JP2018015909A - タイヤ加硫成型金型およびタイヤ加硫成型方法 - Google Patents

タイヤ加硫成型金型およびタイヤ加硫成型方法 Download PDF

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哲二 宮崎
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Abstract

【課題】ベアの発生を防ぐことができるタイヤ加硫成型金型およびタイヤ加硫成型方法を提供する。
【解決手段】タイヤ加硫成型金型は、セクター10と、サイドプレート20と、ビードリング40とを備え、サイドプレート20は径方向に並ぶ複数のリング26〜29を備え、複数のリング26〜29は、成型位置とそれより金型内方の位置との間を上下方向に移動可能であり、成型位置において1つのタイヤ成型面を形成し、内径側のリングほど金型内方へ大きく移動可能である。
【選択図】図2

Description

本発明はタイヤ加硫成型金型およびタイヤ加硫成型方法に関する。
タイヤ加硫成型金型(以下において「金型」と表現する場合がある)は、円状に配置された複数のセクターと、複数のセクターの内径側に配置された一対のサイドプレートと、一対のサイドプレートの内径側に配置された一対のビードリングとを備える。加硫成型の際には、複数のセクターがタイヤのトレッド部に当たり、一対のサイドプレートがタイヤのサイドウォール部に当たり、一対のビードリングがタイヤのビード部に当たる。
ところで、従来から、グリーンタイヤとサイドプレートとの間に空気が残った状態で加硫成型が行われることがあり、その結果、加硫成型後の空気入りタイヤのサイドウォール部の表面にベアと呼ばれるゴムの欠損部が出来てしまうことがあった。
このようなベアの発生を防ぐために、特許文献1に記載の金型が提案されている。特許文献1の金型では、サイドプレートが複数のリングからなり、隣り合うリング同士がネジで固定されている。特許文献1の金型で加硫成型が行われると、隣り合うリング間の隙間から空気が排出されるため、グリーンタイヤとサイドプレートとの間に空気が残りにくく、ベアが発生しにくい。
特開2011−136486号公報
しかし、特許文献1の金型の場合、グリーンタイヤとサイドプレートとの間の空気が完全に排出される前に、隣り合うリング間の隙間をグリーンタイヤが塞いでしまい、グリーンタイヤとサイドプレートとの間に空気が残るおそれがあった。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、空気入りタイヤのサイドウォール部のベアの発生を防ぐことができるタイヤ加硫成型金型およびタイヤ加硫成型方法を提供することを課題とする。
実施形態のタイヤ加硫金型は、円状に並べられた複数のセクターと、複数の前記セクターが形成する円の内径側に設けられた上下一対のサイドプレートと、前記サイドプレートの内径側に設けられた上下一対のビードリングとを備えるタイヤ加硫成型金型において、前記サイドプレートは径方向に並ぶ複数のリングを備え、複数の前記リングは、成型位置とそれより金型内方の位置との間を上下方向に移動可能であり、成型位置において1つのタイヤ成型面を形成し、内径側の前記リングほど金型内方へ大きく移動可能であることを特徴とする。
また、実施形態のタイヤ加硫成型方法は、円状に並べられた複数のセクターと、複数の前記セクターが形成する円の内径側に設けられた上下一対のサイドプレートと、前記サイドプレートの内径側に設けられた上下一対のビードリングとを備える金型内にグリーンタイヤを挿入して行うタイヤ加硫成型方法において、前記サイドプレートに、成型面を有する複数のリングを径方向に並べて設け、前記ビードリングに近い前記リングほど成型位置よりもタイヤ赤道側に大きく移動させておき、そこへグリーンタイヤを挿入して、複数の前記リングにグリーンタイヤを保持させ、グリーンタイヤを複数の前記リングに当てながら、グリーンタイヤおよび複数の前記リングを成型位置に移動させ、成型位置への移動を完了して1つの成型面を形成した複数の前記リングでグリーンタイヤの加硫成型を行う、ことを特徴とする。
