以下、本発明の実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態に係る照明器具は、天井に設けられる埋込孔に埋め込まれるようにして天井に配置される、埋込型の照明器具である。ただし、実施形態に係る照明器具は天井埋込型の照明器具に限定されず、例えば、天井に直付けされる直付け型の照明器具、あるいは、壁に取り付けられる照明器具などであってもよい。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る照明器具1X(以下、照明器具1Xと略す)は、図1〜図3に示すように、複数(図示例では4つ)の導光板5と、複数の発光ダイオード(LED)300と、器具本体2と、反射部材4とを備えている。照明器具1Xはさらに、4つの光源ユニット3と、電源ユニット6とを備えることが好ましい。ただし、以下の説明では、特に断りのない限り、図1において、照明器具1Xの上下、左右及び前後の各方向を規定する。
器具本体2は、図1に示すように、底板20と、4つの側板21とで矩形の箱形に形成されることが好ましい。底板20は、鋼板などの金属板によって矩形(例えば、正方形)に形成されている。4つの側板21はそれぞれ、主部210と、連結部211と、外鍔部212とを有している(図1及び図2参照)。主部210は、長尺の矩形板状に形成されている。連結部211は、長尺の矩形板状であって、下端部分がほぼ直角に曲げ起こされてL字状に形成されている(図2参照)。連結部211の下端と主部210の上端とが連結されている。外鍔部212は、長尺の矩形板状に形成されている。外鍔部212は、主部210の下端から外向き(底板20から離れる向き)に突出している。外鍔部212の先端部分が上向きに曲げ起こされている(図2参照)。なお、主部210、連結部211及び外鍔部212は、鋼板などの金属板が曲げ加工されることで一体に形成されることが好ましい。また、底板20と4つの側板21のうちの少なくとも1つの側板21とは、鋼板などの金属板が曲げ加工されることで一体に形成されることが好ましい。ただし、底板20と別体に形成される側板21は、溶接などの適宜の方法で底板20及び他の側板21と連結(接合)されることが好ましい。
底板20は、前後方向の中央に、2つの電線挿通孔24と、1つの引掛孔25とが設けられている(図1及び図3C参照)。引掛孔25は、前後方向を長手方向とする長尺の角孔であり、底板20を上下方向に貫通するように形成されている。1つの電線挿通孔24は、底板20の左端に設けられている。残り1つの電線挿通孔24は、底板20の左右方向の中央近くに設けられている。2つの電線挿通孔24は、底板20を上下方向に貫通する丸孔であり、電線を保護するためにグロメットが嵌め込まれることが好ましい。中央寄りの電線挿通孔24に電灯線(電力系統からの給電用の電線)が挿通される。左端の電線挿通孔24に信号線(調光信号の伝送媒体となる電線)が挿通される。ここで、底板20の下面における2つの電線挿通孔24の近くに、第1端子台10及び第2端子台11が取り付けられている(図1参照)。第1端子台10は、中央寄りの電線挿通孔24に挿通される電灯線と電気的に接続される。第2端子台11は、左端の電線挿通孔24に挿通される信号線と電気的に接続される。さらに、底板20は、左右方向の中央に、4つの取付孔23が設けられている(図3C参照)。これら4つの取付孔23は、底板20を貫通する丸孔である。また、底板20の下面における左前方の隅及び左後方の隅に、2つの引掛ばね12がそれぞれ1つずつ取り付けられている。これら2つの引掛ばね12は、ばね性を有する帯状の板材によって、略Ω形状に形成されることが好ましい(図1及び図4参照)。
器具本体2は、2つの補強板22を有することが好ましい。2つの補強板22はそれぞれ、鋼板などの金属板により、長尺の角樋状に形成されている。2つの補強板22は、長手方向を左右方向に平行させた状態で、底板20の下面において2つの電線挿通孔24を挟んで隣り合う位置にねじ止めされる(図1及び図4参照)。2つの補強板22は、底板20の4つの取付孔23と上下方向に重なる位置に、4つの長孔220がそれぞれ設けられている。これら4つの長孔220は、長軸を前後方向と平行させ、かつ、底板20を上下方向に貫通するように形成されている(図1及び図3C参照)。
