JP2018010202A - 電子写真感光体、その製造方法およびそれを含む画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
電子写真プロセスに用いられる感光体は、導電性支持体上に光導電性材料を含有する感光層が積層されて構成されている。
一方、有機系光導電性材料を主成分とする感光層を備えた感光体(「有機系感光体」ともいう)の研究開発が進み、現在では感光体の主流を占めてきている。
また、積層構造の感光層を有する有機系感光体では、導電性支持体と電荷発生層とが直接接しているために、帯電によって電界をかけた場合、電荷発生物質の一部で電荷が発生し、電荷発生物質が近くに存在するところで局所的に電位が低下し、反転現像においては白紙、グレー部にかぶりなどが発生するという問題があった。これは高温高湿環境で特に顕著であった。
電子写真感光体の中間層には、従来、金属酸化物の樹脂分散液を塗布する中間層、アルマイトの中間層、樹脂硬化型の中間層などの中間層が知られている。
中間層をアルマイト層とすれば、湿度による電気特性悪化は防止できる。しかし、アルマイト製の中間層は、強固な膜であるが、その作成に電解槽設備が別途必要となり、製造後、封孔処理が必要となること、材質がアルミニウムに限定されることなどの課題がある。
また、中間層用塗布液としてアルコール可溶性キレート化合物を用いる感光体(特許文献2)があるが、酸化チタン粒子を同一中間層中に分散させており、本願のような効果は期待できない。
さらに、樹脂硬化型の中間層もあるが、この場合、中間層が重合性樹脂により形成されるので、感光層を形成する場合に、感光層の溶剤選択が自由になるものの、中間層を重合により形成する際に用いた重合開始剤が残留し、電気特性の悪化につながるという問題がある。
さらに、本発明による感光層における中間層は、形成時に400℃以上の高温で熱処理するため、重合開始剤は分解、揮発して残留しないのでこれらによる電気特性の悪化もない。
図1は、本発明による電子写真感光体の一例である電子写真感光体10の構成を簡略化して示す概略断面図である。
図1の感光体10は、導電性支持体11上に、中間層12として緻密酸化チタン中間層13と多孔質酸化チタン中間層14、感光層15として電荷発生層16と電荷輸送層17とがこの順で形成されており、以下、この図を参照して本発明による1つの形態を説明する。
感光体10における導電性支持体11の構成材料は、電子写真感光体1の電極としての機能と支持部材としての機能を有し、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタン、ニッケルなどの金属材料、ガラスなどからなる支持体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
特に加工のしやすさからアルミニウムが好ましく、アルミニウムとしては純アルミニウム、JIS A3000系 A6000系のアルミニウム展伸材が用いられる。
本発明の中間層12は、緻密酸化チタン中間層13と多孔質酸化チタン中間層14からなる。
なお本発明において、中間層に対して用いられる「緻密層」とは、空隙が少なく、後に感光層を積層した場合に電荷発生物質や電荷輸送物質が浸潤しない層を意味する。
また、「多孔質層」とは、空隙が大きく該多孔質層上に感光層を形成する際に、電荷発生材料や電荷輸送材料が浸潤し表面積を拡大する効果を有する層を意味する。
緻密酸化チタン中間層は、多孔質酸化チタン中間層と共に中間層を構成するが、緻密酸化チタン中間層には、帯電性低下の原因となる支持体からの電荷注入を防止する効果がある。
緻密酸化チタン中間層は、細孔径が5nm以下の細孔しか有さず、厚みは、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。
緻密酸化チタン中間層の形成に使用できるチタンキレート化合物としては、DuPont社製TYZOR(登録商標)AAシリーズなどの市販品を使用できるが、チタンのアセト酢酸エステルキレート化合物やβ−ジケトンキレート化合物が好ましい。
アセチルアセトネートチタネートキレート(商品名 TYZOR AA、Dupont社製)、
エチルアセトアセテートチタネートキレート(商品名 TYZOR DC、Dupont社製)、
トリエタノールアミンチタネートキレート(商品名 TYZOR TE、Dupont社製)、および
ラクチックアシッドチタネートキレートアンモニウム塩(商品名 TYZOR LA、Dupont社製)
などが用いられる。
ジイソプロポキシチタニウムビス(メチルアセトアセテート)、
ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、
ジイソプロポキシチタニウムビス(プロピルアセトアセテート)、
ジイソプロポキシチタニウムビス(ブチルアセトアセテート)、
ジブトキシチタニウムビス(メチルアセトアセテート)、
ジブトキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、
トリイソプロポキシチタニウム(メチルアセトアセテート)、
トリイソプロポキシチタニウム(エチルアセトアセテート)、
トリブトキシチタニウム(メチルアセトアセテート)、
トリブトキシチタニウム(エチルアセトアセテート)、
イソプロポキシチタニウムトリ(メチルアセトアセテート)、
イソプロポキシチタニウムトリ(エチルアセトアセテート)、
イソブトキシチタニウムトリ(メチルアセトアセテート)、および
イソブトキシチタニウムトリ(エチルアセトアセテート)
などが挙げられる。
β−ジケトンキレート化合物としては、
ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、
ジイソプロポキシチタニウムビス(2,4−ヘプタンジオネート)、
ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、
ジブトキシチタニウムビス(2,4−ヘプタンジオネート)、
トリイソプロポキシチタニウム(アセチルアセトネート)、
トリイソプロポキシチタニウム(2,4−ヘプタンジオネート)、
トリブトキシチタニウム(アセチルアセトネート)、
トリブトキシチタニウム(2,4−ヘプタンジオネート)、
イソプロポキシチタニウムトリ(アセチルアセトネート)、
イソプロポキシチタニウムトリ(2,4−ヘプタンジオネート)、
イソブトキシチタニウムトリ(アセチルアセトネート)、および
イソブトキシチタニウムトリ(2,4−ヘプタンジオネート)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
多孔質酸化チタン中間層は、緻密酸化チタン中間層と共に中間層を構成するが、ミクロ的にみると多孔質層の細孔に電荷発生材料や電荷輸送材料が入り込むことにより、電荷発生層や電荷輸送層との界面の表面積を増加させ、生成する電荷量を増加させる効果がある。
多孔質酸化チタン膜の空隙率は30%以上70%以下が好ましい。30%未満であると表面積を増大させる効果に乏しくなり、70%を超えると膜の強度が低下する。
多孔質酸化チタン中間層の細孔径は10nm以上100nm以下が好ましく、厚みは、100〜20000nmが好ましく、200〜1500nmがさらに好ましい。
塗膜の熱処理工程における温度は、有機バインダを熱処理にて消失させる温度であれば特に限定されないが、400〜500℃が適当であり、450℃付近が特に好ましい。
一方、熱処理温度が500℃を超えると、支持体をアルミニウムにした場合に支持体が軟化して変形する恐れがあるので好ましくない。
電荷発生層は、半導体レーザ光などの光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を含有する。
電荷発生物質として有効な物質としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料;インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料;ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料;アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料;オキソチタニウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料;スクアリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料;ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機光導電性材料などが挙げられ、露光波長域に感度を有するものを適宜選択して用いることができる。これらの電荷発生物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷発生層は、結着性を向上させる目的でバインダ樹脂を含有していてもよい。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体上に形成された中間層の表面に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質および必要に応じてバインダ樹脂を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体上に形成された中間層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
これらの塗布方法の中でも、浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体の製造に好適に用いることができる。浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置が設けられていてもよい。
