JP2018012854A - 無方向性電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低鉄損化及び高磁束密度化の両立を実現できる無方向性電磁鋼板を提供する。
【解決手段】本発明による無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:1.7%〜3.3%、Al:0.1%〜2.0%、Mn:0.08%〜1.5%未満、P:0.03%超〜0.13%、Sn:0.04%超〜0.15%、Cu:0.12%以下、C:0.005%以下、S:0.0040%以下、及び、N:0.005%以下を含有し、残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たす化学組成を有する。上記鋼板の板厚は0.15mm〜0.30mmである。鋼板面内において、式(2)〜式(4)を満たす。
Si+2×Al−Mn≧2.0 (1)
B50ave/Bs≧0.81 (2)
B50(45°)/Bs≧0.79 (3)
{411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度≧0.65 (4)
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁鋼板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、無方向性電磁鋼板及びその製造方法に関する。
無方向性電磁鋼板は、電気機器の鉄心の素材として利用される。電気機器はたとえば、ハイブリッド自動車、電気自動車、及び燃料電池自動車に搭載される駆動モータや、二輪車及び家庭用コージェネレーションシステムに搭載される小型発電機等である。これらの電気機器では、高いエネルギー効率、小型化及び高出力化が要求される。そのため、電気機器の鉄心として利用される無方向性電磁鋼板には、低い鉄損及び高い磁性密度が要求される。
鉄損を低くするための技術として、Si及びAl含有量の増加、鋼板の高純度化、板厚の薄手化、等の技術が採用されている。これらの技術のうち、高周波域での鉄損を最も低減する技術は板厚薄手化である。そのため、上記駆動モータに代表される、低鉄損化の要求の高い用途では、0.35mm以下の板厚を有する薄手の無方向性電磁鋼板が利用されている。
一方、高い磁性密度を得るための技術として、再結晶集合組織制御が採用されている。再結晶集合組織制御では、鋼板面内において、磁化容易軸を含む結晶面を増加する。具体的には、再結晶集合組織制御では、鋼板面内において、磁化容易軸を含まない{111}面を抑制する。そして、板面内において、磁化容易軸を含む{110}面及び{100}面を増加させる。より具体的には、二方向の磁化容易軸を有する{100}<001>方位(以下、Cube方位ともいう)、及び、一方向の磁化容易軸を有する{110}<001>方位(以下、Goss方位ともいう)の集積度を高める。このような再結晶集合組織制御については、いわゆる二方向性電磁鋼板や一方向性電磁鋼板のみならず、無方向性電磁鋼板でも検討されている。
無方向性電磁鋼板において、Cube方位及びGoss方位の集積度を高める技術が、特開2000−160248号公報(特許文献1)、特開2000−160249号公報(特許文献2)、特開平10−226854号公報(特許文献3)、特開2001−181803号公報(特許文献4)、特開2012−36454号公報(特許文献5)、特開2004−218036号公報(特許文献6)及び特開2000−160303号公報(特許文献7)に提案されている。
特許文献1〜特許文献4の無方向性電磁鋼板では、特殊な熱間圧延条件によりGoss方位の集積度を高める。具体的には、特許文献1及び特許文献2の無方向性電磁鋼板では、特殊な熱間圧延条件により{510}<001>方位を集積する。そして、集積された{510}<001>方位を利用して、Goss方位を発達させる。特許文献3の無方向性電磁鋼板では、特殊な熱間圧延条件により、Goss方位の集積強度がランダム組織の3倍以上となる集合組織が形成される。特許文献4では、熱延鋼板を冷間圧延後、仕上焼鈍前に、窒素分圧5vol%以上の雰囲気下において、800〜1000℃で再結晶焼鈍を実施して、無方向性電磁鋼板を製造する。これにより、特許文献4の無方向性電磁鋼板では、Al含有量が0.02質量%以下であり、Goss方位の方位差が15°以内である結晶粒の面積率が30〜70%となる。
特許文献1〜特許文献4では、特殊な熱間圧延条件により、Goss方位の集積度を増加させる。一方、特許文献5〜7では、化学組成を調整することにより、Goss方位の集積度を高める。
特許文献5に開示された無方向性電磁鋼板は、Pを含有することによりGoss方位を発達させる。具体的には、この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:1.5%以上3.5%以下、sol.Al:0.1%以上2.5%以下およびMn:0.08%以上2.5%以下を下記式(1)を満足する範囲で含有し、さらに、P:0.06%以上0.20%以下、S:0.0020%超0.006%以下、C:0.005%以下およびN:0.005%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する。ここで、式(1)は次のとおりである。
Si+2×sol.Al−Mn≧2.0 (1)
特許文献6に開示された無方向性電磁鋼板は、Sn及びSbを単独又は複合で含有することにより、Goss方位の集積度を高める。具体的には、この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、質量%で、C:0.005%以下、Si:1.5%以下、Al:0.1〜1.0%もしくは0.004%以下、P:0.2%以下、Mn:0.05〜1.0%、S:0.01%以下、N:0.005%以下、Ti+V+Zr=0.001〜0.01%、SnもしくはSbをそれぞれ単独もしくは複合で0.01〜0.05%含み、熱延板焼鈍により、冷間圧延前の結晶粒径を300〜2000μmとする。
特許文献7に開示された無方向性電磁鋼板は、Sb及びSnの少なくとも一方を含有する。具体的には、この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、重量%で、C:0.005%以下、Si:1.0〜4.5%、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、S:9ppm以下(0を含む)、SbとSnの少なくとも一方を、Sb+Snで0.001〜0.03%含有し、残部が実質的にFeであり、板厚が0.1〜0.3mmである。
特許文献8〜14では、製造条件を制御することにより、無方向性電磁鋼板の磁気特性を高める。
具体的には、特許文献8に開示された無方向性電磁鋼板は、Si:7%以下、Mn:0.05〜4%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Al:3%以下、B:0〜0.01%、Sb及びSnのうちの1種又は2種を合計で0〜0.3%含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、板厚中心部の{100}面の集積度がランダム比で3以上である厚さが1mm以下である。この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、熱間圧延中の鋼とロールとの間に十分な潤滑を施して摩擦係数を0.2以下にすることにより製造される。
特許文献9に開示された無方向性電磁鋼板は、C:0.01%以下、Si:0.05〜1%、Mn:0.01〜1%、P:0.15%以下、S:0.035%以下、Al:0.003%以下、B:0〜0.01%、Sb及びSnのうちの1種または2種を合計で0〜0.3%、全酸素:0.02%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼であって、鋼中のMnとSの含有量の比率Mn/Sが10以上、鋼中に存在する酸化物系介在物中のMnOとSiO2の重量比MnO/SiO2が0.43以下、板厚中心部の{100}の集積度がランダム比で3以上である。この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、熱間圧延中の鋼とロールとの間に十分な潤滑を施して摩擦係数を0.2以下とし、さらに、鋼中のMnOの比率を低くすることにより製造される。
特許文献10に開示された無方向性電磁鋼板は、C:0.005%以下、Si:0〜4.0%、sol.Al:0〜4.0%、Mn:0.05〜4.0%、P:0.15%以下、S:0.035%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼であって、鋼板面に平行な{411}面と{211}面の集積度の比I411/I211が1以上である。この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、熱延鋼板を80%以上の圧下率で冷間圧延して焼鈍するか、平均結晶粒径が60μm以上で結晶粒径の変動係数が80%以下である熱延鋼板を80%以上の圧下率で冷間圧延して製造される。