実施形態のタイヤ加硫成型金型およびタイヤ加硫成型方法によれば、グリーンタイヤとサイドプレートとの間の空気を排出することができ、空気入りタイヤのサイドウォール部のベアの発生を防ぐことができる。
実施形態1のタイヤ加硫成型装置60の径方向の部分断面図。 ビードリング40が成型位置にあるときの実施形態1のタイヤ加硫成型金型1の径方向の断面図。 ビードリング40が成型位置よりもタイヤ赤道側にあるときの実施形態1のタイヤ加硫成型金型1の径方向の断面図。 グリーンタイヤ2を挿入しブラダー67を小さく膨張させたときの、開いた状態の実施形態1のタイヤ加硫成型金型1の径方向の断面図。 上側のプレート本体22が成型位置まで下降を完了したときの、実施形態1のタイヤ加硫成型金型1の径方向の断面図。 ビードチャック部材50をブラダー67の内部へ進出させたときの、実施形態1のタイヤ加硫成型金型1の径方向の断面図。 ビード部3の成型位置への移動が完了したときの、実施形態1のタイヤ加硫成型金型1の径方向の断面図。 第1〜第4リング126〜129が成型位置にあるときの実施形態2のサイドプレート120の径方向の断面図。 第1〜第4リング126〜129がタイヤ赤道側の位置にあるときの実施形態2のサイドプレート120の径方向の断面図。 第1〜第4リング226〜229が成型位置にあるときの実施形態3のサイドプレート220の径方向の断面図。 第1〜第4リング226〜229がタイヤ赤道側の位置にあるときの実施形態3のサイドプレート220の径方向の断面図。 第1〜第4リング326〜329が成型位置にあるときの実施形態4のサイドプレート320の径方向の断面図。 第1〜第4リング326〜329がタイヤ赤道側の位置にあるときの実施形態4のサイドプレート320の径方向の断面図。
実施形態について図面に基づき説明する。なお以下の実施形態は例示であり、以下の実施形態に対して、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な変更、置換、省略等を行うことができる。
(実施形態1)
実施形態1のタイヤ加硫成型装置60について図1〜図7に基づき説明する。
以下の説明において、径方向は、金型内に挿入されたグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)の径方向と一致し、図の左右方向とも一致する。また内径側および外径側とは、特に断りが無い限り、前記径方向の内径側および外径側のことである。
図1に実施形態のタイヤ加硫成型装置60を示す。タイヤ加硫成型装置60は、加硫成型面を有する複数の部材からなるタイヤ加硫成型金型1(以下において「金型1」と表現する場合がある)と、金型1を保持するコンテナ70と、金型1を加熱する加熱装置と、金型1に挿入されたグリーンタイヤを内側から加圧するブラダー67と、金型1に挿入されたグリーンタイヤのビード部を保持するビードチャック部材50とを備える。
金型1は、円状に並べられた複数のセクター10と、複数のセクター10の内径側に設けられた上下一対のサイドプレート20と、サイドプレート20の内径側に設けられた上下一対のビードリング40とを備える。複数のセクター10の内径側の面は、タイヤのトレッド部を成型する成型面を有する。上側のサイドプレート20の下面および下側のサイドプレート20の上面は、タイヤのサイドウォール部を成型する成型面を有する。上側のビードリング40の下面および下側のビードリング40の上面は、ビード部を成型する成型面を有する。
複数のセクター10は径方向に移動可能である。金型1が開いた状態では、複数のセクター10は外径側に移動しており、隣り合うセクター10同士の間隔が開いている。金型1が閉じた状態では、複数のセクター10は内径側に移動しており、隣り合うセクター10同士が接している。
コンテナ70は、セクター10の外径側に固定されたセグメント71と、セグメント71の外径側に設けられたジャケットリング72と、上側のサイドプレート20を保持する上側コンテナプレート73と、下側のサイドプレート20を保持する下側コンテナプレート74とを備える。
