JP2018007612A - 蛋白糖化抑制機能を有する食物繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全性の高い天然素材由来の蛋白糖化抑制機能を有する食物繊維及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 果実由来の食物繊維であり、果実がモモであり、モモの種子を取り除いたモモ果肉から果汁を搾取した残渣からなる蛋白糖化抑制機能を有することを特徴とする食物繊維であり、当該蛋白糖化抑制機能が、アルブミン、コラーゲン、エラスチンの糖化抑制であり、また、糖化によって生成する終末糖化産物(AGE)の分解促進である、モモの種子を取り除いたモモ果肉から果汁を搾取した残渣からなる食物繊維である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蛋白糖化抑制機能を有する食物繊維及びその製造方法に関する。
蛋白糖化(グリケーション)とは、食事などによって取り込まれた糖のうち、エネルギー源として代謝されなかった過剰な糖が、体内にある蛋白質と結びつき、糖化蛋白質が生成されて、体内に蓄積する現象をいい、老化を促進する要因として注目されている現象である。
すなわち、蛋白糖化は「身体のコゲ」とも称されており、食事などから摂った余分な糖質が体内の蛋白質などと結びついて、細胞・組織・器官などを劣化させる現象をいう。この現象が進むと、外見的には肌のシワやくすみ、シミなどとなって現れて、体内では血管の硬化、神経変性、水晶体の白濁などが進行する。
蛋白糖化は、化学的にはメイラード反応と呼ばれる非酵素的な反応であり、グルコースや果糖などの還元糖とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチド及び蛋白質)を加熱した時などにみられる褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のことであり、褐変反応とも呼ばれている。
そのため、生体におけるメイラード反応の進行を阻害し、皮膚用抗老化剤、抗糖尿病合併症剤として応用できるポリフェノール類を有効成分とするメイラード反応阻害剤の提案がなされている(特許文献1)。
それに加えて、糖化によって生成する終末糖化産物(Advanced Glycation End Products:以下、AGEという)は、体内組織に蓄積して、多くの病気の原因となることが知られている。
AGEの生成過程に関してはいまだ不明な点が多く、非酵素的な糖化反応がその主体であると考えられている。
すなわち、AGEは初期反応でタンパク質中に存在するアミノ基とグルコースなどの還元糖のアルデヒド基とが非酵素的に反応(グルケーション:Glycation)し、シッフ塩基(Schiff base)を経由して、メイラード反応の中間体であるアマドリ転移生成物が形成され、最終的にAGEが生成されると考えられている。
また、糖尿病合併症は、糖尿病網膜症、白内障、糖尿病性腎症、神経障害、虚血性心疾患、脳血管障害、末梢血流障害などであり、これらの疾患の原因の一つとして、高血糖状態の生体で生成したAGEが関与していることが確認されている(非特許文献1)。
かかる観点から、糖尿病合併症の予防と改善を目的とした、AGEの生成の阻害を目的とした合成医薬品としてのAGE生成阻害剤の提供がなされている(特許文献2)。
しかしながら、合成医薬品では種々の問題点があるとの考え方から、天然素材によるAGE産生抑制剤の検討もなされ、ポリフェノールを豊富に含有する桜の花及び葉の抽出物であるフェニルプロパノイド配糖体及びフラボノイド配糖体によるAGE生成抑制剤の提供もなされている(特許文献3)。