特許文献11に開示された無方向性電磁鋼板は、C:0.040%以下、Si:0.05〜4.0%、Mn:3.0%以下、Al:3.5%以下、S:0.055%以下、P:0.25%以下、N:0.040%以下、残部Fe及び不可避的不純物からなり、({411}<148>方位の集積強度)/({411}<011>方位の集積強度)≧4.0、かつ({411}<148>方位の集積強度)≧4.0を満たす。この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、次の製造工程により製造される。表層部に未再結晶組織を含む熱延鋼板を冷間圧延する。さらに、熱間圧延における850℃以下の温度域での圧延において、圧下による累積歪みHと、各パスの出側温度T(℃)と、最終パスを除く圧延パスにおいては圧延後次の圧延のパス開始までの時間t(秒)、又は、最終パスの場合は最終パス圧延後水冷開始までの時間(秒)の関係が、T<850−H×10−t×10を満たす。これにより、上記集積強度の関係が満たされ、圧延方向から45°方向の磁気特性が優れた無方向性電磁鋼板が製造される。
特許文献12に開示された無方向性電磁鋼板は次の製造方法により製造される。0.1%≦Si≦2.0%、Al≦1.0%、かつ、0.1%≦Si+2Al≦2.0%を満たし、C≦0.004%、S≦0.003%、N≦0.003%、P≦0.09%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラブに対して、熱間圧延において粗圧延及び仕上げ圧延を施し熱延鋼板とする。熱延板を酸洗した後、1回の冷間圧延を実施して冷延鋼板とする。冷延鋼板に対して仕上げ焼鈍を実施する。上記製造工程において、仕上げ圧延のスラブ加熱温度STは700〜1150℃であり、仕上げ熱延開始温度F0Tは650〜850℃であり、仕上熱延終了温度FTは550〜800℃である。この文献に開示された製造方法では、低コストで高磁束密度の無方向性電磁鋼板を製造できる。
特許文献13に開示された無方向性電磁鋼板は、次の製造方法により製造される。0.1%≦Si≦2.0%、Al≦1.0%、かつ、0.1%≦Si+2Al≦2.0%を満たし、C≦0.004%、S≦0.003%、N≦0.003%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるスラブに対して、熱間圧延において粗圧延及び仕上げ圧延を施し熱延鋼板とする。熱延板を酸洗した後、1回の冷間圧延を実施して冷延鋼板とする。冷延鋼板に対して仕上げ焼鈍を実施する。上記製造工程において、仕上げ圧延のスラブ加熱温度STは700〜1150℃であり、仕上げ熱延開始温度F0Tは650〜850℃であり、仕上熱延終了温度FTは550〜800℃である。この文献に開示された製造方法では、低コストで高磁束密度の無方向性電磁鋼板を製造できる。
特許文献14に開示された無方向性電磁鋼板は、C:0.005mass%以下、Si:2〜4mass%、Mn:0.03〜3mass%、P:0.03〜0.2mass%、S:0.005mass%以下、Al:0.01mass%以下およびN:0.005mass%以下を含有し、さらに、CaをSに対する原子比((Ca(mass%)/40)/(S(mass%)/32))で0.5〜3.5の範囲で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、板厚が0.10〜0.20mmで、磁束密度B50が1.70T以上、かつ、鉄損W10/400が12W/kg以下である。この文献に開示された無方向性電磁鋼板は、次の製造方法で製造される。上記化学組成を有する鋼スラブを熱間圧延し、冷間圧延し、仕上焼鈍する。冷間圧延の圧下率を85%以上とし、冷延板の最終板厚を0.10〜0.20mmとする。仕上焼鈍における740℃までを平均昇温速度100℃/秒以上で急速加熱する。
特開2000−160248号公報 特開2000−160249号公報 特開平10−226854号公報 特開2001−181803号公報 特開2012−36454号公報 特開2004−218036号公報 特開2000−160303号公報 特開平11−189850号公報 特開平11−229096号公報 特開平11−310857号公報 特開2006−45613号公報 特開2010−1557号公報 特開2011−111658号公報 特開2014−173099号公報
ところで、低鉄損化を目的として鋼板の板厚を薄くするには、冷延圧下率を増加するのが好ましい。しかしながら、冷延圧下率を増加すれば、高磁束密度化に好ましくない結晶方位が発達する。したがって、低鉄損化を目的とした板厚薄手化は、高磁束密度化を目的とした再結晶集合組織制御と両立しにくい。つまり、無方向性電磁鋼板において、低鉄損化と高磁束密度化は両立しにくい。
また、特許文献1〜特許文献3に開示された無方向性電磁鋼板では、これらの特許文献の実施例に開示されるとおり、熱間圧延での仕上げ厚が0.8mmと薄い。このような熱延板での板厚薄手化は、大きな負荷に耐えうる設備が必要であり、製造コストを高める。熱延板の板厚薄手化はさらに、生産性を低下する。そのため、これらの特許文献の製造方法を実操業に適用しにくい場合がある。また、特許文献4に開示された無方向性電磁鋼板では、一方向性電磁鋼板と同様に、二次再結晶焼鈍を実施する。したがって、二次再結晶焼鈍を実施しない通常の無方向性電磁鋼板と比較して、製造コストが高くなる。
特許文献5〜特許文献7の無方向性電磁鋼板では、特殊な製造工程は必須ではない。しかしながら、特許文献5に開示された無方向性電磁鋼板は、Pを多量に含有する。そのため、低鉄損化を目的として特許文献5の鋼にSiを多量に含有した場合や、高磁束密度化を目的として冷間圧延前の粒径を粗大化した場合、冷間圧延時の加工性が低下して割れが発生する場合がある。中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を実施する場合、冷間圧延時の割れを抑制できる。しかしながら、製造工程が増加するため、製造コストが高くなる。
特許文献6に開示された無方向性電磁鋼板では、上述のとおり、冷間圧延前の結晶粒を粗大化して磁束密度を高める。しかしながら、低鉄損化を目的として特許文献6の鋼板を薄くすれば、冷間圧延において割れが発生する場合がある。
特許文献7に開示された無方向性電磁鋼板では、上述のとおり、表層の窒素含有量を抑制して鉄損を低下する。しかしながら、高磁束密度化についての検討がされていない。そのため、特許文献7に開示された無方向性電磁鋼板では、低鉄損であっても磁束密度が十分に高くない場合がある。
特許文献8及び9に開示された無方向性電磁鋼板では、熱間圧延にて高めた{100}が無方向性電磁鋼板に残存する。しかしながら、低鉄損化を目的とした板厚薄手化を実現するためには、熱延板の板厚を薄くしなければならない。このような熱延板での板厚薄手化は、大きな負荷に耐えうる設備が必要であり、製造コストを高める。さらに、生産性も低下する。特許文献9ではさらに、Si含有量が低い。そのため、低鉄損化しにくい可能性がある。
特許文献10に開示された無方向性電磁鋼板は、熱延鋼板を80%以上の圧下率で冷間圧延して焼鈍するか、平均結晶粒径が60μm以上で結晶粒径の変動係数が80%以下である熱延鋼板を80%以上の圧下率で冷間圧延して製造される。しかしながら、この文献の化学組成の鋼板の板厚を板厚薄手化により0.15〜0.30mmとする場合、冷間圧延時の圧下率を高めても、低鉄損化しにくい場合がある。
特許文献11に開示された無方向性電磁鋼板では、冷間圧延前に未再結晶組織を残存させることにより、文献に開示された集合組織を得る。しかしながら、未再結晶組織を残存させた場合には製品の表面性状が低下する場合がある。
特許文献12及び13に開示された無方向性電磁鋼板は、{411}面、{111}面および{100}面の強度を制御することにより製造される。これらの結晶面の強度は、熱間圧延時のスラブ加熱温度、仕上熱延開始及び終了温度によって制御される。しかしながら、Si含有量とAl含有量との関係、及び、実施例に示されるとおり、これらの文献は、フェライトからオーステナイトへ変態する鋼の集合組織制御技術を開示するものである。したがって、これらの文献の集合組織制御技術を、フェライトからオーステナイトへの変態が生じない鋼に適用するのは困難である。
特許文献14に開示された無方向性電磁鋼板は、仕上焼鈍時に急速加熱することにより製造される。しかしながら、この文献に開示された鋼のAl含有量は低い。そのため、低鉄損化を目的として電気抵抗を高めるためにSi含有量を高めた場合、冷間圧延時に割れが発生する可能性がある。
