JP2020121670A - 車両のブレーキ制御システムおよび車両のブレーキ制御方法 - Google Patents

車両のブレーキ制御システムおよび車両のブレーキ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】巻き掛け部材の信頼性を確保しつつ車両の安定性を高めることができる車両のブレーキ制御システムを提供する。【解決手段】車輪1に設けられて当該車輪1に制動力を付与する車輪ブレーキ20と、車輪1と連動して回転する回転軸9に巻き掛け部材11を介して連結されるとともに、当該回転軸9により回転駆動されることで発電する発電機4とが設けられた車両において、車速センサSN9により検出された車速と勾配センサSN7により検出された下り勾配の少なくとも一方のパラメータが大きい第1の条件での車輪ブレーキ力の配分が、当該パラメータが小さい第2の条件での車輪ブレーキ力の配分よりも大きくなるように、車輪ブレーキ力と回生ブレーキ力との配分を決定する。【選択図】図5

Description

本発明は、車両に設けられるブレーキ制御システムおよび車両に用いられるブレーキ制御方法に関する。
従来、車両に、車輪に設けられてこれを制動する車輪ブレーキと、車輪に付与される回転力の一部を用いて発電を行う発電機とを設けて、車両の減速エネルギーを車輪ブレーキと発電機とに分配することが行われている。
例えば、特許文献1には、エンジンと車輪ブレーキと発電機とを備えた車両において、車両の減速時に、車輪ブレーキによって車輪に制動力を付与しつつ、エンジンにより発電機を回転駆動させて、発電機で生成された電気エネルギーをバッテリに蓄電するようにしたものが開示されている。
この車両では、車速が高いときおよび路面の下り勾配が大きいときであって車両の減速エネルギーが高いときに、車輪ブレーキに分配する減速エネルギーを小さくする一方、発電機に分配する減速エネルギーを多くして発電機での発電量を増大させ、これにより減速エネルギーの多くを電気エネルギーに変換するように構成されている。
特開2007−176419号公報
巻き掛け部材を介して回転軸と連結された発電機では、発電機の発電量が急激に変化すると巻き掛け部材に撓み等が生じることでこれの信頼性が低下するおそれがある。これより、このような発電機が用いられた車両に前記の特許文献1の構成を単純に適用して、車速および路面の下り勾配が大きいときに車輪ブレーキに分配される減速エネルギーを小さくして発電機の発電量を増大させた場合には、次の問題が生じるおそれがある。つまり、車輪がロックしたときには、これを解除して車両の安定性を確保するために車輪ブレーキから車輪に対して断続的に高い制動力を付与することが求められるので、車両の減速エネルギーの多くが車輪ブレーキに分配されることが望ましい。また、車両が横滑りしたときにも、これを解除して車両の安定性を確保するために車輪ブレーキから一部の車輪に高い制動力を付与することが求められるので、車両の減速エネルギーの多くが少なくとも一部の車輪の車輪ブレーキに付与されることが望ましい。しかしながら、前記の場合では、車速が高いあるいは路面の下り勾配が大きいことで車輪のロックや横滑りが生じやすい運転条件において、車両の減速に伴って、車両の減速エネルギーの多くが発電機に付与されることになる。そのため、車両の減速途中で車輪のロックや横滑りが生じたときに、車両の減速エネルギーの多くを発電機から車輪ブレーキに移すべく発電機の発電量を短時間で大幅に低下させねばならなくなる。従って、巻掛け部材の信頼性が低下するおそれがある。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、巻き掛け部材の信頼性を確保し且つ車両の安定性を高めることのできる車両のブレーキ制御システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、車両のブレーキ制御システムであって、ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機と、前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダルセンサと、車速を検出する車速センサと、路面の勾配を検出する勾配センサと、前記ブレーキペダルセンサにより前記ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されているときに、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定し、決定した配分に従って前記車輪ブレーキおよび前記発電機を制御する制御器とを備え、前記制御器は、前記車速センサにより検出された車速と前記勾配センサにより検出された下り勾配の少なくとも一方のパラメータが大きい第1の条件での前記車輪ブレーキ力の配分が、当該パラメータが小さい第2の条件での前記車輪ブレーキ力の配分よりも大きくなるように、前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システム、を提供する(請求項1)。
本発明では、車速が高いおよび/または下り勾配が大きく車輪のロックや横滑り等が生じやすい運転条件でブレーキペダルが踏み込み操作されたときに、減速エネルギーの回生ブレーキへの配分が小さくされて発電機での発電量が低く抑えられるとともに、車輪ブレーキへの配分が大きくされる。そのため、前記のブレーキペダルの踏み込み操作の開始後に車輪のロック等が生じたときに、発電機での発電量の低下量を小さく抑えることができるとともに、車輪ブレーキに分配される減速エネルギーを早期に且つ確実に高くすることができる。従って、車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結された発電機を用いつつ、巻き掛け部材の信頼性を確保できるとともに、車輪ブレーキから車輪に高い制動力を付与して車輪のロック解除等を確実に実現して車両の安定性を高めることができる。そして、車速が低いあるいは下り勾配が小さく車輪のロック等が生じ難いときには、発電機に高い減速エネルギーを分配して発電機での発電量を高くすることができ、エネルギー効率を高めることができる。
前記構成において、好ましくは、前記発電機により発電された電力を蓄えるバッテリを備え、前記制御器は、前記バッテリの残容量に基づいて前記回生ブレーキ力の基本値である基本回生ブレーキ力を設定するとともに、当該基本回生ブレーキ力を補正する補正係数を前記パラメータに基づいて設定し、前記第1の条件での前記補正係数は、前記第2の条件での前記補正係数よりも小さくされる(請求項2)。
この構成によれば、バッテリの残容量と車速および/または路面の勾配とに基づいて回生ブレーキ力と車輪ブレーキ力の配分が決定されることになるので、前記のように巻き掛け部材の信頼性を確保しつつ車両の安定性を高めることができるとともに、バッテリの容量をより確実に高く維持することができる。
前記構成において、好ましくは、前記車輪がロックしていると判定したとき、前記回生ブレーキ力の配分を低減させるとともに前記ロックが抑制されるように前記車輪ブレーキ力を調整する(請求項3)。
この構成によれば、車輪がロックしたときに、より確実に車輪ブレーキから高い制動力を車輪に付与してロックの解除を促進することができ、車両安定性を確実に高めることができる。
