JP2018006003A - 燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システム - Google Patents

燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】発電室における温度制御の精度を向上させることを目的とする。【解決手段】SOFC制御装置は、空気極に供給する空気の流量を制御する空気制御部14と、空気極に供給する燃料ガスの流量を制御する燃料ガス制御部15とを備える。燃料ガス制御部15は、発電室内に設定された複数の温度計測点における計測温度を所定の繰り返し時間間隔で取得し、取得した複数の計測温度の中から最高温度を発電室温度として特定する発電室温度特定部16と、発電室温度特定部16によって特定された発電室温度を用いて第2燃料ガス流量指令を設定する第2燃料ガス流量設定部17と、第2燃料ガス流量指令に基づいて燃料ガスの流量を制御する第2燃料ガス流量制御部18とを備える。【選択図】図10

Description

本発明は、燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムに関する。
燃料電池は、電気化学反応による発電方式を利用した発電装置であり、燃料側の電極である燃料極と、空気(酸化剤ガス)側の電極である空気極と、これらの間にありイオンのみを通す電解質とにより構成されており、電解質の種類によって様々な形式が開発されている。
例えば、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」という。)は、電解質としてジルコニアセラミックスなどのセラミックスが用いられ、水素、都市ガス、天然ガス、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどの炭素質原料をガス化設備により製造したガスを燃料として運転される燃料電池である。このSOFCは、イオン伝導率を高めるために作動温度が約700〜1000℃程度と高く、高効率な高温型燃料電池として知られている。
このようなSOFCを例えば、マイクロガスタービン(以下「MGT」という。)等の内燃機関と組み合わせた複合発電システムが開発されている。このMGTでは、圧縮機から吐出される圧縮空気をSOFCの空気極に供給するとともに、SOFCから排出される高温の排燃料ガスをMGTの燃焼器に供給して燃焼させ、燃焼器で発生した燃焼ガスを断熱膨張することでMGTのタービンを回転駆動させて発電機を回転駆動させることで、発電効率の高い発電が可能とされている。
このようなSOFCの起動時の制御として、例えば、特許文献1には、以下の方法が提案されている。まず、発電室の空気極側に予熱された酸化剤ガスを供給して発電室温度を上昇させ、空気極が触媒燃焼可能な温度(例えば、400から450℃)に至ると、続いて、燃料ガスが添加された酸化剤ガスを発電室の空気極側に供給し触媒燃焼することにより、発電室の温度上昇を促進させる。そして、発電室温度が所定温度(例えば、750℃以上)に至ると、燃料極側へ燃料ガスを供給し、発電セルの発電を開始させるとともに、空気極側に供給していた燃料ガスの添加量をゼロまで徐々に減少させる。
また、例えば、特許文献2には、SOFCの起動時において、発電室の温度が所定の目標温度まで予め設定された温度変化率で上昇するような目標温度情報を設定し、設定した目標温度情報と実際の発電室温度とに基づいて、燃料ガス及び酸化剤ガスの流量を制御することが開示されている。
また、例えば、特許文献3には、ガスタービン圧縮機から燃料電池へ供給する空気の温度を調整可能とした複合発電システムが開示されている。
特許第5601945号公報 特開2003−223912号公報 特開2015−111525号公報
従来、上述した発電室温度のフィードフォワード制御やフィードバック制御は、発電室内の任意の場所に設けられた代表的な温度と見なす温度センサによって計測された温度、もしくは複数場所で計測した温度の平均値を用いていた。しかしながら、一つの温度センサによって計測される温度や単に平均値とした温度では、発電室内の部分的な温度分布を生じた場合など温度環境を十分に把握することができず、適切な制御を行うことができない場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、燃料電池の発電室における温度制御の精度を向上させることのできる燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムを提供することを目的とする。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、前記空気極に供給する酸化剤ガスの流量を制御する酸化剤ガス制御部と、前記空気極に供給する可燃性ガスの流量を制御する可燃性ガス制御部とを備え、前記可燃性ガス制御部は、前記発電室内に設定された複数の温度計測点における計測温度を所定の繰り返し時間間隔で取得し、取得した複数の計測温度の中から最高温度を発電室温度として特定する発電室温度特定部と、前記発電室温度特定部によって特定された前記発電室温度を用いて可燃性ガス流量指令を設定する可燃性ガス流量設定部と、前記可燃性ガス流量指令に基づいて前記可燃性ガスの流量を制御する可燃性ガス流量制御部とを備える燃料電池の制御装置を提供する。
運転状態や燃料電池セルの特性のバラツキ等により、発電室内でも温度が最高となる箇所は常に同じ場所ではなく変化することが判明した。このような場合に、任意の場所で代表的な温度として一点のみを用いて温度制御を行ったのでは最適な温度制御を行うことが難しい場合がある。本発明によれば、燃料電池セルに設定された複数の温度計測点における計測温度を所定の繰り返し時間間隔で取得し、その中の最高温度を発電室温度として特定し、特定した発電室温度を用いて空気極へ供給する可燃性ガスの流量制御が行われる。このように、常に最新の最高温度を示す場所での温度を用いて空気極へ供給する可燃性ガスの流量制御を行うことにより、発電室内の一部が温度上昇し過ぎることを抑制して、特定の温度制御をより早く整定するように実行することが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、複数の前記計測温度は、少なくとも前記発電室の中央領域の発電セル表面温度および酸化剤ガス温度を含むこととしてもよい。
発電室内の中央領域が通常の発電状態では最も温度が高くなる領域であるから、中央領域における燃料電池セルの表面温度または酸化剤ガス温度を計測温度として取得することにより、発電室内の最高温度を的確にとらえることが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記可燃性ガス流量設定部は、発電室温度と可燃性ガス流量指令とが関連付けられた可燃性ガス流量情報を有しており、前記可燃性ガス流量情報から前記発電室温度特定部によって特定された前記発電室温度に対応する前記可燃性ガス流量を取得し、前記可燃性ガス流量指令として設定することとしてもよい。
このように、発電室温度と可燃性ガス流量指令とが関連付けられた可燃性ガス流量情報を予め用意しておくことで、その時々の発電室温度に応じた適切な可燃性ガス流量指令を容易に設定することが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記可燃性ガス流量設定部は、起動時における前記燃料電池の状態に応じて設けられた複数のスタート種別のそれぞれに対応する前記可燃性ガス流量情報を備え、前記燃料電池の状態に対応するいずれか一つの前記可燃性ガス流量情報を用いて可燃性ガス流量指令を設定することとしてもよい。
起動時における発電室温度は、前回の運転停止からの経過時間によって異なる。このように、全ての起動時における燃料電池の状態が同じわけではない。したがって、燃料電池の状態に応じて複数のスタート種別を設け、それぞれのスタート種別に対応する可燃性ガス流量情報を用意することで、起動時の燃料電池の状態に合わせた温度制御を実行することで、起動時間をより短くすることが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記スタート種別は、コールドスタート、ウォームスタート、及びホットスタートであり、起動時における発電室温度および入口燃焼温度に基づいてスタート種別を特定することとしてもよい。
