚、血管、角膜、眼球、硬膜、骨、気管および耳小骨を含む各種臓器から摘出された生体試料または検体に由来する細胞、市販の株化細胞、ならびに皮膚幹細胞、表皮角化幹細胞、網膜幹細胞、網膜上皮幹細胞、軟骨幹細胞、毛包幹細胞、筋幹細胞、骨前駆細胞、脂肪前駆細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、肝幹細胞、膵幹細胞、外胚葉系幹細胞、中胚葉系幹細胞、内胚葉系幹細胞、間葉系幹細胞、ES細胞およびiPS細胞を含む幹細胞ならびにこれらの幹細胞から分化した細胞を含む公知の細胞などが含まれる。
これらの細胞のうち、代謝活性が高い細胞が好ましく、肝臓に由来するかまたは培養された肝細胞がより好ましい。
生細胞による生分解性粒子の取り込みは、液体中に生分解性粒子と生細胞とを添加して、エンドサイトーシスによる取り込みなどの生細胞自らの活動によって取り込ませる方法、および外部からの操作によって生細胞に導入する方法によって行うことができる。
生細胞自らの活動によって生分解性粒子を取り込ませる方法の例には、生分解性粒子と生細胞とを液中で撹拌する方法や、生分解性粒子が含まれる細胞培養液中で生細胞を培養する方法が含まれる。なお、上述した平均粒子径を有する生分解性粒子は、生細胞自らによる取り込み効率が高いため、細胞への取り込みを促進するために他の成分との複合体を形成させる操作は特に必要ない。生細胞の活性の低下を最小限に抑える観点からは、上記のうち、生分解性粒子と生細胞とを液中で混合し培養する方法が好ましい。
外部からの操作によって導入する方法の例には、エレクトロポレーション法およびマイクロインジェクション法が含まれる。
これらのうち、生分解性粒子を導入させる際に生細胞の活性を低下させにくくする観点からは、生細胞自らの活動によって導入する方法が好ましく、上記複合体を形成せずに生細胞に取り込ませる方法がより好ましい。
生分解性粒子および生細胞が添加される液体としては、細胞培養液を用いることができる。上記細胞培養液は、公知の緩衝液または生理食塩水であってもよく、例えば、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)、4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid(HEPES)およびその他の公知のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いることができる。
生細胞の活性を高めて生細胞自らの活動によって生分解性粒子を細胞内に取り込ませやすくする観点からは、上記撹拌時の上記細胞培養液の温度は、15℃以上50℃以下であることが好ましく、35℃以上45℃以下であることがより好ましい。
生細胞自らの活動によって生分解性粒子を細胞膜の内側へ取り込ませるとき、たとえば、生分解性粒子と上記生細胞とを含む細胞培養液を振とうして、導入を促進してもよい。
生分解性粒子を取り込んだ細胞は、そのまま培養させてもよいし、生分解性粒子を取り込んだ後に生体内に移植してもよい。候補物質が生体の活性に与える影響をより正確に評価したい場合は、生分解性粒子を取り込んだ細胞を生体内に移植して、生体内に定着した当該細胞が含有する信号物質からの信号を検出することが好ましい。たとえば、上記細胞から作製したスフェロイドを、門脈内に留置したカテーテルを通じてマウスに注入すれば、注入されたスフェロイドは、肝細胞索に輸送されて定着する。
生分解性粒子を取り込んだ細胞への候補物質の投与は、上記細胞が候補物質に接触できる限りにおいて特に限定されない。たとえば、上記細胞を含む培地に候補物質を添加してもよいし、上記細胞を移植した生体に、口蓋内、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、腸内、鞘内、および肝臓内などへの直接投与、ならびに注射および点滴などによる投与などが可能である。
3.キット
上記生細胞および上記複合粒子は、これらを含むキットとすることができる。あるいは、上記生細胞、上記生分解性粒子および上記信号物質は、これらを含むキットとすることができる。上記キットは、いずれも、上記生細胞を培養するための培地を含んでもよい。
4.候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステム
