JP7498052B2 - 油性インクジェットインク - Google Patents

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Description

本発明は、油性インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となって乾燥する。
油性インクは、基材に浸透して乾燥する浸透乾燥方式のインクである。油性インクを用いて連続印刷する際に、基材に付与された未乾燥のインクが搬送ローラ等に付着し、搬送ローラ等に付着したインクが続けて搬送されてくる後続の基材に転写されて、印刷物に汚れが発生することがある。この現象を転写汚れという。
また、油性インクによる印刷では、基材に溶剤が浸透する際に、溶剤とともに顔料が基材内部に引き込まれることで、基材表面に留まる顔料成分が少なくなり、画像濃度が低下する現象がある。
特許文献1には、油性インクにおいて、極性が低い溶剤と極性が高い溶剤とを組み合わせ、これらの溶剤の相溶性を高める溶剤をさらに添加することで、インクの貯蔵安定性及び吐出安定性とともに、浸透乾燥性を改善し、ローラ転写汚れを抑制することが提案されている。
特許文献2には、非水系インクにおいて、乾燥性及び耐擦過性に優れた画像を記録するために、非水系溶剤を特定し、非水系溶剤の標準沸点が185℃以下であることが好ましいことが提案されている。特許文献2では、乾燥しやすい非水系インクを用いるため、予備吐出を行って、ノズルの詰まりを抑制することが開示されている。また、特許文献2では、塩ビバナーシート等のインク低吸収性の記録媒体に非水系インクを吐出し、記録媒体表面から非水系インク中の溶剤を揮発させて画像を形成している。
特開2012-12432号公報 特開2015-150824号公報
特許文献1では、溶剤の極性の観点からローラ転写汚れを抑制しようとしているが、極性の異なる溶剤を用いるとインクの安定性が低下する傾向があり、別の観点からの改善も期待される。
特許文献2では、高揮発性の溶剤を含む非水系インクをインク低吸収性の記録媒体に付与するため、溶剤が乾燥する前に印刷面が搬送ローラ等に接触することで、ローラ転写汚れが発生することがある。また、高揮発性の溶剤を含む非水系インクを浸透性基材に付与する場合では、基材内部まで溶剤が浸み込み、いわゆる透き通しの影響で画像濃度が低下する傾向がある。
また、転写汚れを防止する観点から、油性インクの基材への浸透乾燥性を高めると、溶剤とともに顔料も基材内部に引き込まれ、画像濃度が低下する傾向がある。また、油性インクの成分バランスによっては、基材上に付与されたインクが濡れ広がり、画像の滲みが発生し画質が低下することがある。
本発明の一目的としては、搬送部材による転写汚れを防止するとともに、高画質な印刷物を提供することである。
本発明の一実施形態としては、顔料、粘度が5.0mPa・s以下であり沸点が300℃以上400℃未満である脂肪酸エステル系溶剤(A)、及び粘度が10.0mPa・s以上であり沸点が400℃以上である脂肪酸エステル系溶剤(B)を含む、油性インクジェットインクである。
本発明の一実施形態によれば、搬送部材による転写汚れを防止するとともに、高画質な印刷物を提供することができる。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
一実施形態による油性インクジェットインク(以下、単に油性インク又はインクと称することがある。)としては、顔料、粘度が5.0mPa・s以下であり沸点が300℃以上400℃未満である脂肪酸エステル系溶剤(A)、及び粘度が10.0mPa・s以上であり沸点が400℃以上である脂肪酸エステル系溶剤(B)を含むことを特徴とする。
この油性インクジェットインクによれば、搬送部材による転写汚れを防止するとともに、高画質な印刷物を提供することができる。
以下、粘度が5.0mPa・s以下であり沸点が300℃以上400℃未満である脂肪酸エステル系溶剤(A)を単に脂肪酸エステル系溶剤(A)とも記し、粘度が10.0mPa・s以上であり沸点が400℃以上である脂肪酸エステル系溶剤(B)を単に脂肪酸エステル系溶剤(B)とも記す。
粘度が5.0mPa・s以下であり沸点が300℃以上400℃未満である脂肪酸エステル系溶剤(A)は、低粘性かつ低沸点の溶剤であることから、浸透乾燥性が良好であり、転写汚れの発生を防止することができる。一方で、低粘性かつ低沸点の溶剤は蒸発乾燥をしやすい。印刷後に一定期間経過することで、基材内部の溶剤が乾燥し、紙等の基材が透けにくくなる。これにより、透けて見えていた基材内部中の顔料が見えにくくなり、表面濃度が経時で低下する傾向がある。
脂肪酸エステル系溶剤(A)と脂肪酸エステル系溶剤(B)とを組み合わせて用いることで、脂肪酸エステル系溶剤(A)の蒸発乾燥を抑制して、経時での画像濃度の低下を防止することができる。粘度が10.0mPa・s以上であり沸点が400℃以上である脂肪酸エステル系溶剤(B)は高粘性を示すが、高粘性の溶剤は浸透乾燥が悪く、転写汚れが発生しやすい。そこで、脂肪酸エステル系溶剤(A)と脂肪酸エステル系溶剤(B)とを組み合わせて用いることで、混合溶剤全体として低粘性とすることができ、経時での画像濃度の低下の防止と、転写汚れの防止とを両立できると考えられる。
本明細書において、粘度は、23℃において測定した数値である。粘度測定装置には、例えば、株式会社アントンパール・ジャパン製「レオメーターMCR302」を用いることができる。また、溶剤の沸点は、1気圧下での数値である。
油性インクジェットインクは、粘度が5.0mPa・s以下であり沸点が300℃以上400℃未満である脂肪酸エステル系溶剤(A)を含むことが好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)は、粘度が5.0mPa・s以下が好ましい。これによって、浸透乾燥性を高めて、転写汚れの発生を防止することができる。また、後述する粘度比「上澄み液/インク」をより好ましい範囲に調節することができるようになり、画像の精細性をより改善することができる。
