JP2018016712A - 油性インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた画像濃度を実現しつつ、ノズルプレートに対するはじき性に優れ、ノズルプレートの劣化を抑制できる油性インクジェットインクを提供すること。
【解決手段】 顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤として少なくとも脂肪酸エステル系溶剤と、アミド系溶剤とを含有する油性インクジェットインクが提供される。上記アミド系溶剤は、下記一般式(I)で表される。(式中、RおよびRは、各々独立して、メチル基又はエチル基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)
【化1】

【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録システムにおける使用に適した油性インクジェットインクに関する。
インクジェット記録システムは、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として吐出し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録システムに用いられるインクとして、水を主溶媒とする水性インク、重合性モノマーを主成分として含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒とした、いわゆる非水系インクが知られている。
非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
油性インクは、記録媒体として紙を用いた場合、紙を構成するパルプ成分の繊維間結合に対する影響が小さいために印刷後の紙のカールやコックリングが発生し難く、また、紙への浸透が速いために見かけ上の乾燥性に優れる。さらに、溶媒が揮発し難いためノズルにおける目詰まりが生じにくく、ヘッドクリーニングの頻度を少なくできるため、高速印刷への対応が可能であるという利点を有する。一方、油性インクは、インク中の色材が紙中へ浸透するために高い画像濃度を得ることが困難であるという課題を有する。
また、インクジェット印刷機は通常、長期間の不使用時などの対策として、ヘッドクリーニング動作が搭載されている。このヘッドクリーニング動作が繰り返されると、ヘッド表面にあるノズルプレートの撥インク膜に傷が付く。撥インク膜は、インクをはじくことにより不要なインクがノズル近傍に残らないようにし、正常な吐出を維持する役割を担っている。これがインクをはじけなくなることによって、ノズル周りに液滴が残りやすくなり、正常な吐出ができなくなるという問題がある。このため、ノズルプレートの撥インク性の低下を抑制するための様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
特開2008−274232号公報 特開2011−52111号公報 特開2011−127091号公報
ヘッドクリーニング動作によって撥インク膜に傷が付き、ノズルプレートの撥インク性が低下する主たる原因の一つは、ノズルプレートに付着したインク中の顔料が研磨剤となり、ワイピングによってノズルプレート表面にある撥インク膜が削られることにある。特に、油性インク中に顔料として一次粒子径が小さくストラクチャーの大きいカーボンブラックを含有させると、普通紙に高い画像濃度で印刷を行えるが、ヘッドクリーニング動作が繰り返されると、カーボンブラック粒子の硬度が高く、粒子サイズが細かいため、撥インク膜を傷つけ、ノズルプレートの撥インク性の低下が顕著になることが報告されている(例えば、特許文献2の段落0006を参照)。このように、油性インクジェットインクにおいて、ノズルプレートにおける撥インク性能低下の抑制と、優れた画像濃度とを同時に満たすことは困難であるのが実情である。
本発明の目的は、優れた画像濃度を実現しつつ、ノズルプレートに対するはじき性に優れ、ノズルプレートの劣化を抑制できる油性インクジェットインクを提供することにある。
本発明の実施の形態は、例えば、以下の通りである。
[1]
顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤として少なくとも脂肪酸エステル系溶剤と、下記一般式(I)で表されるアミド系溶剤とを含有する油性インクジェットインク。
式中、
およびRは、各々独立して、メチル基又はエチル基を表し、
は、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
[2]
一般式(I)中のRは、炭素数1〜6のアルキル基である、[1]に記載の油性インクジェットインク。
本発明によれば、優れた画像濃度を実現しつつ、ノズルプレートに対するはじき性に優れ、ノズルプレートの劣化を抑制することができる油性インクジェットインクを提供することが可能となる。
上記油性インクジェットインクは、保存安定性、及び、カール等の用紙変形の抑制能にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインク(以下、単に「油性インク」などともいう。)は、顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤として少なくとも脂肪酸エステル系溶剤と、後掲の一般式(I)で表されるアミド系溶剤とを含有する。