上述した候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法は、図4に示すような、信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞であって、上記候補物質を投与された生細胞からの信号を、上記候補物質の投与の前後を通じて経時的に検出する、検出部210を有するシステム200によって、実行することができる。
検出部210は、上記信号物質からの信号を経時的に検出し、信号強度を経時的に測定できればよく、信号物質の種類に応じて、MRI装置、X線撮像装置、ポジトロン断層撮像装置、蛍光撮像装置、および光音響撮像装置などとすることができる。
上記システムは、上記候補物質を投与される前の複数の時点において、上記信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞から検出部210が検出した前記信号の強度から、上記信号強度の減衰の度合いを予測する、予測部220を備えていてもよい。予測部220は、図3Aに示すような、生細胞からの信号強度から、図3Bに示すように、候補物質を投与した後の時点であって、候補物質が生体の活性に与える影響を評価すべき任意に定めた時点P2における信号強度S1を予測することができればよい。
また、上記システムは、上記候補物質を投与した後の時点において検出部210が上記生細胞から検出した上記信号の強度と、予測部220が予測した上記信号の強度と、の強度差を算出する算出部230を備えていてもよい。算出部230は、図3Cに示すように、時点P2で信号強度S2が実際に得られたとき、図3Dに示すように、予測部220が時点P2における信号強度として予測した信号強度S1と、実際に得られた信号強度S2と、の強度差を求めることができればよい。なお、上記予測した信号強度S1は、事前に同様の条件で実験して得られ、記憶部250に記憶された値を参照して用いてもよい。
また、上記システムは、検出部210が検出した信号強度および算出部230が算出した上記強度差などを表示する表示部240、および、算出部230が算出した上記強度差を記憶する記憶部250などを備えていてもよい。
予測部220および算出部230の動作は、これらの機能部の機能を実行するためのプログラムを、CPU(Central Processing Unit)260が記憶部250としても機能するROM(Read Only Memory)から読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、展開したプログラムをCPU260が実行することで、制御される。
以下において、本発明の具体的な実施例を説明する。なお、これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.複合粒子の作製
(合成条件1)
ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、G-2613P)の濃度が50mg/mlとなるように調製した200mlのゼラチン水溶液を用意し、これに0.835gのFeCl・4HOおよび0.760gのFeCl・6HOを添加した。このゼラチン水溶液に、さらに、40mlの28%NH水溶液を添加して、ゼラチンスラリーを得た。
上記ゼラチンスラリーを60℃に加温して、ゼラチンおよび磁性体粒子(信号物質)としてのFeを含む複合粒子を得た。このとき、FeCl・4HOおよびFeCl・6HOの添加量、またはゼラチンスラリーの加温時間を調整して、生分解性粒子または磁性体粒子の平均粒子径が異なる複合粒子からなる複合粒子1~複合粒子6を製造した。
上記ゼラチンをシリコーンおよびポリビニルアルコール(PVA)に変更した以外は同様にして、それぞれ複合粒子10および複合粒子11を製造した。
(合成条件2)
上記ゼラチンスラリーに対して、相分離誘起剤としてアセトンを添加して、50℃で混合した。その後、0.1mgのグルタルアルデヒドを加え3時間撹拌したのち、1Mのグリシン水溶液を添加した。ゼラチンスラリー中に析出した粒子を回収し、純粋で洗浄して、ゼラチンおよびFe粉末を含む複合粒子を得た。このとき、FeCl・4HOおよびFeCl・6HOの添加量、またはアセトンの添加量を調整して、生分解性粒子または磁性体粒子の平均粒子径が異なる複合粒子からなる複合粒子7~複合粒子9を製造した。
(平均粒子径の測定)
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて上記作製した複合粒子1~複合粒子11を撮像し、撮像された画像をMountech社製画像解析式粒度分布ソフトウェアMac-Viewを用いて解析して、任意に選択した20個の複合粒子中に含まれる合計40個の磁性体粒子の短径および長径を求め、これらの短径および長径の平均値を複合粒子が含有する磁性体粒子の平均粒子径とした。
