JP2022151146A - 油性インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた吐出性能を備え、印刷物の印刷面汚れを防止し、印刷物による樹脂製品の変質又は変形の発生を抑制することが可能な油性インクジェットインクを提供することである。【解決手段】色材及び非水系溶剤を含み、非水系溶剤は、芳香環とアルキレンオキシド基とを含み、1分子中の炭素数が12~20である芳香族モノエステルを含む、油性インクジェットインクである。芳香族モノエステルは、例えばアルキレンオキシド基の末端の酸素原子に結合するメチル基を有するものであってよい。【選択図】なし
Description
本発明は、油性インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルから液滴として噴射し、ノズルに対向して置かれた記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、水を主溶媒として含有する水性インク、重合性モノマーを主成分として高い含有量で含有する紫外線硬化型インク(UVインク)、ワックスを主成分として高い含有量で含有するホットメルトインク(固体インク)とともに、非水系溶剤を主溶媒として含有する、いわゆる非水系インクが知られている。非水系インクは、主溶媒が揮発性有機溶剤であるソルベントインク(溶剤系インク)と、主溶媒が低揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤である油性インク(オイル系インク)に分類できる。ソルベントインクは主に有機溶剤の蒸発によって記録媒体上で乾燥するのに対して、油性インクは記録媒体への浸透が主となっている。
油性インクジェットインクによって画像形成された印刷物を、ポリプロピレン(PP)製等のクリアファイルに挟み込み保管すると、クリアファイルが反り返って変形する問題がある。この一因としては、クリアファイルが印刷面と接すると、インク成分によってクリアファイルの片面が膨潤するためと考えられる。このように、印刷面が樹脂製品に接触すると樹脂製品が変質することがあり、フィルム状の樹脂製品では変形が引き起こされることもある。このような印刷物による樹脂製品への影響はインク成分の中でも溶剤の影響を大きく受けることがわかってきている。
一方、インクジェット記録方式では、ノズルから吐出されたインクの液滴は尾を引く形で飛翔し、この飛翔する液滴の先頭部分と後尾部分との間に時間差や速度差が生じる。このため、先行する主たる液滴に付随して、不要な微小液滴(サテライト)が発生することがある。ノズルからインク液滴が吐出され基材に付着する際に、インクの主滴からずれてサテライトが基材に着弾すると印刷面汚れの原因になる。
このサテライト現象を防止する技術として、特許文献1には、顔料及び非水系溶剤とともに、特定の非水溶性樹脂と水溶性樹脂とを用いて、インクの低粘度化を図り、サテライトの発生を抑制することが提案されている。
また、特許文献2には、色材及び非水系溶剤とともに、特定の非水系樹脂と水溶性樹脂とを用いて、インクの低粘度化を図りサテライトの発生を抑制するとともに、ノズルプレートへのインクの濡れ性を抑制し、吐出安定性を改善することが提案されている。
また、特許文献2には、色材及び非水系溶剤とともに、特定の非水系樹脂と水溶性樹脂とを用いて、インクの低粘度化を図りサテライトの発生を抑制するとともに、ノズルプレートへのインクの濡れ性を抑制し、吐出安定性を改善することが提案されている。
特許文献1及び2の開示では、インクの低粘度化について樹脂成分を特定するのみで、非水系溶剤の観点からインクの低粘度化、さらにはサテライトの防止を図るものではない。特許文献1及び2に開示されるインクは、低粘性である一方で、非水系溶剤に起因して表面張力が低くサテライトによる印刷面汚れを引き起こす可能性がある。また、特許文献1及び2に開示されるインクは、非水系溶剤に起因してクリアファイルの変形等の樹脂製品の変質又は変形が引き起こされる可能性がある。
本発明の一目的としては、優れた吐出性能を備え、印刷物の印刷面汚れを防止し、印刷物による樹脂製品の変質又は変形の発生を抑制することが可能な油性インクジェットインクを提供することである。
本発明の一側面としては、色材及び非水系溶剤を含み、前記非水系溶剤は、芳香環とアルキレンオキシド基とを含み、1分子中の炭素数が12~20である芳香族モノエステルを含む、油性インクジェットインクである。
本発明の一実施形態によれば、優れた吐出性能を備え、印刷物の印刷面汚れを防止し、印刷物による樹脂製品の変質又は変形の発生を抑制することが可能な油性インクジェットインクを提供することができる。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
一実施形態による油性インクジェットインク(以下、単に油性インク又はインクと称することがある。)としては、色材及び非水系溶剤を含み、非水系溶剤は、芳香環とアルキレンオキシド基とを含み、1分子の炭素数が12~20である芳香族モノエステルを含むことを特徴とする。
この油性インクジェットインクによれば、優れた吐出性能を備えることができ、印刷物の印刷面汚れを防止することができ、印刷物による樹脂製品の変質又は変形の発生を抑制することができる。
吐出性能が改善されることで、油性インクジェットインクをインクジェットノズルから吐出する際に、インク滴の飛行曲がり、不吐出等を防止することができる。
印刷物の印刷面汚れは、インクジェットノズルからインクが吐出し基材に着弾するまでの間に、インクの主滴から切り離される微小液滴、いわゆるサテライトが発生し、インクの主滴の着弾位置からずれてサテライトが着弾することで、印刷面の汚れとして観察される。そのため、サテライトの発生が抑制されることで、印刷面汚れを引き起こす可能性が低くなる。
印刷物による樹脂製品の変質又は変形の一例としては、ポリプロピレン(PP)製のクリアファイルに印刷物を挟み込んで保管する場合に、クリアファイルの内面に印刷物表面のインクが接触し、クリアファイルの内面がインク成分の影響を受けて膨潤するとクリアファイルが外側に反り返る現象がある。
この油性インクジェットインクによれば、優れた吐出性能を備えることができ、印刷物の印刷面汚れを防止することができ、印刷物による樹脂製品の変質又は変形の発生を抑制することができる。
吐出性能が改善されることで、油性インクジェットインクをインクジェットノズルから吐出する際に、インク滴の飛行曲がり、不吐出等を防止することができる。
印刷物の印刷面汚れは、インクジェットノズルからインクが吐出し基材に着弾するまでの間に、インクの主滴から切り離される微小液滴、いわゆるサテライトが発生し、インクの主滴の着弾位置からずれてサテライトが着弾することで、印刷面の汚れとして観察される。そのため、サテライトの発生が抑制されることで、印刷面汚れを引き起こす可能性が低くなる。
印刷物による樹脂製品の変質又は変形の一例としては、ポリプロピレン(PP)製のクリアファイルに印刷物を挟み込んで保管する場合に、クリアファイルの内面に印刷物表面のインクが接触し、クリアファイルの内面がインク成分の影響を受けて膨潤するとクリアファイルが外側に反り返る現象がある。
本実施形態の芳香族モノエステル(以下、単に芳香族モノエステルと称することがある。)は、芳香環構造に起因して高表面張力を示し、アルキレンオキシド基構造に起因して高極性を示す傾向がある。この高表面張力を示す芳香族モノエステルを含むインクを用いることで、ノズルからインク液滴が吐出する際にインクの主滴からサテライトが発生することを抑制し、印刷物において印刷面汚れを防止することができる。また、この高極性を示す芳香族モノエステルを含むインクを用いることで、印刷物をクリアファイルで挟み込み、印刷物からインク成分がクリアファイル表面に付着する場合に、クリアファイルに対するインク成分の親和性を低下させ、クリアファイルの変質及び変形を防止することができる。クリアファイルのように薄膜の樹脂製品に対しても同様に変質及び変形を防止することができる。また、強度のある樹脂製品に対しても表面の変質を防止することができ、例えば耐候性、耐久性等を改善することができる。
芳香族モノエステルは、1分子中の炭素数が12~20であることで、上記した高表面張力及び高極性を示すとともに、低粘度を示すことができる。この低粘度を示す芳香族モノエステルを含むインクを用いることで、インクの粘度上昇が防止され、インクジェットノズルからのインクの吐出性能をより改善することができる。
本実施形態において、インクは非水系溶剤を含むことができ、非水系溶剤は、芳香環とアルキレンオキシド基とを含み、1分子中の炭素数が12~20である芳香族モノエステルを含むことができる。
芳香族モノエステルは、芳香環を有することで高表面張力を示す。高表面張力を示す芳香族モノエステルを含むインクは、ノズルから吐出される際に、表面張力が高いインク液滴を形成することが可能である。この高表面張力のインク液滴は、ノズルの吐出口から基材に着弾されるまでに、サテライトが発生することを防止することができる。これによって、サテライトの発生による印刷物の印刷面汚れを防止することができる。
芳香族モノエステルにおいて、芳香環は、単環及び多環のいずれであってもよく、多環構造は縮合環であってもよい。芳香族モノエステルにおいて、芳香環はベンゼン環であることが好ましい。芳香族モノエステルにおいて、1分子中に芳香環は1個又は2個以上含まれてもよく、1~4個が好ましく、1又は2個が好ましい。芳香族モノエステルにおいて、1分子中に芳香環が2個以上含まれる場合、芳香族モノエステルの酸成分及びアルコール成分の両方に芳香環が含まれてもよく、いずれか一方に2個以上の芳香環が含まれてもよい。芳香族モノエステルにおいて、1分子中に芳香環は、粘度上昇を抑制する観点から、1個が好ましい。