本発明者らは、AGE生成抑制を有する作用物質の検討を行い、その基本となる蛋白糖化抑制機能を有する天然素材の探索を行った結果、果実由来の食物繊維に着目し、そのなかで特にモモ果汁製造時の副産物として排出されるモモ果肉由来の食物繊維に、極めて効果的な蛋白糖化抑制機能、すなわち、AGE産生抑制効果、並びにAGEの分解促進機能があることを新規に見出し、本発明を完成させるに至った。
再公表2013−100105 特開2005−170935号公報 特許第5878023号掲載公報
BIO Clinica, 1997, vol. 12, no.2, pp19-21
すなわち本発明は、安全性の高い天然素材由来の蛋白糖化抑制機能を有する食物繊維及びその製造方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するための本発明において、その基本的態様は、果実由来の食物繊維であり、果実がモモであり、モモの種子を取り除いたモモ果肉から果汁を搾取した残渣からなる蛋白糖化抑制機能を有することを特徴とする食物繊維である。
より具体的な本発明は、当該蛋白糖化抑制機能が、アルブミン、コラーゲン、エラスチンの糖化抑制であり、また、AGEの分解促進である、モモの種子を取り除いたモモ果肉から果汁を搾取した残渣からなる食物繊維である。
さらに本発明は、別の態様として、かかる食物繊維の製造方法であり、具体的には、モモの種子を除去したモモ果肉より果汁を採取した残りの残渣を乾燥し、水性アルコールで抽出し油分、脂溶性有機成分を除去し、乾燥することからなることを特徴とする、蛋白糖化抑制機能を有するモモ由来食物繊維の製造方法である。
さらに、本発明は、前記水性アルコール抽出後の残渣を濾過した後、得られた繊維成分を、あるいは、前記で得られたモモ由来食物繊維を、更に水洗を行うことにより水溶性成分を除去し、乾燥することからなる前記の蛋白糖化抑制機能を有するモモ由来食物繊維の製造方法であり、また、乾燥が、温風乾燥、減圧乾燥、或いは凍結乾燥のいずれかである製造方法である。
また本発明はまた別の態様として、上記で製造されるモモ由来食物繊維のパン、麺類、菓子、飲料、健康食品、動物飼料、養魚用飼料への添加物としての使用でもある。
本発明により提供される蛋白糖化抑制機能を有する果実由来の食物繊維、特にモモ由来食物繊維は、蛋白糖化反応を抑制する機能を有するものであり、従って、老化を促進させる物質であるAGEの生成を抑制し、更には、生成したAGEの分解を促進することから、皮膚老化の防止・改善に有効なものであり、そのための食品、飲料、健康食品、動物用飼料、養魚用飼料を提供できる利点を有している。
また、血管を構成する蛋白質が糖化されることによる動脈硬化の悪影響、そのほか糖尿病合併症などの悪影響を軽減する利点を有するものである。
本発明のピーチファイバーについて、試験例1によるAGE阻害率を示した図である。 本発明の水洗ピーチファイバーOKWについて、試験例1によるAGE阻害率を示した図である。
上記したとおり、本発明の基本は、蛋白糖化抑制機能を有する果実由来の食物繊維の提供であり、詳細には、モモの種子を取り除いたモモ果肉から果汁を搾取した残渣からなる蛋白糖化抑制機能を有することを特徴とする食物繊維である。
モモの収穫量は全国で年間約15万トンであり、生食用や缶詰や果汁、菓子原料などとして消費されている。
モモの果汁(モモジュース)等の加工企業からは、年間1500トン以上のモモ加工残渣(モモ食物繊維:以下、「ピーチファイバー」と記す場合もある)が副産物として生じるが、このピーチファイバーは何ら有効利用されることなく廃棄されているのが現状である。
本発明者らは、このピーチファイバーの有効利用を検討したところ、ピーチファイバーを温風、減圧、或いは凍結乾燥させて得られた乾燥ピーチファイバーを、水性アルコールにより抽出し、油分や脂溶性有機成分を除去して得られたピーチファイバーに蛋白糖化抑制機能があることを見出したのである。
