JP2018011564A - 植物工場 - Google Patents

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一義 北▲崎▼
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昭一 前田
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Abstract

【課題】より実用的な植物工場を提供する。また、チップバーンを効果的に抑制する。【解決手段】平面方向に配置された栽培容器と、前記栽培容器の上方に配置され、前記栽培容器に収容され下方に配置された植物に対して人工光を照射する照明装置と、空調装置と、が配置されてなる植物工場において、前記空調装置は、装置本体と、この装置本体から延び、前記栽培容器間を連通し、細孔を表面に多数設けたソックダクトと、前記栽培容器の側面に配置された反射パネルとを備え、前記ソックダクトの下部に、スロット吹出口を形成したことを特徴とする植物工場。【選択図】図6

Description

本発明は、植物工場に関し、特に、送風機構付きの人工光型植物工場に関する。
植物の生育過程において、局所的なカルシウム不足による生理障害であるチップバーンが知られており、商品価値を著しく損なう。
人工光型植物工場における、例えばリーフレタス生産において、チップバーンの発生によって歩留まりが低下し、安定的な収穫ができないことがしばしば見られる。したがって、植物工場においては、チップバーンを克服するための技術が求められている。
チップバーンの発生を抑制するためには、植物体、特にその内葉に風を当てることが有効である。植物への送風がチップバーンの抑制に有効であることは既知であるが、現状の人工光型植物工場では植物群落内への積極的な送気はほとんど行われていない。
植物へ送風する方法として、ストロー様の管を植物体の上部もしくは下部に設置し送気する方法、水平もしくは鉛直方向から小型ファンで送気するシステムなどが研究レベルで報告されている。
また、特許文献1には、ソックダクトを人工光型植物工場の栽培システムに用いる例が示されている。
特開2014−14285号公報
研究レベルにおける上記の報告は、ストロー様の管を1個体ずつ設置するための手間が掛かること、ファンの取付け位置によっては作業性を損なう可能性があることから、あくまで研究段階での構成であり、実用的とは言い難いという問題がある。
図10は、研究レベルから実用化レベルに向けて量産性や作業効率を向上させた一般的な植物工場の一構成例を示す斜視図である。
図10に示す植物工場Xでは、底板101aと底板101aの4隅から立ち上がる枠体101bとからなるフレーム部101と、底板101a上に設置された培養槽103と、培養槽103に対して上から光を照射できる位置に配置された光源パネル111と、を有している。
培養槽103内には、植物を定植するための多数の定植スポット107が設けられた栽培パネル105が設けられ、定植スポット107に植えられた植物に水分や養分を与えることができる。
光源パネルの下側(栽培パネル側)には、植物に対して光を照射するための光源113、例えば、複数本の蛍光灯やLED等が配置されている。
しかしながら、図10のような構造では、品種や明期/暗期、気温の制御によっては、チップバーンの発生を抑制しにくい場合がある。
また、特許文献1に記載の方法は、光源よりも上部にソックダクトを設置しており、栽培装置の全体的な気温制御を目的としているが、チップバーンの発生を防止することを意図しておらず、また、そのような効果は期待できない。
本発明は、より実用的な植物工場を提供することを目的とする。また、チップバーンを効果的に抑制することを目的とする。
本発明の一観点によれば、平面方向に配置された栽培容器と、前記栽培容器の上方に配置され、前記栽培容器に収容され下方に配置された植物に対して人工光を照射する照明装置と、空調装置と、が配置されてなる植物工場において、前記空調装置は、装置本体と、この装置本体から延び、前記栽培容器間を連通し、細孔を表面に多数設けたソックダクト(風を起こさずに空調するための)と、前記栽培容器の側面に配置された反射パネルとを備え、前記ソックダクトの下部に、スロット吹出口を形成したことを特徴とする植物工場が提供される。
上記発明によれば、反射パネルによる光の有効利用とともに、反射パネルによるエアの風向きが変わり下方に栽培された植物群落内の内部まで、ソックダクトからの風(空気)を多方面から当たりやすいようにすることができる。
さらに、空調効果に対する光源(熱)の影響を抑制することができる。
前記スロット吹出口は、例えば、前記栽培容器の幅方向に、鉛直方向に対して対称な位置において、前記ソックダクトの延在する方向に少なくとも2つ設けられていることを特徴とする。
幅方向に複数栽培された植物に対して、風(空気)が均一になるようにする。
