JP2011223648A - 電動車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回生協調制御による制動時、回生トルクと液圧制動トルクが付与される回生制動輪の制動トルク配分が過多になるのを抑え、車両挙動の安定化を図ることができる電動車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットと、左右前輪30,31に対して回生トルクを与える回生ブレーキユニットと、制動操作時に目標制動トルクTQを算出する目標制動トルク算出手段(図3のステップS1)と、回生協調制御による制動時、左右前輪30,31の制動トルク配分が、左右前輪30,31にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように決定した回生トルク値を、回生許可トルクRBとする回生許可トルク決定手段(図3のステップS2〜ステップS11)と、目標制動トルクTQに対して回生許可トルクRBで不足する分を、摩擦ブレーキトルクFBで補う制御を行う回生協調制御手段(図3のステップS12〜ステップS14)と、を備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットと、前輪または後輪を回生制動する回生ブレーキユニットと、を備え、制動時に回生協調ブレーキ制御を行う電動車両の制御装置に関する。
従来、マスタシリンダとホイールシリンダとが直接接続され、一方のブレーキ液圧通路BC(A)が右前輪と左後輪を制動し、他方のブレーキ液圧通路BC(B)が左前輪と右後輪を制動するX配管方式の液圧ブレーキユニットを備える。そして、前輪または後輪を回生制動する回生ブレーキユニットにより回生制動を行なう車両用ブレーキ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−354126号公報
しかしながら、従来の車両用ブレーキ装置に記載のように、共通の液圧供給源が発生するブレーキ液圧により、前輪および後輪が液圧制動される上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットにおいて、前後輪の一方に対して回生制動を行うと、以下の問題が発生する。
回生協調制御(回生制動+液圧制動)による制動時、回生制動輪に付与する回生トルクが最大値に達し、液圧制動トルクを増大させる際、マスタシリンダ圧の増加に応じて前輪の液圧制動トルクと後輪の液圧制動トルクが同じように増大してしまう。このため、液圧制動トルクを発生する液圧制動輪の制動トルク配分に対し、回生トルクと液圧制動トルクを発生する回生制動輪の制動トルク配分が過多になり、回生制動輪の先ロックを誘発しやすいという、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、回生協調制御による制動時、回生トルクと液圧制動トルクが付与される回生制動輪の制動トルク配分が過多になるのを抑え、車両挙動の安定化を図ることができる電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動車両の制御装置は、液圧ブレーキユニットと、回生ブレーキユニットと、目標制動トルク算出手段と、回生許可トルク決定手段と、回生協調制御手段と、を備えた。
前記液圧ブレーキユニットは、共通の液圧供給源が発生するブレーキ液圧により、前輪と後輪の両方に対して液圧制動トルクを与える。
前記回生ブレーキユニットは、前記前輪と前記後輪の一方を回生制動輪とし他方を液圧制動輪とし、前記回生制動輪に対して回生トルクを与える。
前記目標制動トルク算出手段は、制動操作時、制動操作に対応した目標減速度を得る目標制動トルクを算出する。
前記回生許可トルク決定手段は、前記回生制動輪に前記回生トルクと前記液圧制動トルクを与え、前記液圧制動輪に前記液圧制動トルクを与える制動時、前記回生制動輪の制動トルク配分が、前記回生制動輪にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように決定した回生トルク値を、回生許可トルクとする。
前記回生協調制御手段は、前記目標制動トルクに対して前記回生許可トルクによる制動トルクで不足する分を、前記液圧制動トルクで補う制御を行う。
よって、回生協調制御(回生制動+液圧制動)による制動時、回生制動輪の制動トルク配分が、回生制動輪にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように回生許可トルクが決定される。そして、目標制動トルクに対して回生許可トルクによる制動トルクで不足する分を、液圧制動トルクで補う制御が行われる。
すなわち、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットの場合、前後輪の液圧が同じように増圧し、4輪独立制御による液圧ブレーキユニットのように、回生制動輪の液圧を維持したままで、液圧制動輪の液圧を増圧することができない。このため、回生制動輪の制動トルク配分が過多にならないようにするには回生トルクを小さくする必要がある。そして、回生制動輪の制動トルク配分が過多になるのを抑えると、回生制動輪の先ロックを誘発しなくなり、制動時の車両挙動が安定する。
このように、回生協調制御による制動時、回生トルクと液圧制動トルクが付与される回生制動輪の制動トルク配分が過多になるのを抑え、車両挙動の安定化を図ることができる。
実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の液圧ブレーキユニットと回生ブレーキユニットと回生協調制御システムを示すシステム図である。 実施例1の統合コントローラ6により実行される回生協調ブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである。 ブレーキペダル操作量に対する目標制動トルクの関係を示す目標制動トルク特性図である。 目標制動トルクに対する最大回生許可トルクの関係を示す回生許可トルク特性図である。 目標制動トルクに対する直進状態による回生許可トルクの関係と目標制動トルクに対する旋回状態による回生許可トルクの関係を示す回生許可トルク特性図である。 目標制動トルクに対する路面μによる回生許可トルクの関係を示す回生許可トルク特性図である。 通常動作時におけるブレーキペダル操作量と制動力(制動トルク)の関係を示す関係説明図である。 回生協調制御による制動時、回生制動輪に対し常時最大回生トルクを付与した場合の前輪制動トルクと後輪制動トルクの配分を示す前後制動トルク配分特性図である。 目標制動トルクに対する最大回生トルクの関係(対策なし)と目標制動トルクに対する最大回生許可トルクの関係(対策あり)を示す比較特性図である。 急制動操作シーンでの回生協調制御による制動時、回生制動輪に対し最大回生許可トルクを付与した場合の前輪制動トルクと後輪制動トルクの配分を示す前後制動トルク配分特性図である。 直進シーンでの回生協調制御による制動時、回生制動輪に対し直進状態による回生許可トルクを付与した場合の前輪制動トルクと後輪制動トルクの配分を示す前後制動トルク配分特性図である。 直進シーンから旋回シーンへ移行しながらの回生協調制御による制動時、ブレーキペダル操作量・回生トルク・横加速度の各特性を示すタイミングチャートである。 高μ路シーンから低μ路シーンへ移行しながらの回生協調制御による制動時、ブレーキペダル操作量・回生トルク・路面μの各特性を示すタイミングチャートである。 低μ路シーンでの回生協調制御による制動時、回生制動輪に対し路面μによる回生許可トルクを付与した場合の前輪制動トルクと後輪制動トルクの配分を示す前後制動トルク配分特性図である。
以下、本発明の電動車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、ハイブリッド車両の駆動系構成と制御系構成を説明する。