その具体的処理方法の詳細を以下に説明する。
産業廃棄物としてモモ果汁製造工場から排出されるピーチファイバーを、温風、減圧、或いは凍結乾燥等の手段により乾燥し、乾燥状態のピーチファイバーを得る。この場合の温風乾燥は、ピーチファイバーに変性が生じないようあまり高温の温風による乾燥は避けるべきであり、望ましくは、50℃以下で行うのが好ましい。
かくして得られた乾燥原料としてのピーチファイバーを水性アルコールで抽出し、ファイバー中の油分や脂溶性有機成分を抽出除去し、粗ピーチファイバーを得る。
この場合の油分、脂溶性有機成分を除去するために使用する水性アルコールとしては、水性エタノール溶液であり、そのアルコールに対する水の添加量は1〜50v/v%であり、好ましくは、3〜15v/v%程度であるのがよい。
以上の様にして得られた粗ピーチファイバーは、比較的嵩密度が低いものであった。
この粗ピーチファイバーを必要により更に水洗し、水溶性成分を除去し、水洗粗ピーチファイバーを得る。あるいは、水性アルコール抽出して得られた固形物を分取後、水洗して水洗粗ピーチファイバーを得ることができる。
得られた水洗粗ピーチファイバーは、水洗することにより嵩密度が高いものとなった。
次いで、上記で得られた粗ピーチファイバー、或いは水洗粗ピーチファイバーを温風、減圧、或いは凍結乾燥等の手段により乾燥して、水分含有量を5%以下とし、更に粉砕工程に付し、整粒した後異物を除去することにより、商品用途に適した、本発明のモモ果肉由来の食物繊維を得た。
以上の様にして得られたモモ果肉由来の食物繊維は、蛋白糖化抑制機能を有しており、パン、麺類、菓子、飲料、健康食品、動物飼料、養魚用飼料への添加物として使用することができる。
以下に、ピーチファイバーの製造例を示した。
製造例:ピーチファイバーの調製
モモ果実から果皮及び種子を除去し、果汁を搾取して残った固形成分を凍結乾燥したモモ果汁残渣500gを5Lの三角フラスコに入れ、95%エタノール2.5Lを加えて懸濁し、40〜45℃で3時間撹拌した。これをろ過して、得られた粗ピーチファイバーを40〜45℃で1昼夜減圧乾燥し、粉砕して粒径をそろえ、異物を除去して、ピーチファイバー450gを得た。
嵩密度は、26.8g/100mLであった。
このようにして得られたピーチファイバーの成分表を、下記表1に示した。
表1:ピーチファイバーの成分表(分析:日本食品分析センター)
Figure 2018007612
また、前記ピーチファイバー200gを分取し、5Lのビーカーに入れ、精製水2Lを加えて室温で穏やかに1時間撹拌した。これをろ過して、得られた水洗粗ピーチファイバーを凍結乾燥し、粉砕して異物を除去し、水洗ピーチファイバー(ピーチファイバーOKW)180gを得た。嵩密度は46.1g/100mLであった。
各々の蛋白質糖化抑制機能の確認について、ヒト血清アルブミン(human serum albumin:HSA)による抗糖化活性測定の結果を以下に示した。
試験例1:抗糖化活性(HSA)測定試験
本試験は、ヒト血清アルブミン(HSA)−グルコース反応系における、試験品の蛍光性AGE生成阻害作用を確認する試験である。
<測定原理>
AGE(終末糖化産物)は、糖化反応における最終生成物の総称であり、その特徴の一つとして蛍光性を有する。蛍光性を有するAGEには、ペントシジン、クロスリン、ピロピリジンなどがある。本方法は、HSA−グルコース糖化反応系に試験品を添加して、試験品による蛍光強度からAGEの生成阻害率を測定した。
抗糖化活性は、試験品3濃度のAGE生成阻害率から50%生成阻害率(50%生成阻害濃度:IC50)として算出した。AGEは、反応液に370nmの励起波長を照射したときの蛍光を440nmで測定した。抗糖化活性のポジティブコントロールとしては糖化反応阻害剤の一種であるアミノグアニジンを使用した。
