以下、本発明の一実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態に係る照明器具は、天井に設けられる埋込孔に埋め込まれるようにして天井に配置される、埋込型の照明器具である。ただし、実施形態に係る照明器具は天井埋込型の照明器具に限定されず、例えば、天井に直付けされる直付け型の照明器具、あるいは、壁に取り付けられる照明器具などであってもよい。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係る照明器具1(以下、照明器具1と略す)は、器具本体2と、光源部(光源ユニット3)と、電源装置6と、板状部材(反射部材4)と、仮保持部材5と、固定部材(引掛具42及び引掛ばね12)とを備えている。ただし、以下の説明では、特に断りのない限り、図1において、照明器具1の上下、左右及び前後の各方向を規定する。
器具本体2は、図1〜図5に示すように、底板20と、4つの側板21とで矩形の箱形に形成されることが好ましい。底板20は、鋼板などの金属板によって矩形(例えば、正方形)に形成されている。4つの側板21はそれぞれ、主部210と、連結部211と、外鍔部212とを有している(図2及び図6参照)。主部210は、長尺の矩形板状に形成されている。連結部211は、長尺の矩形板状に形成され、連結部211の下端と主部210の上端とが連結されている。ただし、連結部211の下端部分(主部210につながる部分)は、内向き(底板20に近付く向き)に傾斜するように曲げられている(図6参照)。外鍔部212は、長尺の矩形板状に形成されている。外鍔部212は、主部210の下端から外向き(底板20から離れる向き)に突出している。外鍔部212の先端部分が上向きに曲げ起こされている(図6参照)。なお、主部210、連結部211及び外鍔部212は、鋼板などの金属板が曲げ加工されることで一体に形成されることが好ましい。また、底板20と4つの側板21のうちの少なくとも1つの側板21とは、鋼板などの金属板が曲げ加工されることで一体に形成されることが好ましい。ただし、底板20と別体に形成される側板21は、溶接などの適宜の方法で底板20及び他の側板21と連結(接合)されることが好ましい。
底板20は、前後方向の中央に、2つの電線挿通孔24と、1つの引掛孔25とが設けられている(図1参照)。1つの電線挿通孔24は、底板20の右端に設けられている。残り1つの電線挿通孔24は、底板20の左右方向の中央近くに設けられている。2つの電線挿通孔24は、底板20を上下方向に貫通する丸孔であり、電線を保護するためにグロメットが嵌め込まれることが好ましい。中央寄りの電線挿通孔24に電灯線(電力系統からの給電用の電線)が挿通される。右端の電線挿通孔24に信号線(調光信号の伝送媒体となる電線)が挿通される。ここで、底板20の下面における2つの電線挿通孔24の近くに、第1端子台10及び第2端子台11が取り付けられている(図1参照)。第1端子台10は、中央寄りの電線挿通孔24に挿通される電灯線と電気的に接続される。第2端子台11は、右端の電線挿通孔24に挿通される信号線と電気的に接続される。引掛孔25は、底板20の前後方向の中央における左端において、底板20を上下方向に貫通するように形成されている。引掛孔25は、上下方向から見て正方形状の角孔と、この角孔の対角方向(前後方向)に沿って突出する長尺の矩形状の角孔とで構成されている(図1参照)。
さらに、底板20は、左右方向の中央に、4つの取付孔23が設けられている(図1参照)。これら4つの取付孔23は、底板20を貫通する長円形の孔である。また、底板20の下面における右前方の隅及び右後方の隅に、2つの引掛ばね12がそれぞれ1つずつ取り付けられている。これら2つの引掛ばね12は、ばね性を有する帯状の板材によって、略Ω形状に形成されることが好ましい(図1参照)。
