JP2018009332A - 建具枠および建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】防火性能を向上できる建具枠および建具を提供すること。【解決手段】建具枠であるドア枠2は、上枠、下枠、縦枠を備える。縦枠は、保持片部322、422を有する枠本体と、保持片部322、422に取り付けられて、戸体である扉5の屋内面に当接可能なメインタイト材35,45と、建具枠の保持片部322、422よりも屋外側の位置に取り付けられて、扉5の側面に当接可能なサブタイト材36、46と、枠本体に設けられた加熱発泡材34、44とを備える。枠本体の見込み方向において、加熱発泡材34、44の屋外側端縁の位置P0は、サブタイト材36、46が枠本体に取り付けられた位置P1よりも屋内側であり、扉5の屋内面の位置P2よりも屋外側の位置に設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、建物の玄関ドアや勝手口ドアなどに用いられる建具枠および建具に関する。
従来より、勝手口ドア等の建具において、上枠、下枠、左右の縦枠の各枠を、アルミニウム合金の押出形材で形成し、その室内側に樹脂カバーや樹脂アングルを取り付け、前記各枠に、戸の室内側見付面に当接する不燃性タイト材と、熱膨張耐火材とを設けられた建具が知られている(特許文献1参照)。
前記熱膨張耐火材は、前記枠の見込面に接着され、火災時に発泡して不燃性タイト材に当接して不燃性タイト材に生じた亀裂を塞ぐことで、不燃性タイト材の亀裂部分を通して火炎や煙などが室内に侵入することを防止している。
特開2013−127169号公報
ところで、前記枠では、熱膨張耐火材(加熱発泡材)は、枠の見込面に接着されており、枠内面に露出しているため、戸を開いた際に、加熱発泡材が視認されやすく、意匠性が低下するという課題がある。特に、縦枠は、上枠や下枠に比べて利用者の視線に入りやすいため、縦枠において加熱発泡材が目立ちにくくすることが求められている。
また、枠の見込面に設けた熱膨張耐火材は、不燃性タイト材に生じた亀裂を塞ぐためのものであり、戸および枠間の隙間を塞ぐものではなかった。
このため、戸体および建具枠間の隙間を塞ぐことができ、意匠性も低下させない加熱発泡材が設けられた縦枠を備える建具枠と、この建具枠を備える建具とが求められている。
本発明の目的は、戸体および建具枠間の隙間を塞ぐことができ、意匠性も低下させない加熱発泡材が設けられた縦枠を備える建具枠および建具を提供することにある。
本発明の建具枠は、上枠、下枠および左右の縦枠を備える建具枠であって、前記左右の縦枠は、保持片部を有する枠本体と、前記保持片部に取り付けられて、前記建具枠に開閉可能に設けられる戸体の屋内面に当接可能な第1タイト材と、前記建具枠の前記保持片部よりも屋外側の位置に取り付けられて、前記戸体の側面に当接可能な第2タイト材と、前記枠本体に設けられた加熱発泡材とを備え、前記枠本体の見込み方向において、前記加熱発泡材の屋外側端縁の位置は、前記第2タイト材が前記枠本体に取り付けられた位置よりも屋内側であり、前記戸体の屋内面の位置よりも屋外側の位置に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、縦枠の枠本体に、第1タイト材および第2タイト材を設け、枠本体の見込み方向において、加熱発泡材の屋外側端縁の位置を、第2タイト材の枠本体への取付位置よりも屋内側であり、前記戸体の屋内面の位置よりも屋外側の位置に設定している。このため、加熱発泡材の少なくとも一部は、枠本体の見込み方向の位置が、前記戸体の側面に重なる位置に設けられることになる。すなわち、建具枠および戸体からなる建具を、側面側から投影した側面図において、加熱発泡材の少なくとも一部は戸体の側面に重なっている。したがって、火災時には加熱発泡材を戸体の側面に向かって発泡させて当接させることができ、枠本体に設けた加熱発泡材によって、戸体および建具枠間の隙間を塞ぐことができる。
また、第1タイト材が戸体の屋内面に当接し、第2タイト材が戸体の側面に当接するため、枠本体に設けた加熱発泡材は、第1タイト材および第2タイト材で囲まれた空間に発泡するように設けられる。したがって、戸体が閉められていれば、仮に枠本体の表面側に加熱発泡材が設けられていても、各タイト材で隠すことができる。
さらに、戸体を開いた場合も、加熱発泡材が設けられる枠本体部分は、第1タイト材および第2タイト材で隠されて見えにくくなるため、戸体を開いた場合でも加熱発泡材は視認され難くなり、意匠性も向上できる。
したがって、防火性能を高めた建具枠とすることができ、この建具枠を用いた建具の防火性能も向上できる。
本発明の建具枠において、前記枠本体は、金属製の屋外部材と、合成樹脂製の屋内部材とを備え、前記屋内部材は、内部空間を有する中空部を備え、前記加熱発泡材は、前記内部空間に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、縦枠の枠本体を、金属製の屋外部材と、合成樹脂製の屋内部材とで構成したので、枠本体を金属材のみで構成した場合に比べて、枠本体の断熱性能を向上できる。
また、加熱発泡材を、屋内部材の中空部の内部空間に設けたので、加熱発泡材が枠本体の表面、つまり戸体に対向する建具枠の開口内面に露出しないので、意匠性をさらに向上できる。
さらに、加熱発泡材を、中空部の内部空間に設けたので、加熱発泡材の容積は、内部空間の容積を上限に設定できる。したがって、枠本体の表面に貼り付ける場合に比べて、加熱発泡材の容積を容易に増やすことができ、発泡時に戸体と建具枠との間を確実に塞ぐことができる。
本発明の建具枠において、前記内部空間には、前記屋外部材に連結された金属製のブラケットと、断熱材とが設けられていることが好ましい。
本発明によれば、屋内部材の内部空間に、金属製のブラケットおよび断熱材を設けているため、これらが設けられていない場合に比べて、内部空間において加熱発泡材が充填される空間を小さくできる。このため、加熱発泡材が発泡した際に、加熱発泡材が内部空間を充填する量を少なくでき、戸体側への発泡量を多くすることができる。したがって、戸体および建具枠間により多くの加熱発泡材を充填でき、遮炎性能を向上できる。
本発明の建具枠において、前記屋内部材は、合成樹脂材と前記加熱発泡材との一体成形品であることが好ましい。
本発明によれば、合成樹脂材と加熱発泡材との一体成形品で屋内部材を構成しているので、屋内部材に加熱発泡材を後から貼り付ける場合に比べて経年劣化における剥がれがおきにくい。また、縦枠の屋内部材は、2m以上の長さにもなる長尺の部材であり、この屋内部材の中空部の内部空間に加熱発泡材を後から貼り付ける場合は作業が煩雑になり、生産性が低下するが、一体成形品であれば共押出成型などで容易に製造でき、生産性も向上できる。
本発明の建具枠において、前記加熱発泡材は、前記枠本体において、前記戸体の側面に対向する表面に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、枠本体の表面に設けられる加熱発泡材は、第2タイト材および第1タイト材間に設けられて各タイト材で隠されるため、戸体を開いた場合でも視認され難くなり、意匠性を向上できる。
また、枠本体の表面に加熱発泡材が設けられているため、枠本体の構成の自由度が高まる。例えば、枠本体として、アルミ押出形材からなる屋外部材および屋内部材を、ウレタン樹脂等の断熱部材で連結したアルミ断熱形材を用いた場合でも、屋外部材に第2タイト材を取り付け、屋内部材に第1タイト材を取り付け、断熱部材の表面を被覆するように加熱発泡材を設けることができる。
本発明の建具は、前記建具枠と、前記建具枠に対して開閉可能に取り付けられる戸体と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前記建具枠を用いているので、戸体および建具枠間の隙間を塞ぐことができ、意匠性も向上できる。
本発明によれば、建具枠および建具において、戸体および建具枠間の隙間を塞ぐことができ、意匠性も向上できる。
本発明の第1実施形態に係るドアの外観姿図。 前記ドアの縦断面図。 前記ドアの横断面図。 前記ドアの扉の上骨および下骨を拡大して示す縦断面図。 前記扉の縦骨を拡大して示す横断面図。 前記扉の戸先側の縦骨を示す分解斜視図。 前記扉の戸先側の縦骨を示す分解斜視図。 前記扉の戸先側の側面を示す側面図。 前記ドアの上枠および上骨部分の加熱発泡材の発泡状態を示す図。 前記ドアの戸先側の縦枠および縦骨部分の加熱発泡材の発泡状態を示す図。 本発明の第2実施形態のドアの縦断面図。 本発明の第2実施形態のドアの横断面図。 本発明の第3実施形態のドアの縦断面図。 本発明の第3実施形態のドアの横断面図。 本発明の第4実施形態のドアの縦断面図。 本発明の第4実施形態のドアの横断面図。 本発明の第5実施形態のドアの横断面図。 本発明の変形例のドアの縦断面図。 前記変形例のドアの横断面図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、本発明の建具である玄関ドア1(以下、ドア1と略す)は、いわゆる片開きドアであり、建物の外壁開口部に固定される建具枠であるドア枠2と、このドア枠2に開閉可能に支持される戸体である扉5とを備えて構成されている。