ハイブリッド車両の駆動系は、左右前輪を駆動輪(回生制動輪)とするFF車であり、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2と、出力スプロケットOS、動力分割機構TSと、を備えている。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度、等が制御される。
前記第1モータジェネレータMG1と前記第2モータジェネレータMG2は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにコイルを巻き付けた三相交流の同期型モータジェネレータである。第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、それぞれ独立に制御される。両モータジェネレータMG1,MG2は、バッテリ4から電力が供給されると電動機として動作し(以下、この動作状態を「力行」と呼ぶ。)、ロータに回転エネルギーが供給されると発電機として動作する(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ。)。
前記動力分割機構TSは、サンギヤSと、ピニオンPと、リングギヤRと、ピニオンキャリアPCと、を有する単純遊星歯車により構成される。この単純遊星歯車の3つの回転要素(サンギヤS、リングギヤR、ピニオンキャリアPC)に対する連結関係について説明する。サンギヤSには、第1モータジェネレータMG1が連結される。リングギヤRには、第2モータジェネレータMG2と出力スプロケットOSが連結される。ピニオンキャリアPCには、エンジンダンパEDを介してエンジンEが連結される。出力スプロケットOSは、チェーンベルトCBや図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介し、左右前輪30,31(図2参照)に連結される。
このように、左右前輪30,31には、第2モータジェネレータMG2のロータが連結されるという連結関係となっている。このため、制動時、モータコントローラ2から回生指令を出力すると、発電機として動作する第2モータジェネレータMG2の発電負荷により、左右前輪30,31に対し回生トルクを付与する。
ハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、パワーコントロールユニット3と、バッテリ4(二次電池)と、ブレーキコントローラ5と、統合コントローラ6と、を備えている。なお、エンジンコントローラ1とモータコントローラ2とブレーキコントローラ5と統合コントローラ6は、情報交換が可能なCAN通信線等の双方向通信線24により接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
前記モータコントローラ2は、統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、を決める。そして、決めたモータ動作点を得るディバイス制御信号をパワーコントロールユニット3へ出力する。モータ動作点の決定には、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリSOC情報等を用いる。このモータ動作点制御には、ブレーキペダル踏み込み操作による制動時、統合コントローラ6から出力される回生協調指令(回生ブレーキサーボ制御指令)に応じ、第2モータジェネレータMG2から左右前輪30,31に付与する回生トルクの制御が含まれる。なお、モータ動作点制御において、モータトルクT2を正の値にすると、第2モータジェネレータMG2は電動機として力行動作をし、モータトルクT2を負の値にすると、第2モータジェネレータMG2は発電機として回生動作をする。
前記パワーコントロールユニット3は、パワーコントロールユニット3からのディバイス制御信号により、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2のモータ動作を独立に制御する。このパワーコントロールユニット3には、力行時に放電し、回生時に充電するバッテリ4が接続される。
前記ブレーキコントローラ5は、ブレーキペダル踏み込み操作による制動時、統合コントローラ6から出力される回生協調指令(摩擦ブレーキサーボ指令)に応じ、前後輪30,31,32,33に付与する液圧制動トルクの制御を行う。このブレーキコントローラ5は、前左車輪速センサ12、前右車輪速センサ13、後左車輪速センサ14、後右車輪速センサ15、ブレーキスイッチ16、マスタシリンダ圧センサ17、ブレーキストロークセンサ18、等から必要情報を入力する。そして、回生協調指令と必要情報を用い、ブレーキアクチュエータ19に目標とする液圧制動トルクを得る制御指令を出力する。なお、図1において、20は左前輪ホイールシリンダ、21は右前輪ホイールシリンダ、22は左後輪ホイールシリンダ、23は右後輪ホイールシリンダ、25はブレーキ装置である。
前記統合コントローラ6は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。アクセル開度センサ7、車速センサ8、エンジン回転数センサ9、横加速度センサ10(車両挙動検出手段、直進検出手段、旋回検出手段)と、路面摩擦係数センサ11(車両挙動検出手段、路面摩擦係数検出手段)、等から必要情報を入力する。これらの入力情報等に基づき、電気自動車走行モード(EVモード)とハイブリッド車走行モード(HEVモード)の選択制御を行う。そして、選択された走行モードに応じ、エンジンコントローラ1への制御指令によりエンジン動作点制御と、モータコントローラ2への制御指令によりモータジェネレータ動作点制御を行う。さらに、ブレーキペダル踏み込み操作による制動時、目標制動トルクに対し、回生トルクによる制動トルクで不足する分を液圧制動トルクで補う回生協調制御を行う。この回生協調制御での回生協調指令のうち、回生ブレーキサーボ制御指令をモータコントローラ2に出力し、摩擦ブレーキサーボ指令をブレーキコントローラ5に出力する。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の液圧ブレーキユニットと回生ブレーキユニットと回生協調制御システムを示すシステム図である。以下、図2に基づき、液圧ブレーキユニットと回生ブレーキユニットと回生協調制御システムの構成を説明する。
前記液圧ブレーキユニットは、マスタシリンダ42(共通の液圧供給源)が発生するブレーキ液圧により、左右前輪30,31と左右後輪32,33の両方に対して液圧制動トルクを与えるユニットである。液圧ブレーキユニットは、図2に示すように、ブレーキ装置25と、ブレーキアクチュエータ19と、左前輪ホイールシリンダ20と、右前輪ホイールシリンダ21と、左後輪ホイールシリンダ22と、右後輪ホイールシリンダ23と、を備える。
前記ブレーキ装置25は、図2に示すように、ブレーキペダル40と、ペダル踏力を倍力する負圧ブースタ41と、倍力したペダル踏力によりブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ42と、を有して構成される。マスタシリンダ42は、内部の液圧室が、同じブレーキ液圧を発生する第1ブレーキ液圧室42aと第2ブレーキ液圧室42bに画成されている。
前記ブレーキアクチュエータ19は、マスタシリンダ42から供給されるブレーキ液圧を元圧とし、ブレーキコントローラ5からの摩擦ブレーキサーボ指令に応じたブレーキ液圧に制御するアクチュエータである。マスタシリンダ42の第1ブレーキ液圧室42aとは、第1ブレーキ液圧管43を介して連結されている。マスタシリンダ42の第2ブレーキ液圧室42bとは、第2ブレーキ液圧管44を介して連結されている。
前記ブレーキアクチュエータ19と各ホイールシリンダ20,21,22,23を繋ぐ配管方式としては、X配管方式を採用している。このX配管方式では、第1シリンダ液圧管45を介して、ブレーキアクチュエータ19と左前輪ホイールシリンダ20と右後輪ホイールシリンダ23が連結される。また、第2シリンダ液圧管46を介して、ブレーキアクチュエータ19と右前輪ホイールシリンダ21と左後輪ホイールシリンダ22が連結される。