前記ソックダクトは、例えば、前記栽培容器の上部中央の、前記照明装置の光源を避けた位置に配置されていることを特徴とする。
ソックダクトを、前記栽培容器の前記照明装置の光源を避けた位置(例えば上部中央)に配置することで、ソックダクトを配置しても光源の照射光を極力遮光しないようにできる。
前記反射パネルは、前記栽培容器の側面を覆うように複数設けられていることが好ましい。光源による熱の影響を抑制するために、前記反射パネルは、前記栽培容器の側面を、隙間を持って覆うように複数設けられているようにしても良い。
本発明によれば、チップバーンを抑制し実用的な植物工場を提供することができる。
本発明の実施の形態による植物工場の構成例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態による植物工場の構成例を示す斜視図である。 反射パネルの一例を示す平面図である。 光源パネルを裏側から見た平面図である。 栽培面を表面から見た平面図である。 育成空間内の様子を示す斜視図である。 ソックダクトに形成したスロット(切り込み)の位置を示す模式的な断面図である。 植物工場内におけるソックダクトの設置位置を示す図であり、図7のスロットの位置との関係を示す図である。 栽培パネルと定植スポットとの位置関係を示す図である。 研究レベルから実用化レベルに向けて量産性や作業効率を向上させた一般的な植物工場の一構成例を示す斜視図である。
以下の、本発明の実施の形態による植物工場について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1、図2は、本実施の形態による植物工場の構成例を示す斜視図である。図3は、反射パネルの一例を示す平面図である。
(第1の実施の形態)
図1、図2に示す植物工場Aでは、図10に示す構成と同様の、すなわち、底板1aと底板1aの4隅から立ち上がる枠体1bとからなるフレーム部1と、底板1a上に設置された培養槽3と、培養槽3に対して上から光を照射できる位置に配置された光源パネル11と、を有している。これにより、筐体からなる植物工場の育成空間が画定される。
培養槽3内には、植物を定植するための多数の定植スポット7が設けられた栽培パネル5が設けられ、定植スポット7に植えられた植物に水分や養分を与えることができる。
光源パネル11の裏側(栽培パネル側)には、植物に対して光を照射するための光源13、例えば、LEDや複数本のHF蛍光灯等が配置されている(図4参照)。以下では、HF蛍光灯を設けた例について説明する。
加えて、以下の2つの構成が追加されている。
第1に、図1から図3までに示すように、底板1aと光源パネル11との間に形成されている枠体1bの4側面の開口部を塞ぐように、複数の反射パネル15が設けられている。これにより、底板1aと光源パネル11と反射パネル15とにより形成された、光閉じ込め空間を形成することができる。なお、反射パネル15としては光反射率が99〜100%の反射パネルを用いた。
図3に示すように、反射パネル(15)は、例えば、60mm×40mm程度の超微細発泡光反射板(古河電気工業株式会社製MC-PET)であり、ポリエチレンテレフタレート製である。この反射パネル15を、例えば、底板1aと光源パネル11とにネジ止めなどにより固定することで、光源13からの光を、栽培空間内に閉じ込め、光を植物に有効に照射し、効率良く光合成を行わせることができる。
第2に、育成空間の外側に設けられるファン21と、エア吸入口23と、吸入したエアを育成空間に導入するための導入部25と、導入部25からエアを育成空間内に引き込むとともに、後述する植物への空気噴出機構である、例えばソックダクト29と導入部25とソックダクト29とを接続する接続部27と、を有している。エア吸入口23から取り入れた空気は、育成空間に導入される。これらの外気導入機構は、主として、風のための空気を取り入れることを目的とする。
尚、ファン21の位置は任意である。栽培棚の上部に設置しても良く、多段式(1つのファンで複数段に適用可能)にしても良い。
図4は、光源パネル11の裏側から見た平面図である。図4に示すように、光源パネル11は、蛍光灯(光源)13の延在方向に連なった例えば3つの板を連ねた構造により構成されており、3枚の板からなる光源パネル11にまたがって配置された、例えば1本のソックダクト29を有している。ソックダクト29は、その延在方向と垂直な幅方向の中心に配置することが好ましい。
蛍光灯(光源)13は、ソックダクト29に対して上記幅方向に離れた位置に、例えば2本ずつ設けられている。図4においては、蛍光灯(光源)13は、3つの板にそれぞれ、4本ずつ設けられている。蛍光灯(光源)13の間にソックダクト29を配置する。そして、ソックダクト29は、蛍光灯(光源)13よりも栽培パネル側に、例えば光源パネル11から吊り下げるようにして配置するのが好ましい(後述する図8参照)。