[ドア枠の構成]
ドア枠2は、上枠10、下枠20および左右の縦枠30,40を有する。なお、図1の右側に配置される縦枠30が吊元側とされてピボットヒンジ4が取り付けられ、図1の左側に配置される縦枠40が戸先側とされている。また、以下の説明において、ドア枠2(上枠10、下枠20、縦枠30、40)や扉5の見込み方向とは屋内外方向(奥行き方向)を意味し、上枠10、下枠20の見付け方向とは上下方向を意味し、縦枠30、40の見付け方向とはドア枠2を正面(室外面や室内面)から見た際の左右方向を意味する。
[上枠の構成]
上枠10は、図2に示すように、屋外部材11と、屋内部材12と、カバー部材13と、メインタイト材15と、水密材18とを備える。なお、図2においては、メインタイト材15以外の樹脂材の断面をハッチングで示している。一方、金属材の断面に関しては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
屋外部材11は、中空枠形状とされたアルミ(金属)製の押出形材であり、躯体100の屋外面に取り付けられる取付片部111と、躯体100の下面つまり見込み方向に沿った見込み面に当接する当接片部112と、屋外部材11の下面(ドア枠2の見込み方向に沿った見込み面)を構成する下面部113と、当接片部112および下面部113を連結する屋内面部114とを備えている。
屋外部材11は、取付片部111にねじ込まれたネジ511と、下面部113に形成された図示略の孔から挿入されて、当接片部112にねじ込まれたネジ512とで躯体100に固定されている。下面部113に形成された孔は、図示略のキャップが装着されて塞がれている。
上枠10の屋内部材12は、金属に比べて熱伝導率の低い樹脂製の押出形材、例えば、EPDM(エチレンプロピレンゴム)やPVC(ポリ塩化ビニル)などの押出形材で構成されている。
屋内部材12は、屋外部材11の当接片部112および下面部113間に係合され、屋内面部114にネジ513で取り付けられている。
これにより、上枠10は、主にアルミ押出形材の屋外部材11と、樹脂形材の屋内部材12とを組み合わせた樹脂複合枠で構成され、屋外部材11および屋内部材12によって上枠10の枠本体が構成される。
屋内部材12は、略矩形枠状に形成された中空部121と、中空部121から下方に突出して設けられた保持片部122と、中空部121の室内側に設けられた凹溝部123とを備える。
中空部121の内部空間には、屋内部材12を構成する合成樹脂材と同時押出成型(共押出成型)された加熱発泡材14が設けられている。加熱発泡材14は、熱膨張性黒鉛などを含んで構成され、火災時などに温度が所定温度(例えば200度)以上になると、発泡して約20〜40倍程度に膨張し、遮炎材として機能するものである。以下で説明する他の加熱発泡材も同じ材質で構成されている。
加熱発泡材14は、中空部121において屋内部材12の下面(見込み面)に沿って設けられた下面部121Aの上面(下面部121Aの内部空間に面する裏面)に設けられている。また、下面部121Aの屋外側端部には、サブタイト材として機能するヒレ部121Bが斜め下方に向かって突設されている。なお、ヒレ部121Bは、屋内部材12と同様のEPDMやPVC等の一般的な合成樹脂材を用いることもでき、不燃性や難燃性の合成樹脂材を用いることもでき、サブタイト材として求められる性能を考慮した材質で形成できる。したがって、屋内部材12は、中空部121、保持片部122、凹溝部123を構成する合成樹脂材と、加熱発泡材14と、ヒレ部121Bを構成する合成樹脂材との3種類の材料を同時押出成型することで製造された共押出成形品(一体成形品)である。
保持片部122の室外面には、メインタイト材15が装着される溝が形成されている。
凹溝部123は、中空部121の上端部から屋内側に延出されて凹溝の底面を区画する底面部123Aと、底面部123Aの屋内端から下方に延出された屋内面部123Bとを備えて構成されている。したがって、中空部121の屋内側には、中空部121および凹溝部123で区画されて下面側が開口された凹溝が形成されている。この凹溝には、ネジ514が挿入され、底面部123Aを躯体100にネジ止めしている。
屋内部材12の凹溝部123内には、ビスホールを有する連結部材125が底面部123Aにネジ止めされている。
カバー部材13は、アルミ押出形材であり、屋内部材12の屋内露出面と、凹溝部123の開口とを被覆している。屋内面部123Bには、前記ネジ513をねじ込むための孔が形成されているが、この孔はカバー部材13で被覆されるため、上枠10の内観意匠が向上する。
メインタイト材15は、屋内部材12と同様のEPDMやPVC等の一般的な合成樹脂材で構成されている。メインタイト材15は、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
水密材18は、屋外部材11の下面部113の屋外側端部の溝に取り付けられ、屋外部材11および扉5間の隙間への雨水の吹き込みを低減する。
[下枠の構成]
下枠20は、図2に示すように、枠本体21と、ゴム製の沓摺部23と、メインタイト材25とを備える。下枠20は、モルタル納まりの熱の出入りを考慮し、上枠10、縦枠30,40のような樹脂複合枠ではなく、形材断熱枠で構成されている。すなわち、枠本体21は、アルミ押出形材からなる屋外部材211および屋内部材212を、ウレタン樹脂等の断熱部材213で連結したアルミ断熱形材で構成されている。
枠本体21の表面には、擦り傷対策用のステンレスカバー27がビス止めされている。
メインタイト材25は、メインタイト材15と同一の部品であり、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。したがって、下枠20の枠本体21の屋内露出面は、沓摺部23およびメインタイト材25で被覆されている。
[吊元側の縦枠の構成]
吊元側の縦枠30は、図3に示すように、アルミ押出形材からなる屋外部材31と、樹脂形材からなる屋内部材32と、アルミ押出形材からなるカバー部材33と、扉5の屋内面に当接可能に設けられた第1タイト材であるメインタイト材35と、扉5の側面(見込み面)に当接可能に設けられた第2タイト材であるサブタイト材36とを備える。なお、図3においても、メインタイト材35、45以外の樹脂材の断面をハッチングで示している。一方、金属材の断面に関しては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
屋外部材31は、屋外部材11と同様に中空枠形状とされ、躯体100の屋外面に取り付けられる取付片部311と、躯体100の側面に当接する当接片部312と、屋外部材31の側面(ドア枠2の見込み方向に沿った見込み面)を構成する側面部313と、当接片部312および側面部313を連結する屋内面部314とを備えている。取付片部311および当接片部312は、ネジ531、ネジ532で躯体100に固定されている。
縦枠30の上端部および下端部における屋外部材31の内部には、ピボットヒンジ4を取り付けるための補強板材37,38がネジ止めされている。
屋内部材32は、屋内部材12と同様に、樹脂製の押出形材で構成され、屋外部材31に係合され、さらにネジ533で固定されている。したがって、縦枠30も、主にアルミ押出形材の屋外部材31と、樹脂形材の屋内部材32とを組み合わせた樹脂複合枠で構成され、屋外部材31および屋内部材32によって縦枠30の枠本体が構成される。
屋内部材32は、略矩形枠状に形成された中空部321と、中空部321から扉側(見付け方向)に突出された保持片部322と、中空部321の室内側に形成された第二中空部323とを備える。
中空部321は、扉5に対向する側面(見込み面)に沿って設けられた側面部321Aを備える。側面部321Aの裏面側、つまり中空部321の内部空間側には、加熱発泡材34が同時押出成型で設けられている。したがって、屋内部材32は、合成樹脂材および加熱発泡材34との2種類の材料を同時押出成型することで製造された共押出成形品(一体成形品)である。
保持片部322の室外面には、メインタイト材35が装着される溝が形成されている。
第二中空部323は、ネジ534によって躯体100に固定されている。また、第二中空部323には、上枠10の連結部材125や、屋内部材212が当接し、これらに形成されたビスホールにねじ込まれるネジ(図示略)が設けられている。