前記左前輪ホイールシリンダ20は、左前輪30を制動する位置に設けられている。前記右前輪ホイールシリンダ21は、右前輪31を制動する位置に設けられている。前記左後輪ホイールシリンダ22は、左後輪32を制動する位置に設けられている。前記右後輪ホイールシリンダ23は、右後輪33を制動する位置に設けられている。
前記回生ブレーキユニットは、左右前輪30,31を回生制動輪とし、左右後輪32,33を液圧制動輪とし、回生制動輪である左右前輪30,31に対して第2モータジェネレータMG2により回生トルクを与えるユニットである。回生ブレーキユニットは、図2に示すように、第2モータジェネレータMG2と、モータコントローラ2と、パワーコントロールユニット3と、バッテリ4と、を備える。
前記モータコントローラ2は、ブレーキペダル踏み込み操作による制動時、統合コントローラ6から出力される回生ブレーキサーボ制御指令に応じ、パワーコントロールユニット3へ負の値によるモータトルクT2の指令が出力される。この指令により、第2モータジェネレータMG2は発電機として回生動作をし、バッテリ4の充電を行うと共に、第2モータジェネレータMG2を負荷とする左右前輪30,31に回生トルクを付与する。
前記回生協調制御システムは、左右前輪30,31に回生トルクと液圧制動トルクを与え、左右後輪32,33に液圧制動トルクを与える制動時、制動操作に対応した目標減速度を得る目標制動トルクに対し、回生トルクの最大値(=回生許可トルク)による制動トルクで不足する分を液圧制動トルクで補う回生協調制御を行うシステムである。回生協調制御システムは、図2に示すように、回生協調制御による制動時、前後輪30,31,32,33に付与する液圧制動トルクと、左右前輪30,31に付与する回生トルクと、を調整する統合コントローラ6により構成される。
図3は、実施例1の統合コントローラ6にて実行される回生協調ブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである(回生協調制御システム)。以下、図3の各ステップについて説明する。なお、このフローチャートは、ドライバがブレーキペダル踏み込み操作を開始することで、ブレーキスイッチ16からのスイッチ信号がOFFからONに変更された時点から開始する。
ステップS1では、ブレーキストロークセンサ18からのブレーキペダル操作量を読み込み、このブレーキペダル操作量と目標制動トルクマップ(図4)を用いて目標制動トルクTQを算出し、ステップS2へ進む(目標制動トルク算出手段)。
ここで、目標制動トルクマップは、図4に示すように、ブレーキペダル操作量BSの上昇に比例して目標制動トルクTQが高くなる特性に設定されている。
ステップS2では、ステップS1での目標制動トルクTQの算出に続き、目標制動トルクTQに応じた最大回生許可トルクRBmaxを算出し、ステップS3へ進む。
ここで、最大回生許可トルクRBmaxは、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した図5に示す回生トルク特性に基づいて算出される。すなわち、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)のとき、目標制動トルクTQの大きさに比例して回生トルクをaGまで上昇させる回生トルク特性に基づいて、最大回生許可トルクRBmaxが算出される。目標制動トルクTQの大きさが低減速度領域(aG〜bG)のとき、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、最大回生許可トルクRBmaxが算出される。そして、目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)のとき、最大回生トルクより小さく、かつ、目標制動トルクTQが高くなるほど比例的に減少する回生トルク特性に基づいて、最大回生許可トルクRBmaxが算出される。最大回生許可トルクRBmaxは、目標制動トルクTQがcGとなった時点でゼロになる。
なお、「低減速度領域」とは、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクを維持した場合、左右前輪30,31にロック傾向が発生しない領域をいう。また、「高減速度領域」とは、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクを維持した場合、左右前輪30,31にロック傾向が発生する領域をいう。
ステップS3では、ステップS2での最大回生許可トルクRBmaxの算出に続き、横加速度センサ10から横加速度Gy(直進状態、旋回状態)の情報を取得し、ステップS4へ進む。
ステップS4では、ステップS3での横加速度Gyの情報取得に続き、路面摩擦係数センサ11からの路面摩擦係数Muの情報を取得し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4での路面摩擦係数Muの情報取得に続き、急制動操作時(dBS≧A)であるか否かを判断する。YES(dBS≧A)の場合はステップS11へ進み、NO(dBS<A)の場合はステップS6へ進む。
ここで、dBSは、ブレーキペダル操作量BSを時間微分したブレーキペダル操作速度である。Aは、制動シーンにかかわらず、フロント先ロック(FF車の場合)を誘発する程度にブレーキペダル40が急踏みされたことを示す急制動操作判断しきい値である。
ステップS6では、ステップS5でのdBS<Aであるとの判断に続き、旋回中(Gy>0)であるか否かを判断する。YES(Gy>0)の場合はステップS8へ進み、NO(Gy=0)の場合はステップS7へ進む。
ステップS7では、ステップS6でのGy=0(直進状態)であるとの判断に続き、目標制動トルクTQに応じた直進状態による回生許可トルクRBmaxGyoを算出し、ステップS9へ進む。
ここで、直進状態による回生許可トルクRBmaxGyoは、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した図6に示す回生トルク特性に基づいて算出される。すなわち、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)から低減速度領域(aG〜bG)までは、図5と同様に、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBmaxGyoが算出される。そして、目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)のとき、左右前輪30,31と左右後輪32,33の前後制動トルク配分特性が、理想前後制動トルク配分特性に沿うように設定された図6の回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBmaxGyoが算出される。
ステップS8では、ステップS6での0<Gy<Gymax(旋回状態)であるとの判断に続き、目標制動トルクTQに応じた旋回状態による回生許可トルクRBmaxGyを算出し、ステップS9へ進む。
ここで、旋回状態による回生許可トルクRBmaxGyは、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した図6に示す回生トルク特性に基づいて算出される。すなわち、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)から低減速度領域(aG〜bG)までは、図5と同様に、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBmaxGyが算出される。そして、目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)のとき、直進状態の回生トルク特性よりも減少変化勾配が大きく、かつ、旋回状態が急旋回状態を示すほど減少変化勾配を大きくした回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBmaxGyが算出される。