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、脂肪酸エステル系溶剤と一般式(I)で表される特定のアミド系溶剤とを併用したことを特徴の一つとするものである。これにより、油性インクにおける高い画像濃度を実現しつつ、ノズルプレートに対するはじき性を向上させ、ノズルプレートの劣化を抑制することができる。
そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、以下のように推測している。すなわち、油性インクにおけるノズルプレートに対するはじき性が低下するのには、非水系溶剤と顔料分散剤との親和性が影響していると考えている。非水系溶剤と親和性があまり高くない顔料分散剤は、非水系溶剤を主溶媒とする油性インク中に安定して存在しにくく、沈降や付着を起こしやすい。
ここで、顔料分散剤が非水系溶剤と親和性が高くないということは、顔料分散剤が極性基を比較的多く有すると言える。この場合、顔料分散剤の沈降や付着を抑制するために、非水系溶剤として極性の高い非水系溶剤、例えば、高級アルコール系溶剤や脂肪酸エステル系溶剤を使用することが考えられる。しかしながら、高級アルコール系溶剤は、粘性が高く、インクジェットインクとして許容可能な粘度を維持するためには配合量が限られるため、非水系溶剤として単に高級アルコール系溶剤を使用することによっては、所望とするはじき性を得ることができない。一方、脂肪酸エステル系溶剤は、粘性が低いため高級アルコール系溶剤のような配合率の制限はなく、はじき性をある程度向上させることはできるものの、エステルがもたらす極性は高くなく、この場合も所望とするはじき性を得ることができない。
一方、一般式(I)で表されるアミド系溶剤(以下、「本発明のアミド系溶剤」、又は単に「アミド系溶剤」などともいう。)は、水にも油にも溶ける両親媒性である。上述した高級アルコール系溶剤や脂肪酸エステル系溶剤は水への溶解性は非常に低いことから、上記アミド系溶剤は、高級アルコール系溶剤や脂肪酸エステル系溶剤より高い極性を持っていることがわかる。このアミド系溶剤を、非水系溶剤として脂肪酸エステル系溶剤を含有する油性インクに添加することで、非水系溶剤と顔料分散剤との親和性が更に高まる結果、顔料分散剤が油性インク中に安定して存在することができ、ノズルプレートに対するはじき性を向上させるものと推測される。
以下、本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクに含有される成分、及び、含有され得る成分について詳細に説明する。
<アミド系溶剤>
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、下記一般式(I)で表されるアミド系溶剤を含有する。
式中、
およびRは、各々独立して、メチル基又はエチル基を表し、
は、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
により表される炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖状または分岐状のアルキル基であり、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−オクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基等が挙げられる。
により表される炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。
本発明の一形態において、Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、一般式(I)で表されるアミド系溶剤を、単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクにおいて、一般式(I)で表されるアミド系溶剤の含有率(2種以上含有する場合は、合計の含有率)は、油性インクジェットインクの全質量を基準として、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%である。
<非水系溶剤>
[脂肪酸エステル系溶剤]
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、非水系溶剤として、少なくとも脂肪酸エステル系溶剤を含有する。
脂肪酸エステル系溶剤の具体例としては、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等が挙げられる。
本発明の一形態において、脂肪酸エステル系溶剤は、1分子中の炭素数が13以上のものが好ましく、1分子中の炭素数が16〜30のものがより好ましい。
また、脂肪酸エステル系溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。
本発明の実施形態において、脂肪酸エステル系溶剤を単独で使用してもよいし、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクにおいて、脂肪酸エステル系溶剤の含有率(2種以上含有する場合は、合計の含有率)は、油性インクジェットインクの全質量を基準として、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは20〜70質量%、更に好ましくは20〜40質量%である。
[他の非水系溶剤]
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、非水系溶剤として、上述した脂肪酸エステル系溶剤以外の非水系溶剤を含有していてもよい。