本発明の目的は、冷間圧延時の割れの発生を抑制しつつ、低鉄損化及び高磁束密度化の両立を実現できる無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提供することである。
本発明による無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:1.7%〜3.3%、Al:0.1%〜2.0%、Mn:0.08%〜1.5%未満、P:0.03%超〜0.13%、Sn:0.04%超〜0.15%、Cu:0.12%以下、C:0.005%以下、S:0.0040%以下、N:0.005%以下、Ca:0〜0.03%、Mg:0〜0.02%、及び、希土類元素:0〜0.1%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たす化学組成を有する。上記鋼板の板厚は0.15mm〜0.30mmである。鋼板面内において、式(2)〜式(4)を満たす。
Si+2×Al−Mn≧2.0 (1)
B50ave/Bs≧0.81 (2)
B50(45°)/Bs≧0.79 (3)
{411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度≧0.65 (4)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。式(2)中のB50aveは、式(5)で定義される。
B50ave=[B50(0°)+2×{(B50(22.5°)+B50(45°)+B50(67.5°)}+B50(90°)]/8、B50(0°) (5)
式(3)及び式(5)において、B50(X)は、磁化力が5000(A/m)の場合における、圧延方向に対してX°方向での磁束密度(T)を意味する。
本発明による無方向性電磁鋼板の製造方法は、上述の化学組成を有する素材に対して熱間圧延を実施して熱延鋼板を製造する工程と、熱延鋼板に対して連続焼鈍を実施する連続焼鈍工程と、連続焼鈍された熱延鋼板に対して冷間圧延を実施して、板厚が0.15mm〜0.30mmの冷延鋼板を製造する工程と、冷延鋼板に対して仕上焼鈍を実施する仕上焼鈍工程とを備える。連続焼鈍工程では、最高到達温度を950℃〜1050℃とし、950℃以上の温度域での保持時間t1を10秒〜180秒とし、保持時間t1経過後、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2を2.5秒未満、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3を15秒〜130秒とし、その後、室温まで冷却する。仕上焼鈍工程では、仕上焼鈍温度を950℃〜1050℃とし、仕上焼鈍温度での保持時間t4を10秒〜120秒とする。
本発明による無方向性電磁鋼板は、冷間圧延時の割れの発生を抑制しつつ、低鉄損化及び高磁束密度化の両立を実現できる。また、本発明による製造方法は、冷間圧延時の割れの発生を抑制しつつ、低鉄損化及び高磁束密度化を両立できる無方向性電磁鋼板を製造できる。
図1は、Sn含有鋼及びSn非含有鋼における、P含有量と、磁束密度B50との関係を示す図である。
上述のとおり、板厚を薄くすれば(板厚薄手化)、低鉄損化を実現できる。しかしながら、板厚薄手化は、磁束密度を低下する。そこで、本発明者らは、板厚が0.15mm〜0.30mmと薄い無方向性電磁鋼板において、磁束密度を高める方法について調査及び検討を行った。その結果、次の知見を得た。
無方向性電磁鋼板が適量のPを含有すれば、磁束密度が増加する。そして、無方向性電磁鋼板がPとともにSnを複合的に含有すればさらに、磁束密度が増加する。製造工程中の熱延板焼鈍において、後述する2段階連続焼鈍を実施すればさらに、磁束密度が高まる。以下、これらの点について詳述する。
図1は、P及びSnを含有する鋼板(Sn含有鋼という)とPを含有するもののSnを含有しない鋼板(Sn非含有鋼という)とにおける、P含有量と磁束密度との関係を示す図である。図1は次の方法により得られた。
質量%でSi:2.5%、Al:1.1%、Mn:0.2%を含有し、さらに、Pを0.01〜0.12%の範囲で含有する鋼A〜鋼E(Sn非含有鋼)を真空溶解炉にて溶製した。鋼A〜鋼EのP含有量はそれぞれ異なっていた。同様に、質量%でSi:2.5%、Al:1.1%、Mn:0.2%、P:0.01〜0.12%を含有し、さらに、Sn:0.05%を含有する鋼F〜鋼J(Sn含有鋼)を真空溶解炉にて溶製した。鋼F〜鋼JのP含有量はそれぞれ異なっていた。鋼A〜鋼Jではいずれも、C含有量が0.002〜0.003%、S含有量が0.002〜0.003%、N含有量が0.0015〜0.0020%の範囲内であった。
各鋼A〜鋼Jのインゴットを複数製造後、インゴットを熱間圧延して、板厚2.0mmの熱延鋼板を製造した。製造された熱延鋼板に対して、連続焼鈍を模擬した熱処理を実施した。具体的には、熱延鋼板を1000℃で90秒保持した。その後、冷却速度20℃/秒で室温まで冷却した。冷却時において、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間は1.5秒であり、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間は6秒であった。なお、950℃以上での保持時間は95秒であった。以下、このような熱処理を通常連続焼鈍処理という。
上記通常連続焼鈍処理を実施した後、熱延鋼板を冷間圧延して、厚さ0.15mmの冷延鋼板を製造した。冷延鋼板に対して仕上焼鈍処理を実施した。仕上焼鈍温度は1000℃であり、仕上焼鈍温度での保持時間は15秒であった。以上の製造工程により、鋼A〜Jの無方向性電磁鋼板を製造した。
通常連続焼鈍処理により製造された各鋼A〜Jの無方向性電磁鋼板から55mm×55mmの単板試験片を採取した。単板試験片を用いて、後述の測定方法により、圧延方向の磁束密度B50(0°)、圧延方向に対して90°の方向の磁束密度B50(90°)を測定した。そして、測定された磁束密度B50(0°)及びB50(90°)の平均磁束密度B500-90を求めた。
さらに、鋼A〜鋼Jを用いて、通常連続焼鈍処理とは異なる連続焼鈍処理を実施して、無方向性電磁鋼板を製造した。厚さ2.0mmの各鋼A〜鋼Jの熱延鋼板に対して、次の熱処理を実施した。初めに、熱延鋼板を1000℃で90秒保持した。その後、冷却速度20℃/秒で800℃まで冷却した。このとき、950℃以上での保持時間は95秒であり、950℃未満〜920℃での保持時間は1.5秒であった。800℃に到達した後さらに、800℃で60秒保持した。したがって、920℃未満〜800℃での保持時間は66秒であった。800℃での保持時間経過後、冷却速度20℃/秒で室温まで冷却した。以下、このように、950℃以上の温度域で所定時間保持した後、920℃未満〜800℃の温度域でさらに所定時間保持する熱処理を2段階連続焼鈍処理という。
2段階連続焼鈍処理後の熱延鋼板を冷間圧延して冷延鋼板を製造した。冷延鋼板に対して、仕上焼鈍温度1000℃、保持時間15秒で仕上焼鈍処理を実施し、無方向性電磁鋼板を製造した。
2段階連続焼鈍処理により製造された無方向性電磁鋼板に対しても、通常連続焼鈍処理により製造された場合と同じ方法で平均磁束密度B500-90を求めた。得られた平均磁束密度B500-90をプロットして、図1を得た。
図1中の「○」印は、通常連続焼鈍処理されたSn非含有鋼(鋼A〜E)の平均磁束密度B500-90である。「□」印は、2段階連続焼鈍処理されたSn非含有鋼の平均磁束密度B500-90である。「●」印は、通常連続焼鈍処理されたSn含有鋼(鋼F〜J)の平均磁束密度B500-90である。「■」印は、2段階連続焼鈍処理されたSn含有鋼(鋼F〜J)の平均磁束密度B500-90である。
図1を参照して、いずれの鋼においても、P含有量の増加とともに、磁束密度が高くなる。さらに、PとともにSnを含有すれば(図1中●印、■印)、Snを含有しない場合(図1中○印、□印)よりも、磁束密度が高くなる。さらに、2段階連続焼鈍処理された鋼(たとえば■印)は、通常連続焼鈍処理された鋼(たとえば●印)よりも、磁束密度が高くなる。
2段階連続焼鈍処理されたSn含有鋼(鋼F〜J)では、鋼板面内において、次の式(4)が満たされる。
{411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度≧0.65 (4)
集積強度比F4={411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度と定義する。{411}<148>方位及び{111}<112>方位は共に、磁束密度の異方性が小さい方位である。しかしながら、{411}<148>方位は磁気特性向上に有利な方位であるのに対して、{111}<112>方位は磁気特性に悪影響を及ぼす方位である。これは、{411}<148>が面内に磁化容易軸に近い方向を含むのに対し、{111}<112>が面内に磁化容易軸を含まないことに起因する。
