JP2018016530A - 多孔質セラミックスおよび吸着用部材ならびに研磨用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面から生じる脱粒の少ない多孔質セラミックスを提供する。【解決手段】 本開示の多孔質セラミックスは、気孔率が25体積%以上50体積%以下であり、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である表面を備えてなる。本開示の吸着用部材は、上記多孔質セラミックスを含み、該多孔質セラミックスにおいて、前記表面を備える面が吸着面である。本開示の研磨用部材は、上記多孔質セラミックスを含み、該多孔質セラミックスにおいて、前記表面を備える面上に研磨パッドを備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、多孔質セラミックスおよび吸着用部材ならびに研磨用部材に関する。
従来、半導体ウエハ、ガラス基板等の被吸着体を吸着、保持する治具として、吸着用部材が用いられている。このような吸着用部材として、例えば、特許文献1では、多孔体の吸着面とは反対側を負圧にすることで、吸着面に被吸着体を吸着する真空チャックであって、多孔体は、無数の第1の細孔が形成され吸着面とは反対面側を構成する多孔質支持部材と、吸着面を有し、第1の細孔よりも径の小さい第2の細孔が形成されると共に多孔質支持部材よりも薄く形成されて多孔質支持部材に支持される多孔質吸着部材と、を有する真空チャックが提案されている。そして、図1では、一方の側に円柱形の凹部を備えたチャック本体、多孔質支持部材および多孔質吸着部材が示されている。
また、半導体ウエハ、ガラス基板等の被研磨体を研磨するための治具として、研磨用テーブルが用いられ、この研磨用テーブルは、ウエハ研磨装置に装着されている。例えば、特許文献2では、多孔質炭化珪素焼結体から構成されるウエハ研磨装置用テーブルが提案され、研磨クロス(研磨パッド)がテーブル本体に貼り付けられていることが記載されている。そして、特許文献3によれば、研磨パッドはテーブル本体のパッド貼付面に粘着剤を介して着脱可能に貼り付けられると記載されている。
特開2008−60232号公報 特開2001−158674号公報 特開2002−103209号公報
特許文献1で提案された真空チャックに被吸着体を吸着、保持して研磨を繰り返すと、吸着面から生じる脱粒により、被吸着体の平面度、平行度等の加工精度を維持することが難しいという問題があった。
また、特許文献2、3で提案されたウエハ研磨装置用テーブルの研磨パッドで被研磨体を研磨すると、テーブル本体の貼付面が多孔質であることから研磨パッドに対するテーブル本体の貼付面の面積が十分でなく、粘着剤の粘着力だけでは研磨パッドを保持しにくく、被研磨体が大口径化した場合、研磨パッドの位置ずれや脱落が起こりやすくなるという問題があった。
本開示は、このような事情に鑑みて案出されたものであり、表面から生じる脱粒の少ない多孔質セラミックスと、この多孔質セラミックスを備える吸着用部材および研磨用部材とを提供することを目的とする。
本開示の多孔質セラミックスは、気孔率が25体積%以上50体積%以下、波長領域が360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である表面を備えてなる。
また、本開示の吸着用部材は、上記構成の多孔質セラミックスを含み、該多孔質セラミックスにおいて、前記表面を備える面が吸着面である。
さらに、本開示の研磨用部材は、上記構成の多孔質セラミックスを含み、該多孔質セラミックスにおいて、前記表面を備える面上に研磨パッドを備える。
本開示の多孔質セラミックスは、表面から生じる脱粒が少ない。
また、本開示の吸着用部材は、被吸着体の平面度、平行度等の加工精度が向上する。
さらに、本開示の研磨用部材は、研磨パッドの位置ずれや脱落が起こり難い。
多孔質セラミックスの表面写真であり、(a)は本実施形態の多孔質セラミックスの表面の電子顕微鏡写真であり、(b)は比較例の多孔質セラミックスの表面の電子顕微鏡写真である。 本実施形態の吸着用部材の一例である真空チャックを示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 本実施形態の研磨用部材を備える研磨装置の概略構成の一例を示す、(a)は断面図であり、(b)は要部拡大図である。
以下、図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。図1は、多孔質セラミックスの表面写真であり、(a)は本実施形態の多孔質セラミックスの表面の電子顕微鏡写真(倍率100倍)であり、(b)は比較例の多孔質セラミックスの表面の電子顕微鏡写真(倍率100倍)である。多孔質セラミックスは、図1(a)の符号により説明すれば、セラミック粒子11同士の間に、複数の空隙12が存在するものである。