このような非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用することもできる。なお、本発明において、非水系溶剤としては、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタス(登録商標)ノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール(登録商標)300、アイソゾール400、テクリーン(登録商標)N−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール(登録商標)160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製の商品名);アイソパー(登録商標)G、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソール(登録商標)D40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製の商品名)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製の商品名)、ソルベッソ(登録商標)100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製の商品名)等を好ましく挙げることができる。石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。例えば、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の非水系溶剤には、沸点を示さない非水系溶剤も含まれる。
これらの非水系溶剤は、単独で使用してもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、使用する非水系溶剤と単一相を形成できる範囲で他の有機溶剤を含ませてもよい。
本発明の実施形態において、非水系溶剤として、上述した脂肪酸エステル系溶剤に加え、高級アルコール系溶剤を更に添加することは、ノズルプレートに対するはじき性能の観点から好ましい。高級アルコール系溶剤を併用する場合、その含有率は、油性インクジェットインクの全質量を基準として、好ましくは1〜5%、より好ましくは3〜5%である。
<顔料>
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料及び染付レーキ顔料等の有機顔料並びに無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。無機顔料としては、代表的にはカーボンブラック及び酸化チタン等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の実施形態において、顔料の含有率(2種以上含有する場合は、合計の含有率)は、油性インクジェットインクの全質量を基準として、好ましくは3〜15質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。
<顔料分散剤>
油性インク中における顔料の分散を良好にするために、顔料分散剤を含有することが好ましい。顔料分散剤としては、顔料を非水系溶剤に安定して分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。これらの顔料分散剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
顔料分散剤剤の市販品としては、アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV216(ビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体)」(商品名)、日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース(登録商標)13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、24000、28000」(いずれも商品名)、BASFジャパン株式会社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、楠本化成株式会社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)、ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK(登録商標)−2200」(商品名)等が挙げられる。
これらの顔料分散剤のうち、ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤が好ましく使用される。かかるポリアミド系分散剤としては、ポリアルキレンイミンのような主鎖に多数の窒素原子を備え、この窒素原子を介してアミド結合した側鎖を複数備える化合物であって、この側鎖がポリエステル鎖であるものが好ましい。さらに、主鎖は、ポリエチレンイミンであることが好ましく、直鎖であっても枝分れ鎖であってもよく、枝分れ鎖であることが好ましく、重量平均分子量は60万以下であることが好ましい。また、側鎖は、ポリ(カルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ)鎖であることが好ましく、アミド架橋によって主査に結合していることが好ましく、重合度は3〜80程度であることが好ましい。ポリアミド系分散剤の具体例としては、上記の日本ルーブリゾール株式会社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(いずれも商品名)が挙げられる。