前記構成において、好ましくは、前記制御器は、車両が横滑りしていると判定したとき、前記回生ブレーキ力の配分を低減させるとともに前記横滑りが抑制されるように前記車輪ブレーキ力を調整する(請求項4)。
この構成によれば、車両が横滑りしたときに、より確実に車輪ブレーキから高い制動力を車輪に付与してロックの解除を促進することができ、車両安定性を確実に高めることができる。
前記回転軸としては、車両走行用の動力を発生させる駆動源の出力軸が挙げられ、前記巻き掛け部材としては、前記出力軸の回転を前記発電機に伝達可能なベルトが挙げられる(請求項5)。
また、本発明は、車両のブレーキ制御システムであって、ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機と、前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダルセンサと、車速を検出する車速センサと、路面の勾配を検出する勾配センサと、前記ブレーキペダルセンサにより前記ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されているときに、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定し、決定した配分に従って前記車輪ブレーキおよび前記発電機を制御する制御器とを備え、前記制御器は、前記車速センサにより検出された車速が所定の基準速度以上という条件と、前記勾配センサにより検出された下り勾配が所定の基準勾配以上であるという条件との少なくとも一方が成立したときに、前記回生ブレーキ力がゼロとなるように前記配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システムを提供する(請求項6)。
この構成によれば、車速が基準速度以上と高いときおよび/または下り勾配が基準勾配以上と大きいことで車両のロック等が生じやすいときに、ブレーキペダルの踏み込み操作に伴って減速エネルギーの回生ブレーキへの配分がゼロとされて発電機での発電が停止される。従って、ブレーキペダルの踏み込み操作の開始後に車輪のロック等が生じたときに、発電機の発電量の大幅な低下を確実に回避できるとともに、車輪ブレーキに分配される減速エネルギーを確実に高くできる。従って、この構成によっても、車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結された発電機を用いつつ、この巻き掛け部材の信頼性を高め且つ車両の安定性を高めることができる。また、車速および/または下り勾配が低いときにおいて、発電機での発電量を多くしてエネルギー効率を高めることができる。
また、本発明は、ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機とを備えた車両のブレーキ制御方法であって、ドライバーにより前記ブレーキペダルが踏み込み操作されているか否かを判定する踏込判定工程と、前記踏込判定工程において前記ブレーキペダルが踏み込み操作されていると判定されたときに実施されて、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定するブレーキ配分決定工程と、前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分が前記ブレーキ配分決定工程で決定された配分となるように、前記車輪ブレーキと前記発電機とを制御するブレーキ制御工程とを備え、前記ブレーキ配分決定工程では、車速と路面の下り勾配の少なくとも一方のパラメータが大きい第1の条件での前記車輪ブレーキ力の配分が、当該パラメータが小さい第2の条件での前記車輪ブレーキ力の配分よりも大きくなるように、前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御方法を提供する(請求項7)。
この方法によれば、前記の構成と同様に、車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結された発電機を用いつつ、巻き掛け部材の信頼性を確保できるとともに車両の安定性を高めることができる。また、車速が低いあるいは下り勾配が小さいときには、発電機に高い減速エネルギーを分配して発電量を高くすることができ、エネルギー効率を高めることができる。
また、本発明は、ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機とを備えた車両のブレーキ制御方法であって、ドライバーにより前記ブレーキペダルが踏み込み操作されているか否かを判定する踏込判定工程と、前記踏込判定工程において前記ブレーキペダルが踏み込み操作されていると判定されたときに実施されて、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定するブレーキ配分決定工程と、前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分が前記ブレーキ配分決定工程で決定された配分となるように、前記車輪ブレーキと前記発電機とを制御するブレーキ制御工程とを備え、前記ブレーキ配分決定工程では、車速が所定の基準速度以上という条件と、路面の下り勾配が所定の基準勾配以上であるという条件との少なくとも一方が成立したときに、前記回生ブレーキ力がゼロとなるように前記配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御方法を提供する(請求項8)。
この方法によっても、前記の構成と同様に、車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結された発電機を用いつつ、この巻き掛け部材の信頼性を高め且つ車両の安定性を高めることができる。また、車速および/または下り勾配が低いときにおいて、発電機での発電量を多くしてエネルギー効率を高めることができる。
以上説明したように、本発明の車両のブレーキ制御システムおよび車両のブレーキ制御方法によれば、巻き掛け部材の信頼性を確保しつつ車両の安定性を高めることができる。
本発明の一実施形態にかかるブレーキ制御システムが搭載された車両の構成を概略的に示す図である。 車両の制御系統を示すブロック図である。 減速時のブレーキ制御の流れの前半を示したフローチャートである。 減速時のブレーキ制御の流れの後半を示したフローチャートである。 車速と下り勾配角と補正係数との関係を示したグラフである。 第2実施形態に係る減速時のブレーキ制御の流れの前半を示したフローチャートである。 第2実施形態に係る下り勾配角と判定車速との関係を示したグラフである。 他の例に係る減速時のブレーキ制御の流れの前半を示したフローチャートである。 他の例に係る車速と判定角度との関係を示したグラフである。
(1)車両の全体構成
図1は、本発明に係るブレーキ制御システム200が搭載された車両の構成を概略的に示す図である。
車両Vは、例えば4つの車輪1(図1では1つのみを示している)4輪自動車である。車両Vには、車両Vの駆動源としてのエンジン2、変速機3、モータジェネレータ4、Liバッテリ(リチウムバッテリ)5、DC−DCコンバータ6、鉛バッテリ7、各種電気機器8および車輪ブレーキ20が搭載されている。