ここで、器具本体2は、補強部材22を有することが好ましい(図2参照)。補強部材22は、第1補強部221と、一対の第2補強部222と、一対の第3補強部223とを有している。第1補強部221は、長尺の矩形板状に形成されている(図2及び図3B参照)。第1補強部221の長手方向の中央には、円形の電線挿通孔2210が貫通している。さらに、第1補強部221の長手方向における電線挿通孔2210の両側に、それぞれ円形のボルト挿通孔2211が2つずつ貫通している。一対の第2補強部222はそれぞれ、概ね矩形板状であって、上側の2つの角がC面取りされている(図3C参照)。一対の第2補強部222はそれぞれ、第1補強部221の前端及び後端から下向きに突出するように第1補強部221と一体に形成されることが好ましい。一対の第3補強部223はそれぞれ、概ね矩形板状であって、上側の2つの角がC面取りされている(図2及び図6参照)。一対の補強片323はそれぞれ、第1補強部221の左端及び右端から上向きに突出するように第1補強部221と一体に形成されることが好ましい。補強部材22は、底板20の上面における左右方向の中央に第1補強部221がねじ止めされる(図2参照)。
さらに、器具本体2には、仮保持部材5の構成要素である2つの係合部50が設けられている(図1参照)。係合部50は、図7に示すように、長尺の矩形板状に形成されている主片500と、主片500の長手方向X1の第1端に設けられている引掛片501とを有している。また、係合部50は、主片500の長手方向X1の第2端から厚み方向X2に突出する矩形板状の固定片502を有することが好ましい。さらに、主片500は、引掛片501につながる端部を、固定片502と反対向きの厚み方向X2に屈曲させた屈曲部503を有することが好ましい。引掛片501は矩形板状に形成されている。引掛片501の長手方向の幅寸法は、主片500の短手方向X3の幅寸法よりも大きい。固定片502には、円形のねじ挿通孔504が貫通している。これら2つの係合部50は、器具本体2の底板20の内底面(下面)において、引掛孔25を挟んで前後方向に並ぶ位置に取り付けられている(図1参照)。具体的には、固定片502のねじ挿通孔504に挿通されるねじが、底板20に設けられているねじ孔にねじ込まれることによって、係合部50が底板20にねじ止めされている。ただし、2つの係合部50は、引掛片501を距離の近い側(左側)の側板21に対向させる向きで底板20に取り付けられることが好ましい。
反射部材4は、反射板40、4つの反射側板41、仮保持部材5、2つの引掛具42及び1つの取付ばね43などを有することが好ましい(図1〜図5参照)。反射板40は、鋼板などの金属板によって、器具本体2の底板20に相似した形状(正方形)に形成されている。ただし、反射板40の縦横(前後左右)の長さは、器具本体2の内側の縦横の長さよりも僅かに(例えば、十数ミリメートル〜数十ミリメートルほど)短い(図5参照)。4つの反射側板41は、反射板40の4つの辺からそれぞれL字形に曲げ起こされて、反射板40と一体に形成されていることが好ましい(図2参照)。2つの引掛具42は、ひし形の板状に形成されている(図2参照)。2つの引掛具42は、反射板40の上面における左前方の隅及び左後方の隅に、左側の反射側板41と平行して起立するように設けられている(図2参照)。
仮保持部材5は、2つの係合部50がそれぞれ離脱可能に係合する被係合部51を有している。つまり、被係合部51は、2つの係合部50とともに仮保持部材5の構成要素である。被係合部51は、2つの貫通孔が設けられているベース板52を有している(図2参照)。ベース板52は、鋼板などの金属板によって長尺の矩形板状に形成されている。ベース板52は、長手方向(前後方向)に沿った両端縁が厚み方向に沿ってほぼ直角に曲げ起こされ、曲げ起こされた両端縁の先端を反射板40に当てるようにして、反射部材4の上面に取り付けられている。つまり、ベース板52は、反射板40と厚み方向(上下方向)に距離を空けて対向しており、反射板40との間に空間を形成している(図5参照)。
2つの貫通孔はそれぞれ、第1貫通孔520と第2貫通孔521で構成されている(図8参照)。第2貫通孔521は、ベース板52の短手方向と平行になるように、長尺の矩形状にベース板52を貫通して形成されている。第1貫通孔520は、第2貫通孔521の長手方向Y1の一端(反射側板41に近い方の一端)寄りの端部において、第2貫通孔521の短手方向Y2の幅を拡げるように、矩形状にベース板52を貫通して形成されている。つまり、第1貫通孔520と第2貫通孔521とはつながっている。ここで、第1貫通孔520は、長手方向の幅寸法を係合部50の引掛片501の長手方向の幅寸法よりも長く、かつ、短手方向の幅寸法を第2貫通孔521の長手方向の幅寸法よりも短くするように形成されている。また、第2貫通孔521は、短手方向Y2の幅寸法を、係合部50の主片500の短手方向の幅寸法よりも長く、かつ、引掛片501の長手方向の幅寸法よりも短くするように形成されている。ただし、第1貫通孔520の一部分は、第2貫通孔521に近付くにつれて短手方向の幅寸法を徐々に大きくした三角形状に形成されていることが好ましい。第1貫通孔520の一部分が三角形状に形成されていれば、第1貫通孔520に挿通された主片500をスムーズに第2貫通孔521へ移動させることができる。これら2つの貫通孔はそれぞれ、ベース板52の長手方向の両端に配置されている(図8参照)。