芳香族モノエステルにおいて、芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、アントラセニル環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環である。
芳香族モノエステルにおいて、芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、アントラセニル環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環である。
芳香族モノエステルにおいて、芳香環は、置換又は非置換であってよい。置換基としては、ヒドロキシ基、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基等であってよい。好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基であり、より好ましくは、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基である。芳香環には、1個又は2個以上の置換基が導入されてもよい。
芳香族モノエステルにおいて、芳香環は、エステル結合に直接結合していてもよく、アルキレン基又はアルキレンオキシド基を介して結合していてもよい。例えば、芳香環とエステル結合との間の結合部位は、単結合、炭素数1~8のアルキレン基、付加モル数が1~3の炭素数2~5のアルキレンオキシド鎖等であってよく、好ましくは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、付加モル数が1~3の炭素数2~4のアルキレンオキシド鎖であり、より好ましくは、単結合、メチレン基、エチレン基、付加モル数が1~3のエチレンオキシド鎖、付加モル数が1~3のプロピレンオキシド鎖である。
芳香族モノエステルにおいて、芳香環は、エステル結合に直接結合していてもよく、アルキレン基又はアルキレンオキシド基を介して結合していてもよい。例えば、芳香環とエステル結合との間の結合部位は、単結合、炭素数1~8のアルキレン基、付加モル数が1~3の炭素数2~5のアルキレンオキシド鎖等であってよく、好ましくは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、付加モル数が1~3の炭素数2~4のアルキレンオキシド鎖であり、より好ましくは、単結合、メチレン基、エチレン基、付加モル数が1~3のエチレンオキシド鎖、付加モル数が1~3のプロピレンオキシド鎖である。
芳香族モノエステルは、芳香環としてベンゼン環を有し、1分子中のベンゼン環が1個であることが好ましい。このベンゼン環は、置換又は非置換であってよく、置換基としては上記したものが挙げられる。芳香族モノエステルは、1個のベンゼン環を有することで十分な高表面張力を示す傾向があり、1分子中にベンゼン環が1個であることでより低粘度を示すことができる。この高表面張力及び高粘度を示す芳香族モノエステルを含むインクを用いることで、サテライトに由来する印刷面の汚れをより防止し、インクを低粘度化して吐出性能をより改善することができる。
芳香族モノエステルは、アルキレンオキシド基を有することで高極性を示す。高極性を示す芳香族モノエステルは、クリアファイルに対する親和性が低く、印刷物によってクリアファイル表面を侵しにくい傾向がある。そのため、この芳香族モノエステルを含むインクを用いることで、印刷物によるクリアファイル変形を防止することができる。
芳香族モノエステルにおいて、アルキレンオキシド基は、炭素数2~5のアルキレンオキシド基であることが好ましい。芳香族モノエステルにおいて、アルキレンオキシド基は、1個又は2個以上の繰り返し構造で導入されていてもよい。例えば、芳香族モノエステルは、付加モル数が1~3のアルキレンオキシド鎖を有してもよい。
アルキレンオキシド基としては、炭素数2~5が好ましく、炭素数2~4がより好ましい。アルキレンオキシド基としては、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、トリメチレンオキシド基、ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、イソペンチレンオキシド基等が挙げられる。
芳香族モノエステルは、1分子中にアルキレンオキシド基を1個又は2個以上含んでもよい。芳香族モノエステルにおいて、1分子中にアルキレンオキシド基が2個以上含まれる場合、芳香族モノエステルの酸成分及びアルコール成分の両方にアルキレンオキシド基が含まれてもよく、いずれか一方に2個以上のアルキレンオキシド基が含まれてもよい。芳香族モノエステルは、1分子中に、付加モル数1~3のエチレンオキシド鎖、付加モル数1~3のプロピレンオキシド鎖、又はイソペンチレンオキシド基を1個含むことが好ましい。
アルキレンオキシド基としては、炭素数2~5が好ましく、炭素数2~4がより好ましい。アルキレンオキシド基としては、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、トリメチレンオキシド基、ブチレンオキシド基、ペンチレンオキシド基、イソペンチレンオキシド基等が挙げられる。
芳香族モノエステルは、1分子中にアルキレンオキシド基を1個又は2個以上含んでもよい。芳香族モノエステルにおいて、1分子中にアルキレンオキシド基が2個以上含まれる場合、芳香族モノエステルの酸成分及びアルコール成分の両方にアルキレンオキシド基が含まれてもよく、いずれか一方に2個以上のアルキレンオキシド基が含まれてもよい。芳香族モノエステルは、1分子中に、付加モル数1~3のエチレンオキシド鎖、付加モル数1~3のプロピレンオキシド鎖、又はイソペンチレンオキシド基を1個含むことが好ましい。
芳香族モノエステルにおいて、アルキレンオキシド基は、エステル結合に直接結合していてもよく、アルキレン基又はベンゼン環を介して結合していてもよい。例えば、アルキレンオキシド基とエステル結合との間の結合部位は、単結合、炭素数1~8のアルキレン基、ベンゼン環等であってよく、好ましくは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基であり、より好ましくは、単結合、メチレン基、エチレン基である。
芳香族モノエステルは、アルキレンオキシド基の末端の酸素原子に結合するアルキル基を有することが好ましい。このアルキル基は、直鎖又は分岐であってよく、炭素数1~8が好ましく、炭素数1~4がより好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アルキレンオキシド基の末端の酸素原子に水素原子が結合して、末端基がヒドロキシ基になっていてもよい。
芳香族モノエステルは、アルキレンオキシド基の末端の酸素原子に結合するメチル基を有することが好ましい。これによって、芳香族モノエステルの末端基に、メトキシ基が導入されるようになる。この末端基にメトキシ基を有する芳香族モノエステルは、より高極性を示し、サテライトに由来する印刷面の汚れをより防止することができる。
芳香族モノエステルは、アルキレンオキシド基の末端の酸素原子に結合するメチル基を有することが好ましい。これによって、芳香族モノエステルの末端基に、メトキシ基が導入されるようになる。この末端基にメトキシ基を有する芳香族モノエステルは、より高極性を示し、サテライトに由来する印刷面の汚れをより防止することができる。
芳香族モノエステルは、1分子の炭素数が12~20であることが好ましい。
芳香族モノエステルは、1分子の炭素数が20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましい。これによって、溶剤の粘度上昇を抑制し、インクの吐出性能をより高めることができる。
芳香族モノエステルは、1分子の炭素数が12以上が好ましく、13以上がより好ましく、14以上がさらに好ましい。これによって、溶剤が低揮発性となり、機上安定性を良好に維持することができる。また、分子構造の嵩高さを維持し、クリアファイル変形の防止、及びサテライト発生の防止により適する分子構造を提供することができる。
芳香族モノエステルは、1分子の炭素数が20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましい。これによって、溶剤の粘度上昇を抑制し、インクの吐出性能をより高めることができる。
芳香族モノエステルは、1分子の炭素数が12以上が好ましく、13以上がより好ましく、14以上がさらに好ましい。これによって、溶剤が低揮発性となり、機上安定性を良好に維持することができる。また、分子構造の嵩高さを維持し、クリアファイル変形の防止、及びサテライト発生の防止により適する分子構造を提供することができる。
芳香族モノエステルは、下記一般式(3)で表される化合物を含むことができる。
R5-(C=O)-O-R6 (3)
一例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方が芳香環を有する基であり、R5及びR6の他方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する基、又はアルキレンオキシド基を有する基であってよい。
