JP2018010824A - ワイヤーハーネス製造用装置及びワイヤーハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤーハーネス製造用装置及びワイヤーハーネスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、結束されたワイヤーハーネスを複数の作業ステーション間で受け渡すのに好適な技術を提供することを目的とする。【解決手段】ワイヤーハーネス製造用装置20は、複数の可動作業ステーション30と、ハンガー50と、を備える。複数の可動作業ステーション20は、移動経路に沿って一列に配されると共に前記移動経路に沿って往復移動可能に設けられている。各可動作業ステーション30は、車両の配設形態に応じて広がったワイヤーハーネス10を支持し、前記ワイヤーハーネス10に対する作業が行われる図板32と、前記図板32が固定されると共に前記図板32を搬送可能な可動フレームとを含む。ハンガー50は、前記移動経路に沿った少なくとも中間位置の上方に吊り下げられる態様で前記移動経路に沿って複数設けられ、前記ワイヤーハーネス10を長尺状のまま支持可能である。【選択図】図1

Description

この発明は、ワイヤーハーネスを製造する技術に関する。
特許文献1では、分割された布線板において布線及び結束された仕掛中のワイヤーハーネスをレールに沿って移動自在に吊るされた複数のフック付ワイヤにかけ、この状態で複数のフック付ワイヤを移動させることによってワイヤーハーネスを検査台に搬送する方法を開示している。
このほかワイヤーハーネスを製造する手法としては、固定された複数の作業ステーション間で作業台車を用いて仕掛中のワイヤーハーネスを搬送する手法も採用されている。
特開2012−119110号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数のフック付ワイヤが相互に移動自在であるため、ワイヤーハーネスを移動させる際に隣り合うフック付ワイヤの間隔が変わることによってワイヤーハーネスがフック付ワイヤから脱落する恐れ、又はワイヤーハーネスに対して曲げ応力或いは引張応力がかかる恐れなどが生じる。
また、上記作業台車を用いた手法では、図板上で広がったワイヤーハーネスをバンド等によって作業台車での搬送に適した形態に束ねる作業、及び束ねられたワイヤーハーネスを図板での作業に適した形態に広げる作業が必要で有り、載せ替え作業が面倒であった。
そこで、本発明は、結束されたワイヤーハーネスを複数の作業ステーション間で受け渡すのに好適な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置は、車両の配設形態に応じて広がったワイヤーハーネスを支持し、前記ワイヤーハーネスに対する作業が行われる図板と、前記図板が固定されると共に前記図板を搬送可能な可動フレームとを含み、移動経路に沿って一列に配されると共に前記移動経路に沿って往復移動可能に設けられた複数の可動作業ステーションと、前記移動経路に沿った少なくとも中間位置の上方に吊り下げられる態様で前記移動経路に沿って複数設けられ、前記ワイヤーハーネスを長尺状のまま支持可能なハンガーと、を備える。
第2の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置は、第1の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置であって、前記移動経路のうち少なくとも一部の経路に沿って上流側から下流側に向けて前記可動作業ステーションを搬送可能に設けられたコンベアをさらに備える。
第3の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置は、第2の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置であって、前記可動作業ステーションは、前記コンベアに対してロックすることで前記コンベアの駆動力を前記可動フレームに伝えるロック部をさらに含み、前記ロック部のロックが解除された状態で、前記可動フレームは手動で前記移動経路に沿って移動可能に設けられている。
第4の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置は、第2又は第3の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置であって、上流側から流れてくる前記可動作業ステーションが前記コンベアの下流端に達したことを検知して前記コンベアを停止させる停止センサをさらに備える。
第5の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置は、第1から第4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネス製造用装置であって、前記ハンガーは、下向きに開閉可能に形成された一対の爪部を有するキャッチハンガーを含む。
第6の態様に係るワイヤーハーネス製造用装置は、第1から第5のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネス製造用装置であって、前記ハンガーは、鉛直方向に沿って延びる基柱部と、前記基柱部の下端から側方に延びる支持部とを有する載置ハンガーを含む。
第7の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、移動経路に沿って一列に並ぶ複数の図板に仕掛品を載せ替えつつワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネスの製造方法であって、(a)前記移動経路に沿った中間位置において、前記複数の図板のうち上流側の図板から前記図板の上方に設けられたハンガーへワイヤーハーネスを掛ける工程と、(b)前記上流側の図板を前記中間位置よりも上流側へ移動させると共に、前記複数の図板のうち下流側の図板を前記中間位置よりも下流側から前記中間位置に移動させる工程と、(c)前記中間位置で前記ハンガーから前記ワイヤーハーネスを降ろし、前記下流側の図板へ載せる工程と、を備える。