ステップS9では、ステップS7での直進状態による回生許可トルクRBmaxGyoの算出、または、ステップS8での旋回状態による回生許可トルクRBmaxGyの算出に続き、低摩擦係数路(Mu<1)であるか否かを判断する。YES(Mu<1)の場合はステップS10へ進み、NO(Mu≧1)の場合はステップS11へ進む。
ステップS10では、ステップS9でのMu<1(低摩擦係数路状態)であるとの判断に続き、目標制動トルクTQに応じた路面μによる回生許可トルクRBmaxMuを算出し、ステップS11へ進む。
ここで、路面μによる回生許可トルクRBmaxMuは、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した図7に示す回生トルク特性に基づいて算出される。すなわち、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)から低減速度領域(aG〜bG)までは、図5と同様に、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBmaxMuが算出される。そして、目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)のとき、低路面摩擦係数路の範囲で摩擦係数が高い状態を示すほど最大回生トルクによる領域を高減速度側に拡大(bG→b'G→b"G)し、その後、減少変化する回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBmaxMuが算出される。
ステップS11では、ステップS5でのdBS≧Aであるとの判断、または、ステップS9でのMu≧1であるとの判断、または、ステップS10での路面μによる回生許可トルクRBmaxMuの算出に続き、回生許可トルクRBを、最大回生許可トルクRBmax、直進状態による回生許可トルクRBmaxGyo、旋回状態による回生許可トルクRBmaxGy、路面μによる回生許可トルクRBmaxMu、のうち、最大値を選択することで決定し、ステップS12へ進む。
ステップS12では、ステップS11での回生許可トルクRBの決定に続き、ステップS1で算出された目標制動トルクTQから、決定された回生許可トルクRBを差し引くことにより摩擦ブレーキトルクFB(=液圧制動トルク)を算出し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS12での摩擦ブレーキトルクFBの算出に続き、ステップS11で決定された回生許可トルクRBを得る回生ブレーキサーボ制御指令をモータコントローラ2に対し出力し、ステップS14へ進む。
ステップS14では、ステップS13での回生ブレーキサーボ制御指令の出力に続き、ステップS12で算出された摩擦ブレーキトルクFBを得る摩擦ブレーキサーボ制御指令をブレーキコントローラ5に対し出力し、リターンへ進む。
ここで、摩擦ブレーキトルクFBは、左右前輪30,31での液圧制動トルクにより(1/2)FBを分担し、左右後輪32,33での液圧制動トルクにより(1/2)FBを分担する。
なお、ステップS2〜ステップS11は、回生許可トルク決定手段に相当し、ステップS12〜ステップS14は、回生協調制御手段に相当する。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例における回生協調ブレーキ制御の課題」の説明を行う。続いて、実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「急制動操作時」、「直進状態」、「旋回状態」、「低μ路状態」の各回生協調ブレーキ制御作用に分けて説明する。
[比較例における回生協調ブレーキ制御の課題]
まず、比較例は、FF電動車両に、前後輪に液圧制動トルクを与える上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットと、左右前輪に回生トルクを与える回生ブレーキユニットと、が搭載されている。そして、制動時、目標制動力(目標制動トルク)に対し、回生トルクの最大値による制動トルクで不足する分を液圧制動トルクで補う回生協調制御システムを備えているものとする。
上記比較例のFF電動車両にてブレーキペダルを踏み込む制動操作時、ペダル操作量に対する制動力(制動トルク)の通常動作は、図8に示す関係となる。つまり、制動初期から常用域までは、エンジンブレーキに回生ブレーキを加えた制動力が得られる。そして、常用域を超えた高減速度領域では、エンジンブレーキに回生ブレーキとメカブレーキを加えた制動力が得られる。つまり、アクセル足離し操作によるエンジンブレーキを除くと、制動初期から常用域までは、回生のみで制動を行っている。
この場合、回生ブレーキユニットから常時、最大回生トルク(回生トルク100%制動)を出し続けると、図9の常時最大回生+コンベ配分特性と理想前後配分特性の対比から明らかなように、回生制動輪である前輪制動トルク配分が過多になる。このため、例えば、急制動操作時等において、高減速度領域になると、理想前後配分特性に比べ、早期にロック線に近づいてしまうというように、フロント先ロックを誘発しやすくなり、車両挙動の安定性が損なわれる。なお、後輪を回生制動輪とするFR電動車両場合には、リヤ先ロックを誘発しやすくなる。
これに対し、4輪独立制御タイプの液圧ブレーキユニットの場合には、駆動輪側(回生制動輪側)の液圧を維持したまま、従動輪側(液圧制動輪側)を増圧することができる。このため、回生協調制御による制動時、液圧制動トルクを制御することによって、回生制動輪の制動トルク配分が過多になるのを抑えることができる。しかし、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットの場合、図9のコンベ配分特性に示すように、制動減速度の大きさにかかわらず、左右前輪と左右後輪に対する液圧制動トルクの配分は同じになる。このため、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットを搭載した車両では、液圧制動トルクの制御を行っても回生制動輪の制動トルク配分が過多になるのを抑えることができない。
すなわち、高機能の4輪独立制御タイプの液圧ブレーキユニットに対し、廉価版として上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットが多くの車両に採用されている。しかし、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットを搭載した電動車両においても、回生協調制御による制動時、回生制動輪の制動トルク配分が過多になるのを抑え、車両挙動の安定化を図りたいという要求がある。
[急制動操作時の回生協調ブレーキ制御作用]
上記比較例が持つ課題に対し、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットに固有の工夫を行った。つまり、回生協調制御による制動時、回生制動輪の制動トルク配分が、回生制動輪にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように決定した回生トルク値を、回生許可トルクとする回生協調ブレーキ制御とした。これは、回生制動輪の制動トルク配分が過多となるおそれがある領域で回生トルク(回生量)を小さくするという意味である。言い換えると、回生トルクの制限のように、低減速度領域から高減速度領域までの全減速度領域にて回生トルクを小さく抑えるのではなく、高減速度領域でも可能限り回生トルクを残すという意味である。
dBS≧Aの急制動操作時には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→リターンへと進む流れが繰り返される。ステップS2では、目標制動トルクTQに応じた最大回生許可トルクRBmaxが、図5に示す回生トルク特性に基づいて算出される。ステップS11では、ステップS2で算出された最大回生許可トルクRBmaxを、最大値として選択することで回生許可トルクRBが決定される。