他の例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキレンオキシド基を有する基であり、R5及びR6の他方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する基、又は芳香環を有する基であってよい。
さらに他の例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキル基であり、R5及びR6の他方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する基であってよい。
一般式(3)において1分子中の炭素数は12~20であるとよい。
一般式(3)において、芳香環はベンゼン環であることが好ましく、1分子中のベンゼン環は1個であることがより好ましい。
一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキル基である場合、アルキル基は直鎖又は分岐であってよく、炭素数1~8が好ましく、炭素数1~7がより好ましい。
一般式(3)において、アルキレンオキシド基の末端の酸素原子にメチル基が結合し、末端がメトキシ基となっていることが好ましい。
R5-(C=O)-O-R6 (3)
一例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方が芳香環を有する基であり、R5及びR6の他方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する基、又はアルキレンオキシド基を有する基であってよい。
他の例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキレンオキシド基を有する基であり、R5及びR6の他方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する基、又は芳香環を有する基であってよい。
さらに他の例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキル基であり、R5及びR6の他方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する基であってよい。
一般式(3)において1分子中の炭素数は12~20であるとよい。
一般式(3)において、芳香環はベンゼン環であることが好ましく、1分子中のベンゼン環は1個であることがより好ましい。
一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキル基である場合、アルキル基は直鎖又は分岐であってよく、炭素数1~8が好ましく、炭素数1~7がより好ましい。
一般式(3)において、アルキレンオキシド基の末端の酸素原子にメチル基が結合し、末端がメトキシ基となっていることが好ましい。
より具体的な例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方がベンゼン環を有する基であり、R5及びR6の他方がアルキレンオキシド基を有する基である。
より具体的な他の例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキル基であり、R5及びR6の他方がベンゼン環及びアルキレンオキシド基を有する基である。
より具体的な他の例では、一般式(3)において、R5及びR6の一方がアルキル基であり、R5及びR6の他方がベンゼン環及びアルキレンオキシド基を有する基である。
芳香族モノエステルは、下記一般式(1)で表される化合物を含むことができる。
X-L-(C=O)-O-Y (1)
(一般式(1)において、X及びYの一方は、-(R1aO)a-R1bで表され、R1aは炭素数2~5のアルキレン基であり、R1bはフェニル基又はベンジル基であり、aは0~3の整数であり、X及びYの他方は、-(R2aO)b-R2bで表され、R2aは炭素数2~5のアルキレン基であり、R2bはメチル基であり、bは1~3の整数であり、a+b=1~3を満たし、Lは単結合または-O-C-で表される基である。)
この一般式(1)で表される芳香族モノエステルは、1個のベンゼン環と、アルキレンオキシド基とを有し、末端基としてメトキシ基を有することから、より高極性を示す。この高極性の芳香族モノエステルを含むインクを用いることで、印刷物によるクリアファイル変形をより防止することができる。
X-L-(C=O)-O-Y (1)
(一般式(1)において、X及びYの一方は、-(R1aO)a-R1bで表され、R1aは炭素数2~5のアルキレン基であり、R1bはフェニル基又はベンジル基であり、aは0~3の整数であり、X及びYの他方は、-(R2aO)b-R2bで表され、R2aは炭素数2~5のアルキレン基であり、R2bはメチル基であり、bは1~3の整数であり、a+b=1~3を満たし、Lは単結合または-O-C-で表される基である。)
この一般式(1)で表される芳香族モノエステルは、1個のベンゼン環と、アルキレンオキシド基とを有し、末端基としてメトキシ基を有することから、より高極性を示す。この高極性の芳香族モノエステルを含むインクを用いることで、印刷物によるクリアファイル変形をより防止することができる。
一般式(1)において、X及びYの一方が-(R1aO)a-R1bで表される基であり、R1bがフェニル基又はベンジル基であることが好ましい。一般式(1)において、X及びYの他方が-(R2aO)b-R2bで表される基であり、R2bがメチル基であることが好ましい。R2bであるメチル基が、(R2aO)bで表されるアルキレンオキシド基の酸素原子と結合することから、末端基にメトキシ基が導入される構造となる。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(1a)で表される化合物又は下記一般式(1b)で表される化合物であってよい。
R1b-(R1aO)a-L-(C=O)-O-(R2aO)b-CH3 (1a)
CH3-(R2aO)b-L-(C=O)-O-(R1aO)a-R1b (1b)
R1b-(R1aO)a-L-(C=O)-O-(R2aO)b-CH3 (1a)
CH3-(R2aO)b-L-(C=O)-O-(R1aO)a-R1b (1b)
一般式(1)において、R1a及びR2aはそれぞれ独立的に炭素数2~5のアルキレン基であることが好ましい。R1a及びR2aはそれぞれ独立的に、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基等であってよい。
一般式(1)において、aは0~3の整数であり、bは1~3の整数であり、a+bが1~3を満たすことが好ましい。すなわち、一般式(1)において、エステル結合を中心にして、X末端側及びY末端側の少なくとも一方にアルキレンオキシド基が少なくとも1個導入されるとよい。芳香族モノエステルのエステル結合を中心にして一方側に、付加モル数1~3のアルキレンオキシド鎖が導入され、他方側にアルキレンオキシド基が導入されなくてもよい。
一般式(1)において、aは0~3の整数であり、bは1~3の整数であり、a+bが1~3を満たすことが好ましい。すなわち、一般式(1)において、エステル結合を中心にして、X末端側及びY末端側の少なくとも一方にアルキレンオキシド基が少なくとも1個導入されるとよい。芳香族モノエステルのエステル結合を中心にして一方側に、付加モル数1~3のアルキレンオキシド鎖が導入され、他方側にアルキレンオキシド基が導入されなくてもよい。
一般式(1)において、aが2又は3の場合、R1aは互いに同一でも一部又は全部が異なってもよい。同様に、bが2又は3の場合、R2aは互いに同一でも一部又は全部が異なってもよい。
一般式(1)において、a及びbがそれぞれ2又は3である場合、(OR1a)a及び(R2aO)bで表される基は、それぞれジエチレングリコール鎖、ジプロピレングリコール鎖、エチレンプロピレングリコール鎖、トリエチレングリコール鎖、トリプロピレングリコール鎖等であってよい。
一般式(1)において、Lは単結合又は-O-C-で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、a及びbがそれぞれ2又は3である場合、(OR1a)a及び(R2aO)bで表される基は、それぞれジエチレングリコール鎖、ジプロピレングリコール鎖、エチレンプロピレングリコール鎖、トリエチレングリコール鎖、トリプロピレングリコール鎖等であってよい。
一般式(1)において、Lは単結合又は-O-C-で表される基であることが好ましい。
芳香族モノエステルは、下記一般式(2)で表される化合物を含むことができる。
(一般式(2)において、R3は、水素原子又はメチル基であり、R4は、炭素数1~8のアルキル基であり、mは1~3の整数であり、nは1又は2である。)
この一般式(2)で表される芳香族モノエステルは、1個のベンゼン環と、エチレンオキシド基とを有し、ベンゼン環にヒドロキシ基及び/又はメトキシ基が導入されることから、より低粘度を示す。この低粘度の芳香族モノエステルを含むインクは、低粘度を示し、吐出性能をより高めることができる。
一般式(2)において、R3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、mは1~3の整数であることが好ましい。すなわち、一般式(2)において、ベンゼン環に、ヒドロキシ基又はメトキシ基である官能基が1~3個導入される。一般式(2)において、ベンゼン環に、ヒドロキシ基とメトキシ基とが組み合わされて合計2個又は3個導入されてもよい。