反射部材4は、反射板40、4つの反射側板41、2つの引掛具42及び1つの取付ばね43などを有することが好ましい(図1〜図4参照)。反射板40は、鋼板などの金属板によって、器具本体2の底板20に相似した形状(正方形)に形成されている。ただし、反射板40の縦横(前後左右)の長さは、器具本体2の内側の縦横の長さよりも僅かに(例えば、十数ミリメートル〜数十ミリメートルほど)短い(図2参照)。4つの反射側板41は、反射板40の4つの辺からそれぞれ上向きに曲げ起こされて、反射板40と一体に形成されていることが好ましい(図1及び図4参照)。
2つの引掛具42は、図4に示すように、菱形の板状に形成されている。2つの引掛具42は、反射板40の上面における左前方の隅及び左後方の隅に、左側の反射側板41と平行して起立するように設けられている(図4参照)。取付ばね43は、ねじりコイルばねからなる。取付ばね43のコイル部が、反射板40の上面における右端の前後方向の中央に取り付けられる(図3C参照)。
4つの光源ユニット3はそれぞれ同一の構成を有している。ゆえに、以下では、図2及び図5を参照して1つの光源ユニット3の構成のみを説明する。光源ユニット3は、LEDモジュール30、第1支持部材31、第2支持部材32、第1反射シート33、第2反射シート34、弾性シート35、複数本の固定ピン(連結具)36、複数本の結合ねじ37及び複数本の固定ねじ38などを有している。
LEDモジュール30は、光源である複数個(図示例では60個)のLED(発光ダイオード)300、これら複数個のLED300が実装されている基板301、2つのコネクタ302などを有している(図5参照)。基板301は、長尺の矩形板状に形成されている。複数個のLED300は、基板301の下面における短手方向の第1端側に、長手方向に沿ってほぼ等間隔かつ直線上に並ぶように実装されている。また、2つのコネクタ302は、基板301の下面における長手方向の両端近くにそれぞれ実装されている。なお、これら2つのコネクタ302は、基板301の下面に形成されている導体(プリント配線)を介して、複数個のLED300と電気的に接続されている。なお、基板301は、短手方向の第2端側における長手方向の両端近く及び中央に、3つのねじ挿通孔303が設けられている。
第1支持部材31は、天板310と、第1結合片311と、第1支持片312と、第1連結片313とを有することが好ましい。天板310は、長尺の平板状に形成されている。天板310の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第1ねじ孔316及び3つのボルト挿通孔が設けられている。第1結合片311は、長尺の矩形板状に形成されている。第1結合片311の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの雌ねじ部314が設けられている。第1結合片311は、天板310の長手方向に沿った第1端から下向きに突出している。第1支持片312は、長尺の矩形板状に形成されている。第1支持片312の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第1ピン挿通孔315が設けられている。これら3つの第1ピン挿通孔315は長孔状に形成されている。ただし、第1支持片312の長手方向の両端に設けられている2つの第1ピン挿通孔315は、第1支持片312の長手方向に対して長軸の方向が平行している。一方、第1支持片312の長手方向の中央に設けられている1つの第1ピン挿通孔315は、第1支持片312の短手方向(上下方向)に対して長軸の方向が平行している(図5参照)。第1連結片313は、長尺の矩形板状であって、下端部分がほぼ直角に曲げ起こされてL字状に形成されている(図2参照)。第1連結片313の上端に天板310の長手方向に沿った第2端が連結され、第1連結片313の下端に第1支持片312の上端が連結されている。なお、天板310、第1結合片311、第1支持片312及び第1連結片313は、金属板が加工されることで一体に形成されることが好ましい(図5参照)。