本実施形態の多孔質セラミックス10は、気孔率が25体積%以上50体積%以下であり、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である。図1(a)の電子顕微鏡写真に示す多孔質セラミックス10は気孔率が35体積%の例である、波長領域が360nm以上740nm以下における図示面の全反射率に対する正反射率の比率は0.08以上である。
一方、図1(b)に電子顕微鏡写真で示した多孔質セラミックスは気孔率が、図1(a)に示す本実施形態の多孔質セラミックス10と同じ35体積%であるものの、波長領域が360nm以上740nm以下における図示面の全反射率に対する正反射率の比率は0.08未満である。
図1(b)に示す写真では、多孔質セラミックスを構成するセラミックス粒子11’の表面に微細な凹凸が表れているが、図1(a)に示す写真では、多孔質セラミックス10を構成するセラミックス粒子11の表面は、このような微細な凹凸は存在せず平坦になっている。
図1(a)に示す多孔質セラミックス10のセラミックス粒子11の表面は、いわゆる鏡面状になっている。このような鏡面状の表面を有する多孔質セラミックスは従来得られていなかった。図1(a)の多孔質セラミックス10における鏡面とは、いわゆる光沢をもった表面である。光沢をもった表面とは、表面を自然光等の白色光に当てた際の反射の程度が大きく、輝きを呈する表面をいう。より具体的には、自然光を照射しても不要な散
乱が少ない表面であり、可視光を散乱させるような、可視光の波長範囲の大きさの凹凸が少ない状態の表面である。
本実施形態の多孔質セラミックス10は、気孔率が25体積%以上50体積%以下であり、波長領域が360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である表面を備えてなる。特に、全反射率に対する正反射率の比率は0.12以上であることがより好適である。本実施形態の多孔質セラミックス10は、全反射率に対する正反射率の比率がこの範囲である、すなわち、表面に凹凸の少ない表面性状を有していることにより、表面から生じる脱粒が少ない。
それ故、本実施形態の多孔質セラミックス10の表面を吸着面とした吸着用部材とすれば、気孔率が25体積%以上50体積%以下の多孔質体であったとしても平坦化された部分が吸着面内で多くなることから、耐磨耗性が向上し、吸着面から脱粒が生じにくいため、被吸着体の平面度、平行度等の加工精度が向上する。
また、多孔質セラミックス10の表面を研磨パッドを保持するための貼付面とした研磨パッドを有する研磨用部材とすれば、セラミックス粒子11の表面がいわゆる鏡面状となっていることから、添着に寄与する面積が多くなって、研磨パッドを保持しやすくなるため、被研磨体が大口径化しても、研磨パッドの位置ずれや脱落が起こりにくくなる。
また、多孔質セラミックス10の波長領域における比率の変動係数は0.14以下(但し、0を除く)であってもよい。ここで変動係数は10nm間隔毎の全反射率に対する正反射率の比率から算術平均および標準偏差を算出し、標準偏差を算術平均で除すことで求められる。そして、この変動係数とは、多孔質セラミックス10の表面の研磨によって生じる加工変質層の厚みばらつきを表すものである。
多孔質セラミックス10の波長領域における比率の変動係数が0.14以下であるときには、表面の研磨によって生じる加工変質層の厚みばらつきが少ないということであるため、貼付面に対する研磨パッドの密着性が向上する。特に、上記比率は0.1以下であることがより好適である。
波長領域が360nm以上740nm以下における、全反射率および正反射率は、この波長領域で10nm間隔毎に全反射率および拡散反射率を分光測色計(コニカミノルタ(
株)製、CM−3700A)を用いて測定し、正反射率は、全反射率から拡散反射率を減
じることで求められる。また、各波長における全反射率に対する正反射率の比率は、その波長における正反射率を全反射率で割ることで求められる。ここで、光源はD65、視野角は10°、照射径は10mm、測定径は8mmとすればよい。
このような多孔質セラミックス10の表面の色調は、例えば、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が31以上37以下、クロマティクネス指数a*,b*がそれぞれ−1.9以上−0.6以下,−7以上−3以下が例示される。
明度指数L*およびクロマティクネス指数a*,b*は、分光色差計(日本電色工業(株)製、NF777)を用いて求めることができる。ここで、光源はD65、視野角は2°、測定径は2mmとすればよい。