ジャケットリング72の内径面は上側が小径で下側が大径となるように傾斜している。ジャケットリング72は図示しない第1昇降装置によって上下に移動可能となっている。
セグメント71は1つのセクター10につき1つ設けられている。セグメント71と上側コンテナプレート73との間に上側スライド装置76が設けられ、セグメント71と下側コンテナプレート74との間に下側スライド装置77が設けられ、これによりセグメント71が径方向に移動可能となっている。セグメント71の外径面は上側が小径で下側が大径となるように傾斜している。セグメント71の外径面とジャケットリング72の内径面とは、同じ傾斜角となっており、摺動可能となっている。このような構造のため、ジャケットリング72が下降すると、ジャケットリング72の内径面がセグメント71を内径側に押し、セグメント71およびセクター10が内径側に移動する。反対にジャケットリング72が上昇するとセグメント71およびセクター10が外径側に移動する。
上側コンテナプレート73は図示しない第2昇降装置によって上下に移動可能となっている。上側コンテナプレート73が上下に移動すると、これと一体となって、セグメント71、セクター10、上側のサイドプレート20、および上側のビードリング40も上下に移動する。
加熱装置は、上側コンテナプレート73の上に設けられた上プラテン64と、下側コンテナプレート74の下に設けられた下プラテン65とを備える。上プラテン64および下プラテン65は、例えばその内部を加熱された流体が通過することによって加熱される。上プラテン64および下プラテン65が加熱されると、その熱が金型1に伝わり、金型1の内部のグリーンタイヤが加熱される。
ブラダー67は金型1の内側に設けられている。ブラダー67は、加硫成型時にグリーンタイヤの内側で膨らみ、グリーンタイヤに対し内側から加圧する。
ビードチャック部材50は、ブラダー67の上下両側において、ブラダー67の内部に対して進退可能になっている。ビードチャック部材50は、ブラダー67の内部に進出したとき、ブラダー67の内面に接触する。金型1が閉じた状態でビードチャック部材50がブラダー67の内部に進出すると、上下両側において、ビードリング40とビードチャック部材50とがグリーンタイヤのビード部を挟んでこれを保持する。このときビードチャック部材50とグリーンタイヤのビード部との間にはブラダー67が挟まれる。ビードチャック部材50は上下方向にも移動可能となっている。
次に、実施形態のサイドプレート20の構造について説明する。
図2に示すように、サイドプレート20は、プレート本体22と、プレート本体22の金型内方(つまり上側のサイドプレート20の下面側の場所と、下側のサイドプレート20の上面側の場所)に設けられた多層リング部24とを備える。多層リング部24は径方向(サイドプレート20の径方向でもある)に並ぶ複数のリングからなる。本実施形態では、内径側から順に第1〜第4リング26〜29が設けられている。第1〜第4リング26〜29は、加硫成型時の位置である成型位置とそれより金型内方の位置との間を上下方向に移動可能である。第1〜第4リング26〜29が成型位置にあるとき、第1〜第4リング26〜29の金型内側の面が1つの成型面25を形成している。また、多層リング部24の隣接するリング間(例えば第1リング26と第2リング27との間)には隙間が形成されている。金型内の空気はこのリング間の隙間を通り、さらに、プレート本体22に形成された図示しない隙間等を通って、金型外へ出ることができる。第1〜第4リング26〜29が成型位置にあるとき、隣接するリング間の隙間の大きさは、0.05mm以上0.15mm以下であることが望ましい。
第1リング26の内径側の面26aはビードリング40に密着し固定されている。これにより第1リング26とビードリング40とが一体となって移動可能となっている。
多層リング部24における径方向に隣接する2つのリングが対向する場所において、内径側のリングには外径側へ突出する凸部が設けられ、外径側のリングには内径側へ突出する凸部が設けられている。内径側のリングの凸部は外径側に隣接するリングを金型内方へ押す凸部(押し凸部とする)である。外径側のリングの凸部は内径側に隣接するリングの押し凸部を受ける凸部(受け凸部とする)である。押し凸部と受け凸部とは、押し凸部が押す方向すなわち上下方向に間隔を空けて対向している。