第2支持部材32は、底壁320と、第2結合片321と、第2支持片322と、補強片323とを有することが好ましい。底壁320は、長尺の平板状に形成されている。第2結合片321は、長尺の矩形板状に形成されている。なお、底壁320は、3つの窓孔326が底壁320の長手方向に沿って直線上に並ぶように設けられている。これら3つの窓孔326はそれぞれ、底壁320を厚み方向に貫通して矩形に形成されている。第2結合片321の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つのねじ挿通孔324が設けられている。第2結合片321は、底壁320の長手方向に沿った第1端から上向きに突出している。第2支持片322は、長尺の矩形板状に形成されている。第2支持片322の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第2ピン挿通孔325が設けられている。これら3つの第2ピン挿通孔325は長孔状に形成されている。ただし、第2支持片322の長手方向の両端に設けられている2つの第2ピン挿通孔325は、第2支持片322の長手方向に対して長軸の方向が平行している(図5参照)。一方、第2支持片322の長手方向の中央に設けられている1つの第2ピン挿通孔325は、第2支持片322の短手方向(上下方向)に対して長軸の方向が平行している(図2参照)。補強片323は、長尺の矩形板状に形成されている。補強片323は、第2支持片322の上端から底壁320に平行して突出している。
第1反射シート33は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製のシート材が白色に着色されることで表面が反射面(拡散面)となるように形成されている。また、第1反射シート33は、第1底部330と、第1側部331と、第1固定部332とを有することが好ましい。第1底部330は、長尺の矩形板状に形成されている。第1側部331は、第1底部330の長手方向に沿った第1端から下向きに突出している。第1固定部332は、第1底部330の長手方向に沿った第2端から下向きに突出している。第1固定部332の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第1ピン孔333が設けられている。これら3つの第1ピン孔333は長孔状に形成されている。ただし、第1固定部332の長手方向の両端に設けられている2つの第1ピン孔333は、第1固定部332の長手方向に対して長軸の方向が平行している(図5参照)。一方、第1固定部332の長手方向の中央に設けられている1つの第1ピン孔333は、第1固定部332の短手方向(上下方向)に対して長軸の方向が平行している(図5参照)。
第2反射シート34は、第1反射シート33と同様に、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製のシート材が白色に着色されることで表面が反射面(拡散面)となるように形成されている。また、第2反射シート34は、第2底部340と、第2固定部341とを有することが好ましい。第2底部340及び第2固定部341はそれぞれ、長尺の矩形板状に形成されている。第2固定部341は、第2底部340の長手方向に沿った第1端から下向きに突出している。第2固定部341の長手方向の両端及び中央に、それぞれ3つの第2ピン孔342が設けられている。これら3つの第2ピン孔342は長孔状に形成されている。ただし、第2固定部341の長手方向の両端に設けられている2つの第2ピン孔342は、第2固定部341の長手方向に対して長軸の方向が平行している。一方、第2固定部341の長手方向の中央に設けられている1つの第2ピン孔342は、第2固定部341の短手方向(上下方向)に対して長軸の方向が平行している(図5参照)。
弾性シート35は、例えば、シリコーンゴムなどの弾性を有する材料によって、長尺の矩形板状に形成されている。
固定ピン36は、円柱状のピン本体360と、ピン本体360の軸方向(長手方向)の中央に設けられる円板状のフランジ361とを有することが好ましい(図2参照)。ただし、ピン本体360の直径は、第1支持部材31の第1ピン挿通孔315、第2支持部材32の第2ピン挿通孔325、第1反射シート33の第1ピン孔333及び第2反射シート34の第2ピン孔342のそれぞれの短軸の径よりも僅かに小さい。なお、以下の説明では、フランジ361の表面側に突出するピン本体360を第1ピン本体と呼び、フランジ361の裏面側に突出するピン本体360を第2ピン本体と呼ぶ場合がある。