インク自体を低粘度化するために、脂肪酸エステル系溶剤(A)の粘度は4.0mPa・s以下であってもよい。脂肪酸エステル系溶剤(A)の粘度の下限値は特に限定されないが、1.0mPa・s以上が好ましく、2.0mPa・s以上であってもよい。例えば、脂肪酸エステル系溶剤(A)の粘度は、1.0~5.0mPa・sが好ましく、2.0~4.0mPa・sがより好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)は、沸点が300℃以上400℃未満であることが好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)の沸点は、300℃以上が好ましい。これによって、蒸発乾燥を緩やかにして、経時での画像濃度の低下を防止することができる。脂肪酸エステル系溶剤(A)の沸点は、400℃未満が好ましく、380℃以下がより好ましく、350℃以下がさらに好ましい。これによって、蒸発乾燥性を高めて、転写汚れを防止することができる。例えば、脂肪酸エステル系溶剤(A)の沸点は、300℃以上400℃未満が好ましく、300℃以上380℃以下がより好ましく、300℃以上350℃以下がさらに好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)は、脂肪酸とアルコールとのエステル化物である。脂肪酸は、飽和又は不飽和脂肪酸であってよく、飽和脂肪酸が好ましい。アルコールは、モノアルコール、1価アルコール、又は2価以上の多価アルコールであってよく、1価アルコールが好ましい。脂肪酸エステル系溶剤(A)は、23℃において液体状であることが好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)の具体例としては、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、デカン酸ヘキシル、デカン酸ヘプチル、ノナン酸イソオクチル、ノナン酸ヘプチル、オクタン酸イソデシル、オクタン酸オクチル、オクタン酸ノニル、ヘキサン酸デシル等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤(A)のより具体的な例としては、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、デカン酸ヘキシル、デカン酸ヘプチル、ノナン酸イソオクチル、ノナン酸2-エチルヘキシル、ノナン酸6-メチルヘプチル、ノナン酸ヘプチル、オクタン酸イソデシル、オクタン酸2-プロピルヘプチル、オクタン酸オクチル、オクタン酸ノニル、ヘキサン酸デシル等が挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせてインクに配合してもよい。
本明細書において、「イソ」は、アルキル基部分にメチル分岐構造等に代表される分岐構造を有する構造の接頭辞として使われる。
脂肪酸エステル系溶剤(A)は、インク全量に対し、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。これによって、転写汚れの発生をより防止することができる。
脂肪酸エステル系溶剤(A)は、インク全量に対し、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。これによって、経時での画像濃度の低下をより抑制することができる。
油性インクジェットインクは、粘度が10.0mPa・s以上であり沸点が400℃以上である脂肪酸エステル系溶剤(B)を含むことが好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(B)は、高粘度かつ高沸点溶剤であるが、低粘度の脂肪酸エステル系溶剤(A)と組み合わせて用いることで、インク自体の粘度上昇を抑制することができる。
脂肪酸エステル系溶剤(B)の粘度は、10mPa・s以上が好ましく、15mPa・s以上がより好ましい。また、脂肪酸エステル系溶剤(B)の粘度は、50mPa・s以下が好ましく、40mPa・s以下がより好ましい。例えば、脂肪酸エステル系溶剤(B)の粘度は、10~50mPa・sが好ましく、15~40mPa・sがより好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(B)は、沸点が400℃以上であることが好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(B)の沸点は、400℃以上が好ましく、420℃以上がより好ましい。これによって、経時での画像濃度の低下を抑制することができる。脂肪酸エステル系溶剤(B)の沸点は、特に制限されないが、溶剤自体の流動性の観点からインク粘度の上昇を抑制するために、550℃以下が好ましく、500℃以下がさらに好ましい。例えば、脂肪酸エステル系溶剤(B)の沸点は、400℃以上550℃以下が好ましく、420℃以上500℃以下がより好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)と脂肪酸エステル系溶剤(B)との粘度の差は、5mPa・s以上が好ましく、10mPa・s以上が好ましい。これによって、経時での画像濃度の低下の防止及び転写汚れの発生の防止の効果をともにより得ることができる。
脂肪酸エステル系溶剤(A)と脂肪酸エステル系溶剤(B)との沸点の差は、10℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。これによって、経時での画像濃度の低下の防止及び転写汚れの発生の防止の効果をともにより得ることができる。
