JP2018016169A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回生ブレーキと液圧ブレーキとが作動している際に車両挙動制御が作動しても回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えて精度良く挙動制御する。【解決手段】車両の走行状態に応じて付加ヨーモーメントMztを算出し、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えた後、各輪の液圧ブレーキを可変制御して車両にヨーモーメントを付加する。この際、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わる前の各輪の第1の制動力を検出し、第1のヨーモーメントMzbを算出する。次いで、車両挙動制御機能が作動して回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わった後の各輪の第2の制動力を検出し、第2のヨーモーメントMzaを算出する。そして、第1、第2のヨーモーメントMzb、Mzaを基にヨーモーメントMztの補正量ΔMを算出し、ヨーモーメントMztを補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、回生ブレーキと液圧ブレーキとが可能な車両で、各輪の液圧ブレーキを可変して車両にヨーモーメントを付加する車両の制動力制御装置に関する。
近年、車両においては、各車輪に作用する制駆動力を積極的に可変制御して車両にヨーモーメントを付加し、車両姿勢を良好に維持する車両挙動制御の技術が開発され実用化されている。このような車両挙動制御を回生ブレーキと液圧ブレーキとが利用可能な電気自動車やハイブリッド車に採用する場合、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作動している際に、車両挙動制御が作動した場合は、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えて液圧ブレーキを制御することにより目標とするヨーモーメントを付加することができる。この回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替える技術として、例えば、特開2015−131558号公報(以下、特許文献1)で、ドライバのブレーキ操作時に、全制動力中の液圧制動トルクと回生制動トルクとの配分を制御する制動力配分制御で、車速がすり替え開始車速に達した時に、回生制動トルクを減少させる一方で液圧制動トルクを増加させるすり替え制御を実行する車両用制動制御装置において、すり替え開始車速を適切に設定することにより回生による電力回収量の確保とブレーキペダルフィール確保とを図ることが可能な技術が開示されている。
特開2015−131558号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示されるような回生ブレーキと液圧ブレーキとが利用可能な車両で、回生ブレーキを含んだ制動中に車両挙動制御が作動して、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えて液圧ブレーキを可変制御して車両に適切なヨーモーメントを付加しようとすると、車両挙動制御が設定する目標ヨーモーメントの指示値は、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している場合の車両挙動を基に算出される指示値であり、液圧ブレーキのみが作用している場合の指示値とはならないという課題がある。すなわち、各輪の回生ブレーキの配分と液圧ブレーキの配分が同じであれば、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している状態から液圧ブレーキのみが作用している状態にすり替わったとしても車両挙動には変化が生じない。しかし、各輪の回生ブレーキの配分と液圧ブレーキの配分が異なる場合、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している状態で車両に発生するヨーモーメントと液圧ブレーキのみが作用している状態で車両に発生するヨーモーメントとが異なる。このため、目標ヨーモーメントの指示値を、このような回生ブレーキの液圧ブレーキへのすり替えの前と後での車両挙動の変化を考慮せずに算出してしまうと精度の良い指示値が得られず目標とする車両挙動制御が行うことができない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、回生ブレーキと液圧ブレーキとが可能な車両で、たとえ、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作動している際に車両挙動制御が作動しても、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えて精度良く目標とする車両挙動とすることができる車両の制動力制御装置を提供することを目的としている。
