JP2012122082A - 炭素材料を含む熱伝導性複合材料用組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子デバイス、電子部品などの局所的な冷却・放熱に使用するための放熱ファンや放熱シート用の材料であって、特に軽量でかつ優れた熱伝導性を有するものの提供。
【解決手段】炭素材料及びセラミックスを含む複合材料用組成物、その組成物を高分子材料またはオイル類に分散させてなる複合材料及びその複合材料を成形加工してなる軽量でかつ熱伝導性に優れた成形体。炭素材料としては、平均繊維径50〜500nm、アスペクト比5〜1000の気相法炭素繊維が好ましい。炭素材料はセラミックスの配合量に対して0.1〜20質量%配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素材料及びセラミックスを含む複合材料用組成物、その組成物と高分子材料またはオイル類からなる複合材料とその製造方法、及びその複合材料を成形加工して得られる、軽量で熱伝導性に優れた成形体に関する。
近年、電子デバイス高性能化のためLSI(大規模集積回路)の微細化が続いており、今後LSIのリーク電力がLSIの性能を十分に発揮させなくなる。その際に問題となるのがLSIの発熱である。発熱による温度上昇を抑えないとリーク電気量がさらに増大し、最悪の場合、熱暴走を引き起こす。
この問題に対し、局所的な冷却・放熱に放熱ファンや放熱シートが用いられている。しかしながら、近年の電子デバイスの小型化に伴い放熱ファンが設置できなくなり、さらに高密度化に伴う発熱量の増加により、従来の放熱シートでは十分な放熱が行えなくなってきている。これらの要求を満足するため、放熱シートの放熱性を向上させることが求められている。
放熱シートとしては、従来より熱伝導性のフィラーをマトリックス樹脂中に分散させたものが知られている。フィラーとしては、表面に官能基を有するため所望量の充填が可能であることから、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミニウム等が用いられている。しかし、フィラー自体の熱伝導率が低いため、放熱シートの熱伝導率を上げるにはフィラーを高充填しなくてはならないが、放熱シートの質量増加につながる。そこで、放熱シートの質量軽減を図るべく、フィラーとして、軽くて熱伝導性に優れている黒鉛微粉若しくは炭素繊維を充填した放熱シートが検討されている。
黒鉛微粉を添加すると、セラミックスよりも熱伝導に優れた放熱シートを得られるが、黒鉛微粉は表面に官能基を持たないため樹脂との密着性が悪く強度が低下する。また、炭素繊維及び気相法炭素繊維を添加したものは、流動性が著しく悪化するため高充填できず、結果として充分な熱伝導率を有する放熱シートを得ることが困難であった。
特許文献1には、シリコーンゴム基材にピッチ系の炭素繊維を分散させて熱伝導率を向上させる方法が開示されている。しかし、実用上の熱伝導率を得るためには、ピッチ系炭素繊維を多量に配合する必要あるという問題があった。特許文献2には、フラン樹脂等に黒鉛微粉及び気相法炭素繊維を配合した高熱伝導率複合材が開示されている。
しかし、黒鉛は表面に官能基を殆ど持たないため高充填することができず、軽量化は達成されるものの充分な熱伝導率を得ることは困難であった。また、セラミックスと気相法炭素繊維との混合は、乾式での混合は気相法炭素繊維が毛玉状になり易く、セラミックス及びマトリックス全体に分散する事が困難である。
アスペクト比が大きい気相法炭素繊維を添加すると流動性の悪化が著しく、充填部数が少なくなり結果として十分な熱伝導率が得られないという問題があった。
また、セラミックスと気相法炭素繊維との混合は、乾式での混合は気相法炭素繊維が毛玉状になり易く、セラミックス及びマトリックス全体に分散することが困難である。
特許文献3にはセラミックスにカップリング剤または界面活性剤による表面処理により流動性向上が開示されている。しかし、セラミックスを表面処理する事により流動性は改善されるが、元来熱伝導率の低いセラミックスを表面したものは放熱材料として使用した際に、粒子同士の接触抵抗が大きくなり熱伝導率がより低下し、十分な熱伝導率を得ることは困難であった。
したがって、軽量、かつ高い熱伝導性を有する放熱ファンや放熱シート用途用の成形体を提供するための材料開発が強く望まれていた。
特開平11−279406号公報 特開2002−020179号公報 特開2003−119019号公報
本発明の課題は、軽量で高い熱伝導性を有する、放熱ファンや放熱シート用の成形体及びその成形体用の材料を提供することにある。
本発明は、以下に示す複合材料用組成物、その組成物を用いた複合材料、その製造方法、及び成形体に関する。
[1]炭素材料及びセラミックスを含むことを特徴とする複合材料用組成物。
[2]炭素材料が、炭素繊維、コークス粉及び黒鉛粉からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記1に記載の複合材料用組成物。
[3]炭素繊維が、気相法炭素繊維またはカーボンナノチューブである前記2に記載の複合材料用組成物。
[4]気相法炭素繊維が、平均繊維径50〜500nm、アスペクト比5〜1000の気相法炭素繊維である前記3に記載の複合材料用組成物。
[5]平均繊維径50〜500nm、アスペクト比5以上40未満の気相法炭素繊維がセラミックス粉体中に分散している前記4に記載の複合材料用組成物。
[6]セラミックスが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化ケイ素及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記1〜5のいずれかに記載の複合材料用組成物。
[7]セラミックスが、平均粒子径0.3〜80μm、比表面積0.01〜15m2/gのセラミックス粒子である前記1〜6のいずれかに記載の複合材料用組成物。