カバー部材33は、アルミ押出形材であり、屋内部材32の屋内露出面を被覆している。
メインタイト材35は、メインタイト材15と同じ材質の合成樹脂材であり、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
サブタイト材36は、TPO(サーモポリオレフィン)等の建築用ガスケットとして利用される一般的な合成樹脂材であり、屋外部材31の屋内側端部の溝部分に嵌合され、扉5を閉めた際に扉5の側面(見込み方向に沿った見込み面)に当接する。
[戸先側の縦枠の構成]
戸先側の縦枠40は、縦枠30と同一構成であり、アルミ押出形材からなる屋外部材41と、樹脂形材からなる屋内部材42と、アルミ押出形材からなるカバー部材43と、扉5の屋内面(見付け面)に当接可能な第1タイト材であるメインタイト材45と、扉5の側面(見込み面)に当接可能な第2タイト材であるサブタイト材46とを備える。
屋外部材41は、屋外部材31と同じく取付片部411、当接片部412、側面部413、屋内面部414を備えている。取付片部411および当接片部412は、ネジ541、ネジ542で躯体100に固定されている。
屋外部材41には、図示を簡略するが、扉5に設けられた鎌錠やラッチボルトを受ける鎌錠受やラッチ受47が取り付けられている。
屋内部材42は、屋内部材32と同じく、屋外部材41に係合され、さらにネジ543で固定されている。したがって、縦枠40も、主にアルミ押出形材の屋外部材41と、樹脂形材の屋内部材42とを組み合わせた樹脂複合枠で構成され、屋外部材41および屋内部材42によって縦枠40の枠本体が構成される。
屋内部材42は、屋内部材32と同一構成であり、中空部421と、保持片部422と、第二中空部423とを備える。中空部421の側面部421Aの裏面側には、加熱発泡材44が同時押出成型によって設けられている。
保持片部422の室外面には、メインタイト材45が装着される溝が形成されている。
第二中空部423は、ネジ544によって躯体100に固定されている。第二中空部423には、上枠10の連結部材125や屋内部材212にねじ込まれるネジ(図示略)が設けられている。
カバー部材43はアルミ押出形材であり、屋内部材42の屋内露出面を被覆している。
メインタイト材45は、メインタイト材35と同一種類の合成樹脂製であり、扉5を閉めた際に扉5の屋内面に当接する。
サブタイト材46は、サブタイト材36と同一種類の合成樹脂材で構成され、屋外部材41の屋内側端部の溝部分に嵌合され、扉5を閉めた際に扉5の側面(見込み面)に当接する。
次に、縦枠30、40に設けられた加熱発泡材34、44の配置位置について、図3,5を参照して説明する。図5に示すように、枠本体の見込み方向において、サブタイト材36、46が枠本体に取り付けられた位置、具体的には、サブタイト材36、46の枠取付部361、461の屋内側端縁の位置をP1とする。また、枠本体の見込み方向において、扉5の屋内面の位置、具体的には、扉5を閉めた際にメインタイト材35、45に当接する位置をP2とする。そして、枠本体の見込み方向において、加熱発泡材34、44の屋外側端縁の位置をP0とすると、位置P0は、位置P1よりも屋内側であり、位置P2よりも屋外側の位置に設定されている。このため、加熱発泡材34、44において、位置P0から位置P2の範囲は、枠本体の見込み方向において、扉5の側面と重なる(ラップする)位置に設けられていることになる。すなわち、ドア1を、側面側(縦枠30側や縦枠40側)から投影した側面図において、加熱発泡材34、44の少なくとも一部(位置P0から位置P2の範囲)は扉5の側面に重なっている。
本実施形態では、扉5を閉めた際にメインタイト材35、45およびサブタイト材36、46間には屋外側および屋内側の各空間から区画される密閉空間が形成され、この密閉空間に面する側面部321A、421Aに加熱発泡材34、44が設けられている。このため、加熱発泡材34、44は、枠本体の見込み方向において、少なくともサブタイト材36、46の枠取付部361、461よりも屋内側であり、保持片部322、422よりも屋外側の範囲に設けられている。なお、本実施形態では、縦枠30の見込み方向における加熱発泡材34、44の屋内側端縁の位置P3は、加熱発泡材34、44が設けられた中空部321、421の屋内端縁の位置であり、保持片部322、422の屋外面および屋内面の間の位置とされている。
以上に説明したように、上枠10および下枠20は、縦枠30、40の上端部間および下端部間に配置され、ネジ止めされている。すなわち、上枠10、下枠20の左右の両端面は、縦枠30、40の屋外部材31、41の側面部313、413と、屋内部材32、42の側面部321A、421Aと、第二中空部323、423とに当接し、これらに形成された孔から上枠10、下枠20や、連結部材125に形成されたビスホールに図示略のネジをねじ込むことで、上枠10、下枠20、縦枠30、40が枠組みされている。
[扉の構成]
扉5は、図4,5にも示すように、枠体50と、枠体50の屋外側に固定された表面材である屋外面材51と、枠体50の屋内側に固定された表面材である屋内面材52と、屋外面材51と屋内面材52との間に設けられた断熱芯材53とを備えている。したがって、扉5は、骨材に鋼板を貼って平らに仕上げたフラッシュドアタイプである。また、本実施形態では、採光窓が設けられていない扉5を用いているが、扉に開口を設け、開口に採光用パネルを組み込んだ扉を用いてもよい。また、扉5の戸先側には、操作ハンドル3が設けられている。
屋外面材51および屋内面材52は、鋼板で構成されている。屋外面材51は、断熱芯材53の屋外面に沿って配置され、屋内面材52は断熱芯材53の屋内面に沿って配置されている。
断熱芯材53は、EPS(発泡ビーズ法ポリスチレン)製の断熱材で構成されている。なお、断熱芯材53は、フェノール樹脂系の断熱材を用いてもよいし、ハニカム材(水酸化アルミハニカム、セラミックハニカム、ペーパーハニカム)、フォーム材(イソシアヌレートフォーム、ウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム)等の断熱材が使用されてもよい。
[枠体の構成]
枠体50は、上骨60と、下骨70と、吊元側および戸先側の縦骨80、90とを、矩形状に組んで構成される。上下の上骨60および下骨70は同一の構成であるため、同一符号を付して説明する。縦骨80および縦骨90も同一の構成であるため、同一符号を付して説明する。なお、縦骨80、90は、後述する金属エッジ材55、樹脂エッジ材56が取付可能な構造とされている点が上骨60、下骨70と相違するが、基本的な構成は類似する。また、以下の説明において、枠体50(上骨60、下骨70、縦骨80、90)の見込み方向とは屋内外方向(奥行き方向)を意味し、上骨60、下骨70の見付け方向とは上下方向を意味し、縦骨80、90の見付け方向とは枠体50を正面(室外面や室内面)から見た際の左右方向を意味する。
[上骨および下骨の構成]
上骨60、下骨70は、図4に示すように、樹脂骨材610と、樹脂骨材610の内周側(断熱芯材53側)に配置された金属骨材620とを備えている。
樹脂骨材610は、断面略E字状に形成され、扉5の見込み方向に沿って形成された連結片部611と、連結片部611の屋外側から見付け方向(上骨60では下方向、下骨70では上方向)に延長された屋外片部612と、連結片部611の屋内側から前記見付け方向に延長された屋内片部613と、屋外片部612、屋内片部613間において連結片部611から扉5の面内方向に突出する区画片部614とを備えている。
樹脂骨材610の屋外片部612は屋外面材51に沿って配置され、屋内片部613は屋内面材52に沿って配置されている。ここで、屋外片部612、屋内片部613が、屋外面材51、屋内面材52に沿って配置されているとは、屋外片部612、屋内片部613の表面に屋外面材51、屋内面材52が密着されている場合だけでなく、屋外片部612、屋内片部613の表面に、屋外面材51、屋内面材52が両面テープや接着剤を介して貼られており、屋外片部612、屋内片部613と屋外面材51、屋内面材52とが密着せずに隙間を空けて配置されている場合も含む。
区画片部614は、連結片部611から面内方向、具体的には、断熱芯材53側(上骨60では下方向、下骨70では上方向であり、扉5の中心側に向かう方向)に突出して設けられており、屋外片部612および屋内片部613の間に設けられ、屋外片部612や屋内片部613とほぼ平行に形成されている。
区画片部614は、連結片部611の見込み方向の中央位置よりも屋内側にずれた位置に設けられ、屋外片部612および区画片部614間の寸法は、屋内片部613および区画片部614間の寸法よりも大きく設定されている。
