JP2004181584A - 研磨用複合材料及び砥石、研削材料、研磨材料並びに電子部品の加工方法及びシリコンの加工方法 - Google Patents

研磨用複合材料及び砥石、研削材料、研磨材料並びに電子部品の加工方法及びシリコンの加工方法 Download PDF

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竜之 山本
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正治 土岐
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Abstract

【課題】研磨の精度を向上させ、キズや研磨痕の無い研磨面が得られる研削、研磨材及び研削、研磨方法を提供する。
【解決手段】基板、布などの母材に砥粒と炭素繊維を固着させた研磨用複合材とする。炭素繊維には中空で積層構造を有する気相法炭素繊維を使用するのが有効である。研磨用複合材の形態としては、砥石、研磨ホイール、研削ブレード、研磨パッド、ドレッサー等が挙げられる。また、本発明の研磨用複合材を使用すれば、半導体基板や電子デバイスを構成する層間絶縁膜あるいは回路パターン等を精度良く、しかも高能率に加工することが可能となる。特に、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコンを研削、研磨するシリコンの加工において効果を発揮する
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば砥粒を含むホイールやブレードなどの研削、研磨用の複合材に関するものであって、さらに詳しくは、固定砥粒方式による半導体ウェハや層間絶縁膜もしくは配線材料等の電子部品を精密研削もしくは研磨する際に使用する研磨用複合材、及びそれを用いた研削用材料又は研磨用材料、並びにそれらを使用した半導体ウェハ等の電子部品の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高性能化にともない電子回路の高集積化、微細化が進んでいる。半導体基板表面に高度な配線構造を構築するには、回路パターンを形成するフォトリソグラフィーの微細化限界、すなわち焦点深度が浅くなるという制約を軽減するため、結像面である半導体基板表面を平坦化する行程が重要なプロセスとなる。
通常使用されている化学的機械的研磨方法による平坦化においては、砥粒を研磨液に分散させたスラリーを研磨パッドに流すと同時に、キャリアに保持された基板を回転させながら研磨する方法がある。例えば絶縁膜研磨用スラリーとしては、二酸化ケイ素(例えば、特許文献1参照。)や酸化セリウム(例えば、特許文献2参照。)などを研磨液に分散させたものがある。これらの方法では、基板を傷つけないために比較的軟質な研磨パッドが用いられるが、砥粒が研磨パッドに保持されていないことにより研磨速度が遅いという問題点がある。また、回路パターンを転写した基板を研磨する場合には、研磨速度が回路配線の間隔により変化し、ディッシングやシニングといった研磨ムラが発生する難点がある。また、使用済みの砥粒の処理などの問題がある。
【0003】
これらの問題点を解決するための別の方法として、砥粒を固着した回転盤に基板を押し当て回転、摺動させながら研磨する方法がある(例えば、特許文献3,特許文献4,特許文献5等参照。)。
この方法では砥粒が固定されているので研磨速度が比較的速いという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−26771号公報
【特許文献2】
特開2001−179610号公報
【特許文献3】
特開平10−329031号公報
【特許文献4】
特開平11−333705号公報
【特許文献5】
特開2001−49243号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような固定式砥粒による研磨の方法では、研磨時にスクラッチと呼ばれる微小キズが発生する問題や、砥粒の脱落による深い研磨痕が発生する問題がある。これらのキズは回路短絡の原因になるため、デバイスの歩留まりの低下を招きやすい。
半導体デバイスの高性能化を達成するためには、基板表面の研磨の精度を向上させ、キズや研磨痕の無い基板の提供が必須要件となる。
さらに基板のキズだけでなく、デバイスを構成する層間絶縁膜や回路パターンなども精度良く研磨できる手段が必要となる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、基板や層間絶縁膜、回路パターン等の表面の研磨精度を向上させ、キズや研磨痕の無い基板が得られる研削材や研磨材若しくは研削方法や研磨方法を提供することを目的とする。
具体的には研削、研磨加工時の砥粒の脱落を抑え、研磨痕の発生を抑制すると同時に砥粒の後処理の負担を軽減させ、寿命の長い研削材や研磨材若しくは研削方法や研磨方法を提供することを目的とする。