電荷発生層の膜厚は特に限定されないが、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。
電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下するおそれがある。また、電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷移動が感光層表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体の感度が低下するおそれがある。
電荷輸送層は、電荷発生層で発生した電荷を感光体表面まで輸送する機能を有する。
電荷輸送層は少なくとも電荷輸送物質とバインダ樹脂を含有する。
バインダ樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
50〜300重量部程度である。
電荷輸送層は、必要に応じて、ホール輸送物質、電子輸送物質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤、可塑剤、無機化合物もしくは有機化合物の微粒子などから選ばれる1種または2種以上を適量含んでもよい。
電荷輸送層形成用塗布液の調製に使用する溶剤としては、電荷発生層形成用塗布液の調製に使用するものと同様の溶剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
電荷輸送層の膜厚は特に限定されないが、5〜40μmが好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、感光体表面の帯電保持能が低下し、出力画像のコントラストが低下するおそれがある。また、電荷輸送層の膜厚が40μmを超えると、感光体の生産性が低下するおそれがある。
本発明の感光体は、図示していないが感光層上に表面保護層を有していてもよい。
表面保護層は、感光体の耐久性を向上させる機能を有し、バインダ樹脂からなり、電荷輸送層に含まれるものと同様の電荷輸送物質の1種または2種以上を含有していてもよい。
バインダ樹脂は、電荷発生層および電荷輸送層に含まれるものと同様のバインダが挙げられる。
その他の工程およびその条件は、中間層、電荷発生層および電荷輸送層の形成に準ずる。
表面保護層の膜厚は特に制限されないが、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
図2の感光体20は、導電性支持体21上に、中間層22と感光層25として電荷発生層26と電荷輸送層27がこの順で形成されており、本発明の比較例としての電子写真感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
<画像形成装置100>
本発明の画像形成装置100は、本発明による電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された静電潜像を現像して可視像化する現像手段と、現像によって可視像化された画像を記録媒体上に転写する転写手段とを備えることを特徴とする。
図3の画像形成装置(レーザープリンタ)100は、本発明の感光体1と、露光手段(半導体レーザー)31と、帯電手段(帯電器)32と、現像手段(現像器)33と、転写手段(転写帯電器)34と、搬送ベルト(図示せず)と、定着手段(定着器)35、クリーニング手段(クリーナ)36とを含んで構成され、符号51は転写紙を示す。
符号37は、転写紙と感光体を分離する分離手段、符号38は、画像形成装置の前記の各手段を収容するハウジングを示す。
まず、感光体1が駆動手段によって矢符41方向に回転駆動されると、露光手段31による光の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられる帯電器32によって、感光体1の表面が正の所定電位に均一に帯電される。
図1に示される感光体を作製した。
まず、アセチルアセトナートチタンキレート(商品名 TYZOR(登録商標)AA:Dupont社製)800gを、1−ブタノール3200gに溶解させ、緻密酸化チタン中間層形成用塗布液を作製した。
得られた緻密酸化チタン中間層形成用塗布液を塗布槽に満たし、これに表面洗浄した直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製ドラム状支持体を浸漬し、引き上げた。
なお、上記の膜厚は、熱処理前に緻密酸化チタン中間層形成用塗布膜の一部をふき取り、熱処理後に支持体と塗布膜の段差を表面粗さ測定機(東京精密社製、Surfcom1400D)で測定し算出した。
また形成した緻密酸化チタン中間層表面をSEMにて観測した結果、5nmφを超える細孔は観測されなかった。