このような構成によれば、起動時の燃料電池の温度状態を発電室温度及びSOFCの燃料極入口燃料温度に基づいて的確に把握することが可能となり、その時々の燃料電池の温度状態に応じた適切なスタート種別を選定することが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記空気極に供給する前記可燃性ガスの流量変化率は、前記コールドスタートよりも前記ウォームスタート及び前記ホットスタートの方が小さい値に設定されていてもよい。
例えば、コールドスタートの場合、昇温幅(例えば、450℃から900℃へ昇温等)が大きく、発電室内の温度のばらつきが大きくなる。これに対し、ウォームスタート及びホットスタートの場合には、既に発電室温度が比較的高温であることから、発電室内の温度のばらつきがコールドスタート時に比べて小さいため、コールドスタート時ほど多くの可燃性ガスを必要としないので、可燃性ガスの増減する変化量も少なくなる。したがって、ウォームスタート及びホットスタートの場合には、コールドスタートよりも可燃性ガスの供給変化率を低く設定することで、発電室内の温度のバラツキを考慮した温度制御を行うことができ、効率的な可燃性ガスの供給を行うことが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記空気極に供給する前記酸化剤ガスの流量変化率は、前記コールドスタートよりも前記ウォームスタート及び前記ホットスタートの方が大きい値に設定されていてもよい。
例えば、コールドスタートの場合には、燃料電池を構成している各種部材に温度差が発生すると好ましくないので比較的緩やかな昇温変化率を採用する。一方、ウォームスタート及びホットスタートの場合には、発電室内が既に比較的高温のため、コールドスタートのような懸念がない。したがって、ウォームスタート及びホットスタートについては、コールドスタートのときよりも空気極に供給する酸化剤ガスの流量変化率を高めに設定して早く昇温するようにしている。これにより、発電室温度を発電室目標温度まで到達させるまでの時間を短縮することが可能となる。
上記燃料電池の制御装置において、前記燃料電池は、例えば、固体酸化物形燃料電池である。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、酸化触媒性能を備える空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池と、いずれかの燃料電池の制御装置とを備える発電システムを提供する。
本発明は、燃料極と、固体電解質と、酸化触媒性能を備える空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、前記燃料電池の起動時に、可燃性ガスを添加した酸化剤ガスを前記空気極に供給して前記発電室の温度を上昇させる温度上昇工程を備え、前記温度上昇工程は、前記発電室内に設定された複数の温度計測点における計測温度を所定の繰り返し時間間隔で取得し、取得した複数の計測温度の中から最高温度を発電室温度として特定する発電室温度特定工程と、前記発電室温度を用いて、所定の繰り返し時間間隔で前記可燃性ガス流量指令を設定する可燃性ガス流量設定工程と、前記可燃性ガス流量指令に基づいて前記可燃性ガスの流量を制御する可燃性ガス流量制御工程とを有する燃料電池の制御方法を提供する。
本発明によれば、燃料電池の発電室における温度制御の精度を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る発電システムの概略構成を示した概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCのセルスタックの一態様を示した図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示した図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様の断面図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るSOFC制御装置の第2昇温モード及び負荷上昇モード時における機能を展開して示した機能ブロック図である。 図6に示した負荷上昇制御部の概略構成を示した図である。 目標負荷情報の一例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る負荷上昇制御部によって実行される処理の手順を示したフローチャートである。 図6に示した温度上昇制御部の概略構成を示した図である。 第2燃料ガス情報の一例を示した図である。 燃料ガス制御部が実行する処理手順を示したフローチャートである。
以下に、本発明に係る燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔発電システムの構成〕
まず、本発明の一実施形態に係る発電システムの概略構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発電システム10の概略構成を示した概略構成図である。図1に示すように、発電システム10は、マイクロガスタービン(以下「MGT」という。)11、発電機12、及びSOFC13を備えている。この発電システム10は、MGT11による発電と、SOFC13による発電とを組み合わせることで、高い発電効率を得るように構成されている。
MGT11は、圧縮機21、燃焼器22、タービン23を有しており、圧縮機21とタービン23とは回転軸24により一体回転可能に連結されている。後述するタービン23が回転することで圧縮機21が回転駆動する。圧縮機21は、空気取り込みライン25から取り込んだ空気Aを圧縮する。
燃焼器22には、第1空気供給ライン26を介して圧縮機21からの圧縮空気(以下、単に「空気」という。)A1が供給されるとともに、第1燃料ガス供給ライン27を介して燃料ガスL1が供給される。第1空気供給ライン26には、燃焼器22へ供給する空気量を調整するための制御弁65が設けられ、第1燃料ガス供給ライン27には、燃焼器22へ供給する燃料ガス流量を調整するための制御弁70が設けられている。更に、燃焼器22には、後述するSOFC13の燃料ガス再循環ライン49を循環する排燃料ガスL3の一部が排燃料ガス供給ライン45を通じて供給される。排燃料ガス供給ライン45には、燃焼器22に供給する排燃料ガス量を調整するための制御弁47が設けられている。更に、燃焼器22には、後述する排空気供給ライン36を通じてSOFC13の空気極13Bで用いられた排空気A2の一部が供給される。
燃焼器22は、燃料ガスL1、空気Aの一部、排燃料ガスL3、及び排空気A2を混合して燃焼させ、燃焼ガスGを生成する。燃焼ガスGは燃焼ガス供給ライン28を通じてタービン23に供給される。タービン23は、燃焼ガスGが断熱膨張することにより回転し、排ガスが燃焼排ガスライン55から排出される。発電機12は、タービン23と同軸上に設けられており、タービン23が回転駆動することで発電する。
燃焼器22に供給する燃料ガスL1及び後述する燃料ガスL2は可燃性ガスであり、例えば、液化天然ガス(LNG)、都市ガス、水素(H)及び一酸化炭素(CO)、メタン(CH)等の炭化水素ガス、及び炭素質原料(石油や石炭等)のガス化設備により製造されたガス等が用いられる。
SOFC13は、還元剤としての加熱した燃料ガスL2と、酸化剤ガスとしての加熱した空気(酸化剤ガス)とが供給されることで、所定の作動温度にて反応して発電を行う。このSOFC13は、圧力容器内に燃料極13Aと空気極13Bと固体電解質とが収容されて構成される。なお、SOFC13の詳細な構成については後述する。
SOFC13は、空気極13Bに酸化剤ガスが供給され、燃料極13Aに燃料ガスが供給されることで発電する。酸化剤ガスは、例えば、酸素を略15%から30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である。本実施形態では、SOFC13に供給される酸化剤ガスとして、圧縮機21によって圧縮された空気Aの少なくとも一部を採用する場合を例示して説明する。