具体的には、まず、第1リング26の外径側かつ金型外側の場所には、外径側へ突出した押し凸部26bが形成されている。一方、第2リング27の内径側かつ金型内側の場所には、内径側へ突出した受け凸部27aが形成されている。受け凸部27aは、第1リング26の押し凸部26bと上下方向に重なりを有している。ただし、第1リング26および第2リング27が成型位置にあるとき、押し凸部26bと受け凸部27aとの間には上下方向に間隔が空いている。
また、第2リング27の外径側かつ金型外側の場所には、外径側へ突出した押し凸部27bが形成されている。一方、第3リング28の内径側かつ金型内側の場所には、内径側へ突出した受け凸部28aが形成されている。受け凸部28aは、第2リング27の押し凸部27bと上下方向に重なりを有している。ただし、第2リング27および第3リング28が成型位置にあるとき、押し凸部27bと受け凸部28aとの間には上下方向に間隔が空いている。
また、第3リング28の外径側かつ金型外側の場所には、外径側へ突出した押し凸部28bが形成されている。一方、第4リング29の内径側かつ金型内側の場所には、内径側へ突出した受け凸部29aが形成されている。受け凸部29aは、第3リング28の押し凸部28bと上下方向に重なりを有している。ただし、第3リング28および第4リング29が成型位置にあるとき、押し凸部28bと受け凸部29aとの間には上下方向に間隔が空いている。
押し凸部26b、受け凸部27a、押し凸部27b、受け凸部28a、押し凸部28b、受け凸部29aは各リングの周方向に1周している。
プレート本体22には貫通孔23が設けられている。貫通孔23には棒状部材21が挿入可能となっている。金型外方から金型内方へ向かって貫通孔23に挿入された棒状部材21は、第1リング26を金型内方へ押すことができる。
上記のように、第1〜第4リング26〜29は成型位置から金型内方(図2の上下方向で、金型内に挿入されたグリーンタイヤのタイヤ赤道に向かう方向)に向かって移動可能となっている。図3に示すように、図示しない挿入装置が棒状部材21をプレート本体22の貫通孔23に挿入すると、成型位置にあった第1リング26が棒状部材21に押されて金型内方に移動を始める。このときビードリング40も第1リング26と一体となって金型内方に移動する。第1リング26が一定距離だけ移動すると、第1リング26の押し凸部26bが第2リング27の受け凸部27aに当たって第2リング27を金型内方に押し始める。第2リング27が金型内方に一定距離だけ移動すると、第2リング27の押し凸部27bが第3リング28の受け凸部28aに当たって第3リング28を金型内方に押し始める。第3リング28が金型内方に一定距離だけ移動すると、第3リング28の押し凸部28bが第4リング29の受け凸部29aに当たって第4リング29を金型内方に押し始める。このようにして、第1〜第4リング26〜29が、ビードリング40の金型内方への移動に連動して、金型内方へ移動可能となっている。図3に示すように、ビードリング40に近いリングほど、すなわち内径側のリングほど、成型位置よりも金型内方に大きく移動する。ビードリング40に近いリングほど金型内方に大きく移動すると、リング間に段差ができ、第1〜第4リング26〜29が階段状に並ぶ。第1〜第4リング26〜29およびビードリング40は金型外方へ押されることにより成型位置に戻る。
なお、上側のサイドプレート20および下側のサイドプレート20は同じ構造となっている。
次に、金型1を用いたタイヤ加硫成型方法およびタイヤ製造方法について説明する。
空気入りタイヤの製造では、まず、カーカスプライにベルト層、トレッドゴム、サイドウォールゴム等が貼り付けられてグリーンタイヤ2が製造される。