取付ばね43は、コイル部430と、一対の腕部431とを有するねじりコイルばねである(図2及び図8参照)。また、取付ばね43は、一対の腕部431のそれぞれの先端部分が曲げられることで引掛部432が設けられている。取付ばね43は、ベース板52の長手方向の中央に、取付金具44によって取り付けられている(図8参照)。取付金具44は、帯状の金属板によってU字状に形成されている。取付金具44は、コイル部430に挿通された状態において、長手方向の一端部がベース板52にねじ止めされている。
電源装置6は、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路、電源用の入力端子台62、信号用の入力端子台63、出力端子台64などが実装されたプリント配線板を金属製のケース60に収納して構成されている(図1及び図5参照)。電源用の入力端子台62は、第1端子台10と電線を介して電気的に接続される。信号用の入力端子台63は、信号変換装置65と電線を介して電気的に接続される。信号変換装置65は、第2端子台11を介して信号線に電気的に接続され、信号線によって伝送される、パルス幅変調(PWM)方式の調光信号を直流の電圧信号に信号変換する。電源装置6の電力変換回路は、信号変換装置65で信号変換された電圧信号の電圧レベル、すなわち、調光信号で指示された調光レベルに応じて、出力(出力電流)を増減するように構成されている。電源装置6並びに信号変換装置65は、器具本体2の底板20の下面における後端寄りの位置に取り付けられている。
4つの光源ユニット3はそれぞれ同一の構成を有している。ゆえに、以下では、図6及び図9を参照して1つの光源ユニット3の構成のみを説明する。光源ユニット3は、LEDモジュール30、第1支持部材31、第2支持部材32、反射シート34、弾性シート35、複数本の固定ピン36、複数本の結合ねじ37及び複数本の固定ねじ38などを有している。
LEDモジュール30は、光源である複数個(図示例では60個)のLED(発光ダイオード)300、これら複数個のLED300が実装されている基板301、2つのコネクタ302などを有している(図9参照)。基板301は、長尺の矩形板状に形成されている。複数個のLED300は、基板301の下面における短手方向の第1端側に、長手方向に沿ってほぼ等間隔かつ直線上に並ぶように実装されている。また、2つのコネクタ302は、基板301の下面における長手方向の両端近くにそれぞれ実装されている。なお、これら2つのコネクタ302は、基板301の下面に形成されている導体(プリント配線)を介して、複数個のLED300と電気的に接続されている。なお、基板301は、短手方向の第2端側における長手方向の両端近く及び中央に、3つのねじ挿通孔303が設けられている。
第1支持部材31は、天板310と、第1結合片311と、第1支持片312と、第1連結片313とを有することが好ましい。天板310は、長尺の平板状に形成されている。天板310の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第1ねじ孔316及び3つのボルト挿通孔が設けられている。第1結合片311は、長尺の矩形板状に形成されている。第1結合片311の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの雌ねじ部314が設けられている。第1結合片311は、天板310の長手方向に沿った第1端から下向きに突出している。第1支持片312は、長尺の矩形板状に形成されている。第1支持片312の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第1ピン挿通孔315が設けられている。これら3つの第1ピン挿通孔315は長孔状に形成されている。