したがって、ブレーキペダル操作速度dBSが急制動操作判断しきい値A以上である急制動操作時には、図10の実線に示す回生トルク特性(対策あり)に基づいて、目標制動トルクTQに応じた回生許可トルクRBが決定されることになる。つまり、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)においては、目標制動トルクTQの大きさに比例してaGまで上昇させる回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。目標制動トルクTQの大きさが低減速度領域(aG〜bG)においては、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)においては、最大回生トルク(図10の対策なし特性)より小さく、かつ、目標制動トルクTQが高くなるほど比例的に減少する回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。
このため、開始減速度領域〜低減速度領域(0〜bG)において、左右前輪30,31に最大回生トルクを付与することで、第2モータジェネレータMG2による最大限の回生動作により、バッテリ4への充電ができるというように、回生エネルギーの回収効率を高めることができる。この理由は、開始減速度領域〜低減速度領域までは、急制動操作時であるにもかかわらず、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクを維持した場合であっても、左右前輪30,31にロック傾向が発生しない領域であることによる。つまり、開始減速度領域〜低減速度領域(0〜bG)は、図11に示すように、回生ブレーキユニットから、最大回生トルク(回生トルク100%制動)を出したとしても、左右前輪30,31にロック傾向が発生しない。
さらに、高減速度領域(bG〜)において、左右前輪30,31に対し目標制動トルクTQが高くなるほど比例的に減少する回生許可トルクRBを付与することで、回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制することができる。つまり、高減速度領域(bG〜)では、図11の実線特性に示すように、高減速度領域(bG〜)に入ると理想前後配分特性と交差し、さらに、減速度がcGを超えると液圧制動トルクのみによるコンベ配分特性となる。このため、高減速度領域(bG〜)において、回生制動輪の制動トルク配分である前輪制動トルク配分が過多になるのが抑えられる。
特に、dBS≧Aである急制動操作時とは、例えば、高μ路直進制動等のように挙動安定性が高い制動シーンであるにもかかわらず、フロント先ロックを誘発する程度にブレーキペダル40が急踏みされたときである。これに対し、図10や図11に示すように、回生許可トルクRBの高減速度領域(bG〜)での低下勾配を大きく設定し、理想前後配分特性からの乖離量(=安全マージン)を大きく確保している。このため、dBS≧Aの急制動操作時であっても、確実に前輪制動トルク配分が過多になるのを抑えることができる。
[直進状態での回生協調ブレーキ制御作用]
上記急制動操作時の回生協調ブレーキ制御は、フロント先ロックを誘発する程度にブレーキペダル40を急踏み操作したときへの対応を意図するものである。しかし、回生協調制御による制動時であっても、急制動操作までに至らないドライバ操作や車両走行状態等から車両挙動が安定していると判別できる場合は、できる限り回生トルクを発生できるようにする。なぜなら、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットの場合、4輪独立制御タイプの液圧ブレーキユニットと違い、前後配分トルクの調整には、回生トルクの増減が必須となる。このため、高減速度領域(bG〜)で回生量を小さくするほど、回生エネルギーの回収効率が低下してしまうためである。
dBS<Aであり、かつ、Gy=0の高μ路直進制動時には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS9→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→リターンへと進む流れが繰り返される。ステップS7では、目標制動トルクTQに応じた回生許可トルクRBmaxGyoが、図6に示す回生トルク特性に基づいて算出される。ステップS11では、ステップS7で算出された回生許可トルクRBmaxGyoを、最大値として選択することで回生許可トルクRBが決定される。
したがって、dBS<Aである高μ路直進制動時には、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した図6に示す回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。すなわち、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)から低減速度領域(aG〜bG)までは、図5と同様に、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。そして、目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)のとき、左右前輪30,31と左右後輪32,33の前後制動トルク配分特性が、理想前後制動トルク配分特性に沿うように設定された図6の回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。
このように回生許可トルクRBを決定したため、dBS<Aである高μ路直進制動時には、高減速度領域(bG〜)において、図12に示すように、左右前輪30,31に対し、理想前後配分特性に沿うように設定された回生許可トルクRBが付与される。つまり、dBS<Aである高μ路直進制動時には、回生許可トルクRBの付与により、理想前後配分特性のギリギリを狙うようにした。これは、急制動操作時ではないため、安全マージンを大きく確保しなくても、回生制動輪への制動トルク配分が過多にならないことによる。
このため、高μ路直進制動時には、回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制しつつ、回生エネルギーの回収効率を、車両挙動として直進制動安定性を維持する限界域まで高めることができる。
[旋回状態での回生協調ブレーキ制御作用]
dBS<Aであり、かつ、Gy>0の高μ路旋回制動時には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS8→ステップS9→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→リターンへと進む流れが繰り返される。ステップS8では、目標制動トルクTQに応じた回生許可トルクRBmaxGyが、図6に示す回生トルク特性に基づいて算出される。ステップS11では、ステップS8で算出された回生許可トルクRBmaxGyを、最大値として選択することで回生許可トルクRBが決定される。
したがって、dBS<Aである高μ路旋回制動時には、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した図6に示す回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。すなわち、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)から低減速度領域(aG〜bG)までは、図5と同様に、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。そして、目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)のとき、直進状態の回生トルク特性(図6の実線特性)よりも減少変化勾配が大きく、かつ、旋回状態が急旋回状態を示すほど減少変化勾配を大きくした回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。