さらに、被加工物の研削、研磨の精度を向上させるために、研削材や研磨材に摺動性、弾力性、導電性、熱伝導性、耐食性を付与することで、加工時の物理的、化学的要因の影響を低減することができる研磨用複合材を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、これら高性能な研磨用複合材を利用した研削材や研磨材を使用して、半導体基板や電子デバイスを構成する層間絶縁膜や回路パターンを研削、研磨する電子部品の加工方法を提供することである。
特に、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコンを研削、研磨するシリコンの加工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため研究を行った結果、以下の研磨用複合材を発明し、その研磨用複合材を使用した砥石、研削用材料及び研磨用材料を発明した。さらに、それらの砥石、研削用材料又は研磨用材料を使用した電子部品の加工方法並びにシリコンの加工方法を発明した。
本発明の研磨用複合材は、炭素繊維を含んでいるので摺動性、弾力性、導電性、熱伝導性及び耐食性が向上し、砥粒の脱落を抑制し、摩擦抵抗を低減させ、研磨ムラを抑えて被研磨面を高平坦化させ、高精度の研削若しくは研磨加工が可能となる。
また、本発明の研磨用複合材に使用する砥粒や母材には特に制限はなく、従来公知の材料を使用することが可能である。
本発明の砥石又は研削用材料もしくは研磨用材料は、炭素繊維を含んでいるので摺動性、弾力性、導電性、熱伝導性及び耐食性が向上するので、砥粒の脱落を抑制し、摩擦抵抗が低減し、研磨ムラを抑えて被研磨面を高平坦化し、高精度の研削若しくは研磨加工が可能となる。
さらに、本発明の加工方法によれば、シリコンをはじめとする各種電子部品の研削、研磨加工において、砥粒の脱落を抑制し、摩擦抵抗が低減し、研磨ムラを抑えて被研磨面を高平坦化させ、高精度の研削若しくは研磨加工が可能となる。
【0009】
すなわち本発明は、
(1) 外径が2〜500nm、アスペクト比が5〜15000で中心部に中空構造を有する多層構造の炭素繊維と砥粒と母材を含むことを特徴とする研磨用複合材、
(2) 炭素繊維のBET比表面積が4m/g以上であることを特徴とする(1)に記載の研磨用複合材、
(3) 炭素繊維のX線回折における炭素(002)面の面間隔(d002)が0.345nm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の研磨用複合材、
(4) 炭素繊維のラマン散乱スペクトルにおける1341〜1349cm−1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm−1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)が1.5以下であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の研磨用複合材、
(5) 炭素繊維が、分岐状気相法炭素繊維を含む炭素繊維であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか一つに記載の研磨用複合材、
(6) 炭素繊維が、その結晶内に0.01〜5質量%のホウ素を含有することを特徴とする(1)から(5)のいずれか一つに記載の研磨用複合材、
(7) 炭素繊維が、研磨用複合材中に5〜40体積%含有されてなることを特徴とする(1)から(6)のいずれか一つに記載の研磨用複合材、
【0010】
(8) 砥粒が、酸化セリウム、酸化ケイ素、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド、ボロンナイトライド、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、サファイヤから選ばれる少なくとも1種の材料であることを特徴とする(1)に記載の研磨用複合材、
(9) 母材が、樹脂、メタル、セラミックスから選ばれる少なくとも1種の材料であることを特徴とする(1)に記載の研磨用複合材、
(10) 母材となる樹脂が、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む樹脂であることを特徴とする(9)に記載の研磨用複合材、
(11) 前記(1)から(10)のいずれか一つに記載の研磨用複合材を成形加工してなることを特徴とする砥石、
【0011】
(12) 前記(1)乃至(10)のいずれか一つに記載の研磨用複合材を用いたことを特徴とする研削用材料もしくは研磨用材料、
(13) 前記(11)に記載の砥石又は(12)に記載の研削用材料もしくは研磨用材料を用いて、半導体または層間絶縁膜もしくは配線材料を研削又は研磨することを特徴とする電子部品の加工方法、