第8の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、第7の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法であって、前記工程(a)は、前記図板に載せられた前記ワイヤーハーネスに対して作業しつつ前記中間位置まで前記ワイヤーハーネスごと前記図板を搬送する工程を含み、前記工程(c)は、前記図板に載せられた前記ワイヤーハーネスに対して作業しつつ前記中間位置から前記ワイヤーハーネスごと前記図板を搬送する工程を含む。
第9の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、第8の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法であって、前記図板に載せられた前記ワイヤーハーネスに対して作業しつつ、コンベアを用いて前記図板を搬送する。
第1から第6の態様によると、ワイヤーハーネス製造用装置は、以下のように運用される。即ち、移動経路に沿った上流側の可動作業ステーションで作業が終わったワイヤーハーネスを可動作業ステーションごと移動経路に沿って中間に位置する受渡位置に搬送し、可動作業ステーションからハンガーに移し替える。ワイヤーハーネスをハンガーに移し替えた当該上流側の可動作業ステーションは上記受渡位置より上流側に退避する。そして、下流側の可動作業ステーションが上記受渡位置に移動し、当該ハンガーに掛けられたワイヤーハーネスを受け取る。このように、ワイヤーハーネスを、可動作業ステーションごと、つまり、図板にしっかり支持された状態で受渡位置まで及び受渡位置から搬送できる。また、受渡位置でハンガーに掛けられたワイヤーハーネスは、受渡位置で待機する。これらより、作業ステーション間でワイヤーハーネスを搬送する際に脱落等の恐れを抑制することができると共に受渡時にワイヤーハーネスをバンド等で束ねる作業を省略することができる。また、上流側の可動作業ステーションにおいて作業を行いながら受渡位置まで移動することもできる。この場合、移動と作業とを別に行う場合に比べて移動時間を省略することができ、製造にかかる時間の短縮を図ることができる。以上より、本発明のワイヤーハーネス製造用装置を用いることで結束されたワイヤーハーネスを複数の作業ステーション間で好適に受け渡すことができる。
特に、第2の態様によると、可動作業ステーションが上流側から下流側に向かうときにコンベアでの搬送が可能となる。これにより、コンベアをペースメーカーとして各可動作業ステーションでの作業のペースメイキングを図ることができる。また、コンベアで流れ作業を行うことによって、各可動作業ステーション間での作業時間に差がある場合に遅い可動作業ステーションが顕在化する。これにより、作業管理の改善の促進を図ることができ、以て、全体としての能率の向上を図ることができる。
特に、第3の態様によると、往路をコンベアで、復路を手動でそれぞれ可動作業ステーションを移動させることで、往復共にコンベアの場合に比べて設備の簡略化を図ることができる。
特に、第4の態様によると、コンベアが停止することで、作業者が作業の遅れをより確実に認識することができる。
特に、第5の態様によると、可動作業ステーション上のワイヤーハーネスを上方に持ち上げてそのままキャッチハンガーに保持させることができる。また、キャッチハンガーに掛けられたワイヤーハーネスをそのまま下方に下げることで可動作業ステーション上にワイヤーハーネスを載せることができる。これらより、ハンガーと可動作業ステーションとの間でのワイヤーハーネスの受渡作業が容易になる。
特に、第6の態様によると、ワイヤーハーネスを広げた状態で載置ハンガーに載置できる。また、ワイヤーハーネスが重い場合でも、確実に載置ハンガーに掛けることができる。
特に、第7の態様によると、ワイヤーハーネスを、図板に載せられた状態で、つまり、しっかり支持された状態で受渡の位置まで及び受渡の位置から搬送できる。この時、受渡の位置でハンガーに掛けられたワイヤーハーネスは、受渡の位置で待機するため、脱落等の恐れを抑制することができる。以上より、結束されたワイヤーハーネスを複数の作業ステーション間で容易に受け渡すことができる。
特に、第8の態様によると、図板上のワイヤーハーネスに対して作業を行いながら中間位置まで及び中間位置から移動することで、移動時間を省略することができ、作業時間の短縮を図ることができる。
特に、第9の態様によると、図板をコンベアで搬送することによってコンベアをペースメーカーとして図板での作業のペースメイキングを図ることができる。
実施形態に係るワイヤーハーネス製造用装置を示す概略斜視図である。 実施形態に係るワイヤーハーネス製造用装置を示す部分概略正面図である。 コンベアに用いられるチェーンを示す概略平面図である。 ロック部を示す説明図である。 キャッチハンガーを示す概略正面図である。 載置ハンガーを示す概略正面図である。 別の載置ハンガーを示す概略正面図である。 ワイヤーハーネスを受け取りに行く様子を示す説明図である。 ワイヤーハーネスをハンガーから受け取る様子を示す説明図である。 ワイヤーハーネスに対して作業を行う様子を示す説明図である。 ワイヤーハーネスをハンガーに受け渡す様子を示す説明図である。 変形例に係るワイヤーハーネス製造用装置を示す概略斜視図である。
{実施形態}
以下、実施形態に係るワイヤーハーネス製造用装置及びワイヤーハーネスの製造方法について説明する。図1は、実施形態に係るワイヤーハーネス製造用装置20を示す概略斜視図である。図2は、実施形態に係るワイヤーハーネス製造用装置20を示す部分概略正面図である。図3は、コンベア70に用いられるチェーン72を示す概略平面図である。図4は、ロック部40を示す説明図である。図5は、キャッチハンガー50Aを示す概略正面図である。図6は、載置ハンガー50Bを示す概略正面図である。図7は、別の載置ハンガー50Cを示す概略正面図である。
<ワイヤーハーネス>
まず、製造対象となるワイヤーハーネス10(図9参照)について説明する。
