JP2013158317A - 完全制御型植物工場における植物栽培装置及び植物栽培方法 - Google Patents

完全制御型植物工場における植物栽培装置及び植物栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光エネルギーを有効利用してランニングコストを低減する。
【解決手段】植物栽培装置1は、栽培パネル16が支持された栽培架台11と、レール12と、4つの光源ユニット21、22、23、24と、電流供給回路31とを有している。3つの光源ユニット21、22、23は、それぞれ、レール12の延在方向に離隔した個別光源である2つの発光ダイオード(LED)装置26を含んでいる。光源ユニット21、22、23において、光学素子によって屈折させられた光は、側面視における照射角度θ1、θ2、θ3(θ3>θ2>θ1)で鉛直下方に向かって出射され、栽培パネル16の上面での受光範囲の大きさはR1<R2<R3となっている。栽培架台11は、植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、順次移動していく。
【選択図】図1

Description

本発明は、完全制御型植物工場における植物栽培装置及び植物栽培方法に関する。
リーフレタスなどを周年計画生産できる栽培施設として、完全制御型植物工場が実用化されている。完全制御型植物工場では、栽培面を立体的(多段)に配置し、栽培空間を有効活用することで、敷地面積当たりの栽培密度・効率を向上させる方法が主流である。完全制御型植物工場では、太陽光を完全に遮断した建物内で温度、湿度及び炭酸ガス濃度などを制御し、蛍光ランプが太陽光に代わる人工光源として利用されている。
蛍光ランプの場合、ランプの長さ方向の左右と中央付近での光量がばらついており、均一に光を植物に照射することは難しく、植物までの距離を10cm以下にすると葉が焼けてしまうといった欠点がある。
また、蛍光ランプの場合は、発光源となる蛍光体の配分を変えることで、波長を操作することが可能であるが、この波長を栽培中に自在に変化させることは困難である。
最近では、特許文献1に示されているように、発光ダイオード(LED)装置を光源とした完全制御型植物工場が実用化されつつある。LED装置は、年々発光効率が高い商品が開発されてきているだけでなく、波長を栽培中に自在に変化させること、配列や配置を決めればほぼ均一に栽培面に光を照射すること、及び、発熱量が少ないために蛍光ランプよりも植物体の近くに配置することが可能である。これらの理由によって、完全制御型植物工場の光源としてLED装置が注目されている。
特開2008−131909号公報
一般に完全制御型植物工場での植物の栽培においては、植物の苗を白色の栽培パネルに植え付けて、光の反射効果を高めるなどの工夫がなされている。そして、植え付ける際は、収穫時の大きさを想定して、苗と苗の間隔をある程度(リーフレタスの場合15〜20cm)離しておくことが一般的である。
例えばリーフレタス等を正常に生育させるには、植物に照射される蛍光ランプ又はLED装置の光は、これら光源から約10cm離れたところで平均して200〜300μmol/m/s程度の光量子束密度となることが必要である。しかしながら、必要な光量子束密度が得られるように栽培パネルに向けて一様な光を照射した場合、定植直後においては苗が小さいため、LED装置から出射された光がすべてが植物に照射される訳ではなく、その多くが栽培パネルに照射されてしまう。したがって、光エネルギーが有効に利用されないだけでなく、完全制御型植物工場のランニングコストが過大となる。
本発明の目的は、これまでより大幅に光エネルギーを有効利用することができると共に、ランニングコストを低減することが可能な完全制御型植物工場における植物栽培装置及び植物栽培方法を提供することである。
本発明に係る完全制御型植物工場における植物栽培装置は、植物が植え付けられる栽培パネルと、発光ダイオード装置をそれぞれ含む一又は複数の個別光源と、前記一又は複数の個別光源に駆動電流を供給する電流供給手段と、前記一又は複数の個別光源から出射された光を前記栽培パネルに植え付けられた植物に照射するためにそれぞれが所定の照射領域を有するように屈折させる一又は複数の光学素子と、植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、前記一又は複数の光学素子に係る一又は複数の前記照射領域に対して、前記栽培パネルを相対的に移動させる移動手段とを備えている。