(14) 前記(11)に記載の砥石又は(12)に記載の研削用材料もしくは研磨用材料を用いて、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコンを研削又は研磨することを特徴とするシリコンの加工方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の研磨用複合材は、基板、布などの母材に砥粒と炭素繊維を固着させたものである。研磨用複合材の形態としては、例えば砥石のようにバインダー機能を兼ねた母材自身に砥粒と炭素繊維を混合して成型したものや、研磨用ブレードのように母材となる金属やセラミック製の基板表面に、バインダーを使用して砥粒と炭素繊維を固着させたもの、あるいは研磨パッドのように不織布からなる母材の表面に、バインダーを使用して砥粒と炭素繊維を固着させたもの等の形態が利用できる。
また、本発明において研削とは、切断を含む部材を削除する加工方法を指し、研磨とは部材表面の凹凸を少なくして表面を滑らかにする加工方法を指すものとする。また、研削材料あるいはび研磨材料とはこれらそれぞれの加工目的に使用する材料を指す。研削材料あるいはび研磨材料の具体例を挙げれば、砥石、研磨ホイール、研削ブレード、研磨パッド、ドレッサー等が挙げられる。
【0013】
(砥粒)
本発明に用いる砥粒の種類としては特に限定されるものではなく、従来から使用されている例えば酸化セリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、ボロンカーバイド、ボロンナイトライド、ダイヤモンド、サファイヤ、有機微粒子などの中から、目的とする被加工物の種類に応じて用いることができる。特に、半導体分野の用途には酸化セリウム、酸化ケイ素又は酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明に用いる砥粒の粒径は、被加工物の表面仕上げの程度に応じて0.1〜100μmのものを使い分けることができる。好ましくは0.3から50μmの粒径のものがよい。粒径が0.1μm以下の場合、砥粒の突出部が小さく、研磨速度が非常に遅くなる。一方、粒径が100μm以上では、研磨速度は速くなるが、被加工物表面の研磨痕数が多くなり、さらに深さが深くなる。また、表面粗さも粗くなる。
【0014】
本発明に用いる砥粒の添加量としては、砥石にする場合には3〜30体積%が好ましく、より好ましくは5〜20体積%がよい。砥粒の添加量が3体積%以下では研磨速度が遅く、短時間で十分な平坦性を得ることができない。一方、30体積%以上では樹脂の接着性が低下し、砥粒の脱落が顕著になり、研磨痕数が増大する。
また母材表面に固着させる場合には、砥粒と炭素繊維との体積比が1対0.5乃至1対1程度となるようにするのが好ましい。
【0015】
(母材)
本発明に用いる母材としては、プラスチックやゴムなどの樹脂、セメントやガラス等のセラミックス、純金属や合金などのメタル等が挙げられ、これらは結合剤(ボンド)としての役割も成しているものであっても良い。また母材に砥粒や炭素繊維を固着させる手段は、使用する結合剤(ボンド)の種類によって、レジノイドボンド、メタルボンド、ビトリファイボンド、電着ボンド等が利用できる。
【0016】
本発明に用いる樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、エポキシ、不飽和ポリエステル、フェノールなどの熱硬化性樹脂またはナイロン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートなど熱可塑性樹脂などを用いることができる。さらにそれぞれの樹脂に発泡剤を組み合わせることもできる。また、必要に応じて調泡剤、砥粒の分散、湿潤、濡れ性などを調整するための添加剤、樹脂と砥粒の結合強度を調整するためのカップリング剤などを使用することができる。
樹脂を母材とする場合は、樹脂と砥粒及び炭素繊維を混合して圧縮成型して砥石に加工したものであっても良いし、あるいはまた母材となる樹脂製の基板や不織布の表面に、結合剤を用いて砥粒及び炭素繊維を固着させたものであっても良い。
【0017】
また、金属やセラミックス製の母材表面に砥粒及び炭素繊維を固着させる場合には、メタルボンドが使用できる。メタルボンドとしては、銅、錫、鉄、ニッケル、コバルトなどの合金が利用できる。さらに、ビトリファイボンドは800〜1000℃で焼結した磁器、ガラス質の無機結合剤であり、電着ボンドは電気メッキ法で砥粒を固定するものである。
【0018】
(炭素繊維)
本発明で使用する炭素繊維は気相法炭素繊維を用いるのが好ましい。気相法炭素繊維は、一般的には、有機遷移金属化合物を用いて有機化合物を熱分解することにより得ることができる。
気相法炭素繊維の原料となる有機化合物は、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物も使用可能である。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含むものである。遷移金属としては、周期律表第IVa、Va、VIa、VIIa、VIII族の金属を含む有機化合物である。中でもフェロセン、ニッケロセン等の化合物が好ましい。
