JP6713107B2 - 多段式育苗装置 - Google Patents

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Description

本発明は、閉鎖型構造物の内部で人工光源を用いて植物の苗を育成する多段式育苗装置に関する。
閉鎖構造物の内部は、人工光源によって光質、光強度並びに照射時間を自由に設定でき、空調装置によって温度、湿度等を調節でき、二酸化炭素濃度を調節できる。また潅水量、施肥濃度なども調節しやすく、種々の環境条件を苗の生育に最適な状態に調節することが可能であり、病原菌や害虫の被害を受けず、天候に左右されずに高品質の苗の生産が可能である。そして、育苗棚を多段配置することで生産効率を高めることができる。そこで、自然光の入らない閉鎖型構造物の内部で、空調装置によって温度および湿度を調整し、養液自動供給装置によって育苗ベッドに養液を供給し、二酸化炭素供給装置によって二酸化炭素を供給し、人工光源を用いて植物の苗を育成する多段式育苗装置が種々開発されている。
閉鎖型構造物の内部でこうした多段式育苗装置によって品質の均一な苗を効率よく生産するためには、育苗棚内部の育苗空間の温度、湿度および二酸化炭素濃度が均一となるよう制御することが必要で、そのために育苗空間の全域に均一な空気の流れをつくる必要があるとともに、人工光源の光を全域で苗に効率よく照射できるようにする必要がある。
従来の多段式育苗装置は、例えば、ファンによって育苗棚に背面側から空気を送り込み、前面側から排出するというものであった(例えば、特許文献1参照。)。また、多段式植物栽培装置の各段の背面側の側面に貫通孔を設けてファンを設置し、他の側面に通風用の開口部を設け、或いは前面側の側面を全面開放して、空気を側面の開口部あるいは全面開放した前面側から吸い込んで背面側から排出するというものも従来から知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、これらは空気の吸い込みと排出をいずれも側面より行うもので、風上と風下とで風速に差が出て、均一な空気の流れつくるのは難しい。また、従来の装置は、作業用の取り出し口とする前面側の側面は開放され、背面側の側面は光を反射する壁面構造であるため、前面側と背面側とで光量にムラが出来、そのため、苗の品質が一定にならない。
また、それとは別に、閉鎖型施設内に配置する多段棚式の植物育成装置であって、各段の育成ユニットの内部を天板によって上室および下室に分割し、上室及び下室の側面に通気用窓を形成し、天板に形成した貫通孔に下室から上室に向けて気流を発生させるファンを設置して、下室側面の通気用窓から吸引した空気を上室へ吸い上げて、上室の通気用窓から外部に排出するよう構成し、また、下室内面に反射材を設けることで植物に多角度から光を当てることができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2001−346450号公報 特開2008−212078号公報 特開2004−121074号公報
従来のように多段式育苗装置の各段の育苗空間への空気の吸い込みと排出をいずれも側面より行うのでは、風上と風下とで風速に差が出て、均一な空気の流れつくるのは難しく、また、作業用の取り出し口として開放される前面側の部分と壁面構造で光を反射する背面側の部分では光量に差があって光量にムラが出来るため、全域で苗に効率よく光を照射することができない。
また、上述の植物育成装置のように育成ユニットの内部を天板によって上室および下室に分割し、上室及び下室の側面に通気用窓を形成し、天板に形成した貫通孔に下室から上室に向けて気流を発生させるファンを設置して、下室側面の通気用窓から吸引した空気を上室へ吸い上げて、上室の通気用窓から外部に排出するよう構成したとしても、それだけで、人工光源の光を全域で育成植物に効率よく照射することは難しい。この構成では、下室の側端部分は中央部分に比べて光量が低くて、光量にムラができる。そのため、特に野菜の苗を育成する装置として使用した場合に、苗の育成に必要な光量を全域でムラなく確保することができず、品質の均一な苗を効率よく生産することができない。