SOFC13には、第1空気供給ライン26から分岐した第2空気供給ライン31を通じて酸化剤ガスとして空気A1が空気極13Bの導入部である空気供給部に供給される。この第2空気供給ライン31には、供給する空気A1の流量を調整するための制御弁64が設けられている。また、第1空気供給ライン26において、第2空気供給ライン31の分岐点よりも空気A1の上流側(換言すると、圧縮機21側)には、熱交換器58が設けられている。熱交換器58において、空気Aは、燃焼排ガスライン55から排出される排ガスとの間で熱交換されて昇温される。更に、第2空気供給ライン31には、熱交換器58をバイパスするバイパスライン62が設けられている。バイパスライン62には、制御弁66が設けられ、空気Aのバイパス流量が調整可能とされている。制御弁64、66の開度が後述する制御装置60によって制御されることで、熱交換器58を通過する空気Aと熱交換器58をバイパスする空気Aとの流量割合が調整され、空気Aの一部である第2空気供給ライン31を通じてSOFC13に供給される空気A1の温度が調整される。SOFC13に供給される空気A1の温度は、SOFC13を構成するSOFCカートリッジ203に空気A1を導入する空気供給部や空気供給枝管をはじめSOFCカートリッジ203の構成材料に損傷を与えないよう温度の上限が制限されている。
更に、第2空気供給ライン31には、可燃性ガスとして燃料ガスL2を供給する空気極燃料供給ライン80が接続されている。空気極燃料供給ライン80には、第2空気供給ライン31へ供給する燃料ガス量を調整するための制御弁82が設けられている。制御弁82の弁開度が後述する制御装置60によって制御されることにより、空気A1に添加される燃料ガスL2の供給量が調整される。空気A1に添加される燃料ガスL2の量は、可燃限界濃度以下で供給され、より好ましくは3体積%以下で供給される。
SOFC13には、空気極13Bで用いられた排空気A2を排出する排空気排出ライン34が接続されている。この排空気排出ライン34には、燃焼器22に排空気A2を供給するための排空気供給ライン36が接続されている。排空気供給ライン36には、SOFC13とMGT11との間の系統を切り離すための遮断弁38が設けられている。
また、排空気排出ライン34には、外部へ排出する排空気量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)37とが設けられている。
SOFC13には、更に、燃料ガスL2を燃料極13Aの導入部である燃料ガス供給部207(図3参照)に供給する第2燃料ガス供給ライン41と、燃料極13Aで反応に用いられた後の排燃料ガスL3を排出する排燃料ガスライン43とが接続されている。第2燃料ガス供給ライン41には、燃料極13Aに供給する燃料ガスL2の流量を調整するための制御弁42が設けられ、排燃料ガスライン43には外部に排出する排燃料ガス量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)46が設けられている。排燃料ガスライン43の制御弁(もしくは遮断弁)46と、排空気排出ライン34の制御弁(もしくは遮断弁)37により過剰になった圧力を素早く調整することができる。また、SOFC13の燃料極13Aと空気極13Bの燃料空気差圧は、燃料極13A側が所定の圧力範囲で高くなるように、制御弁47により制御する。また、排燃料ガスライン43には、排燃料ガスL3をSOFC13の燃料極13Aの入口へと再循環させるための燃料ガス再循環ライン49が接続されている。燃料ガス再循環ライン49には、排燃料ガスL3を再循環させるための再循環ブロワ50が設けられている。
更に、燃料ガス再循環ライン49には、燃料極13Aに燃料ガスL2を改質するための純水を供給する純水供給ライン44が設けられている。純水供給ライン44にはポンプ48が設けられている。ポンプ48の吐出流量が制御装置60によって制御されることにより、燃料極13Aに供給される純水量が調整される。
〔SOFCの構成〕
次に、図2から図4を参照してSOFC13の構成について説明する。
まず、本実施形態に係るSOFC複合発電システム(燃料電池複合発電システム)のSOFCに用いる円筒形セルスタックについて図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るセルスタック101の一態様を示した図である。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを備える。燃料電池セル105は、燃料極13Aと固体電解質111と空気極13Bとが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の長手軸方向において最も端の一端に形成された燃料電池セル105の空気極13Bに、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を備え、最も端の他端に形成された燃料電池セル105の燃料極109に電気的に接続されたリード膜(不図示)を備える。
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、CSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlなどを主成分とされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極13Aに拡散させる。
燃料極13Aは、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。燃料極109の厚さは50〜250μmである。この場合、燃料極13Aは、燃料極13Aの成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を備える。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質する。また、燃料極13Aは、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成する。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。SOFC13の燃料極13Aに供給し利用できる燃料ガスL2は、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素系ガス、都市ガス、天然ガスのほか、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどの炭素質原料をガス化設備により製造したガスなどを燃料として運転される。
本実施形態での燃料ガスL2は例えば都市ガスを使用し、メタンを主成分とする燃料ガスを用いている。
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを備えるYSZとが主に用いられて構成されている。固体電解質111は、空気極13Bで生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させる。燃料極13Aの表面上に位置する固体電解質111の膜厚は10〜100μmである。
空気極13Bは、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成される。この空気極13Bは、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化剤ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成する。空気極13Bは2層構成とすることもできる。この場合、固体電解質111側の空気極層(空気極中間層)は高いイオン導電性を示し、触媒活性に優れる材料で構成される。空気極中間層上の空気極層(空気極導電層)は、Sr及びCaドープLaMnOで表されるペロブスカイト型酸化物で構成されても良い。こうすることにより、発電性能をより向上させることができる。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物などから構成される。インターコネクタ107は、燃料ガスと空気とが混合しないように緻密な膜となっていて、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した耐久性と電気導電性を備える。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極13Bと他方の燃料電池セル105の燃料極13Aとを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続する。リード膜115は、電子伝導性を備えること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出する。