上記合成条件1または合成条件2で複合粒子1~複合粒子11作製する際に得られたゼラチンスラリーを超純水で希釈し、HORIBA 製ナノ粒子解析装置sz100を用いて、複合粒子1~複合粒子11に含まれるFe(信号物質)の平均粒子径を測定した。
2.複合粒子の測定
2-1.複合粒子の平均粒子径
nano particle sz-100(株式会社堀場製作所製)を用いて、上記作製し複合粒子1~複合粒子11に含まれる複合粒子の体積平均粒子径を光子相関法で測定した。
2-2.磁性体粒子の平均粒子径
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて上記作製した複合粒子1~複合粒子11を撮像し、撮像された画像をMountech社製画像解析式粒度分布ソフトウェアMac-Viewを用いて解析して、任意に選択した20個の複合粒子中に含まれる合計40個の磁性体粒子の短径および長径を求め、これらの短径および長径の平均値を複合粒子が含有する磁性体粒子の平均粒子径とした。
2-3.磁性体粒子の内包
上記作製した複合粒子1~複合粒子11を市販のFe染色キットで染色したところ、複合粒子1~複合粒子11のすべてにおいて、粒子内に磁性体(FeCl)が内包されていることが確認された。
3.細胞内への複合粒子の導入および評価
3-1.細胞内への導入
肝細胞培養キットP-2(マウス)(コスモ・バイオ株式会社製)に含まれる増殖用培地を用いて、マウス由来の肝細胞(NCTC-Clone 1469 (Murine Liver cell line) 、Cell Lines Services社製)を培養した。
上記細胞を培養した培地に1mgの複合粒子1~複合粒子11を加えて、40℃で24時間保管して上記細胞に上記複合粒子を導入し、評価用サンプル1~評価用サンプル11を得た。
3-2.細胞による取り込みの評価
上記評価用サンプルの一部を取り出し、以下の手順によって、細胞膜の内側に取り込まれた複合粒子が確認できるか否かを観察し、以下の基準によって判定した。
(細胞及びFeの染色)
培養した細胞に1%パラホルムアルデヒド1mlを加えて細胞固定化処理を行った。次いで、下記組成のFe染色液1mlを加えてFeを染色した。さらに、下記の濃度に調整した核染色液1mlを加えて細胞を染色した。
(Fe染色液の組成)
下記の2液を同体積混合してFe染色液を調製した。
・20体積% HCL(濃塩酸を5倍希釈したもの)
・10質量% K(Fe(CN))水溶液(100mg/ml)
(核染色液の組成)
硫酸アンモニウム5質量部と、Nuclear fast red 0.1質量部とを、蒸留水100質量部に混合して核染色液を調製した。
(複合粒子を取り込んだ細胞数のカウント)
任意に選択された20個の細胞を光学顕微鏡で観察して、細胞膜の内側に青い染色部位(複合粒子中のFeに由来する)が確認できるか否かを観察し、以下の基準で評価した。
◎ 上記20個の細胞のうち、50%以上(10個以上)の細胞で、細胞膜の内側に染色部位が確認された
○ 上記20個の細胞のうち、10%以上50%未満(2個以上10個未満)の細胞で、細胞膜の内側に染色部位が確認された
× 上記20個の細胞のうち、10%未満(2個未満)の細胞で、細胞膜の内側に染色部位が確認されたか、または細胞膜の内側に染色部位が確認される細胞は存在しなかった
表1に、評価用サンプル1~11について、生分解性粒子の材料、合成条件および平均粒子径、信号物質(Fe)の平均粒子径、磁性体粒子(信号物質)が内包されているか否かの評価結果、ならびに取り込み評価の結果を示す。
Figure 0007328654000001
表1から明らかなように、生分解性粒子がゼラチンを材料とする粒子であると、細胞自らの活動による複合粒子の取り込みがなされやすかった。また、生分解性粒子の平均粒子径が10nm以上2.0μm以下であると、細胞自らの活動による複合粒子の取り込みがなされやすかった。
4.複合粒子を取り込んだ生細胞のマウスへの導入
4-1.スフェロイドの作製
スフェロイド作成用の容器(PrimeSurface、住友ベークライト株式会社製、「PrimeSurface」は同社の登録商標)を用いて評価用サンプルNo.2に含まれる細胞をさらに培養し、これらのサンプルに含まれる細胞からスフェロイドを作製した。
4-2.マウスへの導入