ワイヤーハーネス10は、複数のコネクタが複数の電線12を介して接続されている。より詳細には、ワイヤーハーネス10は、複数の電線12が分岐しつつ結束された構成とされている。そして、ワイヤーハーネス10の各分岐先では、複数の電線12の端部がコネクタに挿入接続されている。本ワイヤーハーネス10が車両に組込まれた状態で、各コネクタが車両に搭載された各種電気部品に接続される。これにより、ワイヤーハーネス10は、車両に搭載された各種電気部品を電気的に接続する役割を果す。ワイヤーハーネス10に含まれる電線12は、車両における敷設経路に応じた形態で分岐されつつ結束される。
<ワイヤーハーネス製造用装置>
ワイヤーハーネス製造用装置20は、複数の可動作業ステーション30と、複数のハンガー50と、を備える。ここではワイヤーハーネス製造用装置20は、コンベア70と停止センサ80とこれらを制御する制御部90とをさらに備える。
複数(ここでは、5つ)の可動作業ステーション30は、移動経路に沿って一列に配されている。5つの可動作業ステーション30は、移動経路に沿って往復移動可能に設けられている。ここでは、5つの可動作業ステーション30では、上流側の可動作業ステーション30から順に、クリップ(クランプともいう)取付作業、第1外観検査作業、導通検査作業、オプション取付作業、第2外観検査作業の各作業が行われるものとして説明する。もっとも、可動作業ステーション30の数及び各可動作業ステーション30で行われる作業は上記に限られるものではない。各可動作業ステーション30は、図板32と、可動フレーム34とを含む。ここでは各可動作業ステーション30は、ロック部40と、状態維持部46とをさらに含む。
図板32は、例えば、平板状に形成される。図板32の上面には、治具等が配設され、車両の配設形態に応じて広がったワイヤーハーネス10を支持する。図板32上でワイヤーハーネス10に対する上記各作業が行われる。従って、5つの可動作業ステーション30の各図板32は、その可動作業ステーション30で行われる作業に応じて治具のレイアウト等が異なっていることが考えられる。
可動フレーム34は、図板32が固定される部分である。また、可動フレーム34は、図板32を搬送可能に設けられている。ここでは可動フレーム34は、図板支持部36と、キャスタ38とを有する。図板支持部36は、例えば、平板状又は長方形枠体状に形成され、図板32を載置可能に設けられている。キャスタ38は、図板支持部36から下方に突設されている。キャスタ38が後述する固定フレーム22の走行部27を走行することで、可動フレーム34が固定フレーム22に対して往復移動可能となる。
なお、ここでは、図板32は可動フレーム34に水平に支持されているが、このことは必須ではない。図板32は、可動フレーム34に傾斜して支持されていてもよい。しかしながら、図板32が可動フレーム34に水平に支持されていることで、作業者が移動経路に沿った両側に分かれて図板32上のワイヤーハーネス10に作業することができる。また、作業者が移動経路に沿った両側に分かれて図板32上のワイヤーハーネス10に作業することで、作業完了後、作業者が速やかに可動作業ステーション30の両側を持って手動で可動作業ステーション30を移動させることができる。
また、可動フレーム34の下の空間には、図板32に設置する治具等を収める収容部が配されてもよい。この場合、収容部は、移動経路に沿って移動せずに固定されていてもよいし、移動経路に沿って移動するものであってもよい。移動経路に沿って移動する場合、可動フレーム34と連結されて可動フレーム34と共に移動するものであってもよいし、可動フレーム34とは独立して移動するものであってもよい。
ロック部40は、コンベア70に対してロックすることでコンベア70の駆動力を可動フレーム34に伝える。ロック部40のロックが解除された状態で、可動フレーム34は手動で移動経路に沿って移動可能に設けられている。ここでは、ロック部40は、各可動作業ステーション30に設けられている。具体的には、ロック部40は、一対の軸受部41と、シャフト42と、回転体43と、レバー44と、ロック片45と有する。一対の軸受部41は図板32上に、第1方向に間隔をあけて設置される。シャフト42は第1方向に延在して軸受部41に回転可能に支持される。回転体43は、例えば円板状に形成され、シャフト42の回転と連動して回転するようにシャフト42の外周にしまりばめされている。回転体43は後述する一対のチェーン機構部71に対応する位置に一対設けられている。レバー44は、作業者が回転体43を回転させることができるように一対の回転体43の少なくとも一方に設けられている。ロック片45は各回転体43に相対回転可能に支持されている。ロック片45は、長尺棒状に形成され、一端側で回転体43と連結されている。ロック片45のうち回転体43との連結部分はチェーン72の上方に位置し、ロック片45は当該連結部分から下方に延びるように設けられている。ロック片45は、図板32及び図板支持部36にそれぞれ設けられた貫通孔32h、36hに挿通されている。ロック片45と回転体43との連結部分は、ロック状態のときにロック解除状態のときより下方に下がり、チェーン72に嵌まるようになっている。ロック片45と回転体43との連結部分は、ロック解除状態のときとロック状態のときとで、回転体43の回転中心を通る水平面に対して対称な位置に位置しているとよい。
図4の仮想線(二点鎖線)に示すように、ロックが解除された状態で、ロック片45の先端はチェーン72の上方に位置し、ロック片45はチェーン72に挿し込まれていない。この状態で作業者がレバー44を引くとレバー44に連結された回転体43が回転する。レバー44に連結された回転体43が回転するとシャフト42が回転し、レバー44の連結されていない回転体43も回転する。各回転体43が回転すると、各回転体43と各ロック片45との連結部分も回転する。これにより、各回転体43に支持されたロック片45が下方に下がり、図4の実線に示すように、チェーン72に挿し込まれた状態となる。なお、回転体43が回転してロック片45が下方に下がる際、ロック片45は図板32及び図板支持部36の貫通孔32h、36hの内周面にガイドされる。もっとも、貫通孔32h、36hの内周面以外にガイド部が設けられていてもよい。また、ロック片45が回転体43に回転可能に支持されているため、ロック片45は、概ね下向きの姿勢のまま下方に下がる。