ベンゼン環に導入される、-OR3で表される置換基の数が増えることで、分子間での相互作用が抑制され、より低粘度を示すようになる。
ベンゼン環に導入される、-OR3で表される置換基の数が増えることで、分子間での相互作用が抑制され、より低粘度を示すようになる。
ベンゼン環に導入される官能基の位置は特に限定されないが、2位、3位、4位のいずれであってもよいが、官能基が1個の場合は2位に導入されることが好ましい。官能基が3個の場合は3位,4位,及び5位に導入されることが好ましい。
一般式(2)において、R4は、炭素数1~8のアルキル基であることが好ましい。
R4で表されるアルキル基は、直鎖又は分岐であってよく、炭素数1~8であってよく、炭素数1~4が好ましい。
R4としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基等が挙げられる。好ましくは、R4は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。
R4は、より好ましくはメチル基である。R4がメチル基であることで、末端基にメトキシ基が導入されることになり、より高極性を示すことができる。これによって、印刷物によるクリアファイル変形をより防止することができる。
R4で表されるアルキル基は、直鎖又は分岐であってよく、炭素数1~8であってよく、炭素数1~4が好ましい。
R4としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基等が挙げられる。好ましくは、R4は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。
R4は、より好ましくはメチル基である。R4がメチル基であることで、末端基にメトキシ基が導入されることになり、より高極性を示すことができる。これによって、印刷物によるクリアファイル変形をより防止することができる。
一般式(2)において、nは1又は2であることが好ましい。すなわち、一般式(2)には、付加モル数が1又は2のエチレンオキシド鎖が導入される。これによって、より高極性を示し、印刷物によるクリアファイル変形をより防止することができる。
上記した芳香族モノエステルは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記した芳香族モノエステルは、下記の特性を有することが好ましい。
芳香族モノエステルは、23℃において液体状であることが好ましい。
芳香族モノエステルの沸点(1気圧)は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、260℃以上であることがさらに好ましい。
上記した芳香族モノエステルは、下記の特性を有することが好ましい。
芳香族モノエステルは、23℃において液体状であることが好ましい。
芳香族モノエステルの沸点(1気圧)は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、260℃以上であることがさらに好ましい。
芳香族モノエステルの表面張力は特に制限されないが、例えば、25~34mN/mであってよい。本開示において、溶剤の表面張力は、23℃、0.05Hzの測定条件で最大泡圧法によって測定した数値を示す。測定装置には、例えば、表面張力測定装置計(SITA Process Solutions製の「SITA Messtechnik GmbH science line t60」(商品名))を用いることができる。
芳香族モノエステルの粘度は特に制限されないが、例えば、4~12mPa・sであってよい。本開示において、溶剤の粘度は、後述するインク粘度と同じ手順で測定することができる。
芳香族モノエステルの粘度は特に制限されないが、例えば、4~12mPa・sであってよい。本開示において、溶剤の粘度は、後述するインク粘度と同じ手順で測定することができる。
上記した芳香族モノエステルは、非水系溶剤としてインクに含まれるとよい。
芳香族モノエステルは、インク全量に対し、10質量%以上が好ましく、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。この範囲で、高表面張力及び高極性を示す芳香族モノエステルがインクに含まれることで、ノズルからインクが吐出される際にインク液滴からのサテライトの発生を防止し印刷面汚れをより防止することができ、クリアファイルに対する親和性が抑制されクリアファイル変形をより防止することができる。クリアファイル変形を防止する観点から、芳香族モノエステルは、インク全量に対し、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
芳香族モノエステルは、インク全量に対し、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
非水系溶剤の単一成分として芳香族モノエステルを用いることでも、吐出性能を改善し、サテライトの発生を抑制し、クリアファイル変形を防止することができる。なお、インクの用途に応じてその他の非水系溶剤と適宜組み合わせて用いることも可能である。
例えば、芳香族モノエステルは、インク全量に対し、10~90質量%が好ましく、30~90質量%がより好ましく、50~80質量%がさらに好ましい。
芳香族モノエステルは、インク全量に対し、10質量%以上が好ましく、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。この範囲で、高表面張力及び高極性を示す芳香族モノエステルがインクに含まれることで、ノズルからインクが吐出される際にインク液滴からのサテライトの発生を防止し印刷面汚れをより防止することができ、クリアファイルに対する親和性が抑制されクリアファイル変形をより防止することができる。クリアファイル変形を防止する観点から、芳香族モノエステルは、インク全量に対し、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
芳香族モノエステルは、インク全量に対し、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
非水系溶剤の単一成分として芳香族モノエステルを用いることでも、吐出性能を改善し、サテライトの発生を抑制し、クリアファイル変形を防止することができる。なお、インクの用途に応じてその他の非水系溶剤と適宜組み合わせて用いることも可能である。
例えば、芳香族モノエステルは、インク全量に対し、10~90質量%が好ましく、30~90質量%がより好ましく、50~80質量%がさらに好ましい。
また、芳香族モノエステルは、非水系溶剤全量に対し、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。芳香族モノエステルは、非水系溶剤全量に対し、100質量%であってよく、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよい。
芳香族モノエステルの合成方法は特に限定されず、芳香族モノエステルは通常の方法にしたがって酸成分とアルコール成分とをエステル化反応させることで得ることができる。芳香族モノエステルの合成方法の一例について以下に説明する。なお、芳香族モノエステルは、以下の合成方法によって合成されたものに限定されない。
芳香族モノカルボン酸の一例は、ベンゼン環を有するモノカルボン酸と、一価アルコールとであって、モノカルボン酸及び一価アルコールの少なくとも一方にアルキレンオキシド基を有する原料を用いて合成することができる。
芳香族モノカルボン酸の他の例は、モノカルボン酸と、ベンゼン環を有する一価アルコールとであって、モノカルボン酸及び一価アルコールの少なくとも一方にアルキレンオキシド基を有する原料を用いて合成することができる。
芳香族モノカルボン酸のさらに他の例は、モノカルボン酸と、一価アルコールとであって、モノカルボン酸及び一価アルコールの一方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する原料を用いて合成することができる。
芳香族モノカルボン酸の他の例は、モノカルボン酸と、ベンゼン環を有する一価アルコールとであって、モノカルボン酸及び一価アルコールの少なくとも一方にアルキレンオキシド基を有する原料を用いて合成することができる。
芳香族モノカルボン酸のさらに他の例は、モノカルボン酸と、一価アルコールとであって、モノカルボン酸及び一価アルコールの一方が芳香環及びアルキレンオキシド基を有する原料を用いて合成することができる。
一般式(1)で表される芳香族モノエステルの合成方法は、例えば、フェニル基又はベンジル基を有するモノカルボン酸と、アルキレングリコールモノメチルエーテルとの組み合わせ、あるいは末端にメトキシ基を有し、アルキレングリコール構造を持つ、モノカルボン酸と、フェニル基又はベンジル基を有する一価のアルコールとの組み合わせを用いて行うことができる。
フェニル基又はベンジル基を有するモノカルボン酸は、アルキレングリコール構造をさらに有してもよい。フェニル基又はベンジル基を有する一価のアルコールは、アルキレングリコール構造をさらに有してもよい。
フェニル基又はベンジル基を有するモノカルボン酸は、アルキレングリコール構造をさらに有してもよい。フェニル基又はベンジル基を有する一価のアルコールは、アルキレングリコール構造をさらに有してもよい。