本発明の車両の制動力制御装置の一態様は、電動モータの回生ブレーキによる制動と液圧ブレーキによる制動とが自在で、車両の走行状態に応じて車両に付加するヨーモーメント指示値を算出し、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えた後、前記ヨーモーメント指示値を基に各輪の液圧ブレーキを可変制御して車両にヨーモーメントを付加自在な車両挙動制御手段を備えた車両の制動力制御装置であって、上記車両挙動制御手段は、前記回生ブレーキが前記液圧ブレーキにすり替わる前の各輪の制動力を第1の制動力として検出する第1の制動力検出手段と、前記第1の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第1のヨーモーメントとして算出する第1のヨーモーメント算出手段と、前記車両挙動制御手段が作動して前記回生ブレーキが前記液圧ブレーキにすり替わった後の各輪の制動力を第2の制動力として検出する第2の制動力検出手段と、前記第2の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第2のヨーモーメントとして算出する第2のヨーモーメント算出手段と、前記第1のヨーモーメントと前記第2のヨーモーメントの差を基に前記ヨーモーメント指示値の補正量を算出し、前記ヨーモーメント指示値を補正するヨーモーメント補正手段とを備えた。
本発明による車両の制動力制御装置によれば、回生ブレーキと液圧ブレーキとが可能な車両で、たとえ、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作動している際に車両挙動制御が作動しても、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えて精度良く目標とする車両挙動とすることが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る車両の回生ブレーキ系統及び液圧ブレーキ系統の概略構成図である。 本発明の実施の一形態に係る車両挙動制御プログラムのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る付加ヨーモーメント補正量算出ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係るアンダーステア傾向を防止する車両挙動制御の説明図である。 本発明の実施の一形態に係るオーバーステア傾向を防止する車両挙動制御の説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は車両を示し、この車両1の左前輪2fl、右前輪2fr、左後輪2rl、右後輪2rrは、それぞれ図示しないサスペンションを介して車体に支持されている。尚、本実施形態では、車両の旋回方向により、左前輪2flと右前輪2frの一方は旋回内側前輪2fiとなり、他方は旋回外側前輪2foとなる。同様に、車両の旋回方向により、左後輪2rlと右後輪2rrの一方は旋回内側後輪2riとなり、他方は旋回外側後輪2roとなる。
左前輪2fl、右前輪2fr、左後輪2rl、右後輪2rrのホイール内部には、左前輪インホイールモータ3fl、右前輪インホイールモータ3fr、左後輪インホイールモータ3rl、右後輪インホイールモータ3rrが、それぞれの車輪に対して動力伝達自在に組み込まれている。
そして、本実施の形態では、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrのトルクをそれぞれ独立して制御することにより、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに発生させる、後述する駆動力、および、回生制動力(回生ブレーキ)をそれぞれ独立して制御自在に構成されている。
各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrは、それぞれのモータに対応して設けられたインバータ4と接続されており、バッテリ5から供給される直流電力を交流電力に変換して、その交流電力を各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrに独立して供給する。これにより、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrは、駆動制御されて、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに対して駆動力を付与する。
また、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrは、発電機としても機能し、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの回転エネルギにより発電し、発電電力をインバータ4を介してバッテリ5に回生することが自在になっており、この各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrの発電により発生する回生エネルギが、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに対して回生制動力(回生ブレーキ)を付与する。
一方、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrには、それぞれ、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrが設けられており、これら摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrは、例えば、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ等の公知のブレーキ装置である。