図1の例では、エンジン2は、一列に並ぶ4つの気筒2aを備えた直列4気筒エンジンである。また、エンジン2は、気筒2a内を往復動するピストン(付図示)を備えた4サイクルのレシプロエンジンである。エンジン2は、ピストンに連結されて、気筒配列方向に延びる中心軸周りに回転してエンジン2の出力軸として機能するクランクシャフト9を有している。エンジン2の出力は、クランクシャフト9、変速機3、ドライブシャフト10等を介して車輪1に伝達される。本実施形態では、エンジン2は、ガソリンを含む燃料により駆動される。エンジン2は、各気筒2a内に燃料を噴射するインジェクタ30(図2参照)、各気筒2a内の混合気(空気と燃料の混合気)に点火する点火プラグ31(図2参照)等を備えている。
モータジェネレータ4は、電動機としての機能と発電機としての機能を有するいわゆるISG(Integrated Starter−Generator)であり、以下では、これをISG4という。
ISG4は、ベルト11を介してクランクシャフト9に連結されている。ISG4は、発電機として動作する際には、クランクシャフト9により回転駆動される。具体的には、ISG4は、ベルト11を介してクランクシャフト9と連動して回転するロータを備え、このロータがクランクシャフト9により磁界中で回転させられることにより発電を行う。ISG4は、磁界を発生するフィールドコイルへの供給電流の増減に応じて、最大数十Vまでの範囲で発電電圧を調節することが可能になっている。前記のベルト11は、請求項の「巻き掛け部材」に相当する。
ISG4とLiバッテリ5とは電気的に接続されており、ISG4で発電された電力は、直流に変換された後に、Liバッテリ5に蓄電される。
本実施形態では、車両Vにおいていわゆる回生ブレーキが実施されるようになっており、ISG4はいわゆる減速回生発電を行う。つまり、ISG4は、車両の減速時に発電機として動作して、車両Vの減速エネルギーつまりクランクシャフト9の回転エネルギーを電気エネルギーに変換できるようになっている。車両の減速時にISG4が発電機として動作すると、エンジン2の回転力が低減されて、エンジン2から車輪1に伝達される駆動力が低減されることで車輪1に制動力が付与される。以下では、ISG4が発電機として発電することによって車輪1に加えられる制動力を回生ブレーキ力という。ISG4の発電量が大きくなるほど、この回生ブレーキ力は大きくなる。
一方、ISG4は、電動機として動作する際は、Liバッテリ5からの電力供給を受けて駆動され、ベルト11を介してクランクシャフト9に駆動力を伝達して、エンジン2に駆動力を付与する。本実施形態では、ISG4はいわゆるトルクアシストを行うように構成されており、ISG4は、エンジン負荷の低いとき等に電動機として作動して、エンジン2に駆動力を付与する。
ISG4には、これを制御するためのISG制御器が内蔵されている。ISG制御器は、インバーター機能を有しており、ISG4が発電機として機能する場合にはISG4で生成された交流電流を直流電流に変換し、ISG4が電動機として機能する場合にはLiバッテリ5からの直流電流を交流電流に変換してISG4に供給する。また、ISG制御器は、前記のようにフィールドコイルへの供給電流の増減等を行って、ISG4での発電量やISG4の駆動力を増減させる。ISG制御器は、マイクロプロセッサ等を含むマイクロコンピュータを有しており、マイクロコンピュータによって前記の電流制御等が行われる。
前記のように構成されたISG4は請求項の「発電機」に相当し、Liバッテリ5は請求項の「バッテリ」に相当する。
なお、Liバッテリ5は、図示は省略したが、ISG4に加えて、の座席を加熱するためのシートヒータ等の高電圧機器とも接続されており、Liバッテリ5からはこれらの高電圧機器に電気が供給される。
鉛バッテリ7は、比較的低い電圧で駆動する低電圧機器8に電気的に接続されており、鉛バッテリ7からは低電圧機器8に電力が供給される。低電圧機器8として、車両Vには、例えば、エンジン2を始動させるためのスタータや電動式パワーステアリング機構等が搭載されている。
DC−DCコンバータ6は、Liバッテリ5に接続されて高電圧の電気が流れる高電圧ラインから、鉛バッテリ7に接続されて低電圧の電気が流れるラインに向けて流れる電力の電圧を降圧するための装置である。本実施形態では、ISG4によって発電された電力の余剰分がDC−DCコンバータ6を介して鉛バッテリ7に供給されて鉛バッテリ7が充電されるようになっている。
(車輪ブレーキ)
車輪ブレーキ20は、車輪1に直接制動力を付与するためのものである。車輪ブレーキ20は、車輪ブレーキ圧ポンプ21、ポンプ駆動モータ22、車輪ブレーキ制御弁23、ブレーキパッド24およびブレーキディスク25を含む。
ブレーキパッド24は、車輪1と一体に回転するブレーキディスク25に押し付けられて車輪1との間で摩擦力を生じさせることでブレーキディスク25および車輪1の回転を低減させるものである。ブレーキパッド24は油圧によって駆動される。車輪ブレーキ圧ポンプ21は、ブレーキパッド24を作動させる作動油が流通する油路に油を圧送して、この油路内の油圧を高めるためのポンプである。ポンプ駆動モータ22は、車輪ブレーキ圧ポンプ21を駆動するためのモータである。車輪ブレーキ制御弁23は、前記油路のうち車輪ブレーキ圧ポンプ21とブレーキパッド24との間の部分に配設されている。車輪ブレーキ制御弁23は、この部分を開閉してブレーキパッド24に供給される油圧を調整する。ブレーキパッド24に供給される油圧は、車輪ブレーキ圧ポンプ21の駆動量と車輪ブレーキ制御弁23の開度とによって変更される。
車両Vには、乗員が踏み込み操作可能なブレーキペダル12が設けられている。車輪ブレーキ20は、ブレーキペダル12が踏み込み操作されると、ブレーキパッド24に所定値以上の油圧が供給されて、ブレーキパッド24が車輪1に押し付けられるように構成されている。
(2)制御系統
図2は、車両Vの制御系統を概略的に示すブロック図である。図2に示されるコントローラ100は、エンジン、ISG4および車輪ブレーキ20等を統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
コントローラ100には各種センサによる検出情報や各種スイッチの操作信号が入力される。具体的に、車両Vには、ブレーキペダル12の踏み込み量を検出するブレーキ踏込センサSN1、車両Vに設けられたアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサSN2、エンジン2の回転速度であるエンジン回転数を検出するエンジン回転数センサSN3、エンジン2を冷却するエンジン冷却水の温度(以下、エンジン水温という)を検出するエンジン水温センサSN4、Liバッテリ5の電圧・電流をそれぞれ検出するバッテリ電圧センサSN5、バッテリ電流センサSN6が設けられている。