顔料分散剤は、顔料(2種以上含有する場合は、合計)に対し0.2〜1.0の質量比で含まれていることが好ましい。顔料分散剤のインク総量における含有率としては、0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の実施形態に係る油性インクは、さらに、油性インク中における顔料の分散を良好にするために、顔料誘導体を含有してもよい。顔料誘導体としては、顔料骨格に極性官能基が導入されたものであればよい。顔料誘導体としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の顔料の骨格に、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、ニトロ基、酸アミド基、カルボニル基、カルバモイル基、フタルイミド基、スルホニル基等の官能基を付加したもの、及びその塩等を好ましく用いることができる。具体的には、銅フタロシアニンブルーにアルキルアミノメチル基等を導入した塩基性フタロシアニン顔料誘導体、スルホン酸基、その金属塩及びアルキルアミン塩等を導入した酸性フタロシアニン顔料誘導体、フタルイミド基等を導入した中性銅フタロシアニン顔料誘導体、両末端ベンゼン環の片側だけに官能基が導入された非対称型ジスアゾイエロー顔料誘導体、脂肪族アミンと反応させたSchiff塩基型ジスアゾイエロー顔料誘導体等が挙げられる。また、キナクリドン顔料誘導体、アントラキノン顔料誘導体等の縮合多環顔料誘導体は、フタロシアニン顔料誘導体と同様の官能基を導入したものを好ましく挙げることができる。これらは単独で、または組み合わせて用いることができる。
顔料誘導体の市販品としては、日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース5000(フタロシアニン顔料誘導体)」、「ソルスパース12000(フタロシアニン顔料誘導体)」、「ソルスパース22000」、ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK−SYNERGIST2100(フタロシアニン顔料誘導体)」、「BYK−SYNERGIST2105(イエロー顔料誘導体)」、BASFジャパン株式会社製「エフカ6745」(フタロシアニン顔料誘導体)、「エフカ6750(アゾ顔料誘導体)」等を好ましく挙げることができる。
顔料誘導体は、用いる顔料と同一または類似した骨格を有するものを好ましく用いることができる。例えば、顔料としてカーボンブラックや銅フタロシアニンブルーを用いる場合は、顔料誘導体としてフタロシアニン顔料誘導体を好ましく用いることができる。
本発明の実施形態に係る油性インクが顔料誘導体を含有する場合、その含有率(2種以上含有する場合は、合計の含有率)は、油性インクジェットインクの全質量を基準として、好ましくは0.1〜1質量%であり、より好ましくは0.3〜0.6質量%である。
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクには、インクのノズルプレートに対するはじき性などに影響を与えない限り、上記の成分以外に、例えば、染料、防腐剤等を更に含有していてもよい。使用してもよい染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等の油溶性染料を挙げることができる。これらの染料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。具体的には、予め溶剤の一部と顔料及び分散剤の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
このようにして得られる本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクの23℃における粘度は、インクジェットヘッドノズルからの吐出に適した5〜30mPa・sの範囲に設定することが好ましく、7〜14mPa・sの範囲に設定することがより好ましい。また、保存環境によってインクが凍結しないように、インクの凝固点は−5℃以下とするのが好ましい。
<記録媒体>
本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクを、インクジェット印刷機を用いて記録媒体上に吐出し、画像を形成する際に用いられる記録媒体としては、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、記録液等の浸透性の観点からは、普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。印刷用紙の中でも、普通紙が好適である。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上に記録液の受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、記録液等が浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<アミド系溶剤の合成>
[溶剤Aの合成]