導光板5は、図2及び図5に示すように、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって、長尺の矩形板状に形成されることが好ましい。導光板5は、上部の長手方向の中央と両端近くの3箇所に円形の挿通孔50がそれぞれ設けられている。これら3つの挿通孔50は、導光板5を厚み方向に貫通している。なお、導光板5は、厚み方向に対向する両面(第1表面及び第2表面)のうち、少なくとも反射部材4と対向する側の表面(第1表面)に細かな凹凸が形成されることが好ましい。また、導光板5の下端面は、第2支持部材32に近付く向きに傾斜する傾斜面であることが好ましい(図2及び図5参照)。
光源ユニット3は、以下のような手順で組み立てられることが好ましい。まず、第1支持部材31の天板310の下面に第1反射シート33の第1底部330が重ねられ、第1底部330の下面にLEDモジュール30が重ねられる。そして、LEDモジュール30の基板301の3つのねじ挿通孔303と、第1反射シート33の第1底部330に設けられた3つの孔にそれぞれ3本の固定ねじ38が挿通される。そして、これら3本の固定ねじ38が、第1支持部材31の天板310の3つの第1ねじ孔316にねじ込まれる。その結果、LEDモジュール30及び第1反射シート33が第1支持部材31の天板310に固定される(図2参照)。
続いて、3本の固定ピン36のピン本体360(第1ピン本体)が、第2反射シート34の3つの第2ピン孔342、導光板5の3つの挿通孔50、第1反射シート33の3つの第1ピン孔333、第1支持部材31の3つの第1ピン挿通孔315に、それぞれ順番に挿通される。そして、3本の固定ピン36のピン本体360(第2ピン本体)が、第2支持部材32の第2ピン挿通孔325に挿通される(図2参照)。さらに、第2支持部材32の第2結合片321が第1支持部材31の第1結合片311と重ねられ、第2結合片321のねじ挿通孔324に挿通される結合ねじ37が、第1結合片311の雌ねじ部314にねじ込まれる。ただし、第2結合片321と第2反射シート34の第2固定部341との間に弾性シート35が挟み込まれる(図2参照)。その結果、第1支持部材31の第1結合片311と第2支持部材32の第2結合片321とが3本の結合ねじ37で結合される。さらに、第1支持部材31(の第1支持片312)と第2支持部材32(の第2支持片322)とが、導光板5を挟んで3本の固定ピン36で連結される。その結果、導光板5は、3本の固定ピン36を介して、第1支持部材31の第1支持片312と第2支持部材32の第2支持片322に厚み方向から挟まれて支持される(図2参照)。ここで、導光板5の上面は、第1支持部材31の天板310に取り付けられているLEDモジュール30の複数個のLED300のそれぞれと上下方向に対向している(図2参照)。
上述のようにして組み立てられた4つの光源ユニット3は、以下のような手順で器具本体2にそれぞれ取り付けられる。まず、1つの光源ユニット3の第1支持部材31の天板310が、器具本体2の底板20の下面における1つの周縁部分に重ねられる。そして、第2支持部材32の底壁320の3つの窓孔326を通して、3本のボルト13が、第1支持部材31の天板310に設けられている3つのボルト挿通孔と、器具本体2の底板20に設けられている3つの孔にそれぞれ挿通される。そして、底板20の上面側に突出した3本のボルト13に、3つのナット14がそれぞれ締め付けられる(図2及び図4参照)。その結果、1つの光源ユニット3が器具本体2(の底板20)の周縁部分に取り付けられる。なお、残り3つの光源ユニット3も同様にして器具本体2(の底板20)の周縁部分に取り付けられる。このとき、4つの導光板5はそれぞれ、器具本体2の4つの側板21(の主部210)の内側面(底板20に臨む側面)とほぼ全面に渡って接触することが好ましい(図2参照)。
続いて、照明器具1Xの施工手順を説明する。まず、4つの光源ユニット3が取り付けられた器具本体2が、天井仕上げ材に設けられている埋込孔に埋め込まれる。このとき、建物の躯体に下向きに埋め込まれている複数本の吊りボルトが、器具本体2の底板20の複数の取付孔23及び2つの補強板22の複数の長孔220にそれぞれ挿通される。そして、複数の取付孔23及び複数の長孔220にそれぞれ挿通された複数本の吊りボルトにナットが締め付けられることにより、器具本体2が複数本の吊りボルトに取り付けられる。このとき、器具本体2の4つの側板21のそれぞれの外鍔部212により、4つの側板21と埋込孔との隙間が目隠しされる。