気相法炭素繊維は、上記有機化合物と有機遷移金属化合物を気化して、予め500〜1300℃に加熱した水素などの還元性ガスと混合し、800〜1300℃に加熱した反応炉へ供給して反応させて得る。
【0019】
母材との密着性を上げるために、気相法炭素繊維の表面に付着したタールなどの有機物を除くために不活性雰囲気中で900〜1300℃で熱処理をおこなうのが好ましい。
さらに母材との密着性を上げるために、酸化性雰囲気中300〜450℃で熱処理を行ったり、炭酸ガスや水酸化カリウムなどにより賦活し、接着面積を上げる方法も利用できる。
気相法炭素繊維の表面積は、振動ミルやジェットミルなどの乾式粉砕、ビーズミルなどの湿式粉砕により上げることもできる。
母材との親和性を上げるために、気相法炭素繊維の表面もしくは全体をフッ素化、酸化などの処理を施してもよい。
【0020】
また、導電性や熱伝導性などの特性を向上させるために気相法炭素繊維を不活性雰囲気下で2000〜3500℃で熱処理を行い、結晶を発達させることができる。さらに結晶を発達させ、導電性を向上させるために、気相法炭素繊維に炭化ホウ素(B C)、酸化ホウ素(B)、元素状ホウ素、ホウ酸(HBO)、ホウ酸塩等のホウ素化合物と混合して不活性雰囲気下で2000〜3500℃で熱処理を行なって、炭素結晶中にボロン(B)を0.01〜5質量%含有する繊維としてもよい。
使用する熱処理炉は2000℃以上、好ましくは2300℃以上の目的とする温度が保持できる炉であればよく、通常の、アチソン炉、抵抗炉、高周波炉他の何れの装置でもよい。また、場合によっては、粉体または気相法炭素繊維を押し固めた成形体に直接通電して加熱する方法も使用できる。
熱処理の雰囲気は非酸化性の雰囲気、好ましくはアルゴン、ヘリウム、ネオン等の1種もしくは2種以上の希ガス雰囲気がよい。熱処理の時間は、生産性の面からは出来るだけ短い方が好ましい。特に長時間加熱していると、燒結して固まってくるので製品収率も悪化する。従って、成形体等の中心部の温度が目標温度に達した後、1時間以下の保持時間で十分である。
【0021】
本発明に用いる気相法炭素繊維の外径としては2〜500nmが好ましい。摺動性や導電性などの機能を十分発揮するためにの炭素繊維の分散を均一にする必要があり、繊維の外径としては10〜300nmがより好ましく、さらに20〜200nmが一層好ましい。また、気相法炭素繊維は、研磨用複合材表面に分布している割合が多ければ多いほど摺動性が向上する。外径が5nm未満では研磨用複合材内に炭素繊維を均一に分散させることが困難となり、研磨用複合材に摩擦抵抗のムラが発生して研磨ムラの原因となり、外径が500nmを越えると研磨用複合材に所望の導電性、熱伝導性を付与するために多量の炭素繊維を添加しなければならなくなり、その結果研磨用複合材の機械的強度が低下し、研磨時に砥粒や炭素繊維の脱落による研磨痕が発生し易くなる。
【0022】
本発明に用いる気相法炭素繊維のアスペクト比としては5〜15000が好ましい。研磨用複合材中への均一な分散性を容易にするためには気相法炭素繊維のアスペクト比は10〜100がより好ましい。
アスペクト比が5未満では繊維という形状的特徴が失われ、研磨用複合材に所望の導電性、熱伝導性を付与することができなくなり、アスペクト比が15000を越えると繊維が相互に絡み合い、研磨用複合材中に炭素繊維を均一に分散させることが困難となり、その結果砥石に成型直後の砥石表面の平坦性の低下、砥石面内の摩擦抵抗のムラ等が発生し、被加工物の平坦性低下の原因となる。
【0023】
また、本発明で使用する炭素繊維は、BET比表面積が4m /g以上であるものが好ましい。
BET比表面積が4m /g未満では母材との接着面積が小さくなり、炭素繊維の細く力が低下し、研削、研磨時に研磨用複合材から炭素繊維が脱落してしまい、スクラッチや研磨痕の原因となる。
【0024】
さらに、本発明で使用する炭素繊維は、X線回折における炭素(002)面の面間隔(d002 )が0.345nm以下であるものが好ましい。
(d002 )値が0.345nmを越えると熱伝導性や摺動性が低下し、研磨時に発生する熱の放熱性が低下し、研磨焼けなどの問題が発生する。
【0025】
また、本発明で使用する炭素繊維は、ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm−1のバンドピーク高さ(Id)と1570〜1578cm−1のピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)が1.5以下であるものが好ましい。
ここで、ラマンスペクトルのIdは炭素構造の乱れの増加と対応しているブロードなバンド領域であり、Igは完全なグラファイト構造と関連づけられる比較的シャープなバンド領域である。ピークの強度比は、炭素材料の黒鉛化度を示す指標として用いられているが、この強度比をピーク高さ比として示した場合、黒鉛化度が高いほど小さい値となる。