撹拌装置、熱電対および窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、表1記載の質量比率でN,N−ジエチルアクリルアミドおよびメタノールを入れ、窒素ガスを導入しながら撹拌した。次に、ナトリウム t−ブトキシドを加え、35℃で4時間反応させた。加熱終了後、リン酸を加え、溶液を均一にした後、3時間放置した。溶液を濾過して、析出物を除去し、さらにエバポレーターで未反応物を除いた。このようにして、下記式(IA)で示される溶剤Aを得た。尚、表1に記載の数値は質量比率である。
[溶剤B〜Dの合成]
原料であるN,N−ジメチルアクリルアミド及びメタノールを下記表1に示す成分に変更した以外は、溶剤Aの合成方法と同様の方法により、下記式(IB)で示される溶剤B、下記式(IC)で示される溶剤C、及び、下記式(ID)で示される溶剤Dを合成した。
<油性インクジェットインクの調製>
実施例1〜16、比較例1〜4
後掲の表2に示す各成分を、同表に示す割合でプレミックスして調合液を作製した。この調合液をビーズミルに充填して分散して分散体を得た。なお、表2中の各成分の配合率は質量%を表す。
<評価>
上記で得られたインクジェットインクについて、以下の方法により、評価した。
[ワイピング耐久性]
調製した各インクをインクジェットプリンター「オルフィスEX9050」(商品名:理想科学工業(株)製)に装填し、ヘッドメンテナンスのノーマルクリーニングにより、ヘッドクリーニングを5000回実施し、ワイピングブレードが接した部分の撥インク性を目視で評価した。この評価が良好であることは、ノズルプレートに対するはじき性に優れ、ノズルプレートの劣化の抑制効果が高いことを示す。
S:ワイピングブレードが接した全ての部分において、ヘッドクリーニング後、10秒未満でインクが完全にはじかれた。
A:ワイピングブレードが接した全ての部分において、ヘッドクリーニング後、10秒以上かかるが20秒未満でインクが完全にはじかれた。
B:ワイピングブレードが接した全ての部分において部分において、ヘッドクリーニング後、20秒以上かかるがインクが完全にはじかれた。
C:ワイピングブレードが接した部分において、ヘッドクリーニング後、時間をおいても最終的にインクをはじけない部分がある。
[画像濃度]
調製した各インクをインクジェットプリンター「オルフィスEX9050」(商品名:理想科学工業(株)製)に装填し、普通紙「理想用紙薄口」(商品名:理想科学工業(株)製)にベタ画像を印刷した。得られたベタ画像の表面のOD値を、光学濃度計(RD920 マクベス社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。表面のOD値が高いほど、画像濃度が高いことを示す。
A:OD値が1.15以上
B:OD値が1.00以上1.15未満
C:OD値が1.00未満
[保存安定性]
調製した各インクを密閉容器に入れて、70℃の環境下で4週間放置した。放置後の各インク1mlを、2μmポリカーボネートメンブレンフィルターで濾過した後、光学顕微鏡で観察した際の異物の有無により、保存安定性を評価した。
A:異物なし
C:異物あり
[用紙変形]
画像濃度の評価で使用した用紙を水平面に静置後、用紙が変形して持ち上がった際の水平面からの最大高さを測定し、以下の基準で評価した。
A:±5mm未満
B:±5mm以上10mm未満
C:±10mm以上
表中で使用した材料は、下記の通りである。
・トーカブラック(登録商標)♯8300/F(製品名、東海カーボン株式会社製カーボンブラック)
・MA8(製品名、三菱化学株式会社製カーボンブラック)
・DISPERBYK−2200(製品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製顔料分散剤)
・ソルスパース28000(製品名、日本ルーブリゾール株式会社製顔料分散剤)
・エクソールD110(製品名、東燃ゼネラル石油株式会社製ナフテン系炭化水素溶剤)
・アイソパーL(製品名、東燃ゼネラル石油株式会社製イソパラフィン系炭化水素溶剤)
・エキセパール(登録商標)IPM(製品名、花王株式会社製ミリスチン酸イソプロピル)
・エキセパールM−OL(製品名、花王株式会社製オレイン酸メチル)
・エクアミド(登録商標)M100(製品名、出光興産株式会社製アミド系溶剤)
・エクアミドB100(製品名、出光興産株式会社製アミド系溶剤)
表2に示す評価結果から、本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、画像濃度が高く、且つ、ノズルプレートに対するはじき性に優れノズルプレートの劣化を抑制できることがわかる。また、本発明の実施形態に係る油性インクジェットインクは、保存安定性及び用紙変形の抑制能にも優れていることがわかる。
本発明に係る油性インクジェットインクは、はじき性向上によるノズルプレートの劣化の抑制能、画像濃度、保存安定性及び用紙変形の抑制能の全てにおいて優れており、インクジェット記録システムにおいて使用される油性インクジェットインクとして有用である。

Claims (2)

  1. 顔料と、顔料分散剤と、非水系溶剤として少なくとも脂肪酸エステル系溶剤と、下記一般式(I)で表されるアミド系溶剤とを含有する油性インクジェットインク。
    式中、
    およびRは、各々独立して、メチル基又はエチル基を表し、
    は、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
  2. 一般式(I)中のRは、炭素数1〜6のアルキル基である、請求項1に記載の油性インクジェットインク。
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