また、車両Vには、勾配センサSN7、車輪速センサSN8、ヨーレートセンサSN9、舵角センサSN10、横GセンサSN11が設けられている。勾配センサSN7は、車両Vが走行している路面の勾配角(水平面に対する傾斜角度)すなわち路面の勾配を検出する。本実施形態では、勾配センサSN7は、付与される重力加速度に基づいて勾配角を検出する。車輪速センサSN8は、車輪1の速度つまり車速を検出する。ヨーレートセンサSN9は、車両Vのヨーレート(の旋回速度)を検出する。舵角センサSN10は、車両Vに設けられてドライバーにより操作されるステアリングホイールの操舵角を検出する。横GセンサSN11は、車両Vの横G(車両Vの車幅方向外向きの加速度)を検出する。コントローラ100には、これらセンサSN7〜SN11の検出値も入力される。
前記のブレーキ踏込センサSN1は請求項の「ブレーキペダルセンサ」に相当し、前記の車輪速センサSN8は請求項の「車速センサ」に相当する。
コントローラ100は、ISG4(詳細には、ISG制御器)、インジェクタ30、点火プラグ31、車輪ブレーキ圧ポンプ21、車輪ブレーキ制御弁23等と接続されており、各センサSN1〜SN11の入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行して、これら各部に指令を出す。このようなコントローラ100は、請求項の「制御器」に相当する。
(ブレーキ制御)
次に、コントローラ100が実施する減速時のブレーキ制御について、図3のフローチャート等を用いて説明する。
まず、ステップS1にて、コントローラ100は、各センサSN1〜SN11の検出値等を読み込む。ステップS1の後はステップS2に進む。
ステップS2では、コントローラ100は、ブレーキペダル12が踏み込まれているか否かを判定する。具体的には、コントローラ100は、ブレーキ踏込センサSN1で検出されたブレーキペダル12の踏み込み量が予め設定された判定踏込量より大きい場合に、ブレーキペダル12が踏み込まれていると判定する。このステップS2は、請求項の「踏込判定工程」に相当する。
ステップS2の判定がNOであって、ブレーキペダル12が踏み込まれていないと判定したときは、コントローラ100は以降のステップを実施することなく処理を終了する(ステップS1に戻る)。
一方、ステップS2の判定がYESであって、ブレーキペダル12が踏み込まれていると判定したときは、コントローラ100はステップS3に進む。
ステップS3では、コントローラ100は、エンジン回転数センサSN3により検出されたエンジン回転数とエンジン水温センサSN4により検出されたエンジン水温とに基づいて、エンジンブレーキ力(これの大きさ)を算出する。つまり、ブレーキペダル12が踏み込まれると、インジェクタ30からの燃料噴射が停止されて点火プラグ31による点火が停止されること等に伴いエンジン2の出力は低下し、エンジン2にはピストンの往復動等に伴う摺動抵抗が付与される。これに伴い、エンジン2の回転力は低下し、車輪1にはこの回転力の低下に伴う制動力が付与される。エンジンブレーキは、このようにエンジン2の摺動抵抗に伴って車輪1に付与される制動力であり、エンジン2に付与される摺動抵抗はエンジン回転数とエンジン水温とによって変化する。これより、本実施形態では、前記のように、エンジンブレーキ力を、エンジン回転数とエンジン水温とに基づいて算出する。ステップS3の後はステップS4に進む。
ステップS4では、コントローラ100は、車両Vの減速度の目標値である目標減速度を算出する。コントローラ100は、車輪速センサSN8により検出された車速と、ブレーキペダル12の踏み込み量とに基づいて、目標減速度を算出する。ステップS4の後はステップS5に進む。
ステップS5では、コントローラ100は、回生ブレーキの実施、つまり、ISG4の発電機としての動作を許可する回生ブレーキ許可条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、コントローラ100は、アクセルペダルが踏み込まれておらず、ブレーキペダル12の踏み込み速度が所定値未満であり(いわゆるパニックブレーキではない)、車輪ブレーキ20(車輪ブレーキ圧ポンプ21、ポンプ駆動モータ22、車輪ブレーキ制御弁23等)が正常であり、ISG4およびLiバッテリ5が正常であり、車両Vが旋回中でなく、横滑り抑制制御の実施中ではなく、車輪ロック抑制制御の実施中ではなく、車輪1がスリップ中ではなく、且つ、燃料カット中である(インジェクタ30からの燃料噴射が停止中である)、ときに、回生ブレーキ許可条件が成立していると判定する。
ここで、車両Vが旋回中であるか否は、ヨーレートセンサSN9、舵角センサSN10、横GセンサSN12の各検出値に基づいて判定される。
また、横滑り抑制制御とは、車両Vの横滑りを抑制するための制御である。具体的には、コントローラ100は、ヨーレートセンサSN9、舵角センサSN10および車輪速センサSN8等の検出値に基づいて、車両Vが横滑りしているか否かを判定し、車両Vが横滑りしていると判定すると、各車輪1にそれぞれ付与される制動力を調整する。詳細には、コントローラ100は、一部の車輪1に対する車輪ブレーキ力が増大するように各車輪1に対する車輪ブレーキ力の分配を変化させて、一部の車輪1に対してブレーキパッド24をより強い力で押し付けつつ他の車輪1に対してブレーキパッド24からの押し付け力を弱くする。
また、車輪ロック抑制制御とは、車輪1のロック(車輪1の回転が停止している状態)を解除するための制御である。具体的には、コントローラ100は、車輪速センサSN8の検出値等に基づいて、車輪1がロックしているか否かを判定する。そして、コントローラ100は、車輪1がロックしていると判定すると、車輪ブレーキ力を一旦ゼロにした後、増大させてブレーキパッド24をより強い力で各車輪1に押し付ける。また、コントローラ100は、ブレーキパッド24が各車輪1に対して強い力で断続的に押し付けられるように車輪ブレーキ制御弁23等を制御する。つまり、コントローラ100は、車輪ブレーキ20(ブレーキパッド24)から車輪1に付与される制動力を大幅に増減させる。
ステップS5の判定がNOであって回生ブレーキ許可条件が成立していないときは、ステップS6に進む。ステップS6では、コントローラ100は、ISG4の発電機としての動作、つまり、ISG4による発電を禁止する。ここで、車両Vの減速時は、ISG4の電動機としての駆動も禁止されるようになっており、ステップS6では、ISG4の駆動が停止される。ステップS6の後はステップS7に進む。
ステップS7では、コントローラ100は、ステップS4で算出した目標減速度と、ステップS3で算出したエンジンブレーキ力とに基づいて、ブレーキパッド24からブレーキディスク25を介して車輪1に付与される制動力である車輪ブレーキ力の目標値である目標車輪ブレーキ力を算出する。具体的には、コントローラ100は、車両Vの減速度を目標減速度にするために車輪1に付与すべき制動力を算出し、この算出値からエンジンブレーキ力を減算した値を、目標車輪ブレーキ力として算出する。
ステップS7の後は、ステップS12に進む。ステップS12以降については後述する。
ステップS5に戻り、ステップS5の判定がYESであって回生ブレーキ許可条件が成立しているときは、ステップS8に進む。
ステップS8では、コントローラ100は、Liバッテリ5の残容量に基づいて、回生ブレーキ力の基本値である基本回生ブレーキ力を設定する。コントローラ100は、バッテリ電圧センサSN5とバッテリ電流センサSN6の検出値に基づいてLiバッテリ5の残容量を推定する。そして、コントローラ100は、Liバッテリ5の残容量が小さい方が回生ブレーキ力の基本値が大きい値となるようにこの基本値を設定する。ステップS8の後はステップS9に進む。