得られた多孔質酸化チタン中間層形成用塗布液を塗布槽に満たし、上記の緻密酸化チタン中間層を形成した感光層用ドラムを浸漬し、引き上げた。
当該表面をSEMで測定したところ、多孔質酸化チタン中間層の空隙率は70%であった。
以下、中間層のいずれかの膜厚、中間層表面膜の細孔の大きさおよび空隙率は同様にして測定した。
次いで、電荷輸送物質として以下の構造:
を有するスチリル化合物(4-(2,2-ジフェニルエテニル)-N,N-ジ(p-トリル)アニリン、東京化成工業社製)400g、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(商品名:PCZ−400、三菱ガス化学株式会社製)600gを混合し、テトラヒドロフラン3000gを溶剤として固形分25重量%の電荷輸送層形成用塗布液を4kg調製した。
このようにして図1に示す感光体を作製した。
緻密酸化チタン中間層形成用塗布液の調製において実施例1で製造したチタンキレート化合物に代えて、エチルアセトアセテートチタネートキレート(商品名:TYZOR(登録商標)DC :Dupont社製)を用いること以外は実施例1と同様にして、図1に示す感光体を作製した。
実施例1と同様にして緻密酸化チタン中間層を形成した。
次に多孔質酸化チタン中間層形成用塗布液として実施例1で作製した塗布液に代えて、市販の酸化チタンペースト(日揮触媒化成社製PST−18NR、結晶型はアナターゼ型)4gをエタノール10gで希釈して塗布液とした。この塗布液を 浸漬塗布装置に代えてリング塗工装置により 緻密酸化チタン中間層の上に塗布し、450℃で1時間、熱処理をして、膜厚300nmの多孔質酸化チタン中間層を形成した。
空隙率は60%であった。
実施例1と同様にして、図1に示す感光体を作製した。
多孔質酸化チタン中間層形成用塗布液の調製において実施例3で使用した塗布液に代えて、市販の酸化チタンペースト(日揮触媒化成社製PST−18NR、結晶型はアナターゼ型)3gと市販の酸化チタンペースト(日揮触媒化成社製PST−400、結晶型はアナターゼ型)1gを混合してエタノール10gで希釈した塗布液を用いること以外は実施例3と同様にして、膜厚500nmの多孔質酸化チタン中間層を形成した。図1に示す感光体を作製した。
空隙率は65%であった。
実施例1で、多孔質酸化チタン中間層形成用塗布液の調製において使用した酸化チタン(日本アエロジル社製P-25、平均粒径30nm)に代えて酸化チタン(堺化学社製STR-60N、平均粒径19nm、結晶型はルチル型))200gを用いた他は実施例1と同様にして、図1に示す感光体を作製した。
空隙率は70%であった。
実施例1と同様にして緻密酸化チタン中間層を形成した。
次に、チタンブトキシド5.1gをアルゴン雰囲気中でエタノール7.1gに溶解させ、安定剤としてジエタノールアミンを1.1g加えた後、溶液を氷浴中で30分攪拌した。
その後、常温に戻した溶液にポリエチレングリコール(分子量1540)を1g加えて
1.5時間攪拌し、52時間静置したものを塗布液とした。
この塗布液を、実施例1で作製した塗布液に代えて、多孔質酸化チタン中間層形成用塗布液とした。
この塗布液を、浸漬塗布装置に代えてリング塗工装置により、緻密酸化チタン中間層上に塗布し、大気中で乾燥させ、500℃で1時間、熱処理をして膜厚1000nmの多孔質酸化チタン中間層(結晶型はアナターゼ型)を形成した。
他は実施例1と同様にして、図1に示す感光体を作製した。
空隙率は30%であった。
実施例1において、多孔質酸化チタン中間層を膜厚200nmとなるように形成した中間層とした以外は実施例1と同様にして、図1に示す感光体を作製した。
実施例1において多孔質酸化チタン中間層を膜厚2000nmとなるように塗布速度を調整した以外は実施例1と同様にして、図1に示す感光体を作製した。
アルミナおよびシリカで表面処理された酸化チタン粒子(テイカ社製MT-500SA、ルチル型結晶、平均粒径35nm)512gおよびポリアミド樹脂として4元共重合ナイロンである市販のポリアミド樹脂(東レ社製アミランCM8000)128gを、n−プロピルアルコールとテトラヒドロフランの1:1混合溶剤3340gに加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して中間層形成用塗布液4kgを調整した。塗布液を塗布槽に満たし、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製ドラム状支持体で表面洗浄したものを浸漬し、引き上げた。
自然乾燥し膜厚1μmの樹脂分散酸化チタンからなる中間層を形成した。
電荷発生層以降は実施例1と同様にして、図2に示す感光体を作製した。
実施例1において 多孔質酸化チタン中間層を形成せず 緻密酸化チタン中間層のみを中間層とした以外は実施例1と同様にして、図2に示す感光体を作製した。
実施例1において、緻密酸化チタン中間層を形成せずに多孔質酸化チタン中間層のみを中間層とした以外は実施例1と同様にして、図2に示す感光体を作製した。