本発明に係る完全制御型植物工場における植物栽培方法は、植物が植え付けられる栽培パネルと、発光ダイオード装置をそれぞれ含む一又は複数の個別光源と、前記一又は複数の個別光源に駆動電流を供給する電流供給手段と、前記一又は複数の個別光源から出射された光を前記栽培パネルに植え付けられた植物に照射するためにそれぞれが所定の照射領域を有するように屈折させる一又は複数の光学素子とを備えた、完全制御型植物工場における植物栽培装置を用いて行われる植物栽培方法であって、植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、前記一又は複数の光学素子に係る一又は複数の前記照射領域に対して、前記栽培パネルを相対的に移動させるものである。
これによると、植物の成長に合わせて植物の存在範囲及びその近傍だけを受光範囲にすることが可能なので、LED装置から植物への光の照射効率が大幅に高められ、栽培パネルに照射される光の比率が少なくなる。したがって、エネルギーの有効利用を図ることができる。
なお、本発明において、「照射領域」とは、光源から出射される光の3次元的な存在範囲を意味するものとする。また、「受光範囲」とは、栽培パネルの上面による光源の照射領域の2次元的な断面範囲を意味しているとする。
本発明において、前記移動手段は、植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、前記複数の光学素子に係る前記複数の照射領域内に順次前記栽培パネルを相対的に移動させてよい。これによると、栽培パネルを多段配置構造としやすい。
このとき、前記複数の光学素子が、前記複数の個別光源から出射された光を互いに異なる照射角度となるように屈折させ、前記移動手段が、次第に大きな照射角度に係る照射領域内に植物が位置するように、前記栽培パネルを同一水平面内において相対的に移動させることが好ましい。これによると、栽培パネルを相対的に移動させる機構を簡易なものとすることができる。
さらにこのとき、前記電流供給手段は、照射角度の大きな前記光学素子に係る前記個別光源ほど多くの光量を出射するように、前記複数の個別光源に駆動電流を供給することが好ましい。これによると、植物の成長に合わせて必要な光量子束密度を確保することが可能となる。
また、本発明に係る植物栽培装置は、複数の発光ダイオード装置を含み、前記複数の個別光源に係る最も大きな受光範囲よりも大きな受光範囲を形成する面光源をさらに備えており、前記移動手段は、前記複数の個別光源に係る最も大きな照射角度に対応する照射領域内に植物が位置した後に、前記面光源に係る照射領域内に植物が位置するように、前記栽培パネルを同一水平面内において相対的に移動させることが好ましい。これによると、例えば植物がある程度成長して栽培パネルの表面が広範囲にわたって植物で覆われた後で面光源に係る受光範囲内に植物を位置させることで、以後に栽培パネルを相対的に移動させる必要がなくなる。
また、前記栽培パネルには植物を植え付けるための植付領域が複数設けられていると共に、同じ照射角度を有する前記個別光源がそれぞれ前記植付領域の数以上設けられており、隣り合う2つの前記植付領域のピッチが、同じ照射角度を有する隣り合う2つの前記個別光源のピッチと同じであることが好ましい。これによると、複数の植物を1つの栽培パネルを用いて同時に効率的に栽培することができる。
前記移動手段は、前記栽培パネルに植え付けられる植物の種類に応じた成長速度情報及び前記複数の個別光源の受光範囲に関する情報を記憶する記憶手段を含んでおり、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、成長速度情報に従って成長する仮想的な植物が受光範囲からはみ出さないように前記栽培パネルを相対的に移動させることが好ましい。これによると、LED装置から植物への光の照射効率がより一層高められるために、栽培パネルに照射される光が最小限に抑えられる。