次に、取付ばね43の一対の腕部のそれぞれの先端部分に設けられている引掛部が、器具本体2の底板20の引掛孔25の周縁に引っ掛けられる。その結果、反射部材4は、取付ばね43により、底板20に吊り下げられた状態で器具本体2に仮保持される。このように反射部材4が器具本体2に仮保持された状態で、底板20の2つの電線挿通孔24からそれぞれ引き込まれる電灯線及び信号線が、第1端子台10と第2端子台11にそれぞれ電気的に接続される。
最後に、反射部材4が押し上げられて器具本体2内(底板20と4つの側板21に囲まれた空間)に収容される。すると、取付ばね43の一対の腕部が引掛孔25に挿入されながら外向きに広がり、一対の腕部のそれぞれの根元部分(コイル部に近い部分)が底板20の引掛孔25の周縁に引っ掛けられる。さらに、2つの引掛具42がそれぞれ、器具本体2の底板20に取り付けられている2つの引掛ばね12に引っ掛けられる(図4参照)。その結果、反射部材4は、器具本体2内に収容された状態で、取付ばね43と2つの引掛ばね12のばね力によって器具本体2に支持される(図3A及び図6参照)。照明器具1Xは、上述のようにして、天井仕上げ材の埋込孔に埋め込まれた状態で施工される。
ここで、照明器具1Xは、電源ユニット6から給電させることによって4つの光源ユニット3をそれぞれ点灯する。4つの光源ユニット3(の複数個のLED300)から放射される光は、導光板5の入射面(上面)から導光板5内に入射し、導光板5内を導光されながら導光板5の内側面及び下面から出射する。このとき、導光板5の第1表面から出射する光は、導光板5の第1表面に形成されている細かな凹凸によって拡散される。導光板5の第1表面から出射され、かつ、拡散された光の一部は、器具本体2内に向かって進行する。そして、器具本体2内に向かって進行した光は、器具本体2内に配置されている反射部材4の反射板40(の下面)で反射され、反射板40の下方に照射される。
つまり、照明器具1Xは、器具本体2の底板20と、器具本体2の下面(開放されている面)との間に配置された反射部材4を有し、反射部材4(の反射板40)の下面で4つの導光板5から出射される光を下方に向けて反射するように構成されている。その結果、照明器具1Xは、反射部材4の反射板40(の下面)が発光面となるから、発光面の大きさ及び形状(反射部材4の反射板40の大きさ及び形状)の設計の自由度を高めることができる。なお、反射板40の形状は正方形に限定されず、例えば、三角形や五角形などの多角形でもよいし、円形や楕円形などでもよい。
ここで、照明器具1Xは、器具本体2を構成している4つの側板21と、4つの導光板5とが底板20の周囲を全周に渡って囲むように構成されることが好ましい(図3A参照)。つまり、照明器具1Xは、4つの導光板5から出射する光を反射部材4(の反射板40)の全体でほぼ均等に反射させるので、発光面(反射板40の下面)の均斉度の向上を図ることができる。
さらに、照明器具1Xは、底板20が矩形板状に形成されていることが好ましい。つまり、照明器具1Xの器具本体2が矩形の箱形に形成されていることが好ましい。器具本体2が矩形の箱形に形成されれば、複数の照明器具1Xを隙間無く並べて施工する(天井に埋込配置する)ことができる。ただし、照明器具1Xは、底板20が三角形状、あるいは正多角形状に形成されてもよい。
また、照明器具1Xは、器具本体2の4つの側板21の内側面に4つの導光板5(の第2表面)がそれぞれ接するように、4つの導光板5をそれぞれ配置している(図2参照)。したがって、4つの導光板5内を導光される光が、側板21の内側面と導光板5との隙間に進行することを抑えることができる。なお、導光板5から出射した光が導光板5と側板21の間の隙間に進行した場合、発光面の輝度の低下を招いてしまう。したがって、導光板5(の第2表面)と接する側板21の内側面は、例えば、白色の塗料が塗布されることで反射率が高められた反射面であることが好ましい。このように導光板5と接する側板21の内側面が反射面とされれば、導光板5内を導光される光が、側板21の内側面と導光板5との隙間に進行することを更に抑えることができる。