(Id/Ig)の値が1.5を越えるとグラフェンシート面内の結晶が発達していないため、炭素繊維自体の導電性、熱伝導性が低く、研磨用複合材に所望の導電性や熱伝導性を付与することが困難になる。
【0026】
本発明で使用する炭素繊維は中心部に中空構造を有する多層構造のものとする。中空構造を有することにより弾力性に富んだものとなり、研磨効率が高まるにもかかわらず研磨痕の発生を抑制することができるようになる。また、多層構造を有することにより潤滑性に富んだものとなり、研磨痕の発生を抑制することができるようになる。このような中心部に中空構造を有する多層構造の炭素繊維は、気相法によって得られる炭素繊維に特有の性質である。
本発明で使用する炭素繊維は分岐状気相法炭素繊維を含むものであっても良い。分岐状気相法炭素繊維は、外径が極細でありながら分岐部が連通した中空構造を有する場合が多い。分岐状気相法炭素繊維を研磨用複合材に添加する場合、通常の気相法炭素繊維に比べて低濃度添加しただけで、効率よく導電や熱伝導ネットワークを形成することができる。換言すれば通常の気相法炭素繊維と同濃度の分岐状気相法炭素繊維を研磨用複合材に添加した場合、より高い導電性、熱伝導性、摺動性、弾力性を得ることができる。
【0027】
本発明で使用する炭素繊維は、炭素繊維結晶中に0.01〜5質量%のホウ素が含有されていることが好ましい。
炭素繊維中にホウ素が含有されていると、結晶の積層構造が発達するため導電性が向上する。また、結晶性の発達および結晶面内に取り込まれたホウ素の効果により炭素繊維の耐食性が向上したり、表面電荷分布が変化し、母材との濡れ性や摺動性が改善される。これらホウ素を含有する気相法炭素繊維を研磨用複合材に添加することにより、研磨時の摩擦抵抗を減少させ、摩擦熱の発生を抑制することができる。また、母材との密着性が改善されるため研磨時の炭素繊維の脱落を低減することができる。
【0028】
本発明の研磨用複合材は、基板、布などの母材に砥粒と炭素繊維を固着させたものである。研磨用複合材の形態としては、例えば砥石のようにバインダー機能を兼ねた母材自身に砥粒と炭素繊維を混合して成型したものや、研磨用ブレードのように母材となる金属やセラミック製の基材表面に、バインダーを使用して砥粒と炭素繊維を固着させたもの、あるいは研磨パッドのように不織布からなる母材の表面に、バインダーを使用して砥粒と炭素繊維を固着させたもの等の形態が利用できる。
【0029】
研磨用複合材が砥石の形態を取る場合、本発明で用いる炭素繊維の添加量としては、5〜40体積%が好ましく、10〜30体積%がより好ましい。添加量が5体積%以下であると、研磨用複合材に十分な摺動性、弾力性、導電性、熱伝導性、耐食性を付与することができず、平坦な研磨面を得ることができない。また、添加量が40体積%以上になると母材との密着性が悪くなり、研磨用複合材の機械的強度が低下する。その結果、研磨時に研磨用複合材から炭素繊維や砥粒の脱落が発生し、研磨用複合材及び被加工物の品質低下を招いてしまう。
【0030】
研磨用複合材が基材表面にバインダーを使用して砥粒と炭素繊維を固着させたもの、あるいは不織布等からなる母材の表面に、バインダーを使用して砥粒と炭素繊維を固着させた形態を取る場合、炭素繊維の使用量は砥粒と炭素繊維との体積比が1対0.5〜1対1程度となるようにするのが好ましい。
【0031】
上記のように構成した本発明の研磨用複合材は、炭素繊維を添加することにより、研磨用複合材に弾力性を付与し、被研磨物に過剰な負荷を与えることなく、研磨痕を低減することができる。
被加工物の平坦化には、砥石の平坦性に加え、砥石と被加工物接触面内の圧力分布の均一性が求められる。嵩密度が低く、弾力性に富む炭素繊維、特に気相法炭素繊維を砥石に添加すると砥石の弾性率が大きくなり、研磨圧力を均一化することができ、被加工物面の均一な平坦化を可能とする。さらに過剰な圧力がかかった場合でも、変形による圧力緩和により研磨痕の深さを浅くしたり、数を少なくすることができる。
さらに、摺動性、導電性、熱伝導性、耐食性を向上させることで、加工時の物理的、化学的要因の影響を低減することができるようになる効果を有する。
特にダイヤモンド砥粒を用いて半導体を研削、研磨する場合、大気中の酸素と摩擦熱によるのダイヤモンド砥粒の酸化を抑え、研磨材の寿命を延長することができるようになる。
また、半導体ウェハの研磨や、研磨パッドのドレッシング時における研磨材の砥粒の脱落を抑えることができるようになる。
半導体ウェハの研磨においては、半導体ウェハと砥粒部分以外との摩擦抵抗を低減させ、被加工物である半導体ウェハの研磨ムラを抑え、表面を高平坦化することができ、発生する摩擦熱を放熱させて研磨焼けを低減することができる効果を発揮する。
【0032】
さらに、砥石形成時に優れた離型性を付与することができる研磨用複合材となる。
面接触で研磨する砥石の場合、砥石の研磨面の平坦性は、研磨後の被加工物の平坦性に影響を及ぼす。したがって、いかに金型通りに砥石を抜き取るのかが重要になる。砥石形成時の離型性を改善するには、離型剤等を使用することもできる。しかし、本発明の炭素繊維を用いた場合、砥石に摺動性を与え、その結果、優れた離型性と同時に研削、研磨時の砥粒部以外の摩擦抵抗を低減することができる。