次に、第1昇降装置が稼働してジャケットリング72が上昇し、さらに、第2昇降装置が稼働して上側コンテナプレート73、セグメント71、セクター10、上側のサイドプレート20、および上側のビードリング40が上昇して、金型1が開く。また、上下両側のサイドプレート20のプレート本体22の貫通孔23に棒状部材21が挿入され、第1〜第4リング26〜29およびビードリング40が金型内方へ移動する。このとき、ビードリング40に近いリングほど金型内方へ大きく移動し、リング間に段差ができ、第1〜第4リング26〜29が階段状に並ぶ。さらに、上プラテン64および下プラテン65の加熱が始まる。
次に、金型1の内側にグリーンタイヤ2が挿入される。このとき、グリーンタイヤ2の下側のビード部3が下側のビードリング40に載せられる。次に、図4に示すように、ブラダー67が膨張して、グリーンタイヤ2がブラダー67によって内側から保持される。このとき、ブラダー67は最大の大きさになるまで膨張するのではなく、グリーンタイヤ2の上下のビード部3の間隔が加硫成型時よりも狭く保持されるように、小さめに膨張する。こうして、グリーンタイヤ2の上下のビード部3が、成型位置よりもタイヤ赤道E側に保持される。
次に、第2昇降装置が稼働して上側コンテナプレート73が成型位置まで下降する。それに伴って、セグメント71、セクター10、上側のサイドプレート20、および上側のビードリング40も下降する。この下降の途中で、上側のビードリング40とグリーンタイヤ2の上側のビード部3とが接触する。
上側コンテナプレート73が成型位置まで下降を完了し、図5に示すように上側のプレート本体22が成型位置まで下降を完了したとき、金型1の上下両側において、ビードリング40とグリーンタイヤ2のビード部3とが接触し、また、サイドプレート20の第1〜第4リング26〜29とグリーンタイヤ2のサイドウォール部4とが接触している。このとき、第1〜第4リング26〜29が、成型位置よりもタイヤ赤道E側(金型内方)に移動した状態にあり、階段状に並んでいる。そして、グリーンタイヤ2のサイドウォール部4は第1〜第4リング26〜29が形成する階段の角部32に当たっている。このとき、グリーンタイヤ2は、上下のビード部3および上下のサイドウォール部4が成型位置よりもタイヤ赤道E側に位置した状態で、保持されている。またこのとき、セクター10はまだ開いていてサイドプレート20から離れている。
次に、図6に示すようにビードチャック部材50がブラダー67の内側へ進出し、ビードチャック部材50とビードリング40とがグリーンタイヤ2のビード部3を挟んで保持する。ビードチャック部材50とグリーンタイヤ2のビード部3との間にはブラダー67が挟まれる。
次に、第1昇降装置が稼働してジャケットリング72が下降を始める。ジャケットリング72が下降を始めると、セグメント71およびセクター10が内径側へ移動を始める。
また、サイドプレート20のプレート本体22の貫通孔23から棒状部材21が引き抜かれるとともに、ビードチャック部材50がタイヤ赤道Eから離れる方向へ移動し始め、また、ブラダー67がさらに大きく膨張し始める。これにより、ビードリング40およびグリーンタイヤ2のビード部3が成型位置に向かって移動を始め、その移動と連動して第1〜第4リング26〜29が成型位置に向かって移動を始める。
第1〜第4リング26〜29が成型位置に向かって移動している間、第1〜第4リング26〜29が形成する階段の角部32にグリーンタイヤ2のサイドウォール部4が接触している。第1〜第4リング26〜29が成型位置に向かって移動するに従い、第1〜第4リング26〜29とサイドウォール部4との間の空間が徐々に狭まっていく。第1〜第4リング26〜29とサイドウォール部4との間の空間が狭まるに従い、第1〜第4リング26〜29とサイドウォール部4との間の空気がリング間の隙間から金型1の外へ排出されていく。
そして、セクター10とサイドプレート20とが接触して閉じると同時または閉じた後に、第1〜第4リング26〜29およびビードリング40の成型位置への移動が完了し、図7に示すようにグリーンタイヤ2のビード部3およびサイドウォール部4の成型位置への移動が完了する。第1〜第4リング26〜29の成型位置への移動が完了したとき、第1〜第4リング26〜29が1つの成型面25を形成しており、この成型面25にグリーンタイヤ2のサイドウォール部4が接している。第1〜第4リング26〜29の成型位置への移動が完了した時またはそれまでに、サイドプレート20とサイドウォール部4との間の空気の金型外への排出が完了する。