ただし、第1支持片312の長手方向の両端に設けられている2つの第1ピン挿通孔315は、第1支持片312の長手方向に対して長軸の方向が平行している。一方、第1支持片312の長手方向の中央に設けられている1つの第1ピン挿通孔315は、第1支持片312の短手方向(上下方向)に対して長軸の方向が平行している(図9参照)。第1連結片313は、長尺の矩形板状であって、下端部分が斜めに曲げ起こされている(図6参照)。第1連結片313の上端に天板310の長手方向に沿った第2端が連結され、第1連結片313の下端に第1支持片312の上端が連結されている。なお、天板310、第1結合片311、第1支持片312及び第1連結片313は、金属板が加工されることで一体に形成されることが好ましい(図9参照)。
第2支持部材32は、底壁320と、第2結合片321と、第2支持片322と、補強片323とを有することが好ましい。底壁320は、長尺の平板状に形成されている。第2結合片321は、長尺の矩形板状に形成されている。なお、底壁320は、3つの窓孔326が底壁320の長手方向に沿って直線上に並ぶように設けられている。これら3つの窓孔326はそれぞれ、底壁320を厚み方向に貫通して矩形に形成されている。第2結合片321の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つのねじ挿通孔324が設けられている。第2結合片321は、底壁320の長手方向に沿った第1端から上向きに突出している。第2支持片322は、長尺の矩形板状に形成されている。第2支持片322の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第2ピン挿通孔325が設けられている。これら3つの第2ピン挿通孔325は長孔状に形成されている。ただし、第2支持片322の長手方向の両端に設けられている2つの第2ピン挿通孔325は、第2支持片322の長手方向に対して長軸の方向が平行している(図9参照)。一方、第2支持片322の長手方向の中央に設けられている1つの第2ピン挿通孔325は、第2支持片322の短手方向(上下方向)に対して長軸の方向が平行している(図6参照)。補強片323は、長尺の矩形板状に形成されている。補強片323は、第2支持片322の上端から底壁320に平行して突出している。
反射シート34は、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製のシート材が白色に着色されることで表面が反射面(拡散面)となるように形成されている。また、反射シート34は、底部340と、固定部341とを有することが好ましい。底部340及び固定部341はそれぞれ、長尺の矩形板状に形成されている。固定部341は、底部340の長手方向に沿った第1端から下向きに突出している。固定部341の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つのピン孔342が設けられている。これら3つのピン孔342は長孔状に形成されている。ただし、固定部341の長手方向の両端に設けられている2つのピン孔342は、固定部341の長手方向に対して長軸の方向が平行している。一方、固定部341の長手方向の中央に設けられている1つのピン孔342は、固定部341の短手方向(上下方向)に対して長軸の方向が平行している(図9参照)。
弾性シート35は、例えば、シリコーンゴムなどの弾性を有する材料によって、長尺の矩形板状に形成されている。
固定ピン36は、円柱状のピン本体360と、ピン本体360の軸方向(長手方向)の中央に設けられる円板状のフランジ361とを有することが好ましい(図6参照)。ただし、ピン本体360の直径は、第1支持部材31の第1ピン挿通孔315、第2支持部材32の第2ピン挿通孔325、反射シート34のピン孔342のそれぞれの短軸の径よりも僅かに小さい。なお、以下の説明では、フランジ361の表面側に突出するピン本体360を第1ピン本体と呼び、フランジ361の裏面側に突出するピン本体360を第2ピン本体と呼ぶ場合がある。