したがって、閉鎖型構造物の内部で人工光源を用いて植物の苗を育成する多段式育苗装置において、育苗空間の全域で均一な空気の流れをつくって温度、湿度および二酸化炭素濃度の均一化を可能にするとともに、人工光源の光を全域で苗に効率よく照射することができ、品質の均一な苗を効率よく生産できるようにすることが課題であり、この課題を解決することが本発明の目的である。
本発明の多段式育苗装置は、育苗棚を複数段有し、自然光の入らない閉鎖型構造物の内部で空調装置によって温度および湿度を調節し、養液自動供給装置によって養液を供給し、二酸化炭素供給装置によって二酸化炭素を供給し、人工光源を用いて植物の苗を育成する多段式育苗装置において、各育苗棚の天部側の棚板(好ましくは中央部分)に設けた貫通孔に当該育苗棚から上方へ空気を吸い出すよう送風ファンを設置し、最上段と最下段との間の中段に位置する育苗棚の天部側の棚板の上方に、隣接する下段の育苗棚から前記貫通孔を通って吸い出された空気の排出通路となる間隔を確保するよう育苗ベッド支持棒を介して育苗ベッドを設置し、各育苗棚の前側および後側の側面を開放して、それら開放した前後の側面に、少なくとも内側表面が光の反射率が高い素材からなるフィルム状の反射部材を、上端部が支点となって上下に開閉自在で、閉じた状態で側面下部に通気用の隙間を残すよう取り付けたことを特徴とする。
この多段式育苗装置は、反射部材を閉じた状態で、育苗棚の前後の側面の下部に通気用の隙間ができる。そして、送風ファンにより育苗棚の前後両側面下部の隙間から育苗空間に空気が吸い込まれ、育苗棚の天部側の棚板の貫通孔から吸い出される。そして、貫通孔から吸い出された空気は最上段以外の育苗棚では天部側の棚板と隣接する上段の育苗棚の育苗ベッドとの間に確保された間隙が排出通路となって排出され、最上段の育苗棚では貫通孔から吸い出された空気がそのまま外方へ排出され、各段で育苗棚の全域にムラのない空気の流れを生じる。そのため、各段の育苗空間で温度、湿度および二酸化炭素濃度を均一にする制御が容易になる。
また、この多段式育苗装置は、反射部材を閉じた状態で、育苗棚の内部で人工光源からの光が上方から育苗ベッド上に並ぶ植物の苗に照射する。そして、前後の側面から漏れようとする光の大部分が反射部材で内側へ反射し、それにより、育苗ベッド上の前後両側端部分での光量の低下を抑制することができ、中央部分との光量の差を小さくし光量ムラを少なくすることができる。
また、反射部材の下方の隙間から吸い込まれる空気の流れに吸引されて反射部材が内側に湾曲し、その分、光の反射方向が上向きになり、上からの光が当たりにくい葉の裏側にも光を効率よく照射して苗の光合成効率を高めることができる。そして、湾曲した反射部材が空気の揺れに伴って揺らぎ、光の反射方向がたえず変化することによって、広い範囲で葉の裏側まで光が届き、光合成の効率が高まる。
こうして人工光源からの光およびその反射光によって各段の育苗空間の全域で適正な光量を確保しつつ多角度から効率よく照射することができ、品質の均一な苗の生産が可能となる。
また、この多段式育苗装置は、反射部材を開くことにより、あるいは取り外すことによって育苗棚の前後の側面を両方とも開放することができ、育苗ベッド等の出し入れを前後両側面のどちらからでも行なうことができて作業性が向上する。
本発明の多段式育苗装置は、反射部材を閉じた状態で、送風ファンにより育苗棚の前後両側面下部の隙間から育苗空間に空気が吸い込まれ、育苗棚の天部側の棚板の貫通孔から吸い出され、排出されることにより、各段で育苗棚の全域にムラのない空気の流れを生じさせることができ、育苗空間の温度、湿度および二酸化炭素濃度を均一にする制御が容易になる。
また、反射部材を閉じた状態で、前後の側面から漏れようとする光の大部分が反射部材で内側へ反射し、それにより、育苗ベッド上の前後両側端部分での光量の低下を抑制することができ、中央部分との光量の差を小さくし光量ムラを少なくすることができる。