[8]炭素材料が気相法炭素繊維であり、セラミックスが酸化アルミニウムまたは窒化ホウ素である前記1〜7のいずれかに記載の複合材料用組成物。
[9]平均繊維径10〜500nm、アスペクト比5〜1000の気相法炭素繊維及びセラミックス粒子を含み、前記気相法炭素繊維及び前記セラミックス粒子に接着性を有する高分子化合物を介して、前記セラミックス粒子の表面の少なくとも一部に前記気相法炭素繊維が付着している前記4〜8のいずれかに記載の複合材料用組成物。
[10]高分子化合物が、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記9に記載の複合材料用組成物。
[11]高分子化合物の配合量が、セラミックス及び気相法炭素繊維の総量に対して、0.1〜30質量%である前記9に記載の複合材料用組成物。
[12]炭素材料の配合量が、セラミックスの配合量の0.1〜20質量%である前記1〜11のいずれかに記載の複合材料用組成物。
[13]前記1〜12のいずれかに記載の組成物に、高分子材料またはオイル類を配合したことを特徴とする複合材料。
[14]平均繊維径10〜500nm、アスペクト比5〜1000の気相法炭素繊維及びセラミックス粒子を含み、前記気相法炭素繊維及び前記セラミックス粒子に接着性を有する高分子化合物を介して、前記セラミックス粒子の表面の少なくとも一部に前記気相法炭素繊維が付着している複合材料用組成物に、高分子材料またはオイル類を配合した前記13に記載の複合材料。
[15]高分子材料またはオイル類が、脂肪族系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、石油系オイル、及びフッ素系オイルからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記13または14に記載の複合材料。
[16]高分子材料またはオイル類の配合量が、炭素材料及びセラミックスの合計量の1〜35質量%である前記13〜15のいずれかに記載の複合材料。
[17]前記13〜16のいずれかに記載の複合材料からなる成形体。
[18]シート状またはフィルム状である前記17に記載の成形体。
[19]前記18に記載の成形体を使用した放熱シート。
[20]前記19に記載の放熱シートを使用したパソコン。
[21]前記19に記載の放熱シートを使用したゲーム機。
[22]前記19に記載の放熱シートを使用したデジタルビデオカメラ。
[23]前記19に記載の放熱シートを使用したデジタルカメラ。
[24]前記19に記載の放熱シートを使用したテレビ。
[25]前記19に記載の放熱シートを使用した携帯電話。
[26]炭素材料及びセラミックスを乾式で剪断撹拌し、得られた組成物を高分子材料またはオイル類に分散させることを特徴とする前記13に記載の複合材料の製造方法。
[27]平均繊維径10〜500nm、アスペクト比5〜1000の気相法炭素繊維及びセラミックス粒子に対し接着性を有する高分子化合物を用いて前記気相法炭素繊維をセラミックス粒子の表面に複合化させ、得られた組成物を高分子材料またはオイル類に分散させることを特徴とする前記14に記載の複合材料の製造方法。
本発明の複合材料用組成物は、表面に官能基を有するセラミックスを含み、かつ前記セラミックスに比べ軽量かつ熱伝導性の高い炭素材料を含むので、フィラーとしてセラミックスのみを使用する場合に比べ、同じ熱伝導性を複合材料に付与する際の添加量が少なくて済み、複合材料を軽量化することができる。一方、フィラーとして炭素材料のみを混練する場合に比べ、表面に官能基を有するセラミックスを含むのでより多く充填することが可能であり、複合材料をより高熱伝導性にすることができる。
また、添加するセラミックスとして密度の小さいものを適宜選択することで、一定の熱伝導率を維持しつつより軽量化することができる。添加する炭素材料として熱伝導率の高いものを適宜選択することで、一定の質量を維持しつつより高熱伝導率化することができる。
このような組成物と高分子材料またはオイル類からなる本発明の複合材料は、従来の複合材料では達成できなかった、軽量でかつ高い熱伝導性を有するものである。
そして、この複合材料を成形加工して得られる本発明の成形体も、軽量でかつ高い熱伝導性を有し、放熱性に優れているので、近年電子デバイスや電子部品の高性能化のため問題になっている、LSIの発熱による温度上昇を抑制するための放熱シートあるいは放熱フィルムとして好適に使用することができる。
実施例1,2,4,6,7,8および比較例1における気相法炭素繊維添加量と対セラミックス熱伝導比との関係を示すグラフであり、Xはセラミックスの添加量、Yは気相法炭素繊維の添加量である。 実施例15で得た複合材料の電子顕微鏡写真(1,000倍)である。 実施例15で得た複合材料の電子顕微鏡写真(3,500倍)である。 実施例16で得た複合材料の電子顕微鏡写真(1,000倍)である。 実施例16で得た複合材料の電子顕微鏡写真(3,500倍)である。 実施例17で得た複合材料の電子顕微鏡写真(1,000倍)である。 実施例17で得た複合材料の電子顕微鏡写真(3,500倍)である。
本発明の複合材料用組成物は、炭素材料及びセラミックスを含む。
炭素材料としては、気相法炭素繊維(熱伝導率400〜1200w/(m・k))、カーボンナノチューブ(熱伝導率400〜1200w/(m・k))、ピッチ系またはPAN系の炭素繊維(熱伝導率200〜1000w/(m・k))などの炭素繊維、コークス粉(熱伝導率100〜200w/(m・k))、黒鉛粉(熱伝導率100〜200w/(m・k))からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
これらの中でも、熱伝導率に優れた炭素繊維が好ましく、その中でもより高熱伝導性を有する気相法炭素繊維またはカーボンナノチューブが好ましい。また、複合材料とする際、高分子材料またはオイル類中に均一に分散させるという観点からは、比表面積の小さい気相法炭素繊維がより好ましい(気相法炭素繊維の比表面積10〜20m2/g、カーボンナノチューブの比表面積200〜300m2/g)。