F4が0.65以上である場合、鋼板面内において、磁気特性向上に有利である{111}<148>の割合が高く、磁気特性向上に不利な{111}<112>の割合が低い。そのため、磁束密度の異方性が抑制されつつ、磁束密度を高めることができる。鋼板がPとともにSnを適量含有し、熱延鋼板に対して上述の2段階連続焼鈍処理を実施する。この場合、P及びSnが粒界に適切に偏析する。その後、冷間圧延及び仕上焼鈍を実施することにより、式(4)を満たす集合組織を有する無方向性電磁鋼板が得られる。
以上より、低鉄損化を目的として無方向性電磁鋼板の板厚を薄手化して0.15mm〜0.30mmとした場合、無方向性電磁鋼板がPとともにSnを複合含有し、さらに、2段階連続焼鈍処理により、鋼板面内において、式(4)を満たす組織を有することにより、低鉄損化及び高磁束密度化を両立できる。
P及びSnを複合含有させ、2段階連続焼鈍処理を実施することにより磁束密度が高まる理由については明確ではない。しかしながら、次の理由が考えられる。SnもPと同様に粒界に偏析する。P及びSnを含有した鋼板に対して、2段階連続焼鈍処理を実施すれば、P及びSnが適切に粒界に偏析する。偏析したこれらの元素は、粒界での変形拘束力を変化させ、不均一変形を助長する。このP及びSnの粒界偏析に起因した不均一変形により、磁束密度を高めるのに好ましい結晶方位の再結晶が促進される。その結果、式(4)を満たす組織が形成されると考えられる。また、粒界に偏析したP及びSnだけでなく、粒内に固溶するP及びSnも上記不均一変形に寄与すると考えられる。
本発明では、熱延板焼鈍処理として箱焼鈍を採用せずに、連続焼鈍を採用する。箱焼鈍では連続焼鈍と比較してP及びSnの粒界偏析が顕著となる。本発明では連続焼鈍(2段階連続焼鈍)を採用する。そのため、P及びSnの粒界偏析が適切に抑えられ、冷間加工時の割れの発生が抑制される。なお、本発明では連続焼鈍を採用することにより、箱焼鈍の場合よりも鋼板中のPが粒界に偏析しにくい。しかしながら、本発明では、PとともにSnを含有することにより、十分な磁束密度を得ることができる。
上述のとおり、P及びSnを複合的に含有することにより、鋼板の磁束密度が高まる。しかしながら、上述のとおり、PとSnとは粒界に偏析する。この偏析により冷間加工性が低下し、冷間圧延時に鋼板が割れやすくなる可能性がある。
この点に関して本発明者が調査及び検討した結果、さらに次の知見を得た。P及びSnはいずれも冷間加工性を低下させる。そのため、P及びSnを複合的に含有した場合、冷間加工性に及ぼす表面性状の影響が顕著になる。これは、表面性状の低い部分が冷間加工時の割れの起点になりやすいことに起因しており、鋼板の表面性状を改善すれば、冷間加工性が改善され、冷間圧延時の割れの発生が抑制される。本発明の無方向性電磁鋼板の化学組成において、Cu含有量を抑制すれば、鋼板の表面性状が改善される。その結果、冷間加工時における割れの発生を抑制できる。
以上の知見に基づいて完成した本発明による無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:1.7%〜3.3%、Al:0.1%〜2.0%、Mn:0.08%〜1.5%未満、P:0.03%超〜0.13%、Sn:0.04%超〜0.15%、Cu:0.12%以下、C:0.005%以下、S:0.0040%以下、N:0.005%以下、Ca:0〜0.03%、Mg:0〜0.02%、及び、希土類元素:0〜0.1%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たす化学組成を有する。上記無方向性電磁鋼板の板厚は0.15mm〜0.30mmであり、鋼板面内において、式(2)〜式(4)を満たす。
Si+2×Al−Mn≧2.0 (1)
B50ave/Bs≧0.81 (2)
B50(45°)/Bs≧0.79 (3)
{411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度≧0.65 (4)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。式(2)中のB50aveは、式(5)で定義される。
B50ave=[B50(0°)+2×{(B50(22.5°)+B50(45°)+B50(67.5°)}+B50(90°)]/8、B50(0°) (5)
式(3)及び式(5)において、B50(X)は、磁化力が5000(A/m)の場合における、圧延方向に対してX°方向での磁束密度(T)を意味する。
上記化学組成は、Ca:0.0001〜0.03%、Mg:0.0001〜0.02%、及び、希土類元素:0.0001〜0.1%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
本発明による無方向性電磁鋼板の製造方法は、上述の化学組成を有する素材に対して熱間圧延を実施して熱延鋼板を製造する工程と、熱延鋼板に対して連続焼鈍を実施する連続焼鈍工程と、連続焼鈍された熱延鋼板に対して冷間圧延を実施して、板厚が0.15mm〜0.30mmの冷延鋼板を製造する工程と、冷延鋼板に対して仕上焼鈍を実施する仕上焼鈍工程とを備え、連続焼鈍工程では、最高到達温度を950℃〜1050℃とし、950℃以上の温度域での保持時間t1を10秒〜180秒とし、保持時間t1経過後の冷却において、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2を2.5秒未満、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3を15秒〜130秒とし、その後さらに、室温まで冷却し、仕上焼鈍工程では、仕上焼鈍温度を950℃〜1050℃とし、仕上焼鈍温度での保持時間t4を10秒〜120秒とする。
以下、本発明による無方向性電磁鋼板について詳述する。元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[化学組成]
本発明による無方向性電磁鋼板の化学組成は、次の元素を含有する。
Si:1.7%〜3.3%
シリコン(Si)は鋼の電気抵抗を高め、鉄損を低減する。Si含有量が1.7%未満であれば、この効果が得られない。一方、Si含有量が3.3%を超えれば、鋼の磁束密度が低下する。Si含有量が3.3%を超えればさらに、冷間加工性が低下し、冷間圧延時に鋼板に割れが発生する場合がある。したがって、Si含有量は1.7〜3.3%である。Si含有量の好ましい下限は1.9%であり、さらに好ましくは2.1%である。Si含有量の好ましい上限は3.2%であり、さらに好ましくは3.1%である。
Al:0.1%〜2.0%
アルミニウム(Al)は鋼の電気抵抗を高め、鉄損を低減する。Al含有量が0.1%未満であれば、上記効果が得られない。Al含有量が0.1%未満であればさらに、Al窒化物が微細に生成する。微細なAl窒化物は、磁壁の移動を阻害したり、製造工程中における粒成長を阻害する。この場合、磁束密度が低下する。一方、Al含有量が2.0%を超えれば、磁束密度が低下する。したがって、Al含有量は0.1〜2.0%である。Al含有量の好ましい下限は0.2%であり、さらに好ましくは0.9%である。Al含有量の好ましい上限は1.8%であり、さらに好ましくは1.4%である。
Mn:0.08%〜1.5%未満
マンガン(Mn)は鋼の電気抵抗を高め、鉄損を低減する。Mn含有量が0.08%未満であれば、上記効果が得られない。Mn含有量が0.08%未満であればさらに、Mn硫化物が微細に生成する。微細なMn硫化物は、磁壁の移動を阻害したり、製造工程中における粒成長を阻害する。この場合、磁束密度が低下する。一方、Mn含有量が1.5%以上であれば、オーステナイト変態が生じやすくなり、磁束密度が低下する。したがって、Mn含有量は0.08〜1.5%未満である。Mn含有量の好ましい下限は0.10%であり、さらに好ましくは0.11%である。Mn含有量の好ましい上限は1.4%であり、さらに好ましくは1.3%である。
P:0.03%超〜0.13%
リン(P)は鋼の磁束密度を高め、かつ、磁束密度の異方性を低減する。P含有量が0.03%以下であれば、上記効果が得られない。一方、P含有量が0.13%を超えれば、鋼の冷間加工性が低下し、冷間圧延時に鋼板が破断する可能性がある。したがって、P含有量は0.03%超〜0.13%である。P含有量の好ましい下限は0.04%である。P含有量の好ましい上限は0.10%未満である。
Sn:0.04%超〜0.15%
スズ(Sn)は鋼板の磁束密度を高める。Snが単独で含有される場合、SnがGoss方位及びその近傍方位を発達させ、磁束密度の異方性を増加させる。しかしながら、Snが上記範囲のPとともに含有されれば、磁束密度を高めつつ、磁束密度の異方性を低減できる。Sn含有量が0.04%以下であれば、上記効果が得られない。一方、Sn含有量が高すぎれば、冷間圧延時に割れを生じる場合もある。また、製造工程中において粒成長が抑制され、磁束密度が低くなる。熱延板焼鈍を箱焼鈍で実施した場合、粒成長が顕著に抑制され磁束密度が低くなる。本発明では上述のとおり、熱延板焼鈍を連続焼鈍で実施することにより、箱焼鈍よりも粒成長を促進できる。そのため、Sn含有量の上限は0.15%まで許容される。したがって、Sn含有量は0.04%超〜0.15%である。磁束密度をさらに高めるためのSn含有量の好ましい下限は0.05%超である。Sn含有量の好ましい上限は0.14%であり、さらに好ましくは0.13%である。