ステップS9では、コントローラ100は、ステップS8で算出した基本回生ブレーキ力を補正して、回生ブレーキ力の目標値である目標回生ブレーキ力を決定する。
このとき、車速が所定の第1速度S1未満であって車両Vが極低速で走行しているときを除き、コントローラ100は、車速が高いときの方が低いときよりも目標回生ブレーキ力が小さい値となるように目標回生ブレーキ力を決定する。
また、車速が第1速度S1未満であるときを除き、勾配センサSN7で検出された下り勾配角が大きいときの方が小さいときよりも目標回生ブレーキ力が小さい値となるように目標回生ブレーキ力を決定する。
下り勾配角は、水平面に対する路面の角度であって、路面が車両Vの進行方向に対して下向きに傾斜している場合(つまり、車両Vが下り坂を走行している場合)はプラスとなり、路面が車両Vの進行方向に対して上向きに傾斜している場合(つまり、車両Vが登り坂を走行している場合)はマイナスとなる角度である。なお、車速が第1速度S1未満のときは、目標回生ブレーキ力は、路面の勾配角に関わらず車速が高いときの方が低いときよりも大きい値に補正される。
本実施形態では、基本回生ブレーキ力に、図5に示すように設定された補正係数を掛けることで得られた値を目標回生ブレーキ力に決定する。つまり、目標回生ブレーキ力=基本回生ブレーキ力×補正係数により目標回生ブレーキ力を算出する。補正係数は0〜1の間の値に設定されている。
図5は、横軸を車速、縦軸を補正係数としたグラフである。車速が第1速度S1未満のときは、補正係数は車速に比例して増大するように設定されている。これより、車速が第1速度S1未満のときは、前記のように、車速が高いときの方が低いときよりも目標回生ブレーキ力は大きい値に決定される。詳細には、同じ基本回生ブレーキ力であっても、車速が高いときの方が低いときよりも目標回生ブレーキ力は大きい値に決定される。
図5において、車速が第1速度S1以上となる領域に示した複数のラインL1〜L3は、路面の勾配角が互いに異なる条件での補正係数を示している。図例において、ラインL1は路面の下り勾配角が0以下、つまり、路面が水平である、または、路面が車両Vの進行方向に向かって上方に傾斜しているときの補正係数である。そして、ラインL2は、路面の下り勾配角が0より大きい所定値であるときの補正係数であり、ラインL3は、路面の下り勾配角がこの所定値よりもさらに大きいときの補正係数である。なお、下り勾配角が0以下のとき(路面が水平あるいは登り坂であるとき)は、勾配角によって補正係数は変化しないように設定される。
これらラインL1〜L3に示されるように、路面の下り勾配角が同じ条件において車速が高いときの方が低いときよりも補正係数は小さい値とされる。また、同じ車速において下り勾配角が大きいときの方が小さいときよりも補正係数は小さい値とされる。このように補正係数が設定されていることで、前記のように、基本回生ブレーキ力が同じで下り勾配角が同じ場合、車速が高いときの方が低いときよりも目標回生ブレーキ力は小さい値に決定される。また、基本回生ブレーキ力が同じで車速が同じ場合、下り勾配角が大きいときの方が小さいときよりも目標回生ブレーキ力は小さい値に決定される。
本実施形態では、補正係数は、車速と下り勾配角とについて予め図5に示すように設定されて、マップでコントローラ100に記憶されており、コントローラ100は、このマップから現在の車速と下り勾配角とに対応する補正係数を抽出する。そして、前記のように、基本回生ブレーキ力に補正係数を掛けた値を、目標回生ブレーキ力に決定する。
ステップS9の後は、ステップS10に進む。ステップS10では、コントローラ100は、ステップS4で算出した目標減速度と、ステップS3で算出したエンジンブレーキ力と、ステップS9で決定した目標回生ブレーキ力とに基づいて、車輪ブレーキ力の目標値である目標車輪ブレーキ力を決定する。
具体的には、コントローラ100は、前記のように車両Vの減速度を目標減速度にするために車輪1に付与すべき制動力を算出する。そして、コントローラ100は、この算出値からエンジンブレーキ力と目標回生ブレーキ力とを差し引いた値を、目標車輪ブレーキ力に決定する。これに伴い、目標回生ブレーキ力が小さいときは大きいときよりも目標車輪ブレーキ力は大きい値に算出される。
このようにして、本実施形態では、コントローラ100は、目標回生ブレーキ力つまり回生ブレーキ力と、目標車輪ブレーキ力つまり車輪ブレーキ力とをそれぞれ決定する。すなわち、回生ブレーキ力と車輪ブレーキ力の配分を決定する。そして、このとき、車速が高いとき(車速が大きいという第1の条件のとき)の方が低いとき(車速が小さいという第2の条件のとき)よりも回生ブレーキ力が小さい値とされ且つ車輪ブレーキ力が大きい値にされる。つまり、回生ブレーキ力の配分が小さくされて車輪ブレーキ力の配分が大きくされる。また、下り勾配角が大きいとき(下り勾配が大きいという第1の条件のとき)の方が小さいとき(下り勾配が小さいという第2の条件のとき)よりも、回生ブレーキ力が小さい値とされ且つ車輪ブレーキ力が大きい値にされる。つまり、回生ブレーキ力の配分が小さくされて車輪ブレーキ力の配分が大きくされる。
この目標回生ブレーキ力(回生ブレーキ力)と目標車輪ブレーキ力(車輪ブレーキ力)ひいてはこれらの配分を決定するステップS8〜ステップS10は、請求項の「ブレーキ配分決定工程」に相当する。
なお、ステップS9で決定した目標回生ブレーキ力が、車両Vの減速度を目標減速度にするために車輪1に付与すべき制動力からエンジンブレーキ力を差し引いた値よりも大きいときは、目標回生ブレーキ力はこの制動力からエンジンブレーキ力を差し引いた値にされ、目標車輪ブレーキ力はゼロに決定される。
ステップS10の後は、ステップS11に進む。ステップS11では、コントローラ100は、回生ブレーキ力がステップS8で決定した目標回生ブレーキ力となるようにISG4が発電を行うようにこれを制御する。具体的には、コントローラ100は、目標回生ブレーキ力を実現するためのISG4の発電量を算出し、この発電量となるようにISG4制御器に指令を出す。
ステップS11の後はステップS12に進む。ステップS12では、車輪ブレーキ力がステップS7あるいはステップS10で決定した目標車輪ブレーキ力となるように、車輪ブレーキ20(車輪ブレーキ圧ポンプ21および車輪ブレーキ制御弁23)を制御する。
ステップS12の後はステップS13に進む。ステップS13では、コントローラ100は、車両Vが横滑り状態ではないか否かを判定する。前記のように、コントローラ100は、横GセンサSN12の検出値等に基づいてこの判定を行う。
ステップS13の判定がYESであって車両Vが横滑り状態ではない(横滑りしていない)ときは、ステップS14に進む。
ステップS14では、コントローラ100は、車輪1がロック状態ではないか否かを判定する。前記のように、コントローラ100は、車輪速センサSN8の検出値等に基づいてこの判定を行う。
ステップS14の判定がYESであって、車輪1がロック状態ではない(車輪1がロックしていない)ときは、そのまま処理を終了する(ステップS1)。