次に、図3及び図4を参照して本実施形態に係るSOFCモジュール及びSOFCカートリッジについて説明する。図3は、本実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示した図、図4は、本実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様の断面図である。
SOFCモジュール201は、図3に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ203と、複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを備える。なお、図3には円筒形のSOFCのセルスタックを例示しているが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約1MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤ガスに対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
SOFCモジュール201は、燃料ガス供給部207と複数の燃料ガス供給枝管207a及び燃料ガス排出部209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを備える。更に、SOFCモジュール201は、空気供給部(不図示)と空気供給枝管(不図示)及び空気排出部(不図示)と複数の空気排出枝管(不図示)とを備える。
第2燃料ガス供給ライン41(図1参照)からの燃料ガスL2は、燃料ガス供給部207、複数の燃料ガス供給枝管207aを通じて複数のSOFCカートリッジ203に供給される。燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給部207を通じて供給される燃料ガスL2を複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させる。
SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスL3は、燃料ガス排出枝管209a及び燃料ガス排出部209を通じることにより、略均等の流量で排燃料ガスライン43(図1参照)に導かれる。
本実施形態においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず、例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様としてもよい。
SOFCカートリッジ203は、図4に示すように、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室219と、空気供給室221と、空気排出室223とを備えている。更に、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを備えている。なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と空気供給室221と空気排出室223とが図4のように配置されることで、燃料ガスと酸化剤ガスとしての空気とがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造とされているが、その態様は必ずしもこの例に限られず、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または空気がセルスタックの長手軸方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置された領域であり、燃料ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。例えば、発電室215のセルスタック101の長手方向の中央部付近の温度は、後述する温度センサ92aや92bなどで監視され、SOFCモジュール201の定常運転時に、約700℃から1000℃の高温雰囲気となる。
燃料ガス供給室217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの上部に設けられた燃料ガス供給孔231aによって、燃料ガス供給枝管207aと連通されている。複数のセルスタック101は、上部管板225aとシール部材237aにより接合されており、燃料ガス供給室217は、燃料ガス供給枝管207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管103の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させる。
燃料ガス排出室219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bの下部に備えられた燃料ガス排出孔231bによって、燃料ガス排出枝管209aと連通されている。複数のセルスタック101は、下部管板225bとシール部材237bにより接合されており、燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管103の内部を通過して燃料ガス排出室219に供給される排燃料ガスL3を集約して、燃料ガス排出孔231bを介して燃料ガス排出枝管209aに導くことが出来る。
空気供給室221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと、下部管板225bと、下部断熱体227bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bの側面に設けられた空気供給孔233aによって、図示しない空気供給枝管と連通されている。この空気供給室221は、図示しない空気供給枝管から空気供給孔233aを介して供給される所定流量の空気を、空気供給隙間235aを介して発電室215に略均一流量で導くことが出来る。
空気排出室223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと、上部管板225aと、上部断熱体227aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの側面に設けられた空気排出孔233bによって、図示しない空気排出枝管と連通されている。この空気排出室223は、発電室215から、空気排出隙間235bを介して空気排出室223に供給される排空気を、空気排出孔233bを介して図示しない空気排出枝管に導くことが出来る。
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けられたNi/YSZ等からなるリード膜115(図2参照)によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された電力は、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないインバータなどにより所定の交流電力へと変換されて、電力負荷へと供給される。
上述したように、本実施形態に係るSOFC13では、燃料ガスL2と空気A1とがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。これにより、排空気A2は、基体管103の内部を通って発電室215に供給される燃料ガスL2との間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて空気排出室223に供給される。また、燃料ガスL2は、発電室215から排出される排空気A2との熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスL2を発電室215に供給することができる。更に、基体管103の内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスL3は、発電室215に供給される空気A1との間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出室219に供給される。また、空気A1は排燃料ガスL3との熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された空気を発電室215に供給することができる。