また、反射部材の下方の隙間から吸い込まれる空気の流れに吸引されて反射部材が内側に湾曲し、その分、光の反射方向が上向きになり、上からの光が当たりにくい葉の裏側にも光を効率よく照射して苗の光合成効率を高めることができる。そして、湾曲した反射部材が空気の揺れに伴って揺らぎ、光の反射方向がたえず変化することによって、広い範囲で葉の裏側まで光が届き、光合成効率が一層高まる。
こうして人工光源からの光およびその反射光によって各段の育苗空間の全域で適正な光量を確保しつつ多角度から効率よく照射することができ、品質の均一な苗の生産が可能となる。
また、この多段式育苗装置は、反射部材を開くことにより、あるいは取り外すことによって育苗棚の前後の側面を両方とも開放することができ、育苗ベッド等の出し入れを前後両側面のどちらからでも行なうことができて作業性が向上する。
このように、本発明によれば、閉鎖型構造物の内部で人工光源を用いて植物の苗を育成する多段式育苗装置において、育苗空間の全域で均一な空気の流れを生じさせて温度、湿度および二酸化炭素濃度の均一化を可能にするとともに、人工光源の光を全域で苗に効率よく照射することができ、品質の均一な苗を効率よく生産できるようにすることができる。また、育苗ベッド等の出し入れの作業性が向上する。
本発明の実施形態の一例の多段式育苗装置の概略側面図である。 図1の多段式育苗装置の排出空気の流れを示す概略平面図である。 本発明の実施形態の多段式育苗装置を設置した育苗コンテナの概略配置を示す模式図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。 反射部材を設けた場合の光量分布図である。 反射部材を設けない場合の光量分布図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態の一例の多段式育苗装置(以下、適宜「育苗装置」と略称する。)の概略構造を示している。
この実施形態の多段式育苗装置(以下、適宜「育苗装置」と略称する。)Eは、植物の苗特に水耕栽培用の野菜(枝豆等)の苗を育成するための装置であって、横幅寸法(図1の紙面に垂直な方向が横幅方向で、装置正面から見た左右方向に相当する。)が1800〜2000mm(例えば1800mm)、奥行き寸法(図1の左右方向が奥行き方向で、装置正面から見た前後方向に相当する。)が650〜1000mm(例えば1000mm)、高さが1800〜2000mm(例えば1800mm)の直方体状に組み立てられた本体フレーム1に、複数枚(図示の例では5枚)の棚板2が上下400〜500mm(例えば400mm)の間隔で取り付けられ、それら棚板2と棚板2との間がそれぞれ育苗棚3となり、全体として複数段の育苗棚3を有する多段式(図示の例では4段であるが、段数は適宜変更できる。)の育苗装置Eを構成している。各段の育苗棚3は天部及び底部がそれぞれ棚板2で区画されるもので、一番上の棚板2は最上段の育苗棚3の天部を構成し、上から2番目の棚板2は最上段の育苗棚3の底部を構成するとともに隣接する上から2段目(下段側)の育苗棚3の天部を構成し、一番下を除く3番目以下の棚板2は順次同様に上段側の育苗棚3の底部を構成するとともに隣接する下段側の育苗棚3の天部を構成し、一番下の棚板2は最下段の育苗棚3の底部を構成している。
各段の育苗棚3には、それぞれ底部側の棚板2の上に後述のように育苗ベッド支持棒9を介して育苗ベッド4(給水トレイでもある)が設置される。そして、育苗ベッド4には、多数の栽培穴を有するセルトレイ5が配置される。セルトレイ5は、例えばポリエチレンや発泡スチロールなどの樹脂製シートの成形品である。
各段の育苗棚3の天部側の棚板2の下面には人工光源(人工照明装置)6が設置されている(この実施形態ではLEDを用いている。但し、LEDに代えて蛍光灯等を用いることも可能である。)。人工光源6は、棚板2の下面に、前後方向(図1の左右方向)に間隔をおいて複数列となる配置で設けられている(図示の例では6列であるが、列数は適宜変更できる。)。これら人工光源6が設置される天部側の棚板2(一番下の棚板2以外の棚板2)の下面には、アルミニウム等の反射フィルムを或いは反射板を設置することができる。