本発明によると、植物の成長に合わせて植物の存在範囲及びその近傍だけを受光範囲にすることが可能なので、LED装置から植物への光の照射効率が大幅に高められ、栽培パネルに照射される光の比率が少なくなる。したがって、エネルギーの有効利用を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る植物栽培装置の模式的な全体図である。 図1に描かれた植物栽培装置に含まれる個別光源及び光学素子の拡大詳細図である。 栽培パネルの平面図である。 互いに異なる光源ユニットに属する3つの個別光源から出射される光量を比較したグラフである。 (a)は栽培パネルに植え付けられる植物の種類に応じた成長速度情報の一例を示している。(b)は互いに異なる光源ユニットに属する3つの個別光源の受光範囲に関する情報の一例を示している。 図1に描かれた植物栽培装置を用いた場合の消費電力削減効果を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示す植物栽培装置1は、太陽光を完全に遮断した完全制御型植物工場の栽培室内に配置されている。栽培室内の温度及び湿度は、図示しない空調機によって年間を通して植物の生育に最適な一定温度(15〜25℃程度)に調整されている。なお、本実施の形態では、多段構成ではない単段構成を有する植物栽培装置1を例にして説明するが、本発明は多段構成にも適用することが可能である。
植物栽培装置1は、栽培架台11と、レール12と、4つの光源ユニット21、22、23、24と、電流供給回路31とを有している。栽培架台11の上部には、後述する栽培パネル16(図3参照)が支持されている。4つの光源ユニット21、22、23、24は、同一水平面内にあって、レール12の上方に位置している。4つの車輪11aを有する栽培架台11は、その内部に配置された駆動装置であるモータ11bを駆動源としてレール12上を図中左右に一直線に往復移動可能となっている。栽培架台11のモータ11bは、制御装置14によって制御される。制御装置14は、モータ制御回路14a、成長速度情報記憶部14b、及び、受光範囲情報記憶部14cを有している。これらの詳細については後述する。なお、制御装置14は、図1では栽培架台11外に設けられているが、栽培架台11内に設けられていてもよい。
本実施の形態において、制御装置14、レール12、及び、車輪11aを含む栽培架台11が、栽培パネル16を移動させる移動手段を構成している。
栽培パネル16としては、上方開放箱型で、断熱効果が高い発泡スチロール製のものが用いられている。栽培パネル16は、たん液式(DFT)またはかん液式(NFT)の循環方式に対応したものであって、図示しない栽培液の循環装置と接続されている。なお、養液を噴霧方式としてもよい。
3つの光源ユニット21、22、23は、それぞれ、レール12の延在方向に離隔した2つの発光ダイオード(LED)装置26を含んでいる。各LED装置26は、個別光源として機能する。各光源ユニット21、22、23に設けられるLED装置26の数は1以上の任意の数であってよい。各光源ユニット21、22、23には、後述する凹部16a(図3参照)の数以上のLED装置26が設けられていることが好ましい。
各LED装置26内には、R(赤)、G(緑)及びB(青)の三色をそれぞれ出射する3つのLED(図示せず)が配置されている。本実施の形態において、Rは660nm、Gは550nm、Bは450nmにそれぞれピーク波長を有している。電流供給回路31から3つのLEDに供給される電流を制御することによって、これら3つのLEDの出射強度比を変更することができる。本実施の形態において、光量比R:G:Bは3:1:1である。RGBの3色は常に混合させることが好ましい。また、植物を植え付けた初期における苗の時期にはBの波長強度を強くし、収穫直前にはRの波長強度を強くすることが好ましい。
図2に示すように、光源ユニット21、22、23のLED装置26から出射された光は、その下方に配置された光学素子(例えばレンズ)27によって屈折させられる。なお、図1において、光学素子27の図示を省略している。光源ユニット21において、光学素子27によって屈折させられた光は、側面視における照射角度θ1で鉛直下方に向かって出射される。照射角度θ1は、側面視である限りにおいてどの方向からでも同じである。つまり、光学素子27からは、ほぼ円錐形状に光が出射され、その中心軸が鉛直軸と一致しており、照射角度θ1の円錐形状の領域が光源ユニット21における照射領域である。
同様に、光源ユニット22において、光学素子27によって屈折させられた光は、側面視における照射角度θ2(θ2>θ1)で鉛直下方に向かって出射される。そして、光源ユニット23において、光学素子27によって屈折させられた光は、側面視における照射角度θ3(θ3>θ2)で鉛直下方に向かって出射される。照射角度θ2の円錐形状の領域が光源ユニット22における照射領域であり、照射角度θ3の円錐形状の領域が光源ユニット23における照射領域である。