これらの摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrは、ブレーキ駆動部7と接続されており、ブレーキ駆動部7から供給される油圧によりホイールシリンダのピストンが作動して各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに対して制動力(液圧ブレーキ)を付与する。
ブレーキ駆動部7は、昇圧ポンプ、アキュムレータ等からなる液圧発生装置、ブレーキ作動油の圧力を調整して摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrのホイールシリンダに供給する圧力調整制御弁、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrにブレーキ作動油を供給する油圧回路の開閉を行う開閉制御弁等を備えるハイドロリックユニットである。
そして、上述のインバータ4、および、ブレーキ駆動部7は、制御ユニット10にそれぞれ接続されている。
制御ユニット10は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータで構成され、各種プログラムを実行して各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rr、および、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrの作動を独立して制御する。このため、制御ユニット10には、ドライバのアクセル操作量を検出するアクセルセンサ11、ドライバのブレーキ操作量を検出するブレーキセンサ12、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの車輪速度ωfl、ωfr、ωrl、ωrrを検出する車輪速センサ13fl、13fr、13rl、13rr、操舵角δfを検出する操舵角センサ14、ヨーレートγを検出するヨーレートセンサ15が接続されている。また、制御ユニット10には、インバータ4から各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrに流れる電流値を表す信号、電圧値を表す信号等、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrの制御に必要なセンサ信号をインバータ4から入力する。
そして、制御ユニット10は、上述の各信号に基づき、ドライバのアクセル操作量に応じた要求駆動力(目標駆動力)や、ドライバのブレーキ操作量に応じた要求制動力(目標制動力)、すなわち、車両1を走行または制動させるために必要とされる要求制駆動力を、予め設定しておいたマップ、テーブル等を参照して、所定に算出し、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrで発生させる各輪要求制駆動力に配分する。尚、要求制駆動力の値が正の場合は、駆動力要求されている場合であり、要求制駆動力が負の場合は、制動力が要求されている場合である。
制御ユニット10は、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの要求制駆動力に応じた電流が各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrに流れるように制御信号(例えば、PWM制御信号)を生成してインバータ4に出力する。制御ユニット10は、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの要求制駆動力が負の場合には、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの要求制駆動力を、予め実験、計算等により設定しておいた比率に従って、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrで発生させる回生ブレーキと、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrで発生させる液圧ブレーキとに配分する。この際、制御ユニット10は、回生ブレーキを発生させるための制御信号をインバータ4に出力し、液圧ブレーキを発生させるための制御信号をブレーキ駆動部7に出力する。これにより、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrでは目標とする回生ブレーキを発生し、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrでは目標とする液圧ブレーキを発生する。