脂肪酸エステル系溶剤(B)は、脂肪酸とアルコールとのエステル化物である。脂肪酸は、飽和又は不飽和脂肪酸であってよく、飽和脂肪酸が好ましい。アルコールは、モノアルコール、1価アルコール、又は2価以上の多価アルコールであってよく、1価アルコールが好ましい。脂肪酸エステル系溶剤(B)は、23℃において液体状であることが好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(B)の具体例としては、イソオクタン酸セチル、ラウリン酸イソセチル、ラウリン酸イソステアリル、ラウリン酸イソエイコシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソエイコシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソセチル等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤(B)のより具体な例としては、イソオクタン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セチル、6-メチルヘプタン酸セチル、ラウリン酸イソセチル、ラウリン酸16-メチルペンタデシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、ラウリン酸イソステアリル、ラウリン酸2-ヘプチルウンデシル、ラウリン酸16-メチルヘプタデシル、ラウリン酸イソエイコシル、ラウリン酸18-メチルノナデシル、ラウリン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸16-メチルペンタデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-ヘプチルウンデシル、ミリスチン酸16-メチルヘプタデシル、ミリスチン酸イソエイコシル、ミリスチン酸18-メチルノナデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸6-メチルヘプチル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、パルミチン酸16-メチルヘプタデシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸6-メチルヘプチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸16-メチルペンタデシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル等が挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせてインクに配合してもよい。
脂肪酸エステル系溶剤(B)は、インク全量に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。これによって、経時での画像濃度の低下を抑制することができる。
脂肪酸エステル系溶剤(B)は、インク全量に対し、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。これによって、転写汚れの発生を防止することができる。
脂肪酸エステル系溶剤(A)及び脂肪酸エステル系溶剤(B)の合計量は、インク全量に対し、20~95質量%が好ましく、50~95質量%がより好ましく、50~90質量%がより好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)及び脂肪酸エステル系溶剤(B)の合計量に対する脂肪酸エステル系溶剤(B)は、1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましく、10~30質量%がより好ましい。
一実施形態による油性インクにおいて、インクを遠心力100000G、5分間で遠心分離した上澄み液の23℃の粘度は、インクの23℃の粘度に対し、0.80以下であることが好ましい。以下、インクの23℃での粘度に対する、インクを遠心力100000G、5分間で遠心分離した上澄み液の23℃での粘度を粘度比「上澄み液/インク」とも記す。
粘度比「上澄み液/インク」が0.80以下であることで、基材にインクが付与された状態で、基材上でドットが広がりにくく、ドットが滲みにくくなるため、精細な画像を形成することができる。これは、文字、写真、イラスト等の細線再現性を高めることに有効である。
粘度比「上澄み液/インク」が0.80以下であることで、基材にインクが付与されて溶剤が基材内部に浸透していく過程において、基材表面に残留するインク成分と、基材内部に浸透するインク成分との粘度差を大きくすることができる。基材表面に残留するインク成分としては、顔料、任意的に配合される顔料分散剤、界面活性剤等が含まれる。基材内部に浸透するインク成分としては、脂肪酸エステル系溶剤(A)、脂肪酸エステル系溶剤(B)、任意的に配合されるその他の溶剤等が含まれる。
基材表面に残留するインク成分と、基材内部に浸透するインク成分との粘度差が大きいことで、基材表面に顔料が残留しながら、顔料が濡れ広がる前に、溶剤が速やかに基材内部に浸透するため、基材表面でのドットの広がりを防止することができると考えられる。
基材表面に残留するインク成分と、基材内部に浸透するインク成分との粘度差が大きくなると、基材表面に残留するインク成分は粘度が高くなり、浸透乾燥性が低下する傾向がある。そのため、基材表面に残留する顔料が、印刷装置内部の搬送部材に付着し、さらに後続の基材に搬送部材から顔料が再付着し、転写汚れが発生することがある。これに対し、油性インクに、脂肪酸エステル系溶剤(A)を含ませることで、浸透乾燥性を高めて、転写汚れの発生を防止することができる。