このように回生許可トルクRBを決定したため、dBS<Aである高μ路旋回制動時には、高減速度領域(bG〜)において、左右前輪30,31に対し、直進状態での回生許可トルクRBよりも小さく、かつ、旋回状態が急旋回状態を示すほど小さな値に設定された回生許可トルクRBが付与される。つまり、図5に示す回生トルク特性を下限とし、旋回状態が急旋回状態を示すほど回生許可トルクRBの下げ幅が大きくされる。
例えば、ブレーキペダル40の踏み込み操作時、高μ路直進制動状態から高μ路旋回制動状態へ移行した場合のブレーキペダル操作量・回生トルク・横Gの各特性を、図13に基づき説明する。踏み込み開始域の時間t0から時間t1までは回生トルクが上昇し、時間t1から時間t2までは上昇した回生トルクが維持される。そして、時間t2から時間t3までの横Gがかかってない直進領域Bでは、緩やかに回生トルクが低下する。そして、時間t3から旋回状態に入り横Gが増大すると、時間t3から時間t4までの旋回領域Cでは、回生トルクの低下勾配が大きくなり、時間t4にて回生トルクはゼロになる。
このため、高μ路旋回制動時には、回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制しつつ、回生エネルギーの回収効率を、車両挙動として旋回制動安定性を維持する限界域まで高めることができる。
[低μ路状態での回生協調ブレーキ制御]
dBS<Aであり、かつ、低μ路制動時には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7(またはステップS8)→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→リターンへと進む流れが繰り返される。ステップS10では、目標制動トルクTQに応じた回生許可トルクRBmaxMuが、図7に示す回生トルク特性に基づいて算出される。ステップS11では、低μ路直進制動のとき、ステップS7で算出された回生許可トルクRBmaxGyoと、ステップS10で算出された回生許可トルクRBmaxMuのうち、最大値を選択することにより、回生許可トルクRBが決定される。低μ路旋回制動のとき、ステップS8で算出された回生許可トルクRBmaxGyと、ステップS10で算出された回生許可トルクRBmaxMuのうち、最大値を選択することにより、回生許可トルクRBが決定される。
したがって、dBS<Aである低μ路制動時には、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した図7に示す回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。すなわち、目標制動トルクTQの大きさが開始減速度領域(0〜aG)から低減速度領域(aG〜bG)までは、図5と同様に、左右前輪30,31に付与可能な最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。そして、目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域(bG〜)のとき、低μ路の範囲で高μ状態を示すほど最大回生トルクによる領域を高減速度側に拡大し、その後、減少変化する回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBが決定される。
このように回生許可トルクRBを決定したため、dBS<Aである低μ路制動時には、高減速度領域(bG〜)において、左右前輪30,31に対し、低μ路の範囲で高μ状態を示すほど最大回生トルクによる回生許可トルクRBを付与する領域を拡大し、その後、減速度上昇にしたがって小さな値に設定された回生許可トルクRBが付与される。つまり、図5に示す回生トルク特性を下限(極低μ路)とし、低μ路の範囲で路面μが高μ状態を示すほど回生許可トルクRBの下げ幅が小さくされる。
例えば、ブレーキペダル40の踏み込み操作時、高μ路制動状態から低μ路制動状態へ移行した場合のブレーキペダル操作量・回生トルク・横Gの各特性を、図14に基づき説明する。踏み込み開始域の時間t0から時間t1までは回生トルクが上昇し、時間t1から時間t2までは上昇した回生トルクが維持される。そして、時間t2から時間t3までの高μ路制動領域Dでは、緩やかに回生トルクが低下する。そして、時間t3から低μ路に入り路面μが一気に低下すると、時間t3から時間t4までの低μ路制動領域Eでは、回生トルクの低下勾配が大きくなり、時間t4にて回生トルクはゼロになる。
次に、路面μ=μ1と路面μ=μ2が低μ路の範囲であり、μ1<μ2の場合の前後制動トルク配分特性を、図15に基づき説明する。図15に示すように、μ1のロック線は、μ2のロック線に比べ低減速度域にあらわれる。よって、路面μがμ1と検出されたときは、最大回生トルクによる回生許可トルクRBを付与する領域を狭くし、前輪制動トルクのうち、回生トルク分がゼロになるまでμ1のロック線と交差しないようにする。一方、路面μがμ2と検出されたときは、最大回生トルクによる回生許可トルクRBを付与する領域を路面μがμ1と検出されたときに比べて拡大し、前輪制動トルクのうち、回生トルク分がゼロになるまでμ2のロック線と交差しないようにする。
このため、低μ路制動時には、回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制しつつ、回生エネルギーの回収効率を、車両挙動として低μ路制動安定性を維持する限界域まで高めることができる。言い換えると、低μ路制動時、左右前輪30,31をグリップ領域で制動できるようにしながら、最大限域の回生トルクを確保することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 共通の液圧供給源(マスタシリンダ42)が発生するブレーキ液圧により、前輪(左右前輪30,31)と後輪(左右後輪32,33)の両方に対して液圧制動トルクを与える液圧ブレーキユニットと、
前記前輪(左右前輪30,31)と前記後輪(左右後輪32,33)の一方を回生制動輪(左右前輪30,31)とし他方を液圧制動輪(左右後輪32,33)とし、前記回生制動輪(左右前輪30,31)に対して回生トルクを与える回生ブレーキユニットと、
制動操作時、制動操作に対応した目標減速度を得る目標制動トルクTQを算出する目標制動トルク算出手段(図3のステップS1)と、
前記回生制動輪(左右前輪30,31)に前記回生トルクと前記液圧制動トルクを与え、前記液圧制動輪(左右後輪32,33)に前記液圧制動トルクを与える制動時、前記回生制動輪(左右前輪30,31)の制動トルク配分が、前記回生制動輪(左右前輪30,31)にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように決定した回生トルク値を、回生許可トルクRBとする回生許可トルク決定手段(図3のステップS2〜ステップS11)と、
前記目標制動トルクTQに対して前記回生許可トルクRBによる制動トルクで不足する分を、前記液圧制動トルク(摩擦ブレーキトルクFB)で補う制御を行う回生協調制御手段(図3のステップS12〜ステップS14)と、
を備えた。
このため、回生協調制御による制動時、回生トルクと液圧制動トルクが付与される回生制動輪(左右前輪30,31)の制動トルク配分が過多になるのを抑え、車両挙動の安定化を図ることができる。
(2) 共通の液圧供給源(マスタシリンダ42)が発生するブレーキ液圧により、前輪(左右前輪30,31)と後輪(左右後輪32,33)の両方に対して液圧制動トルクを与える液圧ブレーキユニットと、