一般式(1)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、フェニル基又はベンジル基を有するモノカルボン酸としては、安息香酸、フェニル酢酸等が挙げられる。
一般式(1)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、フェニル基又はベンジル基を有する一価アルコールとしては、フェノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコ―ルモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
一般式(1)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、フェニル基又はベンジル基を有する一価アルコールとしては、フェノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコ―ルモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
一般式(1)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、末端にメトキシ基を有し、アルキレングリコール構造を持つ、モノカルボン酸としては、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸等が挙げられる。
一般式(1)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、アルキレングリコールモノメチルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノール等が挙げられる。
一般式(1)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、アルキレングリコールモノメチルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノール等が挙げられる。
他の例の芳香族モノエステルを合成するために、芳香環及びアルキレンオキシド基を有さないモノカルボン酸又は一価のアルコール、末端基が炭素数2~11のアルコキシ基であるアルキレンオキシド基を有するモノカルボン酸又は一価のアルコール等を用いてもよい。
ベンゼン環を有さないモノカルボン酸としては、2-エチルヘキサン酸、酢酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸等が挙げられる。
ベンゼン環を有さない一価のアルコールとしては、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチルヘキサノール、1-ノナノール、1-デカノール等が挙げられる。
末端基が炭素数2~11のアルコキシ基であるアルキレンオキシド基としては、2-(2-エチルヘキシルオキシ)エタノール等が挙げられる。
ベンゼン環を有さないモノカルボン酸としては、2-エチルヘキサン酸、酢酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸等が挙げられる。
ベンゼン環を有さない一価のアルコールとしては、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチルヘキサノール、1-ノナノール、1-デカノール等が挙げられる。
末端基が炭素数2~11のアルコキシ基であるアルキレンオキシド基としては、2-(2-エチルヘキシルオキシ)エタノール等が挙げられる。
一般式(2)で表される芳香族モノエステルの合成方法は、例えば、ヒドロキシ基又はメトキシ基を有するベンゼン環を有するモノカルボン酸と、アルキレンオキシド基を有する一価アルコールとを用いて行うことができる。
一般式(2)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、ベンゼン環を有するモノカルボン酸としては、サリチル酸、メトキシ安息香酸、ジメトキシ酢酸、トリメトキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル酢酸、メトキシフェニル酢酸、ジメトキシフェニル酢酸、トリメトキシフェニル酢酸等が挙げられる。
一般式(2)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、アルキレンオキシド基を有する一価アルコールとしては、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノール等が挙げられる。
一般式(2)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、ベンゼン環を有するモノカルボン酸としては、サリチル酸、メトキシ安息香酸、ジメトキシ酢酸、トリメトキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル酢酸、メトキシフェニル酢酸、ジメトキシフェニル酢酸、トリメトキシフェニル酢酸等が挙げられる。
一般式(2)で表される芳香族モノエステルの合成方法において、アルキレンオキシド基を有する一価アルコールとしては、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノール等が挙げられる。
エステル化反応において、反応温度は、酸成分及びアルコール成分の種類に応じて80~230℃の範囲で調節することができる。反応時間は、酸成分及びアルコール成分の種類や、原料の使用量に応じて1~48時間の範囲で調節することができる。エステル化反応に際して生成する水分を除去することが好ましい。反応はシクロヘキサン等の合成溶媒中に2成分を投入して行うことができる。加熱下での酸化を防止するために、反応は、非酸化性雰囲気で行ってもよく、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等で行ってよい。
モノカルボン酸と一価アルコールとは、モル比で1:1で反応するため、合成系にはモル比で0.9:1~1:0.9程度で原料を投入するとよい。
反応に際して、濃硫酸、p-トルエンスルホン酸一水和物、メタンスルホン酸等の触媒を適量で用いてもよい。
モノカルボン酸と一価アルコールとは、モル比で1:1で反応するため、合成系にはモル比で0.9:1~1:0.9程度で原料を投入するとよい。
反応に際して、濃硫酸、p-トルエンスルホン酸一水和物、メタンスルホン酸等の触媒を適量で用いてもよい。
油性インクジェットインクには、上記した芳香族モノエステルに加えて、その他の非水系溶剤が含まれてもよい。
その他の非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。なお、一実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
その他の非水系溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤;脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤等が挙げられる。
その他の非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤のいずれも使用できる。なお、一実施形態において、非水系溶剤には、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
その他の非水系溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤等の非極性有機溶剤;脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤等が挙げられる。
脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN-10、カクタスノルマルパラフィンN-11、カクタスノルマルパラフィンN-12、カクタスノルマルパラフィンN-13、カクタスノルマルパラフィンN-14、カクタスノルマルパラフィンN-15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN-16、テクリーンN-20、テクリーンN-22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXTGエネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、260℃以上が一層好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXTGエネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製)等を好ましく挙げることができる。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、260℃以上が一層好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。
脂肪酸エステル系溶剤としては、例えば、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2-オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等が挙げられる。脂肪酸エステル系溶剤は、1分子中の炭素数が13以上が好ましく、より好ましくは16~30である。