また、制御ユニット10は、車両の走行状態に応じて車両に付加するヨーモーメント(付加ヨーモーメント)Mztを算出し、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えた後、付加ヨーモーメントMztを基に各輪の液圧ブレーキを可変制御して車両にヨーモーメントを付加自在な、所謂、横すべり防止装置等の車両挙動制御の機能を有している。この際、上述の付加ヨーモーメントMztは、具体的に、以下のように補正される。まず、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わる前の各輪の制動力を第1の制動力(第1の回生ブレーキFfi_K1、Ffo_K1、Fri_K1、Fro_K1、第1の液圧ブレーキFfi_L1、Ffo_L1、Fri_L1、Fro_L1:尚、添字「fi」、「fo」、「ri」、「ro」は、前述したように、旋回内側前輪、旋回外側前輪、旋回内側後輪、旋回外側後輪を示すものである)として検出し、これら第1の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第1のヨーモーメントMzbとして算出する。次いで、車両挙動制御機能が作動して回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わった後の各輪の制動力を第2の制動力(第2の液圧ブレーキFfi_L2、Ffo_L2、Fri_L2、Fro_L2)として検出し、これら第2の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第2のヨーモーメントMzaとして算出する。そして、第1のヨーモーメントMzbと第2のヨーモーメントMzaの差を基にヨーモーメント(指示値)Mztの補正量ΔMを算出し、ヨーモーメント(指示値)Mztを補正する。このように、制御ユニット10は、車両挙動制御手段としての機能を有し、第1の制動力検出手段、第1のヨーモーメント算出手段、第2の制動力検出手段、第2のヨーモーメント算出手段、ヨーモーメント補正手段を備えて構成されている。
次に、制御ユニット10で実行される本実施の形態の車両挙動制御を、図2のフローチャートで説明する。
まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、自車両1の運転状態による目標ヨーレートγtを、例えば、以下の(1)式により算出する。
γt=(1/(1+A・V))・(V/l)・δf …(1)
ここで、Aは車両固有のスタビリティファクタ、Vは車速(例えば、各車輪の車輪速度ωfl、ωfr、ωrl、ωrrの平均値)、lはホイールベースである。
次いで、S102に進み、ヨーレート偏差Δγを、例えば、以下の(2)式により算出する。
Δγ=γ−γt …(2)
次に、S103に進み、ヨーレート偏差の絶対値|Δγ|が、予め実験、計算等により設定しておいた閾値Dγ以上(|Δγ|≧Dγ)か否か判定する。
このS103の判定の結果、|Δγ|<Dγの場合は、車両1は安定して走行しており、ヨーモーメントを付加する必要が無いと判断してプログラムを抜ける。
逆に、S103の判定の結果、|Δγ|≧Dγの場合は、車両挙動を適切に制御すべく(車両にヨーモーメントを付加して安定させるべく)S104以降へと進む。
S104に進むと、付加ヨーモーメントMztを、例えば、以下の(3)式により算出する。
Mzt=GMT・Δγ …(3)
ここで、GMTは、予め実験、計算等により設定しておいたゲインである。
次いで、S105に進み、制御ユニット10は、制動中か否か判定し、制動中でなければS109に進み、付加ヨーモーメントMztに基づいてブレーキ制御を実行する。
このS109でのブレーキ制御は、例えば、以下のように実行される。
・|γ|<|γt|であり、アンダーステア傾向の場合
以下の(4)式により、旋回内側前輪に付加する制動力(液圧ブレーキ)Ffiを算出し、また、(5)式により、旋回内側後輪に付加する制動力(液圧ブレーキ)Friを算出し、ブレーキ駆動部7に出力する。
Ffi=Kyu・(Mzt/d) …(4)
Fri=(1−Kyu)・(Mzt/d) …(5)
ここで、Kyuは、予め実験、計算等により設定したアンダーステア傾向を防止する前輪の制動力比率で、dはトレッドである。
尚、本実施の形態では、Kyu<(1−Kyu)に設定されている。
・|γ|>|γt|であり、オーバーステア傾向の場合
以下の(6)式により、旋回外側前輪に付加する制動力(液圧ブレーキ)Ffoを算出し、また、(7)式により、旋回外側後輪に付加する制動力(液圧ブレーキ)Froを算出し、ブレーキ駆動部7に出力する。
Ffo=Kyo・(Mzt/d) …(6)
Fro=(1−Kyo)・(Mzt/d) …(7)
ここで、Kyoは、予め実験、計算等により設定したオーバーステア傾向を防止する前輪の制動力比率である。
尚、本実施の形態では、Kyo>(1−Kyo)に設定されている。
一方、前述のS105の判定で制動中と判定された場合は、S106に進む。
S106では、制御ユニット10は、回生制動がONされている(回生ブレーキが行われている)か否かを判定する。
このS106の判定の結果、回生制動がONされていない(回生ブレーキが行われていない)と判定した場合は、車両挙動制御の作動により、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わることが生じない、すなわち、回生ブレーキによる各輪のブレーキ力配分が液圧ブレーキにすり替わり、全て液圧ブレーキによるブレーキ力配分となって車両挙動に変化を生じることが起きないと判断されるため、そのまま、S109に進み、付加ヨーモーメントMztに基づいてブレーキ制御を実行する。
また、S106の判定の結果、回生制動がONされている(回生ブレーキが行われている)と判定した場合は、車両挙動制御の作動により、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わることが生じる、すなわち、回生ブレーキによる各輪のブレーキ力配分が液圧ブレーキにすり替わり、全て液圧ブレーキによるブレーキ力配分となって車両挙動に変化を生じる虞があると判断されるため、S107に進み、後述する図3に示す、付加ヨーモーメント補正量算出ルーチンに従って付加ヨーモーメント補正量ΔMを算出する。