なお、本実施形態の多孔質セラミックス10は、連続した三次元網目構造を有する気孔を備えており、この気孔率はアルキメデス法を用いて求めることができる。また、多孔質セラミックス10の平均気孔径は、例えば、20μm以上100μm以下である。この平均気孔径は、JIS R 1655:2003に準拠した水銀圧入法により求めることが
できる。
また、本実施形態の多孔質セラミックス10は、例えば、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、コージェライトまたはムライトを主成分とするセラミックスが例示される。
本実施形態の多孔質セラミックス10および後述する緻密質セラミックスにおける主成分とは、それぞれのセラミックスを構成する成分の含有量の合計100質量%のうち、50質量%を超える成分をいう。
それぞれのセラミックスを構成する成分は、まず、X線回折装置(XRD)を用いて同定し、次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP)または蛍光X線分析装置(XRF)を用いて金属元素の含有量を測定した後、XRDを用いて同定された化合物の成分に換算することにより求められる。例えば、XRDで同定された化合物がAlであれば、ICPで測定したAlの含有量をAlに換算すればよい。
図2は、本実施形態の吸着用部材の一例である真空チャックを示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
図2に示す真空チャック1は、気孔率が25体積%以上50体積%以下である多孔質セラミックス10からなる吸着部2および緻密質セラミックスからなり凹部3aを備える支持部3を有し、吸着部2は、支持部3の凹部3a内に収容されている。この真空チャック1は、吸着部2の一方主面2A側から吸着部2内の気体を吸引して、他方主面2Bに配置された被吸着体を吸着するものである。ここで、上記表面が他方主面2Bの少なくとも一部にあたり、他方主面2Bにおける上記表面の面積比率は大きいことが好適である。
真空チャック1における支持部3は、吸着部2の一方主面2A側に位置する吸引路3bと、反対面から吸引路3bに繋がる溝3cとを備えている。支持部3を構成する緻密質セラミックスは、例えば、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、コージェライトまたはムライトを主成分とするセラミックスが例示され、相対密度が98体積%以上であることが好適である。
なお、支持部3は、円周方向に帯状部3dを備えている。また、帯状部3dには円周方向に沿って等間隔に取り付け穴3eを備えている。この取り付け孔3eにボルト(不図示)等を介して締結することにより、固定ベース等に固定することができる。
図2に示す真空チャック1では、吸引路3bを通じて吸着部2の一方主面2Aの側から吸着部2内の気体を吸引して、他方主面2Bに配置された被吸着体を吸着し、吸着された被吸着体は、他方主面2Bに比較的強い力で吸い付けられる。他方主面2Bにパーティクル等が付着している場合は、このパーティクルが被吸着体に付着し、平面度、平行度等の加工精度を低下させる。これに対し、本実施形態の真空チャック1は、吸着部2の吸着面である他方主面2Bが、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である表面を備えるものであることから、吸着面から脱粒が生じにくいため、被吸着体の平面度、平行度等の加工精度が向上する。
図3は、本実施形態の研磨用部材を備える研磨装置の概略構成の一例を示す、(a)は断面図であり、(b)は要部拡大図である。
図3に示す研磨装置4は、回転軸5と、回転軸5上に位置し、回転軸5に連動する本体部6と、本体部6における回転軸5が位置する側の反対面に研磨パッド8を備える。ここ
で研磨パッド8は、粘着剤7を介して本体部6に接着される。具体的には、図3(b)に示すように、本体部6の表面6cにおいて、粘着材7を介して研磨パッド8が貼り付けられている。ここで、研磨パッド8は、ポリエステル繊維、ポリウレタン発泡体やフルオロカーボン系発泡体等の不織布からなる。
また、研磨装置4は、回転軸5から本体部6に繋がる流路を有し、流路を流れる流体が、本体部6内に位置する溝に連通する構成となっている。
そして、本体部6は、気孔率が25体積%以上50体積%以下の多孔質セラミックスからなる基材6aおよび緻密質セラミックスまたは多孔質セラミックスからなる基材6bが、ガラス、金属珪素または有機系接着剤からなる接合層9を介して接合されている。なお、研磨パッド8は、着脱可能に装着されてもよい。基材6aにおける研磨パッド8側の表面6cが、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である部分を備えている。