図1において、栽培パネル16の上面による照射角度θ1、θ2、θ3の照射領域の2次元的な断面範囲である受光範囲を、それぞれ、R1、R2、R3として示している。栽培パネル16の上面と3つの光源ユニット21、22、23の下面との距離は一定であるため、R1<R2<R3という関係が成り立っている。
3つの光源ユニット21、22、23において、2つのLED装置26のピッチは、それぞれ、D1、D2、D3となっている。これらは互いに同じ距離である(D1=D2=D3)。
光源ユニット24は、レール12の延在方向に離隔した複数(好適には3つ以上)のLED装置26を含んでいる。これら複数のLED装置26から出射された光は、レンズのような光学素子を介することなく植物へと照射される。光源ユニット24には、これが面光源として機能するのに十分な数のLED装置26がレール12の延在方向に一次元的に配列されている。したがって、図1に示すように、光源ユニット24のLED装置26から出射された光は、光源ユニット24の下面から下方及び斜め外方に向かって伝播する。光源ユニット24の下面は、栽培架台11の上面と同じかこれよりも広い面積を有している。一変形例として、光源ユニット24の複数のLED装置は、レール12の延在方向とこれに直交する方向とについて二次元的に配列されていてもよい。
光源ユニット21、22、23と同様に、光源ユニット24の各LED装置26内には、R(赤)、G(緑)及びB(青)の三色をそれぞれ出射する3つのLED(図示せず)が配置されている。電流供給回路31から3つのLEDに供給される電流を制御することによって、これら3つのLEDの出射強度比を変更することができる。
図1において、栽培パネル16の上面による光源ユニット24に係る照射領域の2次元的な断面範囲である受光範囲をR4として示している。本実施の形態では、R4は栽培パネル16の上面のほぼ全域であり、R4>R3となっている。
図3に示すように、栽培パネル16の上面には、レール12の延在方向つまり栽培パネル16の移動方向に離隔した2つの凹部16aが設けられている。2つの凹部16aのピッチD4は、上述した3つの光源ユニット21、22、23における2つのLED装置26のピッチD1、D2、D3と等しい(D1=D2=D3=D4)。各凹部16aは、植物を植え付けるための植付領域として機能する。植物は各凹部16aの中央付近に植え付けられる。
電流供給回路31は、照射角度の大きな光学素子27に係るLED装置26ほど多くの光量(光度エネルギー)を出射するように、3つのLED装置26に駆動電流を供給する。図4は、3つの光源ユニット21、22、23のLED装置26(図4ではθ1、θ2、θ3と略記している)毎の光量を描いたグラフである。光量の大小関係がこのようになるよう、電流供給回路31は、光源ユニット23のLED装置26には光源ユニット22のLED装置26よりも大きな駆動電流を、光源ユニット22のLED装置26には光源ユニット21のLED装置26よりも大きな駆動電流をそれぞれ供給する。詳細には、駆動電流は、いずれのLED装置26の照射領域でも栽培パネル16の上面に形成される受光範囲R1、R2、R3において光量子束密度が植物の成長に十分な同じ値(一例として、200〜500μmol/m/sの範囲にある値)になるように決定されている。一変形例として、植物が成長するに連れて光量子束密度が次第に増加するようにしてもよい。
また、電流供給回路31は、光源ユニット24に係る全体の光量が光源ユニット23内の1つのLED装置26による光量よりも大きくなるように駆動電流を供給する。詳細には、受光範囲R4における光量子束密度が受光範囲R1、R2、R3における光量子束密度と同じになるように、光源ユニット24の各LED装置26に駆動電流を供給する。一変形例として、受光範囲R4における光量子束密度が受光範囲R1、R2、R3における光量子束密度よりも大きくなるようにしてもよい。
制御装置14の詳細について説明する。成長速度情報記憶部14bは、栽培パネル16に植え付けられた植物について、図5(a)に示すような、凹部16aに植え付けられた日を初日とした経過日数(成育日数)と、その植物の大きさ(直径)とを対応付けたグラフ、つまり成長速度情報を記憶している。この情報は、成長に十分な光量子束密度が植物に照射されたときに実測により得られたものである。一変形例として、成長速度情報記憶部14bは、経過日数と植物の大きさとを数式又はテーブルとして記憶していてもよい。