Cu:0.12%以下
銅(Cu)は不純物である。Cuは無方向性電磁鋼板の表面性状を低下する。本発明の無方向性電磁鋼板は上述のとおり、P及びSnを含有する。この場合、鋼板の表面性状は、冷間加工性に顕著な影響を与える。Cu含有量が0.12%を超えれば、表面性状が低下し、冷間圧延時に割れが発生しやすくなり、本発明のP,Snによる磁束密度向上の効果がを得られない。したがって、Cu含有量は0.12%以下である。Cu含有量の好ましい上限は0.11%であり、さらに好ましくは0.10%である。Cu含有量は低い方が好ましい。
C:0.005%以下
炭素(C)は不純物である。Cは微細な炭化物を形成する。微細な炭化物は、磁壁の移動を阻害したり、製造工程中における粒成長を阻害する。そのため、磁束密度が低下するとともに鉄損が増加する。したがって、C含有量は0.005%以下である。C含有量はなるべく低い方が好ましい。
S:0.0040%以下
硫黄(S)は不純物である。Sは微細な硫化物を形成する。微細な硫化物は、磁壁の移動を阻害したり、製造工程中における粒成長を阻害する。そのため、磁束密度が低下するとともに鉄損が増加する。したがって、S含有量は0.0040%以下である。S含有量の好ましい上限は0.0030%であり、さらに好ましくは0.0020%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。
N:0.005%以下
窒素(N)は不純物である。Nは微細な窒化物を形成する。微細な窒化物は、磁壁の移動を阻害したり、製造工程中における粒成長を阻害する。そのため、磁束密度が低下するとともに鉄損が増加する。したがって、N含有量は0.005%以下である。N含有量はなるべく低い方が好ましい。
本発明による無方向性電磁鋼板の化学組成の残部はFe及び不純物である。ここで、不純物とは、無方向性電磁鋼板を工業的に製造するときに、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境等から混入されるものであって、本発明の無方向性電磁鋼板に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
上述の不純物以外の他の不純物はたとえば、Ti、V、Nb、Zrである。これらの元素はいずれも、粒成長を抑制する場合がある。上記各元素の好ましい含有量はいずれも、0.01%以下である。
[任意元素について]
本発明による無方向性電磁鋼板はさらに、Feの一部に代えて、Ca、Mg及び希土類元素(REM)からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
Ca:0〜0.03%、
Mg:0〜0.02%、
REM:0〜0.1%
カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)及びREMはいずれも任意元素であり、含有されなくてもよい。これらの元素はいずれも、硫化物の形態を制御して磁束密度をさらに高める。これらの元素のいずれか1種以上が少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。一方、Ca含有量、Mg含有量及びREM含有量が高くとも効果は飽和するため、コストが増加して好ましくない。したがって、Ca含有量は0〜0.03%であり、Mg含有量は0〜0.02%であり、REM含有量は0〜0.1%である。Ca含有量の好ましい下限は0.001%である。Mg含有量の好ましい下限は0.0001%である。REM含有量の好ましい下限は0.0001%である。
本明細書におけるREMは、Sc、Y、及び、ランタノイド(原子番号57番のLa〜71番のLu)の少なくとも1種以上を含有し、REM含有量は、これらの元素の合計含有量を意味する。
[式(1)について]
上記化学組成はさらに、式(1)を満たす。
Si+2×Al−Mn≧2.0 (1)
F1=Si+2×Al−Mnと定義する。F1はフェライト−オーステナイト変態の指標である。F1が2.0未満の場合、後述する仕上焼鈍処理において、フェライト域での焼鈍が困難となる。この場合、鉄損が高くなる。F1が2.0以上の場合、フェライト域での焼鈍が可能となる。そのため、無方向性電磁鋼板の鉄損を低く抑えることができる。
[板厚]
本発明による無方向性電磁鋼板の板厚は、0.15〜0.30mmである。通常、板厚が薄くなれば、鉄損は低くなるものの、磁束密度が低くなる。しかしながら、本発明による無方向性電磁鋼板では、上述の化学組成及び後述の集合組織を有するため、板厚薄手化に伴う磁束密度低下を抑制できる。本発明の無方向性電磁鋼板の板厚の下限が0.15mm以上であれば、低鉄損化及び高磁束密度化の両立が可能である。一方、板厚が0.30mmを超えれば、鉄損が過剰に増加する。したがって、板厚は0.15〜0.30mmである。板厚の好ましい上限は0.25mmであり、さらに好ましくは0.20mmである。
本発明の無方向性電磁鋼板の板厚は次の方法で求める。鋼板のエッジから板幅中央に向かって30mm以上離れた任意の点で板厚を測定する。板幅が60mm未満の場合、鋼板の板幅中央の任意の点で板厚を測定する。測定には、精度0.001mmのマイクロメータを用いる。
[磁気特性]
本発明による無方向性電磁鋼板では、次の式(2)及び式(3)に規定された磁気特性を満たす。
B50ave/Bs≧0.81 (2)
B50(45°)/Bs≧0.79 (3)
[式(2)について]
式(2)において、B50aveは、磁化力が5000(A/m)の場合における、圧延方向に対して0°、22.5°、45°、67.5°、及び90°の方向での磁束密度(T)の平均値を意味する。
磁化力が5000(A/m)の場合における圧延方向に対してX°方向での磁束密度をB50(X°)と定義する。この場合、平均磁束密度B50aveは次の式で定義される。
B50ave=[B50(0°)+2×{B50(22.5°)+B50(45°)+B50(67.5°)}+B50(90°)]/8
Bsは飽和磁束密度(T)である。
F2=B50ave/Bsと定義する。磁束密度は、鋼板の集合組織だけでなく、飽和磁束密度Bsにも依存する。F2は、飽和磁束密度に対する平均磁束密度の比であり、飽和磁束密度で規格化された磁束密度の指標である。
本発明の無方向性電磁鋼板はF2が0.81以上であり、高い磁束密度を有する。F2の好ましい下限は0.82である。
[式(3)について]
F3=B50(45°)/Bsと定義する。鋼板面内において、圧延方向から45〜67.5°方向の磁束密度は低くなりやすい。本発明では、F3が0.79以上と高いため、高い磁束密度を得つつ、磁束密度の異方性を抑制できる。F3の好ましい下限は0.80である。
[集合組織]
本発明の無方向性電磁鋼板では、鋼板面内において、式(4)を満たす。
{411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度≧0.65 (4)
集積強度比F4={411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度と定義する。{411}<148>方位及び{111}<112>方位は共に、磁束密度の異方性が小さい方位である。しかしながら、{411}<148>方位は磁気特性向上に有利な方位であるのに対して、{111}<112>方位は磁気特性に悪影響を及ぼす方位である。これは、{411}<148>が面内に磁化容易軸に近い方向を含むのに対し、{111}<112>が面内に磁化容易軸を含まないことに起因する。
集積強度比F4が0.65以上である場合、鋼板面内において、磁気特性向上に有利である{411}<148>の割合が高まる。そのため、平均磁束密度B50aveが高まり、式(2)が満たされる。さらに、磁束密度の異方性が抑制され、式(3)が満たされる。F4の好ましい下限は0.80であり、さらに好ましくは1.0である。
{411}<148>方位の集積強度と、{111}<112>方位の集積強度とは、次の方法で測定できる。無方向性電磁鋼板の板厚の1/4位置(鋼板表面から板厚方向に1/4位置)において、X線回折法により極点図を測定する。具体的には、無方向性電磁鋼板を板厚1/4位置まで弗酸と過酸化水素水により化学研磨によって減肉し、X線回折法により{110}、{200}、{211}及び{310}極点図を測定する。その後、得られた極点図から級数展開法にて解析した結晶方位分布関数(ODF)を用いる。展開次数は、例えば22次とすればよい。
[製造方法]