次いで、S108に進み、付加ヨーモーメントMztから付加ヨーモーメント補正量ΔMを減算して付加ヨーモーメントMztを補正し(Mzt=Mzt−ΔM)、S109に進み、この補正された付加ヨーモーメントMztに基づいてブレーキ制御を実行する。
次に、上述のS107で実行される、付加ヨーモーメント補正量算出ルーチンを、図3のフローチャートで説明する。
まず、S201で、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わる前の各輪の制動力を第1の制動力(第1の回生ブレーキFfi_K1、Ffo_K1、Fri_K1、Fro_K1、第1の液圧ブレーキFfi_L1、Ffo_L1、Fri_L1、Fro_L1)として検出する。
次いで、S202に進み、例えば、以下の(8)式により、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わる前のヨーモーメントを第1のヨーモーメントMzbとして算出する。
Mzb=((Ffi_K1−Ffo_K1)+(Fri_K1−Fro_K1)
+(Ffi_L1−Ffo_L1)+(Fri_L1−Fro_L1))・d …(8)
上述の(8)式からも明らかなように、第1のヨーモーメントMzbは、旋回方向内側への回転方向が正となり、旋回方向外側への回転方向が負で算出される。
次に、S203に進み、回生ブレーキから液圧ブレーキへのすり替わりが発生したか否か判定する。
そして、すり替わりが発生していない場合は、S201からの処理を繰り返し、すり替わりが発生した場合は、S204に進む。
S204では、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わった後の各輪のブレーキを第2の制動力(第2の液圧ブレーキFfi_L2、Ffo_L2、Fri_L2、Fro_L2)として検出する。
次いで、S205に進み、例えば、以下の(9)式により、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わった後のヨーモーメントを第2のヨーモーメントMzaとして算出する。
Mza=((Ffi_L2−Ffo_L2)+(Fri_L2−Fro_L2))・d …(9)
上述の(9)式からも明らかなように、第2のヨーモーメントMzaは、旋回方向内側への回転方向が正となり、旋回方向外側への回転方向が負で算出される。
そして、S206に進み、第1のヨーモーメントMzbから第2のヨーモーメントMzaを減算してヨーモーメント(指示値)Mztの補正量ΔMを算出する。
ΔM=Mzb−Mza …(10)
すなわち、回生ブレーキと液圧ブレーキとが利用可能な車両で、回生ブレーキを含んだ制動中に車両挙動制御が作動して、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えて液圧ブレーキを可変制御して車両に適切なヨーモーメントを付加しようとすると、車両挙動制御が設定するヨーモーメントの指示値は、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している場合の車両挙動を基に算出される指示値であり、液圧ブレーキのみが作用している場合の指示値とはならない。
例えば、図4に示すように、車両1がアンダーステア傾向(図4中、LAの車両挙動)で回生ブレーキを含んだ制動中に、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替え、ヨーモーメントMztを付加して車両挙動を適切な挙動(図4中、Ltの車両挙動)に制御する場合、各輪の回生ブレーキの配分と液圧ブレーキの配分が同じであれば、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している状態(図4中、BAの状態)から液圧ブレーキのみが作用している状態(図4中、BBの状態)にすり替わったとしても車両挙動には変化が生じない。しかし、各輪の回生ブレーキの配分と液圧ブレーキの配分が異なる場合、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している状態で車両に発生するヨーモーメントと液圧ブレーキのみが作用している状態で車両に発生するヨーモーメントとが異なり、図4中のLB1の車両挙動のようにヨーモーメントが大きくなる場合と、逆に、図4中のLB2の車両挙動のようにヨーモーメントが小さくなる場合がある。
同様に、図5に示すように、車両1がオーバーステア傾向(図5中、LAの車両挙動)で回生ブレーキを含んだ制動中に、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替え、ヨーモーメントMztを付加して車両挙動を適切な挙動(図5中、Ltの車両挙動)に制御する場合、各輪の回生ブレーキの配分と液圧ブレーキの配分が同じであれば、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している状態(図5中、BAの状態)から液圧ブレーキのみが作用している状態(図5中、BBの状態)にすり替わったとしても車両挙動には変化が生じない。しかし、各輪の回生ブレーキの配分と液圧ブレーキの配分が異なる場合、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作用している状態で車両に発生するヨーモーメントと液圧ブレーキのみが作用している状態で車両に発生するヨーモーメントとが異なり、図5中のLB1の車両挙動のようにヨーモーメントが小さくなる場合と、逆に、図5中のLB2の車両挙動のようにヨーモーメントが大きくなる場合がある。