また、図4に示すように、各SOFCカートリッジ203には少なくとも1つ以上の温度センサがあり、本実施形態では2つの温度センサ92a、92bがそれぞれ配置されている。例えば、SOFC13が4つのSOFCカートリッジ203を備えて構成されている場合、合計8つの温度センサが設けられていることとなる。温度センサ92aは、燃料電池セル105の表面温度を測定するためのものであり、温度センサ92bは発電室215内の空気温度を測定するためのものである。温度センサ92a、92bは、セルスタック101の長手方向の中央領域に配置されている。本実施形態での中央領域とは、セルスタック101の長手方向における温度分布をとった場合に最も高温になる位置を含む領域とされ、セルスタック101の下部を0%、上部を100%とした場合、約30%から65%の範囲とされている。より好ましくは、中央領域は、約45%から55%の範囲とされている。
さらに、SOFC13には、燃料極13Aと空気極13Bとの差圧を計測する差圧センサ90(図1参照)等の各種センサが設けられている。SOFC13の各部位に設けられた各種センサ90、92a、92bの計測値は、制御装置60に送信される。
また、発電システム10には、SOFC13の周囲の外気温度を計測する外気温度センサ94(図1参照)が設けられている。本実施形態において、外気温度センサ94は、MGT11の圧縮機21の吸入口付近に設けられ、圧縮機21に吸引される空気Aの温度を計測する。外気温度センサ94の計測値は、制御装置60に送信される。
さらに、発電システム10には、第2空気供給ライン31を通じてSOFC13に供給される空気温度(入口空気温度)を計測する温度センサ(不図示)、燃料ガス再循環ライン49を循環する排燃料ガスL3の温度を計測する温度センサ(不図示)等が設けられている。各温度センサの計測値は、制御装置60に送信される。
制御装置60は、各種センサからの計測値や各制御弁の開度情報等を取得し、取得した情報に基づいて演算を行い、発電システム10の各部の動作を制御する。
〔発電システムの運転方法〕
次に、上記構成を備える発電システム10において、制御装置60によって実行される制御について簡単に説明する。
発電システム10の起動時において、制御装置60は、まずMGT11を起動させ、MGT11の出力がある一定の負荷で安定してから、圧縮機21から供給される空気の一部をSOFC13に供給することで、SOFC13の空気極13Bを加圧していくことができる。また燃料極13Aは燃料ガスの改質反応が可能な所定温度に上昇するまでは、Nなどの不活性ガスにHなどの還元性ガスを加えた混合気体などを用いて、加圧してゆくことができる。
また、SOFC13の空気極13Bに供給される空気A1は、熱交換器58により温度が300〜500℃に昇温されおり、空気A1に添加される燃料ガスL2の燃焼反応が生じるように空気極13Bが触媒として機能する温度まで発電室215を昇温させることが出来る。SOFC13が所定圧力まで加圧されると、遮断弁38を開としSOFC13とMGT11とを連結させ、SOFC13を経由してMGT11の燃焼器22に空気を供給するコンバインド状態に移行する。
コンバインド状態への移行後に、SOFC13を昇温するためにSOFC13に供給される空気流量を増加させ、SOFC13をバイパスして燃焼器22に供給される空気流量を減少させる。そして、ある一定時間後にSOFC13が発電を開始するまでは空気Aの全量がSOFC13を経由して燃焼器22に供給されるように制御して、SOFC13の出来るだけ均一な温度で早く昇温できるようにしてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る制御装置60について、図を参照して説明する。
制御装置60は、例えば、コンピュータやシーケンサであり、CPUと、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)等を備えている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
図5は、本実施形態に係る制御装置60が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図5に示すように、制御装置60は、SOFC13を制御するSOFC制御装置60aと、MGT11を制御するMGT制御装置60bとを備えている。SOFC制御装置60aとMGT制御装置60bとは情報の相互授受が可能とされている。
SOFC制御装置60aは、SOFC13の起動時に、第1昇温モード、第2昇温モード、及び負荷上昇モードを順に実行し、発電室温度を定格温度まで上昇させるとともに、目標負荷まで負荷を上昇させる。
まず、第1昇温モードでは、熱交換器58による熱交換によって加熱された空気A1を空気極13Bに供給することにより、発電室215を昇温させる。第1昇温モードにより、発電室温度が第1温度閾値Tth1に到達すると、第1昇温モードから第2昇温モードに切り替える。ここで、第1温度閾値は、空気極13Bが可燃性ガスとしての燃料ガスL2との燃焼反応に対して触媒として機能する温度であり、例えば、約400℃から450℃の範囲で設定されている。
第2昇温モードでは、第1昇温モードと同様に空気極13Bに空気A1を供給するとともに、制御弁82を開くことにより、空気極燃料供給ライン80により燃料ガスL2を空気A1に添加する。空気A1と燃料ガスL2とが流入した空気極13Bでは、空気極13Bの触媒作用によって燃料ガスL2が空気極13B上で触媒燃焼し、燃焼熱が発生する。このように、第2昇温モードでは、触媒燃焼による発熱を用いて発電室温度を上昇させる。
第2昇温モードにおいて、SOFC制御装置60aは、発電室温度の温度変化率が上限値を超えないように、燃料ガスL2の流量を制御する。また、SOFC制御装置60aは、発電室温度に応じて、バイパスライン62の制御弁66によりSOFC13の空気極13Bへ供給する空気A1の入口空気温度を制御する。
SOFC制御装置60aは、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達すると、第2昇温モードから負荷上昇モードに切り替える。
負荷上昇モードでは、負荷上昇中の発電による自己発熱のみで発電室温度を上昇させることも可能であるが、昇温に長い時間を要してしまうため、第1昇温モードと同様に空気極13Bに空気A1を供給するとともに、燃料極13Aに第2燃料ガス供給ライン41から燃料ガスL2と純水供給ライン44から純水を供給し、発電を開始する。負荷上昇モードでは、空気極13Bに燃料ガスL2を供給することによる触媒燃焼による発熱と、発電による発熱との両方によって発電室温度を上昇させる。負荷上昇モードでは、SOFC13の発電室温度が発電による自己発熱で温度維持が出来るまで温度上昇をした後は、空気極13Bへ供給される燃料ガスL2の供給量を徐々に減少させ、例えば、目標負荷到達と同時に空気極13Bへの燃料ガスL2の供給がゼロになるように制御される。また、負荷上昇モードでは、空気極の触媒燃焼およびSOFC13に負荷をかけて発電することによる発熱で発電室温度が上昇するが、負荷上昇に対して発電室温度は遅れて上昇する。
上記第2温度閾値Tth2は、例えば、750℃以上に設定されている。これは、燃料電池セル105が十分な温度に達していないときに燃料極13A側に燃料ガスL2を投入してしまうと、固体電解質111(図2参照)が高抵抗状態のときに燃料電池セル105を発電させると、電極構成材料が組織変化して劣化し、燃料電池セル105の性能低下の要因になるからである。発電室温度が750℃以上であれば上記のような燃料電池セル105の性能低下が起きにくいため、第2温度閾値Tth2は750℃付近に設定されることが好ましい。
負荷上昇モードにおいて、発電室温度が発電室目標温度Ttagに到達し、負荷が定格負荷など目標負荷に到達すると、起動完了となる。発電室目標温度TtagはSOFC13が発熱による自己発熱で温度が維持できる温度以上であり、例えば800〜950℃で設定される。
次に、SOFC制御装置60aによって実行される起動時の制御について、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、特に本発明の特徴部分である第2昇温モード及び負荷上昇モードについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るSOFC制御装置60aの第2昇温モード及び負荷上昇モード時における機能を展開して示した機能ブロック図である。
図6に示すように、SOFC制御装置60aは、負荷上昇制御部4と、温度上昇制御部(可燃性ガス流量制御部)5とを備えている。
まず、負荷上昇制御部4について説明する。負荷上昇制御部4は、図7に示すように、目標負荷設定部51、出力電流指令設定部52、制御指令設定部53、及び制御部54を備えている。