一方、ステップS13の判定がNOであって車両Vが横滑り状態である(横滑りしている)ときは、ステップS15に進む。また、ステップS14の判定がNOであって車輪1がロック状態である(車輪がロックしている)ときも、ステップS15に進む。
ステップS15では、コントローラ100は、回生ブレーキ力がゼロになるようにISG4を制御する。つまり、コントローラ100は、目標回生ブレーキ力をゼロにし、ISG4による発電を停止する。ステップS15の後はステップS16に進む。
ステップS16では、コントローラ100は、前記の横滑り抑制制御あるいはロック抑制制御を実施して処理を終了する(ステップS1に戻る)。
詳細には、ステップS13の判定がNOであって車両Vが横滑りしているときは、コントローラ100は、横滑り抑制制御を実施し、一部の車輪1に対する車輪ブレーキ力を増大させる。
また、ステップS14の判定がNOであって車輪1がロックしているときは、コントローラ100は、ロック抑制制御を実施し、各車輪1に対する車輪ブレーキ力を一旦ゼロにした後、増大させる。このとき、車輪ブレーキ力は、車両Vの減速度を目標減速度にするために車輪1に付与すべき制動力から、エンジンブレーキ力を減算した値であって、車輪ブレーキ力に分配可能な力の最大値付近まで高められる。そして、車輪ブレーキ力が繰り返し増減されて各車輪1に断続的に高い制動力が付与される。
ここで、前記のようにISG4および車輪ブレーキ20を制御するステップS6、S12が請求項の「ブレーキ制御工程」に相当する。
(3)作用等
以上のように、本実施形態では、ブレーキペダル12の踏み込み操作後において車輪がロックすると、車輪ロック抑制制御が実施されて車輪ブレーキ力が増大される。そのため、車輪がロックした後に車輪1に直接高い制動力を付与することが可能となり、車輪のロックを早期に解除することが可能になる。
ここで、車速が高いときの方が、また、路面の下り勾配角が大きいときの方が、車輪1のロックが生じやすいとともに、このような車速が高いあるいは路面の下り勾配が大きいときは車輪1の回転速度が高くなることでで、車輪1のロックを解除するためにより高い制動力を車輪1に付与する必要がある。そのため、車速が高いあるいは路面の下り勾配が大きいときに、車輪1がロックするまでの間、仮に回生ブレーキ力が大きくされてこれに伴い車輪ブレーキ力が小さい値に抑えられていると、車輪1がロックした後に車輪ブレーキ力を大幅に増大させねばならず、これに合わせて回生ブレーキ力を大幅に低減させねばならない。しかしながら、本実施形態のようにベルト11によってISG4とクランクシャフト9とが連結されている構造では、このように回生ブレーキ力を大幅に低減させると、ISG4での発電量が大幅に低減することに伴ってベルト11が撓んだり挙動が不安定になってベルト11の劣化が促進されてしまう。
これに対して、本実施形態では、車速が第1速度S1以上で車両Vが走行している状態でブレーキペダル12が踏み込み操作された場合において、車速が高いときの方が低いときよりも回生ブレーキ力が小さくされ且つ車輪ブレーキ力が大きくされるとともに、下り勾配角が大きいときの方が小さいときよりもより回生ブレーキ力が小さくされ且つ車輪ブレーキ力が大きくされるようになっている。そのため、車速が高いあるいは下り勾配角が大きいときに車輪1がロックした後においても、回生ブレーキ力の低下量を少なく抑えつつ車輪ブレーキ力を十分に高めることができる。従って、本実施形態によれば、ベルト11の早期劣化を防止してこれの信頼性を高めることができるとともに、車輪1のロック後において車輪1に十分に高い制動力を付与することができ車輪1のロックをより確実に早期に解除することが可能になる。そして、これにより、車両Vの安定性を高めることができる。
このことは、車両Vが横滑りしたときにも同様であり、本実施形態では、車両Vの横滑りをより確実に早期に解除することができる。つまり、車両Vが横滑りしたときには少なくとも一部の車輪1に直接高い制動力を付与する必要があるとともに、車速が高いあるいは下り勾配が大きいときには横滑りが生じやすいとともに特にこの制動力を高めることが望まれる。これに対して、本実施形態によれば、車速が高いあるいは下り勾配角が大きいときに車両Vが横滑りした直後において、回生ブレーキ力の低下量を少なく抑えつつ車輪ブレーキ力を十分に高めることができるので、ベルト11の信頼性を高めつつ車両Vの安定性を高めることができる。
また、本実施形態では、車速が低いあるいは下り勾配角が小さく車輪1のロックや横滑りが生じ難いとともにこれらが生じたときにおいて車輪1に付与すべき制動力が小さくてよいときには、回生ブレーキ力が大きくされてISG4の発電量が多くされることになる。そのため、車両Vの減速エネルギーを効果的に電気エネルギーに変換することができ、エネルギー効率を高めることができる。特に、本実施形態では、この電気エネルギーがLiバッテリ5に蓄電されるようになっており、減速エネルギーを有効に利用することができる。
また、本実施形態では、Liバッテリ5の残容量に基づいて回生ブレーキ力の目標値の基本値である基本回生ブレーキ力が設定され、これを車速と下り勾配角とに基づいて補正することで目標回生ブレーキ力が決定されて、この目標回生ブレーキ力が実現されるようにISG4が制御される。そのため、前記の効果を得つつ、Liバッテリ5にその残容量に応じた量の電気エネルギーを供給することができ、エネルギー効率を確実に高めることができる。
(4)変形例
前記実施形態では、付与される重力加速度に基づいて勾配角を検出する勾配センサSN7を用いて路面の勾配角を検出する場合について説明したが、路面の勾配角を検出するためのセンサはこれに限らない。例えば、車両Vの前後方向の加速度を検出する前後Gセンサを用いて路面の勾配角つまり路面の勾配を算出するようにしてもよい。この場合には、この前後Gセンサが路面の勾配を検出する勾配センサとして機能する。
また、前記実施形態では、図5に示したように車速が第1速度S1未満のときは、路面の勾配角に関わらず車速が高いときの方が低いときよりも補正係数が大きい値になるようにした場合について説明したが、全車速域において、車速が高いときの方が低いときよりも補正係数が小さい値になるように、また、下り勾配角が大きいときの方が小さいときよりも補正係数が小さい値になるように、補正係数を設定してもよい。
また、前記実施形態では、Liバッテリ5の残容量に基づいて基本回生ブレーキ力を設定し、これに補正係数を掛けた値を目標回生ブレーキ力に決定する場合を説明したが、車速と路面の下り勾配角とのみに基づいて目標回生ブレーキ力を決定してもよい。
例えば、予め車速と下り勾配角とについて、車速が高いときの方が低いときよりも値が小さくなるとともに下り勾配角が大きいときの方が低いときよりも値が小さくなるように目標回生ブレーキ力を設定するとともに、これをマップでコントローラ100に記憶させておき、現在の車速と下り勾配角とに対応する値をこのマップから抽出して目標回生ブレーキ力としてもよい。この場合において、目標回生ブレーキ力のマップとしては、図5に示すグラフにおいて縦軸が目標回生ブレーキ力の絶対値とされたようなマップが挙げられる。