炭素材料として気相法炭素繊維を使用する場合には、その平均繊維径は50〜500nmが好ましく、より好ましくは70〜300nm、さらに好ましくは80〜200nm、特に好ましくは100〜150nmである。平均繊維径が50nm未満だとハンドリング性が低下し、平均繊維径が500nmを超えるとアスペクト比が小さくなって熱伝導率が低下する。
気相法炭素繊維のアスペクト比は5〜1000が好ましく、より好ましくは10〜500であり、さらに好ましくは15〜150、特に好ましくは20〜120である。アスペクト比が5以上であれば、熱伝導率向上効果が大きく、アスペクト比が1000以下であればハンドリング性が良好である。
さらに、使用する気相法炭素繊維のアスペクト比を5以上40未満とすることにより、複合材料中での複合材料用組成物の流動性が向上し、アスペクト比40以上の気相法炭素繊維を添加した場合に比べ熱伝導率が下がらず、かつその粘度はより小さなる。具体的には、セラミックスとしてアルミナを使用した本発明の複合材料の熱伝導率は、1.6(W/(m・K))以上であり、かつその粘度は10rpmでは20(Pa・s)以下であり、100rpmでは30(Pa・s)以下である。また、セラミックスとして窒化ホウ素を用いた場合には、2.0(W/(m・K))以上、より好ましくは2.5(W/(m・K))、さらには好ましくは2.8(W/(m・K))以上であり、かつその粘度は10rpmでは30(Pa・s)以下であり、100rpmでは40(Pa・s)以下である。
より好ましいアスペクト比は10〜39であり、さらに好ましくは15〜38、特に好ましくは20〜38である。
上記炭素材料は、いずれも市販されているものが使用可能である。また、製造方法について様々な公知文献が存在するので、それらに従って製造することもできる。
気相法炭素繊維の場合は、原料であるベンゼン等の有機化合物を、触媒としてフェロセン等の有機遷移金属化合物とともに、キャリアーガスを用いて高温の反応炉に導入、気相熱分解させて製造することができる。製造方法としては、例えば基板上に熱分解炭素繊維を生成させる方法(特開昭60−27700号公報)、浮遊状態で熱分解炭素繊維を生成させる方法(特開昭60−54998号公報)、反応炉壁に熱分解炭素繊維を成長させる方法(特許第2778434号公報)等があり、本発明で使用する炭素繊維はこれらの方法により製造することができる。
このようにして製造される気相法炭素繊維は、このまま原料として用いることができるが、気相成長後のそのままの状態では、表面に原料の有機化合物等に由来する熱分解物が付着していたり、炭素繊維を形成する繊維構造の結晶性が不十分であることがある。したがって、熱分解物などの不純物を除いたり、炭素繊維としての結晶構造を向上させるために、不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うことができる。原料に由来する熱分解物等の不純物を処理するためには、アルゴン等の不活性ガス中で約800〜1500℃の熱処理を行うことが好ましい。また、炭素構造の結晶性を向上させるためには、アルゴン等の不活性ガス中で約2000〜3000℃の熱処理を行うことが好ましい。このように処理された気相法炭素繊維は、例えばVGCF(登録商標;昭和電工(株)製)として市販されている。
炭素材料としてカーボンナノチューブを使用する場合には、その平均繊維径は3〜50nmが好ましく、より好ましくは3〜40nm、さらに好ましくは3〜30nm、特に好ましくは3〜20nmである。繊維長は2〜20μmが好ましく、より好ましくは5〜15μm、さらに好ましくは6〜13μm、特に好ましくは8〜12μmである。本発明で使用するカーボンナノチューブは一般的に市販されている物を使用すればよく、また既に多数の文献に記載されており、当業者であれば容易に合成することができる。
本発明で用いるセラミックスは、複合材料のマトリックスとなる高分子材料またはオイル類に均一に分散するものである。好ましくは、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。中でも、高分子材料またはオイル類とのなじみがよく、成形が容易であり、成形過程で気泡など混入しにくいことから、窒化ホウ素、酸化アルミニウム及び/または酸化マグネシウムがより好ましい。熱膨張率は、窒化ホウ素が1×10-6/℃、酸化アルミニウムが6×10-6/℃、酸化マグネシウムが14×10-6/℃であることから、窒化ホウ素及び酸化アルミニウムは他のフィラーと比較した熱による体積変化が少なく、高分子材料またはオイル類との界面における剥離が軽減できる。したがって、本発明で用いるセラミックスとしては、特に酸化アルミニウムが好ましい。
本発明で用いるセラミックスは、平均粒子径が0.3〜80μmの粒子が好ましく、0.5〜70μmのものがさらに好ましい。平均粒子径が0.3μm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、平均粒子径が80μm以下であれば、強度を低下させず、さらに平面平滑性を保つことができる。また、窒素吸着法(BET法)で測定された比表面積が0.01〜15m2/gであることが好ましく、0.01〜10m2/gであることがさらに好ましい。比表面積が0.01m2/g以上であれば強度の低下を抑制することが可能であり、比表面積が15m2/g以下であれば、セラミックスの充填量の減少を抑制することが可能である。
本発明の組成物において、炭素材料の配合量は、セラミックスの配合量の0.1〜20質量%が好ましい。さらに好ましくは、0.5〜10質量%であり、特に好ましくは0.8〜8質量%である。炭素材料の配合量が0.1質量%以上であれば、熱伝導効果が得られ、また20質量%以下とすると、ハンドリング性が良好である。