高級アルコール系溶剤としては、例えば、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール、1-オクタデカノール等が挙げられる。高級アルコール系溶剤は、1分子中の炭素数が6以上が好ましく、より好ましくは12~20である。
高級脂肪酸系溶剤としては、例えば、ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。高級脂肪酸系溶剤は、1分子中の炭素数が12以上が好ましく、より好ましくは14~20である。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、260℃以上であることがさらに好ましい。
脂肪酸エステル系溶剤としては、例えば、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2-オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等が挙げられる。脂肪酸エステル系溶剤は、1分子中の炭素数が13以上が好ましく、より好ましくは16~30である。
高級アルコール系溶剤としては、例えば、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール、1-オクタデカノール等が挙げられる。高級アルコール系溶剤は、1分子中の炭素数が6以上が好ましく、より好ましくは12~20である。
高級脂肪酸系溶剤としては、例えば、ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。高級脂肪酸系溶剤は、1分子中の炭素数が12以上が好ましく、より好ましくは14~20である。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、260℃以上であることがさらに好ましい。
芳香族モノエステルと組み合わせて、上記したその他の非水系溶剤を用いる場合は、その他の非水系溶剤として、極性溶剤を用いることが好ましく、なかでも脂肪酸エステル系溶剤を用いることが好ましい。その他の非水系溶剤を用いる場合に、その他の非水系溶剤として極性溶剤を用いることで、クリアファイル変形の発生をより防止することができる。また、芳香族モノエステルと極性が近い溶剤を組み合わせることで、溶剤の相溶性が改善されて、インクの貯蔵安定性をより良好に維持することができる。
その他の非水系溶剤として極性溶剤が配合される場合では、その他の非水系溶剤としての極性溶剤は、非水系溶剤全量に対し60質量%以下であってよく、50質量%以下であってよく、30質量%以下が好ましい。
特に制限されるものではないが、石油系炭化水素溶剤を含む非極性溶剤が配合される場合では、非水系溶剤全量に対し非極性溶剤は30質量%以下であってよく、10質量%以下であってよく、5質量%以下が好ましい。極性が異なる溶剤の割合が低いことで、インクの貯蔵安定性の低下をより防止することができる。
その他の非水系溶剤として極性溶剤が配合される場合では、その他の非水系溶剤としての極性溶剤は、非水系溶剤全量に対し60質量%以下であってよく、50質量%以下であってよく、30質量%以下が好ましい。
特に制限されるものではないが、石油系炭化水素溶剤を含む非極性溶剤が配合される場合では、非水系溶剤全量に対し非極性溶剤は30質量%以下であってよく、10質量%以下であってよく、5質量%以下が好ましい。極性が異なる溶剤の割合が低いことで、インクの貯蔵安定性の低下をより防止することができる。
インクは、色材として顔料、染料、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン顔料等の金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン顔料等の金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの顔料は単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料の平均粒子径としては、吐出安定性と保存安定性の観点から、動的光散乱法により測定した粒度分布における体積基準の平均値として、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは150nm以下であり、一層好ましくは100nm以下である。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、5~10質量%であることが一層好ましい。
顔料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、5~10質量%であることが一層好ましい。
インク中で顔料を安定して分散させるために、顔料とともに顔料分散剤を用いることができる。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。
顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン等が好ましく用いられる。
顔料分散剤の市販品例としては、例えば、アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV216(ビニルピロリドン・ヘキサデセン共重合体)、V220(ビニルピロリドン・エイコセン共重合体)」(いずれも商品名);日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940(ポリエステルアミン系)、16000、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、24000、28000」(いずれも商品名);BASFジャパン株式会社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名);楠本化成株式会社製「ディスパロンKS-860、KS-873N4(ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名);第一工業製薬株式会社製「ディスコール202、206、OA-202、OA-600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名);ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK2155、9077」(いずれも商品名);クローダジャパン株式会社製「HypermerKD2、KD3、KD11、KD12」(いずれも商品名);日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース24000SC、24000GR、32000、33000、3900等」(いずれも商品名)等が挙げられる。
顔料分散剤は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。例えば、質量比で、顔料1に対し顔料分散剤を0.1~5で配合することができ、好ましくは0.3~1である。また、顔料分散剤は、インク全量に対し、0.01~10質量%で配合することができ、好ましくは0.1~8質量%であり、より好ましくは1~8質量%である。
染料としては、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができる。油性インクでは、染料は、インクの非水系溶剤に親和性を示すことで、貯蔵安定性がより良好となるため、油溶性染料を用いることが好ましい。
油溶性染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等を挙げることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、5~10質量%であることが一層好ましい。
油溶性染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等を挙げることができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。
染料は、インク全量に対し、通常0.01~20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から、1~15質量%であることが好ましく、5~10質量%であることが一層好ましい。
上記各成分に加えて、油性インクには、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤等を適宜添加することができる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
油性インクの製造方法は特に限定されないが、一方法としては、各成分を一括ないし分割して混合及び撹拌してインクを作製することができる。具体的には、ビーズミル等の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等のろ過機を通すことにより作製することができる。