<方法>
1)測定装置
マイクロプレートリーダー Spectra Max i3(モレキュラーデバイス社)
2)サンプル調製
試験品としてピーチファイバー及び水洗粗ピーチファイバー(ピーチファイバーOKW)を用いた。
ピーチファイバーは、50mgを秤量後1mLの蒸留水に懸濁させ、試験原液とした。試験原液を蒸留水で適宜希釈し、試験溶液とした。
ピーチファイバーOKWは、50mg/mL水溶液は粘性が高く、ピペットでの吸引が困難であったため、10mgを秤量後1mLの蒸留水に懸濁させ、10mg/mL水溶液を試験原液とした。試験原液を蒸留水で適宜希釈し、試験溶液とした。
両サンプルとも完全溶解をしておらず、懸濁状態で、できるだけ均一な状態で糖化反応に供した。
ポジティブコントロールとしてのアミノグアニジンについては、3mg/mL水溶液を調製した。
<in vitro糖化反応>
0.05mol/NaHPO−NaHPOリン酸緩衝液(pH7.4)、8mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma-Aldrich)、0.2mol/Lグルコース糖化反応液中に、調製した各濃度のサンプルを1/10濃度となるように添加し、60℃で40時間インキュベートした。コントロールとしては、サンプルの代わりに蒸留水を添加したものを用い、N=2で実施した。
<抗糖化活性測定>
糖化反応終了後、反応液に生成した蛍光性AGEをマイクロプレートリーダーで測定した(励起波長370nm/蛍光波長440nm)。AGEの生成阻害率(%)は、in vitro糖化反応系においてサンプルを添加した反応液(A),グルコース水溶液の代わりに蒸留水を添加したもの(B),サンプルを添加しない溶液のみを添加してインキュベーションしたもの(C)、ブランクとしてグルコースの代わりに蒸留水を添加したもの(D)として下記の式に従って算出した。
AGE生成阻害率(%)=[1−(A−B)/(C−D)]×100
結果を下記表2及び図1及び2に示した。
表2:AGE生成阻害率と抗糖化活性(HSA)
Figure 2018007612
上記の表2並びに図1及び2に示した結果から判明するように、ピーチファイバー及びピーチファイバーOKWに、HSAに対して抗糖化活性が認められた。
表2から求めたIC50濃度は、各々、ピーチファイバーが0.6mg/mL、ピーチファイバーOKWが0.8mg/mLであった。
試験例2:COL抗糖化活性測定試験
本試験は、タイプIコラーゲン(COL)−グルコース反応系における試験品の蛍光性AGE生成阻害作用を確認する試験である。
測定原理、方法、抗糖化活性測定、AGE生成阻害率(%)は、基本的にはHSAにおける抗糖化活性測定と同様であるが、以下の点で異なる。
ポジティブコントロールとしてのアミノグアニジンについては、10mg/mL水溶液を調製した。
<in vitro糖化反応>
0.1mol/L NaHPO−NaHPOリン酸緩衝液(pH7.4)、1.2mg/mL I型コラーゲン(ニッピ)、0.4mol/Lグルコース糖化反応液中に、調製した各濃度のサンプルを1/10濃度となるように添加し、60℃で10日間インキュベートした。コントロールとしては、サンプルの代わりに蒸留水を添加したものを用い、N=2で実施した。
結果を下記表3に示した。
表3:AGE生成阻害率と抗糖化活性(COL)
Figure 2018007612
上記の表3に示した結果から判明するように、ピーチファイバーには、COLに対して抗糖化活性が認められた。
表3から求めたIC50濃度は、0.6mg/mLであった。
試験例3:ELA抗糖化活性測定試験
本試験は、エラスチン(ELA)−グルコース反応系における、試験品の蛍光性AGE生成阻害作用を確認する試験である。
測定原理、方法、抗糖化活性測定、AGE生成阻害率(%)は、基本的にはHSAにおける抗糖化活性測定と同様であるが、以下の点で異なる。