図5に示すように、図4と対向する位置に設けられる栽培パネルの栽培面5には、多数の定植スポット7が、例えば規則正しい位置に設けられ、光源13からの光およびエア吸入口23から取り入れられ、育成空間に導入された空気は、ソックダクト29から、まんべんなく植物に行き渡るようになっている。
ソックダクト29を送風機構として用いた理由は、光源の熱による栽培領域内の気温上昇の抑制に効果があること、脱着が簡単で栽培・収穫作業の邪魔にならないこと、洗浄できるため衛生的であることなどが挙げられる。また、ソックダクト29には任意の方角にスロットを空けられるスロットタイプもある。これは本来、ソックダクト29を通した暖房熱をスロットから下部に速やかに送ることを目的としているが、本実施の形態ではスロットタイプのソックダクト29を栽培領域内の上部に設置し、下方の植物に送風することを目的とする。
図6は、育成空間内の様子を示す斜視図である。矢印は接続部27から導入されたエアのソックダクト29における送気の向きを示している。エアは、送気の向きに進みながら、図6に示すように、エアが反射パネル15に当たって内側に戻され、エアが無駄なく植物に照射されるようになっていることがわかる。
より詳細には、ソックダクト(ソックフィルタ)29は、例えば、株式会社オーツカ製のものを用いることができる。ソックダクト29は、ポリエステル繊維を用いた軽量のダクトであり、例えば空調機の出力部として用いられる。高い、室内空調能力を有しており、加えて、フィルター効果も有する。ソックダクト29を用いることで、吸入口23から取り入れたエア(二酸化炭素)を育成空間内にほぼ均一に散布することができる。
ソックダクト29では、布地織り目の粗さに応じて、織り目の間の細孔から少しエアが漏れ出す。これを、第1のエア噴出機構とする。
さらに、ソックダクト29にスロットを設ける。スロット幅は2mmであるが、2〜16mmまでで良い結果が得られる。スロット31は細孔よりも大きな孔であり、これを第2のエア噴出機構と言うことができる。
図7は、ソックダクト29に形成したスロット(切り込み)31の位置を示す模式的な断面図である。スロット31の位置は、時計の時刻の位置で表している。
例えば、5時および7時の対称的な位置をダクト(5,7)、4,8時の対称的な位置をダクト(4,8)と称する。尚、スロットなしの場合は、ダクト(0)と称する。スロット31を対称の位置に設けることで、幅方向に複数栽培された植物に対して、風(空気)が均一になるようにすることができる。ダクト(5,7)、ダクト(4,8)の位置の違いによる実験結果には有意差はなかった。
そして、ソックダクト29を設けるか否か、スロット31の位置がどこであるか、反射パネル15が設けられているか否かに依存して、ダクト区(ソックダクト29も反射パネル15も設けている)、パネル区(反射パネル15を設けているがソックダクト29を設けていない)、対照区(反射パネル15もソックダクト29も設けていない)と称する。
図8は、植物工場内におけるソックダクト29の設置位置を示す図であり、図7のスロット31の位置との関係を示す図である。反射パネル15も示している。
図8において、括弧内の数字はスロット31の位置によりソックダクト29のタイプを示し、各スロット31から矢印に示す方向にエアが送風される。
図9は、栽培パネル5と定植スポット7との位置関係を示す図である。長手方向のパネル位置と、短手方向のパネル位置とを示している。長手方向には、左パネル41、中パネル43、右パネル45が、短手方向には、端(1)51と端(2)57とを両端として、中央(1)53と中央(2)55とを中央として称す。
(実験結果1)
以下に、本実施の形態による植物工場を用いた実験結果について詳細に説明する。
実験結果1では、リーフレタスの品種はフリルアイス(登録商標)、明期/暗期は、24時間明期、気温は一定で栽培試験を行った。
本実施の形態ではスロットタイプのソックダクト29を栽培領域内の上部に設置し、下方の植物に送風する(図1参照)。さらに、栽培領域の側面に反射パネル15を設置することで風を反射させ、直接植物に風を当てるだけでなく、植物群落の内部に多方面から送気することができる。
Figure 2018011564
表1に、スロット位置を(5,7)としたダクト(5,7)を用いた場合の栽培面における位置に依存する風速(反射パネル設置時)を示す。風速は、栽培面に対して鉛直方向と水平方向の両方を測定した。そして、平均風速、最大風速、最小風速の測定値を示した。列は、図9に示す栽培パネルにおける列を示す。
スロット吹出口から吹き出す空気の平均風速は、0.21〜1.41m/sであるが、栽培面での風速には栽培面の位置(列)依存性は少ないことがわかる。
Figure 2018011564
表2は、LED光源下における光反射パネルとソックダクトの設置がリーフレタス生産に及ぼす影響 (N=84)を示す表である。対照区、パネル区、ダクト区(0)およびダクト区(5,7)における栽培結果を示す。