そこで、本実施の形態では、制御ユニット10は、車両の走行状態に応じて車両に付加するヨーモーメントMztを算出し、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えた後、付加ヨーモーメントMztを基に各輪の液圧ブレーキを可変制御して車両にヨーモーメントを付加自在な、所謂、横すべり防止装置等の車両挙動制御の機能を有している。この際、この付加ヨーモーメントMztは、具体的に、以下のように補正して算出する。まず、回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わる前の各輪の制動力を第1の制動力(第1の回生ブレーキFfi_K1、Ffo_K1、Fri_K1、Fro_K1、第1の液圧ブレーキFfi_L1、Ffo_L1、Fri_L1、Fro_L1)として検出し、これら第1の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第1のヨーモーメントMzbとして算出する。次いで、車両挙動制御機能が作動して回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替わった後の各輪の制動力を第2の制動力(第2の液圧ブレーキFfi_L2、Ffo_L2、Fri_L2、Fro_L2)として検出し、これら第2の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第2のヨーモーメントMzaとして算出する。そして、第1のヨーモーメントMzbと第2のヨーモーメントMzaの差を基にヨーモーメントMztの補正量ΔMを算出し、ヨーモーメント(指示値)Mztを補正する。このため、回生ブレーキと液圧ブレーキとが可能な車両で、たとえ、回生ブレーキと液圧ブレーキとが作動している際に車両挙動制御が作動しても、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えて精度良く目標とする車両挙動とすることが可能となる。
尚、本実施の形態では、4輪にそれぞれインホイールモータを有する電気自動車を例に説明したが、1つのモータで走行する車両、2つのモータで走行する車両、3つのモータで走行する電気自動車やハイブリッド車においても、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えてヨーモーメントを付加する車両挙動制御装置に適用できることは言うまでもない。
1 車両
2fl、2fr、2rl、2rr 車輪
3fl、3fr、3rl、3rr インホイールモータ
4 インバータ
5 バッテリ
6fl、6fr、6rl、6rr 摩擦ブレーキ機構
7 ブレーキ駆動部
10 制御ユニット(車両挙動制御手段、第1の制動力検出手段、第1のヨーモーメント算出手段、第2の制動力検出手段、第2のヨーモーメント算出手段、ヨーモーメント補正手段)
11 アクセルセンサ
12 ブレーキセンサ
13fl、13fr、13rl、13rr 車輪速センサ
14 操舵角センサ
15 ヨーレートセンサ

Claims (3)

  1. 電動モータの回生ブレーキによる制動と液圧ブレーキによる制動とが自在で、車両の走行状態に応じて車両に付加するヨーモーメント指示値を算出し、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えた後、前記ヨーモーメント指示値を基に各輪の液圧ブレーキを可変制御して車両にヨーモーメントを付加自在な車両挙動制御手段を備えた車両の制動力制御装置であって、
    上記車両挙動制御手段は、
    前記回生ブレーキが前記液圧ブレーキにすり替わる前の各輪の制動力を第1の制動力として検出する第1の制動力検出手段と、
    前記第1の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第1のヨーモーメントとして算出する第1のヨーモーメント算出手段と、
    前記車両挙動制御手段が作動して前記回生ブレーキが前記液圧ブレーキにすり替わった後の各輪の制動力を第2の制動力として検出する第2の制動力検出手段と、
    前記第2の制動力を基に車両に作用するヨーモーメントを第2のヨーモーメントとして算出する第2のヨーモーメント算出手段と、
    前記第1のヨーモーメントと前記第2のヨーモーメントの差を基に前記ヨーモーメント指示値の補正量を算出し、前記ヨーモーメント指示値を補正するヨーモーメント補正手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. 前記第1の制動力は、前記回生ブレーキが前記液圧ブレーキにすり替わる前の各輪の回生ブレーキによる制動力と液圧ブレーキによる制動力であることを特徴とする請求項1記載の車両の制動力制御装置。
  3. 前記第2の制動力は、前記回生ブレーキが前記液圧ブレーキにすり替わった後の各輪の液圧ブレーキによる制動力であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の制動力制御装置。
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