なお、ここでは、ロック片45は、回転体43に連結される部分と、チェーン72に挿し込まれる部分とが一体に設けられているが、このことは必須ではない。ロック片のうち回転体43に連結される部分と、チェーン72に挿し込まれる部分とが別体に設けられ、他の介在部材を介して連結されていてもよい。これにより、回転体43の回転に伴ってロック片のうちチェーン72に挿し込まれる部分が挿し込み動作中に挿し込み方向に対して傾斜すること及び第1方向と直交する第2方向に位置ずれすることを抑制できる。
状態維持部46は、ロック部40のロック状態及びロック解除状態の少なくとも一方の状態を維持できるように設けられている。状態維持部46は、ロック片45を位置決めすることでロック状態及びロック解除状態の少なくとも一方の状態を維持できるように設けられている。具体的には状態維持部46は、ここでは、ロック片45の側面に形成された凹部45hと、ロック片45が移動経路に沿って移動したときに当該凹部45hに嵌まるボールプランジャ47等とで構成されている。このとき、図4に示す例では、凹部45hは、ロック位置及びロック解除位置の両方の位置に対応する位置に形成される。これにより、ロック片45がロック位置及びロック解除位置のそれぞれの位置に位置したときに凹部45hにボールプランジャ47が嵌ることでその状態に維持される。ボールプランジャ47は第2方向に沿って作動するように設けられている。作業者は、比較的強い力でレバー44を操作するなどしてボールプランジャ47の凹部45hへの嵌りこみを解除したうえでさらにレバー44を操作することで、ロック状態とロック解除状態とに状態変更可能となる。
もっとも、凹部45hがロック位置とロック解除位置との両方の位置に設けられることは必須ではない。例えば、レバー44がロック位置又はロック解除位置のどちらか一方の位置に位置するようにレバー44又は回転体43等が付勢され、凹部45hがロック位置又はロック解除位置のどちらか他方の位置に設けられることも考えられる。この場合、ボールプランジャ47の凹部45hへの嵌りこみを解除することでレバー44がロック位置又はロック解除位置のどちらか一方の位置に戻るように構成されている。
ここでは、可動作業ステーション30は、固定フレーム22上に移動可能に支持されている。固定フレーム22は、水平方向の第1方向に間隔をあけて設けられた一対の支持柱24と、第1方向に延在して当該一対の支持柱24を繋ぐ継手25とを有する支持部材23を含む。支持部材23は、水平方向において上記第1方向と直交する第2方向に間隔をあけて複数設けられている。複数の支持部材23は上記継手25とは別の第2方向に延在する継手25でつなげられている。さらにここでは、固定フレーム22は走行部27を含む。
走行部27は、キャスタ38を走行可能に支持している。走行部27は、支持柱24から第1方向に延在するように突設されたレール支持部28と、レール支持部28上に配設され、第2方向に延在するレール29とを有する。レール支持部28は、支持柱24の一方から他方に向かう向きに突設されている。レール29は、移動経路全体に亘って連続的に延在している。
例えば、図板支持部36の第1方向に沿った寸法が、第1方向に沿った一対の支持柱24の内向き面の間隔よりも若干小さく設定され、かつ一対の支持柱24の間に図板支持部36が位置するように構成されることで、キャスタ38がレール29から脱輪することが抑制され、可動フレーム34が移動経路に沿って円滑に往復移動する。なお、一対の支持柱24に第2方向に延在するガイド部材が取付けられて、ガイド部材と図板支持部36との一方に溝が形成されると共に、他方に溝に嵌まると共に溝に沿って摺動する突部が形成されることも考えられる。このように溝と突部とが形成されることによっても可動フレーム34が移動経路に沿って脱輪することなく、円滑に往復移動する。
ハンガー50は、移動経路に沿った少なくとも中間位置の上方に吊り下げられる。ハンガー50は、移動経路に沿って複数設けられている。ハンガー50は、ワイヤーハーネス10を長尺状のまま支持可能である。ここでは、移動経路に沿って複数(図8に示す例では6つ)設けられたハンガー50で1つのワイヤーハーネス10を支持可能に形成されている。以下では、1つのワイヤーハーネス10を支持するこの複数(図8に示す例では6つ)のハンガー50をハンガー群50Gと称することがある。なお、若干の作業の早まり又は遅れを吸収できるように、ハンガー群50Gにおいてハンガー50がワイヤーハーネス10よりも若干(例えば、ハンガー50が1、2個分程度)長い範囲に設けられている、又はハンガー群50Gが移動経路に沿って若干(例えば、ハンガー50が1、2個分程度の間隔)移動可能に設けられていることも考えられる。ここでは、ハンガー群50Gが、移動経路に沿って複数箇所に設けられている。例えば、ハンガー群50Gは、各可動作業ステーション30間で受渡を行う位置に設けられていることが考えられる。また、ハンガー群50Gは、作業台車等から最上流の可動作業ステーション30にワイヤーハーネス10を受け渡すために移動経路に沿った最上流の位置に設けられていることも考えられる。もっとも、作業台車等から直接最上流の可動作業ステーション30にワイヤーハーネス10を受け渡す場合、移動経路に沿った最上流の位置にハンガー群50Gが設けられていない場合もあり得る。
ここでは、ハンガー50はハンガー支持フレーム60に吊り下げられている。ハンガー支持フレーム60は、水平方向の第1方向に間隔をあけて設けられた一対の支持柱62と、第1方向に延在して当該一対の支持柱62を繋ぐ継手63とを有する支持部材61を含む。支持部材61は、水平方向において上記第1方向と直交する第2方向に間隔をあけて複数設けられている。複数の支持部材61は上記継手63とは別の第2方向に延在する継手64でつなげられている。継手64の下方にハンガー50を支持するハンガー支持部65が支持されている。これにより、継手63、64の位置を高くしつつハンガー50の位置を低くすることができる。また、ハンガー50の位置を低くする際に、ハンガー50のうちハンガー支持部65と連結される部分を短くできる。ハンガー50のうちワイヤーハーネス10を支持する部分は、例えば、作業者の立つ床から100乃至130センチメートルの高さに設定され、概ね作業者よりも低く設定される。これにより、作業者が自身の身長よりも高くワイヤーハーネス10を持ち上げることが抑制され、作業者の負担軽減につながる。