このようにして金型1が閉じた後は、グリーンタイヤ2が閉じた金型内で所定時間保持され、グリーンタイヤ2に対して加熱および加圧が行われる。前記所定時間が経過すると、金型1が開いて加硫成型後の空気入りタイヤが取り出される。
以上のように、金型1のサイドプレート20が、成型位置とそれより金型内方の位置との間を上下方向に移動可能な第1〜第4リング26〜29を備え、内径側のリングほど金型内方へ大きく移動可能となっている。そのため、上記のように第1〜第4リング26〜29が金型内方の位置から成型位置へ移動し、サイドプレート20とグリーンタイヤ2との間の空気がリング間の隙間から排出されていく間、第1〜第4リング26〜29は階段状に並んでおり、金型内のグリーンタイヤ2はその階段の角部32に当たり、リング間の隙間近傍には当たらない。従って、サイドプレート20とグリーンタイヤ2との間の空気が完全に排出される前にリング間の隙間をグリーンタイヤ2が塞いでしまって金型内に空気が残るということが起こりにくく、加硫成型後の空気入りタイヤのサイドウォール部にベアが生じにくい。
また、サイドプレート20における隣接するリング間の隙間が0.05mm以上0.15mmであれば、この隙間から金型内の空気が十分に排出され、しかも隙間内にグリーンタイヤ2のゴムが大量に侵入することがない。そのため、加硫成型後の空気入りタイヤのサイドウォール部にベアやゴムの突起が発生しにくい。
また、ビードリング40が第1リング26と一体となって成型位置とそれよりタイヤ赤道E側(金型内方)の位置との間を移動可能であるため、ビードリング40とサイドプレート20との間にグリーンタイヤ2が噛み込まれるおそれがない。
また、以上のタイヤ加硫成型方法によれば、第1〜第4リング26〜29がタイヤ赤道E側の位置から成型位置へ移動するときにサイドプレート20とグリーンタイヤ2との間の空気が排出されるため、加硫成型後の空気入りタイヤのサイドウォール部にベアが発生しにくい。
(実施形態2)
実施形態1と実施形態2のタイヤ加硫成型装置は、サイドプレートを除き、同じ構造である。実施形態2のサイドプレート120を図8、図9に示す。実施形態2のサイドプレート120は、実施形態1のサイドプレート20と同様に、多層リング部124と、それより金型外方に設けられたプレート本体122とを備える。プレート本体122には貫通孔123が設けられている。多層リング部124は径方向に並ぶ第1〜第4リング126〜129を備える。内径側から、第1リング126、第2リング127、第3リング128、第4リング129の順に並んでいる。第1リング126はビードリング40に密着して固定されている。
実施形態1と異なり、プレート本体122と第1〜第4リング126〜129との間に、径方向に伸びる1枚の板状の板部材130が設けられている。板部材130は第1〜第4リング126〜129に接している。板部材130はビードリング40から遠い径方向の外方の位置に回転軸131を有する。図9に示すように、貫通孔123に挿入された棒状部材21が板部材130を押すと、板部材130が回転軸131を支点にして所定範囲内の角度だけ回るように変位する。板部材130は、ビードリング40に近い径方向の内方の部分ほど、金型内側へ大きく変位する。板部材130が変位すると、第1〜第4リング126〜129が板部材130に押されて金型内方へ移動する。板部材130の変位量はビードリング40に近い部分ほど大きいため、多層リング部124ではビードリング40に近いリングほど大きく移動する。この板部材130は、サイドプレート120の周方向の少なくとも3箇所に設けられている。
サイドプレート120が以上の構造を有するため、板部材130が変位することによって、ビードリング40に近いリングほどタイヤ赤道E側へ大きく移動する。また、グリーンタイヤのビード部およびサイドウォール部が成型位置に移動すると、ビードリング40および第1〜第4リング126〜129が金型外方へ押されて、成型位置に移動する。