この粘度比「上澄み液/インク」は、0.80以下が好ましく、0.70以下がより好ましい。これによって、画像の精細性をより改善することができる。具体的には、細線再現性をより改善することができる。この粘度比「上澄み液/インク」の下限値は特に限定されないが、0.40以上が好ましく、0.50以上がより好ましい。これによって、転写汚れの発生を防止することができる。
粘度比「上澄み液/インク」は、油性インクに配合される成分の種類及び配合割合等によって調整することができる。具体的には、顔料の配合量、溶剤の粘度及び配合量等を調節することが有効である。また、油性インクに顔料分散剤が含まれる場合は、顔料分散剤の粘度及び配合割合を調節することが有効である。これらは組み合わせて調節するとよい。
ここで、遠心分離後の上澄み液粘度は、以下の手順によって測定することができる。
油性インクを遠心力100000G、5分間で遠心分離し、上澄み液を取り出す。この上澄み液粘度を23℃において測定する。インク粘度は、23℃において測定する。測定される遠心分離後の上澄み液粘度とインク粘度とから、粘度比「上澄み液/インク」を求めることができる。
油性インクジェットインクには、脂肪酸エステル系溶剤(A)及び脂肪酸エステル系溶剤(B)に加えて、その他の非水系溶剤が含まれてもよい。
その他の非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。なお、一実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
その他の非水系溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤;高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤等が挙げられる。また、油性インクには、脂肪酸エステル系溶剤(A)及び脂肪酸エステル系溶剤(B)以外のその他の脂肪酸エステル系溶剤が含まれてもよい。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN-10、カクタスノルマルパラフィンN-11、カクタスノルマルパラフィンN-12、カクタスノルマルパラフィンN-13、カクタスノルマルパラフィンN-14、カクタスノルマルパラフィンN-15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN-16、テクリーンN-20、テクリーンN-22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが一層好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、その他の脂肪酸エステル系溶剤等を好ましく挙げることができる。
高級アルコール系溶剤としては、例えば、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール、1-オクタデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12~20の高級アルコール系溶剤等が挙げられる。
高級脂肪酸系溶剤としては、例えば、ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14~20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
その他の脂肪酸エステル系溶剤としては、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソプロピル、ネオペンタン酸2-オクチルデシル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16~30の脂肪酸エステル系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤(A)及び脂肪酸エステル系溶剤(B)と組み合わせて、上記したその他の非水系溶剤を用いる場合は、その他の非水系溶剤として、非極性溶剤を用いることが好ましい。
油性インクにその他の非水系溶剤が含まれる場合では、脂肪酸エステル系溶剤(A)及び脂肪酸エステル系溶剤(B)の合計量は、非水系溶剤全量に対し、10~90質量%が好ましく、50~90質量%がより好ましく、70~80質量%がより好ましい。
一実施形態による油性インクジェットインクは、顔料を含むことができる。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン顔料等の金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料の平均粒子径としては、吐出安定性と保存安定性の観点から、動的光散乱法により測定した粒度分布における体積基準の平均値として、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは150nm以下であり、一層好ましくは100nm以下である。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、4~10質量%であることが一層好ましい。
インク中で顔料を安定して分散させるために、顔料とともに顔料分散剤を用いることができる。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。