前記前輪(左右前輪30,31)と前記後輪(左右後輪32,33)の一方を回生制動輪(左右前輪30,31)とし他方を液圧制動輪(左右後輪32,33)とし、前記回生制動輪(左右前輪30,31)に対して回生トルクを与える回生ブレーキユニットと、
前記回生制動輪(左右前輪30,31)に前記回生トルクと前記液圧制動トルクを与え、前記液圧制動輪(左右後輪32,33)に前記液圧制動トルクを与える制動時、制動操作に対応した目標減速度を得る目標制動トルクTQに対し、前記回生トルクの最大値による制動トルクで不足する分を前記液圧制動トルク(摩擦ブレーキトルクFB)で補う回生協調制御を行う回生協調制御システム(図3)と、
を備えた電動車両(ハイブリッド車両)の制御装置において、
前記回生協調制御システム(図3)は、前記回生協調制御による制動時、前記回生制動輪(左右前輪30,31)の制動トルク配分が、前記回生制動輪(左右前輪30,31)にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように決定した回生トルク値を、回生許可トルクRBとする回生許可トルク決定手段(ステップS2〜ステップS11)を有し、前記回生許可トルクRBを、前記回生制動輪(左右前輪30,31)へ付与する回生トルクの最大値とする。
このため、回生協調制御による制動時、回生トルクと液圧制動トルクが付与される回生制動輪(左右前輪30,31)の制動トルク配分が過多になるのを抑え、車両挙動の安定化を図ることができる。
(3) 前記回生許可トルク決定手段(図3のステップS2〜ステップS11)は、前記回生制動輪(左右前輪30,31)に付与可能な最大回生トルクを維持した場合、前記回生制動輪(左右前輪30,31)にロック傾向が発生しない低減速度領域のとき、前記最大回生トルクを、前記回生許可トルクRBとして決定し、前記回生制動輪(左右前輪30,31)に付与可能な最大回生トルクを維持した場合、前記回生制動輪(左右前輪30,31)にロック傾向が発生する高減速度領域のとき、前記最大回生トルクより小さく、かつ、減速度が高くなるほど減少する回生トルクを、前記回生許可トルクRBとして決定する。
このため、(1)または(2)の効果に加え、回生協調制御による制動時、低減速度領域において高い回生エネルギーの回収効率を確保しながら、高減速度領域において回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制することができる。
(4) 前記回生許可トルク決定手段(図3のステップS2〜ステップS11)は、前記目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクRBを決定する手段であり、前記目標制動トルクTQの大きさが低減速度領域のとき、前記最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクRBを決定し、前記目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域のとき、前記最大回生トルクより小さく、かつ、前記目標制動トルクTQが高くなるほど減少方向に変化する回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクRBを決定する(図5)。
このため、(3)の効果に加え、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した回生トルク特性に基づいて、ドライバの操作状態や路面状態や車両状態等の変化に対応する高い自由度により、回生許可トルクRBを決定することができる。
(5) 制動時の車両挙動を検出する車両挙動検出手段(横加速度センサ10,路面摩擦係数センサ11)を設け、前記回生許可トルク決定手段(図3のステップS2〜ステップS11)は、車両挙動の安定性が確保される制動シーンであり(ステップS5でNO)、前記目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域のとき、車両挙動の安定性が確保されない制動シーンのときの減少変化勾配に比べ、減少変化勾配を小さくした回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクRBを決定する(図6,図7)。
このため、(4)の効果に加え、車両挙動の安定性が確保される制動シーンにおいて、回生エネルギーの回収効率の向上を達成することができる。
(6) 前記車両挙動検出手段は、車両が直進状態であることを検出する直進検出手段(横加速度センサ10)であり、前記回生許可トルク決定手段(ステップS7)は、直進状態による制動シーンであり(ステップS6でNO)、前記目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域であるとき、前記回生制動輪(左右前輪30,31)と前記液圧制動輪(左右後輪32,32)の前後制動トルク配分特性が、理想前後制動トルク配分特性に沿うように設定された回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクRBmaxGyoを決定する(図6)。
このため、(5)の効果に加え、回生協調制御による直進制動時、回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制しつつ、回生エネルギーの回収効率を、車両挙動として直進制動安定性を維持する限界域まで高めることができる。
(7) 前記車両挙動検出手段は、車両が旋回状態であることを検出する旋回検出手段(横加速度センサ10)であり、前記回生許可トルク決定手段(ステップS8)は、旋回状態による制動シーンであり(ステップS6でYES)、前記目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域であるとき、前記直進状態の回生トルク特性よりも減少変化勾配が大きく、かつ、急旋回状態を示すほど減少変化勾配を大きくした回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクRBmaxGyを決定する(図6)。
このため、(5)の効果に加え、回生協調制御による旋回制動時、回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制しつつ、回生エネルギーの回収効率を、車両挙動として旋回制動安定性を維持する限界域まで高めることができる。
(8) 前記車両挙動検出手段は、車両が走行する路面摩擦係数を検出する路面摩擦係数検出手段(路面摩擦係数センサ11)であり、前記回生許可トルク決定手段(ステップS10)は、低摩擦係数路状態による制動シーンであり(ステップS9でYES)、前記目標制動トルクTQの大きさが高減速度領域のとき、低路面摩擦係数路の範囲で摩擦係数が高い状態を示すほど前記最大回生トルクによる領域を高減速度側に拡大し、その後、減少変化する回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクRBmaxMuを決定する(図7)。
このため、(5)の効果に加え、回生協調制御による低μ路制動時、回生制動輪である左右前輪30,31への制動トルク配分が過多になるのを抑制しつつ、回生エネルギーの回収効率を、車両挙動として低μ路制動安定性を維持する限界域まで高めることができる。
以上、本発明の電動車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、横加速度センサ10から横加速度Gy(直進状態、旋回状態)の情報を取得する例を示した。しかし、操舵角センサからの操舵角θを用いて直進状態や旋回状態の情報を取得しても良い。あるいは、横加速度Gyと操舵角θを併用して直進状態や旋回状態の情報を取得しても良い。
実施例1では、目標制動トルクTQの大きさに応じて設定した回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクRBを決定する例を示した。しかし、制動減速度の大きさに応じて設定した回生トルク特性に基づいて、回生許可トルクを決定する例としても良い。さらに、目標制動トルクTQの大きさや制動減速度の大きさに応じて、最大回生トルクから小さくする回生トルク分を演算により求めるような例であっても良い。