油性インクジェットインクとしての粘度は、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5~30mPa・sであることが好ましく、5~15mPa・sであることがより好ましく、8~13mPa・sであることが、一層好ましい。本開示において、インク粘度は、回転粘度計を用いて23℃において測定した数値である。粘度測定装置には、例えば、株式会社アントンパール・ジャパン製「レオメーターMCR302」を用いることができる。
インクジェットインクを用いた印刷方法としては、特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから一実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を基材に付着させるようにすることが好ましい。
一実施形態によるインクは、低粘性でインクジェットノズルからの吐出に適するため、常温(23℃)付近で適性に吐出することが可能である。
一実施形態によるインクは、低粘性でインクジェットノズルからの吐出に適するため、常温(23℃)付近で適性に吐出することが可能である。
一実施形態において、基材は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙、布、無機質シート、フィルム、OHPシート等、これらを基材として裏面に粘着層を設けた粘着シート等を用いることができる。これらの中でも、インクの浸透性の観点から、浸透性基材が好ましく、なかでも普通紙、コート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。普通紙は、数μm~数十μmの太さの紙繊維が数十から数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、コート紙としては、マット紙、光沢紙、半光沢紙等のインクジェット用コート紙や、いわゆる塗工印刷用紙を好ましく用いることができる。ここで、塗工印刷用紙とは、従来から凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と、澱粉等のバインダーを含む塗料により塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙、キャストコート紙等に分類される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
「芳香族モノエステルの合成」
芳香族モノエステルの合成処方を表1に示す。芳香族モノエステルは、表中に示す酸及びアルコールを原料に用いて合成される。芳香族モノエステルの分子構造を表2及び表3に示す。表2は、一般式(1a)に当てはめる場合の分子構造を示し、表3は、一般式(2)に当てはめる場合の分子構造を示す。
(芳香族モノエステル1~9の合成)
原料となる酸とアルコールを四つ口フラスコに入れて混合撹拌し均一な溶液を得た。
四つ口フラスコにディーンスターク装置を装着し、仕込んだ原材料が反応して水が発生したら取り除けるようにした。均一な溶液が入っている四つ口フラスコにさらに触媒として硫酸を適量加え、系全体を加熱した。加熱温度は酸及びアルコールの種類に応じて80℃~230℃に設定した。加熱反応時間は1~48時間に設定した。反応後、未反応の原材料及び不純物等を取り除くため、得られた溶液を減圧蒸留し、芳香族モノエステルを得た。
酸とアルコールとは、モル比で1.01:1~1.05:1となるように混合した。
芳香族モノエステルの合成処方を表1に示す。芳香族モノエステルは、表中に示す酸及びアルコールを原料に用いて合成される。芳香族モノエステルの分子構造を表2及び表3に示す。表2は、一般式(1a)に当てはめる場合の分子構造を示し、表3は、一般式(2)に当てはめる場合の分子構造を示す。
(芳香族モノエステル1~9の合成)
原料となる酸とアルコールを四つ口フラスコに入れて混合撹拌し均一な溶液を得た。
四つ口フラスコにディーンスターク装置を装着し、仕込んだ原材料が反応して水が発生したら取り除けるようにした。均一な溶液が入っている四つ口フラスコにさらに触媒として硫酸を適量加え、系全体を加熱した。加熱温度は酸及びアルコールの種類に応じて80℃~230℃に設定した。加熱反応時間は1~48時間に設定した。反応後、未反応の原材料及び不純物等を取り除くため、得られた溶液を減圧蒸留し、芳香族モノエステルを得た。
酸とアルコールとは、モル比で1.01:1~1.05:1となるように混合した。
(芳香族モノエステル10~13の合成)
原料となる酸とアルコールを四つ口フラスコに入れて窒素雰囲気下で加熱して混合撹拌し均一な溶液を得た。四つ口フラスコにディーンスターク装置を装着し、仕込んだ原材料が反応して水が発生したら取り除けるようにした。均一な溶液が入っている四つ口フラスコにさらに触媒として硫酸を適量加え、系全体を加熱した。加熱温度は酸及びアルコールの種類に応じて80℃~230℃に設定した。加熱反応時間は1~48時間に設定した。反応後、未反応の原材料や不純物を取り除くため、得られた溶液を減圧蒸留し、芳香族モノエステルを得た。
酸とアルコールとは、モル比で1.01:1~1.05:1となるように混合した。
原料となる酸とアルコールを四つ口フラスコに入れて窒素雰囲気下で加熱して混合撹拌し均一な溶液を得た。四つ口フラスコにディーンスターク装置を装着し、仕込んだ原材料が反応して水が発生したら取り除けるようにした。均一な溶液が入っている四つ口フラスコにさらに触媒として硫酸を適量加え、系全体を加熱した。加熱温度は酸及びアルコールの種類に応じて80℃~230℃に設定した。加熱反応時間は1~48時間に設定した。反応後、未反応の原材料や不純物を取り除くため、得られた溶液を減圧蒸留し、芳香族モノエステルを得た。
酸とアルコールとは、モル比で1.01:1~1.05:1となるように混合した。
原料の酸及びアルコールは、東京化成工業株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社、シグマアルドリッチ社から入手可能である。
「インクの作製」
インクの処方を表4及び表5に示す。表中に示す配合量にしたがって、顔料、顔料分散剤、及び溶剤を混合し、ビーズミル「ダイノーミルKDL-A」(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で、十分に顔料を分散した。続いて、メンブレンフィルターで粗大粒子を除去し、インクを得た。表中の「-」は未添加を示す。
インクの処方を表4及び表5に示す。表中に示す配合量にしたがって、顔料、顔料分散剤、及び溶剤を混合し、ビーズミル「ダイノーミルKDL-A」(株式会社シンマルエンタープライゼス製)により滞留時間15分間の条件で、十分に顔料を分散した。続いて、メンブレンフィルターで粗大粒子を除去し、インクを得た。表中の「-」は未添加を示す。
用いた成分は、以下の通りである。
カーボンブラック:三菱ケミカル株式会社製「MA77」(商品名)。
銅フタロシアニン:DIC株式会社製「FASTGEN Blue LA5380」(商品名)。
ソルスパース13940(商品名):日本ルーブリゾール株式会社製、有効成分40質量%、表中の含有量は溶媒を含む全体量である。
イソノナン酸2-エチルヘキシル:高級アルコール工業株式会社製、脂肪族モノエステル系溶剤。
エクソールD110(商品名):エクソンモービル社製、石油系炭化水素溶剤。
カーボンブラック:三菱ケミカル株式会社製「MA77」(商品名)。
銅フタロシアニン:DIC株式会社製「FASTGEN Blue LA5380」(商品名)。
ソルスパース13940(商品名):日本ルーブリゾール株式会社製、有効成分40質量%、表中の含有量は溶媒を含む全体量である。
イソノナン酸2-エチルヘキシル:高級アルコール工業株式会社製、脂肪族モノエステル系溶剤。
エクソールD110(商品名):エクソンモービル社製、石油系炭化水素溶剤。
「評価」
得られたインクについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を各表に併せて示す。
(吐出性能)
各インクをライン式インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)に装填し、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)に、100枚連続してベタ画像を片面印刷し、印刷物を得た。
インクジェットノズルからのインクの不吐出は、印刷物に白いスジとなって非印字部分が発生することで確認することができる。100枚の印刷物の中に、この白いスジが発生するか、又は発生した本数を観察した。100枚の印刷物に観察された白いスジの合計数から吐出性能を評価した。評価基準を以下に示す。
S:不吐出による白いスジが0本。
A:不吐出による白いスジが1~2本。
B:不吐出による白いスジが3~5本。
C:不吐出による白いスジが6本以上。
得られたインクについて、以下の方法により評価を行った。これらの評価結果を各表に併せて示す。
(吐出性能)
各インクをライン式インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)に装填し、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)に、100枚連続してベタ画像を片面印刷し、印刷物を得た。
インクジェットノズルからのインクの不吐出は、印刷物に白いスジとなって非印字部分が発生することで確認することができる。100枚の印刷物の中に、この白いスジが発生するか、又は発生した本数を観察した。100枚の印刷物に観察された白いスジの合計数から吐出性能を評価した。評価基準を以下に示す。