樹脂骨材610は、樹脂骨材610の主な材質であるPVC等の合成樹脂材と、加熱発泡材とを、同時押出成型(共押出成型)することで製造された共押出成形品(一体成形品)である。樹脂骨材610には4つの加熱発泡材615,616,617,618が設けられている。なお、樹脂骨材610は、同時押出成型で製造された共押出成形品に限定されず、合成樹脂材および加熱発泡材が一体化された一体成形品であればよい。
加熱発泡材615は、連結片部611の屋外側端部に設けられた屋外側加熱発泡材であり、加熱発泡材616は、連結片部611の屋内側端部に設けられた屋内側加熱発泡材である。加熱発泡材615、616は、連結片部611の表面側、つまり上枠10、下枠20に対向する面に露出されている。
加熱発泡材617は、連結片部611の屋外片部612および区画片部614間に設けられている。
加熱発泡材618は、区画片部614の基端部から、区画片部614および屋内片部613の中間部まで設けられている。加熱発泡材618の体積(量)は、加熱発泡材617よりも大きくなるように設定されている。加熱発泡材617、618は、連結片部611の内面側、つまり断熱芯材53に対向する面に露出され、連結片部611の表面には露出していない。
加熱発泡材617および加熱発泡材618は、扉5の見込み方向において、後述する錠ケース6が配置される位置よりも、屋外側および屋内側にそれぞれ配置されている。さらに、加熱発泡材617、618は、屋外面材51の屋内側の端縁と、屋内面材52の屋外側の端縁との間に設けられている。このため、上骨60および下骨70においては、扉5の見込み方向において、錠ケース6よりも屋外側の位置に設けられた加熱発泡材617が第一加熱発泡材であり、錠ケース6よりも屋内側の位置に設けられた加熱発泡材618が第二加熱発泡材である。また、これらの加熱発泡材617、618は、樹脂骨材610において、屋外面材51、屋内面材52で覆われていない部分に設けられている。
区画片部614は、樹脂骨材610の長手方向(扉5の幅方向)の複数箇所に切欠部が形成されており、これらの切欠部には、金属製ピース材であるブラケット630がそれぞれ配置されている。なお、切欠部に関しては、後述する縦骨90の樹脂骨材810において説明する。
金属骨材620は、スチールなどの鋼材で構成されたチャンネル材(軽量溝形鋼)であり、樹脂骨材610を補強する。金属骨材620は、ウェブ621と、ウェブ621の屋外端部に連続する屋外フランジ622と、ウェブ621の屋内端部に連続する屋内フランジ623とを備える。ウェブ621は、樹脂骨材610の連結片部611の内面(下面)に沿って配置され、屋外フランジ622は屋外片部612の内面(屋内面)に沿って配置され、屋内フランジ623は区画片部614の屋外面に沿って配置されている。
ブラケット630は、スチールなどの鋼材で構成された短尺のアングル材(軽量山形鋼)であり、受け片部631と、受け片部631の屋外端部から直交方向に連続する連結片部632とを備える。
ブラケット630の連結片部632は、金属骨材620の屋内フランジ623に当接され、金属骨材620にリベットやビスなどの金属製の連結具633で連結されている。このため、ブラケット630は複数個用意されており、区画片部614の切欠部分、すなわち、樹脂骨材610の長手方向において、例えば2〜5箇所程度にそれぞれ配置されている。
区画片部614および屋内片部613の空間には、不燃性、難燃性、自己消火性、遅燃性等の燃えにくい材質で構成された断熱材(以下、不燃断熱材という)54が配置されている。不燃断熱材54は、例えば、不燃性ポリウレタンや、炭化するMDF(medium density fiberboard、中密度繊維板)等で構成されている。したがって、不燃断熱材54は、少なくともEPS製の断熱芯材53よりも燃えにくい材質で構成されている。
本実施形態の不燃断熱材54は角柱状に形成され、少なくとも、ブラケット630が配置されていない部分には設けられている。つまり、不燃断熱材54は、各ブラケット630に跨がって設けられている。本実施形態では、不燃断熱材54は、樹脂骨材610の長手方向に沿った長尺材とされ、各ブラケット630の受け片部631に沿って配置されている。このため、加熱発泡材618は、各ブラケット630と、不燃断熱材54とに対向して設けられている。なお、加熱発泡材618は、受け片部631に両面テープなどで接着してもよい。
区画片部614および屋内片部613間の空間は、断熱芯材53および樹脂骨材610で囲まれ、その空間内には、金属部品である複数のブラケット630も配置されているが、大部分は不燃断熱材54が配置されているため、断熱性能を向上できる。また、ブラケット630は、L字状に形成され、屋内片部613の内面には当接していないので、金属骨材620およびブラケット630から屋内片部613には熱が伝わり難くでき、屋内片部613の断熱性能を向上できる。
屋外面材51は、断熱芯材53の屋外面に沿って配置され、その外縁部は、樹脂骨材610の屋外片部612から連結片部611に沿って屋内側に折り曲げられ、樹脂骨材610および金属骨材620に、金属製の固定部材であるリベット65によって固定されている。
屋内面材52は、断熱芯材53の屋内面に沿って配置され、その外縁部は、樹脂骨材610の屋内片部613から連結片部611に沿って屋外側に折り曲げられ、樹脂骨材610およびブラケット630にリベット65によって固定されている。なお、屋内面材52は、ブラケット630が設けられてない箇所では、樹脂骨材610のみにリベット65で固定されている。
なお、屋外面材51および屋内面材52は、断熱芯材53の屋外面、屋内面に対して両面テープや接着剤を用いて接着されている。
[縦骨の構成]
吊元側の縦骨80と戸先側の縦骨90とは、図5〜7に示すように、樹脂骨材810と、金属骨材820とを備えている。なお、図6,7は、後述する錠ケース6を配置する貫通孔が形成された戸先側の縦骨90である。
樹脂骨材810は、樹脂骨材610と同様に、連結片部811と、屋外片部812と、屋内片部813と、区画片部814とを備えて断面略E字状に形成されている。区画片部814の見込み方向の位置は、区画片部614と同じ位置とされている。
さらに、戸先側の縦骨90には、図8にも示すように、2つの錠ケース6が操作ハンドル3の位置に合わせて設置される。このため、図6に示すように、縦骨90の樹脂骨材810の連結片部811には、錠ケース6を配置するための2つの貫通孔95が形成され、金属骨材820には、貫通孔95に対応して2つの貫通孔97が形成されている。
樹脂骨材810は、樹脂骨材610と同じく、PVC等の合成樹脂と加熱発泡材とを同時押出成型(共押出成型)することで製造された共押出成形品であり、樹脂骨材810には5つの加熱発泡材815,816,817,818,819が設けられている。なお、樹脂骨材810も、樹脂骨材610と同様に、同時押出成型で製造された共押出成形品に限定されず、合成樹脂材および加熱発泡材が一体化された一体成形品であればよい。
加熱発泡材815は、連結片部811の屋外側端部に設けられた屋外側加熱発泡材であり、加熱発泡材816は、連結片部811の屋内側端部に設けられた屋内側加熱発泡材である。加熱発泡材815、816は、連結片部811の表面側、つまり縦枠30、40に対向する面に露出されている。
加熱発泡材817、818は、連結片部811の屋外片部812および区画片部814間において、貫通孔95に対応する位置に設けられている。すなわち、貫通孔95は、樹脂骨材810の製造後に切欠加工で形成されたものであり、連結片部811の見込み方向(屋外片部812から屋内片部813に向かう方向)における貫通孔95の形成位置が、加熱発泡材817、818が形成されている位置を含むように設定されている。このため、加熱発泡材817、818は、樹脂骨材810の上下方向に連続して形成されるが、貫通孔95が形成された2箇所で分断されている。このように、加熱発泡材817および加熱発泡材818は、扉5の見込み方向において、錠ケース6と重なる位置に配置されている。
なお、吊元側の縦骨80においても、通電金具などの付属部品を設置するための貫通孔を設ける場合があるが、貫通孔の見込み方向の位置は縦骨90の場合と同じである。
加熱発泡材819は、区画片部814の基端部から区画片部814および屋内片部813の中間部まで設けられている。加熱発泡材817、818、819は、連結片部811の内面側、つまり断熱芯材53に対向する面に露出され、連結片部811の表面には露出していない。さらに、加熱発泡材817、818、819は、屋外面材51の屋内側の端縁と、屋内面材52の屋外側の端縁との間に設けられている。したがって、これらの加熱発泡材817,818,819は、樹脂骨材810において、屋外面材51、屋内面材52で覆われていない部分に設けられている。
加熱発泡材819の体積(量)は、加熱発泡材817、818よりも大きくなるように設定されている。