表2に示すように、ソックダクト29とスロット31を設けたダクト区(5,7)では、対照区、パネル区、ダクト区(0)に比べてチップバーンの発生指数が小さくなり、かつ、歩留まりが大きくなるという顕著な効果が得られた。
尚、表2に記載したチップバーンの発生指数は、チップバーン発生葉数/全葉数(老化葉は除去した全葉数)を0から10までに等分した値に設定したものである。また、歩留まりについても、発明者が経験に基づいてチップバーン発生指数が1以下のものを合格とした。
Figure 2018011564
表3は、表2の発生指数を[チップバーン発生葉数/調整葉数*100]とし、11段階に分類して点数化したデータを示すものである(0〜10点)。発生指数の平均点(N=84)も示している。
すなわち、表2のチッブバーン発生指数の各階層は表3に示した個体数になり、例えば合格判定基準を1以下とした場合においては、歩留まりは表2に記載した値になる。
尚、チップバーン発生指数の基準値をいくつにするかに依存して歩留まりの数値は変化するが、試験区に依存する歩留まりの比較という観点で見れば、この値で比べることができる。
Figure 2018011564
同様に、表4は、表2とは光源を変更したHF光源下における結果を示す表である(N=28)。
Figure 2018011564
表5は、表4に対する表3に対応する表であり、表4の発生指数を[チップバーン発生葉数/調整葉数*100]とし、11段階に分類して点数化したデータを示すものである(0〜10点)。発生指数の平均点(N=28)も示している。
表2、3および表4、5の結果より、ソックダクト29を設け、かつ、スロット位置を5,7(LED光源13)又は4,8(HF光源13)とし、かつ、反射パネル15も設けることで、ダクト収穫物のチップバーン発生率は著しく低下し、歩留まりは顕著に向上することがわかる。
尚、スロット位置(5,7)と、スロット位置(4,8)では、実験結果にほとんど差が無いことが確認されている。
Figure 2018011564
表6は、HF蛍光灯下における反射パネル15とソックダクト29の設置が栽培面での光量に及ぼす影響を示すものである。
表6に示すように、ソックダクト29を光源の間に設置すること(図1)でソックダクトによる光源からの光の遮光の影響を最小限にとどめるとともに、反射パネル15によって側面からの光のもれを低減することで、栽培領域内の中央列と端列の光量をほぼ同等にすることができることがわかる。
Figure 2018011564
表7は、リーフレタス(フリルアイス)を用いた場合における、反射パネル15とソックダクト29の設置が列間の収量のバラツキに及ぼす影響を示す表である(LED光源下)。
この結果より、栽培パネル3における両側と中央の位置での新鮮重は、それほど異ならないことがわかる。この結果は、反射パネル15を設けることで達成することができ、両側と中央の位置での光強度の均一化によるものである。
Figure 2018011564
表8は、LED光源下における栽培領域の気温環境(栽培面と栽培面から15cmの高さ)を示す表である。
反射パネルを片側側面のみに設置した例(△)、短冊を側面に隙間なく並べるように設置した例(◎)について示す。短冊状の反射パネルを側面に隙間なく並べるように覆うことで、気温は高めになること、スロット付きのソックスダクトを設けることで、気温はやや低くなることがわかる。
表8の結果と表2、表3を参照するとわかるように、LED光源では、ダクト区(0)とダクト区(5,7)の気温がほとんど同じにも関わらず、チップバーン発生指数に違いが出たことは、スロットから送気される風がチップバーンの抑制には重要であることがわかる。
Figure 2018011564
表9は、HF蛍光灯下における栽培領域の気温環境(栽培面と栽培面から15cmの高さ)を示す表である。
それぞれ、反射パネル15を設置しない例(×)、隙間なく反射パネルを設けた例(◎)である。反射パネル15で栽培空間の側面を覆うことで、栽培空間内における気温は高めになる。
さらに、ソックダクト29を設けると(○)、HF蛍光灯下における栽培領域の気温環境の上昇を抑制することができることがわかる。
以上のように、反射パネル15を栽培装置に設置することによる光損失の軽減効果は知られているが、反射パネル15の設置によって栽培領域内の空気循環が阻害され、気温の上昇等を引き起こし(表8,9)、チップバーンの発生を促進してしまうこと(表2,3,4,5)が多いため、一般的な植物工場では反射パネル15を使用しても、本実施の形態のような効果が得られたという報告はない。
一方、本実施の形態による植物工場(栽培システム)では、ソックダクト29を通じて外気を栽培領域内に送気し、光源熱による気温上昇を大幅に抑制できるため(表8,9)、反射パネル15を栽培領域の側面に完全に覆い(覆っているが内部空間を完全に密閉してはいない)、定植から収穫まで常時設置することが可能である。