サイドプレート120のこの構造により、第1〜第4リング126〜129が実施形態1の第1〜第4リング26〜29と同様に移動し、グリーンタイヤとサイドプレート120との間の空気を排出することができ、空気入りタイヤのサイドウォール部のベアの発生を防ぐことができる。
(実施形態3)
実施形態1と実施形態3のタイヤ加硫成型装置は、サイドプレートを除き、同じ構造である。実施形態3のサイドプレート220を図10、図11に示す。実施形態3のサイドプレート220は、実施形態1のサイドプレート20と同様に、多層リング部224と、それより金型外方に設けられたプレート本体222とを備える。多層リング部224は径方向に並ぶ第1〜第4リング226〜129を備える。内径側から、第1リング226、第2リング227、第3リング228、第4リング229の順に並んでいる。第1リング226はビードリング40に密着して固定されている。
実施形態1および実施形態2と異なり、第1〜第4リング226〜229は、それぞれ、バネや耐熱ゴム部材等の弾性部材230でプレート本体222と接続されている。弾性部材230が弾性変形することにより、第1〜第4リング226〜229が成型位置とそれよりタイヤ赤道E側(金型内方)の位置との間を移動する。弾性部材230に応力がかからない状態では、図11に示すように、第1〜第4リング226〜229は成型位置よりタイヤ赤道E側の位置にある。このとき、ビードリング40に近いリングほどタイヤ赤道E側に大きく移動した位置にある。第1〜第4リング226〜229は金型内方から金型外方へ向かって押されることにより、図10に示す成型位置に移動する。
サイドプレート220のこの構造により、第1〜第4リング226〜229が実施形態1の第1〜第4リング26〜29と同様に移動し、グリーンタイヤとサイドプレート220との間の空気を排出することができ、空気入りタイヤのサイドウォール部のベアの発生を防ぐことができる。
(実施形態4)
実施形態1と実施形態4のタイヤ加硫成型装置は、サイドプレートおよびビードリングを除き、同じ構造である。実施形態4のサイドプレート320を図12、図13に示す。実施形態4のサイドプレート320は、実施形態1のサイドプレート20と同様に、多層リング部324と、それより金型外方に設けられたプレート本体322とを備える。プレート本体322には貫通孔323が設けられている。多層リング部324は径方向に並ぶ第1〜第4リング326〜329を備える。内径側から、第1リング326、第2リング327、第3リング328、第4リング329の順に並んでいる。
実施形態4では、実施形態1と異なり、第1リング326とビードリング340とが固定されていない。そのため、第1〜第4リング326〜329は、ビードリング340から独立して移動できる。ビードリング340は、プレート本体322に固定されていても良いし、第1〜第4リング326〜329から独立して成型位置とそれよりタイヤ赤道E側(金型内方)の位置との間を移動可能であっても良い。
サイドプレート320のこの構造により、第1〜第4リング326〜329が実施形態1の第1〜第4リング26〜29と同様に移動し、グリーンタイヤとサイドプレート320との間の空気を排出することができ、空気入りタイヤのサイドウォール部のベアの発生を防ぐことができる。
なお、実施形態4と同様に、実施形態2のサイドプレート120の第1リング126がビードリング40に固定されておらず、第1リング126がビードリング40から独立して移動可能であっても良い。また、実施形態4と同様に、実施形態3のサイドプレート220の第1リング226がビードリング40に固定されておらず、第1リング226がビードリング40から独立して移動可能であっても良い。
E…タイヤ赤道、1…タイヤ加硫成型金型(金型)、2…グリーンタイヤ、3…ビード部、4…サイドウォール部、10…セクター、20…サイドプレート、21…棒状部材、22…プレート本体、23…貫通孔、24…多層リング部、25…成型面、26…第1リング、26a…面、26b…押し凸部、27…第2リング、27a…受け凸部、27b…押し凸部、28…第3リング、28a…受け凸部、28b…押し凸部、29…第4リング、29a…受け凸部、32…角部、40…ビードリング、50…ビードチャック部材、60…タイヤ加硫成型装置、64…上プラテン、65…下プラテン、67…ブラダー、70…コンテナ、71…セグメント、72…ジャケットリング、73…上側コンテナプレート、74…下側コンテナプレート、76…上側スライド装置、77…下側スライド装置、