実施例1では、車両挙動検出手段として、ブレーキ操作速度検出と直進検出と旋回検出と低μ路検出を行う例を示した。しかし、ステアリング操作検出やアクセル解放速度検出や変速操作検出等、制動時の車両挙動に影響を与える要素の検出する例としても良い。
実施例1では、電動車両としてハイブリッド車両(FF車)への適用例を示したが、ハイブリッド車両(FR車)へ適用することができる。さらに、FFやFRの電気自動車(EV車)に対しても勿論適用することができる。要するに、上流圧制御タイプの液圧ブレーキユニットと、前輪または後輪を回生制動する回生ブレーキユニットと、を備え、制動時に回生協調ブレーキ制御を行う電動車両であれば適用できる。
MG2 第2モータジェネレータ
2 モータコントローラ
3 パワーコントロールユニット
4 バッテリ
5 ブレーキコントローラ
6 統合コントローラ
19 ブレーキアクチュエータ
20 左前輪ホイールシリンダ
21 右前輪ホイールシリンダ
22 左後輪ホイールシリンダ
23 右後輪ホイールシリンダ
30 左前輪(回生制動輪)
31 右前輪(回生制動輪)
32 左後輪(液圧制動輪)
33 右後輪(液圧制動輪)
40 ブレーキペダル
41 負圧ブースタ
42 マスタシリンダ(共通の液圧供給源)
43 第1ブレーキ液圧管
44 第2ブレーキ液圧管
45 第1シリンダ液圧管
46 第2シリンダ液圧管
TQ 目標制動トルク
RB 回生許可トルク

Claims (8)

  1. 共通の液圧供給源が発生するブレーキ液圧により、前輪と後輪の両方に対して液圧制動トルクを与える液圧ブレーキユニットと、
    前記前輪と前記後輪の一方を回生制動輪とし他方を液圧制動輪とし、前記回生制動輪に対して回生トルクを与える回生ブレーキユニットと、
    制動操作時、制動操作に対応した目標減速度を得る目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、
    前記回生制動輪に前記回生トルクと前記液圧制動トルクを与え、前記液圧制動輪に前記液圧制動トルクを与える制動時、前記回生制動輪の制動トルク配分が、前記回生制動輪にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように決定した回生トルク値を、回生許可トルクとする回生許可トルク決定手段と、
    前記目標制動トルクに対して前記回生許可トルクによる制動トルクで不足する分を、前記液圧制動トルクで補う制御を行う回生協調制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動車両の制御装置。
  2. 共通の液圧供給源が発生するブレーキ液圧により、前輪と後輪の両方に対して液圧制動トルクを与える液圧ブレーキユニットと、
    前記前輪と前記後輪の一方を回生制動輪とし他方を液圧制動輪とし、前記回生制動輪に対して回生トルクを与える回生ブレーキユニットと、
    前記回生制動輪に前記回生トルクと前記液圧制動トルクを与え、前記液圧制動輪に前記液圧制動トルクを与える制動時、制動操作に対応した目標減速度を得る目標制動トルクに対し、前記回生トルクの最大値による制動トルクで不足する分を前記液圧制動トルクで補う回生協調制御を行う回生協調制御システムと、
    を備えた電動車両の制御装置において、
    前記回生協調制御システムは、前記回生協調制御による制動時、前記回生制動輪の制動トルク配分が、前記回生制動輪にロック傾向が発生する制動トルク配分よりも小さくなるように決定した回生トルク値を、回生許可トルクとする回生許可トルク決定手段を有し、前記回生許可トルクを、前記回生制動輪へ付与する回生トルクの最大値とすることを特徴とする電動車両の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された電動車両の制御装置において、
    前記回生許可トルク決定手段は、前記回生制動輪に付与可能な最大回生トルクを維持した場合、前記回生制動輪にロック傾向が発生しない低減速度領域のとき、前記最大回生トルクを、前記回生許可トルクとして決定し、前記回生制動輪に付与可能な最大回生トルクを維持した場合、前記回生制動輪にロック傾向が発生する高減速度領域のとき、前記最大回生トルクより小さく、かつ、減速度が高くなるほど減少する回生トルクを、前記回生許可トルクとして決定することを特徴とする電動車両の制御装置。
  4. 請求項3に記載された電動車両の制御装置において、
    前記回生許可トルク決定手段は、前記目標制動トルクの大きさに応じて設定した回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクを決定する手段であり、
    前記目標制動トルクの大きさが低減速度領域のとき、前記最大回生トルクをあらわす回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクを決定し、前記目標制動トルクの大きさが高減速度領域のとき、前記最大回生トルクより小さく、かつ、前記目標制動トルクが高くなるほど減少方向に変化する回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクを決定することを特徴とする電動車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載された電動車両の制御装置において、
    制動時の車両挙動を検出する車両挙動検出手段を設け、
    前記回生許可トルク決定手段は、車両挙動の安定性が確保される制動シーンであり、前記目標制動トルクの大きさが高減速度領域のとき、車両挙動の安定性が確保されない制動シーンのときの減少変化勾配に比べ、減少変化勾配を小さくした回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクを決定することを特徴とする電動車両の制御装置。
  6. 請求項5に記載された電動車両の制御装置において、
    前記車両挙動検出手段は、車両が直進状態であることを検出する直進検出手段であり、
    前記回生許可トルク決定手段は、直進状態による制動シーンであり、前記目標制動トルクの大きさが高減速度領域であるとき、前記回生制動輪と前記液圧制動輪の前後制動トルク配分特性が、理想前後制動トルク配分特性に沿うように設定された回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクを決定することを特徴とする電動車両の制御装置。
  7. 請求項5に記載された電動車両の制御装置において、
    前記車両挙動検出手段は、車両が旋回状態であることを検出する旋回検出手段であり、
    前記回生許可トルク決定手段は、旋回状態による制動シーンであり、前記目標制動トルクの大きさが高減速度領域であるとき、前記直進状態の回生トルク特性よりも減少変化勾配が大きく、かつ、急旋回状態を示すほど減少変化勾配を大きくした回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクを決定することを特徴とする電動車両の制御装置。
  8. 請求項5に記載された電動車両の制御装置において、
    前記車両挙動検出手段は、車両が走行する路面摩擦係数を検出する路面摩擦係数検出手段であり、
    前記回生許可トルク決定手段は、低摩擦係数路状態による制動シーンであり、前記目標制動トルクの大きさが高減速度領域のとき、低路面摩擦係数路の範囲で摩擦係数が高い状態を示すほど前記最大回生トルクによる領域を高減速度側に拡大し、その後、減少変化する回生トルク特性に基づいて、前記回生許可トルクを決定することを特徴とする電動車両の制御装置。
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