導光板39は、図6及び図9に示すように、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって、長尺の矩形板状に形成されることが好ましい。導光板39は、上部の長手方向の中央と両端近くの3箇所に円形の挿通孔390がそれぞれ設けられている。これら3つの挿通孔390は、導光板39を厚み方向に貫通している。なお、導光板39は、厚み方向に対向する両面(第1表面及び第2表面)のうち、少なくとも反射部材4と対向する側の表面(第1表面)に細かな凹凸が形成されることが好ましい。また、導光板39の下端面は、第2支持部材32に近付く向きに傾斜する傾斜面であることが好ましい(図6及び図9参照)。
光源ユニット3は、以下のような手順で組み立てられることが好ましい。まず、第1支持部材31の内側に反射シート34及びLEDモジュール30が重ねて収められる。そして、LEDモジュール30の基板301の3つのねじ挿通孔303にそれぞれ3本の固定ねじ38が挿通される。これら3本の固定ねじ38が、第1支持部材31の天板310の3つの第1ねじ孔316にねじ込まれる。その結果、LEDモジュール30が第1支持部材31の天板310に固定される(図6参照)。
続いて、3本の固定ピン36のピン本体360(第1ピン本体)が、反射シート34の3つのピン孔342、導光板39の3つの挿通孔390、第1支持部材31の3つの第1ピン挿通孔315に、それぞれ順番に挿通される。そして、3本の固定ピン36のピン本体360(第2ピン本体)が、第2支持部材32の第2ピン挿通孔325に挿通される(図6参照)。さらに、第2支持部材32の第2結合片321が第1支持部材31の第1結合片311と重ねられ、第2結合片321のねじ挿通孔324に挿通される結合ねじ37が、第1結合片311の雌ねじ部314にねじ込まれる。ただし、第2結合片321と反射シート34の固定部341との間に弾性シート35が挟み込まれる(図6参照)。その結果、第1支持部材31の第1結合片311と第2支持部材32の第2結合片321とが3本の結合ねじ37で結合される。さらに、第1支持部材31(の第1支持片312)と第2支持部材32(の第2支持片322)とが、導光板39を挟んで3本の固定ピン36で連結される。その結果、導光板39は、3本の固定ピン36を介して、第1支持部材31の第1支持片312と第2支持部材32の第2支持片322に厚み方向から挟まれて支持される(図6参照)。ここで、導光板39の上面は、第1支持部材31の天板310に取り付けられているLEDモジュール30の複数個のLED300のそれぞれと上下方向に対向している(図6参照)。
上述のようにして組み立てられた4つの光源ユニット3は、以下のような手順で器具本体2にそれぞれ取り付けられる。まず、1つの光源ユニット3の第1支持部材31の天板310が、器具本体2の底板20の下面における1つの周縁部分に重ねられる。そして、第2支持部材32の底壁320の3つの窓孔326を通して、3本のボルト13が、第1支持部材31の天板310に設けられている3つのボルト挿通孔と、器具本体2の底板20に設けられている3つの孔にそれぞれ挿通される。そして、底板20の上面側に突出した3本のボルト13に、3つのナット14がそれぞれ締め付けられる(図5及び図6参照)。その結果、1つの光源ユニット3が器具本体2(の底板20)の周縁部分に取り付けられる。なお、残り3つの光源ユニット3も同様にして器具本体2(の底板20)の周縁部分に取り付けられる。このとき、4つの導光板39はそれぞれ、器具本体2の4つの側板21(の主部210)の内側面(底板20に臨む側面)との間に微小な隙間を空けて配置されることが好ましい。
また、反射部材4は、以下のような手順で器具本体2に取り付けられる。まず、一対の係合部50のそれぞれの引掛片501が、ベース板52の一対の第1貫通孔520に挿通された後、取付ばね43の一対の腕部431が、器具本体2の底板20の引掛孔25に挿通される。そして、一対の係合部50を支点として反射部材4が回転されながら器具本体2内に収容される。すると、取付ばね43の一対の腕部431が引掛孔25に挿入されながら外向きに広がり、一対の腕部431のそれぞれの根元部分(コイル部430に近い部分)が底板20の引掛孔25の周縁に引っ掛けられる。さらに、2つの引掛具42がそれぞれ、器具本体2の底板20に取り付けられている2つの引掛ばね12に引っ掛けられる。その結果、反射部材4は、器具本体2内に収容された状態で、取付ばね43と2つの引掛ばね12のばね力によって器具本体2に支持される(図5参照)。このとき、一対の係合部50のそれぞれの引掛片501は、ベース板52から離れて、ベース板52と反射板40との間に形成されている空間に退避している(図5参照)。