目標負荷設定部51は、外気温度とSOFC13の目標負荷(=目標出力電流)とが関連付けられた目標負荷情報を有している。目標負荷設定部51は、外気温度センサ94によって計測された外気温度に対応する目標負荷の値を目標負荷情報から取得し、目標負荷として設定する。
図8は目標負荷情報の一例を示した図である。図8において、横軸は外気温度、縦軸は目標負荷(=目標出力電流)を示している。目標負荷情報は、例えば、事前にシミュレーションまたは実機試験等の結果に基づいて作成されたものであり、制御弁65の弁開度を全閉にしたとき、換言すると、空気極13Bに供給される空気A1の流量を最大に設定したときに、SOFC13が出力し得る最大負荷(最大電流)の値が外気温度に対応付けられて設定されている。制御弁65等の弁開度が同じ場合、換言すると、流量が同じでも、外気温度が異なる場合には、空気密度が変わるためにSOFC13の発電室215に供給される空気量が変化する。例えば、外気温度が低いと空気密度が高くなり、MGT11の圧縮機21の吐出空気流量が多くなる。発電室215に供給される空気A1は冷却剤として機能するため、空気量が多いほどSOFC13が出力し得る最大負荷を大きくすることが可能となる。このような理由から、目標負荷情報は、図8に示すように、外気温度が低いほど、目標負荷が大きくなる特性とされている。
また、目標負荷情報は、図8に点線で示すように、外気温度から決定される目標負荷に対して所定の裕度を持たせることとしてもよい。SOFC13の負荷変化等で発電室温度が変化する際に、発電室温度は温度分布を保有する場合がある。このように所定の裕度を持たせることにより、発電室内の一部の温度がSOFC13の一部の部材等の耐熱温度から決定される温度上限値を超えることを極力回避することが可能となる。ここでの裕度は、本実施形態では、例えば、目標負荷(=目標出力電流)に対して約0.5%以下の範囲で設定される。裕度が0.5%を超え、更には1%を超えると目標負荷(=目標出力電流)に対して到達する電流値が少なくなり、出来るだけSOFC13の出力を多くしたい目的から外れるので好ましくない。また0.1%を下回ると、流量制御装置(マスフローコントローラなど)などの制御誤差範囲内になり実質的な裕度にならないので好ましくない。
出力電流指令設定部52は、目標負荷から決まる目標出力電流に基づいて所定の電流変化率で出力電流指令を所定の繰り返し時間間隔で設定する。電流変化率を設けないと、瞬時に電流が変化することになり各制御量の応答追従が出来ず、一時的に燃料ガスが過多もしくは欠乏となり、発電システム10の運転が不安定となる、SOFCカートリッジ203が損傷するなどの可能性がある。ここで、電流変化率とは、電流変化量(電流の増加量)の時間当たりの勾配を示す。また、所定の繰り返し時間間隔とは、目標負荷から出力電流を設定して各種の制御指令で各制御部を制御し、制御目標出力電流に到達したかを判断するまでの一連の制御を行うに必要な時間である。
制御指令設定部53は、出力電流指令設定部52によって設定される出力電流指令を用いてSOFC13の負荷を変化させるための複数の制御系の制御指令を設定する。ここで制御指令は、個々の制御指令を出して制御量である出力電流の変化が安定してから次の制御指令を出すのではなく、ほぼ同時に制御指令を出すようにする。例えば、制御指令設定部53は、燃料極13Aに供給する燃料ガスL2の流量指令を設定する第1燃料ガス流量設定部53a、空気極13Bに供給する空気A1の入口温度指令を設定する入口空気温度設定部53b、MGT出力指令を設定するMGT出力設定部53c、燃料極13Aと空気極13Bとの差圧指令を設定する差圧設定部53d、再循環ブロワの回転数指令を設定する再循環流量設定部53e、及び燃料極13Aに供給する純水の流量指令を設定する純水流量設定部53fを備えている。
制御部54は、第1燃料ガス流量制御部54a、入口空気温度制御部54b、MGT出力制御部54c、差圧制御部54d、再循環流量制御部54e、純水流量制御部54fを備えている。
第1燃料ガス流量制御部54aは、第1燃料ガス流量設定部53aからの燃料ガス流量指令に基づいて制御弁42の弁開度を制御することにより、燃料極13Aに供給する燃料ガス量を調整する。
入口空気温度制御部54bは、入口空気温度設定部53bからの入口空気温度指令に基づいて制御弁64、66の弁開度を調整することにより、空気極13Bに供給される空気A1の入口温度を制御する。
MGT出力制御部54cは、MGT出力設定部53cからのMGT出力指令に基づいて、主に制御弁65及び制御弁70の弁開度を調整することにより、MGT出力を制御する。
差圧制御部54dは、差圧設定部53dからの燃料空気差圧指令に基づいて、排燃料ガス供給ライン45に設けられている制御弁47の弁開度を調整することにより、燃料極13A側が空気極13B側より所定の範囲(例えば、0.1〜1kPa)で高くなるように発電室215の燃料空気差圧を制御する。
再循環流量制御部54eは、再循環流量設定部53eからのブロワ回転数指令に基づいて再循環ブロワ50の回転数を制御することにより、燃料極13Aに供給する排燃料ガス量を制御する。
純水流量制御部54fは、純水流量設定部53fからの純水流量指令に基づいてポンプ48の吐出流量を調整することにより、燃料極13Aに供給する純水量を制御する。
上記第1燃料ガス流量制御部54a、入口空気温度制御部54b、MGT出力制御部54c、差圧制御部54d、再循環流量制御部54e、純水流量制御部54fのうち少なくとも2つの制御系に対しては、ほぼ同時に制御指令が出され、例えば、入力された各指令に基づいてフィードバック制御やフィードフォワード制御を行うことにより、各種制御量を制御指令に一致させる制御を行う。なお、これらの制御については公知の技術を適宜適用すればよいため、詳細な説明は省略する。例えば、各種制御系の制御指令における各種操作量は、事前に制御指令の特性を用いたシミュレーションまたは実機試験などの結果に基づいて作成してもよい。このようにすることで、ほぼ同時に複数の制御系に対して制御指令を出しても、各制御量が適切な制御の下に安定して指令値へと近づいてゆき、SOFC13の発電室温度や負荷(出力電流)を目標値へと安定して近づけることが可能となる。
次に、負荷上昇制御部4によって実行される負荷上昇モード時の制御について、図9を参照して説明する。図9は、負荷上昇モードにおける制御手順を示したフローチャートである。負荷上昇モードは、上述した第2昇温モードにおいて、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達したときに開始される制御モードである。
まず、目標負荷設定部51によって外気温度に基づいて図8に示した目標負荷情報から目標負荷(=目標出力電流)が設定される(ステップSA1)。続いて、出力電流指令設定部52によって、所定の電流変化率(例えば、定格電流の5%/min)を用いて、目標負荷に対応する目標出力電流から出力電流指令が設定される(ステップSA2)。ここで、所定の電流変化率は、事前に指令設定をシミュレーションまたは実機試験などの結果に基づいてSOFC13の各制御量が適切に追従可能な値として作成されている。また、電流変化率は、出力電流指令に応じて変化してもよい。
続いて、制御指令設定部53により、出力電流指令に基づいて各制御系の制御指令が設定され(ステップSA3)、設定された制御指令に基づいてほぼ同時期に各制御系の制御が行われる(ステップSA4)。これにより、各種制御系の制御量が目標負荷に向けてほぼ同時期に変化することとなる。続いて、出力電流指令が目標負荷に対応する目標出力電流以上であるか否かを判断する(ステップSA5)。この結果、出力電流指令が目標出力電流未満であれば(ステップSA5において「NO」)、所定時間経過後にステップSA2に戻り、目標負荷に基づく出力電流指令が再度設定され、新たに設定された出力電流指令に基づいて以降のステップが順次行われる。
このようにして、ステップSA2〜SA5を繰り返し行うことにより、徐々に出力電流指令が目標出力電流に向けて変化し、出力電流指令が目標出力電流に到達すると、ステップSA5において「YES」と判断され、本処理を終了する。出力電流指令が目標出力電流に到達した後は、例えば、SOFC13の出力電流を目標出力電流で維持するような制御が行われる。
次に、SOFC制御装置60aが備える温度上昇制御部5について説明する。
温度上昇制御部5は、図10に示すように、空気極13B側に供給する空気(酸化剤ガス)A1の流量を制御する空気制御部14と、空気極13B側に供給する燃料ガスL2(可燃性ガス)の流量を制御する燃料ガス制御部15とを備えている。