【0033】
また、砥石に導電性を付与し、研磨後の砥石膜厚を電気的に把握することができ、砥石交換などの管理を行うことができる研磨用複合材となる。
連続研磨による生産を行う場合、一般に研磨時間で研磨量を制御し、平坦化しているため、研磨後の砥石膜厚を把握することは重要である。レーザや光では砥石の残膜量を把握することは難しい。しかし、本発明の炭素繊維を添加した砥石では、炭素繊維が高い導電性を有するため、砥粒、砥石に導電性が付与され、残膜量を電気抵抗で管理することができ、また、導電性を有する基板上に該砥石を設置することで全体が電気的導通となり、この基板の位置を導通検出手段を用いて検出することができ、基板位置を制御手段を用いて制御することで常に同一の研磨環境を再現することができる。
【0034】
さらに、研磨時に発生する摩擦熱による研磨焼けや砥粒の消耗を抑えるために、研磨時に水などの冷媒を供給する方法があるが、炭素繊維を砥石に添加するとさらに高い放熱、冷却の効果を得ることができるので、砥粒の消耗を抑えることが可能となる。
【0035】
以上、被加工物を研削、研磨する場合について説明したが、本発明の複合研磨材は、研磨パッドのドレッサーにも利用できる。
例えば、スラリーなどの浮遊砥粒方式による半導体ウェハの研磨では、ウェハ研磨と次のウェハ研磨の間に研磨パッドの清浄化を行う。例えば化学的機械的研磨では研磨パッドとして発泡ポリウレタンがよく用いられている。ウェハを研磨した後にパッドを電子顕微鏡で観察すると、パッド表面の凹部に砥粒や被加工物の削り屑が堆積したり、スラリーに含まれるエッチャントと呼ばれる添加剤の影響などにより凹部が閉塞されていることが観察される。凹部が閉塞すると研磨速度が低下したり、堆積した砥粒により研磨痕が増大するという問題がある。したがって、ウェハ研磨後にパッドをドレッシングして余分な砥粒を除去し、閉塞した凹部を回復する必要がある。しかし、パッド表面はスラリー中のエッチャントにより酸性またはアルカリ性であることが多く、そのためドレッサー表面は化学的に安定であることが望まれる。炭素繊維を砥石に添加することで酸やアルカリと接触する面積を減らすことができ、化学的に安定となって砥粒の脱落などを抑えることができる。
【0036】
次に、本発明の研磨用複合材を使用した砥石や研削材、研磨材を使用して電子部品を研削、研磨加工する方法について説明する。
電子部品の一例として半導体集積回路を例に挙げて説明すると、鏡面加工されたシリコンウエハの表面に絶縁層を形成し、その絶縁層の上にアルミニウム等の金属薄膜からなる回路パターンを形成する。近年の集積回路では高機能を負荷するため、絶縁層と回路パターンを複数層積層した多層集積回路が多用されている。回路パターンの形成は、導体薄膜表面に形成したフォトレジスト膜に回路パターンを露光により転写し、エッチングすることにより微細なパターンを形成している。そのため転写面の平坦性が確保されないと精密な回路パターンを形成することはできない。このような多層の半導体集積回路を形成する場合には、シリコンウエハの鏡面研磨をはじめとして、層間絶縁膜や回路パターン形成用の金属薄膜も高精度に研磨して平坦性を確保することが重要となる。
【0037】
本発明の電子部品の加工方法は、シリコンウエハをじめとする半導体の切断を含む研削加工、研磨加工や、層間絶縁膜若しくは回路パターンとなる金属薄膜の研磨加工が対象となる。これらの電子部品の加工方法において本発明の研磨用複合材を使用した砥石や研削材、研磨材を使用すれば、デイッシングやシニングといった研磨ムラが無く、微小キズや研磨痕の無い高度に平坦性を有する精密加工された加工面を得ることができる。
特に、本発明の砥石は多結晶シリコン、単結晶シリコンあるいはアモルファスシリコン等のシリコンの研削加工若しくは研磨加工に際して有用である。
【0038】
【実施例】
以下に本発明について実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。なお、下記の例における各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)BET比表面積
Quantachrome社製、NOVA1200を使用し、液体窒素温度における窒素の吸着等温線より、BET法およびBJH法を用いて算出した。なお、窒素の吸着量は相対圧力(P/P )を0.01〜1.0として測定した。
(2)ラマン散乱スペクトル
励起光として波長514.5nmのアルゴン(Ar)レーザを使用し、検出器としてCCD( Charge Coupled Device )を使用し、スリット間隔は500μm、露光時間は60秒で炭素繊維のラマン散乱スペクトルを測定した。
【0039】
(実施例1)