受光範囲情報記憶部14cは、3つの光源ユニット21、22、23に係る受光範囲R1、R2、R3について、その大きさ(直径)つまり受光範囲情報を記憶している。図5(b)においては、一例として、受光範囲R1の大きさが30mm、R2の大きさが100mm、R3の大きさが200mmとしている。
そして、モータ制御回路14aは、成長速度情報記憶部14b及び受光範囲情報記憶部14cの記憶内容に基づいてモータ11bを制御することによって、成長速度情報記憶部14bに記憶された成長速度情報に従って成長する仮想的な植物が受光範囲からはみ出さないように、栽培架台11をレール12に沿って移動させる。この制御に基づいて、栽培架台11は、まず、光源ユニット21に係る受光範囲R1に凹部16aが含まれる位置に移動する。その後、植物が成長してその大きさが受光範囲R1の大きさを超える直前に、栽培架台11は、光源ユニット22に係る受光範囲R2に凹部16aが含まれる位置に移動する。さらに、植物が成長してその大きさが受光範囲R2の大きさを超える直前に、栽培架台11は、光源ユニット23に係る受光範囲R3に凹部16aが含まれる位置に移動する。最後に、植物が成長してその大きさが受光範囲R3の大きさを超える直前に、栽培架台11は、光源ユニット24に係る受光範囲R4に凹部16aが含まれる位置に移動する。受光範囲R1、R2、R3については、栽培架台11は、凹部16aの中心の真上にLED装置26の中央があるような位置で停止していることが好ましい。そして、収穫時期まで栽培架台11は受光範囲R4に凹部16aが含まれる位置で静止している。
以上説明したように、本実施の形態に係る植物栽培装置1によると、ピンポイント照射、つまり植物の成長に合わせて植物の存在範囲及びその近傍だけを受光範囲にすることが可能なので、常に栽培パネル16の全面にLED装置26からの光を照射している場合と比較してLED装置26から植物への光の照射効率が大幅に高められ、栽培パネル16に照射される光の比率が少なくなる。したがって、エネルギーの有効利用を図ることができ、消費電力を大幅に削減できる。
また、本実施の形態では、植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、照射角度θ1、θ2、θ3をそれぞれ有する3つの照射領域内に順次栽培パネル16を移動させている。これとは別の手法として、1つの照射角度を有する1つの照射領域内でのみ栽培パネル16を上下移動させて受光範囲の大きさを変動させることができるが、この場合植物栽培装置1全体が背の高いものとなりやすく栽培パネル16を多段配置構造としにくい。これに対して、本実施の形態では栽培パネル16を多段配置構造としやすいという利点がある。
また、本実施の形態では、3つの光学素子27が、3つのLED装置26から出射された光を互いに異なる照射角度となるように屈折させ、次第に大きな照射角度に係る照射領域内に植物が位置するように栽培パネル16を同一水平面内において移動させているので、栽培パネル16を移動させる機構を簡易なものとすることができる。
さらに、電流供給回路31は、照射角度の大きな光学素子27に係るLED装置26ほど多くの光量を出射するように複数のLED装置26に駆動電流を供給するので、植物の成長に合わせて必要な光量子束密度を確保することが可能となる。
また、本実施の形態の植物栽培装置1は、複数のLED装置26を含み、受光範囲R3よりも大きな受光範囲R4を形成する面光源としての光源ユニット24を含んでおり、最も大きな照射角度θ3に対応する照射領域内に植物が位置した後に、光源ユニット24に係る照射領域内に植物が位置するように、栽培パネル16を同一水平面内において移動させる。このようにすれば、例えば植物がある程度成長して栽培パネル16の表面が広範囲にわたって植物で覆われた後で光源ユニット24に係る受光範囲R4内に植物を位置させることで、以後に(例えば収穫時期まで)栽培パネル16を相対的に移動させる必要がなくなる。
また、本実施の形態では、隣り合う2つの凹部16aのピッチD4が、同じ照射角度を有する隣り合う2つのLED装置26のピッチ(D1=D2=D3)と同じであるので、複数の植物を1つの栽培パネル16を用いて同時に効率的に栽培することができる。