炭素材料とセラミックスの混合方法は特に限定されないが、炭素材料として炭素繊維、特に気相法炭素繊維を用いる場合には、ヘンシェルミキサー、ボールミルまたはジェットミル等を用いて短時間で剪断力をかけて混合することが好ましい。剪断力をかけて混合することにより、三次元の立体構造を持つ気相法炭素繊維は全体あるいは一部がほぐされ、高分子材料またはオイル類と混合する際に、高分散が可能となる。
本発明で使用する高分子化合物は、気相法炭素繊維及びセラミックス粒子に接着性を有する重合体である。接着性を有する高分子化合物とは、セラミックスと気相法炭素繊維を離れない様に接触させた状態にするためにその両物体の間に介在することで共有結合、ファンデルワールス力、水素結合等の化学接着により両物体を一体化した状態にするものである。混合、攪拌、溶媒除去、熱処理等において、気相法炭素繊維の剥離、脱落が実質的に起きない程度に圧縮、曲げ、剥離、衝撃、引張り、引き裂き等の力に対して抵抗力を示すものであれば接着性を有する高分子化合物として適用できる。
例えば、高分子化合物としては、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種がよい。好ましくはフェノール樹脂、ポリビニルアルコールであり、さらに好ましくはフェノール樹脂である。特に、乾性油またはその脂肪酸を混合したフェノール樹脂を用いるとより緻密な接着性の複合材料を得ることができる。これは、フェノール樹脂と乾性油中の不飽和結合部分が化学反応を起して、いわゆる乾性油変性フェノール樹脂となるが、これが硬化過程において分解を和らげ、発泡を防ぐことによると推測される。また、乾性油は単に二重結合があると言うだけでなく、かなり長いアルキル基及びエステル結合を有しており、これらも硬化過程におけるガスの抜け易さ等の面で関与していることが考えられる。
フェノール樹脂はフェノール類及びアルデヒド類との反応によりつくられ、ノボラック、レゾール等の未変性フェノール樹脂や一部変性されたフェノール樹脂が使用できる。また、必要に応じてニトリルゴム等のゴムをフェノール樹脂に混合して使用できる。例えば、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、C20以下のアルキル基を有するアルキルフェノールが挙げられる。乾性油またはその脂肪酸を混合したフェノール樹脂には、先にフェノール類と乾性油とを強酸触媒存在下に付加反応させ、その後に塩基性触媒を加えて系を塩基性にしてホルマリン付加反応させたもの、またはフェノール類及びホルマリンを反応させ、その後に乾性油を加えたものでよい。
乾性油は通常知られる桐油、アマニ油、脱水ヒマシ油、大豆油、カシューナッツ油等であり、これらはその脂肪酸であってもよく、薄膜にして空気中に放置すると比較的短時間に固化乾燥する性質を有する植物油である。フェノール樹脂に対する乾性油またはその脂肪酸の割合は、例えば(フェノール及びホルマリンの縮合物)100質量部に対し、(乾性油またはその脂肪酸)5〜50質量部が適する。50質量部より多くなると、接着性が下がり気相法炭素繊維の密度が下がる。5質量部より少なくなると緻密な複合材料が得られない。
この高分子化合物を用いてセラミックスに気相法炭素繊維を接着する場合、高分子化合物をアセトン、エタノール、またはトルエン等で希釈して粘度を調整すると接着しやすい。
高分子化合物はセラミックスの外表面の少なくとも一部、好ましくは全面に均一、不均一によらず実質的に接着していれば良い。接着時の雰囲気としては、大気圧下(常圧下)、加圧下、減圧下のいずれかであっても良いが、減圧下で接着させる場合には、セラミックス、気相法炭素繊維及び高分子化合物との親和性が向上するので好ましい。
セラミックス、気相法炭素繊維及び高分子化合物の混合、攪拌方法としては、特に限定されないが、例えばリボンミキサー、スクリュー型ニーダ−、スパルタンリュ−ザー、レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサー等の装置を使用する事が出来る。
攪拌処理時の温度及び時間は、セラミックス、気相法炭素繊維及び高分子化合物の成分及び粘度等に応じて適宜選択されるが、通常0〜50℃程度、好ましくは10〜30℃程度の範囲とする。あるいは混合物の粘度が混合温度下で500Pa・s以下になるように混合時間及び組成物の溶媒希釈を行う。この場合、溶媒としてはセラミックス、気相法炭素繊維及び高分子化合物との親和性が良好なものであれば使用できるが、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素及びエステル類が挙げられる。好ましくはメタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等がよい。
攪拌後、溶剤の一部もしくは全部を除去することが好ましい。除去方法は熱風乾燥、真空乾燥等公知の方法が使用できる。乾燥温度は使用した溶媒の沸点、蒸気圧等によるが、具体的には50℃以上、好ましくは100〜1000℃、さらに好ましくは150〜500℃である。
加熱硬化には公知の加熱装置が使用できる。しかし、製造プロセスとしては連続処理が可能なロータリーキルンやベルト式連続炉等が生産性の点で好ましい。
セラミックス及び気相法炭素繊維総量に対する高分子化合物の添加量は、例えばフェノール樹脂であれば、好ましくは0.1質量%〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.1〜15質量%である。0.1質量%以上添加することで、セラミックス表面を重合体覆うことができ、30質量%以下とすることで、粒子同士の接触抵抗を抑制することが可能である。
さらに、セラミックス及び気相法炭素繊維をバインダーにより複合化する事により、粒子同士の摺動性が向上し、マトリックスに高充填した際流動性悪化の最要因である、粒子の接触抵抗を低減する事が可能となり、従来と比較して高い流動性がえられる。