そして、各段の育苗棚3の天部側の棚板2には、棚板2の横幅方向(図1の紙面に垂直な方向)に間隔をおいて一列に並ぶ配置で所定箇所(図示の例では3箇所であるが、箇所数は適宜変更できる。)にファン取付用の貫通孔7が設けられ、この貫通孔7に、育苗棚3から上方へ空気を吸い出すよう送風ファン8が設置されている。
また、最上段を除く育苗棚3の天部側の棚板2の上には複数本の育苗ベッド支持棒9が設置されている。これら複数本の育苗ベッド支持棒9は、隣り合う2本の育苗ベッド支持棒9がそれぞれ一つのファン取付用の貫通孔7を挟んで棚板2の前後方向(図1の左右方向)に延びる配置で、棚板2の横幅方向(図1の紙面に垂直な方向)に間隙をおいて平行配置される(図の例では3箇所の貫通孔7に対して育苗ベッド支持棒9が4本であるが、貫通孔7の数が変わればそれに応じて育苗ベッド支持棒9の本数も変わる。)。そして、これら育苗ベッド支持棒9を支えとして棚板2の上方に育苗ベッド4が設置されている。
最上段と最下段との間に位置する中段の育苗棚3は、天部側の棚板2の上に育苗ベッド支持棒9を介して育苗ベッド4が設置されることにより、それぞれの貫通孔7の両側の平行な2本の育苗ベッド支持棒9の間で、棚板2と育苗ベッド4との間に、隣接する下段の育苗棚3から貫通孔7を通って吸い出された空気の排出通路となるよう20〜50mm(望ましくは50mm)の間隔tが確保される。図2は本実施形態の多段式育苗装置の排出空気の流れを平面視にて概略的に示している。送風ファン8により貫通孔7を通って育苗棚3から上方へ吸い出された空気は、図2に矢印で示すように貫通孔7の両側の平行な2本の育苗ベッド支持棒9の間を通って排出される。図2の左右方向は育苗棚3の前後方向(図1の左右方向)である。そして、図2の上下方向は育苗棚3の横幅方向(図1の紙面に垂直な方向)である。育苗棚3の内部は、天部側の棚板2と育苗ベッド3との間が育苗空間である。最上段の育苗棚3の天部側の貫通孔7を通って吸い出された空気はそのまま装置上方に排出される。また、図示の例では最下段の育苗棚3にも、育苗ベッド4の高さを整えるために天部側の棚板2の上に育苗ベッド支持棒9が設置されている。
育苗棚3の前側(図1の左側)および後側(図1の右側)の側面には、上端部を支点として上下に開閉自在で、上へ開いた状態で作業用の開口スペースを確保するよう側面を大きく開き、下へ閉じた状態で育苗ベッド3との間に通気用の隙間を残して閉じるよう、反射部材10を上下に開閉自在に取り付けている。反射部材10は、例えば、表面にアルミ蒸着層を有するビニールフィルムである。少なくとも内側表面が光の反射率が高い素材からなるフィルム状の部材(好ましくは可撓性部材)であればよい。そして、反射部材10は、図1に示すように育苗棚3の天部側の棚板2に取り付けるもので、育苗ベッド4の前後側端から水平方向に距離S1(10〜25mm程度)離れた位置に設置し、育苗ベッド4の上部縁面から垂直方向に距離S2(20〜30mm程度)の隙間をあけるように配置することで、育苗空間への空気の流入口を確保する。
この育苗装置Eは、自然光の入らないコンテナ等の閉鎖型構造物の内部に設置して、空調装置によって温度および湿度を調節し、養液自動供給装置によって養液を供給し、二酸化炭素供給装置によって二酸化炭素を供給し、人工光源を用いて植物の苗を育成するのに使用する。育苗コンテナC(閉鎖型構造物)は、例えば幅3600mm、長さ11700mm、高さ2500mm(サイズはこれに限るものではない。)の自然光の入らない閉鎖型構造物であって、図3に示すように室内に照明装置(蛍光灯)12、空調装置13、循環扇14等を備え、室外に循環養液タンク15、液肥タンク16、操作盤17、CO2スタンド18等を備えている。
育苗コンテナCの内部には複数台の育苗装置Eを列状に並べて設置する。そして、セルトレイ5の栽培穴に嵌め込んだスポンジ等の海綿状多孔質の担体又は培土に枝豆等の野菜の種を蒔き、循環養液タンク15内の養液を供給し循環させる養液自動供給装置によって養液を供給する。循環養液タンク15内の養液はポンプ(図示せず)によって最上段の育苗ベッド4に送られて海綿状多孔質の担体又は培土を潤す。養液の供給・排出は各棚独立して行う。