120…サイドプレート、122…プレート本体、123…貫通孔、124…多層リング部、126…第1リング、127…第2リング、128…第3リング、129…第4リング、130…板部材、131…回転軸、
220…サイドプレート、222…プレート本体、224…多層リング部、226…第1リング、227…第2リング、228…第3リング、229…第4リング、230…弾性部材、
320…サイドプレート、322…プレート本体、323…貫通孔、324…多層リング部、326…第1リング、327…第2リング、328…第3リング、329…第4リング、340…ビードリング

Claims (6)

  1. 円状に並べられた複数のセクターと、複数の前記セクターが形成する円の内径側に設けられた上下一対のサイドプレートと、前記サイドプレートの内径側に設けられた上下一対のビードリングとを備えるタイヤ加硫成型金型において、
    前記サイドプレートは径方向に並ぶ複数のリングを備え、
    複数の前記リングは、成型位置とそれより金型内方の位置との間を上下方向に移動可能であり、成型位置において1つのタイヤ成型面を形成し、
    内径側の前記リングほど金型内方へ大きく移動可能である、タイヤ加硫成型金型。
  2. 隣り合う前記リングの間に0.05mm以上0.15mm以下の隙間が設けられた、請求項1に記載のタイヤ加硫成型金型。
  3. 前記ビードリングが、一番内径側の前記リングと一体となって、成型位置とそれより金型内方の位置との間を移動可能である、請求項1又は2に記載のタイヤ加硫成型金型。
  4. 前記サイドプレートが、径方向に並ぶ複数の前記リングと、複数の前記リングより金型外方に設けられたプレート本体と、複数の前記リングと前記プレート本体との間に設けられた前記径方向に伸びる板部材とを備え、
    前記板部材は、前記径方向の外方の位置に回転軸を有し、前記回転軸を支点にして前記径方向の内方ほど金型内方へ大きく変位可能であり、
    複数の前記リングは、前記板部材に押されて金型内方へ移動可能である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫成型金型。
  5. 径方向に隣接する2つの前記リングが対向する場所において、
    内径側の前記リングには、外径側へ突出し、外径側に隣接する前記リングを金型内方へ押す凸部である押し凸部が設けられ、
    外径側の前記リングには、内径側へ突出し、内径側に隣接する前記リングの前記押し凸部を受ける凸部である受け凸部が設けられ、
    複数の前記リングが成型位置にあるとき、前記押し凸部と前記受け凸部とが、前記の押す方向に間隔を空けて対向している、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫成型金型。
  6. 円状に並べられた複数のセクターと、複数の前記セクターが形成する円の内径側に設けられた上下一対のサイドプレートと、前記サイドプレートの内径側に設けられた上下一対のビードリングとを備える金型内にグリーンタイヤを挿入して行うタイヤ加硫成型方法において、
    前記サイドプレートに、成型面を有する複数のリングを径方向に並べて設け、
    前記ビードリングに近い前記リングほど成型位置よりもタイヤ赤道側に大きく移動させておき、そこへグリーンタイヤを挿入して、複数の前記リングにグリーンタイヤを保持させ、
    グリーンタイヤを複数の前記リングに当てながら、グリーンタイヤおよび複数の前記リングを成型位置に移動させ、
    成型位置への移動を完了して1つの成型面を形成した複数の前記リングでグリーンタイヤの加硫成型を行う、
    タイヤ加硫成型方法。
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