発電室215内の中央領域での、燃料電池セル105の表面温度を計測する温度センサ92aと、中央領域での空気温度を計測する温度センサ92bの少なくとも一方が設けられている。また、必要に応じて発電室215内で温度が高くなる可能性がある部分に温度センサが設けられていてもよい。燃料ガス制御部15は、少なくとも温度センサ92a、92bのいずれかを含む発電室215内に設置された複数の温度センサの計測温度から発電室温度を特定し、発電室温度が上述の第1温度閾値Tth1に到達した場合に、空気極13Bへの燃料ガスL2の供給を開始する。
具体的には、燃料ガス制御部15は、発電室温度特定部16、第2燃料ガス流量設定部17、第2燃料ガス流量制御部18を備えている。
発電室温度特定部16は、少なくとも温度センサ92a、92bのいずれかを含む発電室215内に設置された複数の温度センサによって計測された複数の温度計測値のうちの最高温度を発電室温度として特定する。
本実施形態のSOFC13の通常の運転時には、SOFCモジュール201の中央付近に設置されるSOFCカートリッジ203の中央領域に設けた温度センサ92a、92bの温度が最も高くなり易い。一方、起動時の負荷上昇モードなどではSOFC13の運転状態が変わることで、最高温度を示す場所が変化する場合がある。このため、計測された複数の温度計測値のうちの最高温度を発電室温度として特定することが有効な手段となる。
第2燃料ガス流量設定部17は、例えば、図11に示すように、発電室温度と、空気極燃料供給ライン80より空気極13Bでの触媒燃焼用に空気A1に添加する燃料ガスL2の流量である第2燃料ガス流量指令とが関連付けられた第2燃料ガス情報を有しており、第2燃料ガス情報から発電室温度特定部16によって特定された発電室温度に対応する第2燃料ガス流量を取得し、取得した第2燃料ガス流量を第2燃料ガス流量指令として設定する。
ここで、図11に示すように、第2燃料ガス情報は、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達するまでは第2燃料ガス流量が増加する特性とされ、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達した後は第2燃料ガス流量が減少する特性とされている。これは、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達した以降は、負荷上昇モードに移行し、燃料極13Aに発電反応用の燃料ガスL2が供給され、自己発電の発熱により発電室温度が上昇するからである。ここで図11の第2燃料ガス情報は、シミュレーションまたは実機試験などの結果に基づいて適切な値を設定して作成されたものである。
第2燃料ガス流量制御部18は、第2燃料ガス流量設定部17によって設定された第2燃料ガス流量指令に基づいて制御弁82の弁開度を制御する。
次に、燃料ガス制御部15によって実行される処理について図12を参照して説明する。図12は、燃料ガス制御部15が実行する処理手順を示したフローチャートである。
まず、各SOFCカートリッジ203の発電室215内にそれぞれ設けられた少なくとも温度センサ92a、92bのいずれかを含む温度センサによって計測されたセルスタックの中央領域における温度を含む複数の計測温度が入力され(ステップSB1)、その中の最高温度が発電室温度として特定される(ステップSB2)。例えば、4つのSOFCカートリッジ203の発電室215内に温度センサ92a、92bの両方が設けられている場合は、8点の計測温度が入力される。
そして、特定した発電室温度に対応する第2燃料ガス流量を図11に示す第2燃料ガス情報から取得し、第2燃料ガス流量指令として設定する(ステップSB3)。そして、設定した第2燃料ガス流量指令に基づいて制御弁82の弁開度を制御することにより、空気極13Bに供給する空気A1に添加する燃料ガスL2の流量を制御する(ステップSB4)。
そして、発電室温度が発電室目標温度に到達したか否かを判定し(ステップSB5)、到達していなければステップSB1に戻り、到達していれば本処理を終了する。
ステップSB5の判断は、所定の繰り返し時間間隔で行われ、複数の計測温度から最高温度が発電室温度として特定するステップSB2も所定の繰り返し時間間隔で行われる。このため常に最新の最高温度を示す場所での計測温度を用いて空気極13Bへ供給する燃料ガスL2の流量制御を行うことになり、発電室内の一部に、制御対象として特定した最高温度より大幅に高い温度となる領域を発生させることなく、適切な温度制御が可能となる。ここで、所定の繰り返し時間間隔とは、ステップSB1からステップSB5までの各処理の制御を実行するに必要な時間である。
以上説明したように、本実施形態に係る燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システムによれば、各SOFCカートリッジ203の中央領域に設けられた少なくとも温度センサ92a、92bのいずれかを含む複数の温度センサによって計測された計測温度の中から最高温度を選択して発電室温度とし、この発電室温度に対応する第2燃料ガス流量指令を設定し、設定した第2燃料ガス流量指令に基づいて空気極13Bに供給する燃料ガスL2の流量を制御する。これにより、SOFC13の起動、昇温など運転状況が変化し発電室内の温度分布が変化しても発電室215の測定温度のうち、最も高い温度を発電室温度として特定して常に制御対象として用いることが可能となり、発電室215内の一部に温度分布がある場合でも、発電室温度内の構成部品の耐熱温度を越えることなく発電室温度を安全側サイドの温度で上昇させることが可能となる。
すなわち、常に最新の最高温度を示す場所での計測温度を用いて、空気極13Bへ供給する第2燃料ガス流量指令に基づいた燃料ガスL2の流量制御を行うことになる。このため、制御対象として特定した最高温度より大幅に高い温度となる領域を発電室内の一部に発生させることなく、適切な温度制御が可能となる。これにより、発電室温度がSOFC13を構成している部材の耐熱温度から設定される発電室温度上限値を超えることを抑制することが可能となる。
また、発電室内の一部の温度が目標温度を超えてオーバーシュートすることを抑制するので、起動時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施形態では、通常の起動時、すなわち、発電室215の温度が低い(例えば、発電室温度が100℃未満)状態から起動、昇温を行うコールドスタートの場合について述べたが、起動停止から時間がそれほど経過していないうちに再度起動される場合には、発電室温度が発電室目標温度に近い温度とされている場合がある。このような場合には、上述のコールドスタートと同じ手順によって起動を行う必要がない。
よって、例えば、通常の起動時であるコールドスタート、発電室温度が発電室目標温度に近いホットスタート、及びコールドスタートとホットスタートとの間のウォームスタートの3つに分け、それぞれのスタート種別に対応する第2燃料ガス情報をそれぞれ設ける。そして、第2燃料ガス流量設定部17は、それぞれのSOFC13の発電室215と燃料極13A入口での状態量に基づいてスタート種別を特定し、特定したスタート種別に対応する第2燃料ガス流量情報を用いて、第2燃料ガス流量指令を設定することとしてもよい。
例えば、コールドスタートは、発電室温度特定部16によって特定された発電室温度が100℃以上300℃未満の温度範囲に設定された所定のコールド判定温度未満の場合に採用され、通常に実施する起動を行う。
また、ホットスタートは、発電室温度特定部16によって特定された発電室温度とSOFC13の燃料極入口燃料温度が各々に設定した所定値よりも高い状態に適用する。ここで、燃料極入口燃料温度は、例えば、図1に示す温度センサ93によって計測される温度であり、燃料ガス再循環ライン49において、燃料ガスL2と純水とが混合された後の温度である。
例えば、発電室温度が300℃以上600℃未満の温度範囲に設定されたホット判定第1温度よりも高く、かつ、SOFC13の燃料極入口燃料温度が150℃以上250℃以下の温度範囲で設定されたホット判定第2温度よりも高い場合に、ホットスタートが採用される。
また、ウォームスタートは、コールドスタートでもなく、ホットスタートでもない中間の場合に採用される。
上記コールド判定温度、ホットスタート判定第1温度、ホットスタート判定第2温度は、供給可能なガス種によって上記温度範囲内で設定することが可能である。