フェノール樹脂に平均粒径0.5μmの酸化セリウムを10体積%と、平均繊維径200nm、アスペクト比100、BET比表面積が10m/g、d002が0.339nm、Id/Igが0.1で、中心部が中空で積層構造を有する気相法炭素繊維を30体積%混合し、金型温度160℃、成形圧力980.6kPで15分間加圧成形して、直径50mm、厚さ10mmの砥石を作製した。研磨は絶縁膜を被覆したシリコンウェハに水を流しながら砥石に49kPの荷重をかけて3分間行った。このとき、シリコンウエハ及び砥石は、相対速度が10cm/secになるようにそれぞれ同方向に回転させながら行った。研磨速度は研磨前と研磨後の膜厚を光干渉式膜厚計で測定して求めた。研磨後の表面粗さは触針式粗さ計で計測した。研磨痕の測定は光学顕微鏡観察により実施した。
研磨速度300nm/min、表面粗さ2.0nmという実用上十分な研磨速度及び表面粗さを得ることができた。また、研磨面を光学顕微鏡で観察した結果、ウェハ表面に研磨痕が全く発生していないことを確認した。
【0040】
(実施例2)
フェノール樹脂に平均粒径0.5μmの酸化セリウムを10体積%と、平均繊維径20nm、アスペクト比100、BET比表面積が100m/g、d002が0.341nm、Id/Igが0.2で、中心部が中空で積層構造を有するある気相法炭素繊維を30体積%混合し、金型温度160℃、成形圧力980.6kPで15分間加圧成形して、直径50mm、厚さ10mmの砥石を作製した。研磨は絶縁膜を被覆したシリコンウェハに水を流しながら砥石に49kPの荷重をかけて3分間行った。このとき、シリコンウエハ及び砥石は、相対速度が10cm/secになるようにそれぞれ同方向に回転させながら行った。研磨速度は研磨前と研磨後の膜厚を光干渉式膜厚計で測定して求めた。研磨後の表面粗さは触針式粗さ計で計測した。研磨痕の測定は光学顕微鏡観察により実施した。
研磨速度280nm/min、表面粗さ1.5nmという実用上十分な研磨速度及び表面粗さを得ることができた。また、研磨面を光学顕微鏡で観察した結果、ウェハ表面に研磨痕が全く発生していないことを確認した。
【0041】
(比較例1)
フェノール樹脂に平均粒径0.5μmの酸化セリウムを10体積%混合し、金型温度160℃、成形圧力980.6kPで15分間加圧成形して、φ50mm、厚さ10mmの砥石を作製した。研磨は絶縁膜を被覆したシリコンウェハに水を流しながら砥石に49kPの荷重をかけて3分間行った。このとき、シリコンウエハ及び砥石は、相対速度が10cm/secになるようにそれぞれ同方向に回転させながら行った。研磨速度は研磨前と研磨後の膜厚を光干渉式膜厚計で測定して求めた。研磨後の表面粗さは触針式粗さ計で計測した。研磨痕の測定は光学顕微鏡観察により実施した。
研磨速度400nm/minという十分な研磨速度を得ることができたが、表面粗さは10.0nmまでしか至らなかった。また、研磨面を光学顕微鏡で観察した結果、ウェハ表面に研磨痕が13個/cm程度で発生していることを確認した。
【0042】
(比較例2)
フェノール樹脂に平均粒径0.5μmの酸化セリウムを10体積%と、平均繊維径20nm、アスペクト比2、BET比表面積が130m/g、d002が0.341nm、Id/Igが0.2で、中心部が中空で積層構造を有するある気相法炭素繊維を30体積%混合し、金型温度160℃、成形圧力980.6kPで15分間加圧成形して、直径50mm、厚さ10mmの砥石を作製した。研磨は絶縁膜を被覆したシリコンウェハに水を流しながら砥石に49kPの荷重をかけて3分間行った。このとき、シリコンウエハ及び砥石は、相対速度が10cm/secになるようにそれぞれ同方向に回転させながら行った。研磨速度は研磨前と研磨後の膜厚を光干渉式膜厚計で測定して求めた。研磨後の表面粗さは触針式粗さ計で計測した。研磨痕の測定は光学顕微鏡観察により実施した。
研磨速度370nm/minという十分な研磨速度を得ることができたが、表面粗さは8.5nmまでしか至らなかった。また、研磨面を光学顕微鏡で観察した結果、ウェハ表面に研磨痕が10個/cm程度で発生していることを確認した。
これら実施例及び比較例の加工結果を表1に示す。
【0043】
次に、実施例1,実施例2及び比較例1について、金型から取り出す際の砥石の不良率と摺動性を表1に併記する。
不良率とは、成形用金型から離型する際に破損した砥石や砥石表面の一部が剥がれて成形金型に付着したままとなったものの割合である。
砥石の摺動性はスラスト式摺動試験方法で評価した。20cm/secで回転させた砥石の上方から絶縁膜を被覆したシリコンウェハを147kPの荷重をかけて60分間押し当てた。試験後の砥石の摩耗量を測定して、摺動特性評価の指針とした。
【0044】
【表1】
Figure 2004181584
【0045】
表1に示すとおり、本発明による場合には実用的に支障のない研磨速度が得られる上に、表面粗さも細かく研磨痕もない高精度の研磨加工が達成されることが判る。
これに対して炭素繊維を使用しない比較例1では、研磨速度は速いものの、表面粗さが粗く、研磨痕も発生していることが判る。また、比較例2に示すように、炭素繊維を使用してもその直径が細く、アスペクト比が小さい炭素繊維を使用した場合には、表面粗さが粗く、研磨痕も発生していることが判る。