次に、照明器具1の施工手順を説明する。まず、施工作業を行う作業者は、反射部材4を取り外した器具本体2を、天井仕上げ材に設けられている埋込孔に埋め込む。このとき、作業者は、建物の躯体に下向きに埋め込まれている複数本の吊りボルトを、器具本体2の底板20の複数の取付孔23及び補強部材22の複数のボルト挿通孔2211にそれぞれ挿通する。そして、作業者は、複数の取付孔23及び複数のボルト挿通孔2211にそれぞれ挿通した複数本の吊りボルトにナットを締め付けることにより、器具本体2を複数本の吊りボルトに取り付ける。このとき、器具本体2の4つの側板21のそれぞれの外鍔部212により、4つの側板21と埋込孔との隙間が目隠しされる。
続いて、作業者は、底板20の電線挿通孔24から引き込んだ電灯線を第1端子台10に電気的に接続し、底板20の別の電線挿通孔24から引き込んだ信号線を第2端子台11に電気的に接続する。
次に、作業者は、器具本体2に反射部材4を取り付ける。まず、作業者は、一対の係合部50のそれぞれの引掛片501を、ベース板52の一対の第1貫通孔520に挿通した後、各係合部50の引掛片501を第1貫通孔520から第2貫通孔521に移動させる。つまり、作業者は、各係合部50の引掛片501を、ベース板52の第2貫通孔521の縁に引っ掛けることで反射部材4を器具本体2に仮保持させる(図10及び図11参照)。ただし、この場合の反射部材4の仮保持状態を、「第1の仮保持状態」と呼ぶ場合がある。さらに、作業者は、取付ばね43の一対の腕部431のそれぞれの先端部分に設けられている引掛部432を、器具本体2の底板20の引掛孔25の周縁に引っ掛ける。このとき、反射部材4は、取付ばね43によって器具本体2に仮保持される(図14参照)。ただし、この場合の反射部材4の仮保持状態を、「第2の仮保持状態」と呼ぶ場合がある。
最後に、作業者は、反射部材4を押し上げて器具本体2内(底板20と4つの側板21に囲まれた空間)に収容する。すると、取付ばね43の一対の腕部431が引掛孔25に挿入されながら外向きに広がり、一対の腕部431のそれぞれの根元部分(コイル部430に近い部分)が底板20の引掛孔25の周縁に引っ掛けられる。さらに、2つの引掛具42がそれぞれ、器具本体2の底板20に取り付けられている2つの引掛ばね12に引っ掛けられる。その結果、反射部材4は、器具本体2内に収容された状態で、取付ばね43と2つの引掛ばね12のばね力によって器具本体2に支持される(図5参照)。上述のようにして、照明器具1の施工作業が完了する。
次に、上述した施工作業において、照明器具1に取り付けられた反射部材4を、第1の仮保持状態に移行させる手順を説明する。まず、作業者は、反射部材4を下向きに引っ張り、一対の引掛ばね12のそれぞれから引掛具42を離脱させる。すると、反射部材4は、自重によって、ベース板52が取り付けられている側の端部(第1端部)を支点にして下向きに回転する。ただし、反射部材4は、一対の係合部50のそれぞれの引掛片501がベース板52(の上面)に当たって引っ掛かる位置(第1の仮保持状態)で停止する(図10及び図11参照)。このとき、反射部材4のベース板52が取り付けられていない側の端部(第2端部)は、器具本体2の外鍔部212よりも僅かに突出している(図10及び図11参照)。
さらに、作業者は、器具本体2から突出している反射部材4の第2端部をベース板52から離すように斜め下向きに引っ張る。すると、反射部材4の第1端部が左方向に移動し、反射部材4の第1端部と一対の係合部50のそれぞれとの距離が短くなる(図12及び図13参照)。ゆえに、作業者は、反射部材4を回転させて第1の仮保持状態から第2の仮保持状態へ移行させることができる(図14参照)。そして、作業者は、反射部材4を第2の仮保持状態にしたまま、電灯線の結線作業や信号線の結線作業などを行うことができる。これらの作業が完了した後、作業者は、反射部材4を押し上げて器具本体2内に収容し、取付ばね43と2つの引掛ばね12のばね力によって反射部材4を器具本体2に支持させればよい。