さらに、照明器具1Xは、導光板5の下端面を、第2支持部材32に近付く向きに傾斜する傾斜面としているので(図2参照)、導光板5の下端面から出射する光を器具本体2の直下に向けて出射させることができる。
ここで、導光板5は、アクリル樹脂などの合成樹脂材料により、長尺の板状に形成されている。一方、導光板5を支持する第1支持部材31及び第2支持部材32はそれぞれ、鋼板などの金属材料で形成されている。導光板5、第1支持部材31及び第2支持部材32は、点灯中の光源ユニット3が発する熱を受けて膨張する。しかしながら、合成樹脂成形体からなる導光板5は、金属製の第1支持部材31及び第2支持部材32に比較して熱膨張率(線膨張率)が2桁ほど大きい。そのため、導光板5が熱膨張で伸縮する量(長さ)は、第1支持部材31及び第2支持部材32が熱膨張で伸縮する量(長さ)よりも大きくなる。そこで、照明器具1Xでは、第1支持部材31及び第2支持部材32の長手方向の両端の第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325が、長手方向に平行な長軸を有する長円形に形成されている(図5参照)。したがって、照明器具1Xは、導光板5の伸縮量が第1支持部材31及び第2支持部材32の伸縮量よりも大きい場合であっても、第1支持部材31及び第2支持部材32から固定ピン36を介して導光板5に加わる応力の低減を図ることができる。なお、照明器具1Xでは、第1支持部材31及び第2支持部材32の長手方向の中央の第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325が、短手方向(上下方向)に平行な長軸を有する長円形に形成されている。したがって、導光板5、第1支持部材31及び第2支持部材32は、中央の第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325に挿通されている固定ピン36を支点として長手方向に伸縮する。なお、導光板5、第1支持部材31及び第2支持部材32は、両端の2つの第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325にそれぞれ挿通されている2つの固定ピン36を支点として短手方向に伸縮する。
ところで、照明器具1Xの発光面である反射板40の下面の形状は、平面に限定されない。すなわち、反射板40の少なくとも一部が立体形状、例えば、図7に示すような角錐形状に形成されていてもよい。ただし、反射板40の形状は、角錐以外の立体形状、例えば、半球形状や円錐形状、あるいは角錐台形状や円錐台形状などであってよい。つまり、反射板40は、4つの導光板5のそれぞれと一対一に対向する4つの反射面を有していてもよい。反射部材4が上述のように構成されれば、反射板40の立体形状に応じて、照明器具1Xの配光特性の設計の自由度を高めることができる。
照明器具1Xは上述のように、1つ又は複数の導光板5と、1つ又は複数の光源(LED300)と、器具本体2と、反射部材4とを備えている。器具本体2は、底板20と、底板20の周囲に配置されている1つ又は複数の側板21とを有している。器具本体2は、底板20と対向する前面(下面)が開放されている。1つ又は複数の導光板5は、1つ又は複数の側板21に沿うように器具本体2の内側に配置されている。1つ又は複数の光源(LED300)は、1つ又は複数の導光板5の端面(上面)と対向し、端面(上面)から導光板5内に光を入射するように構成されている。反射部材4は、(器具本体2の)底板20と、(器具本体2の)前面(下面)との間に配置されている。反射部材4は、(器具本体2の)前面(下面)との対向面(下面)で1つ又は複数の導光板5から出射される光を(器具本体2の)前面(下面)に向けて反射するように構成されている。
照明器具1Xが上述のように構成されれば、反射部材4の対向面(下面)が発光面となるから、発光面の大きさ及び形状(反射部材4の大きさ及び形状)の設計の自由度を高めることができる。
また、照明器具1Xにおいて、1つ又は複数の側板21及び1つ又は複数の導光板5はそれぞれ、底板20の周囲を全周に渡って囲むように構成されていることが好ましい。
照明器具1Xが上述のように構成されれば、導光板5から出射する光を反射部材4の対向面(下面)の全体でほぼ均等に反射させるので、発光面の均斉度の向上を図ることができる。