接着性を有する高分子化合物を介してセラミックスの表面に気相法炭素繊維が付着した複合材料用組成物を用いることで、高熱伝導性かつ高流動性の複合材料を得ることが出来る。この複合材料の熱伝導率は、セラミックス表面に接着性を有する高分子化合物を用いて気相法炭素繊維を付着させていない組成物を用いた複合材料の熱伝導率に対して、その比率が80%以下になることがない。また、この複合材料は粘度が10rpmでは25(Pa・s)以下であり、100rpmでは20(Pa・s)以下であり、好ましくは100rpmで10(Pa・s)以下、さらに好ましくは5(Pa・s)以下である。
本発明の複合材料は、前記組成物を高分子材料またはオイル類中に良好に分散させてなる。
高分子材料またはオイル類としては、公知のものを用いることができ、好ましい高分子材料としては、脂肪族系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、好ましいオイル類としては、シリコーンオイル、石油系オイル、フッ素系オイル等が挙げられる。これらは通常単独で使用されるが、二種以上を併用することも可能である。これらの中では、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が薄膜の塗布が可能であり、樹脂の中では熱伝導性に優れているため好ましい。
炭素材料、より好ましくは気相法炭素繊維もしくはカーボンナノチューブ、さらに好ましくは気相法炭素繊維を含有する本発明の複合材料の熱伝導率は、炭素材料を含有しない複合材料、すなわちセラミックスのみを添加してなる複合材料の熱伝導率に対して、その比率が1.0以上である。つまり、本発明の複合材料は、その熱伝導率が対セラミックス比の熱伝導率に対して1.0以上である複合材料である。
後述の実施例1,2,4,6,7,8および比較例1の実験結果として、横軸にセラミックスの配合量(X)と気相法炭素繊維の配合量(Y)との合計に対する気相法炭素繊維の配合量(Y)の比、すなわち気相法炭素繊維置換割合(%)、縦軸に対セラミックスの熱伝導率をプロットしたグラフを図1に示す。
本発明の複合材料における高分子材料またはオイル類の配合量は、炭素材料及びセラミックスの合計量の1〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜25質量%である。配合量が1質量%以上であれば流動性が良くなり、35質量%以下であれば高熱伝導性が付与される。
前記組成物を高分子材料またはオイル類中に分散させる方法に特に制限はない。炭素材料として炭素繊維を用いた場合には、炭素繊維は繊維径が細く繊維同士がまとまり易いため、高分子材料またはオイル類に配合させる前にヘンシェルミキサー等の撹拌機を用いて乾式で混合撹拌しておくことが好ましい。混合撹拌した組成物に対して高分子材料またはオイル類を添加して、緩く剪断力をかけることで、高分子材料またはオイル類中に良好に分散させることができる。
分散処理をした後、遠心脱泡機により脱泡処理を行うことにより安定して高い熱伝導率を付与させることができる。さらに添加する炭素材料によっては、気相法炭素繊維のように剪断応力によって繊維が折れ、熱伝導率が低下する可能性があるので、混練時の回転速度を50rpm以下とするのが好ましい。
本発明の成形体は上記の複合材料を成形加工することにより得られる。成形方法としては、FRP成形、トランスファー成形などの圧縮成形法、キャスト成形、封入注型などの注型法、カレンダ成形などのロール加工法、RIM成形、射出発泡成形などの射出成形法、押出し発泡成形などの発泡技術法、インフレーションフィルム成形、Tダイフィルム成形などの押出し成形法など目的に応じた成形法を用いることができる。シート状もしくはフィルム状の成形体を得るためには、ロール加工法及び押出し成形法が好ましい。
本発明により得られる成形体は、軽量化と高い熱伝導性とがバランスよく、高いレベルで達成され、電子デバイス、電子部品などの放熱部材として使用することができる。特に、シート状またはフィルム状に成形してなる成形体は、放熱性に優れていることから、近年電子デバイス高性能化のため問題になっているLSIの発熱による温度上昇を抑制することが可能な放熱シートとして使用することができる。
本発明の放熱シートを用いた電子デバイスや電子部品は、例えばパソコン、ゲーム機、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、テレビ、携帯電話等に用いることができる。特に放熱性能に優れるため、小型の電子製品に搭載することもできる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、各例において、成形体試料の熱伝導率及び粘度は以下の方法により測定した。
・熱伝導率:
迅速熱電率測定計(QTM−500型、京都電子工業製)を使用し、試料非定常細線加熱法(熱線法)に基づき、恒温室内で試料を23℃の温度に保持した後測定した。
・粘度:
B型粘度計(ブルックフィールドエンジニアリング社製)を使用し、ローター回転速度10rpm及び100rpmのそれぞれについて1分撹拌後の粘度を測定した。
また、実施例15〜17及び比較例7〜8において使用したワニスAは、次の方法で製造した。
桐油100質量部とフェノール150質量部、ノニルフェノール150質量部を混合して50℃に保持した。これに0.5質量部の硫黄を加えて撹拌し、徐々に昇温して120℃で1時間保持し、桐油とフェノール類との付加反応を行った。その後温度を60℃以下に下げ、ヘキサメチレンテトラミンを6質量部及び37質量%ホルマリン100質量部を加え、90℃で約2時間反応し、その後真空脱水した後、メタノール100質量部、アセトン100質量部を加えて希釈し、粘度20mPa・s(20℃)のワニス(ワニスAという)を得た。