区画片部814は、区画片部614と同じく、樹脂骨材810の長手方向の複数箇所に切欠部93が形成され、ブラケット630と同じ金属製ピース材であるブラケット830が配置されている。
金属骨材820は、金属骨材620と同様に、スチールなどの鋼材で構成されたチャンネル材であり、ウェブ821と、屋外フランジ822と、屋内フランジ823とを備え、樹脂骨材810の連結片部811、屋外片部812、区画片部814の内面に沿って配置されている。ウェブ821には、貫通孔95に対応する貫通孔97が形成されている。
ブラケット830は、ブラケット630と同一種類の部品であり、受け片部831と、連結片部832とを備え、金属骨材820の屋内フランジ823にリベットやビスなどの金属製の連結具833で連結されている。
縦骨80、90の区画片部814および屋内片部813の空間には、上骨60、下骨70と同様に、図7にも示すように、不燃断熱材54が配置されている。不燃断熱材54は、ブラケット830の受け片部831に両面テープで接着してもよい。
不燃断熱材54が配置されているので、区画片部814および屋内片部813間の空間の断熱性能を向上できる。また、加熱発泡材819は、各ブラケット830と、不燃断熱材54とに対向して設けられている。
屋外面材51の外縁部は、図5に示すように、縦骨80、90に対しても、樹脂骨材810の屋外片部812から連結片部811に沿って屋内側に折り曲げられ、樹脂骨材810および金属骨材820にリベット65で固定されている。
屋内面材52の外縁部は、樹脂骨材810の屋内片部813から連結片部811に沿って屋外側に折り曲げられ、樹脂骨材810およびブラケット830や、樹脂骨材810のみにリベット65で固定されている。
縦骨80、90の樹脂骨材810における連結片部811の表面側には、断面略L字状に屈曲された2つの係合突部811A,811Bが、樹脂骨材810の長手方向に連続して形成されている。
[エッジ材]
樹脂骨材810の表面には、図5に示すように、アルミ製の金属エッジ材55と、樹脂製の樹脂エッジ材56とが取り付けられている。
縦骨80に取り付けられる金属エッジ材55Aは、縦枠30に対向する表面における屋外端部側に水密材57が装着される溝551が形成され、溝551の屋内側には加熱発泡材58が配置される溝552が形成されている。
縦骨90に取り付けられる金属エッジ材55Bは、屋外面材51よりも屋外側まで延長されており、この延長部分に水密材57が装着される溝553が形成されている。また、金属エッジ材55Bには、金属エッジ材55Aの溝552と同じ見込み位置に、加熱発泡材58が配置される溝552が形成されている。水密材57は、一部に加熱発泡材571が練り込まれたり、同時押出成型されている。
金属エッジ材55(金属エッジ材55A、55B)は、前記係合突部811Aに係合される係合部554と、係合突部811Bに係合される係合部555とを有する。係合部555には、樹脂エッジ材56を連結するための断面L字状の連結片が形成されている。
金属エッジ材55は、係合部554、555が係合突部811A,811Bに係合された状態で、タッピングネジ557によって、樹脂骨材810を介して金属骨材820に固定されている。なお、図6に示すように、樹脂骨材810、金属骨材820には、タッピングネジ557を挿通するための下穴を形成しておいてもよい。
縦骨80、90においては、扉5の見込み方向において、錠ケース6よりも屋外側の位置に設けられた加熱発泡材58が第一加熱発泡材である。
樹脂エッジ材56は、金属エッジ材55の屋内側に連結されている。樹脂エッジ材56は、前記金属エッジ材55に連結される断面L字状の連結部561と、連結部561から屋内側に向かって延長された本体部562と、本体部562の見込み方向の中間位置から樹脂骨材810に向かって延長された延出片部563とを有する。
本体部562は、屋内側に向かうにしたがって縦枠30、40から離れる方向(互いに近づく方向)に傾斜配置されている。そして、本体部562の裏面、つまり樹脂骨材810に対向する面は、延出片部563で2つの領域に区画されており、各領域にはシート状の加熱発泡材565,566が設けられている。
樹脂エッジ材56は、PVCなどで構成される樹脂部分(連結部561、本体部562、延出片部563)と、加熱発泡材565,566とを同時押出成型することで製造されている。そして、縦骨80、90においては、扉5の見込み方向において、錠ケース6よりも屋内側の位置に設けられた加熱発泡材565,566が第二加熱発泡材である。
樹脂エッジ材56は、扉5を閉めた際に、前記サブタイト材36,46が当接する位置に配置されている。すなわち、樹脂エッジ材56は、サブタイト材36,46の当接位置の屋外側および屋内側に跨がって配置されている。このため、扉5を閉めた場合に、屋内部材32,42、メインタイト材35,45、サブタイト材36,46、樹脂エッジ材56で囲まれた密閉空気層が形成される。この密閉空気層は、周囲が熱伝導率の低い合成樹脂材で囲まれるため、断熱性能が向上する。
また、本体部562が傾斜配置されているため、扉5を閉めた際に、樹脂エッジ材56は、サブタイト材36,46に徐々に当接し、サブタイト材36,46のリップ部を徐々に湾曲させるため、扉5をスムーズに開閉でき、扉5を閉めた際のサブタイト材36,46と樹脂エッジ材56の密着性も向上できる。
戸先側の縦骨90には、錠ケース6が貫通孔95、97に挿通され、タッピングネジ557によって樹脂骨材810を介して金属骨材820に固定されている。本実施形態では、図8に示すように、上下に2つの錠ケース6が設けられ、上側の錠ケース6には、鎌錠7とラッチボルト8とが出没可能に設けられている。下側の錠ケース6には、鎌錠7が出没可能に設けられている。
これらの錠ケース6は、図5、6にも示すように、扉5の見込み方向においては、ほぼ中間位置に配置されている。また、金属エッジ材55Bには、縦骨90の樹脂骨材810、金属骨材820に形成された貫通孔95、97に対応する貫通孔が形成され、これらの貫通孔95、97に錠ケース6が配置されている。
一方、縦枠40の屋外部材41には、前記錠ケース6の位置に応じて、ラッチ受47や錠受がネジ止めされている。
吊元側の縦骨80および縦枠30には、図3に示すように、ピボットヒンジ4がネジ止めされている。すなわち、ピボットヒンジ4のプレート4Aは、縦枠30の屋外部材31に補強板材37、38を介してネジ止めされている。また、ピボットヒンジ4のプレート4Bは、金属エッジ材55に当接配置され、プレート4Bから金属エッジ材55、樹脂骨材810、金属骨材820を介して裏板825にネジ止めされており、十分な取付強度を確保できる。
さらに、扉5に電気錠が設けられている場合のように、扉5の内部と躯体100側との間で通電が必要な場合、縦骨80の金属エッジ材55A、樹脂骨材810、金属骨材820に貫通孔を形成し、通電金具などを配置している。
[ドアの防火構造]
本実施形態における各加熱発泡材による防火構造について、火災によって加熱発泡材が発泡した状態を示す図9,10を参照して説明する。なお、図9は、上枠10および上骨60の加熱発泡材の発泡状態を示し、図10は、戸先側の縦枠40および縦骨90の加熱発泡材の発泡状態を示す。なお、下骨70の加熱発泡材の発泡状態は上骨60と同様であり、吊元側の縦枠30および縦骨80の加熱発泡材の発泡状態は縦枠40および縦骨90と同様であるため、図示は略す。
火災時の温度上昇で各加熱発泡材が発泡して膨張すると、樹脂骨材610、810の加熱発泡材615、815は、屋外面材51と金属骨材620、820間の隙間を塞ぐ。樹脂骨材610、810の加熱発泡材616、816は、屋内面材52と不燃断熱材54との隙間を塞ぐ。
縦骨80、90の樹脂骨材810に設けられた加熱発泡材817、818は、金属骨材820と金属エッジ材55との間を塞ぐ。
樹脂骨材610、810の加熱発泡材618、819は、金属骨材620、820の屋内フランジ623、823と、不燃断熱材54との隙間を塞ぐ。
図9に示すように、上骨60や下骨70の樹脂骨材610の加熱発泡材617は、樹脂骨材610が焼失した際に、金属骨材620と、上枠10の屋外部材11の下面部113や、下枠20の屋外部材211との隙間を塞ぐ。
図10に示すように、縦骨80、90の金属エッジ材55に設けられた加熱発泡材58は、金属エッジ材55と、側面部313、413との隙間を塞ぐ。
これらの加熱発泡材617と、加熱発泡材58とは、ドア1の見込み方向の位置が一致しているので、扉5の見込み面に四周連続する第一加熱発泡材ラインを形成し、ドア枠2と扉5間の隙間を塞ぐ。
図9に示すように、上骨60や下骨70の樹脂骨材610の加熱発泡材618は、樹脂骨材610が焼失した際に、不燃断熱材54やブラケット630と、上枠10の下面部113や、下枠20の屋外部材211との隙間を塞ぐ。