以上のようにして作製した実施例1〜8および比較例1〜3の各感光体を、感光体の帯電手段としてコロナ放電帯電器を備える市販のデジタル複写機(商品名:MX−M465、シャープ株式会社製)にそれぞれ装着し、このデジタル複写機から現像器を取り外し、代わりに現像部位に画像形成過程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(商品名:model 344、トレック社製)を取り付けて、初期の電気特性および電気的耐久性を評価するための評価用装置に改造した。
電位変動ΔVLが小さい程、電気的特性の安定性に優れると評価した。
次の判定基準により電気的特性を評価した。
A:良好 ΔVL 全ての環境、使用において 60V未満。
B:やや不良 ΔVL いずれかの環境で60V以上80V未満。
C:不良 ΔVL いずれかの環境で80V以上。
画像特性は、現像器を搭載した状態でハーフトーン画像を出力して評価した。
初期および10万枚の画像形成後に出力した画像を目視で評価した。
具体的には、電気特性の評価に用いた試験用複写機に電子写真感光体を搭載して、N/N環境でハーフトーン画像を10枚印刷する。そして、印刷紙(A3版)1枚当たりに形成される周期性と電子写真感光体の回転周期とが一致しているか確認すると共に、目視可能な黒点と白点(直径0.4mm以上)の個数を計測し、画質評価を下記の基準で行った。
A:良好である(全ての印刷紙において黒点と白点の合計個数が3個/枚以下、かつモアレ等の濃度ムラなし)。
B:実用上問題無である(全ての印刷紙において黒点と白点の合計個数が4〜10個/枚、かつモアレ等の濃度ムラなし)。
C:実用上問題あり(黒点と白点の合計個数が11個/枚以上の印刷紙が1枚以上あるか、またはモアレ等の濃度ムラあり)。
以下の基準で評価を行った。
本発明の中間層を用いた感光体(実施例1〜8)は、従来の中間層を用いた感光体(比較例1〜3)に比べて、いずれの環境下でも高感度で繰返し使用時の電位変化が小さく、常に良好な画像濃度を実現できることが分かった。
なお、結晶型がルチル型のみからなる酸化チタンを用いた実施例5は、若干電気特性が劣るが実使用上問題とはならないレベルであった。
また緻密酸化チタン中間層のみである比較例2では、中間層でレーザー光を十分に散乱できず画像上に干渉縞(モアレ)が発生しており実使用上不都合があることが分かった。
11、21 導電性支持体
12、22 中間層
13 緻密酸化チタン中間層
14 多孔質酸化チタン中間層
15、25 感光層
16、26 電荷発生層
17、27 電荷輸送層
31 露光手段(半導体レーザ)
32 帯電手段(帯電器)
33 現像手段(現像器)
33a 現像ローラ
33b ケーシング
34 転写手段(転写帯電器)
35 定着手段(定着器)
35a 加熱ローラ
35b 加圧ローラ
36 クリーニング手段(クリーナ)
36a クリーニングブレード
36b 回収用ケーシング
37 分離手段
38 ハウジング
41、42 矢符
44 回転軸線
51 転写紙
100 画像形成装置(レーザプリンタ)
Claims (7)
- 導電性支持体と感光層が積層された電子写真感光体であって、前記導電性支持体と前記感光層との間に中間層が設けられており、該中間層が、緻密酸化チタン中間層と
多孔質酸化チタン中間層との2層からなる中間層であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記緻密酸化チタン中間層が、チタンキレート化合物を熱処理した緻密酸化チタン中間層である、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記緻密酸化チタン中間層が、チタンキレート化合物として、チタンのアセト酢酸エステルキレート化合物またはβ−ジケトンキレート化合物を熱処理した酸化チタンを含む、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記多孔質酸化チタン中間層が、アナターゼ型結晶の酸化チタンを含有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された静電潜像を現像して可視像化する現像手段と、現像によって可視像化された画像を記録媒体上に転写する転写手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 導電性支持体と感光層が積層された電子写真感光体であって、前記導電性支持体と前記感光層との間に中間層が設けられており、該中間層が、緻密酸化チタン中間層と多孔質酸化チタン中間層との2層からなる中間層であり、これらの中間層が、400℃以上500℃以下の加熱工程により形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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