門脈内に留置したカテーテルを通じて、上記スフェロイドをマウスに注入した。
5.候補物質が生体の活性に与える影響の評価
MRIシステム(実験小動物用 高性能コンパクトMRIシステム Mシリーズ M3、プライムテック株式会社製)を用いて、上記スフェロイドを導入したマウスの、導入部位から測定されるT2値を、導入から1時間後、12時間後、24時間後、36時間後および48時間後に、測定した。
上記48時間後のT2値を測定した直後のマウスに、表2に示す候補物質を静脈からの注射により投与した。候補物質は、いずれも濃度40mg/mlとして、表2に示す量の物質が投与されるよう注射量を調整した。
さらに、上記MRIシステムを用いて、候補物質を注入したマウスのT2値を、候補物質の注入から24時間後(スフェロイドの導入から72時間後)および240時間後(スフェロイドの導入から288時間後)に、測定した。
表2に、マウスに注入した候補物質の種類、濃度、投与量および注入した試薬量(濃度と投与量との積)、ならびに上記各時点における測定されたT2値を示す。
Figure 0007328654000002
6.複合粒子への候補物質の投与
評価用サンプルNo.2に含まれる細胞をプレート上でさらに培養し、表3に示す候補物質を上記プレートにさらに添加した。
7.候補物質が生体の活性に与える影響の評価
MRIシステム(実験小動物用 高性能コンパクトMRIシステム Mシリーズ M3、プライムテック株式会社製)を用いて、上記複合粒子を取り込ませた細胞から測定されるT2値を、細胞濃度が1×10個程度になった時点から1時間後、12時間後、24時間後、36時間後および48時間後に、測定した。
上記48時間後のT2値を測定した直後の上記プレートに、表3に示す候補物質を添加した。候補物質は、いずれも濃度1μg/mlとして、表3に示す量の物質が投与されるよう添加量を調整した。
さらに、上記MRIシステムを用いて、候補物質を添加した後の細胞のT2値を、候補物質の添加から24時間後(細胞濃度が1×10個程度になった時点から72時間後)および240時間後(細胞濃度が1×10個程度になった時点から288時間後)に、測定した。
表3に、上記プレートに注入した候補物質の種類、濃度、投与量および注入した試薬量(濃度と投与量との積)、ならびに上記各時点における測定されたT2値を示す。
Figure 0007328654000003
図5に、表2に示す試験結果を、横軸を経過時間、縦軸を信号強度として、候補物質ごとにプロットして得られるグラフを示す。図5Aは、試験1~試験4(候補物質:乳酸鉄)の結果を示すグラフであり、図5Bは、試験5~試験7(候補物質:亜硫酸ナトリウム)の結果を示すグラフであり、図5Cは、試験8~試験9(候補物質:カフェイン)の結果を示すグラフである。
図6に、表3に示す試験結果を、横軸を経過時間、縦軸を信号強度として、候補物質ごとにプロットして得られるグラフを示す。図6Aは、試験10~試験13(候補物質:乳酸鉄)の結果を示すグラフであり、図6Bは、試験14~試験15(候補物質:亜硫酸ナトリウム)の結果を示すグラフであり、図6Cは、試験16~試験17(候補物質:カフェイン)の結果を示すグラフである。
図5および図6から、特に候補物質の投与量が多いときに、候補物質の投与後にグラフの減衰の度合いが大きく低下することがわかる(図5Aの試験4、図5Bの試験7、図5Cの試験9、図6Aの試験13,図6Bの試験15、図6Cの試験17)。
これらの結果から、各候補物質について、細胞の活性が低下するかを推測する投与量を評価することができる。また、これらの結果から、異なる候補物質についても、投与量を同一にすることで、細胞の活性を低下させる程度を候補物質間で比較することが可能であることも理解され得る。
本出願は、2017年11月6日出願の日本国出願番号2017-213708号に基づく優先権を主張する出願であり、当該出願の特許請求の範囲、明細書および図面に記載された内容は本出願に援用される。
本発明の方法は、候補物質の投与による生細胞の活性の変化を経時的かつ定量的に測定することができる。そのため、本発明の方法は、新規な医薬候補化合物についての、副作用の評価、無毒性量の定量、および医薬効果の評価などを容易にすることが期待される。
100 複合粒子
110 生分解性粒子
120 信号物質
200 システム
210 検出部
220 予測部
230 算出部
240 表示部
250 記憶部
260 CPU

Claims (15)

  1. 生体の活性に与える影響を評価したい化合物である候補物質が生体の活性に与える影響を評価する方法において、