図10に示すように、縦骨80、90の樹脂エッジ材56に設けられた加熱発泡材565、566は、金属エッジ材55や屋内面材52と、側面部313、413や屋内部材32、42の加熱発泡材34,44との隙間を塞ぐ。
図7に示す加熱発泡材618と、図10に示す加熱発泡材565,566とは、ドア1の見込み方向の位置が一致しているので、扉5の見込み面に四周連続する第二加熱発泡材ラインを形成し、ドア枠2と扉5間の隙間を塞ぐ。
また、図10に示すように、サブタイト材36、46は、見込み方向の位置が、樹脂エッジ材56の加熱発泡材565と加熱発泡材566との間に配置されているので、発泡した加熱発泡材565、566間に配置される。
さらに、水密材57に設けられた加熱発泡材571は、膨張すると金属エッジ材55と、屋外部材31、41との隙間部分を塞ぐ。
図4に示すように、ドア1の見込み方向において、加熱発泡材14が配置された範囲の一部は、扉5の見込み面(上面)と重なり(ラップし)、扉5の見込み面に対向する。このため、図9に示すように、屋内部材12の一部が焼失し、加熱発泡材14が発泡すると、加熱発泡材14は中空部121の内部空間を充填し、さらに扉5の屋内面材52の上面やメインタイト材15に当接し、上枠10と扉5との間の隙間を塞ぐ。
同様に、図5に示すように、縦枠30、40の屋内部材32、42に設けられた加熱発泡材34、44も、ドア1の見込み方向において、少なくとも一部が扉5の見込み面(側面)と重なり(ラップし)、扉5の側面(見込み面)に対向する。このため、図10に示すように、屋内部材32,42の一部が焼失し、加熱発泡材34,44が発泡すると、加熱発泡材34,44は中空部323、423間を充填し、さらに扉5の樹脂エッジ材56に設けられた加熱発泡材566等に当接し、縦枠30,40と扉5との間の隙間を塞ぐ。
以上のように、火災時には各加熱発泡材が発泡し、扉5内部を密閉したり、ドア枠2および扉5間の隙間を塞ぐため、ドア1において必要な防火性能が確保される。
[第1実施形態による効果]
(1)扉5の枠体50として樹脂骨材610、810を用い、樹脂骨材610、810に屋外面材51および屋内面材52を取り付けているので、金属骨材に各面材を取り付ける場合に比べて、断熱性能を向上できる。
樹脂骨材610、810の補強材である金属骨材620、820は、扉5の屋内面材52の位置までは設けられておらず、金属骨材620、820と屋内面材52とは扉5の見込み寸法の1/3程度の寸法分、離れているので、金属骨材620、820および屋内面材52間での熱流出を低減でき、断熱性能を向上できる。
また、金属骨材620、820に連結されたブラケット630、830は、短尺のピース状に形成され、2〜5個程度しか設けられていないので、ブラケット630、830を介して屋内面材52に熱が伝わることも抑制できる。特に、ブラケット630、830は、アングル材で構成され、屋内面材52に最も近い部分は、受け片部631,831の端縁であって面積も小さいため、ブラケット630、830および屋内面材52間の熱流出を低減できる。
金属骨材620、820と、屋内面材52との間の空間には、不燃断熱材54が配置されているので、さらに断熱性能を向上できる。したがって、高断熱の扉5とすることができる。
(2)金属骨材620、820およびブラケット630、830を連結具633、833で連結し、さらに、屋外面材51および屋内面材52を、樹脂骨材610、810を介して、金属骨材620、820およびブラケット630、830にリベット65で固定しているので、火災時に樹脂骨材610、810が焼失したとしても、屋外面材51、金属骨材620、820、ブラケット630、830、屋内面材52が連結された状態を維持できる。したがって、火災時に扉5の形態を維持でき、遮炎性能も確保できる。
(3)不燃断熱材54は、少なくとも複数のブラケット630間や、ブラケット830間に跨がって配置されているので、ブラケット630、830間の空間を不燃断熱材54で塞ぐことができる。
このため、不燃断熱材54の周囲に設けられた加熱発泡材616、816、618、819が発泡時に塞ぐ必要がある空間の体積が、不燃断熱材54を設けない場合に比べて小さくなり、加熱発泡材616、816、618、819の量を大幅に少なくでき、コストも低減でき、樹脂骨材610、810の剛性も確保できる。
また、加熱発泡材618は、不燃断熱材54があるため、上枠10側や下枠20側に確実に発泡させることができ、上枠10と上骨60間の隙間や、下枠20と下骨70間の隙間を確実に塞ぐことができる。
(4)加熱発泡材615、616、618、815、816、817、818、819によって、扉5内部を密封することができるため、樹脂骨材610、810が焼失しても、断熱芯材53が設けられた扉5の内部空間と扉5の外部との連通箇所を塞ぐことができる。したがって、加熱された断熱芯材53からガスが発生しても、そのガスが扉5の外部に流出することを防止できる。
(5)樹脂骨材610、810に設けられる加熱発泡材615〜618、815〜819を、樹脂骨材610、810の製造時に同時押出成型で製造しているので、樹脂骨材610、810に、別途製造された加熱発泡材を後から貼り付ける場合に比べて、製造時の組立性や生産性も向上できる。また、加熱発泡材を後から貼り付けた場合、経年劣化により加熱発泡材が剥がれてくる可能性があり、定期的にメンテナンスが必要となるが、同時押出成型で製造した場合には経年劣化による加熱発泡材の剥がれがおきにくく、品質低下も防止できる。
また、加熱発泡材を後から貼り付ける場合は、構造上、樹脂骨材に対して取り付ける位置の制約を受けるため、防火性能を担保するための設計が困難となるが、本実施形態のように、同時押出成型によれば、加熱発泡材の配置位置や形状の自由度が高いため、防火性能も容易に担保できる。その上、剛性が低い加熱発泡材の量(体積)を必要最小限に抑えることができ、樹脂骨材610、810に必要な強度を容易に確保できる。
(6)加熱発泡材617と加熱発泡材58とで扉5の見込み面において四周連続する第一加熱発泡材ラインを形成し、加熱発泡材618と、加熱発泡材565,566とで、扉5の見込み面において四周連続する第二加熱発泡材ラインを形成しているので、ドア枠2と扉5との間には、見込み方向に二重の遮炎ラインを構成でき、遮炎性能を向上できる。
さらに、二重の加熱発泡材ラインは、錠ケース6等の付属部品を挟んで屋外側および屋内側に形成されるため、加熱された断熱芯材53から発生したガスが付属部品自体から流出しても、前記二重の加熱発泡材ライン間に密封することができる。
また、金属エッジ材55、樹脂エッジ材56は、扉5の構造体ではないため、構造や形状の自由度が高く、加熱発泡材の配置位置の制約も少ない。このため、金属エッジ材55、樹脂エッジ材56における加熱発泡材58、565,566の配置位置は、上骨60や下骨70に設けられた加熱発泡材617,618の見込み方向の位置に容易に合わせることができ、扉5の見込み面に四周連続する第一加熱発泡材ライン、第二加熱発泡材ラインを容易に構成できる。
(7)樹脂骨材610、810に設けられる加熱発泡材615〜618、815〜819のうち、樹脂骨材610、810の表面側に露出する加熱発泡材615,616,815,816は、屋外面材51、屋内面材52で覆われており、他の加熱発泡材617,618,817〜819は、樹脂骨材610、810の内面側(裏面側)に露出し、表面側には露出しない。このため、加熱発泡材615〜618、815〜819は、扉5の表面側に露出しないので、意匠性を向上できる。
(8)樹脂エッジ材56に設けられる加熱発泡材565、566も樹脂エッジ材56の裏面側に設けられ、表面側には露出しないため、意匠性を向上できる。
また、金属エッジ材55に設けられる加熱発泡材58は、金属エッジ材55の溝552内部、つまりポケット部に配置され、一部分のみが扉5の側面に露出するため、加熱発泡材58も目立ちにくくでき、意匠性を向上できる。
さらに、これらの加熱発泡材565,566,58は、扉5の金属エッジ材55や樹脂エッジ材56の表面に露出しないので、扉5の開閉時に、サブタイト材36やサブタイト材46に接触することがない。このため、加熱発泡材565,566,58が摩耗することがなく、品質を維持できる。
また、扉5の縦骨80,90に金属エッジ材55、樹脂エッジ材56を取り付けているので、縦骨80,90の樹脂骨材810をエッジ材55,56で被覆でき、扉5の意匠性を向上できる。