また、このように車速と勾配角とに基づいて目標回生ブレーキ力の基本値を決定した後、Liバッテリ5の残容量に基づいてこれを補正して目標回生ブレーキ力にしてもよい。例えば、次のように構成してもよい。車速と勾配角とに基づいて目標回生ブレーキ力の基本値を決定する。また、ISG4の発電量の目標値を、Liバッテリ5の残容量が小さい方が大きい値となるように決定するとともに、この発電量の目標値を実現したときに得られる回生ブレーキ力(以下、判定回生ブレーキ力という)を算出する。そして、判定回生ブレーキが基本値を下回ったときにのみ判定回生ブレーキを目標回生ブレーキ力とし、その他の場合は前記基本値を目標回生ブレーキ力に決定する。
また、前記実施形態では、車速と下り勾配角との両方に基づいて目標回生ブレーキ力(回生ブレーキ力)を決定する場合について説明したが、いずれか一方のみに基づいて目標回生ブレーキ力を決定してもよい。
また、ISG4で生成された電力を蓄えるバッテリは前記のLiバッテリ5に限らない。
また、前記実施形態では、ISG4とクランクシャフト9とをベルトによって連結した場合について説明したが、これらを連結する部材はベルトに限らない。例えば、ベルトに代えてチェーンが用いられてもよい。
(5)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るブレーキ制御システムは、コントローラ100によって実施されるブレーキ制御の内容の一部が第1実施形態と異なり、その他の構成については第1実施形態と同様である。これより、以下では、主として、第2実施形態の構成のうち第1実施形態の構成と相違する点についてのみ説明する。図6は、第2実施形態に係るブレーキ制御の前半の流れを示したフローチャートである。この図6において、第1実施形態に係る図3と同じステップについては図3の符号と同じ符号を付している。
第2実施形態でも、前記のステップS1〜S4が実施された後、ステップS5が実施されて、コントローラ100は、ステップS5において回生ブレーキ許可条件が成立しているか否かを判定する。この判定がNOであって回生ブレーキ許可条件が成立していないときは、第1実施形態と同様の処理を行う。つまり、前記のステップS6、S7に進み、その後、前記のステップS12以降を実施する。
ただし、第2実施形態では、ステップS5の判定がYESであって回生ブレーキ許可条件が成立しているときは、前記のステップS8に進む前にステップS101を実施する。
ステップS101では、コントローラ100は、車速が予め設定された判定車速未満であるか否かを判定する。そして、この判定がYESであって車速が判定車速未満のときのみ前記のステップS8に進む。ステップS8以降の処理、および、ステップS2の判定がNOの場合の処理は第1実施形態と同様であり、図4に示したステップに進む。前記の判定車速は、請求項の「基準速度」に相当する。
本実施形態では、前記判定車速は、路面の下り勾配角に応じて設定されるようになっている。具体的には、図7に示すように、判定車速は、下り勾配角が大きいほど小さい値に設定されるようになっている。なお、この判定速度は、前記の第1速度S1よりも高い値とされる。
そして、第2実施形態では、ステップS101の判定がNOであって車速が判定車速以上のときは、ステップS8に進まず、ステップS6、S7に進む。その後の処理は第1実施形態と同様である。
前記のように、ステップS6では、ISG4による発電およびISG4の駆動が停止される。また、ステップS7では、車両Vの目標減速度と、エンジンブレーキ力とに基づいて、目標車輪ブレーキ力が算出される。一方、ステップS8に進んだ場合は、前記のように、Liバッテリ5の残容量と車速と下り勾配角度とに基づいて目標回生ブレーキ力が決定されるとともに、これと車両Vの目標減速度とエンジンブレーキ力とに基づいて、目標車輪ブレーキ力が決定される。
つまり、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、回生ブレーキ許可条件が成立している場合であっても、車速が判定車速以上のときは、ISG4による発電が停止されるようになっている。
この構成によれば、車両Vの減速時において車速が判定車速以上と高いときに、ISG4の駆動が停止されるので、前記のように、車速が高い状態で車輪1がロックした場合あるいは車両Vが横滑りした場合において、ISG4の発電量が急減するのを回避してベルト11の信頼性をより確実に高めることができるとともに、より早期に且つ確実にブレーキパッド24から車輪1に高い制動力を付与することができ車輪1のロック等を防止して車両Vの安定性を高めることができる。
しかも、この実施形態では、路面の下り勾配角が大きいときの方が小さいときよりも判定車速が小さくされて、下り勾配角が大きいときはISG4の駆動が停止される車速の上限値が低くされて、車速がより低いときからISG4の駆動が停止される。そのため、ブレーキパッド24から車輪1に対して適切な制動力をより早期に且つ確実に付与することができる。
(6)第2実施形態の変形例
前記第2実施形態では、判定速度を下り勾配角に応じて変更する場合について説明したが、判定速度は下り勾配角に関わらず一定値に設定されてもよい。
また、前記第2実施形態において、ステップS9を省略し、目標回生ブレーキ力をステップS8で設定した基本回生ブレーキ力としてもよい。
前記第2実施形態では、ステップS101において車速が判定車速未満か否かを判定して、この判定がNOのときにステップS6に進む場合について説明したが、この判定に代えて、図8に示すステップS201を実施して、路面の下り勾配角が予め設定された判定角度未満が否かの判定を行うようにしてもよい。そして、路面の下り勾配角が判定角度以上のときにはステップS6に進んでISG4の駆動を停止し、路面の下り勾配角が判定角度未満のときにのみステップS8に進むようにしてもよい。この構成において、判定角度は車速に関わらず一定値に設定されてもよい。また、図9に示すように車速が高いときの方が小さい値となるように設定されてもよい。この図9に示すように判定角度が設定されれば、車速が高いときの方が低いときよりもISG4の駆動が停止される下り勾配角の上限値が小さくされて、車速が高いときには下り勾配角がより低い条件でISG4の駆動が停止されることになる。そのため、ブレーキパッド24から車輪1に対して適切な制動力をより一層早期に且つ確実に付与することができる。また、この構成においてもステップS9を省略して目標回生ブレーキ力をステップS8で設定した基本回生ブレーキ力としてもよい。なお、前記の判定角度は、請求項の「基準勾配」に相当する。
さらに、前記のステップS101、ステップS201に代えて、車速が判定車速未満、あるいは、路面の下り勾配角が判定角度未満であるか否かを判定し、この判定がNOであって車速が判定車速以上であり、且つ、路面の下り勾配角が判定角度以上のときに、ISG4の駆動を停止し、車速が判定車速未満である、あるいは、路面の下り勾配角が判定角度未満のときに、ステップS8に進むようにしてもよい。この構成においても、ブレーキパッド24から車輪1に対して適切な制動力をより一層早期に且つ確実に付与することができる。
1 車輪
2 エンジン
4 ISG(発電機)
5 Liバッテリ(蓄電池)
9 クランクシャフト(回転軸)
11 ベルト(巻き掛け部材)
12 ブレーキペダル
20 ブレーキ装置
90 ECU(制御器)
SN1 ブレーキ踏込センサ(ブレーキペダルセンサ)
SN7 勾配センサ
SN8 車輪速センサ(車速センサ)

Claims (8)