顔料分散剤の市販品例としては、例えば、アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV216(ビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体)、V220(ビニルピロリドン・エイコセン共重合体)」(いずれも商品名);日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940(ポリエステルアミン系)、16000、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、24000、28000」(いずれも商品名);BASFジャパン株式会社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名);楠本化成株式会社製「ディスパロンKS-860、KS-873N4(ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名);第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA-202、OA-600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名);ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK2155、9077」(いずれも商品名);クローダジャパン株式会社製「HypermerKD2、KD3、KD11、KD12」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1~5で配合することができ、好ましくは0.3~1である。また、顔料分散剤は、インク全量に対し、0.01~10質量%で配合することができ、好ましくは0.1~8質量%であり、より好ましくは1~8質量%である。
上記各成分に加えて、油性インクには、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。また、発色性の観点から顔料に加えて染料をさらに添加してもよい。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
油性インクの製造方法は特に限定されないが、一方法としては、各成分を一括ないし分割して混合及び撹拌してインクを作製することができる。具体的には、ビーズミル等の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等のろ過機を通すことにより作製することができる。
油性インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5~30mPa・sであることが好ましく、5~15mPa・sであることがより好ましく、8~13mPa・sであることが、一層好ましい。
インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから一実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を基材に付着させるようにすることが好ましい。
一実施形態によるインクは、低粘性でインクジェットノズルからの吐出に適するため、常温(23℃)付近で適性に吐出することが可能である。
一実施形態において、基材は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、浸透性基材が好ましく、なかでも普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm~数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
「インクの作製」
インクの処方を表1及び表2に示す。溶剤の沸点及び粘度を表中に示す。表中に示す配合量にしたがって、顔料、顔料分散剤、及び溶剤を混合し、ビーズミル「ダイノーミルKDL-A」(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で、十分に顔料を分散した。続いて、メンブレンフィルターで粗大粒子を除去し、インクを得た。
用いた成分は、以下の通りである。
(顔料)
カーボンブラック MA77:三菱ケミカル株式会社製。
FASTOGEN Blue LA5380:DIC株式会社製。
(顔料分散剤)
ソルスパース18000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース18000」、有効成分100質量%。
ソルスパース16000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース16000」、有効成分100質量%。
(溶剤)
ミリスチン酸メチル:ミリスチン酸とメタノールをエステル化したもの。
デカン酸ヘキシル:デカン酸とヘキサノールをエステル化したもの。
オクタン酸2-プロピルヘプチル:BASF社製「cetiol sensoft」。
ミリスチン酸オクチルドデシル:高級アルコール工業株式会社製「ODM」。
ステアリン酸2-エチルヘキシル:花王株式会社製「エキセパール EH-S」。
イソノナン酸エチルヘキシル:高級アルコール工業株式会社製「ES108109」。
イソステアリン酸エチル:高級アルコール工業株式会社製「EIS-V」。
石油系炭化水素溶剤:エクソンモービル社製「エクソールD130」。
表中に示す溶剤の粘度は、23℃において、株式会社アントンパール・ジャパン製「レオメーターMCR302」を用いて、コーン角度1°、直径50mmで測定した数値である。
表中に示す溶剤の沸点は、1気圧下での数値である。
表中に示す粘度比「上澄み液/インク」は、次の手順で求めた。まず、インクの粘度を測定した。23℃において、インクを遠心力100000G、5分間で遠心分離し、上澄み液を取り出した。この上澄み液の粘度を測定した。遠心分離の条件は以下の通りである。