(9)ドア1の見込み方向において、樹脂エッジ材56の配置位置を、サブタイト材36、46の屋外側および屋内側に跨がるように配置し、加熱発泡材565がサブタイト材36、46の屋外側に膨張し、加熱発泡材566がサブタイト材36、46の屋内側に膨張するように構成したので、サブタイト材36、46は各加熱発泡材565、566に挟まれるため、扉5の見込み面への当接状態を維持できる。特に、加熱発泡材565および加熱発泡材566、34、44でサブタイト材36、46を覆って保護することができるため、耐燃性でないサブタイト材36、46の焼失を低減する、もしくは、焼失する時間を遅延させることができ、サブタイト材36、46および各加熱発泡材565、566、34、44でドア枠2および扉5間を塞いで遮縁性能を担保することができる。このため、サブタイト材36,46と加熱発泡材とでドア枠2および扉5間を塞ぐことができ、加熱発泡材のみで塞ぐ場合に比べて、遮炎性能を向上できる。
また、サブタイト材36、46のみでドア枠2および扉5間を塞いだ場合には、サブタイト材36、46の屋内外で圧力差が生じた際に、サブタイト材36、46がめくれて扉5から離れる可能性があるが、特にサブタイト材36、46の屋内側に加熱発泡材566、34、44を充填しているので、サブタイト材36、46の屋内外で圧力差が生じても扉5への当接状態を維持でき、遮炎性能を維持できる。
さらに、扉5の側面に、サブタイト材36、46および各加熱発泡材565、566を当接させているので、扉5が熱反りしても、扉5の側面への当接状態を維持でき、遮炎性能も維持できる。
(10)水密材57には加熱発泡材571が設けられているので、火災時には金属エッジ材55と、屋外部材31、41との隙間部分を、加熱発泡材571で塞ぐことができる。
(11)屋内部材12、32、42に設けられた加熱発泡材14、34、44は、少なくとも一部が、扉5の見込み面と重なり(ラップし)、扉5の見込み面に対向する。このため、屋内部材12、32、42の一部が焼失した場合、加熱発泡材14、34、44は扉5の見込み面側に発泡して扉5の見込み面との隙間を塞ぐことができる。
また、これらの加熱発泡材14、34、44は、中空部121、321、421内に設けられ、屋内部材12、32、42の表面に露出しないため、ドア枠2の意匠性を向上できる。
(12)屋内部材32、42に設けられた加熱発泡材34、44は、少なくとも一部が、ドア枠2の見込み方向において、サブタイト材36、46の取付位置と、メインタイト材35、45が取り付けられた保持片部322、422との間に配置されているので、各メインタイト材35、45およびサブタイト材36、46で囲まれる空間を加熱発泡材34、44で充填することができ、遮炎性能を向上できる。
また、加熱発泡材34、44が発泡した際には、サブタイト材36、46や、メインタイト材35、45を扉5に押し付ける方向に膨張できるので、火災時に縦枠30、40等や扉5が熱反りした場合でも、ドア枠2および扉5間を確実に塞ぐことができ、遮炎性能を向上できる。特に、扉5の見付け面に当接するタイト材は、扉5が熱反りした際に扉5に密着できない箇所が発生しやすいが、扉5の見込み面に当接するサブタイト材36、46を設けているので、扉5等が熱反りしても、扉5との密着状態を維持でき、遮炎性能も維持できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図11、12を参照して説明する。
第2実施形態のドア1Bは、加熱発泡材14、34、44が設けられた中空部121、321、421の内部空間内に、金属製のブラケット126、326、426と、断熱材127、327、427とを配置したものである。その他の構成は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
ブラケット126、326、426は、スチールなどの鋼材で構成された短尺のチャンネル材(軽量溝形鋼)であり、屋内部材12、32、42の長手方向に沿って複数個(例えば2〜5個)配置され、ネジ513、533、543によって屋外部材11、31、41に連結されている。なお、ブラケット126、326、426は、チャンネル材に限らず、アングル材などで構成してもよい。
断熱材127、327、427は、不燃断熱材54と同様に、不燃性等の燃えにくい材質(不燃材)で構成され、特に屋内部材12、32、42よりも燃えにくい材質で構成されている。
断熱材127、327、427は、角柱状に形成され、少なくとも、各ブラケット126、326、426に跨がって設けられている。本実施形態では、断熱材127、327、427は、屋内部材12、32、42の長手方向に沿った長尺材とされ、加熱発泡材14、34、44に対向して設けられている。
第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、火災時に加熱発泡材14、34、44が発泡した際に、中空部121、321、421の内部空間には、金属製のブラケット126、326、426で保持された断熱材127、327、427が配置され、内部空間の殆どを占有しているため、加熱発泡材14、34、44は内部空間側には殆ど発泡せずに扉5側に向かって発泡する。このため、加熱発泡材14、34、44は、第1実施形態に比べて、内部空間を充填する必要がない分、扉5およびドア枠2間を塞ぐために必要となる容積を小さくできる。また、加熱発泡材14、34、44の容積を第1実施形態と同じ容積とすれば、加熱発泡材14、34、44は、扉5およびドア枠2間でより広い範囲を充填でき、サブタイト材36、46の屋外側を塞ぐ加熱発泡材565と、屋内側を塞ぐ加熱発泡材566、34、44とで構成される遮炎層の見込み寸法も大きくでき、遮炎性能を向上できる。
さらに、断熱材127、327、427は、金属製のブラケット126、326、426に保持され、ブラケット126、326、426は、金属製の屋外部材11、31、41に連結されているので、合成樹脂製の屋内部材12、32、42が仮に焼失したとしても、ブラケット126、326、426および断熱材127、327、427の配置状態を維持でき、加熱発泡材14、34、44が扉5側に発泡した状態も維持できる。
特に、本実施形態では、断熱材127、327、427を不燃材で構成したので、断熱材127、327、427の配置状態を確実に維持できる。
また、加熱発泡材14、34、44は、断熱材127、327、427の扉5側、つまり屋内部材12、32、42の下面部121A、側面部321A、421A側に配置されているので、下面部121A、側面部321A、421Aが加熱された時点で発泡し、断熱材127、327、427の扉5に対向する面を覆うことができる。したがって、断熱材127、327、427が不燃材でない場合でも、断熱材127、327、427の焼失を防止できる。
さらに、中空部121、321、421の内部空間に断熱材127、327、427を配置しているので、屋内部材12、32、42の断熱性能をより向上できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図13、14を参照して説明する。
第3実施形態のドア1Cは、加熱発泡材14C、34C、44Cの容積を第1実施形態に比べて増量したものである。その他の構成は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第3実施形態のドア1Cでは、第1実施形態に比べて約2〜3倍の容積の加熱発泡材14C、34C、44Cを設けている。
この第3実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、加熱発泡材14C、34C、44Cの容積が増えているので、発泡した際に、第1実施形態に比べて、扉5およびドア枠2間のより広い範囲を充填でき、サブタイト材36、46の屋外側を塞ぐ加熱発泡材565と、屋内側を塞ぐ加熱発泡材566、34C、44Cとで構成される遮炎層の見込み寸法も大きくでき、遮炎性能を向上できる。
また、加熱発泡材14C、34C、44Cは、中空部121、321、421の内部空間に配置されるため、加熱発泡材14C、34C、44Cの容積を、前記内部空間の容積まで増やすことができる。このため、第1実施形態に比べて約2〜3倍の容積の加熱発泡材14C、34C、44Cを容易に設けることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図15、16を参照して説明する。
第4実施形態のドア1Dは、加熱発泡材14D、34D、44Dを、屋内部材12、32、42の扉側に面する開口側内面(表面)に設けたものである。すなわち、加熱発泡材14Dは、下面部121Aの下面側に設けられ、加熱発泡材34D、44Dは、側面部321A、421Aの表面側に設けられている。加熱発泡材14Dは、ドア枠2の見込み方向において、ヒレ部(サブタイト材)121Bと、メインタイト材15の保持片部122との間に配置されている。加熱発泡材34D、44Dは、ドア枠2の見込み方向において、サブタイト材36、46の取付位置と、メインタイト材35、45の保持片部322、422との間に配置されている。