加えて、本実施の形態では、成長速度情報に従って成長する仮想的な植物が受光範囲からはみ出さないように栽培パネル16を移動させるようにしているので、LED装置26から植物への光の照射効率がより一層高められるために、栽培パネル16に照射される光が最小限に抑えられる。
次に、上述した植物栽培装置1を用いた植物栽培方法の実施例について、リーフレタスを例として説明する。
リーフレタスは、苗を植えてから15日目までは少しずつ成長し、あまり大きくならない。そして、定植から16日目あたりから急激に成長を始める。この事実から、例えば光源ユニット24のような面光源を用いて栽培全期間にわたって栽培パネル16の全面にエネルギーを投入すると、その多くが植物に照射されず無駄になる。そこで、上述した植物栽培装置1を用いて植物を栽培する実験を行った。
図6において、線S1は、植え付けから5日目までは光源ユニット21に係る受光範囲R1内に、6日目から10日目までは光源ユニット22に係る受光範囲R2内に、11日目から20日目までは光源ユニット23に係る受光範囲R3内に、そして、21日目から29日目までは光源ユニット24に係る受光範囲R4内に、植物が位置するようにした場合の経過日数と1株あたりの積算消費電力量との関係を示している。この場合、植え付けから5日目までは個別光源を用いており、しかも植物の成長に連れてより広い受光範囲内に位置するように栽培パネル16を移動させているため、積算消費電力量の増加率は非常に小さく抑えられることが分かる。
一方、線S2は、植え付けから29日目まで光源ユニット24に係る受光範囲R4内に、植物が位置するようにした場合の経過日数と1株あたりの積算消費電力量との関係を示している。この場合、植え付け当初から面光源を用いているため、積算消費電力量の増加率は大きく、当初の20日間で線S1とは積算消費電力量に大きな差が生じていることが分かる。一例として、30日経過時点における積算消費電力量を比較すると、線S1は線S2の1/3程度である。
このように植物栽培装置1を用いて栽培を行うことで消費電力を大幅に削減することが可能となる。この効果は、リーフレタス以外の植物を栽培する場合についても得られることが予想される。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更を上述の実施の形態に施すことが可能である。例えば、上述した実施の形態では、LED装置26を固定して栽培パネル16を移動させているが、逆に栽培パネル16を固定してLED装置26(光源ユニット21、22、23、24)を移動させてもよい。また、上述したように、栽培パネル16を多段配置構造としてもよい。さらに、上述した実施の形態では複数の個別光源を用いているが、任意の照射角度を有する個別光源を1つだけ用いて、栽培パネルを徐々に下方へと移動させて受光範囲を広げていってもよい。
本発明において、必ずしも移動手段が必要というわけではない。移動手段がない場合、手動操作で栽培パネル16を移動させればよい。また、移動手段がある場合でも、上述した実施の形態で説明した成長速度情報記憶部14b及び受光範囲情報記憶部14cを用いずに、人間が植物を観察することに基づいて、モータ制御回路14a及びモータ11bを用いて栽培パネル16を移動させてもよい。
その他、上述した実施の形態は以下のように変更することが可能である。
・3つの光源ユニット21、22、23の照射角度をすべて同じとして、栽培パネル16を斜め下に移動させることで受光範囲を徐々に広げていってもよい。
・3つの光源ユニット21、22、23から下方に向けて互いに幅の異なる平行光線(後段の光源ユニットほど照射領域が大きくなる)を出射し、栽培パネル16を上述した実施の形態と同様に水平面内で一直線に移動させてもよい。
・3つの光源ユニット21、22、23に係るLED装置26が互いに同じ光量を出射してもよい。
・光源ユニット24のような面光源を用いなくてもよい。つまり、収穫時期まで個別光源を用いて栽培を行ってもよい。
・栽培パネル16には植付領域が1つだけ設けられていてもよい。
・栽培パネル16には植付領域が2次元的に設けられていてもよい。
・レンズ以外の光学素子を用いてもよい。
・植物の存在範囲が受光範囲から多少はみだすように栽培パネル16を移動させてもよい。
・個別光源を含む光学ユニットを2つまたは4つ以上設けてもよい。
1 植物栽培装置
11 栽培架台
11a 車輪