ポジティブコントロールとしてのアミノグアニジンについては、10mg/mL水溶液を調製した。
<in vitro糖化反応>
0.1mol/L NaHPO−NaHPOリン酸緩衝液(pH7.4)、6mg/mL豚由来エラスチン(ELA)、0.2mol/Lグルコース糖化反応液中に、調製した各濃度のサンプルを1/10濃度となるように添加し、60℃で10日間インキュベートした。コントロールとしては、サンプルの代わりに蒸留水を添加したものを用い、N=2で実施した。
結果を下記表4に示した。
表4:AGE生成阻害率と抗糖化活性(ELA)
Figure 2018007612
上記の表4に示した結果から判明するように、ピーチファイバーには、ELAに対して抗糖化活性が認められた。
表4から求めたIC50濃度は、0.5mg/mLであった。
以上の通り、モモ由来食物繊維には蛋白糖化抑制機能が認められたことから、このものをパン、麺類、食品類、菓子、飲料、健康食品、動物飼料、養魚用飼料への添加物として使用することにより、肌の老化や血管の糖化変性を防止する等、美容・健康への対応を図ることができる。
特に、「糖化」とは、蛋白質が体内にある「糖」と結びつく現象であり、体内の蛋白質は、血液中の過剰な糖分と結びつき、老化を促進させる物質である「終末糖化産物」(AGE)を生成し、このAGEは、1度できてしまうと分解・排出が難しく、体内に蓄積されて、老化を促進させる。
その点からみれば、活性酸素による酸化が「体のサビ」と言われるのに対して、糖化は「体のコゲ」とも呼ばれ、糖化は、食事などから摂った余分な糖質が体内の蛋白質と結びついて、細胞・組織・器官などを劣化させる現象であり、これが進むと肌のシワやくすみ、シミなどとなって現れ、また、糖化によってつくられるAGEは体内組織に作用して、多くの病気の原因となることが知られている。
本発明が提供するモモ由来食物繊維には、それらの影響を防止する機能がある点で、極めて特異的なものといえる。
さらに、モモ果汁製造時の副産物として年間1500トン以上のピーチファイバーが排出され、未利用資源として廃棄されていたものを有効利用することができる点でも、その有効性は多大なものである。

Claims (9)

  1. 果実由来の、蛋白糖化抑制機能を有することを特徴とする食物繊維。
  2. 果実がモモである請求項1に記載の食物繊維。
  3. モモの種子を取り除いたモモ果肉から果汁を搾取した残渣からなる、蛋白糖化抑制機能を有することを特徴とする請求項2に記載の食物繊維。
  4. 蛋白糖化抑制機能が、アルブミン、コラーゲン、エラスチンの糖化抑制である請求項1〜3のいずれかに記載の食物繊維。
  5. 蛋白糖化抑制機能が、生成した終末糖化産物(Advanced Glycation End Products:以下、AGEという)の分解である請求項1〜3のいずれかに記載の食物繊維。
  6. モモの種子を除去したモモ果肉より果汁を採取した残りの残渣を乾燥し、水性アルコールで抽出し、油分、脂溶性有機成分を除去し、乾燥することからなることを特徴とする、蛋白糖化抑制機能を有するモモ由来食物繊維の製造方法。
  7. 水性アルコール抽出後の固形残渣を更に水洗するか、或いは乾燥して得られた食物繊維を更に水洗することにより水溶性成分を除去し、乾燥する請求項6に記載のモモ由来食物繊維の製造方法。
  8. 乾燥が、温風乾燥、減圧乾燥、或いは凍結乾燥のいずれかである請求項6及び7に記載の蛋白糖化抑制機能を有するモモ由来食物繊維の製造方法。
  9. パン、麺類、菓子、飲料、健康食品、動物飼料、養魚用飼料への添加物として使用する請求項1〜3のいずれか記載の食物繊維。
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