このように基材6aの表面6cにおいて、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である部分を有していることにより、気孔率が25体積%以上50体積%以下の多孔質体であっても添着に寄与する面積が多くなって、研磨パッドを保持しやすくなるため、被研磨体が大口径化しても、研磨パッドの位置ずれや脱落が起こりにくくなる。なお、基材6aの表面6cの全体を、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上としても良い。
また、研磨装置4は、研磨パッド8を有する本体部6の上方に、半導体ウエハ等の被研磨体14を保持する円板状の保持部15を複数備えている。保持部15は、例えばガラス、セラミックスまたはステンレス等の金属からなる。各保持部15の中心部には、回転駆動させる駆動手段(不図示)に連結するプッシャ棒16が固定され、保持部15を水平に支持している。また、各プッシャ棒16は保持部15を回転させるとともに、上下方向に移動させることができる。被研磨体14は、熱可塑性ワックス等を用いて保持部15の保持面に貼り付けられる。被研磨体14は、貼付以外、保持面に真空吸着あるいは静電吸着されていてもよい。
次に、本実施形態の多孔質セラミックスの製造方法の一例について説明する。
まず、酸化珪素が0.4質量%、酸化第2鉄が0.1質量%、酸化チタンが2.2質量%、残部が酸化アルミニウムからなる粉末100重量部に対して気孔形成材である球状樹脂を20質量部以上70重量部添加して調合する。
次に、この調合した原料と溶媒とを、バレルミル、回転ミル、振動ミル、ビーズミルまたはアトライター等に入れて湿式で混合・粉砕してスラリーとする。
次に、噴霧乾燥装置を用いてスラリーを噴霧乾燥させることにより造粒した顆粒を得る。この顆粒を例えば圧力を80MPaとしてCIP法により成形した後、必要に応じて切削加工を施して円板形状の成形体を得ることができる。ここで、球状樹脂の平均粒径は、例えば、36.5μmとする。
得られた成形体を大気雰囲気中で1600℃以上1700℃以下の温度、好適には1680℃にて焼成することにより、主面が焼き肌面であり、気孔率が25体積%以上50体積%以下である円板形状の多孔質セラミックスを得る。
そして、この多孔質セラミックスと、内径が多孔質セラミックスの外径と略同一の環状の緻密質セラミックスとを準備する。環状の緻密質セラミックスは、後述する研磨で、多孔質セラミックスの研磨速度を制御するために用いられるものであり、研磨後に緻密質セラミックスが不要となる場合には、円筒研削盤等で緻密質セラミックスを除去すればよい。
次に、多孔質セラミックスと、多孔質セラミックスの外周側の緻密質セラミックスと、を円板形状の研磨治具上に配置し、接着等により多孔質セラミックスおよび緻密質セラミックスを研磨治具に固定する。
そして、平均粒径が8μm以上12μm以下のダイヤモンド砥粒と、銅製または鋳鉄製の研磨定盤とを用いて第1の研磨を行う。次に、平均粒径が2μm以上6μm以下のダイヤモンド砥粒と、銅製または鋳鉄製の研磨定盤とを用いて第2の研磨を行う。第1の研磨および第2の研磨に用いられる研磨定盤は、特に、球状黒鉛含有鋳鉄製であることが好適である。
最後に、平均粒径が1μm以上3μm以下のダイヤモンド砥粒と、錫製または錫鉛合金製の研磨定盤を用いて第3の研磨を行った後、研磨治具から多孔質セラミックスを取り外すことによって、本実施形態の多孔質セラミックスを得ることができる。ここで、波長領域が360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率の変動係数が0.14以下である多孔質セラミックスを得るには、平均粒径が1μm以上3μm以下のダイヤモンド砥粒と、錫製の研磨定盤を用いればよい。
次に、本実施形態の吸着用部材の製造方法の一例について説明する。
まず、主面が焼き肌面である円板形状の多孔質セラミックスと、多孔質セラミックスを装着するための凹部を備えてなる円板形状の緻密質セラミックスとを準備する。そして、例えば、酸化珪素が30〜65質量%、酸化アルミニウムが10〜40質量%、酸化ホウ素が10〜20質量%、酸化カルシウムが4〜5質量%、酸化マグネシウムが1〜5質量%、酸化チタンが0〜5質量%、酸化バリウムが0〜6質量%および酸化ストロンチウムが0〜5質量%からなるペースト状のガラスを凹部に塗布する。ガラス塗布後、多孔質セラミックスを凹部内に配置し、専用の加圧装置で厚み方向から加圧する。加圧後、950〜980℃で熱処理することにより多孔質セラミックスおよび緻密質セラミックスは、ガラスからなる接合層で接合されたセラミック接合体とすることができる。
そして、セラミック接合体を研磨治具に固定して、上述した研磨方法によって研磨することによって、本実施形態の吸着用部材を得ることができる。