育苗コンテナCの内部は、空調装置13によって温度19〜28℃(好ましくは19〜23℃)、湿度60〜85%(好ましくは65〜85%)に調整し、CO2スタンド18内の二酸化炭素を二酸化炭素供給装置によって供給して、二酸化炭素濃度を1000ppm以上、好ましくは1000〜1500ppmに調整する。
育苗装置Eは、通常は、図3に示すように育苗コンテナCの内部に複数台を列状に並べて設置するが、その場合、列の中間に配置する育苗装置Eは左右側面を開放面とし、列端に位置する育苗装置Eの列端側の側面を閉じた壁面とする。また、一つの育苗装置Eを単独で設置する場合は、左右側面を閉じた壁面とする。これら閉じた壁面には、アルミニウム等の反射フィルムを或いは反射板を設置することができる。
そして、育苗装置Eは常時は反射部材10を閉じた状態で使用する。その状態で、育苗棚3の前後の側面には下部に通気用の隙間(育苗ベッド4の上部縁面から垂直方向に距離S2(20〜30mm程度)の隙間)が空く。そして、この隙間から育苗空間に空気が吸い込まれ、育苗棚3の天部側の棚板2の貫通孔7から送風ファン8により吸い出される。そして、貫通孔7から吸い出された空気は、最上段以外の育苗棚3では天部側の棚板2と隣接する上段の育苗棚3の育苗ベッド4との間隙tが排出通路となって排出され、最上段の育苗棚3では貫通孔7から吸い出された空気がそのまま上方へ排出される。こうして各段の育苗棚3の育苗空間全域にムラのない空気の流れ(空気の流速は0.1m/sec以上、好ましくは0.2〜1.0m/sec)が生じ、温度、湿度および二酸化炭素濃度が均一な育苗環境となる。また、適切な気流速度が維持されることにより、好適な蒸散速度を維持した栽培が可能となる。
また、この育苗装置Eは、反射部材10を閉じた状態で、育苗棚3の内部で人工光源6からの光が上方から育苗ベッド4の苗に照射するとともに、前後の側面から漏れようとする光の大部分が反射部材10で内側へ反射するため、育苗ベッド4上の前後両側端部分での光量の低下が抑制され、中央部分との光量の差が小さくなり、光量ムラが少なくなって、育苗ベッド4上の全域で光合成効率が高まる。また、反射部材10の下方の隙間から吸い込まれる空気の流れに吸引されて反射部材10が内側に湾曲し、その分、光の反射方向が上向きになって葉の裏側にも光を効率よく照射する。
図4は、育苗ベッド4の前後側(図の上下)に閉じた反射部材10を配した状態で、育苗ベッド4上面を左右方向(図の左右)に分けて3領域を設定し、その3領域の各々をさらに左右5列、前後10列に50個の部分領域に分割して、人工光源6である高輝度LEDを6本点灯し、育苗ベッド4上のトレー底面から27cmの高さで部分領域ごとの光量を計測し、部分領域毎の光量の分布をPPFD(光合成有効光量束密度、単位:μmol/m2/s)で表示したものである。育苗ベッド4の左右側方は開放されている。
また、図5は、比較例であって、反射部材10を除去し、他は図4と同じ設定で光量を計測し、部分領域毎の光量の分布をPPFD(光合成有効光量束密度、単位:μmol/m2/s)で示している。この場合も育苗ベッド4の左右側方は開放されている。
反射部材10を設けることで、反射部材10を設ける前と比較して育苗ベッド4の前後両側端部分の光量が、反射部材10から10cm程度の離れた位置で10〜30%上昇している。上昇率は、反射部材10から離れるごとに減衰するが、中央部分は元々光量が高いため、側端部分の光量が上がることにより中央部分と側端部分の光のムラが少なくなっている。なお、図4および図5に示す光量分布は、育苗ベッド4の左右側方を開放しているために中央の領域の光量が全体として高くなっているが、実際の使用状態では、複数の育苗装置Eを列状に配置するので、左右領域には隣り合う育苗装置Eの人工光源6からも光が照射し、また、列端に位置する育苗装置Eの列端側の側面を閉じた壁面とするので、列端側の領域には壁面で反射した光が照射し、そのため、育苗ベッド4の左右の領域の光量も中央の領域と大差ないものとなる。また、一つの育苗装置Eを単独で設置する場合は、実際には左右側面を閉じた壁面とするので、やはり育苗ベッド4の左右の領域の光量も中央の領域と大差ないものとなる。