    MRI用の造影剤、X線撮像用の造影剤、ポジトロン断層撮像法(PET)用の造影剤、蛍光撮像用の造影剤、超音波撮像用の気泡、および光音響撮像用の造影剤からなる群から選択される信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞に、前記候補物質を投与する工程(ヒト体内の生細胞に外科的処理を伴う方法によって候補物質を投与する態様を除く)と、
    前記投与する工程の前後を通じて、前記信号物質からの信号を経時的に検出する工程(ヒト体内から外科的処理を伴う方法によって信号を検出する態様を除く)と、
    前記投与する工程の後において、前記投与する工程の前と比較して前記信号の減衰の度合いが低下したことの測定により、前記候補物質が生体の活性に与える影響を評価する工程と、
    を含む評価方法。
  2. 前記信号物質は磁性体である、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記生分解性粒子は、徐放性を有する、請求項1または2に記載の評価方法。
  4. 前記生分解性粒子は、ハイドロゲル粒子である、請求項1~3のいずれか1項に記載の評価方法。
  5. 前記生細胞は、肝細胞である、請求項1~4のいずれか1項に記載の評価方法。
  6. 前記生分解性粒子は、平均粒子径が10nm以上2.0μm以下の粒子である、請求項1~5のいずれか1項に記載の評価方法。
  7. 前記信号物質は、平均粒子径が0.5nm以上50nm以下の粒子である、請求項1~6のいずれか1項に記載の評価方法。
  8. 前記生分解性粒子は、前記信号物質を粒子内に内包する、請求項1~7のいずれか1項に記載の評価方法。
  9. 前記信号物質は、Feを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の評価方法。
  10. 前記投与する工程の後、所定時間が経過した後における前記信号の信号強度と、
    前記投与する工程がなかったとして予測される、前記所定時間が経過した後における前記信号の信号強度と、
    の強度差を算出し、
    前記強度差から、前記候補物質が前記生細胞に与える影響の大きさを定量する工程をさらに含む、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の評価方法。
  11. 前記信号の検出は、前記投与する工程の前後を通じての、生体に移植した前記生細胞からの信号の検出(ヒトの体内に移植した前記生細胞からの外科的処置を伴う方法による信号の検出を除く)である、請求項1~10のいずれか1項に記載の評価方法。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の評価方法に用いられる、信号物質を含有する生分解性粒子。
  13. 請求項12に記載の生分解性粒子と、生細胞と、を含むキット。
  14. 生体の活性に与える影響を評価したい化合物である候補物質が生体の活性に与える影響を評価するシステムにおいて、
    MRI用の造影剤、X線撮像用の造影剤、ポジトロン断層撮像法(PET)用の造影剤、蛍光撮像用の造影剤、超音波撮像用の気泡、および光音響撮像用の造影剤からなる群から選択される信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞であって、前記候補物質を投与された生細胞からの信号を、前記候補物質の投与の前後を通じて経時的に検出する、検出部を有し、
    前記候補物質の投与の後において、前記候補物質の投与の前と比較して前記信号の減衰の度合いが低下したことの測定により、前記候補物質が生体の活性に与える影響を評価する、
    評価システム。
  15. さらに、前記候補物質を投与される前の複数の時点において、前記信号物質を含有する生分解性粒子を取り込んだ生細胞から前記検出部が検出した前記信号の強度から、前記信号の強度の減衰の度合いを予測する予測部と、
    前記候補物質を投与した後の時点において前記検出部が前記生細胞から検出した前記信号の強度と、前記候補物質を投与した後の時点であって、前記検出部が前記信号の強度を前記生細胞から検出した時点における前記予測部が予測した前記信号の強度と、の強度差を算出する算出部と、
    を有する、請求項14に記載の評価システム。
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