なお、上述したセラミック接合体から本実施形態の研磨用部材を得るには、緻密質セラミックスの凹部を除く外周側を円筒研削盤等で除去すればよい。
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組合せ等が可能である。
まず、酸化珪素が0.4質量%、酸化第2鉄が0.1質量%、酸化チタンが2.2質量%、残部が酸化アルミニウムからなる粉末100重量部に対して気孔形成材である球状樹脂を40質量部添加して、調合した。
次に、この調合した原料と溶媒とを、バレルミルに入れて湿式で混合・粉砕してスラリ
ーとした。
次に、噴霧乾燥装置を用いてスラリーを噴霧乾燥させることにより造粒した顆粒を得た。
この顆粒を圧力80MPaとしてCIP法により成形した後、切削加工をして円板形状の成形体を得た。ここで、球状樹脂の平均粒径は、36.5μmとした。
得られた成形体を大気雰囲気中で1680℃にて焼成することにより、円板形状の多孔質セラミックスを複数作製した。
そして、これらの多孔質セラミックスと、内径が多孔質セラミックスの外径と略同一の環状の緻密質セラミックスとを準備した。次に、多孔質セラミックスと、多孔質セラミックスの外周側の緻密質セラミックスと、を円板形状の研磨治具上に配置し、接着等により多孔質セラミックスおよび緻密質セラミックスを研磨治具に固定した。
そして、多孔質セラミックスおよび緻密質セラミックスは、平均粒径が10μmのダイヤモンド砥粒と、鋳鉄製の研磨定盤とを用いて第1の研磨を行い、一方の多孔質セラミックスおよび緻密質セラミックスは、この第1の研磨で終了し、研磨治具から多孔質セラミックスを取り外して、試料No.1とした。
次に、他方の多孔質セラミックスおよび緻密質セラミックスは、平均粒径が4μmのダイヤモンド砥粒と、鋳鉄製の研磨定盤とを用いて第2の研磨を行った。
最後に、平均粒径が1,1.5,2μmのダイヤモンド砥粒と、錫製の研磨定盤を用いて第3の研磨を行った後、研磨治具から多孔質セラミックスを研磨治具から多孔質セラミックスを取り外した。用いたダイヤモンド砥粒の平均粒径が2,1.5,1μmの試料をそれぞれNo.2,3,4とした。
そして、波長領域が360nm以上740nm以下における全反射率および正反射率を10nm間隔毎に分光測色計(コニカミノルタ(株)製、CM−3700A)を用いて測定し、正反射率は、全反射率から拡散反射率を減じることで求めた。また、各波長における全反射率に対する正反射率の比率は、その波長における正反射率を全反射率で割ることにより求め、その値を表1に示した。
ここで、光源はD65、視野角は10°、照射径は10mm、測定径は8mmとした。
表1、表2に示すように、試料No.2〜4は、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である表面を備えてなることから、これらの表面が吸着面である場合、平坦化された部分が吸着面内で多くなって、耐磨耗性が向上し、吸着面から脱粒が生じにくくなるので、被吸着体の平面度、平行度等の加工精度を維持しやすくなると言える。
また、試料No.3,4は、比率の変動係数が0.14以下であることから、これらの表面が貼付面である場合、セラミックス粒子の表面がいわゆる鏡面状となっていることから、その貼付面の面積が多くなって、研磨パッドを保持しやすくなり、被研磨体が大口径化しても、研磨パッドの位置ずれや脱落が起こりにくくなると言える。 なお、表1には波長360〜550nmの測定値を、表2には波長560〜740nmの測定値を示している。また表2の平均値、標準偏差および変動係数は、波長360〜740nmの測定値の平均値、標準偏差および変動係数を示している。
10 多孔質セラミックス
11 セラミックス粒子
12 空隙
1 真空チャック
2 吸着部
3 支持部
4 研磨装置
5 回転軸
6 本体部
8 研磨パッド

Claims (4)

  1. 気孔率が25体積%以上50体積%以下である多孔質セラミックスであって、波長領域360nm以上740nm以下における、全反射率に対する正反射率の比率が0.08以上である表面を備えてなることを特徴とする多孔質セラミックス。
  2. 前記波長領域における前記比率の変動係数が0.14以下(但し、0を除く)であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックス。
  3. 請求項1または請求項2に記載の多孔質セラミックスを含み、該多孔質セラミックスにおいて、前記表面を備える面が吸着面であることを特徴とする吸着用部材。
  4. 請求項1または請求項2に記載の多孔質セラミックスを含み、該多孔質セラミックスにおいて、前記表面を備える面上に研磨パッドを有することを特徴とする研磨用部材。
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