上述の無方向性電磁鋼板の製造方法の一例について説明する。無方向性電磁鋼板の製造方法は、熱間圧延工程と、連続焼鈍工程と、冷間圧延工程と、仕上焼鈍工程とを備える。以下、各工程について詳述する。
[熱間圧延工程]
熱間圧延工程では、上記化学組成及び式(1)を満たす素材に対して熱間圧延を実施して熱延鋼板を製造する。
素材はたとえばインゴット又はスラブ(鋼片)である。素材の化学組成は上述の無方向性電磁鋼板の化学組成と同じであり、式(1)を満たす。インゴットは造塊法により製造される。スラブは連続鋳造法により製造されたものであってもよいし、連続鋳造法により製造された鋳片を分塊圧延して製造されたものであってもよい。
準備された素材(インゴット又はスラブ)を加熱炉に装入して加熱する。加熱された素材を加熱炉から抽出し、周知の設備を用いて熱間圧延を実施する。
素材の加熱温度は特に限定されない。熱間圧延性の観点から、素材の好ましい加熱温度は1000℃〜1300℃である。加熱温度のさらに好ましい下限は1050℃であり、さらに好ましい上限は1250℃である。分塊圧延によりスラブを製造した場合であって、分塊圧延後のスラブの温度が十分に高い場合、スラブを加熱炉に装入することなく、熱間圧延を実施してもよい。
熱間圧延の各種条件は特に限定されない。周知の条件を採用すれば足りる。たとえば、仕上げ温度は700℃〜950℃であり、巻取り温度は750℃以下である。生産性の観点から、熱間圧延の好ましい仕上げ厚は、1.8〜2.8mmである。仕上げ厚がこの範囲であれば、熱間圧延効率及び酸洗効率が高まる。
[連続焼鈍工程]
製造された熱延鋼板に対して、連続焼鈍処理を実施する(連続焼鈍工程)。本発明では、上述のとおり2段階連続焼鈍処理を実施することにより、磁束密度を高める。
連続焼鈍処理における最高到達温度Tmaxを950〜1050℃とする。最高到達温度Tmaxに達してから、室温まで冷却する。このとき、950℃以上の温度域での保持時間t1を10秒〜180秒とする。さらに、950℃未満の冷却(温度履歴)において、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2を2.5秒未満とし、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3を15秒〜130秒とする。その後、室温まで冷却する。要するに、本発明の2段階連続焼鈍処理では、950℃以上の温度域での保持時間t1と、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3とにおいて所定時間保持する。以下、2段階焼鈍処理の条件について詳述する。
[最高到達温度Tmax]950℃〜1050℃
2段階焼鈍処理において、最高到達温度Tmaxが1050℃を超えれば、設備への負荷が大きくなる。したがって、最高到達温度Tmaxは950〜1050℃である。
[950℃以上の温度域での保持時間t1]10秒〜180秒
焼鈍温度を最高到達温度Tmaxとした後、熱延鋼板を室温まで冷却する。このとき、950℃以上の温度域での保持時間t1を10〜180秒とする。保持時間t1が180秒を超えると生産性が低下する。また、保持時間t1が10秒未満であれば、高い磁束密度が十分に得られない。保持時間t1が10〜180秒であれば、生産性を維持しつつ、高い磁束密度が得られる。
[950℃未満の温度履歴]
950℃未満の温度履歴において、次の条件にて冷却することにより、磁束密度が高まる。この理由は明確でないが、次の理由が考えられる。次の条件にて焼鈍することにより、P、Snの粒界への偏析が進行する。この場合、次工程の冷間圧延、及び仕上焼鈍処理後に、好ましい集合組織が発達する。温度が高い場合、粒界偏析は速く進行する。しかしながら、偏析可能な量(熱力学的な平衡偏析量)が低減する。温度が低い場合、偏析可能な量は増加するものの、粒界偏析の進行に時間がかかる。これらの観点から、950℃未満の冷却条件を次のとおりとする。
[950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2]2.5秒未満
950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2が2.5秒以上であれば、高い磁束密度が得られにくく、生産性も低下する。さらに、冷間圧延前の粒径が粗大化する。そのため、次工程の冷間圧延時に割れが発生する場合がある。したがって、保持時間t2は2.5秒未満とする。
[920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3]15秒〜130秒
920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3が15秒未満であれば、高い磁束密度が十分に得られない。一方、保持時間t3が130秒を超えれば、生産性が低下する。保持時間t3が15秒〜130秒であれば、生産性を維持しつつ、高い磁束密度が得られる。保持時間の好ましい下限は18秒であり、さらに好ましくは20秒である。
920℃未満〜800℃の温度域において保持時間t3経過後、室温まで冷却する。室温までの冷却方法は特に限定されない。
本発明では、上記条件にて連続焼鈍処理(2段階連続焼鈍処理)を実施する。これにより、生産性を維持しつつ、薄手の無方向性電磁鋼板の磁束密度を高めることができる。
偏析を進行させる観点からは箱焼鈍での実施でも可能である。しかしながら、箱焼鈍では生産性が低い。本発明では、生産性を高めるために、連続焼鈍により連続焼鈍を実施する。連続焼鈍では、箱焼鈍と比較して、Pの粒界偏析度合いが低いことに起因して磁束密度が低くなる場合がある。しかしながら、本発明ではPとSnとを複合的に含有させることにより、磁束密度を十分に高めることができる。この磁束密度の向上は、粒界偏析だけでなく、粒内に固溶したP及びSnも寄与している。粒界偏析及びP及びSnの粒内固溶による磁束密度の向上は、上述の条件に基づく2段階連続焼鈍を実施することにより得られる。
[冷間圧延工程]
連続焼鈍後の熱延鋼板に対して、中間焼鈍を実施することなく、周知の冷間圧延を実施する。冷間圧延により、0.15〜0.30mmの冷延鋼板を製造する。
[仕上焼鈍工程]
仕上焼鈍工程では、冷延鋼板に対して仕上焼鈍処理を実施する。仕上焼鈍処理における焼鈍温度(仕上焼鈍温度T4)は950℃〜1050℃である。仕上焼鈍温度T4での保持時間t4は10秒〜120秒である。仕上焼鈍温度T4が950℃未満である場合、又は、保持時間t4が10秒未満である場合、鉄損が十分に低くならない。一方、仕上焼鈍温度T4が1050℃を超えれば、設備への負荷が大きくなる。保持時間t4が120秒を超えれば、生産性が低下する。
仕上焼鈍温度T4が950℃〜1050℃であり、保持時間t4が10〜120秒であれば、鉄損が十分に低くなる。さらに、設備負荷を抑え、生産性を維持できる。
以上の工程により、本発明による無方向性電磁鋼板が製造される。
[その他の工程]
上述の製造方法において、仕上焼鈍工程後にコーティング工程を実施してもよい。コーティング工程では、仕上焼鈍後の冷延鋼板の表面に、絶縁コーティングを施す。絶縁コーティングの種類は特に限定されない。絶縁コーティングは有機成分であってもよいし、無機成分であってもよい、絶縁コーティングは、有機成分と無機成分とを含有してもよい。無機成分はたとえば、重クロム酸−ホウ酸系、リン酸系、シリカ系等である。有機成分はたとえば、一般的なアクリル系、アクリルスチレン系、アクリルシリコン系、シリコン系、ポリエステル系、エポキシ系、フッ素系の樹脂である。塗装性を考慮した場合、好ましい樹脂は、エマルジョンタイプの樹脂である。加熱及び/又は加圧することにより接着能を発揮する絶縁コーティングを施してもよい。接着能を有する絶縁コーティングはたとえば、アクリル系、フエノール系、エポキシ系、メラミン系の樹脂である。
以下、実施例を例示して、本発明の具体例を説明する。なお、本発明は、以降に説明する実施例に限定されない。
[実施例1]
表1の化学組成を有する溶鋼を製造した。
Figure 2018012854
上記鋼番号の化学組成において、Ti、V、Nb及びZの含有量は不純物レベル(0.01%以下)であった。
溶鋼を用いてスラブを製造した。スラブを加熱炉に装入し、1050〜1250℃で加熱した。加熱後のスラブに対して熱間圧延を実施して、板厚2.0mmの熱延鋼板を製造した。
熱延鋼板に対して、連続焼鈍を実施した。このとき、いずれの試験番号においても、最高到達温度は1000℃であった。1000℃で40秒保持した後、20℃/秒の冷却速度で820℃になるまで、熱延鋼板を冷却した。このとき、950℃以上の保持時間t1は45秒であり、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2は1.5秒であった。820℃になった後、820℃で90秒保持した。ことのき、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3は96秒であった。保持時間t3経過後、室温まで冷却した。