表1は、図4および図5における左右に分けた3領域の内の左端の領域について、その左右5列、前後10列の50分割した部分領域の光量(PPFD)の分布を、反射部材10が有る場合(図4)と無い場合(図5)とを対比して表示するとともに、反射部材10が有る場合の光量の増加率を表示している。ここでは左端の領域について示しているが、右端の領域の光量分布も、左右が逆になるだけで左端の領域と同様になる。また、中央の領域の光量分布は、全体として光量が高いが、増加率は左右の領域と概ね同様である。
Figure 0006713107
また、上述のように吸い込まれる空気の流れに吸引されて湾曲した反射部材10は、空気の揺れに伴って揺らぐため、光の反射方向がたえず変化し、広い範囲で葉の裏側まで光が届いて、光合成効率が一層高まる。反射部材10は下部に棒状の重りwを付けることにより、前後に10〜25mm程度の幅で揺れるようにすることができる。
こうして各段の育苗空間の全域で必要なPPFD(光合成有効光量束密度)200〜350μmol/m2/sの光量を確保して多角度から効率よく照射することができ、品質の均一な苗を生産することができる。
そして、この育苗装置Eは、反射部材10を開くことにより、あるいは取り外すことによって育苗棚3の前後の側面を両方とも開放することができ、セルトレイ5の出し入れを両側面のどちらからでも行なうことができる。
上記図1〜3に示す実施形態の多段式育苗装置Eを使用した実施例について、トマト苗の生育状況を調査した結果を次に説明する。
表2は、この育苗装置Eにより明期19時間・暗期5時間の照明設定、明期24℃・暗期19℃の温度設定で生育した出芽後17日経過時点のトマト苗の生育状況を調査した結果を示している。この表では、育苗ベッド4上の前後方向に並んで側端から側端までの異なる位置で生育した5本の苗a〜e(図1参照)を「苗No.1〜5」で示している。「苗No.1」は図1の苗a、「苗No.2」は苗b、「苗No.3」は苗c、「苗No.4」は苗d、「苗No.5」は苗eに対応する。そして、苗No.毎に、17日経過時点の草丈(地際から生長点までの高さ)、胚軸長(地際から子葉節までの長さ)、葉数(葉長3cm以上の展開葉数)、胚軸径(胚軸の太さ)の計測値(単位:cm)を示している。
Figure 0006713107
育苗ベッド4上の前後方向の異なる位置で生育した苗a〜eのいずれの生育状況も概ね良好で、位置の違いによる生育状況の差は小さく、ほぼ一定の品質が確保されている。
E 多段式育苗装置
1 本体フレーム
2 棚板
3 育苗棚
4 育苗ベッド
5 セルトレイ
6 人工光源
7 貫通孔
8 送風ファン
9 育苗ベッド支持棒
t 間隔
10 反射部材
w 重り
C 育苗コンテナ(閉鎖型構造物)
12 照明装置
13 空調装置
14 循環扇
15 循環養液タンク
16 液肥タンク
17 操作盤
18 CO2スタンド

Claims (1)

  1. 育苗棚を複数段有し、自然光の入らない閉鎖型構造物の内部で空調装置によって温度および湿度を調節し、養液自動供給装置によって養液を供給し、二酸化炭素供給装置によって二酸化炭素を供給し、人工光源を用いて植物の苗を育成する多段式育苗装置において、
    各育苗棚の天部側の棚板に設けた貫通孔に当該育苗棚から上方へ空気を吸い出すよう送風ファンを設置し、
    最上段と最下段との間の中段に位置する育苗棚の天部側の棚板の上方に、隣接する下段の育苗棚から前記貫通孔を通って吸い出された空気の排出通路となる間隔を確保するよう育苗ベッド支持棒を介して育苗ベッドを設置し、
    各育苗棚の前側および後側の側面を開放して、それら開放した前後の側面に、フィルム状の反射部材を、上端部が支点となって上下に開閉自在で、閉じた状態で側面下部に通気用の隙間を残すよう取り付けたことを特徴とする多段式育苗装置。
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