各ハンガー50は、ハンガー支持部65から下方に延在する基柱部51と、基柱部51の先端に設けられたハーネス支持部52とを含む。ハンガー50は、ハーネス支持部52の形状の異なるキャッチハンガー50Aと載置ハンガー50B、50Cとを含む。
キャッチハンガー50Aのハーネス支持部52は、図5に示すように下向きに開閉可能に形成された一対の爪部53を有する。一対の爪部53は、ワイヤーハーネス10を爪部53に押し込む力で開閉可能であることが好ましい。これにより、作業者がワイヤーハーネス10を持ち上げて爪部53に押し込むことで、爪部53にワイヤーハーネス10を支持させることができる。爪部53は例えば、弾性変形することで開閉可能に形成されていることが考えられる。もっとも一対の爪部53は、回動可能にヒンジで連結され、磁石等で閉状態を維持可能に形成されていることも考えられる。作業者は、ワイヤーハーネス10を持ち上げると共に爪部53を開き、爪部53内にワイヤーハーネス10を収めたのち、爪部53を閉じることで爪部53にワイヤーハーネス10を支持させることができる。この場合、作業者はワイヤーハーネス10を持ち上げた状態で水平方向に移動させる必要がないため、容易にワイヤーハーネス10をハンガー50に掛けることができる。
載置ハンガー50B、50Cのハーネス支持部52B、52Cは、基柱部51の下端から側方に延びるように形成されている。ハーネス支持部52Bは、図6に示すように一直線上に延在するものであってもよい。また、ハーネス支持部52Cは、図7に示すように曲がりつつ延在するものであってもよい。この場合、ハーネス支持部52Cは、上面に下方に凹む凹み54が生じるように曲がっているとよい。これにより、当該凹み54にワイヤーハーネス10を載置した場合に、ワイヤーハーネス10がハーネス支持部52Cから落下しにくくなる。なお、ハーネス支持部52B、52Cは、基柱部51の下端から両側方に延びるように形成されているが、一側方にのみ延びるように形成されていてもよい。
キャッチハンガー50Aと載置ハンガー50B、50Cとは、1つのハンガー群50Gに共存していてもよいし、共存していなくてもよい。キャッチハンガー50Aは比較的軽量なワイヤーハーネス10を支持するのに向き、載置ハンガー50B、50Cは比較的重量なワイヤーハーネス10を支持するのに向く。従って、キャッチハンガー50Aと載置ハンガー50B、50Cとが1つのハンガー群50Gに共存する場合、ワイヤーハーネス10のうち比較的軽量な端末部を支持するハンガー50をキャッチハンガー50Aとし、ワイヤーハーネス10のうち比較的重量な幹線部の中間部分を支持するハンガー50を載置ハンガー50B、50Cとすることが考えられる。
コンベア70は、移動経路のうち少なくとも一部の経路に沿って上流側から下流側に向けて可動作業ステーション30を搬送可能に設けられている。ここでは、コンベア70は移動経路全体に亘って設けられている。本実施形態では、コンベア70として、チェーン機構部71を用いて構成されるチェーンコンベアが採用されているものとして説明する。もっとも、コンベア70として例えばベルトコンベア等の他の方式が採用されていてもよい。
具体的には、チェーン機構部71は、無端環状につなげられたチェーン72と、スプロケット78とを有する。チェーン72は、移動経路に沿った両端側でそれぞれスプロケット78によって回転移動可能に支持されている。このとき、チェーン72の張力を調整するために両端のスプロケット78の間隔は調整可能であるとよい。ここでは、チェーン機構部71は第1方向に間隔をあけて一対設けられている。一対のチェーン機構部71の対応するスプロケット78同士は、シャフト79で連結されている。そして、少なくとも一方のシャフト79を図示省略のモータで回転駆動させることで、スプロケット78が回転し、これによりチェーン72が回転する。なお、チェーン72のうち移動経路に沿った両端のスプロケット78の間に延在する部分は、例えば、固定フレーム22の支柱部に突設された図示省略のチェーンレール等によって走行可能に支持されるとよい。
ここでは、チェーン72は、一対の外板部73と、一対の外板部73の間に設けられる一対の内板部74とが延在方向に交互に連結されて構成されている。外板部73と内板部74とは軸部75によって相対回転可能に連結されている。より具体的には、外板部73は長尺板状に形成され、長尺方向に間隔をあけた2箇所に軸部75を通す貫通孔が形成されている。内板部74も同様に長尺板状に形成され、長尺方向に間隔をあけた2箇所に軸部75を通す貫通孔が形成されている。外板部73に形成された2つの貫通孔の間隔と内板部74に形成された2つの貫通孔の間隔は同程度に設定されている。これにより、ロック片45を一対の内板部74の間に挿し込むことも一対の外板部73の間に挿し込むこともできるようになっている。軸部75として一対の外板部73の貫通孔に圧入されるピン部材と、ピン部材の外周にすきまばめされ、一対の内板部74の貫通孔に圧入されるブッシュとを有することが考えられる。これにより、外板部73と内板部74とが相対回転可能となる。さらにここでは、軸部75のうち内板部74の間の部分に軸部75に対して回転自在にガイドローラ76が支持されている。ガイドローラ76は例えば、ブッシュの外周にすきまばめされる。ガイドローラ76が設けられることにより、ロック片45を挿し込む際に、ロック片45がガイドローラ76に当接した場合に、ガイドローラ76が回転してロック片45が円滑に隣り合うガイドローラ76間の空間にガイドされる。当該ガイドローラ76は、スプロケット78に噛合う際、及びチェーン72がチェーンレール上を走行する際のガイドの役割も兼ねる。
停止センサ80は、上流側から流れてくる可動作業ステーション30がコンベア70の下流端に達したことを検知してコンベア70を停止させる。停止センサ80としては、例えばスイッチを有する接触式のセンサであってもよいし、例えば発光部と受光部とを有する非接触式のセンサであってもよい。ここでは、停止センサ80は移動経路の下流端に設けられており、最下流の可動作業ステーション30がコンベア70の下流端に達したことを検知してコンベア70を停止させる。