S:不吐出による白いスジが0本。
A:不吐出による白いスジが1~2本。
B:不吐出による白いスジが3~5本。
C:不吐出による白いスジが6本以上。
(印刷面汚れ防止)
ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)にインクを装填し、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)に主滴が1ラインに並ぶようになるように印字を行った。得られた画像のサテライトによる印刷面汚れを目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:印刷面汚れはほとんど確認されず、画質が良好である。
B:印刷面汚れは確認されるが、画質は実使用に耐えられるレベルである。
C:印刷面汚れが顕著であり、画質は実使用に耐えられないレベルである。
ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)にインクを装填し、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)に主滴が1ラインに並ぶようになるように印字を行った。得られた画像のサテライトによる印刷面汚れを目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:印刷面汚れはほとんど確認されず、画質が良好である。
B:印刷面汚れは確認されるが、画質は実使用に耐えられるレベルである。
C:印刷面汚れが顕著であり、画質は実使用に耐えられないレベルである。
(クリアファイル変形防止)
クリアファイルの変形防止の評価は、1枚の印刷物をPP(ポリプロピレン)製クリアファイルに挟み、室温で放置し、1週間放置後に、クリアファイルの変形量を測定して以下の基準で評価した。クリアファイルの1枚のシートの厚さは0.2mmであった。クリアファイルの変形は、印刷物を挟み込んだクリアファイルを平面上に平置きした状態で、クリアファイルの上側の1枚が外側に反り返るようにして観察される。クリアファイルの変形量は、平面上から、クリアファイルの上側の1枚が外側に反り返った状態での最大高さまでの距離とする。
印刷物は、ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)にインクを装填し、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)に、主走査方向約51mm(ノズル600本)×副走査方向260mmのベタ画像を片面印刷することにより作製した。
S:クリアファイルの変化量が1cm未満である。
A:クリアファイルの変化量が1cm以上3cm未満である。
B:クリアファイルの変化量が3cm以上10cm未満である。
C:クリアファイルの変化量が10cm以上である。
クリアファイルの変形防止の評価は、1枚の印刷物をPP(ポリプロピレン)製クリアファイルに挟み、室温で放置し、1週間放置後に、クリアファイルの変形量を測定して以下の基準で評価した。クリアファイルの1枚のシートの厚さは0.2mmであった。クリアファイルの変形は、印刷物を挟み込んだクリアファイルを平面上に平置きした状態で、クリアファイルの上側の1枚が外側に反り返るようにして観察される。クリアファイルの変形量は、平面上から、クリアファイルの上側の1枚が外側に反り返った状態での最大高さまでの距離とする。
印刷物は、ライン式インクジェットプリンタ「オルフィスGD9630」(理想科学工業株式会社製)にインクを装填し、普通紙「理想用紙マルチ」(理想科学工業株式会社製)に、主走査方向約51mm(ノズル600本)×副走査方向260mmのベタ画像を片面印刷することにより作製した。
S:クリアファイルの変化量が1cm未満である。
A:クリアファイルの変化量が1cm以上3cm未満である。
B:クリアファイルの変化量が3cm以上10cm未満である。
C:クリアファイルの変化量が10cm以上である。
表中に示す通り、各実施例のインクは吐出性能に優れ、印刷面汚れが少なく、印刷物によるクリアファイルの変形を防止することができた。また、各実施例のインクは、表中に不記載であるが、インクジェット印刷に適する粘度であり、印刷濃度を含め印刷物の画質が良好であった。
実施例1~4を通して、芳香族モノエステルの含有量が多いことで、サテライトの発生が抑制され印刷面汚れがより防止されること、クリアファイル変形がより防止されることがわかる。また、各種顔料で良好な結果が得られることがわかる。
実施例5~10を通して各種芳香族モノエステルを用いることで良好な結果が得られることがわかる。
実施例5,6,7,9,10は、芳香族モノエステル2,3,4,6,7を用いており、これらは一般式(1)で表される芳香族モノエステルに該当する。これらの実施例では、芳香族モノエステルの末端基がメトキシ基であり、極性が高いことを一因として、クリアファイル変形がより防止されたと考えられる。
実施例11~13は、芳香族モノエステル10~12を用いており、これらは一般式(2)で表される芳香族モノエステルに該当する。これらの実施例では、芳香族モノエステルのフェニル基にメトキシ基又はヒドロキシ基が導入されることで低粘度の溶剤となり、吐出性能がより改善されたと考えられる。実施例13の芳香族モノエステル12では炭素数が20であるが低粘度を維持し、十分な吐出性能が得られている。
実施例11の芳香族モノエステル10は、フェニル基にヒドロキシ基が導入され極性が高くなることから、クリアファイル変形がより防止されたと考えられる。
実施例5~10を通して各種芳香族モノエステルを用いることで良好な結果が得られることがわかる。
実施例5,6,7,9,10は、芳香族モノエステル2,3,4,6,7を用いており、これらは一般式(1)で表される芳香族モノエステルに該当する。これらの実施例では、芳香族モノエステルの末端基がメトキシ基であり、極性が高いことを一因として、クリアファイル変形がより防止されたと考えられる。
実施例11~13は、芳香族モノエステル10~12を用いており、これらは一般式(2)で表される芳香族モノエステルに該当する。これらの実施例では、芳香族モノエステルのフェニル基にメトキシ基又はヒドロキシ基が導入されることで低粘度の溶剤となり、吐出性能がより改善されたと考えられる。実施例13の芳香族モノエステル12では炭素数が20であるが低粘度を維持し、十分な吐出性能が得られている。
実施例11の芳香族モノエステル10は、フェニル基にヒドロキシ基が導入され極性が高くなることから、クリアファイル変形がより防止されたと考えられる。
比較例1では、非水系溶剤が脂肪酸モノエステル系溶剤であり、サテライトの発生によって印刷面汚れが発生した。
比較例2では、非水系溶剤が石油系炭化水素溶剤であり、サテライトの発生によって印刷面汚れが発生し、クリアファイル変形も発生した。
比較例3では、芳香族モノエステル8の1分子の炭素数が大きく、吐出性能が低下した。
比較例4では、芳香族モノエステル9にアルキレンオキシド基が含まれず、極性の低下を一因としてクリアファイル変形が発生した。
比較例5では、芳香族モノエステル13の1分子の炭素数が大きく、高粘度化によって吐出性能が低下した。比較例5では、粘度上昇の影響を受け、インク吐出不良によって印刷面汚れも発生した。なお、比較例5では、極性部分であるアルキレンオキシド基に比べ炭素数12のアルキル基の導入によって非極性部分が大きくなり、表面張力が十分に得られず、サテライトの発生も十分に抑制できなかったと考えられる。
比較例2では、非水系溶剤が石油系炭化水素溶剤であり、サテライトの発生によって印刷面汚れが発生し、クリアファイル変形も発生した。
比較例3では、芳香族モノエステル8の1分子の炭素数が大きく、吐出性能が低下した。
比較例4では、芳香族モノエステル9にアルキレンオキシド基が含まれず、極性の低下を一因としてクリアファイル変形が発生した。
比較例5では、芳香族モノエステル13の1分子の炭素数が大きく、高粘度化によって吐出性能が低下した。比較例5では、粘度上昇の影響を受け、インク吐出不良によって印刷面汚れも発生した。なお、比較例5では、極性部分であるアルキレンオキシド基に比べ炭素数12のアルキル基の導入によって非極性部分が大きくなり、表面張力が十分に得られず、サテライトの発生も十分に抑制できなかったと考えられる。
Claims (4)
- 色材及び非水系溶剤を含み、前記非水系溶剤は、芳香環とアルキレンオキシド基とを含み、1分子中の炭素数が12~20である芳香族モノエステルを含む、油性インクジェットインク。
- 前記芳香族モノエステルは、前記アルキレンオキシド基の末端の酸素原子に結合するメチル基を有する、請求項1に記載の油性インクジェットインク。
- 前記芳香族モノエステルは、下記一般式(1)で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載の油性インクジェットインク。
X-L-(C=O)-O-Y (1)
(一般式(1)において、X及びYの一方は、-(R1aO)a-R1bで表され、R1aは炭素数2~5のアルキレン基であり、R1bはフェニル基又はベンジル基であり、aは0~3の整数であり、
X及びYの他方は、-(R2aO)b-R2bで表され、R2aは炭素数2~5のアルキレン基であり、R2bはメチル基であり、bは1~3の整数であり、
a+b=1~3を満たし、Lは単結合または-O-C-で表される基である。)
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