実施例1:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)396gと、平均繊維径150nm、アスペクト比70の気相法炭素繊維(VGCF、昭和電工(株)製)4gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
実施例2:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)380gと、平均繊維径150nm、アスペクト比70の気相法炭素繊維(VGCF、昭和電工(株)製)20gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
実施例3:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)594gと、平均繊維径150nm、アスペクト比70の気相法炭素繊維(VGCF、昭和電工(株)製)6gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
実施例4:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)380gと、平均繊維径150nm、アスペクト比30の気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製)20gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
実施例5:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)588gと、平均繊維径150nm、アスペクト比30の気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製)12gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
実施例6:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)396gと、平均繊維径100nm、アスペクト比100の気相法炭素繊維(VGCF−S、昭和電工(株)製)4gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
実施例7:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)392gと、平均繊維径100nm、アスペクト比100の気相法炭素繊維(VGCF−S、昭和電工(株)製)8gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
実施例8:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)376gと、平均繊維径150nm、アスペクト比30の気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製)24gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
比較例1:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)400gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した後、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
比較例2:
平均粒径39μm、BET比表面積0.5m2/gの酸化アルミニウム(AS−10、昭和電工(株)製)600gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した後、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
比較例3:
平均繊維径100nm、アスペクト比100の気相法炭素繊維(VGCF−S、昭和電工(株)製)4gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した後、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
比較例4:
平均繊維径100nm、アスペクト比100の気相法炭素繊維(VGCF−S、昭和電工(株)製)8gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した後、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
表1から、セラミックスに僅かな気相法炭素繊維を添加することにより、フィラー総量が同じものでは、放熱性に優れた成形体が得られること、セラミックスを配合しないものでは熱伝導率に劣ることが明らかである。
また、熱伝導率を10w/(m・k)とするのに必要なフィラー総量を比較すると、3kgを超える比較例1及び比較例2に対して、実施例1〜8ではいずれも3kg以下となっており、気相法炭素繊維をセラミックスと共に配合することにより、所定の熱伝導率を達成するのに必要なフィラー総量を軽減して成形体の軽量化を図ることが可能であり、本発明の工業的価値は極めて大きい。
実施例9:
繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF−H)をボールミルにて1分間粉砕し、繊維径150nm、アスペクト比38の気相法炭素繊維(A)を得た。得られた気相法炭素繊維(A)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、気相法炭素繊維(A)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
実施例10:
繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF−H)をボールミルにて5分間粉砕し、繊維径150nm、アスペクト比33の気相法炭素繊維(B)を得た。得られた気相法炭素繊維(B)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、気相法炭素繊維(B)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
実施例11:
繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF−H)をボールミルにて10分間粉砕し、繊維径150nm、アスペクト比28の気相法炭素繊維(C)を得た。得られた気相法炭素繊維(C)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、気相法炭素繊維(C)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
実施例12:
繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF−H)をボールミルにて30分間粉砕し、繊維径150nm、アスペクト比24の気相法炭素繊維(D)を得た。得られた気相法炭素繊維(D)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、気相法炭素繊維(D)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
実施例13:
繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF−H)をボールミルにて60分間粉砕し、繊維径150nm、アスペクト比20の気相法炭素繊維(E)を得た。得られた気相法炭素繊維(E)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、気相法炭素繊維(E)12gとアルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
実施例14:
繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF−H)をボールミルにて60分間粉砕し、繊維径150nm、アスペクト比20の気相法炭素繊維(E)を得た。得られた気相法炭素繊維(E)8gと窒化ホウ素(昭和電工(株)製、EX)192gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、気相法炭素繊維(E)8gと窒化ホウ素(昭和電工(株)製、EX)192gをヘンシェルミキサーにて10秒間混合した後、市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
比較例5:
アルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gと、繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製)12gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた酸化アルミニウム及び気相法炭素繊維を含む組成物(D)を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱法機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き、50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、アルミナ(昭和電工(株)製、AS−10)288gと、繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製)12gを市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
比較例6:
窒化ホウ素(昭和電工(株)製、EX)192gと、繊維径150nm、アスペクト比40の気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製)8gをヘンシェルミキサーにて10秒混合した。得られた窒化ホウ素及び気相法炭素繊維を含む組成物(E)を、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、遠心脱法機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き、50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、窒化ホウ素(昭和電工(株)製、EX)192gと、繊維径150nmアスペクト比40の気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製)8gを市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、回転速を50rpmとし10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
表2から明らかなように、アスペクト比を低減したVGCF及びアルミナを混合した系(実施例9〜実施例13)とアスペクト比40のVGCF及びアルミナを混合した系(比較例5)を比較することにより、熱伝導率を低減させることなく流動性を大幅に改善することが可能であることが分かる。また、アスペクト比を低減したVGCF及び窒化ホウ素を混合した系(実施例14)とアスペクト比40のVGCF及び窒化ホウ素を混合した系(比較例6)を比較することにより、熱伝導率を低減させることなく流動性を大幅に改善することが可能であることが分かる。したがって、本発明の複合材料用組成物は、従来の放熱材料に用いる充填材よりも充填量を増やすことが可能であり、放熱性に優れた放熱材料を得ることができるので、工業的価値が極めて高い。