  1. 車両のブレーキ制御システムであって、
    ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、
    車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、
    前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機と、
    前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダルセンサと、
    車速を検出する車速センサと、
    路面の勾配を検出する勾配センサと、
    前記ブレーキペダルセンサにより前記ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されているときに、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定し、決定した配分に従って前記車輪ブレーキおよび前記発電機を制御する制御器とを備え、
    前記制御器は、前記車速センサにより検出された車速と前記勾配センサにより検出された下り勾配の少なくとも一方のパラメータが大きい第1の条件での前記車輪ブレーキ力の配分が、当該パラメータが小さい第2の条件での前記車輪ブレーキ力の配分よりも大きくなるように、前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システム。
  2. 請求項1に記載の車両のブレーキ制御システムにおいて、
    前記発電機により発電された電力を蓄えるバッテリを備え、
    前記制御器は、前記バッテリの残容量に基づいて前記回生ブレーキ力の基本値である基本回生ブレーキ力を設定するとともに、当該基本回生ブレーキ力を補正する補正係数を前記パラメータに基づいて設定し、
    前記第1の条件での前記補正係数は、前記第2の条件での前記補正係数よりも小さくされる、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システム。
  3. 請求項1または2に記載の車両のブレーキ制御システムにおいて、
    前記制御器は、前記車輪がロックしていると判定したとき、前記回生ブレーキ力の配分を低減させるとともに前記ロックが抑制されるように前記車輪ブレーキ力を調整する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のブレーキ制御システムにおいて、
    前記制御器は、車両が横滑りしていると判定したとき、前記回生ブレーキ力の配分を低減させるとともに前記横滑りが抑制されるように前記車輪ブレーキ力を調整する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のブレーキ制御システムにおいて、
    前記回転軸は、車両走行用の動力を発生させる駆動源の出力軸であり、
    前記巻き掛け部材は、前記出力軸の回転を前記発電機に伝達可能なベルトである、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システム。
  6. 車両のブレーキ制御システムであって、
    ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、
    車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、
    前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機と、
    前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダルセンサと、
    車速を検出する車速センサと、
    路面の勾配を検出する勾配センサと、
    前記ブレーキペダルセンサにより前記ブレーキペダルの踏み込み操作が検出されているときに、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定し、決定した配分に従って前記車輪ブレーキおよび前記発電機を制御する制御器とを備え、
    前記制御器は、前記車速センサにより検出された車速が所定の基準速度以上という条件と、前記勾配センサにより検出された下り勾配が所定の基準勾配以上であるという条件との少なくとも一方が成立したときに、前記回生ブレーキ力がゼロとなるように前記配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御システム。
  7. ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機とを備えた車両のブレーキ制御方法であって、
    ドライバーにより前記ブレーキペダルが踏み込み操作されているか否かを判定する踏込判定工程と、
    前記踏込判定工程において前記ブレーキペダルが踏み込み操作されていると判定されたときに実施されて、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定するブレーキ配分決定工程と、
    前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分が前記ブレーキ配分決定工程で決定された配分となるように、前記車輪ブレーキと前記発電機とを制御するブレーキ制御工程とを備え、
    前記ブレーキ配分決定工程では、車速と路面の下り勾配の少なくとも一方のパラメータが大きい第1の条件での前記車輪ブレーキ力の配分が、当該パラメータが小さい第2の条件での前記車輪ブレーキ力の配分よりも大きくなるように、前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御方法。
  8. ドライバーにより踏み込み操作されるブレーキペダルと、車輪に設けられて当該車輪に制動力を付与する車輪ブレーキと、前記車輪と連動して回転する回転軸に巻き掛け部材を介して連結されるとともに、当該回転軸により回転駆動されることで発電する発電機とを備えた車両のブレーキ制御方法であって、
    ドライバーにより前記ブレーキペダルが踏み込み操作されているか否かを判定する踏込判定工程と、
    前記踏込判定工程において前記ブレーキペダルが踏み込み操作されていると判定されたときに実施されて、前記発電機の発電に伴い前記車輪に付与される制動力である回生ブレーキ力と、前記車輪ブレーキから前記車輪に付与される制動力である車輪ブレーキ力との配分を決定するブレーキ配分決定工程と、
    前記車輪ブレーキ力と前記回生ブレーキ力との配分が前記ブレーキ配分決定工程で決定された配分となるように、前記車輪ブレーキと前記発電機とを制御するブレーキ制御工程とを備え、
    前記ブレーキ配分決定工程では、車速が所定の基準速度以上という条件と、路面の下り勾配が所定の基準勾配以上であるという条件との少なくとも一方が成立したときに、前記回生ブレーキ力がゼロとなるように前記配分を決定する、ことを特徴とする車両のブレーキ制御方法。
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