ここでは、上述したようにコンベア70に従って流れ作業をしつつ上流側の可動作業ステーション30から下流側の可動作業ステーション30に順次ワイヤーハーネス10が受け渡される。従って、上流側の可動作業ステーション30での作業遅れは順次蓄積されて、最下流の可動作業ステーション30の作業可能範囲をひっ迫する。このように、作業遅れが蓄積されると、最下流の可動作業ステーション30でコンベア70に従って流れ作業をする際、下流端に達しても作業が完了しない場合が生じることが考えられる。このような場合に、停止センサ80がコンベア70を停止させることで、停止中に作業遅れを解消できると共に、作業遅れが生じていることを上流側の可動作業ステーション30の作業者が認識することができ、作業ペースの向上につなげることができる。また、作業管理者が停止センサ80の作動状況を把握することで、どの製造ラインで作業遅れが生じやすいかを認識しやすくなり、作業配分の見直しを図りやすくなる。
制御部90は、コンベア70、停止センサ80に接続されている。制御部90の制御下で、コンベア70、停止センサ80が動作を行う。制御部90は、CPU、ROM、RAM、外部記憶装置等がバスラインを介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROMは基本プログラム等を格納しており、RAMはCPUが所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。外部記憶装置には、OS(オペレーションシステム)、コンベア70を停止させる停止プログラムを含む運用プログラム等が格納されている。運用プログラムに記述された手順に従って、主制御部としてのCPUが演算処理を行うことにより、コンベア70、停止センサ80の動作制御がなされる。例えば、本制御部90からの制御信号が入出力インターフェースを介してコンベア70、停止センサ80に与えられ、コンベア70、停止センサ80が稼働制御される。また、例えば停止センサ80からの停止信号が入出力インターフェースを介して本制御部90に送られ、これを受けて本制御部90からの制御信号が入出力インターフェースを介してコンベア70に与えられ、コンベア70が停止制御される。
なお、本制御部90には、各種スイッチ、タッチパネル等により構成された入力部が接続され、ワイヤーハーネス製造用装置20は、入力部を通じて本制御部90に対する諸指示を受付可能に構成されていることが考えられる。
<製造方法>
次に、上記ワイヤーハーネス製造用装置20を用いたワイヤーハーネスの製造方法について図8乃至図11を参照しつつ説明する。図8は、ワイヤーハーネス10を受け取りに行く様子を示す説明図である。図9は、ワイヤーハーネス10をハンガー50から受け取る様子を示す説明図である。図10は、ワイヤーハーネス10に対して作業を行う様子を示す説明図である。図11は、ワイヤーハーネス10をハンガー50に受け渡す様子を示す説明図である。
ワイヤーハーネスの製造方法は、移動経路に沿って一列に並ぶ複数の図板32に仕掛品を載せ替えつつワイヤーハーネス10を製造する方法である。以下では、作業者の動作について、可動作業ステーション30での作業が終わり、ワイヤーハーネス10をハンガー50に掛けた直後から説明する。
まず、作業者は、可動作業ステーション30のロックを解除し、コンベア70の駆動力を受けない状態にする。具体的には、作業者は、レバー44を上げて、ボールプランジャ47による状態維持のロックを解除しつつロック片45をチェーン72から抜き、コンベア70へのロックを解除する。この状態で、作業者は、図8に示すように、可動作業ステーション30を手動で上流側に搬送する。
受け取るワイヤーハーネス10が掛けられたハンガー50の下方に可動作業ステーション30を搬送したら、作業者は、次に、図9に示すように、ハンガー50からハンガー50の下方に搬送した図板32上にワイヤーハーネス10を下ろす。
ワイヤーハーネス10を図板32に下ろしたら、作業者は、ワイヤーハーネス10に対する作業を開始すると共に、コンベア70へのロックをかけてコンベア70に従って流れ作業をする。具体的には、作業者は、ワイヤーハーネス10を図板32に応じた形状、つまり可動作業ステーション30での作業に適した形状に広げる。これと同時に又はこれと前後して、作業者はボールプランジャ47による状態維持のロックを解除しつつレバー44を下ろして、ロック片45をチェーン72に挿し込み、コンベア70へのロックを掛ける。これにより、可動作業ステーション30がコンベア70の駆動力を受けて移動経路に沿って上流側から下流側に流れる。ワイヤーハーネス10を広げると共にコンベア70へのロックがかかった状態で、作業者は、図10に示すように、ワイヤーハーネス10に対する作業を行いつつ、コンベア70の駆動力を受けて下流側に移動する可動作業ステーション30に足並みをそろえて下流側へ移動する。作業が終わるころには、可動作業ステーション30は、コンベア70によって受渡しを行うハンガー50の下方の位置に位置する。
そして、ワイヤーハーネス10に対する作業が終わったら、作業者は、図11に示すように図板32から図板32の上方に位置するハンガー50にワイヤーハーネス10を掛ける。
なお、最上流側の可動作業ステーション30では、受け取るワイヤーハーネス10はハンガー50に掛けられていない場合があり得る。この場合、最上流側の可動作業ステーション30では、作業台車等からワイヤーハーネス10を受け取る。
また、最下流側の可動作業ステーション30では、作業の終わったワイヤーハーネス10をハンガー50に掛けない場合があり得る。この場合、最下流側の可動作業ステーション30では、作業台車等にワイヤーハーネス10を受け渡す。
後は上記を繰り返すことで、ワイヤーハーネス10が流れ作業で1つずつ製造される。
ここで、ワイヤーハーネスの製造方法について1つのワイヤーハーネス10に着目して説明する。