さらに、照明器具1Xにおいて、底板20が矩形板状に形成されていることが好ましい。
照明器具1Xが上述のように構成されれば、複数の照明器具1Xを隙間無く並べて施工することができる。
また、照明器具1Xにおいて、1つ又は複数の導光板5は、1つ又は複数の側板21の内側面とそれぞれ接するように配置されていることが好ましい。
照明器具1Xが上述のように構成されれば、導光板5内を導光される光が、側板21の内側面と導光板5との隙間に進行することを抑えることができる。
さらに、照明器具1Xにおいて、1つ又は複数の側板21のそれぞれの内側面は、光を反射する反射面であることが好ましい。
照明器具1Xが上述のように構成されれば、導光板5内を導光される光が、側板21の内側面と導光板5との隙間に進行することを更に抑えることができる。
さらに、照明器具1Xにおいて、反射部材4の対向面(下面)の少なくとも一部が立体形状に形成されていることが好ましい。
照明器具1Xが上述のように構成されれば、反射部材4の立体形状に応じて配光特性の設計の自由度を高めることができる。
また、照明器具1Xは、合成樹脂材料によって長尺の矩形板状に形成された導光板5と、導光板5の第1端部(上端部)を導光板5の厚み方向から挟んで支持する一対の支持部材(第1支持部材31及び第2支持部材32)とを備えることが好ましい。また、照明器具1Yは、第1支持部材31及び第2支持部材32のそれぞれを導光板5と連結する複数の連結具(固定ピン36)を備えることが好ましい。複数の固定ピン36は、導光板5を厚み方向に貫通する複数の孔(挿通孔50)にそれぞれ挿通されることが好ましい。また、複数の固定ピン36は、第1支持部材31及び第2支持部材32のそれぞれを厚み方向に貫通する複数の挿通孔(第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325)にそれぞれ挿通されることが好ましい。さらに、複数の固定ピン36は、複数の第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325と、複数の第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325とのそれぞれに対して抜け止めされることが好ましい。複数の第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325のうち、第1支持部材31及び第2支持部材32の長手方向の両端に近い場所に配置されている少なくとも2つの第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325は、以下のように構成されることが好ましい。すなわち、これら2つの第1ピン挿通孔315及び第2ピン挿通孔325は、長軸方向が第1支持部材31及び第2支持部材32の長手方向と平行する長円形状に形成されていることが好ましい。
照明器具1Xが上述のように構成されれば、熱膨張によって導光板5が長手方向に沿って伸縮する際、固定ピン36を介して第1支持部材31及び第2支持部材32から受ける応力の低減を図ることができる。
(実施形態2)
本実施形態に係る照明器具1Yは、図8に示すように、器具本体2及び反射部材4の形状が実施形態1に係る照明器具1Xと相違し、その他の構成については実施形態1に係る照明器具1Xとほぼ共通している。したがって、本実施形態に係る照明器具1Yの構成のうち、実施形態1に係る照明器具1Xの構成と共通する構成については、多少の形状や大きさ及び個数の違いがあっても機能的に共通している構成要素には同一の符号を付して、適宜図示並びに説明を省略する。ただし、以下の説明では、特に断りのない限り、図8において、照明器具1Yの上下、左右及び前後の各方向を規定する。
本実施形態に係る照明器具1Y(以下、照明器具1Yと略す)は、図8、図9A〜図9C及び図10に示すように、器具本体2と、2つの光源ユニット3と、反射部材4とを備えている。