また、砥石に炭素繊維を添加することにより、離型性が改善されることが分かる。また、摩擦試験結果からも炭素繊維の添加により摺動性が改善され、砥石摩耗量の低減効果が確認された。
【0046】
【発明の効果】
本発明の研磨用複合材によれば、炭素繊維を添加することにより研削材や研磨材に摺動性、弾力性、導電性、熱伝導性、耐食性を付与することができ、加工時の物理的、化学的要因の影響を低減することができるので、摩擦抵抗を低減させ、研磨ムラを抑えて被研磨面を高平坦化させ、キズや研磨痕の無い高精度の研削若しくは研磨加工が可能となる。また、研削、研磨加工時の砥粒の脱落を抑え、研磨痕の発生を抑制すると同時に砥粒の後処理の負担を軽減させ、寿命の長い研削材や研磨材を提供することができる。
【0047】
さらに、本発明の研磨用複合材を使用すれば、砥石形成時に優れた離型性を付与することができる。
また、砥石に導電性を付与し、研磨後の砥石膜厚を電気的に把握することができ、砥石交換などの管理を行うことができる。
さらに、高い放熱、冷却の効果を得ることができるので、砥粒の消耗を抑えることが可能となる。
【0048】
本発明の電子部品の加工方法によれば、半導体基板や電子デバイスを構成する層間絶縁膜や回路パターンを精度良く、しかも高能率に加工することが可能となる。特に、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコンを研削、研磨するシリコンの加工において効果を発揮することができる。
本発明の複合研磨材は、研磨パッドのドレッサーにも利用できる。

Claims (14)

  1. 外径が2〜500nm、アスペクト比が5〜15000で中心部に中空構造を有する多層構造の炭素繊維と砥粒と母材を含むことを特徴とする研磨用複合材。
  2. 炭素繊維のBET比表面積が4m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の研磨用複合材。
  3. 炭素繊維のX線回折における炭素(002)面の面間隔(d002)が0.345nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨用複合材。
  4. 炭素繊維のラマン散乱スペクトルにおける1341〜1349cm−1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm−1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)が1.5以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の研磨用複合材。
  5. 炭素繊維が、分岐状気相法炭素繊維を含む炭素繊維であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の研磨用複合材。
  6. 炭素繊維が、その結晶内に0.01〜5質量%のホウ素を含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の研磨用複合材。
  7. 炭素繊維が、研磨用複合材中に5〜40体積%含有されてなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の研磨用複合材。
  8. 砥粒が、酸化セリウム、酸化ケイ素、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド、ボロンナイトライド、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、サファイヤから選ばれる少なくとも1種の材料であることを特徴とする請求項1に記載の研磨用複合材。
  9. 母材が、樹脂、メタル、セラミックスから選ばれる少なくとも1種の材料であることを特徴とする請求項1に記載の研磨用複合材。
  10. 母材となる樹脂が、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の研磨用複合材。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の研磨用複合材を成形加工してなることを特徴とする砥石。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の研磨用複合材を用いたことを特徴とする研削用材料もしくは研磨用材料。
  13. 請求項11に記載の砥石又は請求項12に記載の研削用材料もしくは研磨用材料を用いて、半導体または層間絶縁膜もしくは配線材料を研削又は研磨することを特徴とする電子部品の加工方法。
  14. 請求項11に記載の砥石又は請求項12に記載の研削用材料もしくは研磨用材料を用いて、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコンを研削又は研磨することを特徴とするシリコンの加工方法。
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