上述のように天井に埋込配設された照明器具1は、電源装置6から給電させることによって4つの光源ユニット3をそれぞれ点灯する。4つの光源ユニット3(の複数個のLED300)から放射される光は、導光板39の入射面(上面)から導光板39内に入射し、導光板39内を導光されながら導光板39の内側面及び下面から出射する。このとき、導光板39の第1表面から出射する光は、導光板39の第1表面に形成されている細かな凹凸によって拡散される。導光板39の第1表面から出射され、かつ、拡散された光の一部は、器具本体2内に向かって進行する。そして、器具本体2内に向かって進行した光は、器具本体2内に配置されている反射部材4の反射板40(の下面)で反射され、反射板40の下方の照明空間に照射される。
ところで、照明器具1が仮保持部材5を備えていない場合、反射部材4は、器具本体2に対して第2の仮保持状態でのみ仮保持される。その場合、反射部材4は、一対の引掛ばね12のそれぞれから引掛具42が離脱すると、自重によって第2の仮保持状態の位置まで急激に移動(回転)する可能性がある。
しかしながら、本実施形態の照明器具1は仮保持部材5を備えているため、反射部材4が自重によって移動(回転)しても、仮保持部材5によって第1の仮保持状態で仮保持される。ここで、反射部材4が器具本体2(の外鍔部212)から下に突出する量は、第2の仮保持状態に比べて第1の仮保持状態の方が遙かに少ない(図10及び図14参照)。そのため、本実施形態の照明器具1は、反射部材4を第2の仮保持状態に急激に移動させないので、施工作業の作業性の向上を図ることができる。なお、仮保持部材5は、1つの係合部50と、1つの貫通孔(第1貫通孔520と第2貫通孔521)とで構成されてもよい。しかしながら、仮保持部材5が複数の係合部50と複数の貫通孔とで構成されれば、第1の仮保持状態において反射部材4を安定して仮保持することができる。
ここで、係合部50の主片500は、引掛片501が設けられている第1端の側に、引掛片501をベース板52に近付ける向きに屈曲した屈曲部503を有している。つまり、係合部50は、自重で移動した反射部材4が引掛片501に当たったとき、屈曲部503が下向きに撓むことにより、引掛片501や固定片502に加わる衝撃を和らげることができる。
ところで、第1の仮保持状態における反射部材4は、係合部50の主片500の短手方向X3の端と、第2貫通孔521の長手方向に沿った縁との距離の分だけがたつきが生じる。しかしながら、反射部材4が光源ユニット3の導光板39に当たって導光板39の表面に傷が付くおそれがあるので、第1の仮保持状態における反射部材4のがたつきを、反射部材4が導光板39に当たらない範囲に制限することが好ましい。そのため、仮保持部材5は、係合部50の主片500の短手方向X3の幅寸法と、第2貫通孔521の短手方向の幅寸法との差を、短手方向X3に平行な方向における導光板39と反射部材4との隙間S1(図6参照)よりも小さくするように構成される。
ここで、本実施形態の照明器具1では、LEDモジュール30から放射される光を導光板39で導光するように構成された光源ユニット3を光源部としているが、光源部の構成は本実施形態における光源ユニット3に限定されない。光源部は、例えば、導光板を利用せずに、LEDモジュールから放射される光を照明空間に直接照射するように構成されてもよい。また、本実施形態の照明器具1では、光源ユニット3から放射される光を照明空間に向けて反射する反射部材4を板状部材としているが、板状部材の構成は本実施形態における反射部材4に限定されない。板状部材は、例えば、板材と、板材の表面(照明空間に対向する面)に保持される光源部とを有するように構成されてもよい。さらに、本実施形態の照明器具1において、仮保持部材5の一対の係合部50が反射部材4に設けられ、仮保持部材5のベース板52が器具本体2に設けられても構わない。またさらに、本実施形態の照明器具1において、取付ばね43が器具本体2に設けられ、引掛孔25が反射部材4に設けられても構わない。さらに、本実施形態の照明器具1において、一対の引掛具42が器具本体2に設けられ、一対の引掛ばね12が反射部材4に設けられても構わない。