また、ソックダクト29を人工光型植物工場の栽培システムに用いる発想は、特許文献1で報告されているが、特許文献1では、ソックダクトを光源よりも上部に設置し、栽培装置の全体的な気温制御を目的としていることから、本実施の形態の「植物群落内への送風」というコンセプトとは異なる。
(実験結果2)
実験結果2では、フリルアイスよりもチップバーンが発生しにくい品種であるファンシーグリーン(中原採種場の品種名)を用い、明期/暗期は、24時間明期、気温は一定で栽培試験を行った。
Figure 2018011564
表10に、HF光源下で、ファンシーグリーンを用いた場合の結果について示す。尚、反射パネル15は、各パネル間に約5cmの隙間を空けて設置した(○)。その理由は、HF光源では、光を調節できないため、隙間を空けることで、空調効果を高め、栽培空間内の温度上昇を抑制するためである。表6より、HF光源では、パネル区とダクト区における光量はほぼ変化しないことがわかる。
一方、表10より、ファンシーグリーンの新鮮重は、パネル区とダクト区とで、有意差があることがわかる。このことは、チップバーンが発生しにくいファンシーグリーンを用いた場合においても、光源の光量の影響ではなく、反射パネルとソックダクトとを設けることにより、チップバーンの影響を効果的に抑制できていることが有意差として現れるものと推測される。
とりわけ、対照区とダクト区とにおける、両側と中央の新鮮重の差異について考察すると、反射パネル15とソックダクト29とを設けることで、両側と中央の新鮮重の差異が解消しており、新鮮重の栽培パネル5の位置依存性が解消しており、本実施の形態による植物工場における反射パネル15とソックダクト29を設けることの効果が現れていることがわかる。
以上の結果から、本実施の形態は、生産現場に十分適用できる実用的な植物工場の技術として期待できる。
(まとめ)
以上のように、本実施の形態では、以下の効果が得られた。
1)反射パネルの配置による光量の増加、光の均質化による収量の増加が見られた。
2)反射パネルの設置により、ソックダクトの穴から吹き出した風が直接植物に当たるだけでなく、反射パネルにより風向きが変わり、植物への風が多方面から当たるようになり、植物群落内部にまで風が当たることでチップバーンを抑制する効果が得られた。
3)ソックダクトの効果として、光源による温度上昇の抑制に加えて、植物栽培領域内の温度上昇した空気の入れ替え、温度分布の均一化が可能である。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態において、例えば、エアにボンベから取り出す二酸化炭素を混ぜて供給するようにしても良い。
蛍光灯などの照明装置は、その照明をオンする明期と、照明をオフする暗期と、を有するように制御し、二酸化炭素の供給期間を、明期と同期させるようにすると、効率良くチップバーンを抑制することができる。
また、ソックダクト29と植物との距離を、植物の生長状況に応じて調整できる機械的な調整機構を設けると良い。このようにすると、植物に当たる空気(二酸化炭素を含む)の量(風速)を植物の成長度合いに合わせて常に一定にすることができる。
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
本発明は、植物工場に利用可能である。
A…植物工場
1…フレーム部
1a…底板
1b…枠体
3…培養槽
7…定植スポット
11…光源パネル
13…光源
15…反射パネル
21…ファン
23…エア吸入口
25…導入部
27…接続部
29…ソックダクト
31…スロット

Claims (5)

  1. 平面方向に配置された栽培容器と、前記栽培容器の上方に配置され、前記栽培容器に収容され下方に配置された植物に対して人工光を照射する照明装置と、空調装置と、が配置されてなる植物工場において、
    前記空調装置は、装置本体と、この装置本体から延び、前記栽培容器間を連通し、細孔を表面に多数設けたソックダクトと、前記栽培容器の側面に配置された反射パネルとを備え、
    前記ソックダクトの下部に、スロット吹出口を形成したことを特徴とする植物工場。
  2. 前記スロット吹出口は、鉛直方向に対して対称な位置に少なくとも2つ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の植物工場。
  3. 前記ソックダクトは、前記照明装置の光源を避けた位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物工場。
  4. 前記反射パネルは、前記栽培容器の側面を覆うように複数設けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の植物工場。
  5. 前記反射パネルは、前記栽培容器の側面を、隙間を持って覆うように複数設けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の植物工場。
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