連続焼鈍後の熱延鋼板に対して冷間圧延を実施して、板厚0.15mmの冷延鋼板を製造した。製造された冷延鋼板に対して、仕上焼鈍を実施した。仕上焼鈍温度T4は1000℃であり、保持時間t4は30秒であった。
以上の製造方法により各鋼番号の無方向性電磁鋼板を製造した。
[評価試験]
各鋼番号の無方向性電磁鋼板に対して、次の評価試験を実施した。
[磁束密度測定及び鉄損測定試験]
各試験番号の無方向性電磁鋼板から、打ち抜き加工により、55mm角の単板試験片を作製した。
単板磁気測定器を用いて、上述の方法により、圧延方向からX°(X=0、22.5、45、67.5、90)方向の磁束密度B50(X°)を測定した。飽和磁束密度BsはSi、Mn、Alの含有量(質量%)を用い、次の式で求めた。
Bs=2.1561−0.0413×Si−0.0198×Mn−0.0604×Al
さらに、鉄損W10/800を次の方法で求めた。単板試験片を、800Hzにて1.0Tに磁化した。磁化された単板試験片の鉄損W10/800(W/kg)を、上記単板磁気測定器を用いて測定した。得られた結果を表2に示す。
[集積強度比測定試験]
各試験番号の無方向性電磁鋼板を化学研磨により板厚1/4位置まで減肉し、上述の方法により、集積強度比F4を求めた。得られた結果を表2に示す。
[評価結果]
Figure 2018012854
表1及び表2を参照して、鋼番号17〜30の化学組成は適切であり、F1は式(1)を満たした。さらに、集積強度比F4が式(4)を満たした。その結果、これらの鋼番号の無方向性電磁鋼板では、F2が式(2)を満たし、F3が式(3)を満たした。さらに、鉄損W10/800はいずれも27.0(W/kg)以下と低かった。
一方、鋼番号1では、Si含有量が低すぎ、F1が式(1)を満たさなかった。さらに、Sn含有量が低すぎた。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800も本発明例(鋼番号17〜30)よりも高かった。
鋼番号2では、Si含有量が高すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
鋼番号3では、Mn含有量が高すぎ、F1が式(1)を満たさなかった。さらに、Sn含有量が低すぎた。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800も本発明例(鋼番号17〜30)よりも高かった。
鋼番号4では、Al含有量及びSn含有量が低すぎた。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800も本発明例(鋼番号17〜30)よりも高かった。
鋼番号5では、Al含有量及びC含有量が高すぎた。さらに、P含有量及びSn含有量が低すぎた。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800も本発明例(鋼番号17〜30)よりも高かった。
鋼番号6では、Sn含有量が低すぎ、S含有量が高すぎた。鋼番号7では、Sn含有量が低すぎ、N含有量が高すぎた。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800も本発明例(鋼番号17〜30)よりも高かった。
鋼番号8では、P含有量が高すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
鋼番号9では、Cu含有量が高すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
鋼番号10では、P含有量及びSn含有量が低かった。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。そのため、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。
鋼番号11では、Cu含有量のみが高すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
鋼番号12では、Sn含有量のみが低すぎた。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。そのため、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。
鋼番号13では、Sn含有量のみが高すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
鋼番号14では、P含有量のみが低すぎた。そのため、集積強度比F4が式(4)を満たさなかった。そのため、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。
鋼番号15では、P含有量のみが高すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
鋼番号16では、F1が式(1)を満たさなかった。そのため、鉄損W10/800が本発明例(鋼番号17〜30)よりも高かった。
[実施例2]
表1中の鋼番号10及び25の熱延鋼板(板厚2.0mm)を用いて、種々の条件で連続焼鈍処理を実施して、磁束密度及び鉄損について調査した。
具体的には、表3に示す試験番号2−1〜2−20の熱延鋼板に対して、条件A〜Jの連続焼鈍処理を実施した。条件A〜Jの詳細は表4に示すとおりであった。
Figure 2018012854
Figure 2018012854
具体的には、条件Aでは、最高到達温度Tmaxを1000℃とし、最高到達温度Tmaxで40秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、950℃以上の温度域での保持時間t1は45秒であった。950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2は3.0秒であった。920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3は12秒であった。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Bでは、最高到達時間Tmaxを1000℃とし、最高到達温度Tmaxで40秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を45秒、保持時間t2を0.8秒、保持時間t3を110秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Cでは、最高到達時間Tmaxを900℃とし、最高到達温度Tmaxで40秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。Tmaxが900℃のため、保持時間t1及び保持時間t2はなく、保持時間t3を5秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Dでは、最高到達時間Tmaxを950℃とし、最高到達時間Tmaxで5秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を5秒、保持時間t2を2.0秒、保持時間t3を6秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Eでは、最高到達時間Tmaxを1000℃とし、最高到達時間Tmaxで40秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を45秒、保持時間t2を0.8秒、保持時間t3を20秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Fでは、最高到達時間Tmaxを1000℃とし、最高到達時間Tmaxで40秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を45秒、保持時間t2を0.8秒、保持時間t3を26秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Gでは、最高到達時間Tmaxを1000℃とし、最高到達時間Tmaxで1秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を7秒、保持時間t2を0.8秒、保持時間t3を15秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Hでは、最高到達時間Tmaxを1000℃とし、最高到達時間Tmaxで100秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を105秒、保持時間t2を20秒、保持時間t3を15秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Iでは、最高到達時間Tmaxを1000℃とし、最高到達時間Tmaxで40秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を45秒、保持時間t2を1秒、保持時間t3を5秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