11b モータ
12 レール
14 制御装置
14a モータ制御回路
14b 成長速度情報記憶部
14c 受光範囲情報記憶部
16 栽培パネル
16a 凹部(植付領域)
21、22、23、24 光源ユニット
26 発光ダイオード(LED)装置
27 光学素子(レンズ)
31 電流供給回路


Claims (8)

  1. 植物が植え付けられる栽培パネルと、
    発光ダイオード装置をそれぞれ含む一又は複数の個別光源と、
    前記一又は複数の個別光源に駆動電流を供給する電流供給手段と、
    前記一又は複数の個別光源から出射された光を前記栽培パネルに植え付けられた植物に照射するためにそれぞれが所定の照射領域を有するように屈折させる一又は複数の光学素子と、
    植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、前記一又は複数の光学素子に係る一又は複数の前記照射領域に対して、前記栽培パネルを相対的に移動させる移動手段とを備えていることを特徴とする完全制御型植物工場における植物栽培装置。
  2. 前記移動手段は、植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、前記複数の光学素子に係る前記複数の照射領域内に順次前記栽培パネルを相対的に移動させることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
  3. 前記複数の光学素子が、前記複数の個別光源から出射された光を互いに異なる照射角度となるように屈折させ、
    前記移動手段が、次第に大きな照射角度に係る照射領域内に植物が位置するように、前記栽培パネルを同一水平面内において相対的に移動させることを特徴とする請求項2に記載の植物栽培装置。
  4. 前記電流供給手段は、照射角度の大きな前記光学素子に係る前記個別光源ほど多くの光量を出射するように、前記複数の個別光源に駆動電流を供給することを特徴とする請求項3に記載の植物栽培装置。
  5. 複数の発光ダイオード装置を含み、前記複数の個別光源に係る最も大きな受光範囲よりも大きな受光範囲を形成する面光源をさらに備えており、
    前記移動手段は、前記複数の個別光源に係る最も大きな照射角度に対応する照射領域内に植物が位置した後に、前記面光源に係る照射領域内に植物が位置するように、前記栽培パネルを同一水平面内において相対的に移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載の植物栽培装置。
  6. 前記栽培パネルには植物を植え付けるための植付領域が複数設けられていると共に、同じ照射角度を有する前記個別光源がそれぞれ前記植付領域の数以上設けられており、
    隣り合う2つの前記植付領域のピッチが、同じ照射角度を有する隣り合う2つの前記個別光源のピッチと同じであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の植物栽培装置。
  7. 前記移動手段は、前記栽培パネルに植え付けられる植物の種類に応じた成長速度情報及び前記複数の個別光源の受光範囲に関する情報を記憶する記憶手段を含んでおり、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、成長速度情報に従って成長する仮想的な植物が受光範囲からはみ出さないように前記栽培パネルを相対的に移動させることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の植物栽培装置。
  8. 植物が植え付けられる栽培パネルと、発光ダイオード装置をそれぞれ含む一又は複数の個別光源と、前記一又は複数の個別光源に駆動電流を供給する電流供給手段と、前記一又は複数の個別光源から出射された光を前記栽培パネルに植え付けられた植物に照射するためにそれぞれが所定の照射領域を有するように屈折させる一又は複数の光学素子とを備えた、完全制御型植物工場における植物栽培装置を用いて行われる植物栽培方法であって、
    植物が成長するに連れてより広い受光範囲内に位置するように、前記一又は複数の光学素子に係る一又は複数の前記照射領域に対して、前記栽培パネルを相対的に移動させることを特徴とする植物栽培方法。
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