器具本体2は、底板20と、一対の第1側板21Aと、一対の第2側板21Bと、一対の補強板22とを備えることが好ましい。底板20は、長手方向を左右方向と平行させた長尺の矩形板状に形成されている。一対の第1側板21Aはそれぞれ、長手方向を左右方向と平行させた長尺の矩形板状に形成され、底板20の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から下向きに突出している。一対の第2側板21Bはそれぞれ、正方形に近い矩形板状に形成され、底板20の短手方向に沿った両端(左端及び右端)から下向きに突出している。一対の補強板22は、主片221と、一対の側片222と、一対の補強片223とを有している。主片221は、矩形板状に形成されている(図9D参照)。一対の側片222はそれぞれ、概ね矩形板状であって、上側の2つの角がC面取りされている(図9B参照)。なお、一対の側片222はそれぞれ、主片221の前端及び後端から下向きに突出するように主片221と一体に形成されることが好ましい。一対の補強片223はそれぞれ、概ね矩形板状であって、上側の2つの角がC面取りされている(図9C参照)。なお、一対の補強片323はそれぞれ、主片221の左端及び右端から上向きに突出するように主片221と一体に形成されることが好ましい。一対の補強板22はそれぞれ、底板20の上面における長手方向(左右方向)の両端近くに主片221がねじ止めされる(図8及び図9D参照)。
2つの光源ユニット3はそれぞれ、実施形態1に係る照明器具1Xの光源ユニット3と同一の構成を有することが好ましい。これら2つの光源ユニット3はそれぞれ、一対の第1側板21Aのそれぞれの内側面に導光板5の第2表面が接するようにして器具本体2内に収容される。また、2つの光源ユニット3はそれぞれ、第1支持部材31が器具本体2の底板20にねじ止めされる(図10参照)。
反射部材4は、反射板40と、一対の第1反射側板41Aと、一対の第2反射側板41Bと、引掛具と、取付ばね43とを備えることが好ましい。反射板40は、長手方向を左右方向と平行させた長尺の矩形板状に形成されている。一対の第1反射側板41Aはそれぞれ、長手方向を左右方向と平行させた長尺の矩形板状に形成され、反射板40の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から上向きに突出している。一対の第2反射側板41Bはそれぞれ、長手方向を前後方向と平行させた長尺の矩形板状に形成され、反射板40の短手方向に沿った両端(左端及び右端)から上向きに突出している。なお、電源ユニット、第1端子台10及び第2端子台は、器具本体2の底板20の下面に取り付けられ、反射部材4と底板20の間に形成される空間に収容される(図10参照)。
ねじりコイルばねからなる取付ばね43のコイル部430が、反射板40の上面における長手方向の中央近くに取り付けられる(図9D及び図10参照)。また、引掛具が反射板40の上面における長手方向の端に取り付けられる。
照明器具1Yは、実施形態1に係る照明器具1Xと同じく天井仕上げ材の埋込孔に埋め込まれた状態で施工される。そして、照明器具1Yは、電源ユニットから給電させることによって2つの光源ユニット3をそれぞれ点灯する。2つの光源ユニット3(の複数個のLED300)から放射される光は、導光板5の入射面(上面)から導光板5内に入射し、導光板5内を導光されながら導光板5の内側面及び下面から出射する。このとき、導光板5の第1表面から出射する光は、導光板5の第1表面に形成されている細かな凹凸によって拡散される。導光板5の第1表面から出射され、かつ、拡散された光の一部は、器具本体2内に向かって進行する。そして、器具本体2内に向かって進行した光は、器具本体2内に配置されている反射部材4の反射板40(の下面)で反射され、反射板40の下方に照射される。さらに、器具本体2内に向かって進行した光の一部並びに反射板40で反射された光の一部は、一対の第2側板21B(の内側面)で反射されて下方に照射される。
上述のように、照明器具1Yは、実施形態1に係る照明器具1Xと同様に、反射部材4の対向面(下面)が発光面となるから、発光面の大きさ及び形状(反射部材4の大きさ及び形状)の設計の自由度を高めることができる。
また、照明器具1Yにおいて、底板20が長尺の矩形板状に形成されることが好ましい。また、反射部材4が長尺の矩形板状に形成されることが好ましい。複数の側板(第1側板21A及び第2側板21B)がそれぞれ底板20の短手方向の両端に配置されていることが好ましい。複数の導光板5がそれぞれ底板20の短手方向の両端に配置されていることが好ましい。
照明器具1Yが上述のように構成されれば、長尺矩形状の発光面を有する照明器具が実現できる。