ホットスタートは、例えば、燃料極13Aに燃料ガスL2及び純水の供給が可能な温度領域であるとみなすことができる状態である。換言すると、燃料極13Aに純水を供給することによる温度低下によってドレンが発生しない温度領域であるとみなすことができる。したがって、この場合には、ホットスタートとみなして、比較的少ない流量の燃料ガスL2が空気極13Bに供給されるとともに、燃料極13Aには燃料ガスL2及び純水の両方が供給され、前述の第2昇温モードからの昇温が可能となる。
一方、ウォームスタートは、燃料極13Aに純水を供給することでドレンが発生することが懸念される温度領域の場合である。ここで、ウォームスタートでは、ホットスタートよりも多めの燃料ガスL2を空気極13Bに供給される空気A1に添加して、触媒燃焼による発熱量の増加により発電室の温度上昇を早めるようにする。なお、ウォームスタートの場合には、燃料極13Aに燃料ガスL2及び純水を供給するとドレンが発生するため、ウォームスタートの初期においては、改質用の純水が不要となるよう、水素及び窒素が燃料ガスL2として燃料極13Aに供給されてもよい。
なお、上記スタート種別は、制御途中において、発電室の温度センサ92a、92bによる計測温度のうち、最も低い温度が450℃未満となった場合、または、SOFC13の燃料極入口燃料温度が200℃未満になった場合に、SOFC13の状態が異なったとしてリセットされ、再度、スタート種別の特定が行われる。
また、昇温時において、空気極13Bに供給する空気A1の供給変化率を異ならせることとしてもよい。例えば、コールドスタートの場合には、SOFCカートリッジ203の例えば、上部管板225a、下部管板225b、上部断熱体227a、下部断熱体227b等に相互間における温度差や内面温度差が発生すると好ましくないので比較的緩やかな昇温変化率が採用されるが、ウォームスタート及びホットスタートの場合には、発電室215が高温であるのでそのような懸念が少ない。したがって、コールドスタートのときよりも空気極13Bに供給する空気A1の流量変化率を高めに設定して、空気A1の流量を増加させてSOFC13の昇温を早くすることが可能である。例えば、空気A1の流量変化率は、ホットスタート、ウォームスタート、コールドスタートの順に高く設定されている。
また、空気極13Bに供給する燃料ガスL2の流量変化率についても、コールドスタート、ウォームスタート、ホットスタートで異ならせてもよい。例えば、ウォームスタート及びホットスタートの場合には、コールドスタートよりも燃料ガスL2の流量変化率を低く設定する。これは、例えば、コールドスタートの場合、昇温幅(例えば、発電室温度を450℃から900℃へ昇温)が大きく、発電室内の温度のばらつきが大きくなる。これに対し、ウォームスタート及びホットスタートの場合には、発電室の温度が初めから高いために発電室内の温度のばらつきがコールドスタート時に比べて小さく、コールドスタート時に比べて必要とされる燃料ガスL2が少なくても良いためである。
このように、コールドスタート、ウォームスタート、ホットスタートを設け、発電室温度等から起動時におけるSOFC13の状態を判定して適切なスタート種別に基づいて燃料極13A及び空気極13Bに供給するガスの流量やガスの種類を制御するので、その時々のSOFC13の状態に適合する好ましい制御を実行することが可能となる。
4 :負荷上昇制御部
5 :温度上昇制御部
10 :発電システム
11 :MGT(マイクロガスタービン)
12 :発電機
13A :燃料極
13B :空気極
14 :空気制御部
15 :燃料ガス制御部
16 :発電室温度特定部
17 :第2燃料ガス流量設定部
18 :第2燃料ガス流量制御部
51 :目標負荷設定部
52 :出力電流指令設定部
53 :制御指令設定部
53a :第1燃料ガス流量設定部
53b :入口空気温度設定部
53c :MGT出力設定部
53d :差圧設定部
53e :再循環流量設定部
53f :純水流量設定部
54 :制御部
54a :第1燃料ガス流量制御部
54b :入口空気温度制御部
54c :MGT出力制御部
54d :差圧制御部
54e :再循環流量制御部
54f :純水流量制御部
60 :制御装置
60a :SOFC制御装置
60b :MGT制御装置
92a、92b :温度センサ
94 :外気温度センサ
105 :燃料電池セル
111 :固体電解質
201 :SOFCモジュール
203 :SOFCカートリッジ
215 :発電室

Claims (10)

  1. 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、
    前記空気極に供給する酸化剤ガスの流量を制御する酸化剤ガス制御部と、
    前記空気極に供給する可燃性ガスの流量を制御する可燃性ガス制御部と
    を備え、
    前記可燃性ガス制御部は、
    前記発電室内に設定された複数の温度計測点における計測温度を所定の繰り返し時間間隔で取得し、取得した複数の計測温度の中から最高温度を発電室温度として特定する発電室温度特定部と、
    前記発電室温度特定部によって特定された前記発電室温度を用いて可燃性ガス流量指令を設定する可燃性ガス流量設定部と、
    前記可燃性ガス流量指令に基づいて前記可燃性ガスの流量を制御する可燃性ガス流量制御部と
    を備える燃料電池の制御装置。
  2. 複数の前記計測温度は、少なくとも前記発電室の中央領域の前記燃料電池セルの表面温度または酸化剤ガス温度を含む請求項1に記載の燃料電池の制御装置。
  3. 前記可燃性ガス流量設定部は、発電室温度と可燃性ガス流量指令とが関連付けられた可燃性ガス流量情報を有しており、前記可燃性ガス流量情報から前記発電室温度特定部によって特定された前記発電室温度に対応する前記可燃性ガス流量を取得して前記可燃性ガス流量指令として設定する請求項1または請求項2に記載の燃料電池の制御装置。
  4. 前記可燃性ガス流量設定部は、起動時における前記燃料電池の状態に応じて設けられた複数のスタート種別のそれぞれに対応する前記可燃性ガス流量情報を備え、前記燃料電池の状態に対応するいずれか一つの前記可燃性ガス流量情報を用いて可燃性ガス流量指令を設定する請求項3に記載の燃料電池の制御装置。
  5. 前記スタート種別は、コールドスタート、ウォームスタート、及びホットスタートであり、起動時における発電室温度および燃料極入口燃料温度に基づいてスタート種別を特定する請求項3または請求項4に記載の燃料電池の制御装置。
  6. 前記空気極に供給する前記可燃性ガスの流量変化率は、前記コールドスタートよりも前記ウォームスタート及び前記ホットスタートの方が小さい値に設定されている請求項5に記載の燃料電池の制御装置。
  7. 前記空気極に供給する前記酸化剤ガスの流量変化率は、前記コールドスタートよりも前記ウォームスタート及び前記ホットスタートの方が大きい値に設定されている請求項5または請求項6に記載の燃料電池の制御装置。
  8. 前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池である請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
  9. 燃料極と、固体電解質と、酸化触媒性能を備える空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池と、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の前記燃料電池の制御装置と
    を備える発電システム。
  10. 燃料極と、固体電解質と、酸化触媒性能を備える空気極とを備える複数の発電セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、
    前記燃料電池の起動時に、可燃性ガスを添加した酸化剤ガスを前記空気極に供給して前記発電室の温度を上昇させる温度上昇工程を備え、
    前記温度上昇工程は、
    前記発電室内に設定された複数の温度計測点における計測温度を所定の繰り返し時間間隔で取得し、取得した複数の計測温度の中から最高温度を発電室温度として特定する発電室温度特定工程と、
    前記発電室温度を用いて、所定の繰り返し時間間隔で前記可燃性ガス流量指令を設定する可燃性ガス流量設定工程と、
    前記可燃性ガス流量指令に基づいて前記可燃性ガスの流量を制御する可燃性ガス流量制御工程と
    を有する燃料電池の制御方法。
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