実施例15:
アルミナ(AS−10、昭和電工(株)製)96質量部に、ワニスAの樹脂固形分換算で5.4質量部にエタノール12.6質量部を加えて撹拌し充分溶解させた溶液を変成フェノール樹脂固形分が4質量%となるように加え、プラネタリーミキサーにて30分間混練した。さらに、2800℃で黒鉛化した気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製;平均繊維径150nm、アスペクト比40)4質量部加え混練した。混練物を真空乾燥機にて80℃で2時間乾燥し、エタノールを除去した。さらに真空乾燥機にて180℃で10分保持後、150℃で2時間保持し硬化させた。得られたアルミナ−気相法炭素繊維複合組成物(A)300gを市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、450rpmの回転速度で5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。また、電子顕微鏡観察結果を図2及び図3に示す。
アルミナ、気相法炭素繊維複合粉(A)300gを市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
実施例16:
アルミナ(AS−10、昭和電工(株)製)96質量部に、ワニスAの樹脂固形分換算で5.4質量部にエタノール12.6質量部を加えて撹拌し充分溶解させた溶液を変成フェノール樹脂固形分が7質量%となるように加え、プラネタリーミキサーにて30分間混練した。さらに、2800℃で黒鉛化した気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製;平均繊維径150nm、アスペクト比40)4質量部加え混練した。混練物を真空乾燥機にて80℃で2時間乾燥し、エタノールを除去した。さらに真空乾燥機にて180℃で10分保持後、150℃で2時間保持し硬化させた。得られたアルミナ、気相法炭素繊維複合組成物(B)300gを市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。また、電子顕微鏡観察結果を図4及び図5に示す。
アルミナ、気相法炭素繊維複合粉(B)300gを市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
実施例17:
アルミナ(AS−10、昭和電工(株)製)96質量部に、ワニスAの樹脂固形分換算で5.4質量部にエタノール12.6質量部を加えて撹拌し充分溶解させた溶液を変成フェノール樹脂固形分が10質量%となるように加え、プラネタリーミキサーにて30分間混練した。さらに、2800℃で黒鉛化した気相法炭素繊維(VGCF−H、昭和電工(株)製;平均繊維径150nm、アスペクト比40)4質量部加え混練した。混練物を真空乾燥機にて80℃で2時間乾燥し、エタノールを除去した。さらに真空乾燥機にて180℃で10分保持後、150℃で2時間保持し硬化させた。得られたアルミナ、気相法炭素繊維複合組成物(C)300gを市販の二液型シリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、遠心脱泡機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。また、電子顕微鏡観察結果を図6及び図7に示す。
アルミナ、気相法炭素繊維複合粉(C)300gを市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
比較例7:
酸化アルミニウム300g(AS−10、昭和電工(株)製)をヘンシェルミキサーにて10秒混合した後、市販のシリコーンオイル(TSE3070、GE東芝シリコーン(株)製)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、遠心脱法機にて、回転速度を450rpmとし5分間処理し型枠に詰めた後、真空乾燥機にて、温度120℃とし2時間静置し硬化させゴム状の成形体を得た。得られた成形体を幅100mm、奥行き、50mm、高さ20mmにカットし熱伝導率を測定した。
また、ヘンシェルミキサーにて10秒混練した酸化アルミニウム300gを市販のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PEG−200)100gに充填し、混練機(T.K.ハイビスミックス、特殊機化工業(株)製)にて、50rpmの回転速度で10分間混練した。その後、B型粘度計にて粘度測定を行った。
表3から明らかなように気相法炭素繊維を添加した実施例15〜実施例17は、気相法炭素繊維を添加していない比較例7よりも熱伝導率が向上していることがわかる。また、気相法炭素繊維を添加しフェノール樹脂によりアルミナと複合化させた実施例15〜実施例17は、気相法炭素繊維とアルミナをヘンシェルミキサーにて混合した比較例5と比較して、粘度が大幅に低減していることが分かる。さらに、電子顕微鏡観察結果より、いずれも気相法炭素繊維が高分散されアルミナ表面を一様に覆っており、気相法炭素繊維のみの塊が観察されていない。これらのことから、本発明はこれまで放熱材料フィラーの課題であった熱伝導率向上と粘度低減を共に大幅に改善することができ、工業的価値が極めて高いものである。

Claims (1)

  1. 平均繊維径50〜500nm、アスペクト比5〜1000の気相法炭素繊維または平均繊維径3〜50nmのカーボンナノチューブとセラミックス粒子とを含み、前記気相法炭素繊維またはカーボンナノチューブ及び前記セラミックス粒子に接着性を有する高分子化合物を介して、前記セラミックス粒子の表面の少なくとも一部に前記気相法炭素繊維またはカーボンナノチューブが付着している複合材料用組成物。
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