条件Jでは、最高到達時間Tmaxを1000℃とし、最高到達時間Tmaxで200秒保持した。その後、鋼板を室温まで冷却した。このとき、保持時間t1を205秒、保持時間t2を0.8秒、保持時間t3を100秒とした。保持時間t3経過後、室温まで鋼板を冷却した。
上記条件で連続焼鈍処理を実施した後、熱延鋼板を冷間圧延して、表3に示す板厚(0.15mm〜0.35mm)の冷延鋼板を製造した。冷延鋼板に対して仕上焼鈍処理を実施して、無方向性電磁鋼板を製造した。仕上焼鈍温度T4及び仕上焼鈍温度T4での保持時間t4は、表3に示すとおりであった。
製造された無方向性電磁鋼板に対して、実施例1と同じ方法で評価試験を実施して、F2〜F4及び鉄損W10/800(W/kg)を求めた。
[評価結果]
評価結果を表3に示す。表3を参照して、試験番号2−5、2−11、2−13、2−15の鋼板の化学組成は適切であり、連続焼鈍処理の条件(B、E及びF)も適切であった。そのため、F4は式(4)を満たした。その結果、F2は式(2)を満たし、F3は式(3)を満たし、磁束密度が高かった。さらに、鉄損W10/800はいずれも27.0W/kg以下と低かった。
一方、試験番号2−1、2−2、2−3、2−14及び2−16の鋼板の化学組成では、P含有量及びSn含有量が低かった。そのため、F4が式(4)を満たさず、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。
試験番号2−4及び2−12では、連続焼鈍処理で利用した条件Aにおいて、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2が長すぎ、かつ、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3が短すぎた。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。そのため、F3が式(3)を満たさず、磁束密度に異方性が生じた。
試験番号2−6では、鋼板の板厚が0.35mmと厚かった。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F3が式(3)を満たさず、磁束密度に異方性が生じた。さらに、鉄損W10/800が本発明例(試験番号2−5、2−11、2−13、2−15)と比較して高かった。
試験番号2−7では、連続焼鈍処理で利用した条件Cにおいて、最高到達温度が低く、かつ、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3が短かった。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800が本発明例(試験番号2−5、2−11、2−13、2−15)と比較して高かった。
試験番号2−8では、連続焼鈍処理で利用した条件Dにおいて、950℃以上の温度域での保持時間t1が短すぎ、かつ、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3も短すぎた。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800が本発明例(試験番号2−5、2−11、2−13、2−15)と比較して高かった。
試験番号2−9では、仕上焼鈍温度T4が低すぎた。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800が本発明例(試験番号2−5、2−11、2−13、2−15)と比較して高かった。
試験番号2−10では、仕上焼鈍温度T4での保持時間t4が短すぎた。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800が本発明例(試験番号2−5、2−11、2−13、2−15)と比較して高かった。
試験番号2−17では、連続焼鈍処理で利用した条件Gにおいて、950℃以上の温度域での保持時間t1が短すぎた。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F2が式(2)を満たさず、F3が式(3)を満たさず、磁束密度が低かった。さらに、鉄損W10/800が本発明例(試験番号2−5、2−11、2−13、2−15)と比較して高かった。
試験番号2−18では、連続焼鈍処理で利用した条件Hにおいて、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2が長すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
試験番号2−19では、連続焼鈍処理で利用した条件Iにおいて、950℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3が短すぎた。そのため、F4が式(4)を満たさなかった。その結果、F3が式(3)を満たさず、磁束密度の異方性が高かった。さらに、鉄損W10/800が本発明例(試験番号2−5、2−11、2−13、2−15)と比較して高かった。
試験番号2−20では、連続焼鈍処理で利用した条件Jにおいて、950℃以上の温度域での保持時間t1が長すぎた。そのため、冷間圧延時に鋼板に割れが発生し、冷間加工性が低かった。割れが発生したため、その後の評価試験は中止した。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    Si:1.7%〜3.3%、
    Al:0.1%〜2.0%、
    Mn:0.08%〜1.5%未満、
    P:0.03%超〜0.13%、
    Sn:0.04%超〜0.15%、
    Cu:0.12%以下、
    C:0.005%以下、
    S:0.0040%以下、
    N:0.005%以下、
    Ca:0〜0.03%、
    Mg:0〜0.02%、及び、
    希土類元素:0〜0.1%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たす化学組成を有し、
    板厚が0.15mm〜0.30mmであり、
    鋼板面内において、式(2)〜式(4)を満たす、無方向性電磁鋼板。
    Si+2×Al−Mn≧2.0 (1)
    B50ave/Bs≧0.81 (2)
    B50(45°)/Bs≧0.79 (3)
    {411}<148>方位の集積強度/{111}<112>方位の集積強度≧0.65 (4)
    ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。式(2)中のB50aveは、式(5)で定義される。
    B50ave=[B50(0°)+2×{(B50(22.5°)+B50(45°)+B50(67.5°)}+B50(90°)]/8、B50(0°) (5)
    式(3)及び式(5)において、B50(X)は、磁化力が5000(A/m)の場合における、圧延方向に対してX°方向での磁束密度(T)を意味する。
  2. 請求項1に記載の無方向性電磁鋼板であって、
    Ca:0.0001〜0.03%、
    Mg:0.0001〜0.02%、及び、
    希土類元素:0.0001〜0.1%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、無方向性電磁鋼板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の化学組成を有する素材に対して熱間圧延を実施して熱延鋼板を製造する工程と、
    前記熱延鋼板に対して連続焼鈍を実施する連続焼鈍工程と、
    前記連続焼鈍された前記熱延鋼板に対して冷間圧延を実施して、板厚が0.15mm〜0.30mmの冷延鋼板を製造する工程と、
    前記冷延鋼板に対して仕上焼鈍を実施する仕上焼鈍工程とを備え、
    前記連続焼鈍工程では、最高到達温度を950℃〜1050℃とし、950℃以上の温度域での保持時間t1を10秒〜180秒とし、保持時間t1経過後、950℃未満〜920℃の温度域での保持時間t2を2.5秒未満、920℃未満〜800℃の温度域での保持時間t3を15秒〜130秒とし、その後、室温まで冷却し、
    前記仕上焼鈍工程では、仕上焼鈍温度を950℃〜1050℃とし、前記仕上焼鈍温度での保持時間t4を10秒〜120秒とする、無方向性電磁鋼板の製造方法。
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