超遠心機:HITACHI製「himac CS150GX II」
ローター:S150AT
遠心力:100000(G)
1分間あたりの回転数:50000(rpm)
回転半径:3.58(cm)
回転時間:5(分)
得られた結果から、粘度比「上澄み液/インク」を計算して求めた。
インク粘度及び上澄み液粘度は、23℃において、株式会社アントンパール・ジャパン製「レオメーターMCR302」を用いて、コーン角度1°、直径50mmで測定した。
求めた粘度比「上澄み液/インク」を以下の基準で評価した。結果を表中に示す。
A:0.70以下。
B:0.70超過0.80以下。
C:0.80超過。
「評価」
上記実施例及び比較例のインクについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を各表に示す。
(印刷物の作製)
得られたインクをライン式インクジェットプリンター「オルフィスFW5230」(理想科学工業株式会社製)に装填し、普通紙「理想用紙薄口」(理想科学工業株式会社製)に、カラーチャート(JEITA標準パターンJ8)をカラーモード設定で単色印刷(黒インクは白黒、シアンインクは単色シアン)に設定し、印刷物を得た。
(細線再現性)
得られた印刷物の文字部を目視で観察して、以下の基準で細線再現性を評価した。
A:滲みが無い。
B:若干滲みがある。
C:滲みが顕著である。
(経時での画像濃度)
得られた印刷物を用いて、印刷物を1日放置した後のベタ画像部分を測色し、印刷物を1週間放置した後のベタ画像部分を測色し、その差から以下の基準で経時での画像濃度を評価した。差が小さい方が経時による画像濃度の変化が少なく好ましい状態である。
A:ΔODが0.020未満。
B:ΔODが0.020以上、0.030未満。
C:ΔODが0.030以上。
(転写汚れの防止性能)
上記したカラーチャートを1000枚印刷し、次いで白紙を印刷する設定で用紙を1枚通過させ、得られた白紙に付着する汚れを目視で観察した。以下の基準で転写汚れを評価した。
A:目視で汚れが確認できない。
B:目視で汚れが若干確認できる。
C:目視で汚れが明らかに確認できる。
Figure 0007498052000001
Figure 0007498052000002
表中に示す通り、各実施例のインクでは、細線再現性、経時での画像濃度、転写汚れの防止性能がいずれも良好であった。また、各実施例のインクはインクジェット印刷に適する粘度であり、吐出性能が良好であった。
実施例1~4では、脂肪酸エステル系溶剤(A)と脂肪酸エステル系溶剤(B)との組み合わせを変更した例であるが、いずれも良好な結果であった。実施例5から、石油系炭化水素溶剤を併用する場合も良好な結果が得られることがわかる。実施例6から、粘度比「上澄み液/インク」が0.80以下、好ましくは0.70以下で、細線再現性がより改善されることがわかる。
実施例7から、高沸点の脂肪酸エステル系溶剤(B)が5質量%以上、好ましくは10質量%以上で、経時での画像濃度がより改善されることがわかる。実施例8から、低沸点の脂肪酸エステル系溶剤(A)が50質量%以上、好ましくは60質量%以上で、転写汚れがより防止されることがわかる。実施例9から、顔料及び顔料分散剤の種類によらずに良好な結果が得られることがわかる。
比較例1は、低沸点の脂肪酸エステル系溶剤(A)のみを含む例であり、経時での画像濃度の評価が劣った。比較例2は、高沸点の脂肪酸エステル系溶剤(B)のみを含む例であり、転写汚れの防止性能及び細線再現性が劣った。比較例3は、脂肪酸エステル系溶剤(B)と、低沸点・低粘度の脂肪酸エステル系溶剤とを組み合わせた例であり、経時での画像濃度の評価が劣った。
比較例4は、脂肪酸エステル系溶剤(A)と、低沸点・高粘度の脂肪酸エステル系溶剤とを組み合わせた例であり、経時での画像濃度が劣った。比較例5は、脂肪酸エステル系溶剤(B)と、低沸点・高粘度の脂肪酸エステル系溶剤とを組み合わせた例であり、細線再現性及び転写汚れの防止性能が劣った。

Claims (4)

  1. 顔料、粘度が5.0mPa・s以下であり沸点が300℃以上400℃未満である脂肪酸エステル系溶剤(A)、及び粘度が10.0mPa・s以上であり沸点が400℃以上である脂肪酸エステル系溶剤(B)を含み、前記脂肪酸エステル系溶剤(A)は、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、デカン酸ヘキシル、デカン酸ヘプチル、ノナン酸イソオクチル、ノナン酸ヘプチル、オクタン酸イソデシル、オクタン酸オクチル、オクタン酸ノニル、及びヘキサン酸デシルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、油性インクジェットインク。
  2. 前記脂肪酸エステル系溶剤(B)は、イソオクタン酸セチル、ラウリン酸イソセチル、ラウリン酸イソステアリル、ラウリン酸イソエイコシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソエイコシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソセチルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項に記載の油性インクジェットインク。
  3. インクを遠心力100000G、5分間で遠心分離した上澄み液の23℃での粘度は、インクの23℃での粘度に対し、0.80以下である、請求項1又は2に記載の油性インクジェットインク。
  4. インクを遠心力100000G、5分間で遠心分離した上澄み液の23℃での粘度は、インクの23℃での粘度に対し、0.70以下である、請求項1からのいずれか1項に記載の油性インクジェットインク。
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