また、加熱発泡材14D、34D、44Dの少なくとも一部、具体的には、見込み方向において屋外側の約半分の範囲は、扉5の見込み面(上面および側面)に対向して配置されている。
この第4実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、第4実施形態では、屋内部材12、32、42の表面側に加熱発泡材14D、34D、44Dを設けているので、火災時には屋内部材12、32、42が焼失する前に加熱発泡材14D、34D、44Dを発泡させることができ、扉5およびドア枠2間を早期に塞ぐことができる。また、サブタイト材36、46の屋外側を加熱発泡材565で塞ぎ、屋内側を加熱発泡材566、34D、44Dで塞ぐことができるので、遮炎性能を向上できる。
また、屋内部材12、32、42の表面側に設けられた加熱発泡材14D、34D、44Dは、サブタイト材121B、36、46およびメインタイト材15、35、45でほぼ覆われて隠されているため、利用者が視認し難くでき、意匠性を向上できる。特に、サブタイト材36、46のリップ部は、扉5に当接可能な延出寸法を有しており、メインタイト材35、45の近くまで延出されているので、加熱発泡材34D、44Dの殆どを隠すことができる。したがって、扉5を開いた場合でも加熱発泡材34D、44Dを隠すことができ、意匠性を向上できる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、図17を参照して説明する。
第5実施形態のドア1Eは、扉5の縦骨80、90の樹脂エッジ材56において、サブタイト材36、46が当接する位置よりも屋外側に配置された加熱発泡材565のみを設け、サブタイト材36、46が当接する位置よりも屋内側には加熱発泡材を設けていない点が第1実施形態と相違する。
この第5実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、樹脂エッジ材56には、延出片部563の屋外側のみに加熱発泡材565が設けられ、延出片部563の屋内側には加熱発泡材が設けられていないが、延出片部563の屋内側の範囲には、前記加熱発泡材34、44が見込み方向において重なって配置されているので、加熱発泡材34、44が発泡することで、扉5とドア枠2との間を確実に塞ぐことができる。したがって、第5実施形態によれば、防火性能を確保しつつ、樹脂エッジ材56に設ける加熱発泡材の容積を約半分にでき、コストを低減できる。
[変形例]
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、ドア枠としては、図18,19に示すように、上枠10Aおよび縦枠30A,40Aをアルミ断熱形材で構成したドア枠2Aを用いてもよい。なお、扉5や下枠20は前記実施形態と同一の構成であるため、説明を省略する。
上枠10Aは、それぞれアルミ製の屋外部材11Aおよび屋内部材12Aを、ウレタン樹脂等の断熱部材13Aで連結して構成されている。縦枠30A、40Aは、アルミ製の屋外部材31A,41Aおよび屋内部材32A、42Aを、ウレタン樹脂等の断熱部材33A,43Aで連結して構成されている。
これらの上枠10A、縦枠30A,40Aでは、屋外部材11A,31A,41Aおよび屋内部材12A,32A,42Aが連結用ブラケット17Aを介して連結されている。これにより、断熱部材13A、33A,43Aが焼失した場合でも、屋外部材11A,31A,41Aおよび屋内部材12A,32A,42Aを連結した状態のまま維持できる。また、上枠10A、縦枠30A、40Aの断熱部材13A、33A,43Aの表面、つまり扉5側の面には、加熱発泡材14A、34A、44Aが貼られている。これにより、火災時には、加熱発泡材14A、34A、44Aが膨張して、断熱部材13A、33A,43Aを被覆するため、断熱部材13A、33A,43Aの焼失を防止できる。また、ドアは、上下の高さ寸法が大きいため、火災時には、縦枠30A,40A等が湾曲して扉5との隙間が生じやすいが、縦枠30A、40Aに加熱発泡材34A、44Aが貼られていれば、加熱発泡材34A、44Aの膨張によって扉5との隙間を塞いで遮炎性能を確保できる。
さらに、加熱発泡材34A、44Aは、メインタイト材35、45の取付位置と、サブタイト材36、46を保持する屋内部材32A,42Aの保持片部との間に配置されているので、各タイト材35,45,36,46で隠れて視認し難くでき、意匠性を向上できる。また、サブタイト材36、46の屋外側を加熱発泡材565で塞ぎ、屋内側を加熱発泡材566、34A、44Aで塞ぐことができるので、遮炎性能を向上できる。
本発明において、加熱発泡材は前記実施形態の例に限定されない。例えば、屋内部材12、32、42の中空部121、321、421の内部空間に補強リブ等を設け、この補強リブ等に加熱発泡材を設けてもよい。
また、屋内部材12、32、42に設けられる加熱発泡材は、樹脂部品の同時押出成型で製造されるものに限定されず、同時押出成型以外の製法で樹脂部品に一体化されたものでもよいし、別途製造した加熱発泡材を樹脂部品に接着してもよい。
さらに、縦枠30,40に設けられる加熱発泡材34、44は、少なくとも位置P1から位置P2の間に屋外側端縁の位置P0が設定されていればよく、屋内側端縁の位置P3は、発泡時に充填すべき空間に応じた加熱発泡材34、44の容積や、屋内部材32、42を同時押出成型するための金型等を考慮して設定すればよい。
前記実施形態では、サブタイト材36、46はTPO製とし、メインタイト材35、45はEPDM製やPVC製としていたが、これらの材質に限定されない。例えば、サブタイト材36、46や、メインタイト材35、45を、耐燃性の材質で構成してもよい。耐燃性の材質とは、燃焼に耐え得る性質を有する材質、具体的には、不燃性、難燃性、自己消火性、遅燃性等の燃えにくい材質を意味する。このような耐燃性の合成樹脂材でサブタイト材36、46を形成すれば、加熱発泡材565、566、34、44等と協働して遮炎性能をより向上できる。
本発明の建具は、採光部を備えないドア1であったが、採光部を有する扉5を用いてもよい。また、本発明の建具は、玄関ドアに限らず、勝手口ドアなど出入り口の各種ドアとして利用できる。この際、本発明は、親扉、子扉の2枚の扉が設けられた建具にも適用でき、さらには、引戸タイプの建具にも適用できる。
1…玄関ドア(建具)、2、2A…ドア枠(建具枠)、5…扉(戸体)、10、10A…上枠、20…下枠、30、30A…縦枠、40、40A…縦枠、11、31、41…屋外部材、12、32、42…屋内部材、14、34、44、14A、34A、44A、14C、34C、44C、14D、34D、44D…加熱発泡材、15、25、35、45…メインタイト材(第1タイト材)、36、46…サブタイト材(第2タイト材)、121B…ヒレ部(サブタイト材)、121、321、421…中空部、122、322、422…保持片部、126、326、426…ブラケット、127、327、427…断熱材。

Claims (6)

  1. 上枠、下枠および左右の縦枠を備える建具枠であって、
    前記左右の縦枠は、
    保持片部を有する枠本体と、
    前記保持片部に取り付けられて、前記建具枠に開閉可能に設けられる戸体の屋内面に当接可能な第1タイト材と、
    前記建具枠の前記保持片部よりも屋外側の位置に取り付けられて、前記戸体の側面に当接可能な第2タイト材と、
    前記枠本体に設けられた加熱発泡材とを備え、
    前記枠本体の見込み方向において、前記加熱発泡材の屋外側端縁の位置は、前記第2タイト材が枠本体に取り付けられた位置よりも屋内側であり、前記戸体の屋内面の位置よりも屋外側の位置に設けられていることを特徴とする建具枠。
  2. 請求項1に記載の建具枠において、
    前記枠本体は、金属製の屋外部材と、合成樹脂製の屋内部材とを備え、
    前記屋内部材は、内部空間を有する中空部を備え、
    前記加熱発泡材は、前記内部空間に設けられていることを特徴とする建具枠。
  3. 請求項2に記載の建具枠において、
    前記内部空間には、前記屋外部材に連結された金属製のブラケットと、断熱材とが設けられていることを特徴とする建具枠。
  4. 請求項2または請求項3に記載の建具枠において、
    前記屋内部材は、合成樹脂材と前記加熱発泡材との一体成形品であることを特徴とする建具枠。
  5. 請求項1に記載の建具枠において、
    前記加熱発泡材は、前記枠本体において、前記戸体の側面に対向する表面に設けられていることを特徴とする建具枠。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の建具枠と、
    前記建具枠に対して開閉可能に取り付けられる戸体と、を備えることを特徴とする建具。
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