上述のように本実施形態の照明器具1は、第1面(下面)が開放されている箱状の器具本体2と、器具本体2内に配置される光源部(光源ユニット3)と、器具本体2内に配置されて光源ユニット3に給電する電源装置6とを備えている。また、照明器具1は、板状に形成され、下面と対向するように器具本体2内に収納される板状部材(反射部材4)と、反射部材4を器具本体2に仮保持させる仮保持部材5と、反射部材4を器具本体2に固定する固定部材(引掛ばね12と引掛具42)とを備えている。仮保持部材5は、係合部50と、係合部50が離脱可能に係合する被係合部51とを有している。係合部50は、器具本体2又は反射部材4に設けられる。被係合部51は、器具本体2と反射部材4のうちで、係合部50が設けられていない器具本体2又は反射部材4に設けられている。被係合部51は、平板状に形成されて厚み方向に貫通する第1貫通孔520及び第2貫通孔521が設けられているベース板52を有している。第1貫通孔520の幅寸法よりも第2貫通孔521の幅寸法が短く、第1貫通孔520の長さ寸法よりも第2貫通孔521の長さ寸法が長い。第1貫通孔520と第2貫通孔521は長さ寸法の方向に沿ってつながっている。係合部50は、長尺の板状に形成されている主片500と、主片500の長手方向の第1端に設けられている引掛片501とを有している。主片500は、長手方向の第2端側で器具本体2又は反射部材4に固定され、短手方向の幅寸法を第2貫通孔521の幅寸法よりも短くするように形成されている。引掛片501は、主片500の短手方向に沿った幅寸法を第1貫通孔520の幅寸法よりも短く、かつ、第2貫通孔521の幅寸法よりも長くするように形成されている。
本実施形態の照明器具1は上述のように構成されるので、仮保持部材5によって反射部材4を第1の仮保持状態に仮保持することにより、反射部材4が器具本体2の外に急激に移動することを防ぐことができる。ゆえに、本実施形態の照明器具1は、反射部材4を器具本体2の外に急激に移動させないので、施工作業の作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の照明器具1において、仮保持部材5は、主片500の短手方向の幅寸法と第2貫通孔521の幅寸法との差を隙間S1よりも小さくするように構成されていることが好ましい。ただし、隙間S1は、光源ユニット3と反射部材4との隙間のうちで(主片500の)短手方向に沿った隙間である。
本実施形態の照明器具1が上述のように構成されれば、仮保持部材5による仮保持状態(第1の仮保持状態)における反射部材4のがたつきを制限し、反射部材4が光源部(光源ユニット3の導光板39)に当たることを抑制できる。
さらに、本実施形態の照明器具1において、主片500は、(主片500の)第1端の側に、引掛片501をベース板52に近付ける向きに屈曲した屈曲部503を有していることが好ましい。
本実施形態の照明器具1が上述のように構成されれば、移動した反射部材4が引掛片501に当たったとき、屈曲部503が撓むことによって引掛片501に加わる衝撃を和らげることができる。
またさらに、本実施形態の照明器具1において、仮保持部材5は、複数の係合部50と、複数の係合部50のそれぞれと一対一に対応する複数の被係合部51(ベース板52、第1貫通孔520及び第2貫通孔521)とを有していることが好ましい。
本実施形態の照明器具1が上述のように構成されれば、仮保持部材5が1つの係合部50と1つの被係合部51とで構成される場合と比較して、反射部材4を安定して仮保持することができる。
本実施形態の照明器具1において、コイル部430及び腕部431を有するねじりコイルばねからなる取付ばね43を有することが好ましい。取付ばね43のコイル部430は、反射部材4に設けられているベース板52における複数の係合部50の間の位置に取り付けられることが好ましい。器具本体2は、ベース板52に対向する底板20に、取付ばね43の腕部431を挿通させる引掛孔25を有することが好ましい。取付ばね43は、底板20における引掛孔25の縁に腕部431を引っ掛けることで反射部材4を器具本体2に取り付けるように構成されていることが好ましい。
本実施形態の照明器具1が上述のように構成されれば、器具本体2に対して反射部材4を容易に取り付けることができる。
本実施形態の照明器具1において、固定部材は、引掛部(引掛具42)と、引掛具42が離脱可能に引っ掛けられる被引掛部(引掛ばね12)とを有することが好ましい。引掛具42は、器具本体2の第1面に対向する底板20と、反射部材4の底板20に対向する第1面とのいずれか一方に配置されることが好ましい。引掛ばね12は、底板20と反射部材4の第1面のうちで引掛具42が配置されていない方に設置されていることが好ましい。
本実施形態の照明器具1が上述のように構成されれば、照明空間と対向する反射部材4の第1面に固定部材(引掛具42及び引掛ばね12)を露出させずに、固定部材によって反射部材4を器具本体2に確実に固定することができる。