当該ワイヤーハーネス製造用装置20に送られたワイヤーハーネス10は、まず、最上流側のハンガー50に掛けられる。この後、作業者の手によって当該ハンガー50の下方に移動してきた最上流の可動作業ステーション30の図板32に下ろされる。次に、作業者によって最上流の図板32上でクリップ取付作業が行われつつ、コンベア70によって可動作業ステーション30ごと下流側に送られる。そして、当該図板32でのクリップ取付作業が完了したら、移動経路に沿った中間位置において、作業者の手によって当該図板32から当該図板32の上方に設けられたハンガー50へ掛けられる。
ワイヤーハーネス10をハンガー50に移した図板32を含む最上流の可動作業ステーション30は、ハンガー50の下方の中間位置よりも上流側へ移動する。そして、ハンガー50に掛けられているワイヤーハーネス10は、上記中間位置よりも下流側から上記中間位置に移動してきた下流側の可動作業ステーション30の図板32に当該図板32を搬送してきた作業者の手によって下ろされる。
そして、ワイヤーハーネス10は、作業者によって下流側の図板32上で第1外観検査作業が行われつつ、コンベア70によって下流側の図板32を含む可動作業ステーション30ごと下流側に送られる。このようにして、ワイヤーハーネス10が4つの可動作業ステーション30を経る間に、ワイヤーハーネス10に対してクランプ取付作業、第1外観検査作業、導通検査作業及びオプション取付作業が行われて、ワイヤーハーネス10は最下流の可動作業ステーション30に受け渡される。そして、最下流の可動作業ステーション30に受け渡されたワイヤーハーネス10は、最下流の図板32上で作業者によって第2外観検査作業が行われつつ、コンベア70によって最下流の図板32を含む可動作業ステーション30ごと下流側に送られる。そして、最下流の可動作業ステーション30での第2外観検査作業が完了したら、作業者によって最下流の可動作業ステーション30から作業台車等に移される。
なお、最下流の図板32上での作業が遅れ、最下流の可動作業ステーション30がコンベア70の下端に到達した場合、停止センサ80が作動し、コンベア70が停止する。作業者はコンベア70が停止している間に、最下流の図板32上での作業を完了させ、ワイヤーハーネス10を作業台車等に移す。そして、最下流の可動作業ステーション30を上流側へ移動させて、コンベア70を復帰させる。
以上のように構成されたワイヤーハーネス製造用装置20及びワイヤーハーネスの製造方法によると、ワイヤーハーネス10を、可動作業ステーション30ごと、つまり、図板32にしっかり支持された状態で受渡位置まで及び受渡位置から搬送できる。また、受渡位置でハンガー50に掛けられたワイヤーハーネス10は、受渡位置で待機する。これらより、作業ステーション間でワイヤーハーネス10を搬送する際に脱落等の恐れを抑制することができると共に受渡時にワイヤーハーネス10をバンド等で束ねる作業を省略することができる。また、上流側の可動作業ステーション30において作業を行いながら受渡位置まで移動することもできる。この場合、移動と作業とを別に行う場合に比べて移動時間を省略することができ、製造にかかる時間の短縮を図ることができる。以上より、本発明のワイヤーハーネス製造用装置20を用いることで結束されたワイヤーハーネス10を複数の作業ステーション間で好適に受け渡すことができる。
また、作業台車等に載せ替えつつ作業ステーション間を移動する場合に比べて、仕掛品が1個流しされるため、作業の遅い作業ステーションに仕掛品が溜まることが抑制され、仕掛品の数を減少させることができる。
また、可動作業ステーション30が上流側から下流側に向かうときにコンベア70での搬送が可能となる。これにより、コンベア70をペースメーカーとして各可動作業ステーション30での作業のペースメイキングを図ることができる。また、コンベア70で流れ作業を行うことによって、各可動作業ステーション30間での作業時間に差がある場合に遅い可動作業ステーション30が顕在化する。これにより、作業管理の改善の促進を図ることができ、以て、全体としての能率の向上を図ることができる。
また、往路をコンベア70で、復路を手動でそれぞれ可動作業ステーション30を移動させることで、往復共にコンベアを用いる場合に比べて設備の簡略化を図ることができる。
また、停止センサ80が作動してコンベア70が停止することで、当該ラインで作業する作業者全体が作業の遅れをより確実に認識することができ、作業ペースの向上につなげることができる。また、作業管理者が停止センサ80の作動状況を把握することで、どの製造ラインで作業遅れが生じやすいかを認識しやすくなり、作業配分の見直しを図りやすくなる。
また、ハンガー50としてキャッチハンガー50Aが採用されることによって、可動作業ステーション30上のワイヤーハーネス10を上方に持ち上げてそのままキャッチハンガー50Aに保持させることができる。また、キャッチハンガー50Aに掛けられたワイヤーハーネス10をそのまま下方に下げることで可動作業ステーション30上にワイヤーハーネス10を載せることができる。これらより、ハンガー50と可動作業ステーション30との間でのワイヤーハーネス10の受渡作業が容易になる。
また、ハンガー50として載置ハンガー50B、50Cが採用されることによって、ワイヤーハーネス10を広げた状態で載置ハンガー50B、50Cに載置できる。また、ワイヤーハーネス10が重い場合でも、確実に載置ハンガー50B、50Cに掛けることができる。
また、図板32上のワイヤーハーネス10に対して作業を行いながら受け取った位置から受け渡す位置まで移動することで、移動時間を省略することができ、作業時間の短縮を図ることができる。
{変形例}
実施形態において、コンベア70が移動経路に沿った全体に設けられているものとして説明したが、このことは必須ではない。例えば、図12に示す変形例に係るワイヤーハーネス製造用装置20Aのようにコンベア70Aが移動経路に沿った一部にのみ設けられている場合もあり得る。
具体的には、ワイヤーハーネス製造用装置20Aでは、コンベア70Aにおいてチェーン72Aを含むチェーン機構部71Aは最上流に位置する可動作業ステーション30の作業範囲のみに設けられている。この場合、最上流の可動作業ステーション30とこれより1つ下流の可動作業ステーション30との間でワイヤーハーネス10を受け渡す場合、1つ下流の可動作業ステーション30がコンベア70Aの搬送領域に進入可能であることが考えられる。これにより、最上流の可動作業ステーション30が真上のハンガー50にワイヤーハーネス10を受け渡すことができると共に、1つ下流の可動作業ステーション30が真上のハンガー50からワイヤーハーネス10を受け取ることができる。もっとも、最上流の可動作業ステーション30とこれより1つ下流の可動作業ステーション30とのうち少なくとも一方が斜め上のハンガー50を介してワイヤーハーネス10の受渡しを行うものであってもよい。
もっとも、上記以外の一部の経路にのみコンベアが設けられることも考えられる。例えば、最上流の可動作業ステーションを含み、全体よりも少ない複数の可動作業ステーションの作業範囲にコンベアが設けられることも考えられる。また例えば、中間に位置するすくなくとも1つの可動作業ステーションの作業範囲にコンベアが設けられることも考えられる。また例えば、最下流の可動作業ステーションを含み、全体よりも少ない少なくとも1つの可動作業ステーションの作業範囲にコンベアが設けられることも考えられる。
また、実施形態において、ワイヤーハーネス製造用装置20がコンベア70を備えるものとして説明したが、このことは必須ではない。可動作業ステーション30は、往復とも手動で移動されるように構成されていてもよい。この場合、移動しながら作業することは必須ではなく、作業が完了してから移動するものであってもよい。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 ワイヤーハーネス
12 電線
20 ワイヤーハーネス製造用装置
22 固定フレーム
30 可動作業ステーション
32 図板
34 可動フレーム
36 図板支持部
38 キャスタ
40 ロック部
43 回転体
45 ロック片
46 状態維持部
50 ハンガー
50A キャッチハンガー
50B、50C 載置ハンガー
50G ハンガー群
51 基柱部
52、52B、52C ハーネス支持部
53 爪部
54 凹み
60 ハンガー支持フレーム
70 コンベア
71 チェーン機構部
72 チェーン
78 スプロケット
79 シャフト
80 停止センサ
90 制御部

Claims (9)

  1. 車両の配設形態に応じて広がったワイヤーハーネスを支持し、前記ワイヤーハーネスに対する作業が行われる図板と、前記図板が固定されると共に前記図板を搬送可能な可動フレームとを含み、移動経路に沿って一列に配されると共に前記移動経路に沿って往復移動可能に設けられた複数の可動作業ステーションと、
    前記移動経路に沿った少なくとも中間位置の上方に吊り下げられる態様で前記移動経路に沿って複数設けられ、前記ワイヤーハーネスを長尺状のまま支持可能なハンガーと、
    を備える、ワイヤーハーネス製造用装置。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネス製造用装置であって、
    前記移動経路のうち少なくとも一部の経路に沿って上流側から下流側に向けて前記可動作業ステーションを搬送可能に設けられたコンベアをさらに備える、ワイヤーハーネス製造用装置。
  3. 請求項2に記載のワイヤーハーネス製造用装置であって、
    前記可動作業ステーションは、前記コンベアに対してロックすることで前記コンベアの駆動力を前記可動フレームに伝えるロック部をさらに含み、
    前記ロック部のロックが解除された状態で、前記可動フレームは手動で前記移動経路に沿って移動可能に設けられている、ワイヤーハーネス製造用装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のワイヤーハーネス製造用装置であって、
    上流側から流れてくる前記可動作業ステーションが前記コンベアの下流端に達したことを検知して前記コンベアを停止させる停止センサをさらに備える、ワイヤーハーネス製造用装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス製造用装置であって、
    前記ハンガーは、下向きに開閉可能に形成された一対の爪部を有するキャッチハンガーを含む、ワイヤーハーネス製造用装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス製造用装置であって、
    前記ハンガーは、鉛直方向に沿って延びる基柱部と、前記基柱部の下端から側方に延びる支持部とを有する載置ハンガーを含む、ワイヤーハーネス製造用装置。
  7. 移動経路に沿って一列に並ぶ複数の図板に仕掛品を載せ替えつつワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネスの製造方法であって、
    (a)前記移動経路に沿った中間位置において、前記複数の図板のうち上流側の図板から前記図板の上方に設けられたハンガーへワイヤーハーネスを掛ける工程と、
    (b)前記上流側の図板を前記中間位置よりも上流側へ移動させると共に、前記複数の図板のうち下流側の図板を前記中間位置よりも下流側から前記中間位置に移動させる工程と、
    (c)前記中間位置で前記ハンガーから前記ワイヤーハーネスを降ろし、前記下流側の図板へ載せる工程と、
    を備える、ワイヤーハーネスの製造方法。
  8. 請求項7に記載のワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記工程(a)は、前記図板に載せられた前記ワイヤーハーネスに対して作業しつつ前記中間位置まで前記ワイヤーハーネスごと前記図板を搬送する工程を含み、
    前記工程(c)は、前記図板に載せられた前記ワイヤーハーネスに対して作業しつつ前記中間位置から前記ワイヤーハーネスごと前記図板を搬送する工程を含む、ワイヤーハーネスの製造方法。
  9. 請求項8に記載のワイヤーハーネスの製造方法であって、
    前記図板に載せられた前記ワイヤーハーネスに対して作業しつつ、コンベアを用いて前記図板を搬送する、ワイヤーハーネスの製造方法。
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